JP2952854B2 - ハロゲン化銀カラー感光材料 - Google Patents

ハロゲン化銀カラー感光材料

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JP2952854B2 JP2269913A JP26991390A JP2952854B2 JP 2952854 B2 JP2952854 B2 JP 2952854B2 JP 2269913 A JP2269913 A JP 2269913A JP 26991390 A JP26991390 A JP 26991390A JP 2952854 B2 JP2952854 B2 JP 2952854B2
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Description

【発明の詳細な説明】 (産業上の利用分野) 本発明は、迅速処理に適し、処理液組成の変動による
シアン色素濃度の変動が改良され、カラー現像処理工程
後のシアン色素濃度変化によるプリント保存時の画像の
劣化が改良されたハロゲン化銀カラー感光材料に関する
ものである。
(従来の技術) カラー写真画像を形成させるためには、イエロー、マ
ゼンタ及びシアンの3色の写真用カプラーを感光性層に
含有させ、露光後、カラー現像主薬を含む発色現像液に
より処理する。この過程で、芳香族第一級アミンの酸化
体とカップリング反応することにより、発色色素を与え
る。
一般に、ハロゲン化銀カラー感光材料の標準的な処理
工程は、カラー画像を形成する発色現像工程、現像銀お
よび未現像銀を除去する脱銀工程、並びに水洗及び/又
は画像安定化工程より成っている。
従来より処理時間の短縮化が図られてきたが、最近、
仕上り納期の短縮化、ラボ内作業の軽減化あるいは、い
わゆるミニラボと称される小規模ラボ向けの処理システ
ムの小型化、簡易操作化などの要望から、処理時間の短
縮化の必要性はさらに高くなってきた。
発色現像工程の時間短縮をはかるには、カップリング
速度をできるだけ速くしたカプラーを用いたり、現像速
度が速いハロゲン化銀乳剤を用いたり、現像速度の速い
発色現像液を用いたり、発色現像液の温度を高くするこ
となどを適宜組み合わせることで達成される。
脱銀工程の時間短縮は、漂白及び漂白定着液のpHを下
げることにより達成される。漂白定着液のpHを下げるこ
とにより、漂白定着が速くなることは、The Theory of
the Photographic Processの第15章 E.Bleach−Fix Sy
stemに記載されている。
(発明が解決しようとする課題) しかし、漂白定着液のpHを下げることにより、漂白速
度は速くなるが、一方で、シアンカプラーから生成され
た色素がロイコ化により脱色し、処理終了までに元に戻
らない(この現像を以下復色不良と呼ぶ)ことにより濃
度低下を起こし、処理後徐々に復色してカラーバランス
がくずれ、画質低下する問題がある。
これを改良する手段としては、発色現像後、水洗処理
し、現像主薬を除去した後に、漂白定着処理を行なうこ
とで良化する方法があるが、処理工程数がふえたり、ト
ータル処理時間が長くなるなどの欠点がある。
他の手段としては、漂白定着浴には、多原子価元素を
含む水溶性イオン性化合物を添加することが例えば米国
特許第3,773,510号で提案されているが、これでは、公
害負荷が上がるという欠点を有し、更に本来の目的もま
だ不十分である。
一方、従来より、階調調節、かぶり防止、主にマゼン
タ色素の褐色防止などを目的として、ハイドロキノン類
もしくはキノン類を用いることが、例えば、特開昭55−
161238号、同60−60647号、同53−32034号、西独出願公
開第2,149,789号、同3,320,483A1号、特開昭58−24141
号、同46−2128号、特公昭43−4934号、同50−21249
号、同60−3171号、特開昭49−106329号、同49−129535
号、英国特許第1,465,081号、特開昭49−129536号、同4
9−134327号、同50−110337号、同50−156438号、同51
−6024号、同51−9828号、同51−14023号、同52−65432
号、同52−128130号、同52−146234号、同52−146235
号、同53−9528号、同53−55121号、同53−139533号、
同54−24019号、同54−25823号、同54−29637号、同54
−70036号、同54−97021号、同54−133181号、同55−95
948号、同56−5543号、同56−83742号、同56−85748
号、同56−87040号、同56−153342号、同57−112749
号、同57−176038号、同58−136030号、同59−72443
号、同59−75249号、同59−83162号、同59−101650号、
同59−180557号、同60−60647号、同59−189342号、同5
9−191031号、同60−55339号、同60−263149号、リサー
チ・ディスクロージャー(R.D.)228−7(1983)、米
国特許第2,384,658号、同2,403,721号、同2,728,659
号、同2,735,765号、同3,700,453号、同2,675,314号、
同2,732,300号及び同2,360,290号などに記載されてお
り、特に電子吸引性基で置換したハイドロキノン類を中
間層に用いることによってかぶり防止をすることに関し
ては、特公昭59−35012号、特開昭56−109344号、同57
−22237号などに記載があるが、復色不良に関する記載
はない。
これらハイドロキノン類の添加は、比較的pHが高く、
カラー現像液が混入した漂白定着液を用いた場合にはか
えって復色不良を起こしやすくすることが知られてお
り、むしろその使用量を減らすことが例えば特開昭60−
60647号で提案されている。
更に、特開昭63−316857号にはアルキル基置換ハイド
ロキノン類もしくはキノン類を用いて低pH漂白定着液で
の復色不良を改良することが提案されており、成程その
効果は認められるが、更にいっそうの改良が望まれてい
た。またこの方法では、処理後の感光材料を非常に高照
度の光のもとに保存するとシアン色画像が劣化するとい
う問題が新たに見い出された。
本発明はこのような実状に鑑みてなされたものであっ
て、その目的は第一に、短時間でカラー現像ができる、
いわゆる迅速処理性が優れたハロゲン化銀カラー写真感
光材料を提供することにある。
第二に、シアン色素画像の復色不良が改良され、処理
後、画像のカラーバランスがくずれず画質が改良された
ハロゲン化銀カラー写真感光材料を提供することにあ
る。
第三に、シアン色画像の保存性が良好なハロゲン化銀
カラー写真感光材料を提供することにある。
(課題を解決するための手段) 本発明者らは鋭意検討の結果、上記諸目的が、下記の
ハロゲン化銀カラー感光材料によって達成されることを
見い出した。
(1)支持体上にイエロー発色性ハロゲン化銀乳剤層、
マゼンタ発色性ハロゲン化銀乳剤層、及びシアン発色性
ハロゲン化銀乳剤層を含む多層ハロゲン化銀カラー感光
材料において、前記シアン発色性ハロゲン化銀乳剤層
に、塩化銀含有率90モル%以上のハロゲン化銀粒子を含
有し、かつ、芳香族第一級アミン現像主薬の酸化体とカ
ップリングして実質的に耐拡散性の色素を形成する油溶
性シアンカプラーの少なくとも一種、一般式(I)及び
(II)で表わされる化合物群の中から選ばれる少なくと
も一種、さらに一般式(III)及び(IV)で表わされる
化合物群の中から選ばれる少なくとも一種とを含有する
ことを特徴とするハロゲン化銀カラー感光材料。
(式中、R1とR3はハロゲン原子を表わし、R2、R4、R5
R7及びR8は各々独立に、アルキル基、アリール基、アル
コキシ基、アリーロキシ基、アルキルチオ基、アリール
チオ基、アミド基、アシル基、アルコキシカルボニル
基、アリーロキシカルボニル基、カルバモイル基、スル
ファモイル基またはスルフォキシド基を表わす。R2及び
R4の炭素数はそれぞれ6以上である。また、R6はアルキ
レン基を表わし、nは0または1を表わす。M は陽イ
オンを表わす。
(2)前記シアンカプラーが一般式(V)で表わされる
ことを特徴とする前記(1)記載のハロゲン化銀カラー
感光材料。
(式中、Yは−NHCO−または−CONH−を表わし、R9はア
ルキル基、アリール基、複素環基またはアミノ基を表わ
し、Xは水素原子、ハロゲン原子、アルコキシ基または
アシルアミノ基を表わし、R10はアルキル基またはアシ
ルアミノ基を表わすか、XとR10とで5ないし7員環を
形成する非金属原子団を表わし、Zは水素原子または現
像主薬の酸化体とのカップリング時に離脱しうる基を表
わす。
(3)前記シアン発色性層にさらに粘度が200cp(25
℃)以上である高沸点溶媒の少なくとも一種を含有する
ことを特徴とする前記(1)または(2)記載のハロゲ
ン化銀カラー感光材料。
(4)前記シアン発色性層にさらに水不溶性の有機高分
子化合物を含有することを特徴とする前記(1)から
(3)のいずれかに記載のハロゲン化銀カラー感光材
料。
