JP2953124B2 - 電子写真感光体 - Google Patents

電子写真感光体

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JP2953124B2
JP2953124B2 JP18267491A JP18267491A JP2953124B2 JP 2953124 B2 JP2953124 B2 JP 2953124B2 JP 18267491 A JP18267491 A JP 18267491A JP 18267491 A JP18267491 A JP 18267491A JP 2953124 B2 JP2953124 B2 JP 2953124B2
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護 臨
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は電子写真感光体に関する
ものである。詳しくは、非常に耐久性の優れた電子写真
感光体に関するものである。
【0002】
【従来の技術】電子写真技術は、即時性、高品質の画像
が得られることなどから、近年では複写機の分野にとど
まらず、各種プリンターの分野でも広く使われ応用され
てきている。電子写真技術の中核となる感光体について
は、その光導電材料として従来からのセレニウム、ヒ素
−セレニウム合金、硫化カドミニウム、酸化亜鉛といっ
た無機系の光導電体から、最近では、無公害で成膜が容
易、製造が容易である等の利点を有する有機系の光導電
材料を使用した感光体が開発されている。
【0003】有機系感光体の中でも電荷発生層、及び電
荷輸送層を積層した、いわゆる積層型感光体が考案さ
れ、開発の主流となっている。積層型感光体は、それぞ
れ効率の高い電荷発生物質、及び電荷輸送物質を組合せ
ることにより高感度な感光体が得られること、材料の選
択範囲が広く安全性の高い感光体が得られること、また
塗布の生産性が高く比較的コスト面でも有利なことか
ら、感光体の主流になる可能性も高く鋭意開発されてい
る。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、従来実
用化されている積層型感光体は、繰り返し使用した場合
電気特性的には帯電電位の低下、残留電位の蓄積、感度
の変動等が有り必ずしも寿命に関しては十分であるとは
言えない。特に残留電位の蓄積は有機感光体においては
問題となり、有機感光体の高耐刷化を妨げる大きな要因
となっている。残留電位が蓄積する原因はいくつか考え
られるが、最も影響を及ぼすと考えられるのは電荷輸送
層中に存在する不純物によるものである。この様な不純
物としては元来組成物中に存在する物、コロナ放電によ
り生成する物、像露光、除電ランプの光に繰り返しさら
されること、更にはメンテナンス時に外部光にさらされ
ることなどにより分解生成する物などが考えられる。す
なわちこの様な不純物がトラップとなりキャリアーを捕
捉し、動けない空間電荷を形成することにより残留電位
になると考えられる。
【0005】一方、機械的ストレスによる感光体の膜減
りも寿命を制限する大きな要因であるが、これに対し、
電荷輸送層の膜厚を厚くすることは、ブレードクリーニ
ング等の摩耗による膜減りの電気特性に及ぼす影響を少
なくしたり感度を向上させる等いくつかの点において有
利になるため、種々検討がなされている。しかし繰り返
し使用における残留電位の蓄積は、膜厚の増加で大きく
なり更に改良が必要となる。
【0006】上記の様な要因をなくすべき不純物の除
去、組成物の安定性の向上、など改良手段の他に電荷輸
送層に特定の化合物を添加することによって残留電位を
抑制しようという試みもなされている。しかし従来公知
