JP2952848B2 - 標的蛋白のリガンドを識別するためのスクリーニング方法 - Google Patents

標的蛋白のリガンドを識別するためのスクリーニング方法

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  • Medicines That Contain Protein Lipid Enzymes And Other Medicines (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、医薬化合物、特に疾患
の病因または生理学的機能の調節に関係する蛋白に結合
する医薬化合物の新規な高処理量スクリーニングの方法
に関する。
【0002】
【従来の技術】医薬は、標的(例えばレセプター)に対
して誘導されるランダムスクリーニング工程によって識
別される導入化合物(lead compound)から開発すること
ができる。大規模スクリーニングの手法は多くの要因に
よって複雑化する。第一に多くのアッセーは、実施に骨
が折れるか、または高価である。アッセーには、入手や
維持が困難かまたは費用がかかる実験動物、細胞株もし
くは組織培養が必要とされることがある。アッセーでは
放射性物質の使用が必要な場合があり、したがって安全
性および廃棄の問題を引き起こす。これらを考慮する
と、無理なくスクリーニングできる化合物の数は、実際
にはしばしば制限される。したがって、このようなラン
ダムスクリーニングの方法を用いる者は、ある程度の予
備知識によっておそらく有効であろうと示唆される化合
物の調査をしばしば制限される。このストラテジーはテ
ストされる化合物の範囲を制限し、多くの有用な薬剤が
見落される可能性がある。
【0003】さらにまた、多くの生化学アッセーの特異
性によって広範囲の有用な化学物質が除外される可能性
がある。なぜならば、リガンドとレセプター蛋白との間
の相互反応はアッセーの視野外にあるからである。例え
ば、多くの蛋白は多数の機能を有するが、一方、殆どの
アッセーはそのような活性のただ1つをモニターするこ
とができるだけである。そのような特定のアッセーを用
いると、多くの可能性のある医薬が検出できない可能性
がある。
【0004】最後に、薬剤発見のための現存するほとん
どの生化学的スクリーニング手法の場合、標的蛋白の活
性は明らかでなければならない。このことは、スクリー
ニングの開始前に問題のシステムの特性が十分に明らか
にされていることを必要とする。例えば新たにクローニ
ングされた遺伝子の場合のように蛋白配列が分かってい
るときですら、この蛋白の特異的機能は、その配列の解
析によっても簡単には明らかにされないかもしれない。
結果として、多くの標的蛋白に対する治療薬の生化学的
スクリーニングは、生化学的特性の詳細な解明を待たね
ばならず、これは一般に広範囲の研究を必要とする。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】したがって、治療的ま
たは生理学的に関係を有する蛋白と結合する能力につい
て多数の化合物をスクリーニングすることができる、迅
速で経費のかからない高処理アッセーが当分野で必要と
される。さらにまた、標的蛋白の生物学的活性に依存せ
ず、当該標的蛋白の生物学的活性ドメイン以外の領域と
結合する化合物を検出するスクリーニング方法が当分野
で必要とされる。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明は、標的蛋白と結
合するリガンドを識別する方法を提供する。本方法は以
下のように実施される: (a)標的蛋白と結合することが不明の複数の化合物を
テストリガンドとして選択し、(b)該標的蛋白を適度
に展開させるために適切な条件下でテストリガンドの各
々と標的蛋白とを保温(incubating)し、それによってテ
スト組み合わせを作製し、(c)テストリガンドの非存
在下で工程(b)のように標的蛋白を保温してコントロ
ール組み合わせを作製し、(d)テスト組み合わせとコ
ントロール組み合わせにおいて、該標的蛋白が重畳状態
(folded state)、展開状態(unfolded state)またはその
両方となる程度を決定し、(e)工程(d)で得られた
決定をテスト組み合わせとコントロール組み合わせ間で
比較し、このとき、標的蛋白が、コントロール組合せよ
りもテスト組み合わせでより高いまたは低い程度の重畳
状態で存在する場合は、テストリガンドは標的蛋白と結
合するリガンドであり、(f)当該複数のテストリガン
ドを用いて、標的蛋白と結合する少なくとも1つのリガ
ンドが識別されるまで工程(b)−(e)を繰り返す。
【0007】本発明の実施に際しては、重畳または展開
状態の標的蛋白量を決定するためにいずれの方法も用い
ることができ、これらの方法には、蛋白分解、抗体結
合、表面結合、分子シャペロン(chaperone)結合、固定
リガンドとの弁別結合および凝縮蛋白の弁別形成が制限
なく含まれる。
【0008】1実施例では、標的蛋白はヒトヘモグロビ
ンS(HbS)であり、リガンドは蛋白分解に対するH
bSの感受性を減少させる能力によって識別される。
【0009】
【発明の実施の形態】本明細書に引用される全ての特許
出願、特許および参考文献は、参照により本明細書に完
全な形で含まれる。矛盾が生じる場合には、定義を含め
本明細書の記載が優先する。
【0010】定義 本明細書で用いられるように、“リガンド”という用語
は、標的蛋白に結合する薬剤を指す。当該薬剤は、標的
蛋白が天然の形態で存在しているとき、または部分的に
もしくは全体として展開もしくは変性(denatured)させ
られているときに該標的蛋白と結合することができる。
本発明によれば、リガンドは、標的蛋白の認識されてい
る機能領域(例えば酵素の活性部位、抗体の抗原結合部
位、レセプターのホルモン結合部位、補助因子結合部位
など)に結合する薬剤に限定されない。本発明を実施す
る場合、リガンドはまた、標的蛋白のいずれの表面もし
くは内部配列または構造ドメインと結合する薬剤でもよ
い。したがって、本発明のリガンドは、上記の態様で標
的蛋白に結合するその能力の他にそれ自体明らかな生物
学的機能を持たない薬剤も含む。
【0011】本明細書で用いられるように、“テストリ
ガンド”という用語は、標的蛋白に結合することができ
るその能力についてテストされる化合物、分子または複
合体を含む薬剤を指す。テストリガンドは、金属、ペプ
チド、蛋白、脂質、多糖類、核酸、小型有機分子および
それらの組み合わせが制限なく含まれる、実質的にいか
なる薬剤であってもよい。例えば天然産物の抽出物のよ
うな物質の複合混合物(1つ以上のテストリガンドを含
む可能性がある)もまたテストすることができ、さら
に、標的蛋白に結合する成分をその後の工程で当該混合
物から精製することができる。
【0012】本明細書で用いられるように、“標的蛋