本発明は以下に詳細に説明する。
式(I)及び式(II)において、R1とR3の好ましいハ
ロゲン原子はClまたはBrである。
式(I)、(II)、(III)および式(IV)においてR
2、R4、R5、R7及びR8は各々独立に、アルキル基(炭素
数6〜40のアルキル基が好ましく、直鎖でも分岐でもよ
く、例えば、sec−ドデシル、n−ヘキサデシル、sec−
エイコシル)、アリール基(炭素数6〜40のものが好ま
しく、例えば、フェニル、p−トリル)、アルコキシ基
(炭素数6〜40のものが好ましく、例えば、テトラデシ
ロキシ、ヘキサデシロキシ)、アリーロキシ基(炭素数
6〜40のものが好ましく、例えば、フェノキシ、p−ア
セトアミドフェノキシ)、アルキルチオ(炭素数6〜40
のものが好ましく、例えば、ドデシルチオ、オクタデシ
ルチオ)、アリールチオ基(炭素数6〜40のものが好ま
しく、例えば、フェニルチオ)、アミド基(炭素数6〜
40のものが好ましく、例えば、ベンゾイルアミノ、ヘキ
サデカンアミド)、アシル基(炭素数6〜40のものが好
ましく、例えば、ベンゾイル、ヘキサデカノイル)、ア
ルコキシカルボニル基(炭素数6〜40のものが好まし
く、例えば、ヘキサデシロキシカルボニル)、アリーロ
キシカルボニル基(炭素数7〜40のものが好ましく、例
えば、フェノキシカルボニル)、カルバモイル基(炭素
数6〜40のものが好ましく、例えば、N−ドデシルカル
バモイル、N,N−ジフェニルカルバモイル)、スルファ
モイル基(炭素数6〜40のものが好ましく、例えば、N,
N−ジヘキシルスルファモイル、N−フェニルスルファ
モイル)、またはスルホキシド基(炭素数1〜40のもの
が好ましく、例えば、ヘキサデカンスルホキシド)を表
わす。また、R2、R4、R5、R7及びR8の炭素数はそれぞれ
6以上であるのが好ましい。
式(I)及び式(II)の化合物はビス体、トリス体、
オリゴマー、ポリマーなどを形成していてもよい。
式(V)においてR9はアルキル基(好ましくは炭素数
1〜32の直鎖、分岐、環状のアルキル基であって、例え
ば、メチル、ブチル、ペンタデシル、シクロヘキシ
ル)、アリール基(例えば、フェニル、ナフチル)、複
素環基(例えば、2−ピリジル、3−ピリジル、2−フ
ラニル、2−オキサゾリル)またはアミノ基を表わし、
これらはアルキル基、アリール基、アルキルまたはアリ
ールオキシ基(例えば、メトキシ、ドデシルオキシ、メ
トキシエトキシ、フェニルオキシ、2,4−ジ−tert−ア
ミルフェノキシ、3−tert−ブチル−4−ヒドロキシフ
ェニルオキシ、ナフチルオキシ)、カルボキシル基、ア
ルキルまたはアリールカルボニル基(例えば、アセチ
ル、テトラデカノイル、ベンゾイル)、アルキルまたは
アリールオキシカルボニル基(例えば、メトキシカルボ
ニル、ベンジルオキシカルボニル、フェノキシカルボニ
ル)、アシルオキシ基(例えば、アセトキシ、ベンゾイ
ルオキシ、フェニルカルボニルオキシ)、スルファモイ
ル基(例えば、N−エチルスルファモイル、N−オクタ
デシルスルファモイル)、カルバモイル基(例えば、N
−メチルカルバモイル、N−メチル−ドデシルカルバモ
イル)、スルホンアミド基(例えば、メタンスルホンア
ミド、ベンゼンスルホンアミド)、アシルアミノ基(例
えば、アセチルアミノ、ベンズアミド、エトキシカルボ
ニルアミノ、フェニルアミノカルボニルアミノ)、イミ
ド基(例えば、サクシンイミド、ヒダントイニル)、ス
ルホニル基(例えば、メタンスルホニル)、ヒドロキシ
基、シアノ基、ニトロ基及びハロゲン原子から選ばれた
置換基で置換されているのが好ましい。
式(V)において、R10は好ましくは炭素数1〜20の
アルキル基(例えば、メチル、エチル、ブチル、ペンタ
デシル)またはアシルアミノ基(例えば、テトラデカノ
イルアミノ、ベンゾイルアミノ、2−(2,4−ジ−tert
−アミルフェノキシ)ブタンアミド)を表わす。R10
アルキル基はR9で例示したような置換基で置換されてい
てもよい。
式(V)において、Xは水素原子、ハロゲン原子(例
えば、フッ素、塩素、臭素)、アルコキシ基(例えば、
メトキシ、ブトキシ)、またはアシルアミノ基(例え
ば、アセトアミド)を表わす。
式(V)の化合物は前記のようなフェノール系シアン
カプラーの他にR10とXが連結して5、6、7員環のい
ずれかの環を形成した縮環系シアンカプラーも好まし
く、このような縮環系のものとしてはオキシインドール
系やイミダゾール−2−オン系シアンカプラーが特に好
ましい。
式(V)においてZは、水素原子またはカップリング
離脱基を表わし、その例を挙げると、ハロゲン原子(例
えば、フッ素、塩素、臭素)、アルコキシ基(例えば、
エトキシ、ドデシルオキシ、メトキシカルバモイルメト
キシ、カルボキシプロピルオキシ、メチルスルホニルエ
トキシ)、アリールオキシ基(例えば、4−クロロフェ
ノキシ、4−メトキシフェノキシ、4−カルボキシフェ
ノキシ)、アシルオキシ基(例えば、アセトキシ、テト
ラデカノイルオキシ、ベンゾイルオキシ)、スルホニル
オキシ基(例えば、メタンスルホニルオキシ、トルエン
スルホニルオキシ)、アミド基(例えば、ジクロロアセ
チルアミノ、ヘプタブチルアミノ、メタンスルホニルア
ミノ、トルエンスルホニルアミノ)、アルコキシカルボ
ニルオキシ基(例えば、エトキシカルボニルオキシ、ベ
ンゾイルオキシカルボニルオキシ)、アリールオキシカ
ルボニルオキシ基(例えば、フェノキシカルボニルオキ
シ)、脂肪族もしくは芳香族チオ基(例えば、エチルチ
オ、フェニルチオ、テトラゾリチルチオ)、イミド基
(例えば、スクシンイミド、ヒダントイニル)、N−複
素環(例えば、1−ピラゾリル、1−ベンツトリアゾリ
ル)、芳香族アゾ基(例えば、フェニルアゾ)等があ
る。これらの離脱基は写真的に有用な基を含んでいても
よい。
式(V)において好ましいYは−NHCO−であり、好ま
しいR9はアルキル基またはアリール基であり、最も好ま
しいR9はアルキル基である。
式(V)において好ましいR10は炭素数1〜15のアル
キル基であり、炭素数1〜4のアルキル基が好ましい。
式(V)において好ましいZは水素原子またはハロゲ
ン原子であり、ハロゲン原子が特に好ましい。
式(V)において好ましいXはハロゲン原子であり、
R10と共に複素環を形成している場合も好ましい。
式(I)及び(II)において好ましいR2、R4はアルキ
ル基、アルキルチオ基またはアミド基であり、アルキル
基である場合が最も好ましい。
式(I)におけるR1とR2、及び式(II)におけるR3
R4はそれぞれ2,5−置換の関係にあることが好ましい。
式(III)においてR6は直鎖または分岐のアルキレン
基であって、炭素数が1〜4のものが好ましい。M+は水
素イオン、アルカリ金属イオン、アルカリ土類金属イオ
ン、アンモニウムイオン、その他の陽イオンを表わす。
式(IV)においては、nが0でかつR7を構成する炭素
数が10以上であるのが好ましく、特に15以上であるのが
好ましい。
以下に本発明に含まれる式(I)、(II)、(II
I)、(IV)及び(V)の具体的な化合物例を示すが、
本発明はこれらに限定されるものではない。
式(I)、(II)、(III)または(IV)で表わされ
る化合物は、以下の合成例に準じて合成することができ
るし、また特開昭56−109344号、同57−22237号、同59
−61287号、または英国特許1,156,167号記載の方法に従
って一般に合成することができる。
合成例1(例示化合物(II−3)の合成) 2−sec−ヘキサデシルハイドロキノン33.5g(0.1モ
ル)を塩化メチレン300ml中に溶解し、室温下撹拌しな
がらそこへ塩化スルフリル8.1ml(0.1モル)を30分で滴
下する。室温で6時間撹拌を続けた後、一晩放置してか
ら酢酸エチルを加えて抽出し、5%食塩水で3回洗った
後、硫酸マグネシウムで乾燥、濃縮してカラムクロマト
グラフィー(溶媒:クロロホルム)により精製して目的
とする2−クロロ−5−sec−ヘキサデシルハイドロキ
ノンを淡褐色油状物として27gを得た。構造はNMR、マス
スペクトルにより確認した。
C22H37ClO2としての元素分析値 計算値(%) C:71.61 H:10.11 実測値(%) C:71.38 H:10.35 合成例2(例示化合物(I−2)の合成) 前記合成例1で得た2−クロロ−5−sec−ヘキサデ
シルハイドロキノン18.5g(0.05モル)を酢酸エチル200
ml中に溶解し、そこへ二酸化マンガン(粉末)22gを加
えて50℃にて8時間撹拌した。放冷後二酸化マンガンを
ろ別して濃縮し、カラムクロマトグラフィー(溶媒:ク
ロロホルム)により精製して目的とする2−クロロ−5
−sec−ヘキサデシル−1,4−ベンゾキノンを黄色油状物
として15g得た。構造はNMR、マススペクトルにより確認
した。
C22H35ClO2としての元素分析値 計算値(%) C:72.01 H:9.11 実測値(%) C:71.87 H:9.35 本発明の式(I)のキノン類と式(II)のハイドロキ
ノン類は単独で使用しても、あるいは両者を併用しても
よい。
式(V)で表わされるシアンカプラーの合成法につい
ては、以下の文献で知られている。