の、例えば特開昭58−7643号、特開昭58−54
346号、特開昭59−7956号等に開示されている
様な添加剤ではまだ効果が充分でなく、また添加によっ
て帯電性の低下、繰り返しによる変動などマイナスの効
果も大きかった。
【0007】これに対し我々は最近、特定のスルホン酸
エステル化合物が残留電位の蓄積を抑制するのに非常に
有効であることを見出し特開平3−48852号に開示
している。また特開平3−78753号において芳香族
カルボン酸の金属塩あるいは金属錯体も非常に有効であ
ることを見出し開示している。
【0008】しかしながらこれらはいずれも残留電位の
抑制に対しては非常に良好な効果を有していると考えら
れるが、まだ初期段階での残留電位レベルが若干高めで
ある等の問題もあり、繰り返し使用時の残留電位の蓄積
も、更に感光体の耐久性を高めるためにはより一層低減
させる必要がある。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明者らはこの様な点
に鑑み、残留電位の抑制効果が十分あり、他の電気特性
に対しほとんど影響を及ぼさない添加剤について鋭意検
討した結果、特定の化合物を混合して用いることにより
相乗効果を発揮し非常に優れた性能を示すことを見出し
本発明に到達した。
【0010】すなわち本発明の要旨は、導電性基体上
に、少なくとも電荷発生層及び電荷輸送層を有する電子
写真感光体において、該電荷輸送層に下記一般式(1)
で示されるスルホン酸エステル化合物及び下記一般式
(2)で示される芳香族カルボン酸の金属錯体又は金属
塩を含有することを特徴とする電子写真感光体に存す
る。 一般式(1)
【0011】
【化2】
【0012】但し、R1 ,R2 ,R3 ,R4 ,R5 はそ
れぞれ独立して水素原子、ハロゲン原子、シアノ基、ニ
トロ基又はアルキル基をあらわし、R6 ,R7 ,R8
9 はそれぞれ独立して水素原子又はハロゲン原子を表
わし、Xはシアノ基、アルコキシカルボニル基、置換さ
れていてもよいアリールオキシカルボニル基、または置
換されていてもよいアリール基を表わす。
【0013】 一般式(2) Ar−COOH (但し、式中Arは置換基を有していてもよい芳香環残
基または芳香族複素環残基を表わす。)以下本発明を詳
細に説明する。本発明の感光体は導電性支持体上に設け
られる。導電性支持体としては、アルミニウム、ステン
レス鋼、銅、ニッケル等の金属材料、表面にアルミニウ
ム、銅、パラジウム、酸化すず、酸化インジウム等の導
電性層を設けたポリエステルフィルム、紙等の絶縁性支
持体が使用される。
【0014】導電性支持体と電荷発生層の間には通常使
用されるような公知のバリアー層が設けられていてもよ
い。バリアー層としては、例えばアルミニウム陽極酸化
被膜、酸化アルミニウム、水酸化アルミニウム等の無機
層、ポリビニルアルコール、カゼイン、ポリビニルピロ
リドン、ポリアクリル酸、セルロース類、ゼラチン、デ
ンプン、ポリウレタン、ポリイミド、ポリアミド、等の
有機層が使用される。
【0015】電荷発生層に用いられる電荷発生物質とし
ては、セレン及びその合金、ヒ素−セレン、硫化カドミ
ニウム、酸化亜鉛、その他の無機光導電物質、フタロシ
アニン、アゾ色素、キナクリドン、多環キノン、ピリリ
ウム塩、チアピリリウム塩、インジゴ、チオインジゴ、
アントアントロン、ピラントロン、シアニン等の各種有
機顔料、染料が使用できる。
【0016】中でも無金属フタロシアニン、銅塩化イン
ジウム、塩化ガリウム、錫、オキシチタニウム、亜鉛、
バナジウム、等の金属又は、その酸化物、塩化物の配位
したフタロシアニン類、モノアゾ、ビスアゾ、トリスア
ゾ、ポリアゾ類等のアゾ顔料が好ましい。電荷発生層は
これらの物質の微粒子を、例えばポリエステル樹脂、ポ
リビニルアセテート、ポリアクリル酸エステル、ポリメ