白”という用語は、それに対するリガンドまたは結合相
手の識別が求められているペプチド、蛋白または蛋白複
合体を指す。標的蛋白には、ある疾患、状態もしくは病
的生理状態の病因または生理的機能の調節に関係するこ
とが分かっているか、または関係すると信じられている
ペプチドまたは蛋白が制限なく含まれる。標的蛋白は、
いずれの生物(例えば脊椎動物、特に哺乳類、さらには
より具体的にヒト)由来でもよい。本発明で使用するた
めには、該蛋白の生化学的機能が具体的に認識されてい
る必要はない。標的蛋白には、レセプター、酵素、腫瘍
遺伝子生成物、腫瘍サプレッサー遺伝子生成物、ウイル
ス蛋白、および転写因子が制限なく含まれ、これらは、
精製形または蛋白と他の化合物との複合混合物の部分で
あってもよい。さらにまた標的蛋白には、野性型蛋白、
また別には、変化した安定性、活性または他の異形特性
をもつものを含む変異体もしくは異形蛋白、または、外
来アミノ酸配列(例えば精製を促進する配列)が付加さ
れているハイブリッド蛋白が含まれる。
【0013】本明細書で用いられているように、“テス
ト組み合わせ”とは、1つまたは2つ以上のテストリガ
ンドと標的蛋白の組み合わせを指す。“コントロール組
み合わせ”とは、テストリガンドを含まない標的蛋白を
指す。
【0014】本明細書で用いられているように、蛋白の
“重畳状態”とは、蛋白がその自然の環境下でまたは分
離もしくは精製した後(すなわち変性条件に曝される
前)で存在している場合のような天然形または非変性形
を指す。これは、該蛋白の自然の環境下で検出可能な様
々な程度に展開された天然の蛋白を含み、その重畳パタ
ーンは、それらが自然に機能している間変化することが
可能である。“展開状態”は、該ポリペプチドが、その
“重畳状態”で存在する二次および/または三次構造の
要素を失った状態を指す。ポリペプチドが完全に展開さ
れたとき、すなわち二次および三次構造の全ての要素を
失ったときを実験的に求めることが困難なことは当業者
には理解されよう。したがって、本明細書で用いられて
いるように“展開状態”という用語は、部分的または全
体的展開を含む。
【0015】本明細書で用いられているように、“検出
可能部分(detectable fraction)”とは、経験的に求め
られ、さらに展開蛋白から重畳蛋白を区別するために用
いられる方法にしたがって変動する量を指す。例えば、
プロテアーゼ感受性が重畳をモニターするために用いら
れるときは、標的蛋白の約80%が、都合のよい保温時
間内に消化されるように(たとえば温度を調節し、また
は変性剤を添加することによって)条件が選択される。
また別には、標的蛋白の重畳または展開状態に特異的な
抗体が検出方法として用いられる場合、十分量の抗体が
結合し検出可能シグナルを生じるように条件が選択され
る。
【0016】本発明は、標的蛋白に結合するリガンドを
識別するための高処理量スクリーニング方法を包含す
る。テストリガンドが結合する標的蛋白が疾患または状
態に付随するか、または原因となる場合、該リガンド
は、疾患または状態の診断、予防または治療に有用かも
しれない。本方法によって識別されるリガンドはまた、
分離や精製方法として、例えば混合物から標的蛋白を精
製または分離する方法として用いられるリガンドとする
こともできる。本発明はまた、本方法によって識別され
るリガンド、およびそれらの治療的使用(診断、予防ま
たは処置目的のために)、並びに精製および分離方法に
おける使用にも関する。
【0017】本発明によれば、標的蛋白に対するリガン
ドは、標的蛋白の重畳の程度または、重畳もしくは展開
の速度に影響を与える能力によって識別される。実験条
件は、標的蛋白が可逆的または不可逆的にかかわらず展
開に供されるように選択される。テストリガンドがこの
ような条件下で標的蛋白と結合する場合、テストリガン
ドの存在下での重畳:展開標的蛋白の相対量、または標
的蛋白の重畳もしくは展開速度は、テストリガンドの非
存在下で認められるものとは異なる、すなわちより大き
いか、または小さいであろう。したがって、本発明は、
標的蛋白をテストリガンドの存在下および非存在下で、
標的蛋白が(リガンドの非存在下で)部分的もしくは全
体的に展開される条件下で保温することを含む。この
後、重畳標的蛋白に対する展開標的蛋白の絶対量もしく
は相対量、または標的蛋白の重畳もしくは展開速度の分
析が実施される。
【0018】本発明の重要な特徴は、生物学的活性また
は機能に緊密に関係する配列またはドメインだけでな
く、標的蛋白のどのような配列またはドメインにも結合
するどのような化合物も検出するということである。こ
の結合配列、領域またはドメインは、標的蛋白が重畳状
態にあるときは標的蛋白の表面に存在するかもしれない
し、また蛋白の内部に埋もれているかもしれない。いく
つかの結合部位は、該蛋白が部分的または全体的に展開
されるときにだけ、リガンドの結合が可能になるかもし
れない。
【0019】本発明を実施する場合、テストリガンドは
標的蛋白と組み合わされ、この混合物は適切な条件下で
十分な時間維持され、テストリガンドが標的蛋白に結合
することを許容する。実験条件は、各標的蛋白について
経験的に決定される。テストリガンドを調べる場合、殆
どのリガンド:標的蛋白相互反応が完了すると考えられ
る保温条件が選択される。一般に、テストリガンドは、
標的蛋白に対して分子過剰状態で存在する。標的蛋白は
可溶形で存在してもよく、また別に固相マトリックスに
結合していてもよい。マトリックスには、ビーズ、膜フ
ィルター、プラスチック表面または他の適切な固形支持
体が制限なく含まれる。
【0020】各標的蛋白については、適切な実験条件
(例えば温度、時間、pH、塩濃度および添加成分)
が、該蛋白の検出可能部分がテストリガンドの非存在下
で展開形で存在することができるように選択される。不
可逆的に展開する標的蛋白については、好ましい実験条
件は、都合のよい保温時間中にテストリガンドの非存在
下で検出可能量の蛋白の展開を可能にする。重畳:展開
蛋白比または重畳もしくは展開速度を調節または最適化
するために、変性条件が要求されるかもしれない。この
条件には、上昇した温度の使用、例えば尿素やグアニジ
ニウム塩(例えばグアニジニウムチオシアネート)のよ
うなカオトロープまたは変性剤、界面活性剤の添加また
はその組み合わせが含まれる。さらにまた、安定化また
は脱安定化アミノ酸置換の導入を、標的蛋白の重畳:展
開比を操作するために用いることができる。
【0021】標的蛋白のリガンドへの結合のために必要
な時間は、テストリガンド、標的蛋白および用いられる
その他の条件にしたがって変動するであろう。ある場合
には、結合は直ちに発生し(例えば、テストリガンドと
標的蛋白を組み合わせるときと本質的に同時)、一方他
の例では、テストリガンド−標的蛋白結合は、結合検出
までもっと長時間(例えば12−16時間まで)維持さ
れる。多くのテストリガンドが用いられる場合、殆どの