すなわち、5位にアルキル基を有するフェノール系シ
アンカプラーについては、米国特許2,369,929号、同4,5
18,687号、同4,511,647号や同3,772,020号など;2,5−ジ
アシルアミノフェノール系シアンカプラーについては、
米国特許2,772,162号、同2,895,826号、同4,334,011
号、同4,500,653号や特開昭59−164555号など;含窒素
複素環がフェノール核に縮合したフェノール系シアンカ
プラーについては、米国特許4,327,173号、同4,564,586
号、同4,430,423号、特開昭61−390441号や同62−25715
8号などである。
本発明のシアンカプラーの好ましい塗布量は、感光材
料1平方メートル当たり1.0×10-5モル〜2.0×10-3モル
であり、さらに好ましくは1.0×10-4モル〜1.0×10-3
ルである。本発明のシアンカプラーは、本発明以外のシ
アンカプラーと任意に混合して用いることができる。好
ましくは本発明のシアンカプラーを5モル%以上、さら
に好ましくは30モル%以上である。
本発明の式(I)のキノン類及び/または(II)のハ
イドロキノン類は、シアンカプラーに対し、シアンカプ
ラー1モル当たり0.1〜100モル%、好ましくは0.5〜30
モル%、より好ましくは1〜20モル%使用する。
式(I)の化合物と式(II)の化合物を併用すると
き、この両者の使用比率は任意に変えることができる
が、式(II)の化合物に対する式(I)の化合物のモル
比は1/100〜10倍が好ましい。
本発明の式(III)及び/または式(IV)の化合物
は、シアンカプラーに対し、シアンカプラー1モル当た
り0.1〜100モル%、好ましくは0.5〜30モル%、より好
ましくは1〜20モル%使用する。
式(III)の化合物と式(IV)の化合物を併用すると
き、この両者の使用比率は任意に変えることができる。
式(I)、(II)、(III)及び(IV)の化合物はシ
アンカプラーを含む写真構成層の塗布液に、直接添加あ
るいは感光材料に悪影響を与えない溶媒、例えば水、ア
ルコール等に溶解して添加することができる。また該化
合物は高沸点溶媒及び/又は低沸点有機溶媒に溶解した
後水溶液中に乳化分散したものを添加することもでき
る。さらにシアンカプラーと共に乳化分散したものを用
いることもできる。
本発明の式(I)、(II)、(III)または(IV)の
化合物はシアンカプラーと同一油滴に存在することが好
ましい。
本発明の式(I)、(II)、(III)または(IV)の
化合物の使用は、漂白液もしくは漂白定着液中に(前浴
から持ち込まれた)現像剤が混入しているときに効果が
ある。
次に本発明に用いられる粘度が200cp(25℃)以上の
高沸点有機溶媒について説明する。
この高沸点有機溶媒は好ましくは下記の一般式〔II
s〕、〔III s〕、〔IV s〕、〔V s〕、〔VI s〕または
〔VII s〕で表わされる化合物の中から選ばれる。
一般式〔III s〕 W1−COOW2 一般式〔VI s〕 W1−O−W2 一般式〔VII s〕 W5−X 式中、W1、W2及びW3は、各々独立に置換もしくは無置
換の、アルキル基、シクロアルキル基、アルケニル基、
アリール基またはヘテロ環基を表わし、W4、−W1、−O
−W1、または−S−W1を表わし、nは1ないし5の整数
であり、nが2以上の時は、W4は互に同じでも異なって
いてもよく、一般式〔VI s〕において、W1とW2が互いに
連結して縮合環を形成してもよい。
W5は、置換もしくは無置換の、アルキル基、シクロア
ルキル基またはアリール基を表し、W5を構成する総炭素
数は、12以上である。Xは、ハロゲン原子を表す。
前記のW1、W2、W3およびW5の基が置換基を有する場
合、この置換基は1個又は2個以上の (R11はフェニル基から水素原子を除去してなる2〜6
価の基を示す)及び−O−から選ばれた結合基を有する
基でもよい。
W1、W2、W3、W4およびW5で表されるアルキル基は直
鎖、分岐のいずれでもよい。例えば、メチル、エチル、
プロピル、ブチル、ペンチル、ヘキシル、ヘプチル、オ
クチル、ノニル、デシル、ウンデシル、ドデシル、トリ
デシル、テトラデシル、ペンタデシル、ヘキサデシル、
ヘプタデシル、オクタデシル、ノナデシル、エイコシル
等である。
これらのアルキル基に許容される置換基を説明する
と、例えばハロゲン原子、シクロアルキル基、アリール
基、エステル基であり、このような置換アルキル基とし
ては、例えば、ハロゲン(F、Cl、Br)で置換されたア
ルキル基(−C2HF4、−C5H3F8、−C3H3F16、−C2H4Cl、
−C3H6Cl、−C3H5Cl2、−C3H5ClBr、−C3H5Br2)等、シ
クロアルキル基で置換されたアルキル基 アリール基で置換されたアルキル基 二塩基性酸のエステルを与える置換基で置換されたアル
キル基〔 −CH2CH2COOC12H25、−(CH24COOC10H21、−(CH24
COOCH2(CF2CF22H、−(CH27COOC4H9、−(CH28C
OOC12H25等〕、乳酸エステル等を与える置換基で置換さ
れたアルキル基 クエン酸エステル等を与える置換基で置換されたアルキ
ル基 等〕、リンゴ酸エステル等を与える置換基で置換された
アルキル基〔−CH2CH(OH)COOC6H13、−CH2CH(OH)CO
OC12H25等〕、酒石酸エステル等を与える置換基で置換
されたアルキル基 〔−CH(OH)CH(OH)COOC8H17 等である。
更に、一般式〔VI s〕において、W1とW2は縮合環を形
成したオキシラン、オキソラン、オキサン環を含むもの
であってもよい。
W1、W2、W3、W4およびW5で表わされるシクロアルキル
基は、例えば 等であり、置換シクロヘキシル基は、例えば 基等である。
W1、W2、W3、W4およびW5で表わされるアリール基は、
例えば 等であり、置換アリール基は、例えば 等である。
W1、W2、W3およびW4で表わされるアルケニル基は−C4
H7、−C5H9、−C6H11、−C7H13、−C8H15、−C10H19、C
12H23、−C18H35等であり、置換アルケニル基は例えば
ハロゲン原子(F、Cl、Br)、−OC8H17、−OC12H25 等の置換した基、即ち −CH=CH−COOC12H25等である。
W1、W2、W3およびW4で表わされるヘテロ環基は、例え
ば、 等である。
本発明に用いられる高沸点有機溶媒の沸点は、好まし
くは140℃以上であり、より好ましくは160℃以上であ
る。この化合物中の前記W1〜W5の総炭素数は8以上が好
ましい。
通常「有機溶媒」という言葉は、そのものが液状であ
ることを指す場合が一般的であるが、本発明では、25℃
で測定した粘度が200cp以上の有機溶媒とは、固体のも
のも含む、好ましくは、500cp以上、更に好ましくは700
cp以上、より好ましくは、固体のもので、融点が25℃以
上の前記一般式〔II s〕〜〔VII s〕で表わされる化合
物から選ばれるものである。なかでも好ましいものは、
一般式〔II s〕と〔III s〕のものであって、特にリン
酸やフタル酸のジアルキル(二級や三級アルキル)また
はジシクロアルキルエステルである。そして最も好まし
いのは、フタル酸のジシクロエステルである。粘度はコ
ーンプレート型回転粘度計(東京計器製VISCONISEMO)
で測定して求めることが出来る。
上記の高沸点有機溶媒の使用量は、シアンカプラーの
種類および使用量によって適宜変更できるが、本発明の
一般式(I)のシアンカプラーに対する高沸点有機溶媒
の重量比は0.05〜20の範囲内であることが好ましい。
本発明に係る高沸点有機溶媒は、本発明の目的を達し
うる範囲で単独もしくは複数の混用あるいは他の従来公
知の高沸点有機溶媒と併用することもできる。これら従
来公知の高沸点有機溶媒としては、例えばトリクレジル
ホスフェート、トリ−2−エチルヘキシルホスフェー
ト、7−メチルオクチルホスフェート、トリシクロヘキ
シルホスフェート等のリン酸エステル系溶媒、2,5−ジ
−tert−アルミフェノール、2,5−ジ−sec−アミルフェ
ノール等のフェノール系溶媒等を挙げることができる。
本発明に係る高粘度高沸点有機溶媒の具体例を以下に
列挙する。
一般式〔III s〕の化合物のうち、好ましい高沸点有
機溶媒としては、一般式〔III s−1〕および一般式〔I
II s−2〕で表わされる。
式中、Aは=CH−又は=N−を表わす。X1、X2及びX3
は各々独立に、−H、ハロゲン、−R12、−CH=NOR12
−COR12、−SO2R12、−Y1=R12、−Y1−COR12、−CO−Y
1−R12、−Y1−SO2R12又は−SO2−Y1−R12を表わすか、
X1〜X3のうち2個のX基が一緒になって炭素環もしくは
複素環を形成する原子団を表わす。Y1は−O−、−S−
又は を表わし、R13は−H又は−R12を表わす。R12は炭素原
子1〜20個の置換もしくは非置換のアルキル基(例え
ば、メチル、エチル、イソプロピル、s−ブチル、t−
ブチル、t−ペンチル、2−エチルヘキシル、オクタデ
シル)、炭素原子6〜20個の置換もしくは非置換のアリ