タクリル酸エステル、ポリエステル、ポリカーボネー
ト、ポリビニルアセトアセタール、ポリビニルプロピオ
ナール、ポリビニルブチラール、フェノキシ樹脂、エポ
キシ樹脂、ウレタン樹脂、セルロースエステル、セルロ
ースエーテルなどの各種バインダー樹脂で結着した形の
分散層で使用してもよい。この場合の使用比率はバイン
ダー樹脂100重量部に対して上記物質30から500
重量部の範囲より使用され、その膜厚は通常0.1μm
から2μm、好ましくは0.15μmから0.8μmが
好適である。
【0017】また電荷発生層には必要に応じて塗布性を
改善するためのレベリング剤や酸化防止剤、増感剤等の
各種添加剤を含んでいてもよい。また電荷発生層は上記
電荷発生物質の蒸着膜であってもよい。電荷輸送層は基
本的に電荷輸送材料、バインダー樹脂とともに前記一般
式(1)で示されるスルホン酸エステル化合物及び前記
一般式(2)で示される芳香族カルボン酸の金属錯体又
は金属塩から構成される。
【0018】一般式(1)において、R1 ,R2
3 ,R4 ,R5 はそれぞれ独立して水素原子;塩素、
臭素、ヨウ素等のハロゲン原子;シアノ基;ニトロ基;
またはメチル基、エチル基、プロピル基等のアルキル基
を表わす。またR6 ,R7 ,R8 ,R9 はそれぞれ独立
して水素原子または塩素、臭素、ヨウ素等のハロゲン原
子を表わす。Xはシアノ基;メトキシカルボニル基、エ
トキシカルボニル基等のアルコキシカルボニル基;また
は置換されていてもよいフェニル基、ナフチル基等のア
リール基を表わす。その置換基としてはシアノ基、ニト
ロ基、メチル基、エチル基等のアルキル基、塩素、臭
素、ヨウ素等のハロゲン原子を表わす。
【0019】前記一般式(1)で示される化合物は例え
ば一般式(3)で示されるヒドロキシベンズアルデヒド
類と、一般式(4)で示されるニトリル化合物とを縮合
させた後、続いて一般式(5)で示されるスルホニルク
ロリド類とを反応させることにより容易に合成すること
ができる。 一般式(3)
【0020】
【化3】
【0021】一般式(4)
【0022】
【化4】
【0023】一般式(5)
【0024】
【化5】
【0025】なおここで一般式(3),(4)及び
(5)においてR1 〜R9 及びXは前記と同様の置換基
を表わす。次に一般式(1)で示されるスルホン酸エス
テル化合物の主な具体例を示すが、これらに限定される
ものではない。(1)4−(2,2−ジシアノビニル)
フェニル−ベンゼンスルホネート、(2)4−(2,2
−ジシアノビニル)フェニル−2,4−ジクロロベンゼ
ンスルホネート、(3)4−(2,2−ジシアノビニ
ル)フェニル−2,4,5−トリクロロベンゼンスルホ
ネート、(4)4−(2,2−ジシアノビニル)フェニ
ル−4−ニトロベンゼンスルホネート、(5)4−
(2,2−ジシアノビニル)フェニル−3−ニトロベン
ゼンスルホネート、(6)4−(2,2−ジシアノビニ
ル)フェニル−2−ニトロベンゼンスルホネート、
(7)4−(2,2−ジシアノビニル)フェニル−4−
シアノベンゼンスルホネート、(8)4−(2,2−ジ
シアノビニル)フェニル−2−クロロ−4−シアノベン
ゼンスルホネート、(9)4−(2,2−ジシアノビニ
ル)フェニル−2,5−ジクロロベンゼンスルホネー
ト、(10)4−(2,2−ジシアノビニル)−2,6
−ジブロモフェニル−2,4,5−トリクロロベンゼン
スルホネート、(11)4−(2,2−ジシアノビニ
ル)フェニル−4−メチルベンゼンスルホネート、(1
2)4−[2−シアノ−2−(4−シアノフェニル)ビ
ニル]フェニル−2,4,5−トリクロロベンゼンスル
ホネート、(13)4−[2−シアノ−2−(4−ニト
ロフェニル)ビニル]フェニル−2,5−ジクロロベン
ゼンスルホネート、(14)4−[2−シアノ−2−
