JP2956425B2 - 半導体レーザおよびその製造方法 - Google Patents

半導体レーザおよびその製造方法

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JP2956425B2 JP18602393A JP18602393A JP2956425B2 JP 2956425 B2 JP2956425 B2 JP 2956425B2 JP 18602393 A JP18602393 A JP 18602393A JP 18602393 A JP18602393 A JP 18602393A JP 2956425 B2 JP2956425 B2 JP 2956425B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、情報処理の光消去・記
録・再生などに用いることのできる可視光半導体レーザ
およびその製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】AlGaInP系赤色半導体レーザは、
1988年に670nm帯半導体レーザが商品化されて
以来、レーザプリンター、光ディスク等の情報処理装置
用光源として開発が活発に行われている。開発の中心は
当初670〜680nm帯であったが、バーコードリー
ダの視認性の改善、光ディスクの高密度化等の要求にと
もなって、波長領域はHe−Neガスレーザと同レベル
の630nm帯へと移行しつつある。さらに将来、記憶
容量の増大に伴って、赤色より短波長の青・緑色から紫
外域にわたった半導体レーザ実現が切望されており、p
型導電型制御が可能となったことを契機にII-VI族
系半導体レーザの研究が急速に進展してきている。
【0003】発振波長を短波長化するには、活性層のバ
ンドギャップを大きくする必要がある。AlGaInP
系半導体レーザの短波長化を制限する主な要因は、活性
層からp型クラッド層への電子のオーバーフロー電流の
増加にともなう温度特性の悪化であり、活性層のバンド
ギャップを大きくすることは電子のオーバーフロー電流
増加につながる。このため、クラッド層のAl組成を高
くしてバンドギャップを大きくするか、p型クラッド層
のキャリア濃度を高くすることが短波長化に極めて大き
な効果がある。しかし、MOVPE法(有機金属気相成
長法)において、特にAl組成の高いAlGaInP層
に対して高濃度のp型不純物ドーピングを行うことは難
しく、7×1017cm-3程度がドーピング限界であっ
た。
【0004】最近、<110>方向に傾斜した(10
0)GaAs基板を用いることがこの材料系特有の自然
超格子の形成によるバンドギャップの縮小を抑制し、p
型AlGaInP層の高濃度化が可能であることが示さ
れ、短波長化の有効な手段となっている。
【0005】図7は従来の半導体レーザ素子構造のう
ち、上記の情報処理装置用光源として開発されたレーザ
素子構造断面図である。図7(a)、(b)はそれぞれ
(100)n−GaAs基板101上と<110>方向
に15°傾斜した(100)n−GaAs基板102上
に形成した場合を示している。
【0006】図7において、2はn−AlGaInPク
ラッド層、3はMQW活性層、4はp−AlGaInP
クラッド層、5はGaAsコンタクト層、6はn−Ga
As電流狭窄層、200、201は電極を示している。
MQW活性層3は5nmウエル層/5nmバリア層の5
周期から構成されている。本レーザ素子を作製は、p−
AlGaInPクラッド層4にリッジストライプを形成
した後、リッジ側面にn−GaAs電流狭窄層6を選択
的に形成して得られる。
【0007】本素子はn−GaAs電流狭窄層6により
電流の狭窄を行うとともに、レーザ光をリッジストライ
プ下に閉じ込めて導波させるものであって、これにより
横方向の導波構造が形成される。よって、リッジストラ
イプ底部幅やリッジ外部のp−AlGaInPクラッド
層厚みを変えることにより、所望の横モードを実現する
ことができる。