ール基(例えば、フェニル、m−トリル、p−トリル、
p−ヒドロキシフェニル、α−ナフチル)、又は炭素原
子数2〜20個の置換もしくは非置換の複素環式基(例え
ば、ピラゾリル、ベンゾキサゾリル、ベンゾチアゾリ
ル、ベンゾトリアゾール、フェニルテトラゾリル)を表
わす。qは2、3又は4を表わし、pは1、2又は3を
表わす。但し、同一ベンゼン管に結合している置換基X1
及びX2の少なくとも1つが合計2個以上の非水素原子を
含有していなければならないものとする。
本発明において好ましくは、qは2又は4であり、p
は1であり、Aは=CH−であり、X1は炭素原子1〜6個
のアルキル基、複素環式基又は−COR14(R14はフェニル
又は−OR15であり、R15は炭素原子1〜6個のアルキル
基である)であり、X2は−H又は炭素原子1〜6個のア
ルキル基であり、X3は−H、メトキシ基、又は炭素原子
2〜6個のアルキル基である。
またX1、X2が立体的にかさ高い基であることが特に好
ましい。
次に、本発明で用いられる一般式〔III s−1〕で表
わされる化合物の具体例を以下に記載する。
前記式〔III s−1−a〕中、Rは以下のとおりであ
る。
前記式〔III s−1−c〕中、Rは以下のとおりであ
る。
前記式〔III s−1−c〕中、Rは以下のとおりであ
る。
前記式〔III s−1−d〕中、Rは以下のとおりであ
る。
前記式〔III s−1−e〕中、Rは以下のとおりであ
る。
前記式〔III s−1−f〕中、Rは以下のとおりであ
る。
前記式〔III s−1−g〕中、Rは以下のとおりであ
る。
前記式〔III s−1−h〕中、Rは以下のとおりであ
る。
前記式〔III s−1−i〕中、Rは以下のとおりであ
る。
本発明の一般式〔III s−1〕で表される化合物は、
市販にて入手あるいは特開昭62−134642号記載等の方法
で合成することができる。
次に一般式〔III s−2〕について説明する。
一般式〔III s−2〕においてX4はハロゲン原子(フ
ッ素原子、塩素原子、臭素原子、沃素原子)、炭素原子
数1〜20のアルキル基、炭素原子数1〜20のアルコキシ
基または炭素原子数2〜21のアルコキシカルボニル基
を、rは0〜5の整数を、R16、R17及びR18はそれぞれ
独立して炭素原子数1〜12の直鎖もしくは分岐鎖アルキ
ル基、炭素原子数3〜12のシクロアルキル基、炭素原子
数7〜20のアラルキル基、炭素原子数6〜20のアリール
基または炭素原子数3〜12の複素環基を、sは1〜4の
整数をそれぞれ表わす。
ただし、rとsの合計は6以下であり、rが複数のと
きX4は同じでも異なっていてもよく、sが複数のとき は同じでも異なっていてもよい、またR16は水素原子で
あってもよく、R17とR18は互いに結合して環を形成して
いてもよい。
次に一般式〔III s−2〕で表わされる化合物につい
て詳しく述べる。
一般式〔III s−2〕においてX4の具体例としては前
記ハロゲン原子の他、アルキル基(例えば、メチル、エ
チル、イソプロピル、t−ブチル、シクロペンチル、シ
クロヘキシル、2−エチルヘキシル、ドデシル、ベンジ
ル、トリフルオロメチル)、アルコキシ基(例えば、メ
トキシ、エトキシ、2−エチルヘキシルオキシ、ベンジ
ルオキシ、ドデシルオキシ、メトキシエトキシ)及びア
ルコキシカルボニル基(例えば、メトキシカルボニル、
エトキシカルボニル、ブトキシカルボニル、ヘキサデシ
ルオキシカルボニル)がある。
一般式〔III s−2〕においてR16、R17及びR18の具体
例としては直鎖または分岐鎖アルキル基(例えば、メチ
ル、エチル、トリフルオロメチル、イソプロピル、n−
プロピル、n−ブチル、sec−ブチル、イソブチル、イ
ソペンチル、sec−ペンチル、イソヘキシル、sec−デシ
ル)、シクロアルキル基(例えば、シクロプロピル、シ
クロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシル、4−メ
チルシクロヘキシル、4−メチルシクロヘキセニル、4
−t−ブチルシクロヘキシル、シクロヘプチル、メンチ
ル、ボルニル、ビシクロ〔2,2,1〕ヘプタン−2−イ
ル)、アラルキル基(例えば、ベンジル、4−メトキシ
ベンジル、1−ナフチルメチル、フェネチル)、アリー
ル基(例えば、フェニル、4−メトキシフェニル、2,4
−ジクロロフェニル、p−トリル、1−ナフチル)及び
複素環基(例えば、フリル、チェニル、ピリジル、N−
メチルイミダゾリル、N−メチルピロリル、テトラヒド
ロフルフリル、N−エチルインドリル、キノリル)があ
る。
一般式〔III s−2〕においてR17とR18とが互いに結
合して環を形成する例として の形で表わす時、シクロペンチル、シクロヘキシル、メ
ンチル、フェンキル、ボルニル、ビシクロ〔2,2,1〕ヘ
プタン−2−イル等がある。
一般式〔III s−2〕で表わされる化合物のうち本発
明において好ましく用いられる化合物は次の(1)また
は(2)の条件を満たす。
(1)R16、R17及びR18のα水素原子の総和は7を越え
ない。
(2)R16が水素原子である場合、次の(a)または
(b)のいずれかの条件を満たす。
(a)R17とR18とが互いに結合して環を形成する場合、
R17及びR18のα水素原子数の総和は1を越えない。
(b)R17とR18とが環を形成しない場合、R17またはR18
のいずれかのα位は、2つの異なる置換基により置換さ
れている。
一般式〔III s−2〕で表わされる化合物は、さらに
好ましくは、rは0であり、sは2であり、特に好まし
くは下記一般式〔III s−3〕または一般式〔III s−
4〕により表わされる。
一般式〔III s−3〕及び一般式〔III s−4〕におけ
るR16、R17及びR18は前記一般式〔III s−2〕において
規定したものと同じである。
一般式〔III s−2〕における は特に好ましくは次の(3)または(4)の条件を満た
す。
(3)R16、R17及びR18のいずれもアルキル基(シクロ
アルキル基、アラルキル基を含む)であり、かつR16、R
17及びR18のすべてがメチル基であることはない。
(4)R16が水素原子またはアルキル基であり、R17とR
18とが互いに結合して置換もしくは無置換のシクロヘキ
サン環またはシクロヘキセン環を形成する。
次に一般式〔III s−2〕における の具体例を以下に示す。
以下に一般式〔III s−2〕で表わされる化合物の具
体例を示すが、本発明はこれらに限定されるものではな
い。
前記式〔III s−2−a〕中、Rは以下のとおりであ
る。
前記式〔III s−2−b〕中、Rは以下のとおりであ
る。
その他に本発明の一般式〔III s−2〕に含まれる具
体的化合物として以下の化合物が挙げられる。
一般式〔III s−2〕で表わされるこれらの化合物は
次のような合成方法によって合成することができる。
ここでMは水素原子、Li、NaまたはKを表わす。Mが
水素原子の場合には塩基としてピリジン、トリエチルア
ミン、テトラメチルグアニジン、DBN、DBU、炭酸ナトリ
ウム、炭酸カリウム等を用いてもよい。反応溶媒として
はアセトニトリル、ジメチルホルムアミド、ジメチルア
セトアミド、N,N−ジメチルイミダゾリジノン、スルホ
ラン、ジメチルスルホキシド、ベンゼン、トルエン、キ
シレン、ジオキサン、テトラヒドロフラン等が好まし
い。
本合成方法による具体例は例えば欧州特許出願公開
(EP)第228064号等に記載されている。
本発明に係わるハロゲン化銀カラー感光材料に用いら
れる好ましい水不溶性の有機高分子化合物(以下、「重
合体」ともいう)は、その相対蛍光収率K値が0.10以
上、より好ましくは0.20以上の重合体である。この値が
大きい程好ましい。
前記のK値とは、いわゆる蛍光プローブとしてよく用
いられる色素の一種である下記構造式の化合物Aの重合
体中での相対蛍光量子収率であり、以下の式で定義され
る。
K=φa/φb ここで、φaおよびφbは、各々重合体aおよび重合
体b中での化合物Aの蛍光量子収率であり、例えば、Ma
cromolecules,14,587(1981)に記載の方法に準じて決
定される。具体的には前記化合物Aの濃度0.5mMである
重合体薄膜(注:薄膜の厚みは、化合物Aの吸収λmax
での吸光度が0.05〜0.1になるようにスライドグラス上
にスピンコートした)を用いて、室温にて測定したφ
a、φbより算出決定された。また本発明の場合、上記
の重合体bとしてポリメチルメタクリレート(数平均分
子量2万)を用いた場合のK値である。以下に本発明に
係る重合体について具体例を挙げて説明するが、本発明
はこれらに限定されるものではない。
(A)ビニル重合体 本発明のビニル重合体を形成するモノマーとしては、
アクリル酸エステル類、具体的には、メチルアクリレー
ト、エチルアクリレート、n−プロピルアクリレート、
イソプロピルアクリレート、n−ブチルアクリレート、
イソブチルアクリレート、sec−ブチルアクリレート、t
ert−ブチルアクリレート、アミルアクリレート、ヘキ
シルアクリレート、2−エチルヘキシルアクリレート、
オクチルアクリレート、tert−オクチルアクリレート、
2−クロロエチルアクリレート、2−ブロモエチルアク
