JP2559288B2 - 地下構造物の構築工法及びそれに用いるセグメント - Google Patents

地下構造物の構築工法及びそれに用いるセグメント

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JP2559288B2 JP2270623A JP27062390A JP2559288B2 JP 2559288 B2 JP2559288 B2 JP 2559288B2 JP 2270623 A JP2270623 A JP 2270623A JP 27062390 A JP27062390 A JP 27062390A JP 2559288 B2 JP2559288 B2 JP 2559288B2
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Description

【発明の詳細な説明】 (産業上の利用分野) 本発明は地下に構築される地下構造物の構築工法及び
それに用いるセグメントに関するものである。
(従来の技術) 近年、市街地の地下に構築される地下構造物はシール
ド工法によって掘削して構築されることが多くなってい
る。
このシールド工法は円形断面のシールド掘進機で地中
に円形の空洞を掘削し、該空洞の内側に鋼製又は鉄筋コ
ンクリート製のセグメントを覆工して円形断面のシール
ドトンネルを構築するものである。
ところが、このシールド工法により道路用トンネルや
地下鉄道用トンネル等を構築する場合は、第13図のに
示すように、単線用のシールドトンネルTを適宜間隔を
もって夫々別個に構築して複線用の空間を確保したり、
或は同図のに示すように、最初から複線用の空間を有
する大口径のシールドトンネルT1を構築する工法があ
る。
しかし、前記の工法においては複数のシールドトン
ネルTが夫々別個に構築されるため、工費の増大と工期
の長期化を招くと共に、工期の長期化に伴って工事敷地
周辺の構造物等に悪影響を及ぼす懸念があった。
また、前記の工法においては、トンネル空間が大き
い割りには利用されない無駄な空間が多くなり、かつ掘
削土量も著しく増大するので工費が嵩むという問題があ
った。
そこで、最近では同図のに示すような、単線用のシ
ールドトンネルT2を2本相互に接触させて掘削する。い
わゆる断面まゆ形のシールド工法が提案されて実用化さ
れつつある。
(発明が解決しようとする課題) しかしながら、上記の工法においても断面がまゆ形
であるため、前記の複線用の空間を有する大口径のシ
ールドトンネルと比べ掘削土量はかなり低減できるが、
まだ未利用の空間が残ると共に、覆工構造物としてのセ
グメントの形状が複雑化し、地下構造物としての力学的
な安定性に欠けるという問題があった。
そこで、本出願人らは道路用、地下鉄道用或は通信施
設用トンネル等として、できるだけ無駄な空間をなく
し、かつ工費の低減及び工期の短縮が図れる四角形断面
のシールド工法、例えば特願昭63−218194号公報、実願
平1−69803号公報、実願平1−69805号公報に記載の工
法を開発した。
このシールド工法は、従来の四角形断面のシールドト
ンネルが、カッタ駆動部に未切削部分が残されるため、
切羽開放型の手掘り方式でしか施工されていなかったも
のを、密閉型機械式のシールド工法によっても施工可能
としたものであり、その技術的手段は、一対のドラムカ
ッタの間に小径のリングカッタを2個配設し、動力源か
ら動力をかさ歯車とひら歯車との組み合わせにより前記
ドラムカッタへ伝達し、更に該ドラムカッタのギアケー
スを介してリングカッタへ伝達して、これらを駆動させ
る構造としたものである。
このような技術的手段により、カッタ駆動部に未切削
部分が残るという、従来技術の問題点が解決され、かつ
左右に伸縮自在としたことにより、シールドトンネルの
掘削幅を任意に変えることができる四角形断面のシール
ドトンネルが構築可能となり、単体としてのシールドト
ンネルを構築するための四角形断面のシールド工法の完
成に至った。
本発明は上記のような四角形断面のシールド工法の技
術をさらに発展させて、複線用あるいは複々線用のシー
ルドトンネルの構築工法を提供すると共に、これらのシ
