JP3119554B2 - 半導体レーザ - Google Patents
半導体レーザInfo
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Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明はPOS、FAシステム等
のバーコードリーダ用および光計測等の光源に用いられ
る利得ガイド型半導体レーザに関し、とくに発振波長が
680nm以下のAlGaInP系可視光半導体レーザ
の構造に関する。
のバーコードリーダ用および光計測等の光源に用いられ
る利得ガイド型半導体レーザに関し、とくに発振波長が
680nm以下のAlGaInP系可視光半導体レーザ
の構造に関する。
【0002】
【従来の技術】図3は従来の利得ガイド型のAlGaI
nP系可視光半導体レーザの構造の示す断面図である
(例えば、昭和61年度電子通信学会予稿集,P.4−
92)。
nP系可視光半導体レーザの構造の示す断面図である
(例えば、昭和61年度電子通信学会予稿集,P.4−
92)。
【0003】図中1はn−GaAs基板であり、この基
板1にはn−GaAsバッファー層2が形成されてい
る。バッファー層2上にはn−AlGaInPクラッド
層3,GaInP活性層4,p−AlGaInPクラッ
ド層5,p−GaInPエッチング停止層6,n−Ga
As電流阻止層7およびp−GaAsコンタクト層8か
らなるダブルヘテロ接合構造が順次形成されている。
板1にはn−GaAsバッファー層2が形成されてい
る。バッファー層2上にはn−AlGaInPクラッド
層3,GaInP活性層4,p−AlGaInPクラッ
ド層5,p−GaInPエッチング停止層6,n−Ga
As電流阻止層7およびp−GaAsコンタクト層8か
らなるダブルヘテロ接合構造が順次形成されている。
【0004】この構造を有する半導体レーザは通常MO
VPE又はMBE法によって製造されるが、ここでは量
産性に優れたMOVPE法を用いた場合について述べ
る。
VPE又はMBE法によって製造されるが、ここでは量
産性に優れたMOVPE法を用いた場合について述べ
る。
【0005】先ず、1回目のMOVPE成長によってn
−GaAsバッファー層2からn−GaAs電流阻止層
7までの6層から成るダブルヘテロ構造を順次形成し、
n−GaAs電流阻止層7の一部にp−GaInPエッ
チング停止層6が露出するストライプ状の溝9を形成す
る。続いて2回目のMOVPE成長によって溝9を含む
n−GaAs電流阻止層7全上面にp−GaAsコンタ
クト層8が形成されている。その後、コンタクト層8の
全上面にp側電極10(Tr/Pt/Au)が被着さ
れ、基板1の全下面にはn側電極11(AuGeNi)
が被着されている。
−GaAsバッファー層2からn−GaAs電流阻止層
7までの6層から成るダブルヘテロ構造を順次形成し、
n−GaAs電流阻止層7の一部にp−GaInPエッ
チング停止層6が露出するストライプ状の溝9を形成す
る。続いて2回目のMOVPE成長によって溝9を含む
n−GaAs電流阻止層7全上面にp−GaAsコンタ
クト層8が形成されている。その後、コンタクト層8の
全上面にp側電極10(Tr/Pt/Au)が被着さ
れ、基板1の全下面にはn側電極11(AuGeNi)
が被着されている。
【0006】この構造では、電流狭窄がp−GaAsコ
ンタクト層8とn−GaAs電流阻止層7により行なわ
れる。また、p−GaInPエッチング停止層6はスト
ライプ状の溝9を形成する際にn−GaAs電流阻止層
7だけが化学エッチングされるためのエッチング停止の
役目をしており、またp−AlGaInPクラッド層5
とp−GaAsコンタクト層8との間の電気抵抗低減を
目的とするものである。このようにして利得ガイド型の
半導体レーザが構成される。
ンタクト層8とn−GaAs電流阻止層7により行なわ
れる。また、p−GaInPエッチング停止層6はスト
ライプ状の溝9を形成する際にn−GaAs電流阻止層
7だけが化学エッチングされるためのエッチング停止の
