JP2960139B2 - 地下連続壁の施工方法 - Google Patents

地下連続壁の施工方法

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Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 この発明は複数本の掘削ロッドを持つ多軸掘削機によ
り地下連続壁を構築する地下連続壁の施工方法に関する
ものである。
〔発明が解決しようとする課題〕
同一線上の一方向に並列する複数本の掘削ロッドを持
つ多軸掘削機を使用して平面的に直線状に連続する固結
体からなる地下連続壁を構築する方法は、掘削機の掘進
と、掘削ロッドの先端から吐出される固化材と掘削土の
撹拌,混合によって複数個の連続する削孔の群を一施工
区間として施工し、これに隣接する一区間を飛ばした次
の一施工区間を断続的に施工した後、両区間の中間の区
間を施工することにより、あるいは一区間を飛ばすこと
なく施工済みの施工区間に隣接する区間を連続的に施工
することにより、隣接する二区間に跨る少なくとも一個
の削孔を重複させながら行われる。
掘削土と固化材との混合は従来、隣接する二区間で固
結体の品質を均質化し、連続性を確保する必要から、上
記の通り、一施工区間の端部に位置する削孔において重
複して行われているが、掘削土と固化材との混合が一旦
完了した削孔内の混合物は実質的に十分な強度を持って
いることから、強度上はこの混合が一旦完了した削孔に
対して固化材を再度注入して混合を行う必要性に乏しい
ため、従来は必要以上に固化材を使用する結果となって
いる。
この発明はこうした背景を踏まえてなされたもので、
重複して施工することによる材料の無駄を低減する施工
方法を提案しようとするものである。
〔課題を解決するための手段〕
本発明では隣接する二施工区間に跨り、重複して施工
される少なくとも一個の削孔において、削孔への固化材
の注入と撹拌,混合の施工に先行して予め掘削のみで削
孔を穿設しておくことにより、隣接する二施工区間に跨
る削孔に対して固化材注入と撹拌,混合の施工を重複し
て行うことをなくし、あるいは少なくし、材料の無駄を
低減する。
施工は、複数本の掘削ロッドからなる掘削装置を鉛直
に掘進させ、掘削ロッドの先端から吐出される固化材と
掘削土とを撹拌,混合しながら、複数個の連続する削孔
の群を一施工区間として施工し、この施工済みの一施工
区間に隣接する一施工区間を飛ばした次の一施工区間を
断続的に施工した後、両施工区間の中間の一施工区間を
施工する、という要領で、または中間の区間を飛ばすこ
となく施工済みの一施工区間に隣接する一施工区間を連
続的に施工する、という要領で行われる。
いずれの場合も、一施工区間を構成する削孔群の内、
端部に位置し、隣接する二施工区間に跨る少なくとも一
個の削孔に対する施工は重複するが、その少なくとも端
部に位置する一個の削孔においては、固化材の吐出と、
固化材と掘削土の撹拌,混合を行う施工に先行して予め
掘削のみで削孔が穿設され、必ずしも固化材と掘削土の
撹拌,混合の施工は重複しない。
〔実施例〕
この発明は第1図,第2図に示すように一方向に並列
する複数本の掘削ロッド1を持つ掘削装置Aを鉛直に掘
進させ、掘削ロッド1の先端から吐出される固化材と掘
削土とを撹拌,混合し、隣接する二施工区間に跨る少な
くとも一個の削孔を重複させながら、第4図〜第8図に
示すように掘削ロッド1の本数分の連続する削孔の群を
一施工区間として断続的に、もしくは連続的に施工する
方法であり、隣接する二施工区間に跨り、重複して施工
される少なくとも一個の削孔において、固化材の吐出
と、固化材と掘削土の撹拌,混合を行う施工に先行して
予め掘削のみで削孔を穿設しておく方法である。
掘削ロッド1の下端には図示するように掘削ビット1a
が接続し、その本体の周面には軸方向に適当な間隔をお
いて撹拌翼1bが突設される。各掘削ロッド1は相互間の
間隔を保持する連結金具2により互いに接続され、この
連結金具2には掘進時の鉛直保持性を高める垂直安定板
2aが取り付いている。垂直安定板2aはその断面図である
第3図−I,IIに示すように削孔の断面に対応した筒形の
形状をしている。
第1図,第2図の掘削装置Aは片側の掘削ロッド1を
他方側より長くし、その先端に掘進を先導するパイロッ
トヘッド1cを接続し、このパイロットヘッド1cにより掘
進時の鉛直保持性を高めた場合を示している。
第4図乃至第8図に本発明の施工手順を示す。図中、
実線は掘削と同時に固化材の注入、及び撹拌を行う削孔
を、破線は固化材の注入を行わず、主として掘削のみ
(空掘り)の削孔を示す。この破線で示す削孔では掘削
時、水、または貧配合の固化材(低比重)の注入を行
い、これを再度の掘削時に注入される固化材(高比重)