(4−シアノフェニル)ビニル]フェニル−4−シアノ
ベンゼンスルホネート、(15)4−(2,2−ジシア
ノビニル)−2,6−ジブロモフェニル−4−シアノベ
ンゼンスルホネート、(16)4−[2−シアノ−2−
(4−ニトロフェニル)ビニル]フェニル−4−シアノ
ベンゼンスルホネート、(17)4−[2−シアノ−2
−(4−シアノフェニル)ビニル]フェニル−4−ニト
ロベンゼンスルホネート、(18)4−[2−シアノ−
2−(4−ニトロフェニル)ビニル]フェニル−4−ニ
トロベンゼンスルホネート、(19)3−(2,2−ジ
シアノビニル)フェニル−2,4,5−トリクロロベン
ゼンスルホネート、(20)3−(2,2−ジシアノビ
ニル)フェニル−4−ニトロベンゼンスルホネート、
(21)2−(2,2−ジシアノビニル)フェニル−4
−メチルベンゼンスルホネート、(22)2−(2,2
−ジシアノビニル)フェニル−2,5−ジクロロベンゼ
ンスルホネート、(23)4−[2−シアノ−2−(エ
チルオキシカルボニル)ビニル]フェニル−2,4,5
−トリクロロベンゼンスルホネート、(24)4−[2
−シアノ−2−(エチルオキシカルボニル)ビニル]フ
ェニル−4−シアノベンゼンスルホネート、(25)4
−[2−シアノ−2−(エチルオキシカルボニル)ビニ
ル]フェニル−4−ニトロベンゼンスルホネート、(2
6)3−[2−シアノ−2−(エチルオキシカルボニ
ル)ビニル]フェニル−2,4−ジクロロベンゼンスル
ホネート、(27)4−[2−シアノ−2−(フェニル
オキシカルボニル)ビニル]フェニル−2,4,5−ト
リクロロベンゼンスルホネート、(28)4−{2−シ
アノ−2−[(4−クロロフェニル)オキシカルボニ
ル]ビニル}フェニル−2,4,5−トリクロロベンゼ
ンスルホネート、(29)4−[2−シアノ−2−(フ
ェニルオキシカルボニル)ビニル]フェニル−4−シア
ノベンゼンスルホネート、(30)4−[2−シアノ−
2−(フェニルオキシカルボニル)ビニル]フェニル−
4−ニトロベンゼンスルホネート。
【0026】また一般式(2)中Arはアルキル基、ア
リール基、水酸基、アルコキシ基、アリールオキシ基、
アルキルカルボニル基、アリールカルボニル基、アルコ
キシカルボニル基、アリールオキシカルボニル基、カル
ボキシル基、ニトロ基、シアノ基、ハロゲン原子などの
置換基を有していてもよいベンゼン、ナフタレン、アン
トラセン等の芳香環残基またはカルバゾール等の芳香族
複素環残基を表わす。なかでもArの置換基としては水
酸基が好ましい。
【0027】次に一般式(2)で示される芳香族カルボ
ン酸の主な具体例を示すが、これらに限定されるもので
はない。 (1)安息香酸、(2)3−クロロ安息香酸、(3)3
−メチル安息香酸、(4)4−t−ブチル安息香酸、
(5)テレフタル酸、(6)サリチル酸、(7)4−メ
チルサリチル酸、(8)3,5−ジt−ブチルサリチル
酸、(9)4−イソプロピルサリチル酸、(10)2−
シアノサリチル酸、(11)テレフタル酸モノフェニル
エステル、(12)3−ヒドロキシ−4−カルボキシル
ベンゾフェノン、(13)2−メトキシ安息香酸、(1
4)4−アセチル安息香酸、(15)3−フェニルサリ
チル酸、(16)2−ナフトエ酸、(17)1−ナフト
エ酸、(18)2−ヒドロキシ−3−ナフトエ酸、(1
9)1−ヒドロキシ−2−ナフトエ酸、(20)6,7
−ジクロロ−2−ヒドロキシ−3−ナフトエ酸、(2
1)6−シアノ−2−ヒドロキシ−3−ナフトエ酸、
(22)6−ニトロ−2−ヒドロキシ−3−ナフトエ
酸、(23)2−ヒドロキシ−3−アンスラセンカルボ
ン酸、(24)3−ヒドロキシ−2−ジジベンゾフラン
カルボン酸、(25)9−nブチル−3−ヒドロキシ−
2−カルバゾリル酸。
【0028】また用いられる金属としては、前記芳香族