ールドトンネルを連続的に形成して地下深部における地
下構造物を構築するための工法を提供することを目的と
する。
(課題を達成するための手段) 以上のような課題を達成するための本発明の地下構造
物の構築工法は、断面四角形のシールド掘進機により、
地中に断面四角形かつ長尺の先行シールドトンネルを形
成し、該シールドトンネルの側面に設けたガイド溝に、
前記シールドトンネルの側面に設けたガイド杆をスライ
ド自在に嵌合させつつ、該シールド掘進機を前記先行シ
ールドトンネルに沿って掘進させ、該先行シールドトン
ネルに隣接した後行シールドトンネルを順次形成してな
る地下構造物の構築工法において、前記ガイド溝には予
め押し出し可能に充填材を充填しておくとともに、前記
隣接する先行シールドトンネル及び後行シールドトンネ
ルを形成するセグメント同士を連結材により連結構造と
し、該セグメント同士の空隙部に固結材を充填すること
とする。
また、地下構造物構築用セグメントは、断面四角形の
シールド掘進機によって地中に形成された複数のシール
ドトンネルを相互に連結した地下構造物を構築するため
のトンネル覆工用セグメントであって、前記シールド掘
進機の側面に設けられたガイド杆がスライド自在に嵌合
されるガイド溝を、少なくともその一側面の全長に亘っ
て設けるとともに、該ガイド溝に押し出し可能な充填材
が充填され、前記シールドトンネルの相隣る側面を形成
する部分に、複数組の連結材挿通用貫通孔が形成されて
いることとし、前記ガイド溝は、前記ガイド杆の先端部
の杆体をスライド可能に嵌合するガイド孔、前記ガイド
杆の支持材をスライド可能に挿通する溝孔とからなり、
かつ該溝孔が前記ガイド孔より狭小に形成されているこ
ととすることである。
(作用) 而して、上記のような構築工法によれば、先行シール
ドトンネルのガイド溝にシールド掘進機のガイド杆がス
ライド自在に嵌合され、該シールド掘進機が前記先行シ
ールドトンネルに沿って掘進することにより、該先行シ
ールドトンネルに隣接して後行シールドトンネルが構築
され、これらを順次繰り返すことによりシールドトンネ
ルが連続的に連結された地下構造物が構築される。
(実施例) 以下、本発明の一実施例を図面に基づいて詳細に説明
する。
第1図は先行シールドトンネルの側面にシールド掘進
機が嵌合した状態の正面図、第2図は同斜視図、第3図
はシールド掘進機の斜視図、第4図は先行シールドトン
ネルの斜視図である。
[先行シールドトンネルの構築] まず初めに、進行方向視において四角形のシールド掘
進機1、即ち第1図に示すものと同型で側面にガイド杆
のないシールド掘進機1で地中に掘削孔を掘削し、該掘
削孔内にセグメントaを覆工して先行シールドトンネル
Aを構築する。
この先行シールドトンネルAの側璧には上下にガイド
溝2が形成されており、該ガイド溝2には容易に押し出
し可能な充填材mが充填されている。
このガイド溝2はセグメントaの側璧に設けた、ガイ
ド孔2aと溝孔2bとにより成る凹部2cを連続的に合致させ
て構成するものである。
[シールド掘進機の嵌合] このように、先行シールドトンネルAを構築した後、
シールド掘進機1の側璧に設けたガイド杆3を、先行シ
ールドトンネルA側面のガイド溝2にスライド自在に嵌
合する。これはガイド杆3の先端を、前記先行シールド
トンネルAのガイド溝2に挿入できる位置に設置した
後、シールド掘進機1をジャッキで前進させて嵌合する
ものであり、該ガイド杆3の杆体3aがガイド孔2aに、ま
た支持材3bが溝孔2bに夫々挿入されて、ガイド溝2から
取り外し不能に嵌合される。このときガイド溝2の充填
材mは溝孔2bから容易に押し出される。
[地下構造物の構築] 次に、シールド掘進機1のガイド杆3を先行シールド
トンネルAのガイド溝2に嵌合した後、該先行シールド
トンネルAに沿ってシールド掘進機1を掘進させて先行
シールドトンネルAと隣接した掘削孔を掘削する。
そして、前記先行シールドトンネルAと隣接した前記
掘削孔内にセグメントaを順次覆工して、先行シールド
トンネルAと密接した後行シールドトンネルBを構築す
る(第1図)。
このとき、後行シールドトンネルBのセグメントa
は、第8図に示すように夫々の貫通孔a1同士を合致させ