との置換を行う場合がある。一施工区間上の符号は施工
順序を示し、実線と破線が重なった削孔は単なる掘削
(空掘り)と、固化材の注入による掘削とが重複した削
孔を示している。
第4図は施工の終了した区間(1)に隣接する一区間
(3)を飛ばした次の区間(2)の全削孔を固化材の注
入を行わずに掘削した後、飛ばした中間区間(3)の全
削孔に対して固化材の注入を伴う掘削を行い、2度目の
施工区間(2)の全削孔に対して再度、固化材を注入し
ながら施工する(4)、という要領で施工する方法であ
る。
第5図は第4図に示す手順の、3度目と4度目の手順
を入れ換えた場合で、2度目の、掘削のみの施工(2)
に続いて同一の区間(2)の全削孔に対して固化材の注
入を行いながら施工した(3)後、その区間(3)と施
工済みの区間(1)との間の区間(4)の全削孔に対し
て固化材の注入を行いながら施工する、という手順を繰
り返す方法である。
以上の実施例は空掘り時に全掘削ロッド1において固
化材の注入を行わず、固化材の注入を伴う掘削時は全掘
削ロッド1から注入を行う方法であるが、第6図乃至第
8図は特定の掘削ロッド1のみ空掘りを行い、残りの掘
削ロッド1のみから固化材の注入を行う方法である。
第6図は施工済みの区間(1)とこれに隣接する一区
間(3)を飛ばした区間(2)を、施工済みの区間
(1)寄りの端部の削孔に固化材を注入せずに施工した
後、その中間の区間(3)を全掘削ロッド1から固化材
を注入しながら施工する、という要領で施工する方法で
ある。この方法では地下連続壁の端部に位置する出発時
の区間(1)において、隣接する区間(3)側の削孔を
空掘りすることになる。
第7図は第6図に示す手順の変形例で、一区間を飛ば
した区間(2),(4)の両端の削孔を空掘りした場合
であり、中間区間(3),(5)を飛ばした区間
(2),(4)の、中間部に位置する削孔にのみ固化材
の注入による施工を行った後、残る中間区間(3),
(5)の全掘削ロッド1からの固化材の注入を行う方法
である。
第8図は同じく第6図の変形例であり、出発時の区間
(1)では全削孔共固化材の注入を伴う施工を行い、次
の工程からは第6図の場合と同じ施工を繰り返す方法で
ある。
〔発明の効果〕
隣接する二施工区間に跨り、重複して施工される少な
くとも一個の削孔において、削孔への固化材の注入と撹
拌,混合の施工に先行して削孔を予め掘削のみで穿設し
ておき、その後に固化材の注入と撹拌を行うため、隣接
する二施工区間に跨る削孔の内、重複して固化材の注入
を行う削孔の数を節減することができ、総合的に固化材
の使用量が削減され、コストの低減が図られる。
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明の掘進の様子を示した立面図、第2図は
掘削装置を示した立面図、第3図−I,III,IV,Vは第2図
の各X1−X1,X2−X2,X3−X3,X4−X4の断面図、IIはIの
変形例、第4図乃至第8図は本発明の施工手順を示した
平面図である。 A……掘削装置、1……掘削ロッド、1a……掘削ビッ
ト、1b……撹拌翼、2……連結金具、2a……垂直安定
板。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭56−28930(JP,A) 実公 平2−33834(JP,Y2) (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) E02D 5/18 - 5/20

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】軸方向に間隔をおいて周面に撹拌翼が突設
    され、下端に掘削ビットを有する、一方向に並列する複
    数本の掘削ロッドからなる掘削装置を鉛直に掘進させ、
    掘削ロッドの先端から吐出される固化材と掘削土とを撹
    拌,混合しながら、複数個の連続する削孔の群を一施工
    区間として施工し、この施工済みの一施工区間に隣接す
    る一施工区間を飛ばした次の一施工区間を断続的に施工
    した後、両施工区間の中間の一施工区間を施工して、ま
    たは施工済みの一施工区間に隣接する一施工区間を連続
    的に施工して隣接する二施工区間に跨る少なくとも一個
    の削孔を重複させながら、平面的に直線状に連続する固
    結体からなる地下連続壁を構築する方法であり、前記の
    隣接する二施工区間に跨り、重複して施工される少なく
    とも一個の削孔において、固化材の吐出と、固化材と掘
    削土の撹拌,混合を行う施工に先行し、予め掘削のみで
    削孔を穿設しておく地下連続壁の施工方法。
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