JP6797381B2 - 多色固形化粧料の製造方法、およびこれに用いられるプレスヘッド - Google Patents
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Description
この際、化粧料C12の尖った先端部位は、化粧皿10の外壁に押し付けられて潰れて変形し、図21(C)に示すように、その尖った形状を保てなくなってしまう場合がある。
以下、本発明の第1実施形態を図面に基づいて説明する。
図1は、本発明の第1実施形態に係る多色固形化粧料の外観を示す模式図である。具体的には、図1(A)は、多色固形化粧料1を上面側から見た図であり、図1(B)は、多色固形化粧料1を図中一点鎖線にて切断した断面を示す図である。
多色固形化粧料1は、図1に示すように、複数色の化粧料C1,C2と、これらの化粧料C1,C2を収容する化粧皿10とを備えて構成されている。この多色固形化粧料1は、互いに異なる複数色の化粧料C1,C2を用いて表面に色模様を形成している。具体的には、多色固形化粧料1は、中心角90度の断面扇形の化粧料C1を四方にセットし、各化粧料C1の中央に化粧料C2をセットして表面に色模様を形成している。
化粧皿10の皿底11は、その中央に形成された充填孔13Aと、その四方にそれぞれ形成された充填孔13Bとを有している。これらの充填孔13A,13Bは、化粧皿10の内底面から化粧皿10の裏面まで貫通して断面円形状に形成されている。ここで、充填孔13Aは、化粧料C2と対応する位置に形成されている。また、充填孔13Bは、化粧料C1と対応する位置に形成されている。
なお、充填孔13A,13Bは、化粧皿10の内底面側に位置する縮径部と、化粧皿10の裏面側に位置し、縮径部よりも径の大きい拡径部とを有している。
ここで、スラリー状の化粧料C1,C2は、ファンデーション、フェイスパウダー、アイシャドウなどの固形粉末化粧料の化粧料基材と、エタノール、水、流動パラフィン、イソパラフィン、イソプロピルアルコールなどの揮発性溶剤とを混合した流動物である。また、化粧料C1の充填時の硬度は、化粧料C2の充填時の硬度よりも低く設定されている。
充填装置2は、図2に示すように、ハカマ14に収納された状態で搬送されてきた化粧皿10に化粧料C1,C2を充填する充填ノズル21A,21Bと、化粧皿10の表面の開口を閉塞するとともに、化粧料C1,C2を充填する際に化粧料C1,C2に含まれる揮発性溶剤を吸引して除去する吸引ヘッド22と、化粧皿10の収容部に嵌め入れられる仕切り型23とを備えている。
なお、図2では、化粧皿10、ハカマ14、および仕切り型23は、化粧皿10を図1の一点鎖線にて切断した断面を示している。また、本実施形態では、化粧料C1を充填する充填ノズルを21Bとし、化粧料C2を充填する充填ノズルを21Aとする。
仕切り型23は、化粧皿10の収容部に嵌め入れられることによって、化粧皿10内を複数の区画に仕切ることができる。この仕切り型23は、図3に示すように、矩形枠状に形成されたフレーム231と、このフレーム231の内部に架け渡された仕切り板232とを有している。
仕切り板232は、化粧料C1,C2を仕切るための境界となる部位である。この仕切り板232は、化粧料C1の扇形の弧に対応するように形成されている。また、仕切り板232の下端は、化粧皿10の皿底11の内底面に当接する。
その後、充填装置2は、吸引ヘッド22を上昇させるとともに、充填ノズル21A,21Bを下降させることによって初期状態に戻る(図4参照)。
そして、充填装置2は、仕切り型23を化粧皿10から取り外すことによって、ブロック状に形成された化粧料C1,C2を仕切り型23の厚みの間隔を隔てて化粧皿10内にセットする(型抜きステップ)。
プレス装置3は、図7および図8に示すように、ハカマ14に収納された状態で搬送されてきた化粧皿10にセットされた化粧料C1,C2にプレス処理を施すプレスヘッド31を備えている。
ここで、プレス面31Aは、図10(A)にハッチングにて示すように、プレス面31B側の部位にそれぞれ形成された傾斜面31Cを有している。この傾斜面31Cは、図9および図10(B)に示すように、プレス面31B側に向かうにしたがって突出するように傾斜している。
以下、図7および図8を参照してプレス装置3による化粧料C1,C2のプレス方法を説明する。
換言すれば、本実施形態では、鋭く尖った部位を多く有し、その形状を変化させたくない化粧料C2を特定化粧料とし、化粧料C2を挟むようにセットされるとともに、その形状を変化させてもよい化粧料C1を周囲化粧料としている。