カルボン酸と金属塩、金属錯体を形成するいずれの金属
でもよいが、特にAl,Zn,Cr,Co,Ni,Fe
が好ましい。本発明の金属錯体もしくは金属塩は公知の
方法、すなわち、J.L.CLARK、H.Kao、
J.Amer.Chem.Soc.、70、2151、
(1948)、特開昭53−127726号公報、特開
昭57−104940号公報、特開昭55−42752
号公報、特開昭59−79256号公報などに記載の方
法により合成することができる。
【0029】例えば、J.L.CLARK、H.Ka
o、J.Amer.Chem.Soc.、70、215
1、(1948)によると、2モルのサリチル酸ナトリ
ウムの溶液と1モルの塩化亜鉛の溶液とを、室温で混合
し、撹拌することにより白色粉状の亜鉛塩として得るこ
とができる。他の芳香族カルボン酸、亜鉛以外の金属の
場合にも、この方法に準じて製造できる。生成するサリ
チル酸亜鉛塩は下記構造式(A)で表されるものと推定
されている。
【0030】
【化6】
【0031】また特開昭53−127726号公報によ
ると、3,5−ジターシャリブチルサリチル酸のメタノ
ール溶液と、Cr2 (SO4 3 の水溶液を混合し、水
酸化ナトリウム水溶液によりpHを4〜5に調整後、還
流することにより、淡緑色沈澱としてクロム錯体が得ら
れる。他の芳香族カルボン酸、コバルト、ニッケル、鉄
などの他の金属の場合にも、この方法に準じて製造する
事が出来る。生成する3,5−ジターシャリブチルサリ
チル酸クロム錯体は下記構造式(B)で表されるものと
推定される。
【0032】
【化7】
【0033】電荷輸送材料としてはたとえばカルバゾー
ル、インドール、イミダゾール、オキサゾール、ピラゾ
ール、オキサジアゾール、ピラゾリン、チアジアゾール
などの複素環化合物、アニリン誘導体、ヒドラゾン化合
物、芳香族アミン誘導体、スチルベン誘導体、或いはこ
れらの化合物からなる基を主鎖もしくは側鎖に有する重
合体などの電子供与性物質が挙げられる。電荷輸送層に
使用されるバインダー樹脂としてはたとえばポリメチル
メタクリレート、ポリスチレン、ポリ塩化ビニル等のビ
ニル重合体、及びその共重合体、ポリカーボネート、ポ
リエステル、ポリエステルカーボネート、ポリスルホ
ン、ポリイミド、フェノキシ、エポキシ、シリコーン樹
脂等があげられ、またこれらの部分的架橋硬化物も使用
できる。
【0034】前記一般式(1)で示されるスルホン酸エ
ステル化合物と前記一般式(2)で示される芳香族カル
ボン酸の金属錯体又は金属塩の比率(重量比)は1:5
から100:1の範囲であることが好ましい。より好ま
しくは1:2から30:1の範囲で使用される。また前
記一般式(1)で示されるスルホン酸エステル化合物と
上記一般式(2)で示される芳香族カルボン酸の金属錯
体又は金属塩との合計量は、電荷輸送層に含有されるバ
インダー樹脂100重量部に対して0.1重量部から1
0重量部の範囲であることが好ましい。より好ましくは
0.1重量部から5重量部の範囲で使用される。
【0035】電荷輸送材料とバインダー樹脂との割合は
バインダー樹脂100重量部に対して30〜200重量
部、好ましくは40〜150重量部の範囲で使用され
る。また電荷輸送層には、必要に応じて酸化防止剤、増
感剤等の各種添加剤を含んでいてもよい。電荷輸送層の
膜厚は10〜60μm、好ましくは10〜45μmの厚
みで使用されるのがよい。最表面層として従来公知の例
えば熱可塑性或いは熱硬化性ポリマーを主体とするオー
バーコート層を設けても良い。通常は、電荷発生層の上
に電荷輸送層を形成するが、逆も可能である。各層の形
成方法としては、層に含有させる物質を溶剤に溶解又は
分散させて得られた塗布液を順次塗布するなどの公知の
方法が適用できる。
【0036】