蛋白:リガンド相互反応にとって十分な保温時間が選択
される。
【0022】テストリガンドの標的蛋白への結合は、テ
ストリガンドの非存在下および存在下の重畳または展開
標的蛋白の絶対量を比較することによって評価される
か、また別には、テストリガンドの非存在下および存在
下の重畳:展開標的蛋白比または標的蛋白の重畳または
展開速度を決定することによって評価される。テストリ
ガンドが標的蛋白に結合する場合(すなわちテストリガ
ンドが該標的蛋白に対するリガンドである場合)テスト
リガンドの非存在下において存在するよりも顕著に多く
の重畳標的蛋白及びより少量の展開標的蛋白が存在する
かもしれない(したがって展開標的蛋白に対する重畳標
的蛋白の比率が高い)。また別に、テストリガンドの結
合は、テストリガンドの非存在下において存在するより
も顕著に少量の重畳標的蛋白および顕著に多くの展開標
的蛋白を生じるかもしれない。同様に、テストリガンド
の結合は標的蛋白の重畳または展開速度の顕著な変化を
引き起こすかもしれない。
【0023】いずれの場合においても、重畳および展開
標的蛋白の絶対量、重畳:展開比、または重畳もしくは
展開速度の決定は、下記で述べるような既知の方法の1
つを用いて実施できる。これらの方法には、標的蛋白の
蛋白分解、標的蛋白の適切な表面への結合、標的蛋白へ
の特異抗体の結合、標的蛋白の分子シャペロンへの結
合、標的蛋白の固定リガンドへの結合、および標的蛋白
の凝集の測定が制限なく含まれる。他の物理化学的技術
もまた、単独でまたは上記の方法と組み合わせて用いる
ことができる。これらには、環状二色性の測定、紫外線
および蛍光分光分析、並びに熱量分析が制限なく含まれ
る。好ましい実施態様では、テストリガンドの存在下お
よび非存在下での保温に続く、標的蛋白の相対的蛋白分
解の測定が含まれる。しかしながら、各標的蛋白は、本
発明の目的に対して最も適切な特定の検出方法を可能に
する固有の特性を有するであろうということは当業者に
は理解されよう。
【0024】高処理量スクリーニングの目的のために
は、上記の実験条件は、スクリーニングされる全ての化
合物のうちで“陽性”化合物またはリガンドとして識別
されるテストリガンドの最小限比率を達成するように調
節される。この最小限値(閾値)は、2つの基準にした
がって設定される。第一に、陽性化合物の数は実際的な
関係で操作可能であるべきである。第二に、陽性化合物
の数は、標的蛋白に対して評価可能な親和性を有するリ
ガンドを反映しているべきである。好ましい閾値は、全
テストリガンドの0.1%から1%が、与えられた標的
蛋白のリガンドであることが示されたとき達成される。
【0025】ある蛋白への結合は、その蛋白の作用を直
接修飾することを意図されている医薬にとって不可欠で
ある。したがって、本方法の使用を介して、テストリガ
ンドが、ある状態の病因を反映するかまたは影響を与え
る蛋白に結合することが示されるならば、それは、蛋白
の機能を変化させ、有効な医薬またはそのような医薬を
作り上げるための導入化合物となる当該テストリガンド
の潜在的能力を示すことができるであろう。また別に、
このリガンドは、蛋白の機能を変化させる潜在的能力を
有する付加的成分を含むハイブリッド化合物の構築のた
めの基礎として役立つかもしれない。この場合、標的蛋
白へのリガンドの結合は、その医薬的有効性を発揮させ
るために付加された成分の固着又は方向付けに役立つ。
例えば、関連する酵素類の活性を抑制する既知の化合物
は、既知化合物によって認識される部位と異なる部位で
該酵素類の1つと特異的に結合する、本発明の方法によ
って識別されたリガンドに該既知化合物を共役させるこ
とによって当該酵素類の1つに特異的にさせることがで
きる。
【0026】本方法は、殆どの蛋白に共通の物理化学的
特性に基づいているという事実は、当該方法に広範囲の
応用性を与える。本発明は、何千ものテストリガンドの
経費効率のよいスクリーニングを可能にする系統だった
大規模な高処理量工程に利用できる。本発明の方法によ
って一旦リガンドが識別されると、さらに、用いた特定
の標的蛋白に特異的な既知の方法を用いてさらに詳細に
分析できる。例えば、リガンドは、標的蛋白への結合に
ついて直接、例えば非標識標的蛋白と放射能標識リガン
ドとを保温し、続いて蛋白結合および非結合リガンドを
分離することによって調べることができる。さらに、こ
のリガンドを、該標的蛋白の既知の生物学的活性に正の
方向または負の方向のいずれかで影響を与える能力につ
いて調べることができる。
【0027】本発明の好ましい実施態様では、標的蛋白
へのテストリガンドの結合は、蛋白分解の使用によって
検出される。このアッセーは、展開された変性ポリペプ
チドのプロテアーゼ消化に対する感受性は重畳蛋白のそ
れと比較して高まることに基づいている。この場合、テ
ストリガンド−標的蛋白組み合わせおよびテストリガン
ドを欠くコントロール組み合わせが、展開標的蛋白に優
先的に作用する1つまたは2つ以上のプロテアーゼで処
理される。適切な保温時間の後、無傷(intact)、すなわ
ち蛋白分解されていない標的蛋白レベルが、下記の方法
(例えばゲル電気泳動および/または免疫アッセー)の
1つを用いて評価される。
【0028】テストリガンドが標的蛋白に結合したこと
を示す2通りの結果が考えられる。顕著に高くなるかま
たは顕著に低くなる無傷または分解蛋白の絶対量が、リ
ガンド非存在下よりもリガンド存在下で観察されるであ
ろう。
【0029】本発明を実施するために有用なプロテアー
ゼには、トリプシン、キモトリプシン、V8プロテアー
ゼ、エラスターゼ、カルボキシペプチダーゼ、プロテイ
ナーゼK、テルモリシン、パパイン、およびズブチリシ
ン(これらすべてはシグマケミカル(Sigma Chemical C
o., セントルイス、ミズーリー)から入手可能)が制限
なく含まれる。本発明を実施するために用いられるプロ
テアーゼの選択で最も重要な基準は、これらプロテアー
ゼは、選択された保温条件下で特定の標的蛋白を消化で
き、さらにこの活性は該蛋白の展開形を優先的に指向す
ることが必要である。プロテアーゼを直接抑制するテス
トリガンドに生じる“偽陽性”結果を避けるために、2
つ以上のプロテアーゼ、特に異なる酵素的作用メカニズ
ムを有するプロテアーゼを同時にまたは平行したアッセ
ーで用いることができる。さらに、プロテアーゼの活性
のために要求される補助因子を過剰に提供し、これらの
因子を引き離す可能性を有するテストリガンドによる偽
陽性結果を避ける。
【0030】典型的には、先ず50mMトリス−塩酸
(pH7.5)、10%DMSO、50mM塩化ナトリ
ウム、10%グリセロールおよび1.0mM DTTを
含む緩衝液中に、精製標的蛋白を最終濃度1−100μ
g/mlで加える。続いて例えばプロテイナーゼKまた
はテルモリシン(明瞭な作用メカニズムを有するプロテ
アーゼ)等のプロテアーゼを、それぞれ0.2−10.