役目をしており、またp−AlGaInPクラッド層5
とp−GaAsコンタクト層8との間の電気抵抗低減を
目的とするものである。このようにして利得ガイド型の
半導体レーザが構成される。
【0007】この利得ガイド型半導体レーザはpn接合
面に平行な方向には屈折率差による導波機構がないため
に、出力を高くしていくと横モードが不安定となり、電
流−光出力特性に折れ曲がり(キンク)が生じる。キン
クのあるレーザーを用いると、光源−光ファイバの結合
特性や、変調特性が低下し、実用上大きな問題を生じる
ことになる。キンクは注入中キャリアによって生じる利
得分布、屈折率分布の変化に基づくものであり、ストラ
イプ幅に大きく依存するものである。溝の幅を狭くする
と利得分布は急峻となり、キャリアな拡散効果が大きく
なって、キンクの生じる光出力は大きくなる。しかし、
溝幅を狭くすると発振閾値電流が大幅に上昇する。
面に平行な方向には屈折率差による導波機構がないため
に、出力を高くしていくと横モードが不安定となり、電
流−光出力特性に折れ曲がり(キンク)が生じる。キン
クのあるレーザーを用いると、光源−光ファイバの結合
特性や、変調特性が低下し、実用上大きな問題を生じる
ことになる。キンクは注入中キャリアによって生じる利
得分布、屈折率分布の変化に基づくものであり、ストラ
イプ幅に大きく依存するものである。溝の幅を狭くする
と利得分布は急峻となり、キャリアな拡散効果が大きく
なって、キンクの生じる光出力は大きくなる。しかし、
溝幅を狭くすると発振閾値電流が大幅に上昇する。
【0008】このように、利得ガイド型半導体レーザは
キンクを避けられない欠点があるものの、埋め込み型半
導体レーザに比較して結晶成長工程が一工程少なくその
製造歩留まりの良いことから量産に適した構造となって
いる点で重要性がある。
キンクを避けられない欠点があるものの、埋め込み型半
導体レーザに比較して結晶成長工程が一工程少なくその
製造歩留まりの良いことから量産に適した構造となって
いる点で重要性がある。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】しかしならが、キンク
発生点が低いとバーコードリーダーなどで読みとりミス
が発生しやすいので、キンク発生点はできるだけ高くす
ることが望まれる。一方キンクのレベルはストライプ幅
を小さくすることにより高くすることができるが、発振
閾値電流が大幅に上昇するので6μmより狭くすること
はしない。
発生点が低いとバーコードリーダーなどで読みとりミス
が発生しやすいので、キンク発生点はできるだけ高くす
ることが望まれる。一方キンクのレベルはストライプ幅
を小さくすることにより高くすることができるが、発振
閾値電流が大幅に上昇するので6μmより狭くすること
はしない。
【0010】従来の半導体レーザでは幅が7μmの場合
でもキンク発生点は3mW程度で生じていた。よって、
ストライプ幅を狭くせずにキンク点を高くすることが望
まれている。
でもキンク発生点は3mW程度で生じていた。よって、
ストライプ幅を狭くせずにキンク点を高くすることが望
まれている。
【0011】従来例の利得ガイド型半導体レーザのキン
クの低い理由を発明者は実験により確認した。すなわ
ち、従来のp−GaInPエッチング停止層6のZnド
ーピング濃度は一般に1×1018cm-3であり、n−G
aAs電流阻止層7のSiドーピング濃度も同程度に設
定されていた。
クの低い理由を発明者は実験により確認した。すなわ
ち、従来のp−GaInPエッチング停止層6のZnド
ーピング濃度は一般に1×1018cm-3であり、n−G
aAs電流阻止層7のSiドーピング濃度も同程度に設
定されていた。
【0012】このような従来の一般的なドーピング濃度
の設定では、2回目のMOVPE成長におけるp−Ga
Asコンタクト層8の成長の際、一定時間の熱処理サイ
クルを受け、p−GaInPエッチング停止層6にドー
ピングされているZn不純物がn−GaAs電流阻止層
7中の熱拡散される。一般的には、停止層6から電流阻
止層7へのZnの固相−固相拡散では、境界条件を考慮