【0008】一方、IIーVI族系半導体レーザは最近
ZnSeのp型導電性制御が可能となり、青・緑色領域
の半導体レーザが作製できる段階まで研究が進展してき
た。
【0009】図8はZnSe系半導体レーザ素子の構造
断面図である。図8において、103は(100)pー
GaAs基板、10はp−ZnSSeクラッド層、 1
1はCdZnSe歪量子井戸活性層、 12はnーZn
SSeクラッド層、150は電流狭窄のためのSiO2
膜、202、203は電極を示している。この素子は、
SiO2膜150で電流を狭窄し、動作電流の低減を図
っている。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】しかし、図7(b)に
示す如く従来の傾斜基板上の半導体レーザでは、エッチ
ング特性からリッジストライプが断面非対称となる。こ
のため、導波領域はストライプ底部幅で完全に規制され
ず、近視野像が非対称形状となる。この結果、従来の短
波長レーザ素子は安定した基本横モードを得にくいとい
う問題があった。
【0011】光ディスク等の光源として用いる半導体レ
ーザに要求される条件としては、戻り光に強いこと、非
点隔差が小さいこと等の種々の特性が挙げられるが、安
定した基本横モードで発振することも重要な条件であ
り、図7の構造はこの点において不十分であった。
【0012】一方、IIーVI族系半導体レーザにおい
ては、基板としてGaAsが用いられており、そのバン
ドギャップエネルギーは1.42eV程度であり、クラッド
層のバンドギャップエネルギーとの差は非常に大きい。
一般に、同じ導電型を有しバンドギャップが異なる2つ
の半導体層の界面にはバンドの不連続によるポテンシャ
ルバリアが形成される。このようなバリアの高さはバン
ドの不連続の大きなものほど大きい。従って、バンドギ
ャップ差の大きいGaAsとZnSSeの界面には大き
なポテンシャルバリアが形成され、動作電圧が非常に高
くなるという問題があった。また本構造は基本的に利得
導波構造であり、横モードの制御ができず、実用上問題
があった。
【0013】この発明の目的は、第一に傾斜基板を用い
ずに、p型AlGaInPクラッド層のキャリア濃度を
高め、かつ安定な基本横モードを実現できるAlGaI
nP系半導体レーザを提供するとともに、その特性を精
密に制御できる製造方法を提供することとする。
【0014】第二にポテンシャルバリアの低減し、かつ
安定な横モードを実現できるIIーVI族系半導体レー
ザを提供するとともに、その特性を精密に制御できる製
造方法を提供することとする。
【0015】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に,請求項1記載の半導体レーザは、<1-10>方向
のストライプ溝が形成された(100)GaAs基板上
に,該ストライプ溝上で表面が(a11)基板面(a>
1)からなるAlGaAs層と、該ストライプ溝上で断
面V形状となるAlGaInP層をクラッド層とするダ
ブルヘテロ構造とを備えたことを特徴とする。
【0016】請求項2記載の半導体レーザの製造方法
は、(100)GaAs基板上に<1-10>方向のス
トライプ溝を形成する工程と、該基板上に、成長温度
(Tg)が400<Tg<700℃の条件で、AlGa
As層を気相成長し、該ストライプ溝上のAlGaAs
層表面に(a11)基板面(a>1)を現出させる工程
と、該AlGaAs表面上に、成長温度(Tg)が60
0℃以上の条件で、AlGaInP層をクラッド層とす
るダブルヘテロ構造を気相成長し、該ストライプ溝上で
断面V形状とする工程とを少なくとも備えたことを特徴
とする。
【0017】請求項3記載の半導体レーザの製造方法
は、(100)GaAs基板上に<1-10>方向のス
トライプ溝を形成する工程と、該基板上に、成長温度
(Tg)が400<Tg<700℃の条件で、AlGa
As層を気相成長し、該ストライプ溝上のAlGaAs
層表面に(a11)基板面(a>1)を現出させる工程
と、該AlGaAs表面上に、成長温度(Tg)が60