0μg/mlの最終濃度で加える。平行した保温を5分
から1時間の範囲の異なる時間、好ましくは30分、4
°C、15°C、25°Cおよび35°Cで実施する。
反応は、適切なプロテアーゼ抑制物質、例えば塩化フェ
ニルメチルスルフォニル(PMSF)を最終濃度1mM
(セリンプロテアーゼの場合)で、エチレンジアミノ四
酢酸(EDTA)を最終濃度20mM(メタロプロテア
ーゼの場合)で、またはヨードアセトアミド(システイ
ンプロテアーゼの場合)等を添加することによって停止
させる。保温時間終了時の反応混合物に残存する無傷の
蛋白量を続いていずれかの方法によって評価する。これ
らの方法には、ポリアクリルアミドゲル電気泳動、EL
ISAまたはニトロセルロースフィルターへの結合が制
限なく含まれる。より狭い範囲の温度を用いる追加実験
を実施して、適切な条件を確立できることは理解されよ
う。
【0031】上記のプロトコルは、30分の保温時間内
で標的蛋白の約70%の消化(これは顕著な程度の展開
が生じたことを示す)をもたらす適切な条件(例えばプ
ロテアーゼ濃度および消化温度)の選択を可能にする。
好ましくは、蛋白分解が協調的蛋白展開転移を示唆する
温度依存性を示すように条件が選択される。この目的を
達成するために、また別の変数を調節することができ
る。この変数には、例えばグリセロール、塩、還元剤、
BSAもしくは他の“担体蛋白”、標的蛋白、変性剤お
よび界面活性剤の濃度が含まれる。標的蛋白に対する既
知のリガンドが利用できる場合、このリガンドは、標的
蛋白への結合のためにそのKdを越える濃度で、さらに
少なくとも標的蛋白のモル濃度に等しい濃度で反応混合
物に含まれ、この消化実験は反復される。典型的には、
標的蛋白の消化の程度で少なくとも2倍増加または減少
が認められるが、これは、既知リガンドの結合が重畳:
展開標的蛋白比および/または重畳もしくは展開速度を
変化させることを示唆している。
【0032】上記のように高処理量スクリーニングのた
めの条件が一旦確立されたら、20から200μMの濃
度で多数のテストリガンドを用いてこのプロトコルを同
時に反復する。標的蛋白の消化の程度において少なくと
も2倍の増加または減少が認められたら、“ヒット”化
合物、すなわち標的蛋白に結合するリガンドのしるしで
ある。好ましい条件は、この方法を用いてテストリガン
ドの0.1%から1%がヒット化合物と識別されるよう
な条件である。
【0033】別の実施態様では、テストリガンドの存在
下、非存在下で重畳および展開標的蛋白の相対量が、適
切な表面に結合する標的蛋白の相対量を測定することに
よって評価される。この方法は、展開蛋白は表面に粘着
し易いということを利用する。これは、展開によって生
じる表面積の増加と疎水性残基の保護の減少よるもので
ある。テストリガンドが標的蛋白に結合すると(すなわ
ち、標的蛋白のリガンドであると)、このリガンドは標
的蛋白の重畳形を安定化させ、固体表面への標的蛋白の
結合を低下させるであろう。また別に、リガンドはこの
蛋白の展開形を安定化させ、固体表面へのその結合を増
加させるかもしれない。
【0034】この実施態様では、標的蛋白、テストリガ
ンド、および優先的に展開蛋白を結合させる表面が組み
合わされ、標的蛋白のリガンドへの結合と展開標的蛋白
の表面への結合に適した条件下で維持される。また別
に、結合させるために該表面の非存在下で標的蛋白とテ
ストリガンドとを予備保温してもよい。この目的に適し
た表面には、種々の処理または未処理プラスチックで構
築されたマイクロタイタープレート、組織培養用もしく
は高蛋白結合用に処理されたプレート、ニトロセルロー
スフィルターおよびPVDFフィルターが制限なく含ま
れる。
【0035】表面結合標的蛋白量または溶液中に残存す
る標的蛋白量の決定は、当該技術分野で既知の標準的方
法、例えば放射能活性または免疫アッセーによる決定を
用いて実施できる。テストリガンド非存在下よりテスト
リガンド存在下で顕著に増加または減少した標的蛋白が
表面に結合している場合は、このテストリガンドはこの
標的蛋白のリガンドである。同様に、テストリガンドが
この標的蛋白のリガンドである場合は、表面結合標的蛋
白:可溶性標的蛋白比は、テストリガンドが存在しない
ときよりテストリガンドが存在するときに顕著に増加ま
たは減少するであろう。
【0036】別の実施例では、テスト組合せ中に重畳お
よび展開標的蛋白が存在する程度が、この蛋白の展開状
態または重畳状態のいずれかに特異的な抗体(すなわち
それぞれ変性型特異的(“DS”)または天然型特異的
(“NS”))を用いて評価される(Breyer, 1989, J.