すれば電流阻止層7中へのZn拡散濃度は約1桁低減さ
れ、〜1017cm-3のZn濃度となり、電流阻止層7の
Siドーピング濃度1×1018cm-3よりも約1桁小さ
くなるものと考えられており、問題視されていなかっ
た。しかしながら、実際上p−GaAsコンタクト層8
を成長した後、図3(図中点線)に示すようにn−Ga
As電流阻止層7中にZn拡散によるpn接合が形成さ
れていることが実験的に確認された。成長温度650℃
30分間の成長条件では、n−GaAs電流阻止層7中
に0.1μmの深さまでZn拡散が進行している。
の設定では、2回目のMOVPE成長におけるp−Ga
Asコンタクト層8の成長の際、一定時間の熱処理サイ
クルを受け、p−GaInPエッチング停止層6にドー
ピングされているZn不純物がn−GaAs電流阻止層
7中の熱拡散される。一般的には、停止層6から電流阻
止層7へのZnの固相−固相拡散では、境界条件を考慮
すれば電流阻止層7中へのZn拡散濃度は約1桁低減さ
れ、〜1017cm-3のZn濃度となり、電流阻止層7の
Siドーピング濃度1×1018cm-3よりも約1桁小さ
くなるものと考えられており、問題視されていなかっ
た。しかしながら、実際上p−GaAsコンタクト層8
を成長した後、図3(図中点線)に示すようにn−Ga
As電流阻止層7中にZn拡散によるpn接合が形成さ
れていることが実験的に確認された。成長温度650℃
30分間の成長条件では、n−GaAs電流阻止層7中
に0.1μmの深さまでZn拡散が進行している。
【0013】これは、p−GaInPエッチング停止層
6(Znドーピング濃度1×1018cm-3)中にドーピ
ングされているZn不純物のうち、電気的に非活性な過
剰Zn不純物が存在し、これが熱処理により上層のn−
GaAs電流阻止層7中へのZn拡散を促進しているも
のと考えられる。
6(Znドーピング濃度1×1018cm-3)中にドーピ
ングされているZn不純物のうち、電気的に非活性な過
剰Zn不純物が存在し、これが熱処理により上層のn−
GaAs電流阻止層7中へのZn拡散を促進しているも
のと考えられる。
【0014】従って、図3に示すようにn−GaAs電
流阻止層7中にp−GaAs拡散層12が形成される。
このp−GaAs拡散層12はレーザ発振に必要な注入
電流の一部が漏れ電流(図3中のi1 で示す)として流
れる通路となり、活性層への実効上電流注入幅が溝9の
幅よりも広くなり、図2に示すように電流一光出力特性
において、キンク光出力が低下するだけでなく、発振し
きい値電流が増大する問題が生じる。溝9幅が7μmの
時、発振しきい値電流は70mA、キンク光出力は3m
Wであった。
流阻止層7中にp−GaAs拡散層12が形成される。
このp−GaAs拡散層12はレーザ発振に必要な注入
電流の一部が漏れ電流(図3中のi1 で示す)として流
れる通路となり、活性層への実効上電流注入幅が溝9の
幅よりも広くなり、図2に示すように電流一光出力特性
において、キンク光出力が低下するだけでなく、発振し
きい値電流が増大する問題が生じる。溝9幅が7μmの
時、発振しきい値電流は70mA、キンク光出力は3m
Wであった。
【0015】本発明は、上記問題点を解決し、キンク光
出力が大きく、低発振しきい値電流でレーザ発振を可能
とする利得ガイド型可視光半導体レーザを提供するもの
である。
出力が大きく、低発振しきい値電流でレーザ発振を可能
とする利得ガイド型可視光半導体レーザを提供するもの
である。
【0016】
【課題を解決するための手段】本発明は上述した発見に
より、電流阻止層内に反転層ができないようにすれば、
キンクを高くできるであろうという着想に到った。反転
層ができないようにするためには、エッチング停止層の
p型不純物濃度を低くする、拡散速度の小さいものにす
る(Mg)などが考えられるが、前者は素子の比抵抗を
増すので好ましくなく、後者は再現性がない点で好まし
くない。
より、電流阻止層内に反転層ができないようにすれば、
キンクを高くできるであろうという着想に到った。反転
層ができないようにするためには、エッチング停止層の
p型不純物濃度を低くする、拡散速度の小さいものにす