多色固形化粧料1は、プレス装置3のプレスヘッド31にて化粧料C1,C2にプレス処理を施した後、図11に示すように、本プレス装置4にて化粧料C1,C2に再度のプレス処理を施すことによって、化粧料C1,C2を固化させて成型することができる。
この本プレス装置4は、プレスヘッド31とは異なる平面状のプレス面を有するプレスヘッド41を備え、化粧料C1,C2にプレス装置3よりも強くプレス処理を施すことができる。
(1)打型ステップは、複数色の化粧料C1,C2のうち、化粧料C1にプレスヘッド31にてプレス処理を施した後、化粧料C2にプレスヘッド31にてプレス処理を施すことによって、複数色の化粧料C1,C2を打型するので、化粧料C1がプレス処理の圧力によって広がっていった後、化粧料C2がプレス処理の圧力によって広がっていくことになる。したがって、多色固形化粧料1の表面に所望の色模様を形成することができる。
以下、本発明の第2実施形態を図面に基づいて説明する。
前記第1実施形態では、打型ステップは、プレスヘッド31のプレス面31Aをプレス面31Bよりも複数色の化粧料C1,C2側に突出するように形成することによって、複数色の化粧料C1,C2のうち、化粧料C1にプレスヘッド31にてプレス処理を施した後、化粧料C2にプレスヘッド31にてプレス処理を施し、複数色の化粧料C1,C2を打型していた。
なお、以下の説明では、既に説明した部分については、同一符号を付してその説明を省略する。
充填装置2Aは、図12に示すように、ハカマ14に収納された状態で搬送されてきた化粧皿10に化粧料C1,C2を充填する充填ノズル21A,21Bと、化粧皿10の表面の開口を閉塞するとともに、化粧料C1,C2を充填する際に化粧料C1,C2に含まれる揮発性溶剤を吸引して除去する吸引ヘッド24と、化粧皿10の収容部に嵌め入れられる仕切り型25とを備えている。
なお、図12では、化粧皿10、ハカマ14、および仕切り型25は、化粧皿10を図1の一点鎖線にて切断した断面を示している。
ここで、閉塞面24Bは、図14(A)にハッチングにて示すように、閉塞面24C側の部位にそれぞれ形成された傾斜面24Dを有している。この傾斜面24Dは、図13および図14(B)に示すように、閉塞面24C側に向かうにしたがって陥没するように傾斜している。
仕切り型25は、化粧皿10の収容部に嵌め入れられることによって、化粧皿10内を複数の区画に仕切ることができる。この仕切り型25は、図15に示すように、矩形枠状に形成されたフレーム251と、このフレーム251の内部に架け渡された仕切り板252とを有している。
仕切り板252は、化粧料C1,C2を仕切るための境界となる部位である。この仕切り板252は、化粧料C1の扇形の弧に対応するように形成されている。また、仕切り板252の下端は、化粧皿10の皿底11の内底面に当接する。
ここで、フランジ部251Aおよび胴部251Bは、図15(A)にハッチングにて示すように、吸引ヘッド24の傾斜面24Dと対応するように傾斜した部位を有している。
その後、充填装置2Aは、吸引ヘッド24を上昇させるとともに、充填ノズル21A,21Bを下降させることによって初期状態に戻る(図16参照)。
そして、充填装置2Aは、仕切り型25を化粧皿10から取り外すことによって、ブロック状に形成された化粧料C1,C2を仕切り型25の厚みの間隔を隔てて化粧皿10内にセットする(型抜きステップ)。
換言すれば、本実施形態では、化粧料C1は、化粧料C2よりもプレスヘッド32側に突出するように化粧皿10内にセットされている。また、化粧料C1の表面は、化粧料C2の表面に対して傾斜する傾斜面C1Aを含んでいる。
プレス装置3Aは、図19および図20に示すように、ハカマ14に収納された状態で搬送されてきた化粧皿10にセットされた化粧料C1,C2にプレス処理を施すプレスヘッド32を備えている。このプレスヘッド32は、平面状のプレス面32Aを有している。
以下、図19および図20を参照してプレス装置3Aによる化粧料C1,C2のプレス方法を説明する。
なお、本実施形態では、多色固形化粧料1は、プレス装置3Aのプレスヘッド32にて化粧料C1,C2にプレス処理を施すことによって、化粧料C1,C2を固化させて成型しているが、前記第1実施形態と同様に、本プレス装置4のプレスヘッド41にて化粧料C1,C2に再度のプレス処理を施すことによって、化粧料C1,C2を固化させて成型してもよい。
(5)化粧料C1は、化粧料C2よりもプレスヘッド32側に突出するように化粧皿10内にセットされるので、プレスヘッド32にて化粧料C1にプレス処理を施した後、プレスヘッド32にて化粧料C2にプレス処理を施すことができる。