リレート、4−クロロブチルアクリレート、シアノエチ
ルアクリレート、2−アセトキシエチルアクリレート、
ジメチルアミノエチルアクリレート、ベンジルアクリレ
ート、メトキシベンジルアクリレート、2−クロロシク
ロヘキシルアクリレート、シクロヘキシルアクリレー
ト、フルフリルアクリレート、テトラヒドロフルフリル
アクリレート、フェニルアクリレート、5−ヒドロキシ
ペンチルアクリレート、2,2−ジメチル−3−ヒドロキ
シプロピルアクリレート、2−メトキシエチルアクリレ
ート、3−メトキシブチルアクリレート、2−エトキシ
エチルアクリレート、2−iso−プロポキシアクリレー
ト、2−ブトキシエチルアクリレート、2−(2−メト
キシエトキシ)エチルアクリレート、2−(2−ブトキ
シエトキシ)エチルアクリレート、ω−メトキシポリエ
チレングリコールアクリレート(付加モル数n=9)、
1−ブロモ−2−メトキシエチルアクリレート、1,1−
ジクロロ−2−エトキシエチルアクリレート等が挙げら
れる。その他、下記のモノマー等が使用できる。
メタクリル酸エステル類;その具体例としては、メチ
ルメタクリレート、エチルメタクリレート、n−プロピ
ルメタクリレート、イソプロピルメタクリレート、n−
ブチルメタクリレート、イソブチルメタクリレート、se
c−ブチルメタクリレート、tert−ブチルメタクリレー
ト、アミルメタクリレート、ヘキシルメタクリレート、
シクロヘキシルメタクリレート、ベンジルメタクリレー
ト、クロロベンジルメタクリレート、オクチルメタクリ
レート、ステアリルメタクリレート、スルホプロピルメ
タクリレート、N−エチル−N−フェニルアミノエチル
メタクリレート、2−(3−フェニルプロピルオキシ)
エチルメタクリレート、ジメチルアミノフェノキシエチ
ルメタクリレート、フルフリルメタクリレート、テトラ
ヒドロフルフリルメタクリレート、フェニルメタクリレ
ート、クレジルメタクリレート、ナフチルメタクリレー
ト、2−ヒドロキシエチルメタクリレート、4−ヒドロ
キシブチルメタクリレート、トリエチレングリコールモ
ノメタクリレート、ジプロピレングリコールモノメタク
リレート、2−メトキシエチルメタクリレート、3−メ
トキシブチルメタクリレート、2−アセトキシエチルメ
タクリレート、2−アセトアセトキシエチルメタクリレ
ート、2−エトキシエチルメタクリレート、2−iso−
プロポキシエチルメタクリレート、2−ブトキシエチル
メタクリレート、2−(2−メトキシエトキシ)エチル
メタクリレート、2−(2−エトキシエトキシ)エチル
メタクリレート、2−(2−ブトキシエトキシ)エチル
メタクリレート、ω−メトキシポリエチレングリコール
メタクリレート(付加モル数n=6)、アリルメタクリ
レート、メタクリル酸ジメチルアミノエチルメチルクロ
ライド塩などを挙げることができる。
ビニルエステル類;その具体例としては、ビニルアセ
テート、ビニルプロピオネート、ビニルブチレート、ビ
ニルイソブチレート、ビニルカプロエート、ビニルクロ
ロアセテート、ビニルメトキシアセテート、ビニルフェ
ニルアセテート、安息香酸ビニル、サリチル酸ビニルな
ど; アクリルアミド類;例えば、アクリルアミド、メチル
アクリルアミド、エチルアクリルアミド、プロピルアク
リルアミド、ブチルアクリルアミド、tert−ブチルアク
リルアミド、シクロヘキシルアクリルアミド、ベンジル
アクリルアミド、ヒドロキシメチルアクリルアミド、メ
トキシエチルアクリルアミド、ジメチルアミノエチルア
クリルアミド、フェニルアクリルアミド、ジメチルアク
リルアミド、ジエチルアクリルアミド、β−シアノエチ
ルアクリルアミド、N−(2−アセトアセトキシエチ
ル)アクリルアミド、ジアセトンアクリルアミド、tert
−オクチルアクリルアミドなど; メタクリルアミド類:例えば、メタクリルアミド、メ
チルメタクリルアミド、エチルメタクリルアミド、プロ
ピルメタクリルアミド、ブチルメタクリルアミド、tert
−ブチルメタクリルアミド、シクロヘキシルメタクリル
アミド、ベンジルメタクリルアミド、ヒドロキシメチル
メタクリルアミド、メトキシエチルメタクリルアミド、
ジメチルアミノエチルメタクリルアミド、フェニルメタ
クリルアミド、ジメチルメタクリルアミド、ジエチルメ
タクリルアミド、β−シアノエチルメタクリルアミド、
N−(2−アセトアセトキシエチル)メタクリルアミド
など; オレフィン類:例えば、ジシクロペンタジエン、エチ
レン、プロピレン、1−ブテン、1−ペンテン、塩化ビ
ニル、塩化ビニリデン、イソプレン、クロロプレン、ブ
タジエン、2,3−ジメチルブタジエン等; スチレン類:例えば、スチレン、メチルスチレン、ジ
メチルスチレン、トリメチルスチレン、エチルスチレ
ン、イソプロピルスチレン、クロルメチルスチレン、メ
トキシスチレン、アセトキシスチレン、クロルスチレ
ン、ジクロルスチレン、ブロムスチレン、ビニル安息香
酸メチルエステルなど; ビニルエーテル類:例えば、メチルビニルエーテル、
ブチルビニルエーテル、ヘキシルビニルエーテル、メト
キシエチルビニルエーテル、ジメチルアミノエチルビニ
ルエーテルなど; その他として、クロトン酸ブチル、クロトン酸ヘキシ
ル、イタコン酸ジメチル、イタコン酸ジブチル、マレイ
ン酸ジエチル、マレイン酸ジメチル、マレイン酸ジブチ
ル、フマル酸ジエチル、フマル酸ジメチル、フマル酸ジ
ブチル、メチルビニルケトン、フェニルビニルケトン、
メトキシエチルビニルケトン、グリシジルアクリレー
ト、グリシジルメタクリレート、N−ビニルオキサゾリ
ドン、N−ビニルピロリドン、アクリロニトリル、メタ
アクリロニトリル、メチレンマロンニトリル、ビニリデ
ンなどを挙げる事ができる。
本発明の重合体に使用されるモノマー(例えば、上記
のモノマー)は、種々の目的(例えば、溶解性改良)に
応じて、2種以上のモノマーを互いにコモノマーとして
使用される。また、発色性や溶解性調節のために、共重
合体が水溶性にならない範囲において、コモノマーとし
て下記に例を挙げたような酸基を有するモノマーも用い
られる。
アクリル酸;メタクリル酸;イタコン酸、マレイン
酸、イタコン酸モノアルキル(例えば、イタコン酸モノ
メチル、イタコン酸モノエチル、イタコン酸モノブチ
ル);マレイン酸モノアルキル(例えば、マレイン酸モ
ノメチル、マレイン酸モノエチル、マレイン酸モノブチ
ル);シトラコン酸;スチレンスルホン酸;ビニルベン
ジルスルホン酸;ビニルスルホン酸;アクリロイルオキ
シアルキルスルホン酸(例えば、アクリロイルオキシメ
チルスルホン酸、アクリロイルオキシエチルスルホン
酸、アクリロイルオキシプロピルスルホン酸);メタク
リロイルオキシアルキルスルホン酸(例えば、メタクリ
ロイルオキシメチルスルホン酸、メタクリロイルオキシ
エチルスルホン酸、メタクリロイルオキシプロピルスル
ホン酸);アクリルアミドアルキルスルホン酸(例え
ば、2−アクリルアミド−2−メチルエタンスルホン
酸、2−アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン
酸、2−アクリルアミド−2−メチルブタンスルホン
酸);メタクリルアミドアルキルスルホン酸(例えば、
2−メタクリルアミド−2−メチルエタンスルホン酸、
2−メタクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン
酸、2−メタクリルアミド−2−メチルブタンスルホン
酸); これらの酸はアルカル金属(例えば、Na、Kなど)ま
たはアンモニウムイオンの塩であってもよい。
ここまでに挙げたビニルモノマーおよび本発明に用い
られるその他のビニルモノマーの中の親水性のモノマー
(ここでは、単独重合体にした場合に水溶性になるもの
をいう。)をコモノマーとして用いる場合、共重合体が
水溶性にならない限りにおいて、共重合体中の親水性モ
ノマーの割合に特に制限はないが、通常、好ましくは40
モル%以下、より好ましくは20モル%以下、更に好まし
くは10モル%以下である。また、本発明のモノマーと共
重合する親水性コモノマーが酸基を有する場合には、画
像保存性の観点より、酸基をもつコモノマーの共重合体
中の割合は、通常20モル%以下、好ましくは10モル%以
下であり、最も好ましくはこのようなコモノマーを含ま
ない場合である。
重合体中の本発明のモノマーは、好ましくは、メタク
リレート系、アクリルアミド系およびメタクリルアミド
系である。特に好ましくはアクリルアミド系およびメタ
クリルアミド系である。
(B)縮重合および重付加反応による重合体 縮重合によるポリマーとしては多価アルコールと多塩
基酸とによるポリエステルおよびジアミンと二塩基酸お
よびω−アミノ−ω′−カルボン酸によるポリアミド等
が一般的に知られており、重付加反応によるポリマーと
してはジイソシアネートと二価アルコールによるポリウ
レタン等が知られている。
多価アルコールとしては、HO−R21−OH(R21は炭素数
2〜約12の炭化水素鎖、特に脂肪族炭化水素鎖)なる構
造を有するグリコール類、又は、ポリアルキレングリコ
ールが有効であり、多塩基酸としては、HOOC−R22−COO
H(R22は単なる結合を表わすか、又は炭素数1〜約12の