る(Mg)などが考えられるが、前者は素子の比抵抗を
増すので好ましくなく、後者は再現性がない点で好まし
くない。
【0017】本発明では、電流阻止層の濃度を高くする
ことに着目したものであり、とくにエッチング停止層の
濃度に比較して2倍以上または3×1018cm-3以上と
して、反転層の形成を防止したことに特徴がある。
ことに着目したものであり、とくにエッチング停止層の
濃度に比較して2倍以上または3×1018cm-3以上と
して、反転層の形成を防止したことに特徴がある。
【0018】すなわち本発明によれば、半導体基板上に
ダブルヘテロ接合構造部を備え、このダブルヘテロ接合
構造部に電流狭窄のためのn型電流阻止層を有した利得
ガイド型半導体レーザにおいて、亜鉛が不純物としてド
ープされたp型半導体層に隣接したn型電流阻止層の不
純物濃度が前記n型電流阻止層に前記p型半導体層から
の亜鉛拡散によるp型反転層の形成を防ぐような高濃度
であることを特徴とする半導体レーザが得られる。
ダブルヘテロ接合構造部を備え、このダブルヘテロ接合
構造部に電流狭窄のためのn型電流阻止層を有した利得
ガイド型半導体レーザにおいて、亜鉛が不純物としてド
ープされたp型半導体層に隣接したn型電流阻止層の不
純物濃度が前記n型電流阻止層に前記p型半導体層から
の亜鉛拡散によるp型反転層の形成を防ぐような高濃度
であることを特徴とする半導体レーザが得られる。
【0019】
【実施例】次に、本発明について図面を参照して説明す
る。
る。
【0020】図1は本発明の一実施例の半導体レーザの
構造を示す横断面図であり、図2は本発明の一実施例の
効果を説明するためのレーザ発振特性(順方向電流と光
出力との関係)を示す特性図である。
構造を示す横断面図であり、図2は本発明の一実施例の
効果を説明するためのレーザ発振特性(順方向電流と光
出力との関係)を示す特性図である。
【0021】まず、原料としてメタル系3族有機金属
(トリメチルインジウム,トリエチルガリウム,トリメ
チルアルミニウム)と5族水素化物(PH3 ,As
H3 )とを用いた減圧下でのMOVPE法により、面方
位(100)のn−GaAs基板13(n濃度2×10
18cm-3)上に、厚さ0.5μmのn−GaAsバッフ
ァー層14(n濃度1×1018cm-3)、厚さ1μmの
n−(Al0.6 Ga0.4 )0.5 In0.5 Pクラッド層1
5(n濃度5×1017cm-3)、厚さ0.06μmのG
a0.5 In0.5 P活性層16、厚さ1μmのp−(Al
0.6 Ga0.4 )0.5 In0.5 Pクラッド層17(p濃度
3×1017cm-3),厚さ0.1μmのp−Ga0.5 I
n0.5 Pエッチング停止層18(p濃度2×1018cm
-3),厚さ0.6μmのn+ −GaAs電流阻止層19
(n濃度5×1018cm-3) を順次成長してダブルヘテ
ロ構造を形成する。続いて、SiO2 膜またはフォトレ
ジスト膜をマスクとして用いて、n+ −GaAs電流阻
止層19を貫通し、p−Ga0.5In0.5 Pエッチング
停止層18が露出したストライプ状の溝20を形成す
る。これはH3 PO4 ,H2 O2 ,H2 Oの混合液を用
いることによりn+ −GaAs電流阻止層19のみが選
択的にエッチングされることにより得られる。
(トリメチルインジウム,トリエチルガリウム,トリメ
チルアルミニウム)と5族水素化物(PH3 ,As
H3 )とを用いた減圧下でのMOVPE法により、面方
位(100)のn−GaAs基板13(n濃度2×10
18cm-3)上に、厚さ0.5μmのn−GaAsバッフ
ァー層14(n濃度1×1018cm-3)、厚さ1μmの
n−(Al0.6 Ga0.4 )0.5 In0.5 Pクラッド層1
5(n濃度5×1017cm-3)、厚さ0.06μmのG
a0.5 In0.5 P活性層16、厚さ1μmのp−(Al
0.6 Ga0.4 )0.5 In0.5 Pクラッド層17(p濃度
3×1017cm-3),厚さ0.1μmのp−Ga0.5 I
n0.5 Pエッチング停止層18(p濃度2×1018cm