なお、本発明は、前記各実施形態に限定されるものではなく、本発明の目的を達成できる範囲での変形、改良等は本発明に含まれるものである。
例えば、前記各実施形態では、多色固形化粧料1は、2色の化粧料C1,C2を備えて構成されていた。これに対して、多色固形化粧料は、3色以上の複数色の化粧料を備えて構成されていてもよい。
前記各実施形態では、化粧料C1の充填時の硬度は、化粧料C2の充填時の硬度よりも低く設定されていたが、同一に設定されていてもよく、高く設定されていてもよい。
2,2A 充填装置
3,3A プレス装置
10 化粧皿
13A,13B 充填孔
21A,21B 充填ノズル
22,24 吸引ヘッド
23,25 仕切り型
24D 傾斜面
31 プレスヘッド
31A プレス面(周囲用プレス面)
31B プレス面(特定用プレス面)
31C 傾斜面
32 プレスヘッド
32A プレス面
C1 化粧料(周囲化粧料)
C2 化粧料(特定化粧料)
C1A 傾斜面
Claims (6)
- 化粧皿内にセットされた複数色の化粧料にプレス処理を施すことによって、多色固形化粧料を製造する多色固形化粧料の製造方法であって、
前記化粧皿を仕切り型にて複数の区画に仕切る仕切りステップと、
前記複数の区画のそれぞれに対応するようにして前記化粧皿に形成された複数の充填孔を介して前記複数色の化粧料を前記複数の区画のそれぞれに充填する充填ステップと、
前記化粧皿の開口を吸引ヘッドにて閉塞し、前記吸引ヘッドを用いることによって、前記化粧皿内に充填された前記複数色の化粧料中の溶剤を除去する吸引ステップと、
前記仕切り型を前記化粧皿から取り外すことによって、ブロック状に形成された複数色の化粧料を前記仕切り型の厚みの間隔を隔てて前記化粧皿内にセットする型抜きステップと、
前記化粧皿内にセットされた複数色の化粧料にプレスヘッドにてプレス処理を施すことによって、複数色の化粧料を打型する打型ステップとを備え、
前記打型ステップは、
前記複数色の化粧料のうち、いずれかの特定化粧料の周囲にセットされた周囲化粧料にプレスヘッドにてプレス処理を施した後、前記特定化粧料にプレスヘッドにてプレス処理を施すことによって、複数色の化粧料を打型し、
前記プレスヘッドは、
前記周囲化粧料のプレス処理を施した後の表面形状と対応する面形状に形成されるとともに、前記周囲化粧料にプレス処理を施す周囲用プレス面と、
前記特定化粧料の表面形状と対応する面形状に形成されるとともに、前記特定化粧料にプレス処理を施す特定用プレス面とを有し、
前記周囲用プレス面は、前記特定用プレス面よりも前記複数色の化粧料側に突出するように形成され、前記周囲化粧料のプレス処理を施す前の表面に対して傾斜する傾斜面を含むことを特徴とする多色固形化粧料の製造方法。 - 請求項1に記載された多色固形化粧料の製造方法において、
前記周囲用プレス面は、前記特定用プレス面に対して傾斜する傾斜面を含むことを特徴とする多色固形化粧料の製造方法。 - 請求項1または請求項2に記載された多色固形化粧料の製造方法において、
前記周囲化粧料は、前記特定化粧料よりも前記プレスヘッド側に突出するように前記化粧皿内にセットされることを特徴とする多色固形化粧料の製造方法。 - 請求項3に記載された多色固形化粧料の製造方法において、
前記周囲化粧料の表面は、前記特定化粧料の表面に対して傾斜する傾斜面を含むことを特徴とする多色固形化粧料の製造方法。 - 請求項1から請求項4のいずれかに記載された多色固形化粧料の製造方法において、
前記周囲化粧料の充填時の硬度は、前記特定化粧料の充填時の硬度よりも低いことを特徴とする多色固形化粧料の製造方法。 - 化粧皿内にセットされた複数色の化粧料にプレス処理を施すことによって、多色固形化粧料を製造する多色固形化粧料の製造方法に用いられるプレスヘッドであって、
前記複数色の化粧料のうち、いずれかの特定化粧料の周囲にセットされた周囲化粧料のプレス処理を施した後の表面形状と対応する面形状に形成されるとともに、前記周囲化粧料にプレス処理を施す周囲用プレス面と、
前記複数色の化粧料のうち、前記特定化粧料の表面形状と対応する面形状に形成されるとともに、前記特定化粧料にプレス処理を施す特定用プレス面とを有し、
前記周囲用プレス面は、前記特定用プレス面よりも前記複数色の化粧料側に突出するように形成され、前記周囲化粧料のプレス処理を施す前の表面に対して傾斜する傾斜面を含むことを特徴とするプレスヘッド。
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