Biol. Chem., 264(5):13348-13354)。
【0037】特定の標的蛋白に特異的な多クローン性お
よび単クローン性DSおよびNS抗体は、当分野で周知
の方法によって調製できる(E. Harlow & D. Lane, 抗
体:実験室マニュアル(Antibodies: A Laboratory Manu
al) 、コールドスプリングハーバー研究所、1989;Zol
a, 単クローン性抗体:技術入門(Monoclonal Antibodi
es: A Manual of Techniques), CRC Press, Inc., Boca
Raton,フロリダ、1987)。DS抗体については、当該
蛋白が天然の状態にあるときに該蛋白の内部に埋め込ま
れている蛋白領域に由来するペプチドで動物を免役する
ことができる。当該蛋白の三次元構造が不明の場合は、
いくつかのペプチドに対して抗体を調製する。また別
に、完全に変性した(すなわち展開した)標的蛋白を免
疫原として用いる。
【0038】得られた抗体を、変性状態に対して優先的
に結合することに関してスクリーニングする。単クロー
ン性抗体については、個々のクローン化ハイブリドーマ
に由来する培養上清をスクリーニングし、陽性クローン
を個々のDS抗体源として直接使用する。多クローン性
抗体については、未分画抗血清が変性状態に対して優先
的結合を示すかもしれない。また別には、DS抗体は、
当該分野で周知の選択的吸着技術によって多クローン性
抗血清から精製してもよい。
【0039】NS抗体については、天然の未変性蛋白、
または天然の蛋白の表面に存在することが分かっている
1つもしくは2つ以上のペプチドを免疫原として用いて
もよい。生じた抗体を、天然の蛋白への優先的結合につ
いて上記のようにスクリーニングし、さらに本発明に使
用するために精製する。
【0040】DSまたはNS抗体を用いて、重畳標的蛋
白レベル、展開標的蛋白レベル、重畳:展開比または重
畳もしくは展開速度におけるリガンド誘発変化を検出す
ることができる。
【0041】ある手法では、DS抗体、標的蛋白および
テストリガンドを含むテスト組み合わせが、標的蛋白と
リガンドとの結合およびDS抗体の展開標的蛋白への結
合に適した条件下で固形支持体(例えば変性標的蛋白ま
たはそのペプチドフラグメントで被覆したマイクロタイ
タープレート)に曝される。テストリガンドを含まない
点を除いてテスト組み合わせと同様であるコントロール
組合せは、このテスト溶液と同じ態様で処理される。プ
レートに結合した抗体量またはテスト組合せとコントロ
ール組合せの溶液中に残存する量を比較することによっ
て、標的蛋白の重畳における相違を検出する。プレート
に結合し、または溶液中に残存する抗体量は下記のよう
に測定できる。
【0042】第二の手法では、DS抗体、テストリガン
ドおよび標的蛋白を含むテスト組合せを第二の抗体で被
覆した固形支持体に曝す。この抗体被覆固形支持体を固
相抗体と呼ぶが、これはDS抗体と同時に標的蛋白と結
合することができない。さらに、標的蛋白に特異的であ
るが、重畳状態に特異的であるか(NS抗体)または天
然と変性状態とを識別できない(“非識別”または“N
D”抗体)かのいずれかである。得られたテスト組み合
わせまたは溶液を、標的蛋白と標的蛋白のリガンドとの
結合および抗体が認識する蛋白へのそれら抗体の結合に
適した条件下で維持する。テストリガンドを含まない点
を除きテスト溶液と同じコントロール組合せをテスト溶
液と同じ態様で処理する。両方の組み合わせで、変性
(展開)標的蛋白はDS抗体に結合し、固相抗体に結合
することが抑制される。標的蛋白に結合するテストリガ
ンドの能力は、テスト溶液中の固相抗体に結合する標的
蛋白量を決定し、これを標的蛋白がテストリガンドの非
存在下で固相抗体と結合する程度(これは重畳状態の標
的蛋白量を反映する)と比較することによって測定する
ことができる。第二の抗体を介してプレートに結合した
標的蛋白量、または溶液中に残存している標的蛋白量は
下記の方法によって検出できる。この手法は、可溶性抗
体としてNS抗体を用い、さらに固相にDSもしくはN
D抗体を用いて類似の態様で使用できる。
【0043】第三の手法では、DSまたはNS抗体で被
覆した固形支持体(例えばマイクロタイタープレート)
に標的蛋白およびテストリガンドを含むテスト溶液を曝
し、標的蛋白とリガンドの結合および抗体と標的蛋白の
結合に適した条件下で維持する。また別には、この抗体
はビーズの表面に存在させてもよい。テストリガンドの
標的蛋白への結合能力は、標的蛋白が溶液中(抗体に未
結合)または固形表面(抗体に結合)に残存している程
度を決定するか、またはテストリガンドの存在下および
非存在下でのこれら2種の比を決定することによって測
定される。また別には、この抗体は溶液中にあって、標
的蛋白を固相(例えばプレート表面またはビーズ表面)
に付着させてもよい。
【0044】また別の実施例では、分子シャペロンを用
いて、テスト組合せ中の重畳および展開蛋白の相対レベ
ルを評価する。シャペロンには、それらの通常の生理学
的機能の一部分として展開蛋白に結合する既知の蛋白が
包含される。一般に、それらはオリゴマー蛋白の組み立
て、ある種の蛋白の正確な重畳、蛋白の適性配置の促進
および生理的ストレス時の蛋白様凝集形成の防止に関与
する(Hardy, 1991, Science, 251:439-443)。これらの
蛋白は、限定された配列モチーフを特異的に認識するこ
となく多くの展開蛋白、または部分的に変性した蛋白と
相互反応する能力を有する。
【0045】大腸菌(E. Coli)で見出された分子シャペ
ロンはSecBとして知られた蛋白である。SecB
は、他の点では無関係の蛋白のサブセットの輸出に明瞭
に関与している。競合実験によって、SecBは調べら
れた全ての展開蛋白(その特定の輸出サブセット以外の
蛋白を含む)と固く結合することが示されたが、重畳蛋
白と相互反応はしないようである。本発明での使用に適
した他のシャペロンには、熱ショック蛋白70s、熱シ
ョック蛋白90s、GroEIおよびGroESが制限