-3),厚さ0.6μmのn+ −GaAs電流阻止層19
(n濃度5×1018cm-3) を順次成長してダブルヘテ
ロ構造を形成する。続いて、SiO2 膜またはフォトレ
ジスト膜をマスクとして用いて、n+ −GaAs電流阻
止層19を貫通し、p−Ga0.5In0.5 Pエッチング
停止層18が露出したストライプ状の溝20を形成す
る。これはH3 PO4 ,H2 O2 ,H2 Oの混合液を用
いることによりn+ −GaAs電流阻止層19のみが選
択的にエッチングされることにより得られる。
【0022】次いで、トリエチルガリウムとAsH3 を
原料として用いた減圧下での2回目のMOVPE法によ
り、図1に示す如くp−GaAsコンタクト層21(p
濃度3×1018cm-3)を厚さ4μm成長する。その
後、p−GaAsコンタクト層21上にp側電極22、
基板13の下面にn側電極23を形成することによっ
て、図1に示す構造の半導体レーザが完成する。
原料として用いた減圧下での2回目のMOVPE法によ
り、図1に示す如くp−GaAsコンタクト層21(p
濃度3×1018cm-3)を厚さ4μm成長する。その
後、p−GaAsコンタクト層21上にp側電極22、
基板13の下面にn側電極23を形成することによっ
て、図1に示す構造の半導体レーザが完成する。
【0023】ここで、n+ −GaAs電流阻止層19に
はSiH4 を原料ガスとして用いSiのn型不純物をド
ーピングしており、濃度を5×1018cm-3に設定する
ことにより、図1に示すようにn+ −GaAs電流阻止
層19中のZn拡散が抑制されている。
はSiH4 を原料ガスとして用いSiのn型不純物をド
ーピングしており、濃度を5×1018cm-3に設定する
ことにより、図1に示すようにn+ −GaAs電流阻止
層19中のZn拡散が抑制されている。
【0024】本実施例では、n型不純物濃度として5×
1018cm-3に設定したが、実験的には表1に示すよう
に4×1018cm-3、9×1018cm-3のn型不純物濃
度においても、発振しきい値Ith、キンク光出力とも
本実施例と同等レベルの特性が得られた。
1018cm-3に設定したが、実験的には表1に示すよう
に4×1018cm-3、9×1018cm-3のn型不純物濃
度においても、発振しきい値Ith、キンク光出力とも
本実施例と同等レベルの特性が得られた。
【0025】n型不純物濃度の下限は、下地のp型スト
ッパ層中の過剰Zn量と関係するが、一般にはGaIn
P層中へのZnドープ濃度の上限が2×1018cm-3で
あり、これ以上はドープされにくいことが知られてお
り、材料特有の制約がある。よって、過剰Zn量も限ら
れておりp型ストッパ層中へのZn拡散量も約2×10
18cm-3であることから、n型不純物濃度4×1018c
m-3においても、p型反転層が形成されていない。P−
GaInPエッチング停止層の不純物濃度が従来例の1
×1018cm-3であれば、n型不純物濃度は3×1018
cm-3でも反転層は生じないと思われる。
ッパ層中の過剰Zn量と関係するが、一般にはGaIn
P層中へのZnドープ濃度の上限が2×1018cm-3で
あり、これ以上はドープされにくいことが知られてお
り、材料特有の制約がある。よって、過剰Zn量も限ら
れておりp型ストッパ層中へのZn拡散量も約2×10
18cm-3であることから、n型不純物濃度4×1018c
m-3においても、p型反転層が形成されていない。P−
GaInPエッチング停止層の不純物濃度が従来例の1
×1018cm-3であれば、n型不純物濃度は3×1018
cm-3でも反転層は生じないと思われる。
【0026】一方、n型不純物濃度の上限については、
一般に1×1019cm-3が限界であり、これ以上になる
とn+ −GaAs電流阻止層の結晶性が悪化し、阻止の
寿命を短くするという問題が発生する。また、製造歩留
まりの余裕度を考慮し9×1018cm-3を上限とするの
が適当である。
一般に1×1019cm-3が限界であり、これ以上になる
とn+ −GaAs電流阻止層の結晶性が悪化し、阻止の
寿命を短くするという問題が発生する。また、製造歩留