【発明の効果】本発明による電荷輸送層に特定の化合物
を混合して含有させた電子写真感光体は、極めて低い残
留電位を示し、かつ繰り返し使用しても残留電位の蓄積
がほとんどなく、更に帯電性、感度の変動も非常に少な
く安定性が極めて良好である。
【0037】
【実施例】以下本発明を実施例及び比較例により更に詳
細に説明するが特にこれらに限定されるものではない。 実施例−1 下記構造を有するビスアゾ化合物10重量部を150重
量部の4−メトキシ−4−メチルペンタノン−2に加
え、サンドグラインドミルにて粉砕分散処理を行なっ
た。ここで得られた顔料分散液をポリビニルブチラール
(電気化学工業(株)製、商品名#6000−C)の5
%1,2−ジメトキシエタン溶液に加え、最終的に固形
分濃度4.0%の分散液を作製した。
【0038】この様にして得られた分散液に表面が鏡面
仕上された外径80mm、長さ340mm、肉厚1.0
mmのアルミニウムシリンダーを浸漬塗布しその乾燥膜
厚が0.4g/m2 となるように電荷発生層を設けた。
【0039】
【化8】
【0040】次にこの電荷発生層上に次に示すヒドラゾ
ン化合物95重量部と
【0041】
【化9】
【0042】前記例示スルホン酸エステル化合物(3)
を1.5重量部、前記例示芳香族カルボン酸(8)のク
ロム錯体0.1重量部、及び下記構造のポリカーボネー
ト樹脂(粘度平均分子量22,000)100重量部を
【0043】
【化10】
【0044】1,4−ジオキサンとテトラヒドロフラン
の混合溶媒に溶解させた液に浸漬塗布した後、室温で3
0分、125℃で30分乾燥させ、乾燥後の膜厚が40
μmとなるように電荷輸送層を設けた。この様にして作
製した感光体Aを感光体特性測定機に装着し、周速26
0mm/secで帯電(初期においてスコロトロンで−
700Vになるように設定)、露光、除電のサイクルを
30万回繰り返した時の暗電位、及び残留電位の変動を
測定した。この結果から、30万回の繰り返しにおいて
も暗電位は変化がなく残留電位の蓄積も極めて少ないこ
とが判る。 実施例−2 実施例−1において使用した例示スルホン酸エステル化
合物(3)1.5重量部及び例示芳香族カルボン酸
(8)のクロム錯体0.1部のかわりに前記例示スルホ
ン酸エステル化合物(3)を1.5重量部および前記例
示芳香族カルボン酸(8)の亜鉛塩0.1重量部を用い
た以外は実施例−1と同様にして感光体Bを作製し、そ
の特性を評価した。その結果を表−1に示す。 実施例−3 実施例−1において使用した例示スルホン酸エステル化
合物(3)1.5重量部及び例示芳香族カルボン酸
(8)のクロム錯体0.1重量部のかわりに前記例示ス
ルホン酸エステル化合物(4)を1.5重量部および前
記例示芳香族カルボン酸(8)のクロム錯体0.1重量
部を用いた以外は実施例−1と同様にして感光体Cを作
製し、その特性を評価した。その結果を表−1に示す。
【0045】これらいずれの感光体も非常に安定した良
好な特性を示すことがわかる。 比較例−1 実施例−1において使用した例示スルホン酸エステル化
合物(3)1.5重量部及び例示芳香族カルボン酸
(8)のクロム錯体0.1重量部のかわりに前記例示ス
ルホン酸エステル化合物(3)を1.5重量部のみ用い
た以外は実施例−1と同様にして感光体Dを作製し、そ
の特性を評価した。その結果を表−1に示す。 比較例−2 実施例−1において使用した例示スルホン酸エステル化
合物(3)1.5重量部及び例示芳香族カルボン酸
(8)のクロム錯体0.1重量部のかわりに前記例示芳
香族カルボン酸(8)のクロム錯体0.1重量部のみ用
いた以外は実施例−1と同様にして感光体Eを作製し、
その特性を評価した。その結果を表−1に示す。 比較例−3 実施例−1において使用した例示スルホン酸エステル化
合物(3)1.5重量部及び例示芳香族カルボン酸