炭化水素鎖)なる構造を有するものが有効である。
多価アルコールの具体例としては、エチレングリコー
ル、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、
1,2−プロピレングリコール、1,3−プロピレングリコー
ル、トリメチロールプロパン、1,4−ブタンジオール、
イソブチレンジオール、1,5−ペンタンジオール、ネオ
ペンチルグリコール、1,6−ヘキサンジオール、1,7−ヘ
プタンジオール、1,8−オクタンジオール、1,9−ノナン
ジオール、1,10−デカンジオール、1,11−ウンデカンジ
オール、1,12−ドデカンジオール、1,13−トリデカンジ
オール、グリセリン、ジグリセリン、トリグリセリン、
1−メチルグリセリン、エリトリット、マンニット、ソ
ルビット等が挙げられる。
多塩基酸の具体例としては、シュウ酸、コハク酸、グ
ルタル酸、アジピン酸、ピメリン酸、コルク酸、アゼラ
イン酸、セバシン酸、ノナンジカルボン酸、デカンジカ
ルボン酸、ウンデカンジカルボン酸、ドデカンジカルボ
ン酸、フマル酸、マレイン酸、イタコン酸、シトラコン
酸、フタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸、テトラク
ロルフタル酸、メタコン酸、イソヒメリン酸、シクロペ
ンタジエン−無水マレイン酸付加物、ロジン−無水マレ
イン酸付加物等があげられる。
ジアミンとしてはヒドラジン、メチレンジアミン、エ
チレンジアミン、トリメチレンジアミン、テトラメチレ
ンジアミン、ヘキサメチレンジアミン、ドデシルメチレ
ンジアミン、1,4−ジアミノシクロヘキサン、1,4−ジア
ミノメチルシクロヘキサン、o−アミノアニリン、p−
アミノアニリン、1,4−ジアミノメチルベンゼンおよび
ジ(4−アミノフェニル)エーテル等が挙げられる。
ω−アミノ−ω′−カルボン酸としてはグリシン、β
−アラニン、3−アミノプロパン酸、4−アミノブタン
酸、5−アミノペンタン酸、11−アミノドデカン酸、4
−アミノ安息香酸、4−(2−アミノエチル)安息香酸
および4−(4−アミノフェニル)ブタン酸等が挙げら
れる。
ジイソシアネートとしてはエチレンジイソシアネー
ト、ヘキサメチレンジイソシアネート、m−フェニレン
ジイソシアネート、p−フェニレンジイソシアネート、
p−キシレンジイソシアネートおよび1,5−ナフチルジ
イソシアネート等が挙げられる。
(C)その他 例えば、開環重合で得られるポリエステル、ポリアミ
式中、X5は−O−、−NH−を表し、tは4〜7の整数
を表す。CH2 は分岐していても良い。
このようなモノマーとしてはβ−プロピオラクトン、
ε−カプロラクトン、ジメチルプロピオラクトン、α−
ピロリドン、α−ピペリドン、ε−カプロラクタム、お
よびα−メチル−ε−カプロラクタム等が挙げられる。
その他、下記の一般式〔P〕で表わされるポリマーも
使用できる。
式中、A1はエーテル結合および−SO2−結合から選ば
れる結合を少なくとも1つ主鎖に有する繰り返し単位を
表わす。式中B1結合、エーテル結合、 結合、−SO2−結合、エステル結合から選ばれる結合を
少なくとも1つ主鎖に有する繰り返し単位あるいは単結
合を表わし、A1と同じであっても異なっていてもよい。
R23は水素原子、アルキル基、アリール基又はアラルキ
ル基を表わし、これらは置換されていても、無置換であ
ってもよい。uは5以上の整数を表わす。
上記に記載された本発明の重合体は2種類以上を任意
に併用しても良い。
本発明に重合体としては、なかでもビニル重合体が好
ましく、更にはアクリル系重合体、特にアクリルアミド
系重合体が好ましい。
本発明の重合体の分子量や重合度は、本発明の効果に
対し実質上大きな影響が無いが高分子量になるにつれ、
補助溶剤に溶解する際に時間がかかる等の問題や、溶液
粘度が高いために乳化分散しにくくなり、粗大粒子を生
じ、その結果、発色性が低下したり、塗布性の不良の原
因となる等の問題も起こし易くなる。その対策のために
補助溶剤を多量に用い溶液の粘度を下げることは新たな
工程上の問題を引き起こすこととなる。上記の観点から
重合体の粘度は、用いる補助剤100ccに対し重合体30gを
溶解した時の粘度が5000cps以下が好ましく、より好ま
しくは2000cps以下である。また本発明に使用しうる重
合体の分子量は好ましくは15万以下、より好ましくは10
万以下である。
本発明における水不溶性ポリマーとは100gの蒸留水に
対するポリマーの溶解度が3g以下、好ましくは1g以下で
あるポリマーである。
本発明の重合体の補助溶剤に対する比率は使用される
重合体の種類に依り異なり、補助溶剤に対する溶解度
や、重合度等、或いは、カプラーの溶解度等によって広
い範囲に渡って変化する。通常、少なくともカプラー、
高沸点カプラー溶剤及び重合体の三者が補助溶剤に溶解
して成る溶液が水中もしくは親水性コロイド水溶液中に
容易に分散されるために十分低粘度となるのに必要な量
の補助溶剤が使用される。重合体の重合度が高い程、溶
液の粘度は高くなるので、重合体の補助溶剤に対する割
合を重合体種によらず一律に決めるのは難しいが、通
常、約1:1から1:50(重量比)の範囲が好ましい。本発
明の重合体のカプラー(一般式(I)のシアンカプラ
ー)に対する割合(重量比)は、1:20から20:1が好まし
く、より好ましくは、1:10から10:1である。
本発明に用いられる重合体の具体例の一部を以下に記
すが、本発明は、これらに限定されるものではない。
P−1)ポリメチルメタクリレート P−2)ポリエチルメタクリレート P−3)ポリイソプロピルメタクリレート P−4)ポリメチルクロロアクリレート P−5)ポリ(2−tert−ブチルフェニルアクリレー
ト) P−6)ポリ(4−tert−ブチルフェニルアクリレー
ト) P−7)エチルメタクリレート−n−ブチルアクリレー
ト共重合体(70:30) P−8)メチルメタクリレート−アクリルニトリル共重
合体(65:35) P−9)メチルメタクリレート−スチレン共重合体(9
0:10) P−10)N−tert−ブチルメタクリルアミド−メチルメ
タクリレート−アクリル酸共重合体(60:30:10) P−11)メチルメタクリレート−スチレン−ビニルスル
ホンアミド共重合体(70:20:10) P−12)メチルメタクリレート−シクロヘキシルメタク
リレート共重合体(50:50) P−13)メチルメタクリレート−アクリル酸共重合体
(95:5) P−14)メチルメタクリレート−n−ブチルメタクリレ
ート共重合体(65:35) P−15)メチルメタクリレート−N−ビニル−2−ピロ
リドン共重合体(90:10) P−16)ポリ(N−sec−ブチルアクリルアミド) P−17)ポリ(N−tert−ブチルアクリルアミド) P−18)ポリシクロヘキシルメタクリレート−メチルメ
タクリレート共重合体(60:40) P−19)n−ブチルメタクリレート−メチルメタクリレ
ート−アクリルアミド共重合体(20:70:10) P−20)ジアセトンアクリルアミド−メチルメタクリレ
ート共重合体(20:80) P−21)N−tert−ブチルアクリルアミド−メチルメタ
クリレート共重合体(40:60) P−22)ポリ(N−n−ブチルアクリルアミド) P−23)tert−ブチルメタクリレート−N−tert−ブチ
ルアクリルアミド共重合体(50:50) P−24)tert−ブチルメタクリレート−メチルメタクリ
レート共重合体(70:30) P−25)ポリ(N−tert−ブチルメタクリルアミド) P−26)N−tert−ブチルアクリルアミド−メチルメタ
クリレート共重合体(60:40) P−27)メチルメタクリレート−アクリルニトリル共重
合体(70:30) P−28)メチルメタクリレート−スチレン共重合体(7
5:25) P−29)メチルメタクリレート−ヘキシルメタクリレー
ト共重合体(70:30) P−30)ポリ(4−ビフェニルアクリレート) P−31)ポリ(2−クロロフェニルアクリレート) P−32)ポリ(4−クロロフェニルアクリレート) P−33)ポリ(ペンタクロロフェニルアクリレート) P−34)ポリ(4−エトキシカルボニルフェニルアクリ
レート) P−35)ポリ(4−メトキシカルボニルフェニルアクリ
レート) P−36)ポリ(4−シアノフェニルアクリレート) P−37)ポリ(4−メトキシフェニルアクリレート) P−38)ポリ(3,5−ジメチルアダマンチルアクリレー
ト) P−39)ポリ(3−ジメチルアミノフェニルアクリレー
ト) P−40)ポリ(2−ナフチルアクリレート) P−41)ポリ(フェニルアクリレート) P−42)ポリ(N,N−ジブチルアクリルアミド) P−43)ポリ(イソヘキシルアクリルアミド) P−44)ポリ(イソオクチルアクリルアミド) P−45)ポリ(N−メチル−N−フェニルアクリルアミ
ド) P−46)ポリ(アダマンチルメタクリレート) P−47)ポリ(sec−ブチルメタクリレート) P−48)N−tert−ブチルアクリルアミド−アクリル酸
共重合体(97:3) P−49)ポリ(2−クロロエチルメタクリレート) P−50)ポリ(2−シアノエチルメタクリレート) P−51)ポリ(2−シアノメチルフェニルメタクリレー