まりの余裕度を考慮し9×1018cm-3を上限とするの
が適当である。
【0027】
【表1】
【0028】
【発明の効果】以上説明したように本発明では、溝幅を
狭くしないでキンク発生点を高くする手段として電流阻
止層での反転層の形成を防止することに着目したもので
ある。その具体策として、電流阻止層の不純物濃度を常
識を越えたレベルの高濃度とするという新規な構成によ
り製造工程を増すことなく、キンク発生点を高くし、か
つ発振閾値電流をも低下させることに初めて成功したも
のである。
狭くしないでキンク発生点を高くする手段として電流阻
止層での反転層の形成を防止することに着目したもので
ある。その具体策として、電流阻止層の不純物濃度を常
識を越えたレベルの高濃度とするという新規な構成によ
り製造工程を増すことなく、キンク発生点を高くし、か
つ発振閾値電流をも低下させることに初めて成功したも
のである。
【0029】また、エッチング停止層のドーピング濃度
を従来よりも高くすれば比抵抗が下がるので、レーザ素
子としての抵抗が小さくなり、駆動回路の設計上、電源
電圧を低くできることや、回路素子の耐圧も低くできる
などの有利な点がある。
を従来よりも高くすれば比抵抗が下がるので、レーザ素
子としての抵抗が小さくなり、駆動回路の設計上、電源
電圧を低くできることや、回路素子の耐圧も低くできる
などの有利な点がある。
【0030】さらに本発明ではキンク発生点が6mW程
度と高いので、バーコードリーダ用の光源として採用し
た場合、従来の3mWでキンクの発生する場合には対象
物に30cm以内に近づけない読みとり不良が発生する
のに対して、本発明では5mWで使用しても2m位まで
離しても問題が生じないというきわめて実用性の高い効
果をもたらす。
度と高いので、バーコードリーダ用の光源として採用し
た場合、従来の3mWでキンクの発生する場合には対象
物に30cm以内に近づけない読みとり不良が発生する
のに対して、本発明では5mWで使用しても2m位まで
離しても問題が生じないというきわめて実用性の高い効
果をもたらす。
【0031】なお、実施例では溝幅を7μmとしたが、
本発明がこの値に限定されるものではないことは当然で
ある。本願発明の実施例の場合、7μmが最適である
が、6−8μmの範囲内に選べば特に問題はない。その
理由は8μmを越えるとキンク発生点が大幅に下がり、
6μmを下回ると発振閾値電流が大幅に上昇するからで
ある。
本発明がこの値に限定されるものではないことは当然で
ある。本願発明の実施例の場合、7μmが最適である
が、6−8μmの範囲内に選べば特に問題はない。その
理由は8μmを越えるとキンク発生点が大幅に下がり、
6μmを下回ると発振閾値電流が大幅に上昇するからで
ある。
【図1】本発明の一実施例を示すAlGaInP型利得
ガイド型半導体レーザの横断面図である。
ガイド型半導体レーザの横断面図である。
【図2】本発明の一実施例の効果を説明するためのレー
ザ発振特性を示す特性図である。
ザ発振特性を示す特性図である。
【図3】従来のAlGaInP型利得ガイド型半導体レ
ーザの横断面図である。
ーザの横断面図である。
1,13 n−GaAs基板 2,14 n−GaAsバッファー層 3 n−AlGaInPクラッド層 4,16 Ga0.5 In0.5 P活性層 5 p−AlGaInPクラッド層 6,18 p−Ga0.5 In0.5 Pエッチング停止層 7 n−GaAs電流阻止層 8,21 p−GaAsコンタクト層 9,20 溝 10,22 p側電極 11,23 n側電極 12 p−GaAs拡散層 15 n−(Al0.6 Ga0.4)0.5 In0.5 Pクラッ
ド層 17 p−(Al0.6 Ga0.4)0.5 In0.5 Pクラッ
ド層 19 n+ −GaAs電流阻止層
ド層 17 p−(Al0.6 Ga0.4)0.5 In0.5 Pクラッ
ド層 19 n+ −GaAs電流阻止層