0℃以上の条件で、AlGaInP層をクラッド層とす
るダブルヘテロ構造を気相成長し、該ストライプ溝上で
断面V形状とする工程とを少なくとも備えた半導体レー
ザ素子の製造方法において、第一導電型AlGaInP
クラッド層形成時に第一導電型ドーパントと同時に第二
導電型ドーパントを添加し、該ストライプ溝上のみを第
一導電型とすることを特徴とする。
【0018】請求項4記載の半導体レーザは、<1-1
0>方向のストライプ溝が形成された(100)GaA
s基板上に、該ストライプ溝上で表面が(a11)基板
面(a>1)からなるAlGaAs層と、該ストライプ
溝上で断面V形状となるAlGaInP層と、該ストラ
イプ溝上で断面V形状となるII-VI族半導体層をク
ラッド層とするダブルヘテロ構造とを備えたことを特徴
とする。
【0019】請求項5記載の半導体レーザの製造方法
は、(100)GaAs基板上に<1-10>方向のス
トライプ溝を形成する工程と、該基板上に、成長温度
(Tg)が400<Tg<700℃の条件で、AlGa
As層を気相成長し、該ストライプ溝上のAlGaAs
層表面に(a11)基板面(a>1)を現出させる工程
と、該AlGaAs表面上に、成長温度(Tg)が60
0℃以上の条件で、AlGaInP層を気相成長し、該
ストライプ溝上で断面V形状とする工程と該AlGaI
nP層表面上にII-VI族半導体層をクラッド層とす
るダブルヘテロ構造を気相成長もしくは分子線結晶成長
し、該ストライプ溝上で断面V形状とする工程とを少な
くとも備えたことを特徴とする。
【0020】請求項6記載の半導体レーザの製造方法
は、(100)GaAs基板上に<1-10>方向のス
トライプ溝を形成する工程と、該基板上に、成長温度
(Tg)が400<Tg<700℃の条件で、AlGa
As層を気相成長し、該ストライプ溝上のAlGaAs
層表面に(a11)基板面(a>1)を現出させる工程
と、該AlGaAs表面上に、成長温度(Tg)が60
0℃以上の条件で、AlGaInP層を気相成長し、該
ストライプ溝上で断面V形状とする工程と該AlGaI
nP層表面上にII-VI族半導体層をクラッド層とす
るダブルヘテロ構造を気相成長もしくは分子線結晶成長
し、該ストライプ溝上で断面V形状とする工程とを少な
くとも備えた半導体レーザ素子の製造方法において、第
一導電型AlGaInP層形成時に第一導電型ドーパン
トと同時に第二導電型ドーパントを添加し、該ストライ
プ溝上のみを第一導電型とすることを特徴とする。
【0021】
【作用】従来、GaAs層のMOVPE成長ではリッジ
ストライプ側面に(111)面が現出し、その上にAl
GaInP層をMOVPE成長すると、側面上のAlG
aInP層は欠陥が多く凹凸を呈していた。しかし、本
発明者の鋭意研究によれば、成長温度(Tg)が400
<Tg<700℃の限られた条件では(a11)面(a
>1)を現出でき、(a11)面上にはTg>600℃
の限られた条件で凹凸のない鏡面状態の良好なAlGa
InP層の結晶成長が可能であること、(100)面上
に比べp−AlGaInP層のキャリア濃度を高められ
ることを確認した。本発明はこの結果に基づくものであ
る。
【0022】請求項1の半導体レーザ構造によれば、V
形状底部で実効的な水平方向の光閉じ込めが行われるよ
うにでき、横モードの安定化が図れる。
【0023】請求項2の半導体レーザの製造方法よれ
ば、p−AlGaInP層のキャリア濃度はストライプ
溝上で高めることができ、またバンドギャップは大きく
できるので、温度特性の改善が図れる。
【0024】請求項3の半導体レーザの製造方法によれ
ば、AlGaInPクラッド層内で電流の狭窄が可能と
なり、動作電流の低減が図れる。
【0025】請求項4の半導体レーザ構造よれば、ポテ
ンシャルバリアを低減でき、またV形状底部で実効的な
水平方向の光閉じ込めが行われるようにできるので、動
作電圧の低減と横モードの安定化が図れる。
【0026】請求項5の半導体レーザの製造方法よれ
ば、容易に横モード制御構造のIIーVI族系半導体レ