ト) P−52)ポリ(4−シアノフェニルメタクリレート) P−53)ポリ(シクロヘキシルメタクリレート) P−54)ポリ(2−ヒドロキシプロピルメタクリレー
ト) P−55)ポリ(4−メトキシカルボニルフェニルメタク
リレート) P−56)ポリ(3,5−ジメチルアダマンチルメタクリレ
ート) P−57)ポリ(フェニルメタクリレート) P−58)ポリ(4−ブトキシカルボニルフェニルメタク
リルアミド) P−59)ポリ(4−カルボキシフェニルメタクリルアミ
ド) P−60)ポリ(4−エトキシカルボニルフェニルメタク
リルアミド) P−61)ポリ(4−メトキシカルボニルフェニルメタク
リルアミド) P−62)ポリ(シクロヘキシルクロロアクリレート) P−63)ポリ(エチルクロロアクリレート) P−64)ポリ(イソブチルクロロアクリレート) P−65)ポリ(イソプロピルクロロアクリレート) P−66)ポリ(N−フェニルアクリルアミド) P−67)ポリ(N−フェニルメタクリルアミド) P−68)ポリ(N−シクロヘキシルアクリルアミド) P−69)ポリ(N−シクロヘキシルメタクリルアミド) 本発明の重合体は、以下に記載の合成例もしくはそれ
に準じた方法により合成することが出来る。
合成例(1) メタクリル酸メチルポリマー(P−1)の合成 メタクリル酸メチル500g、ポリアクリル酸ナトリウム
0.5g、蒸留水200mlを500mlの三ツ口フラスコに入れ、窒
素気流中撹はん下、80℃に加熱した。重合開始剤として
アゾビスイソ酪酸ジメチル500mgを加え重合を開始し
た。2時間重合した後、重合液を冷却し、ビーズ状のポ
リマーをろ過・水洗することによりP−1を48.7g得
た。
合成例(2) t−ブチルアクリルアミドポリマー(P−17)の合成 t−ブチルアクリルアミド500g、トルエン250mlの混
合物を500mlの三ツ口フラスコに入れ、窒素気流中撹は
ん下、80℃に加熱した。重合開始剤としてアゾビスイソ
ブチロニトリル500mgを含むトルエン溶液10mlを加え重
合を開始した。3時間重合した後、重合液を冷却し、ヘ
キサン1に注ぎ、析出した固体をろ別し、ヘキサン洗
浄後減圧下加熱撹拌することによりP−17を47.9g得
た。
本発明の化合物(すなわち、一般式(I)の油溶性シ
アンカプラー、一般式(II)又は(III)の化合物、及
び一般式(IV)の化合物であり、更には所望により用い
られる粘度200cp(25℃)以上の高沸点溶媒ならびに水
不溶性の有機高分子化合物)を含有する親油性微粒子の
分散物は例えば以下のごとく調製される。
本発明の化合物を、写真用添加剤と共に補助有機溶媒
中に共に完全溶解させた後、この溶液を水中、好ましく
は親水性コロイド水溶液中、より好ましくはゼラチン水
溶液中に分散剤の助けをかりて、超音波、コロイドミル
等により微粒子状に分散し、ハロゲン化銀乳剤に含有さ
せる。あるいは界面活性剤等の分散助剤及び本発明の化
合物を含む補助有機溶媒中に水あるいはゼラチン水溶液
等の親水性コロイド水溶液を加え、転相を伴って水中油
滴分散物としてもよい。調製された分散物から、蒸留、
ヌードル水洗あるいは阻外ろ過などの方法により、補助
有機溶媒を除去した後、写真乳剤と混合してもよい。こ
こでいう補助有機溶媒とは、乳剤分散時に有用な有機溶
媒で、塗布時の乾燥工程や、上記の方法等によって実質
上感光材料中から最終的には除去されるものであり、低
沸点の有機溶媒、あるいは水に対してある程度溶解度を
有し水洗等で除去可能な溶媒をいう。補助有機溶媒とし
ては、酢酸エチル、酢酸ブチルのごとき低級アルコール
のアセテート、プロピオン酸エチル、2級ブチルアルコ
ール、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、
β−エトキシエチルアセテート、メチルセロソルブアセ
テート、メチルカルビトールアセテート、メチルカルビ
トールプロピオネートやシクロヘキサノン等が挙げられ
る。
更には、必要に応じ、水と完全に混和する有機溶媒、
例えば、メチルアルコール、エチルアルコール、アセト
ンやテトラヒドロフラン等を一部併用することもでき
る。
上記の高粘性の高沸点有機溶媒や水不溶性高分子化合
物を併用するとシアンの復色不良や褪色の防止に一層効
果的である。
本発明に用いられるハロゲン化銀としては、特に迅速
処理の目的に沃化銀を実質的に含まない塩化銀含有率が
90モル%以上、さらには95%以上、特に98%以上の塩化
銀または塩化銀乳剤の使用が好ましい。
本発明に係わる感光材料には、画像のシャープネス等
を向上させる目的で親水性コロイド層に、欧州特許EP0,
337,490A2号の第27〜76頁に記載の、処理により脱色可
能な染料(なかでもオキソノール系染料)を該感材の68
0nmに於ける光学反射濃度が0.70以上になるように添加
したり、支持体の耐水性樹脂層中に2〜4価のアルコー
ル類(例えばトリメチロールエタン)等で表面処理され
た酸化チタンを12重量%以上(より好ましくは14重量%
以上)含有させるのが好ましい。
また、本発明に係わる感光材料には、カプラーと共に
欧州特許EP0,277,589A2号に記載のような色像保存性改
良化合物を使用するのが好ましい。特にピラゾロアゾー
ルカプラーとの併用が好ましい。
即ち、発色現像処理後に残存する芳香族アミン系現像
主薬と化学結合して、化学的に不活性でかつ実質的に無
色の化合物を生成する化合物(F)および/または発色
現像処理後に残存する芳香族アミン系発色現像主薬の酸
化体と化学結合して、化学的に不活性でかつ実質的に無
色の化合物を生成する化合物(G)を同時または単独に
用いることが、例えば処理後の保存における膜中残存発
色現像主薬ないしその酸化体とカプラーの反応による発
色色素生成によるステイン発生その他の副作用を防止す
る上で好ましい。
また、本発明に係わる感光材料には、親水性コロイド
層中に繁殖して画像を劣化させる各種の黴や細菌を防ぐ
ために、特開昭63−271247号に記載のような防黴剤を添
加するのが好ましい。
本発明で係わる感光材料は可視光で露光されても赤外
光で露光されてもよい。露光方法としては低照度露光で
も高照度短時間露光でもよく、特に後者の場合には一画
素当りの露光時間が10-4秒より短いレーザー走査露光方
式が好ましい。
また、露光に際して、米国特許第4,880,726号に記載
のバンド・ストップフイルターを用いるのが好ましい。
これによって光混色が取り除かれ、色再現性が著しく向
上する。
露光済みの感光材料は慣用の白黒またはカラー現像処
理が施されうるが、カラー感材の場合には迅速処理の目
的からカラー現像の後、漂白定着処理するのが好まし
い。特に前記高塩化銀乳剤が用いられる場合には、漂白
定着液のpHは脱銀促進等の目的から約6.5以下が好まし
く、更に約6以下が好ましい。
本発明に係わる感光材料に適用されるハロゲン化銀乳
剤やその他の素材(添加剤など)および写真構成層(層
配置など)、並びにこの感材を処理するために適用され
る処理法や処理用添加剤としては、下記の特許公報、特
に欧州特許EP0,355,660A2号(特願平1−107011号)に
記載されているものが好ましく用いられる。
また、シアンカプラーとして、特開平2−33144号に
記載のジフェニルイミダゾール系シアンカプラーの他
に、欧州特許EP0,333,185A2号に記載の3−ヒドロキシ
ピリジン系シアンカプラー(なかでも具体例として列挙
されたカプラー(42)の4当量カプラーに塩素離脱基を
もたせて2当量化したものや、カプラー(6)や(9)
が特に好ましい)や特開昭64−32260号に記載された環
状活性メチレン系シアンカプラー(なかでも具体例とし
て列挙されたカプラー例3、8、34が特に好ましい)の
使用も好ましい。
〔実施例〕
以下、本発明を実施例に従って詳細に説明するが、本
発明の実施の態様はこれらに限定されるものではない。
実施例1 ポリエチレンで両面ラミネートした紙支持体表面にコ
ロナ放電処理を施した後、ドデシルベンゼンスルホン酸
ナトリウムを含むゼラチン下塗層を設け、さらに種々の
写真構成層を塗布して以下に示す層構成の多層カラー印
画紙を作成した。塗布液は下記のようにして調製した。
第五層 塗布液調製 シアンカプラー(ExC)9.6g及び色像安定剤(Cpd−
2)0.9g及び色像安定剤(Cpd−4)0.6及び色像安定剤
(Cpd−6)5.4g及び色像安定剤(Cpd−7)12g及び色
像安定剤(Cpd−8)1.5g及び色像安定剤(Cpd−9)0.
9g及び溶媒(Solv−6)4.2gに酢酸エチル25.0cc加え溶
解し、この溶液を10%ドデシルベンゼンスルホン酸ナト
リウム20.0ccを含む10%ゼラチン水溶液402ccに乳化分
散させて乳化分散物Aを調製した。一方塩臭化銀乳剤C
(立方体、平均粒子サイズ0.58μmの大サイズ乳剤C
と、0.45μmの小サイズ乳剤Cとの1:4混合物(Agモル
比)。粒子サイズ分布の変動係数は0.09と0.11、各サイ
ズ乳剤ともAgBr0.6モル%を粒子表面の一部に局在含
有)が調製された。この乳剤には下記に示す赤感性増感
色素Eが銀1モル当たり大サイズ乳剤Cに対しては、0.