(8)のクロム錯体0.1重量部のかわりに前記例示芳
香族カルボン酸(8)の亜鉛塩0.1重量部のみ用いた
以外は実施例−1と同様にして感光体Fを作製し、その
特性を評価した。その結果を表−1に示す。 比較例−4 実施例−1において使用した例示スルホン酸エステル化
合物(3)1.5重量部及び例示芳香族カルボン酸
(8)のクロム錯体0.1重量部例示化合物(3)のか
わりに前記例示スルホン酸エステル化合物(4)を1.
5重量部のみ用いた以外は実施例−1と同様にして感光
体Gを作製し、その特性を評価した。その結果を表−1
に示す。
【0046】 表−1 感光体 初期 30万サイクル後 暗電位 残留電位 暗電位 残留電位 A −700V −10V −700V −25V B −700V −5V −690V −30V C −700V −5V −700V −30V 比較D −700V −20V −705V −50V 比較E −700V −5V −700V −45V 比較F −700V −10V −725V −55V 比較G −700V −20V −705V −50V 表−1の結果から明らかなように本発明の感光体は比較
例に対して更に良好な特性を示すことが判る。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 平3−48852(JP,A) 特開 平3−78753(JP,A) 特開 平3−72365(JP,A) 特開 昭58−7643(JP,A) 特開 昭61−195165(JP,A) 特開 昭58−102243(JP,A) 特公 昭43−29435(JP,B1) (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) G03G 5/05 CA(STN) REGISTRY(STN) WPIDS(STN)

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 導電性基体上に、少なくとも電荷発生層
    及び電荷輸送層を有する電子写真感光体において、該電
    荷輸送層に下記一般式(1)で示されるスルホン酸エス
    テル化合物及び下記一般式(2)で示される芳香族カル
    ボン酸の金属錯体または金属塩を含有することを特徴と
    する電子写真感光体。 【化1】 (式中、R1 ,R2 ,R3 ,R4およびR5 はそれぞれ
    独立して水素原子、ハロゲン原子、シアノ基、ニトロ基
    又はアルキル基を表し、R6 ,R7 ,R8 およびR9
    それぞれ独立して水素原子またはハロゲン原子を表し、
    Xはシアノ基、アルコキシカルボニル基、置換されてい
    てもよいアリールオキシカルボニル基または置換されて
    いてもよいアリール基を表す。) ArCOOH (2) (式中、Arは置換基を有しても良い芳香環残基または
    芳香族複素環残基を表わす。)
  2. 【請求項2】 前記一般式(1)で示されるスルホン酸
    エステル化合物と前記一般式(2)で示される芳香族カ
    ルボン酸の金属錯体または金属塩の比率(重量比)が
    1:5乃至100:1であることを特徴とする請求項1
    記載の電子写真感光体。
  3. 【請求項3】 電荷輸送層がバインダー樹脂を含有した
    ものであって前記一般式(1)で示されるスルホン酸エ
    ステル化合物と前記一般式(2)で示される芳香族カル
    ボン酸の金属錯体または金属塩との合計量が電荷輸送層
    に含有されるバインダー樹脂100重量部に対して0.
    1重量部から10重量部の範囲であることを特徴とする
    請求項1記載の電子写真感光体。
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