ーザが作成できる。
【0027】請求項6の半導体レーザの製造方法よれ
ば、p−AlGaInP層はストライプ溝上で電流の狭
窄が可能となり、動作電流の低減が図れる。
【0028】
【実施例】図1および図2は本発明の第1の実施例に係
わる横モード制御型半導体レーザのおよびその製造工程
を示す断面図である。
【0029】図1において,p−GaAs基板104上
に、p−GaAs層20、p−AlGaInPクラッド
層21、MQW活性層22、n−AlGaInPクラッ
ド層23、n−GaAsコンタクト層24が積層されて
いる。またSiO2膜151(絶縁層)がn-GaAsコンタ
クト層24の上に形成されている。204、205はそ
れぞれp側,n側電極である。
【0030】本構造において、ストライプ溝上のp−G
aAs層20表面は(311)基板面より構成された断
面V形状となっている。(ここでGaAs20を用いて
いるがAlxGa1-xAs層(0≦x≦1)を用いてもよ
い。)この表面上のp−AlGaInPクラッド層2
1、MQW活性層22、n−AlGaInPクラッド層
23からなるダブルヘテロ構造は、下層の断面V形状を
保存した形状となっている。電流はSiO2膜151に
より狭窄している。このような構造においては、活性層
のV溝底部において安定した基本横モード発振を達成で
きる。
【0031】つぎに、図2(a)〜(c)の製造工程を
説明する。まず、図2(a)に示す如く(100)p−
GaAs基板104上に、フォトレジスト等をマスクと
して用い、ストライプ状にエッチングしストライプ溝を
形成する。このエッチングに際しては硫酸系エッチャン
トを用いることができる。
【0032】次に、MOVPE法を用い、図2(b)に
示す如くストライプ溝上にp−GaAs層20、p−A
lGaInPクラッド層21、MQW活性層22、n−
AlGaInPクラッド層23、n−GaAsコンタク
ト層24を順次成長形成する。
【0033】ここで、MOVPE法を用いた場合の詳細
を述べる。図2(a)に示す基板を十分に脱脂洗浄した
のち、HClによって表面の酸化層を除去し直ちに成長
炉に入れる。トリメチルガリウム(TMGa)とアルシ
ン(AsH3)を用い、V/III比50、成長温度600
℃の条件下でp−GaAs層20を形成する。p型ドー
パントにはジメチルジンク(DMZn)を用いる。続い
て、成長温度を750℃に昇温し、トリメチルガリウム
(TMGa)、トリメチルアルミニウム(TMAl)、
トリメチルインジウム(TMIn)、ホスフィン(PH
3)を用い、p−AlGaInPクラッド層21、MQ
W活性層22、n−AlGaInPクラッド層23、n
−GaAsコンタクト層24を順次形成する。p型ドー
パントにはジメチルジンク(DMZn)、n型ドーパン
トにはモノシラン(SiH4)を用いる。このような条
件下でMOVPE成長を実施したところ、ストライプ溝
上のp−GaAs層20表面には(311)結晶面が現
出し、(311)面から構成されるV溝形状となる。こ
の上のダブルヘテロ構造はほぼp−GaAs層20の表
面構造を保持しながら良好な結晶が形成することができ
た。
【0034】次に、図2(c)に示す状態の試料に電流
狭窄のためのSiO2膜(絶縁層)151及び電極20
4、205を形成することによって、前記図1に示す構
造の半導体レーザが作製されることになる。
【0035】従来、(111)結晶面を側面とするリッ
ジストライプ上にAlGaInP層を結晶成長すると,
側面上のAlGaInP層は欠陥が多く凹凸を呈してい
た。しかし、本発明者の鋭意研究によれば、成長温度
(Tg)が400<Tg<700℃の限られた条件では
(a11)GaAs面(a>1)を現出でき、(a1
1)面上にはTg>600℃の限られた条件で凹凸のな
い鏡面状態の良好なAlGaInP層の結晶成長が可能
であること、(100)面上に比べp−AlGaInP
層のキャリア濃度を高められることを確認した。
【0036】先に説明したように、(a11)面上のA
lGaInP層は(100)平坦面上のそれに比べ、P