なく含まれる(Gethingら、Nature 355:33, 1992)。
【0046】この実施例では、テストリガンドおよび標
的を含むテスト組合せは、標的蛋白とそのリガンドとの
結合および分子シャペロンと展開標的蛋白との結合に適
した条件下で、分子シャペロンで被覆した固形支持体
(例えばマイクロタイタープレートまたは他の適切な表
面)に曝される。溶液中の展開標的蛋白は、リガンド安
定化重畳標的蛋白に較べて分子シャペロン被覆表面によ
り結合し易い。したがって、標的蛋白に結合するテスト
リガンドの能力は、未結合の標的蛋白量またはシャペロ
ン被覆表面に結合した量を決定することによって求める
ことができる。
【0047】また別に、分子シャペロンとの結合に関す
る競合アッセーも利用できる。精製標的蛋白、テストリ
ガンドおよび分子シャペロンを含むテスト組み合わせ
を、標的蛋白とそのリガンドとの結合および分子シャペ
ロンと展開標的蛋白との結合に適した条件下で、固形支
持体(例えば変性(展開)標的蛋白で被覆したマイクロ
タイターのくぼみ(ウェル))に曝すことができる。リ
ガンドを含まないという点を除いてテスト組み合わせと
同じコントロール組み合わせを同じ態様で処理する。溶
液中の変性標的蛋白はシャペロンに結合し、したがっ
て、支持体に結合させた変性標的蛋白とシャペロンの結
合が抑制される。テストリガンドと標的蛋白の結合は展
開標的蛋白量の違いをもたらし、したがって、テストリ
ガンドの結合がない場合よりも、もっと多くのまたはも
っと少ないシャペロンが固相変性標的蛋白に結合するこ
とができるであろう。したがって、テストリガンドの結
合は、テスト組合せおよびコントロール組合せの表面に
結合したシャペロンまたは溶液中のシャペロンを評価
し、それらの結果を比較することによって求めることが
できる。このアッセーでは、結合の競合が測定できるよ
うに一般にシャペロンは過剰に提供されない。
【0048】また別に、標的蛋白、テストリガンドおよ
び分子シャペロンを含むテスト組合せを、重畳標的蛋白
に特異的(NS抗体)であるが、シャペロンに結合した
標的蛋白には結合できない抗血清または単クローン性抗
体で被覆した固形支持体(例えばマイクロタイターウェ
ル)に曝すことができる。展開標的蛋白は溶液中のシャ
ペロンに結合し、したがって固相抗体との結合が抑制さ
れるであろう。溶液中またはウェルの壁に結合した標的
蛋白を検出し、適切なコントロール(テストリガンドを
含まない同じ組み合わせ)中の一方または両方の程度を
比較することによって、標的蛋白と結合するテストリガ
ンドの能力が求められる。テストリガンドが標的蛋白の
リガンドである場合、コントロール組み合わせよりもテ
スト組み合わせの容器表面に結合させた抗血清または単
クローン性抗体にもっと多くの、またはもっと少ない標
的蛋白が結合するであろう。さらにそれに対応して、コ
ントロール組み合わせにおいてよりももっと多いまたは
もっと少ない標的蛋白が、テスト組み合わせにおいて未
結合の状態で(溶液中に)存在するであろう。
【0049】また別の実施例では、標的蛋白の既知のリ
ガンド、補助因子、基質またはその類似体が、重畳標的
蛋白の存在についてのアッセーに用いられる。重畳形蛋
白部分が多ければ多いほど、重畳状態にもっぱら結合す
るリガンドと結合するために利用される蛋白量が多くな
る。結果として、蛋白が既知のリガンドを有する場合、
この蛋白の別の部位で結合するテストリガンドを添加す
ることによって、この蛋白の既知のリガンドへの結合を
増加、または減少させることが可能である。例えば、ジ
ヒドロ葉酸還元酵素のメトトレキセート(葉酸類似体)
への結合は、この酵素の重畳レベルを評価するために用
いることができる。
【0050】この手法では、標的蛋白に結合することが
分かっているリガンド、補助因子、基質またはその類似
体が固形土台に固定される。標的蛋白とテストリガンド
を含む溶液を続いて添加する。テストリガンドが存在し
ない同一のアッセーと比較した場合の固定化合物に結合
する標的蛋白量の増加または減少は、テストリガンドが
標的蛋白に結合することを示唆する。固形土台に結合し
た標的蛋白量は、この固形土台をサンプリングするかま
たはこの溶液をサンプリングすることによって調べるこ
とができる。
【0051】別の実施例では、テスト組み合わせ中の展
開標的蛋白量が蛋白凝集を測定することによって評価さ
れる。不可逆的に展開する蛋白の場合、展開蛋白はしば
しば不溶性の凝集物を形成する。蛋白凝集の程度は、当
分野で既知の技術によって測定できるが、これらの技術
には光散乱、遠心沈澱およびろ過が制限なく含まれる。
【0052】この手法では、標的蛋白とテストリガンド
が保温され、蛋白凝集量が経時的にまたは一定の保温時
間後に測定される。テスト混合物中の蛋白凝集の程度
が、テストリガンドの存在しないコントロールアッセー
での同じ測定と比較される。テストリガンドが標的蛋白
と結合する場合、標的蛋白の展開速度は、テストリガン
ドが存在しないときよりももっと遅いかまたはもっと速
いであろう。経時的測定については、テストリガンドが
標的蛋白のリガンドである場合は、そうでない場合より
凝集蛋白の出現速度はもっと遅いかまたはもっと速いで
あろう。一定時間での測定については、テストリガンド
が標的蛋白のリガンドである場合は、そうでない場合よ
りもっと多いまたはもっと少ない展開蛋白が存在し、そ
れに対応して、もっと多いまたはもっと少ない凝集蛋白
が存在するであろう。したがって、標的蛋白と結合する
テストリガンドの能力は、テストリガンドの存在下およ
び非存在下での蛋白凝集の程度を評価することによって
決定される。
【0053】本発明の方法は、安定な構造ドメインを構
成する標的蛋白のフラグメントに応用できることは理解
されよう。本明細書で用いられているように、" ドメイ
ン”とは、分離された後、天然の重畳構造を顕著な程度
で保持している標的蛋白のフラグメントを指す。いくつ
かの場合には、天然の蛋白の蛋白分解消化が、例えば蛋
白の完全な消化が得られる温度よりも低い温度で実施さ
れるとき、天然の蛋白はプロテアーゼによって1つまた
は2つ以上のそのようなドメインに切断されるであろ