るようにして覆工する。
そして、これら合致された先行シールドトンネルA及
び後行シールドトンネルBの貫通孔a1に連結材4を貫通
してこれらを連結すると共に、先行シールドトンネルA
及び後行シールドトンネルB間の空隙部n及びガイド溝
2に後行シールドトンネルBの注入口a2から固結材5を
充填して地下構造物Mを構築する(第8図)。
尚、この注入口a2は先行シールドトンネルAに設けて
もよい。
連結材4はPC鋼線やフックボルト等が用いられ、セグ
メントaに予め貫通された貫通孔a1に先行シールドトン
ネルA又は後行シールドトンネルBの内側から貫入し、
緊張ジャッキで緊張することによりこれら両シールドト
ンネルA、Bにプレストレスを与えるものである。(第
8図)。
固結材5は無収縮性の急結モルタル等であり、先行シ
ールドトンネルAと後行シールドトンネルBとの接合部
分の強度低下を防止すると共に、地下構造物M全体とし
ての力学的安定性を確保するものである。
尚、これらの先行シールドトンネルA及び後行シール
ドトンネルBは横方向に限らず、第7図のに示すよう
に上下方向に連結することも任意であり、さらにこれら
の先行シールドトンネルA及び後出シールドトンネルB
…を無端状に連結し、その内部空間Sを掘削排土するこ
とにより、第9図に示すような地下構造物Mを構築する
ことが可能であり、いずれの場合も前記と同様の方法に
より連結するものである。
前記シールド掘進機1は正面視において、コ字状の機
体1c前部にカッタ6を備えた、前部及び後部シールド機
1a、1bが側面開口部で互いにスライド自在に連結して形
成され、前部シールド機1aにおける側面の上下部にガイ
ド杆3が一対設けられている。
また、カッタ6は第3図に示すように、一対のドラム
カッタ6bと、該ドラムカッタ6bとの間に偏芯して設けら
れた、リングカッタ6cとにより形成された掘削カッタ6a
が上下左右に配設され、進行方向視において方形に形成
されている。
また、第10図に示すように、全体として台形に形成さ
れたカッタ7を備えたシールド掘進機1でシールドトン
ネルAを連続的に掘削形成し、その内側を掘削排土する
ことにより、第12図の、、に示すような内部空間
Sが活用可能な地下構造物Mを構築することができる。
このカッタ7は第11図に示すように、一対の円錐台形
のドラムカッタ7bと、該ドラムカッタ7bとの間に偏芯し
て設けられた、円錐台形のリングカッタ7cとにより、全
体として台形状に形成された掘削カッタ7aが上下左右に
配設され、進行方向視において台形に形成されている。
これにより個々のシールドトンネルA、B、…を個別
の目的、例えば、道路トンネル、地下鉄道トンネル、上
下水道用トンネル等に利用可能であると共に、地下構造
物Mの内部空間Sを公共地下空間として有利に活用する
ことも可能になる。
(発明の効果) 本発明は以上の様な構成にしたことにより下記の効果
を有する。
先行シールドトンネルの側面に設けたガイド溝に充
填材を押し出し可能に充填しておくことにより、先行シ
ールドトンネルを構築する際の裏込注入材でガイド溝が
塞がれることがない。
隣接する先行シールドトンネル及び後行シールドト
ンネルを形成するセグメント同士を連結材により連結構
造とし、該セグメント同士の空隙部に固結材を充填する
ことにより、止水性が確保できるので、先行シールドト
ンネルと後行シールドトンネルとを接続して形成した地
下構造体で囲まれた空間を排土するときの安全性を確保
することができる。
シールド掘進機の側面に設けられたガイド杆がスラ
イド自在に嵌合されるガイド溝を、少なくとも地下構造
物構築用セグメントの一側面の全長に亘って設けるとと
もに、該ガイド溝に押し出し可能な充填材が充填され、
前記シールドトンネルの相隣る側面を形成する部分に、
複数組の連結材挿通用貫通孔が形成されたことにより、
シールド掘進機のガイド杆が嵌合可能なガイド溝をシー
ルドトンネルの任意の箇所に設けることができる。
ガイド溝は、前記ガイド杆の先端部の杆体をスライ
ド可能に嵌合するガイド孔、前記ガイド杆の支持材をス
ライド可能に挿通する溝孔とからなり、かつ該溝孔が前
記ガイド孔より狭小に形成されていることにより、ガイ