Lの発光エネルギーは40meV高く、キャリア濃度は
平坦面上の約2倍と、傾斜基板を用いた場合と同様の効
果を生むことができた。しかもストライプ溝部のキャリ
ア濃度は周囲の平坦部より高いので電流はストライプ溝
部に集中させることができ、しきい値の低減に有効であ
る。かくして作製された半導体レーザは、V溝底部に安
定した基本横モード発振を達成することができた。発振
波長は630nmで、しきい値電流は25mAと低い。最
高発振温度は100℃とこの波長領域では極めて高く、
p型クラッド層のキャリア濃度を十分高められた結果に
よるものである。50℃、10mWの条件下で連続通電
しているが、1000時間経過して劣化傾向はなく、良
好な結晶が形成されていることを示している。比較のた
め平坦部に作製した同様の素子構造の素子においてはし
きい値電流80mA、最高発振温度45℃であった。
【0037】図3は第2の実施例に係わる半導体レーザ
の構造断面図を示す。この半導体レーザの製造工程を図
3を参照しながら説明する。なお、図1、2と同一部分
には同一符号を付している。
【0038】まず、(100)p−GaAs基板104
上に、フォトレジスト等をマスクとして用い、ストライ
プ状にエッチングしストライプ溝を形成する。このエッ
チングに際しては硫酸系エッチャントを用いることがで
きる。
【0039】次に、MOVPE法を用い、ストライプ溝
上にp−GaAs層20、AlGaInP電流狭窄クラ
ッド層25、MQW活性層22、n−AlGaInPク
ラッド層23、n−GaAsコンタクト層24を順次成
長形成する。
【0040】ここで、MOVPE法を用いた場合の詳細
を述べる。ストライプ状にエッチングしストライプ溝を
形成したpーGaAs基板104を十分に脱脂洗浄した
のち、HClによって表面の酸化層を除去し直ちに成長
炉に入れる。トリメチルガリウム(TMGa)とアルシ
ン(AsH3)を用い、V/III比50、成長温度600
℃の条件下でp−GaAs層20を形成する。p型ドー
パントにはジメチルジンク(DMZn)を用いる。続い
て成長温度を750℃に昇温し、トリメチルガリウム
(TMGa)、トリメチルアルミニウム(TMAl)、
トリメチルインジウム(TMIn)、ホスフィン(PH
3)を用い、AlGaInP電流狭窄クラッド層、MQ
W活性層22、n−AlGaInPクラッド層23、n
−GaAsコンタクト層24を順次成長形成する。p型
ドーパントにはジメチルジンク(DMZn)、n型ドー
パントにはモノシラン(SiH4)を用いる。AlGa
InP電流狭窄クラッド層形成時はDMZnとSiH4
を同時ドーピングする。最後に電極204、205を形
成することによって、前記図3に示す構造の半導体レー
ザが作製されることになる。
【0041】このような条件下でMOVPE成長を実施
したところ、ストライプ溝上のp−GaAs層層20表
面には(311)結晶面が現出し、(311)面から構
成されるV溝形状となる。この上のダブルヘテロ構造は
ほぼp−GaAs層の表面構造を保持しながら良好な結
晶が成長形成することができた。発明者の鋭意研究によ
れば、(a11)面上に成長したAlGaInP層は平
坦面上に比べてp型は高キャリア濃度層、n型は低キャ
リア濃度層となる。AlGaInP電流狭窄クラッド層
はドーパントの添加量を調節することにより、平坦部で
nーAlGaInP層25、ストライプ溝上でpーAl
GaInP層26となり、クラッド層内に電流狭窄構造を
実現できる。かくして作製された半導体レーザは、V溝
底部に安定した基本横モード発振を達成することができ
た。また作製した半導体レーザの発振波長は630nm
で、しきい値電流は18mAと低く、電流が効率的にスト
ライプ溝内に注入されたことを示している。50℃、1
0mWの条件下で連続通電しているが、1000時間経
過して劣化傾向はなく、良好な結晶が形成されているこ
とを示している。
【0042】図4および図5は本発明の第3の実施例に
係わるZnSe系横モード制御型半導体レーザの素子お
よびその製造工程を示す断面図である。