う。このような場合には、それぞれ別個に各ドメインへ
のテストリガンドの結合を調べるのが有利であろう。こ
れは以下の手法のいずれかまたは両方によって達成でき
る。第一に、上記のアッセーで標的として使用するため
に標的蛋白の1つまたは2つ以上の個々のドメインを、
無傷の蛋白を制御しながら蛋白分解に付し、続いてドメ
イン含有フラグメントを精製するか、または該蛋白のド
メイン含有フラグメントをコードする組み換え(リコン
ビナント)DNA分子からインビトロまたはインビボで
そのようなフラグメントの合成を誘導することによって
調製することができる。第二に、無傷の蛋白が標的とし
て用いられる反応混合物中の重畳を定量するためにドメ
イン特異的検出を用いることができる。ドメイン特異的
検出方法には、ドメイン特異的抗体の使用および特定の
ドメインを選択的に標識する化学的または酵素的方法が
制限なく含まれる。ドメイン特異的抗体は当分野で既知
のいずれの方法によっても調製できる。例えば、多クロ
ーン性ドメイン特異的抗体は、上記の精製もしくはリコ
ンビナントドメインまたはドメイン特異的合成ペプチド
のいずれかを免疫原として用いることによって生成でき
る。また別に、単クローン性抗体パネルを無傷の蛋白に
対して調製し、精製またはリコンビナントドメインとの
反応について調べることができる。
【0054】上記の実施態様を表1に要約する。
【0055】
【表1】
【0056】蛋白検出方法 上記の実施態様は、テストリガンドに曝した後の重畳お
よび展開標的蛋白の相対量を定量するために、標的蛋白
もしくはその消化生成物、または抗体のレベルを検出お
よび/または定量する最終工程を必要とする。本発明を
実施する場合、当分野で既知の方法を用いて、蛋白、小
型ペプチドまたは遊離アミノ酸の有無を検出する。使用
方法は、検出すべき生成物(蛋白、ペプチド、遊離アミ
ノ酸)によって決まるであろう。例えば、蛋白サイズを
検出する技術(例えばゲル電気泳動、毛細管電気泳動、
サイズ排除クロマトグラフィー、高速液体クロマトグラ
フィーなど)を用いて標的蛋白の蛋白分解の程度を決定
することができる。放射能活性、蛍光、色素結合(Ciesi
olkaら、Anal. Biochem. 168:280, 1988) 、金コロイド
結合(Braford, Anal. Biochem. 72:248,1976)、または
酵素活性の測定によって、溶液中または固形支持体上の
生成物の有無を検出できる。例えばELISAおよび放
射能免疫アッセーを含む免疫学的方法によって、溶液中
または土台上の既知標的蛋白の有無を検出できる。上記
の方法は例えば以下の文献に記載されている。E. Harlo
w & D. Lane, 抗体:実験室マニュアル(Antibodies: A
laboratory Manual)、コールドスプリングハーバー研
究所、1988;S.F.Y. Li, 毛細管電気泳動(Capillary
Electrophoresis)、Elsevier Press, 1993; Bidlingmey
er、HPLCの実際的方法と応用(Practical HPLC Met
hodology and Applications)、 John Wiley and Sons,
Inc., 1992; C.R. Cantor & P.R. Schimmel、生物物理
化学(Biophysical Chemistry)、WH Freeman & Co., 19
80。
【0057】ある実施例では、ゲル電気泳動を用いて蛋
白の有無が検出され、さらに蛋白のサイズを検出するた
めにも用いることができる。この後者の方法は蛋白分解
と組み合わせた場合特に有用である。テスト組み合わせ
ではコントロール組み合わせよりもっと多いまたはもっ
と少ない量の未消化標的蛋白が存在し、これがテストリ
ガンドが標的蛋白に結合したことを示すからである。
【0058】
【実施例】以下の実施例は、本発明を制限するためでは
なく本発明を詳述することを目的とするものである。
【0059】
【実施例1】メトトレキセートの結合はジヒドロ葉酸還
元酵素(DHFR)をプロテイナーゼKによる蛋白分解
性消化から保護する以下のものを組み合わせ54°Cで
5分間保温した:DHFR(100μg/ml)、プロ
テイナーゼK(80μg/ml)、0.1Mトリス−塩
酸(pH7.5)および10-10−10-4Mのメトトレ
キセート。
【0060】サンプルを取り出し、未消化DHFRをE
LISAで以下のように定量した: (a)プロテアーゼ保温物をトリス緩衝食塩水(TB
S)で50倍に希釈した; (b)希釈サンプル50μlをELISAプレートのウ
ェルに移し、室温で60分保温した; (c)プレートのウェルを0.1%トゥイーン−20を
含むTBS(TBST)で十分に洗浄した; (d)5%無脂肪ドライミルクを含むTBSTで250
倍に希釈した50μlの抗DHFRウサギ血清を各ウェ
ルに添加し、室温で30分保温した; (e)上記(c)のようにプレートのウェルを洗浄し
た; (f)5%ミルク含有TBSTで500倍に希釈した5
0μlのヤギ抗ウサギIgGアルカリフォスファターゼ
共役物を各ウェルに加え、室温で30分保温した; (g)(c)のようにプレートのウェルを洗浄した;さ
らに (h)0.1%ジエタノールアミン中の1.0mg/m
lp−ニトロフェニルホスフェート0.1mlを加え
た。発色は、結合したアルカリフォスファターゼ抗体共
役物に比例する。
【0061】このELISA分析によって、メトトレキ
セートは10-8M以上の濃度でDHFRを消化から保護
することが示された。同じ方法によって、ニコチンアミ
ドアデニンジヌクレオチドホスフェート(NADPH)
と10-5以上の濃度のジヒドロ葉酸塩は、別個の実験で
DHFRの蛋白分解を抑制することが示された。
【0062】
【実施例2】メトトレキセート、NADPHおよびジヒ
ドロ葉酸塩結合は、アミノ酸混合物の存在下でプロテイ
ナーゼKによる蛋白分解性消化からジヒドロ葉酸還元酵
素(DHFR)を保護する 以下のものを組み合わせ、54°Cで5分間保温した:
DHFR(2.1μg/ml)、プロテイナーゼK(8
0μg/ml)、0.1Mトリス−塩酸(pH7.