ド溝の側面からシールド掘進機のガイド杆が抜け出すこ
とがない。
先行シールドトンネルに沿ってシールド掘進機を掘
進することにより、断面四角形状のシールドトンネルを
連続的に連結して形成することができるので、無駄な空
間のない地下構造物を構築することができる。
先行シールドトンネルに沿ってシールド掘進機を掘
進させて、後行シールドトンネルを構築することによ
り、掘進機中の蛇行修正等の余分な作業をする必要がな
いので、施工期間の短縮及び工費の節減を図ることがで
きる。
複数のシールドトンネルを連続的に形成することに
より、個々のシールドトンネル及び地下構造物の内部空
間を多目的用途に活用することができる。
【図面の簡単な説明】
第1図は先行シールドトンネルの側面にシールド掘進機
が嵌合した状態の正面図、第2図は同斜視図、第3図は
シールド掘進機の斜視図、第4図は先行シールドトンネ
ルの斜視図、第5図は充填材が充填されたガイド溝の拡
大断面図、第6図はガイド杆が嵌入されたガイド溝の拡
大断面図、第7図の及びは地下構造物の断面図、第
8図は先行シールドトンネル及び後行シールドトンネル
の連結部の一部省略拡大断面図、第9図はシールドトン
ネルを連続的に接続して構築した地下構造物の断面図、
第10図は先行シールドトンネルの側面に正面視において
台形状断面のシールド掘進機が嵌合した状態の正面図、
第11図は掘削カッタの拡大正面図、第12図の、、
はシールドトンネルを連続的に接続して構築した地下構
造物の断面図、第13図の、、は従来の地下構造物
の構築工法の断面図である。 また図中、 A:先行シールドトンネル B:後行シールドトンネル M:地下構造物 1:シールド掘進機 2:ガイド溝 3:ガイド杆 m:充填材 である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 舘川 裕次 東京都中央区京橋1丁目7番1号 戸田 建設株式会社内 (72)発明者 請川 誠 東京都中央区京橋1丁目7番1号 戸田 建設株式会社内 (56)参考文献 特開 平4−70499(JP,A)

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】断面四角形のシールド掘進機により、地中
    に断面四角形かつ長尺の先行シールドトンネルを形成
    し、該シールドトンネルの側面に設けたガイド溝に、前
    記シールドトンネルの側面に設けたガイド杆をスライド
    自在に嵌合させつつ、該シールド掘進機を前記先行シー
    ルドトンネルに沿って掘進させ、該先行シールドトンネ
    ルに隣接した後行シールドトンネルを順次形成してなる
    地下構造物の構築工法において、前記ガイド溝には予め
    押し出し可能に充填材を充填しておくとともに、前記隣
    接する先行シールドトンネル及び後行シールドトンネル
    を形成するセグメント同士を連結材により連結構造と
    し、該セグメント同士の空隙部に固結材を充填すること
    特徴とする地下構造物の構築工法。
  2. 【請求項2】断面四角形のシールド掘進機によって地中
    に形成された複数のシールドトンネルを相互に連結した
    地下構造物を構築するためのトンネル覆工用セグメント
    であって、前記シールド掘進機の側面に設けられたガイ
    ド杆がスライド自在に嵌合されるガイド溝を、少なくと
    もその一側面の全長に亘って設けるとともに、該ガイド
    溝に押し出し可能な充填材が充填され、前記シールドト
    ンネルの相隣る側面を形成する部分に、複数組の連結材
    挿通用貫通孔が形成されていることを特徴とする地下構
    造物構築用セグメント。
  3. 【請求項3】前記ガイド溝は、前記ガイド杆の先端部の
    杆体をスライド可能に嵌合するガイド孔、前記ガイド杆
    の支持材をスライド可能に挿通する溝孔とからなり、か
    つ該溝孔が前記ガイド孔より狭小に形成されていること
    を特徴とする請求項2に記載の地下構造物構築用セグメ
    ント。
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