【0043】図4において、104はp−GaAs基
板、30はp−GaAs層、31はp−AlGaInP
層、32はpーZnSSeクラッド層、33はCdZn
Se歪量子井戸活性層、 34はnーZnSSeクラッ
ド層である。また152はSiO2膜(絶縁層)、20
6、207はそれぞれp側、n側電極である。
【0044】本構造において、ストライプ溝上のp−G
aAs層30とp−AlGaInP層表面は(311)
基板面より構成された断面V形状となっている。この表
面上のp−ZnSSeクラッド層31、ZnCdSe歪
量子井戸活性層32、n−ZnSSeクラッド層33か
らなるダブルヘテロ構造は、下層の断面V形状を保存し
た形状となっている。電流はSiO2膜152により狭
窄している。このような構造においては、活性層のV溝
底部において安定した基本横モード発振を達成できる。
またpーGaAs層とpーZnSSeクラッド層の間に
中間的なバンドギャップを持つAlGaInP層を挿入
しているのでポテンシャルバリアによる直列抵抗の増大
はなく、低電圧動作が可能である。
【0045】つぎに、図5(a)〜(c)の製造工程を
説明する。まず,図5(a)に示す如く(100)p−
GaAs基板104上に、フォトレジスト等をマスクと
して用い、ストライプ状にエッチングしストライプ溝を
形成する。このエッチングに際しては硫酸系エッチャン
トを用いることができる。次に、MOVPE法を用い、
図5(b)に示す如くストライプ溝上にp−GaAs層
30、p−AlGaInP層31を順次形成する。ここ
で、MOVPE法を用いた場合の詳細を述べる。前記図
5(a)に示す基板を十分に脱脂洗浄したのち、HCl
によって表面の酸化層を除去し直ちに成長炉に入れる。
トリメチルガリウム(TMGa)とアルシン(As
3)を用い、V/III比50、成長温度600℃の条件
下でp−GaAs層30を形成する。p型ドーパントに
はジメチルジンク(DMZn)を用いる。続いて成長温
度を750℃に昇温し、トリメチルガリウム(TMG
a)、トリメチルアルミニウム(TMAl)、トリメチ
ルインジウム(TMIn)、ホスフィン(PH3)を用
い、p−AlGaInPクラッド層31を形成する。つ
ぎに、MBE装置に真空搬送し、図5(c)に示すよう
に、成長温度200℃の条件下でpーZnSSeクラッ
ド層32、ZnCdSe歪量子井戸活性層33、nーZ
nSSeクラッド層34を順次形成する。最後に、電流
狭窄のためのSiO 2膜(絶縁層)152及び電極20
6、207を形成することによって,前記図4に示す構
造の半導体レーザが作製されることになる。
【0046】このような条件下でMOVPE成長を実施
したところ、ストライプ溝上のp−GaAs層層30表
面には(311)結晶面が現出し、(311)面から構
成されるV溝形状となる。この上のpーAlGaInP
層31はほぼp−GaAs層30の表面構造を保持しな
がら良好な結晶が成長形成することができた。従来(1
11)結晶面を側面とするリッジストライプ上にAlG
aInP層やZnSSe層を形成すると、側面上のAl
GaInP層やZnSSe層は欠陥が多く凹凸を呈して
いた。しかし、本発明者の鋭意研究によれば、成長温度
(Tg)が400<Tg<700℃の限られた条件では
(a11)GaAs面(a>1)を現出でき、(a1
1)面上にはTg>600℃の限られた条件で凹凸のな
い鏡面状態の良好なAlGaInP層の結晶成長が可能
であること、またZnSSe層の結晶成長が可能である
ことを確認した。かくして作製された半導体レーザは、
V溝底部に安定した基本横モード発振を達成することが
できた。発振波長は520nmで、しきい値電流は40
mAと低い。また、動作電圧は6Vとこの材料系として
は低いものが得られた。
【0047】図6は第4の実施例に係わる半導体レーザ
の素子断面図である。なお、図4および図5と同一部分
には同一符号を付している。この半導体レーザの製造工
程を図6を参照しながら説明する。
【0048】まず、(100)p−GaAs基板104