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 平4−309281(JP,A) 特開 昭62−42415(JP,A) 特開 平1−286479(JP,A) 特開 平2−262388(JP,A) 特開 昭62−186582(JP,A) 特開 昭59−205788(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) H01S 5/00
Claims (2)
- 【請求項1】 半導体基板上に形成された第1のクラッ
ド層と、前記第1のクラッド層上に形成された活性層
と、前記活性層上に形成された第2のクラッド層と、前
記第2のクラッド層上に形成されたエッチング停止層
と、前記エッチング停止層上に形成されて前記エッチン
グ停止層を露出させる開口部を有する電流阻止層と、前
記電流阻止層上および前記開口部から露出する前記エッ
チング停止層上に形成されたコンタクト層とを有する半
導体レーザにおいて、前記エッチング停止層はp型不純
物濃度が2×1018cm-3程度のGaInPからなり、
前記電流阻止層は、n型不純物濃度が4×1018cm-3
乃至度9×1018cm-3のGaAsからなることを特徴
とする半導体レーザ。 - 【請求項2】 半導体基板上に形成された第1のクラッ
ド層と、前記第1のクラッド層上に形成された活性層
と、前記活性層上に形成された第2のクラッド層と、前
記第2のクラッド層上に形成されたエッチング停止層
と、前記エッチング停止層上に形成されて前記エッチン
グ停止層を露出させる開口部を有する電流阻止層と、前
記電流阻止層上および前記開口部から露出する前記エッ
チング停止層上に形成されたコンタクト層とを有する半
導体レーザにおいて、前記エッチング停止層は亜鉛濃度
が2×1018cm-3程度のGaInPからなり、前記電
流阻止層は、シリコン濃度が4×1018cm-3以上のG
aAsからなり、これによってキンク光出力が少なくと
も5.8mWであることを特徴とする半導体レーザ。
Priority Applications (1)
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---|---|---|---|
JP06033791A JP3119554B2 (ja) | 1993-03-03 | 1994-03-03 | 半導体レーザ |
Applications Claiming Priority (3)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP5-41618 | 1993-03-03 | ||
JP4161893 | 1993-03-03 | ||
JP06033791A JP3119554B2 (ja) | 1993-03-03 | 1994-03-03 | 半導体レーザ |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
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JPH06314850A JPH06314850A (ja) | 1994-11-08 |
JP3119554B2 true JP3119554B2 (ja) | 2000-12-25 |
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Family Applications (1)
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JP06033791A Expired - Fee Related JP3119554B2 (ja) | 1993-03-03 | 1994-03-03 | 半導体レーザ |
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-
1994
- 1994-03-03 JP JP06033791A patent/JP3119554B2/ja not_active Expired - Fee Related
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