9×10-4モル、また小サイズ乳剤Cに対しては1.1×10-4
モルが化学熟成中に添加されている。またこの乳剤の化
学熟成は硫黄増感剤と全増感剤が添加して行われた。前
記の乳化分散物Aとこの塩臭化銀乳剤Cとを混合溶解
し、以下に示す組成となるように第五層塗布液を調製し
た。
その他の層用の塗布液も第五層塗布液と同様の方法で
調製した。各層のゼラチン硬化剤としては、1−オキシ
−3,5−ジクロロ−s−トリアジンナトリウム塩を用い
た。
また、各層にCpd−11とCpd−12をそれぞれ全量が25.0
mg/m2と50.0mg/m2となるように添加した。
各感光性乳剤層に塩臭化銀乳剤には下記の分光増感色
素をそれぞれ用いた。
(ハロゲン化銀1モル当たり、大サイズ乳剤Aに対して
は各々2.0×10-4モル、また小サイズ乳剤Aに対しては
各々2.5×10-4モル) (ハロゲン化銀1モル当たり、大サイズ乳剤Bに対して
は4.0×10-4モル、小サイズ乳剤Bに対しては5.6×10-4
モル) および、 (ハロゲン化銀1モル当たり、大サイズ乳剤Bに対して
は7.0×10-5モル、また小サイズ乳剤Bに対ては1.0×10
-5モル) (ハロゲン化銀1モル当たり、大サイズ乳剤Cに対して
は0.9×10-4モル、また小サイズ乳剤Cに対しては1.1×
10-4モル) 赤感性乳剤層に対しては、下記の化合物をハロゲン化
銀1モル当たり2.6×10-3モル添加した。
また青感性乳剤層、緑感性乳剤層、赤感性乳剤層に対
し、1−(5−メチルウレイドフェニル)−5−メルカ
プトテトラゾールをそれぞれハロゲン化銀1モル当たり
8.5×10-5モル、7.7×10-4モル、2.5×10-4モル添加し
た。
また、青感性乳剤層と緑感性乳剤層に対し、4−ヒド
ロキシ−6−メチル−1,3,3a,7−テトラザインデンをそ
れぞれハロゲン化銀1モル当たり、1×10-4モルと2×
10-4モル添加した。
また、イラジエーション防止のために乳剤層に下記の
染料(カッコ内は塗布量を表す)を添加した。
(層構成) 以下に各層の組成を示す。数字は塗布量(g/m2)を表
す。ハロゲン化銀乳剤は銀換算塗布量を表す。
支持体 ポリエチレンラミネート紙 〔第一層側のポリエチレンに白色顔料(TiO2)と青味染
料(群青)を含む〕 第一層(青感性乳剤層) 塩臭化銀乳剤 (立方体、平均粒子サイズ0.88μmの大サイズ乳剤Aを
0.70μmの小サイズ乳剤Aとの3:7混合物(銀モル
比)。粒子サイズ分布の変動係数はそれぞれ0.08と0.10
各サイズ乳剤とも臭化銀0.3モル%を粒子表面の一部に
含有させた。) 0.30 ゼラチン 1.86 イエローカプラー(ExY) 0.82 色像安定剤(Cpd−1) 0.19 溶媒(Solv−3) 0.18 溶媒(Solv−7) 0.18 色像安定剤(Cpd−7) 0.06 第二層(混色防止層) ゼラチン 0.99 混色防止剤(Cpd−5) 0.08 溶媒(Solv−1) 0.16 溶媒(Solv−4) 0.08 第三層(緑感性乳剤層) 塩臭化銀乳剤(立方体、平均粒子サイズ0.55μmの大
サイズ乳剤Bと、0.39μmの小サイズ乳剤Bとの1:3混
合物(Agモル比)。粒子サイズ分布の変動係数はそれぞ
れ0.10と0.08、各サイズ乳剤ともAgBr0.8モル%を粒子
表面の一部に局在含有させた) 0.12 ゼラチン 1.24 マゼンタカプラー(ExM) 0.23 色像安定剤(Cpd−2) 0.03 色像安定剤(Cpd−3) 0.16 色像安定剤(Cpd−4) 0.02 色像安定剤(Cpd−10) 0.02 溶媒(Solv−2) 0.40 第四層(紫外線吸収層) ゼラチン 1.58 紫外線吸収剤(UV−1) 0.47 混色防止剤(Cpd−5) 0.05 溶媒(Solv−5) 0.24 第五層(赤感性乳剤層) 塩臭化銀乳剤 (立方体、平均粒子サイズ0.58μmの大サイズ乳剤C
と、0.45μmの小サイズ乳剤Cとの1:4混合物(Agモル
比)。粒子サイズ分布の変動係数は0.09と0.11、各サイ
ズ乳剤ともAgBr0.6モル%を粒子表面の一部に局在含有
させた) 0.23 ゼラチン 1.34 シアンカプラー(ExC) 0.32 色像安定剤(Cpd−2) 0.03 色像安定剤(Cpd−4) 0.02 色像安定剤(Cpd−6) 0.18 色像安定剤(Cpd−7) 0.40 色像安定剤(Cpd−8) 0.05 色像安定剤(Cpd−9) 0.03 溶媒(Solv−6) 0.14 第六層(紫外線吸収層) ゼラチン 0.53 紫外線吸収剤(UV−1) 0.16 混色防止剤(Cpd−5) 0.02 溶媒(Solv−5) 0.08 第七層(保護層) ゼラチン 1.33 ポリビニルアルコールのアクリル変性共重合体(変性
度17%) 0.17 流動パラフィン 0.03 以上のようにしてカラー印画紙101を作製した。ま
た、カラー印画紙101において、赤感光性層の化合物種
を同重量で第1表に示すごとく変更したカラー印画紙10
2〜114も作製した。
まず、各試料に感光計(富士写真フイルム株式会社
製、FWH型、光源の色温度3200゜K)を使用し、センシト
メトリー用3色分解フィルターの階調露光を与えた。こ
の時の露光は0.1秒の露光時間で250CMSの露光量になる
ように行った。
露光の終了した試料は、ペーパー処理機を用いて、次
の処理工程でカラー現像のタンク容量の2倍補充するま
で、連続処理(ランニングテスト)を実施した。
各処理液の組成は以下の通りである。
このようにして得られたサンプルについて以下の試験
を行った。
復色性試験 この様にして得られたカラー画像をFuji−densitomet
er(Mad−8509型)により、シアン濃度を測定した。こ
れらの試料を、下記に示す如くの酸化処理を行った。
酸化処理処理工程 温 度 時 間 酸化浴 38℃ 5分 水 洗 15〜23℃ 10分 乾 燥 70〜80℃ 50秒 酸化浴 フェリシアン化カリウム 5g 水を加えて 1000ml 酸化処理済み試料について、再び、シアン濃度を測定
し、酸化処理後Dmaxを与えるところの酸化処理前の濃度
を読みとり、酸化処理前の濃度が酸化処理後に較べどれ
程低かったか、即ち、どれ程復色不良が起こっていたか
を調べた。
光褪色性試験 酸化処理したサンプルを光褪色試験機(キセノン燈約
15万ルクス)を用いて36時間褪色試験を行った。酸化処
理後のシアンが2.00を与えるところの褪色試験後の濃度
を読み取り、その濃度差により褪色の程度を評価した。
カラー印画紙101〜114についてのこれらの試験結果を
第1表に示す。
上記表の結果から明らかなように一般式(I)または
(II)の化合物群から選ばれる化合物を用いると、復色
不良に対しては改良効果があるものの光褪色が悪化して
しまう(試料109、110と113、114の比較)。また、一般
式(III)または(IV)の化合物群から選ばれる化合物
を用いると、復色不良に対しては改良効果が全くなく、
しかも光褪色が悪化してしまう(試料111、112と113、1
14の比較)。
しかるに、一般式(I)または(II)の化合物群と一
般式(III)または(IV)の化合物群から選ばれる化合
物を両者併用すると、復色不良が改良され、しかも光褪
色の悪化が低減される(試料107、108)。またさらに粘
度が200cp以上の高沸点有機溶媒または水不溶性有機高
分子化合物を用いることにより、さらに復色不良と光褪
色を改良することができる。特に両者を組合わせて用い
た場合には、光褪色の悪化なしに復色不良を改良すると
ができる(試料101、102)。
実施例2 実施例1の試料101において一般式(I)または(I
I)の化合物、一般式(III)または(IV)の化合物、高
沸点溶媒、有機高分子化合物をそれぞれ等重量の第2表
に示す化合物に変更し、さらにシアンカプラーを等モル
で例示化合物V−4とV−5の7:3の混合物(モル比)
にした以外は全く同様にして試料201〜224を作製した。
実施例1と同様の評価を行った結果を第2表に併せて示
す。
第2表によれば、実施例1と同様に、シアンカプラー
を変更した場合においても、復色不良と光褪色を同時に
改良するためには、一般式(I)または(II)の化合物
と一般式(III)または(IV)の化合物を併用すること
がよいことがわかる。また粘度200cp以上の高沸点有機
溶媒または水不溶性有機高分子化合物の併用が特に効果
が大きいことがわかる。
実施例3 実施例1の試料101においてシアンカプラー種を第3
表のごとく変更したカラー印画紙301〜306を作製した。
実施例1と同様の評価を行ったところ、本発明に従えば
一般式(V)に含まれるシアンカプラーの種類によらず
復色不良の程度が0.08以下、光褪色の程度も0.06以下の
良好な結果が得られた。
実施例4 実施例2のカラー印画紙を用い実施例1に記載した方
法で露光を与え、別途上記感光材料に像様露光を与えた
試料をペーパー処理機を使用して、下記処理工程でカラ
ー現像のタンク容量の2倍補充するまで連続処理(ラン
ニングテスト)を行ってから、処理して色像を得た。
各処理液の組成は以下の通りである。
処理後の試料を用い実施例1と同様の評価を行なった
ところ、同様の結果が得られた。
(発明の効果) 本発明に従えば、迅速処理性に優れ、シアン色素画像
の復色不良が改良され、しかも処理後画像のカラーバラ
ンスのくずれが少ないハロゲン化銀カラー感光材料が得
られる。

Claims (4)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】支持体上にイエロー発色性ハロゲン化銀乳
    剤層、マゼンタ発色性ハロゲン化銀乳剤層、及びシアン
    発色性ハロゲン化銀乳剤層を含む多層ハロゲン化銀カラ
    ー感光材料において、前記シアン発色性ハロゲン化銀乳
    剤層に、塩化銀含有率90モル%以上のハロゲン化銀粒子
    を含有し、かつ、芳香族第一級アミン現像主薬の酸化体
    とカップリングして実質的に耐拡散性の色素を形成する
    油溶性シアンカプラーの少なくとも一種、一般式(I)
    及び(II)で表わされる化合物群の中から選ばれる少な
    くとも一種、さらに一般式(III)及び(IV)で表わさ
    れる化合物群の中から選ばれる少なくとも一種とを含有
    することを特徴とするハロゲン化銀カラー感光材料。 (式中、R1とR3はハロゲン原子を表わし、R2、R4、R5
    R7及びR8は各々独立に、アルキル基、アリール基、アル
    コキシ基、アリーロキシ基、アルキルチオ基、アリール
    チオ基、アミド基、アシル基、アルコキシカルボニル
    基、アリーロキシカルボニル基、カルバモイル基、スル
    ファモイル基またはスルフォキシド基を表わす。R2及び
    R4の炭素数はそれぞれ6以上である。また、Raはアルキ
    レン基を表わし、nは0または1を表わす。M は陽イ
    オンを表わす。)
  2. 【請求項2】前記シアンカプラーが一般式(V)で表わ
    されることを特徴とする請求項第(1)項記載のハロゲ
    ン化銀カラー感光材料。 (式中、Yは−NHCO−または−CONH−を表わし、R9はア
    ルキル基、アリール基、複素環基またはアミノ基を表わ
    し、Xは水素原子、ハロゲン原子、アルコキシ基または
    アシルアミノ基を表わし、R10はアルキル基またはアシ
    ルアミノ基を表わすか、XとR10とで5ないし7員環を
    形成する非金属原子団を表わし、Zは水素原子または現
    像主薬の酸化体とのカップリング時に離脱しうる基を表
    わす。)
  3. 【請求項3】前記シアン発色性層にさらに粘度が200cp
    (25℃)以上である高沸点溶媒の少なくとも一種を含有
    することを特徴とする請求項第(1)項または第(2)
    項記載のハロゲン化銀カラー感光材料。
  4. 【請求項4】前記シアン発色性層にさらに水不溶性の有
    機高分子化合物を含有することを特徴とする請求項第
    (1)項から第(3)項のいずれかに記載のハロゲン化
    銀カラー感光材料。
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