上に、フォトレジスト等をマスクとして用い、ストライ
プ状にエッチングしストライプ溝を形成する。このエッ
チングに際しては硫酸系エッチャントを用いることがで
きる。次に、MOVPE法を用い、ストライプ溝上にp
−GaAs層30、AlGaInP層電流狭窄層を順次
形成する。
【0049】ここで、MOVPE法を用いた場合の詳細
を述べる。ストライプ状にエッチングしストライプ溝を
形成したpーGaAs基板を十分に脱脂洗浄したのち、
HClによって表面の酸化層を除去し直ちに成長炉に入
れる。トリメチルガリウム(TMGa)とアルシン(A
sH3)を用い、V/III比50、成長温度600℃の条
件下でp−GaAs層30を形成する。p型ドーパント
にはジメチルジンク(DMZn)を用いる。続いて成長
温度を750℃に昇温し、トリメチルガリウム(TMG
a)、トリメチルアルミニウム(TMAl)、トリメチ
ルインジウム(TMIn)、ホスフィン(PH3)を用
い、p−AlGaInP電流狭窄層を形成する。p型ド
ーパントにはジメチルジンク(DMZn)、n型ドーパ
ントにはモノシラン(SiH4)を用いる。AlGaI
nP電流狭窄クラッド層形成時はDMZnとSiH4を
同時ドーピングする。つぎに、MBE装置に真空搬送
し、成長温度200℃の条件下でpーZnSSeクラッ
ド層32、ZnCdSe歪量子井戸活性層33、nーZ
nSSeクラッド層34を順次形成する。最後に、電極
206、207を形成することによって,前記図6に示
す構造の半導体レーザが作製されることになる。
【0050】この実施例が第3の実施例と異なる点は、
AlGaInP電流狭窄層を基板上に設け、電流狭窄構
造を実現したことにある。すなわち、(a11)面上に
成長したAlGaInP層は平坦面上に比べてp型は高
キャリア濃度層、n型は低キャリア濃度層となるため、
AlGaInP電流狭窄クラッド層はドーパントの添加
量を調節することにより、平坦部でnーAlGaInP
層25、ストライプ溝上でpーAlGaInP層26とな
る。これによりSiO2電流狭窄層を用いなくてもAl
GaInP層によりV溝内に電流を効率的に狭窄でき、
低電流での動作が可能となる。かくして作製された半導
体レーザは、V溝底部に安定した基本横モード発振を達
成することができた。発振波長は520nmで、しきい
値電流は30mAと低く、電流が効率的にストライプ溝
内に注入されたことを示している。また、動作電圧は6
Vとこの材料系としては低いものが得られた。
【0051】なお、本発明は上述した実施例に限定され
るものではない。たとえば、本発明の実施例ではGaA
s基板上に、pクラッド層としてp−GaAs層を用い
ているがAlGaAs(AlxGa1-xAs層(0≦x≦
1))であればよい。要は(a11)面を形成できる材
料であればよいのである。また、電流狭窄層を他の部分
に設けてもよい。また、基板や成長結晶の導電型、各層
の厚み、不純物濃度の条件はこの限りではない。
【0052】
【発明の効果】このように本発明によれば、可視光半導
体レーザ、特に650nmより波長の短いAlGaIn
P系半導体レーザにおいて、横モードの安定で、低しき
い値かつ高温動作可能な半導体レーザを得ることができ
る。また、II-VI族の半導体レーザにおいては、動
作電圧を高めることなく、ひいては高信頼性の横モード
安定な青・緑色で発光可能な半導体レーザを得ることが
できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の第1の実施例の半導体レーザの断面
構造図
【図2】この発明の第1の実施例の半導体レーザの製造
方法を示す工程順断面図
【図3】この発明の第2の実施例により製造した半導体
レーザの断面構造図
【図4】この発明の第3の実施例の半導体レーザの断面
構造図
【図5】この発明の第3の実施例の半導体レーザの製造
方法を示す工程順断面図
【図6】この発明の第4の実施例により製造した半導体
レーザの断面構造図
【図7】従来の横モード制御型半導体レーザの断面構造
【図8】従来のII-VI族半導体レーザの断面構造図
【符号の説明】
20 pーGaAs層 21 pーAlGaInPクラッド層 22 活性層 23 n−AlGaInPクラッド層 24 n−GaAsコンタクト層 25 n−AlGaInP層 26 p−AlGaInP層 30 pーGaAs層 31 pーAlGaInP層 32 pーZnSSeクラッド層 33 CdZnSe活性層 34 nーZnSSeクラッド層 104 pーGaAs基板 151 SiO2層 204 p側電極 205 n側電極
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) H01S 3/18 JICSTファイル(JOIS)

Claims (6)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】<1-10>方向のストライプ溝が形成さ
    れた(100)GaAs基板と、前記基板上に、該スト
    ライプ溝上で表面が(a11)基板面(a>1)からな
    るAlxGa1-xAs層(0≦x≦1)と、該ストライプ
    溝上で断面V形状となるAlGaInP層をクラッド層
    とするダブルヘテロ構造とを備えたことを特徴とする半
    導体レーザ。
  2. 【請求項2】(100)GaAs基板上に<1-10>
    方向のストライプ溝を形成する工程と、 該基板上に、成長温度(Tg)が400<Tg<700
    ℃の条件で、AlxGa1 -xAs層(0≦x≦1)を気相
    成長し、該ストライプ溝上のAlxGa1-xAs層表面に
    (a11)基板面(a>1)を現出させる工程と、 該AlxGa1-xAs表面上に、成長温度(Tg)が60
    0℃以上の条件で、AlGaInP層をクラッド層とす
    るダブルヘテロ構造を気相成長し、該ストライプ溝上で
    断面V形状とする工程とを少なくとも備えたことを特徴
    とする半導体レーザの製造方法。
  3. 【請求項3】第一導電型AlGaInPクラッド層形成
    時に第一導電型ドーパントと同時に第二導電型ドーパン
    トを添加し、該ストライプ溝上のみを第一導電型とする
    ことを特徴とする請求項2に記載の半導体レーザの製造
    方法。
  4. 【請求項4】<1-10>方向のストライプ溝が形成さ
    れた(100)GaAs基板と、前記基板上に、該スト
    ライプ溝上で表面が(a11)基板面(a>1)からな
    るAlxGa1-xAs層(0≦x≦1)と、該ストライプ
    溝上で断面V形状となるAlGaInP層と、該ストラ
    イプ溝上で断面V形状となるII-VI族半導体層をク
    ラッド層とするダブルヘテロ構造とを備えたことを特徴
    とする半導体レーザ。
  5. 【請求項5】(100)GaAs基板上に<1-10>
    方向のストライプ溝を形成する工程と、 該基板上に、成長温度(Tg)が400<Tg<700
    ℃の条件で、AlxGa1 -xAs層(0≦x≦1)を気相
    成長し、該ストライプ溝上のAlxGa1-xAs層表面に
    (a11)基板面(a>1)を現出させる工程と、 該AlxGa1-xAs表面上に、成長温度(Tg)が60
    0℃以上の条件で、AlGaInP層を気相成長し、該
    ストライプ溝上で断面V形状とする工程と該AlGaI
    nP層表面上にII-VI族半導体層をクラッド層とす
    るダブルヘテロ構造を気相成長もしくは分子線結晶成長
    し、該ストライプ溝上で断面V形状とする工程とを少な
    くとも備えたことを特徴とする半導体レーザの製造方
    法。
  6. 【請求項6】第一導電型AlGaInP層形成時に第一
    導電型ドーパントと同時に第二導電型ドーパントを添加
    し、該ストライプ溝上のみを第一導電型とすることを特
    徴とする請求項5に記載の半導体レーザの製造方法。
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