5)、20種全ての通常アミノ酸10-5Mおよび0もし
くは10-5Mのリガンド。用いたリガンドは抑制物質メ
トトレキセート並びに基質ジヒドロ葉酸塩およびNAD
PHであった。
【0063】サンプルを取り出し、未消化DHFRをE
LISAで以下のように定量した: (a)プロテアーゼ保温物をトリス緩衝食塩水(TB
S)で50倍に希釈した; (b)希釈サンプル50μlをELISAプレートのウ
ェルに移し、室温で60分保温した; (c)プレートのウェルを0.1%トゥイーン−20を
含むTBS(TBST)で十分に洗浄した; (d)5%無脂肪ドライミルクを含むTBSTで250
倍に希釈した50μlの抗DHFRウサギ血清を各ウェ
ルに添加し、室温で30分保温した; (e)上記(c)のようにプレートのウェルを洗浄し
た; (f)5%ミルク含有TBSTで500倍に希釈した5
0μlのヤギ抗ウサギIgGアルカリフォスファターゼ
共役物を各ウェルに加え、室温で30分保温した; (g)(c)のようにプレートのウェルを洗浄した;さ
らに (h)0.1%ジエタノールアミン中の1.0mg/m
lp−ニトロフェニルホスフェート0.1mlを加え
た。発色は、結合したアルカリフォスファターゼ抗体共
役物に比例する。
【0064】このELISA分析によって、メトトレキ
セートおよび基質は、DHFRに結合するリガンドが存
在しないことに対応する消化からDHFRを保護するこ
とが示された。したがって、特異的な結合は、標的蛋白
に結合しない化合物の複合混合物の存在下で検出でき
る。
【0065】
【実施例3】メトトレキセート結合はDHFRのマイク
ロタイタープレートへの結合を抑制する 以下のものを60μlの容量中に加え、ファルコン30
72" 組織培養用処理済み”マイクロタイタープレート
で20または47°Cで保温した:100mgDHF
R、50MMトリス−Cl(pH7.5)および10
-10−10-4Mのメトトレキセート。
【0066】各サンプル50μlをその後ELISAプ
レートのウェルに移し、溶液中に残存するDHFRを以
下のようにELISAによって定量した: (a)50μlのサンプルを室温で60分保温した; (b)プレートのウェルを0.1%トゥイーン−20を
含むTBS(TBST)で十分に洗浄した; (c)5%無脂肪ドライミルクを含むTBSTで250
倍に希釈した50μlの抗DHFRウサギ血清を各ウェ
ルに添加し、室温で30分保温した; (d)上記(b)のようにプレートのウェルを洗浄し
た; (e)5%ミルク含有TBSTで500倍に希釈した5
0μlのヤギ抗ウサギIgGアルカリフォスファターゼ
共役物を各ウェルに加え、室温で30分保温した; (f)(b)のようにプレートのウェルを洗浄した;さ
らに (g)0.1%ジエタノールアミン中の1.0mg/m
lD−ニトロフェニルホスフェート0.1mlを加え
た。発色は、結合したアルカリフォスファターゼ抗体共
役物に比例する。
【0067】ELISA分析は、メトトレキセートが、
10-7M以上の濃度でDHFRがファルコン3072プ
レートに結合するのを抑制することを明らかにした。
【0068】
【実施例4】展開特異抗体の結合抑制または強化 (1)ELISAプレートを以下の混合物で60分保温
することによって被覆する:トリス緩衝食塩水(10m
Mトリス−Cl、pH7.5、0.2MNaCl;TB
S)中の不可逆的に変性させた4μg/mlの標的蛋白
またはそのペプチドフラグメント。
【0069】(2)プレートを0.1%トゥイーン−2
0含有TBS(TBST)で3回洗浄する。
【0070】(3)以下の混合物(全容量50μl)を
マイクロタイタープレートの被覆ウェルで60分保温す
る: (a)最大結合の50%(競合標的蛋白の非存在下で)
を生じるために十分な濃度の標的蛋白の展開状態に特異
的な抗体。
【0071】(b)プレートへの抗体結合の90%抑制
を達成するために十分な濃度の標的蛋白。適切な標的蛋
白濃度は各標的蛋白で異なる。この濃度は、一部には標
的蛋白の重畳形の安定性に依存する。幾つかの場合に
は、高温、蛋白変性性化学物質の添加または、標的蛋白
への脱安定化アミノ酸置換の導入によって標的蛋白の安
定性を減少させることが望ましい。
【0072】(c)10-9−10-5Mのテストリガン
ド。
【0073】(d)TBST中の5%の無脂肪ドライミ
ルク。
【0074】(4)このプレートをTBSTで3回洗浄
する。
【0075】(5)適切な希釈のヤギ抗IgGアルカリ
フォスファターゼ共役物50μlを5%の無脂肪ドライ
ミルク含有TBSTに加え、室温で30分保温する。
【0076】(6)TBSTでプレートを3回洗浄す
る。
【0077】(7)0.1%ジエタノールアミン中の
1.0mg/mlD−ニトロフェニルホスフェート0.
1mlを加え、ELISAプレート読み取り装置によっ
て発色量を記録する。
【0078】ELISA分析は、テストリガンド−標的
蛋白結合が首尾よく生じたとき、そのような結合が生じ
ない場合よりもっと多くの、またはもっと少ない抗体が
プレートに結合することを示す。
【0079】
【実施例5】シャペロン結合の抑制または強化 (1)ELISAプレートをTBS中の4μg/mlの
シャペロンで数時間保温することによって被覆する。
【0080】(2)プレートをTBSTで3回洗浄す
る。
【0081】(3)続いて、以下の混合物(全容量50
μl)をマイクロタイタープレート10の被覆ウェルで
60分保温する: (a)シャペロン蛋白上に存在する利用可能な結合部位
の約50%を飽和するために十分な濃度の標的蛋白。変
性条件を、そうしなければ標的蛋白の重畳形があまりに
安定でシャペロンとの適切な結合が許容されない場合に
は用いてもよい。
【0082】(b)TBST中の10-9−10-5Mのテ
ストリガンド。
【0083】(4)ウェルの溶液の適量を新しいELI
SAプレートのウェルに移し、室温で60分保温する。
【0084】(5)このプレートのウェルをTBSTで
3回洗浄する。
【0085】(6)標的蛋白に特異的な、5%無脂肪ド
ライミルク含有TBSTで適切に希釈した50μlの抗
体を各ウェルに加え、室温で30分保温する。
【0086】(7)TBSTでこのプレートのウェルを
3回洗浄する。
【0087】(8)5%無脂肪ドライミルク含有TBS
Tで適切に希釈した50μlのヤギ抗ウサギIgGアル
カリフォスファターゼ共役物を各ウェルに加え、室温で
30分保温する。
【0088】(9)このプレートのウェルをTBSTで
3回洗浄する。
【0089】(10)0.1%ジエタノールアミン中の
1.0mg/mlp−ニトロフェニルホスフェート0.
1mlを加える。発色(結合したアルカリフォスファタ
ーゼ抗体共役物に比例)は、ELISAプレート読み取
り装置によってモニターする。
【0090】ELISA分析は、テストリガンド−標的
蛋白結合が生じたとき、そのような結合が生じない場合
より溶液中の標的蛋白はもっと高濃度、またはもっと低
濃度であることを示すであろう。
【0091】
【実施例6】既知リガンドへの結合強化または抑制 (1)以下の混合物(全容量50μl)をマイクロタイ
タープレートの被覆ウェルで60分保温する: (a)標的蛋白に結合することが分かっているリガンド
を、例えばセファデックスのような固形ビーズに共有結
合的に付着させたもの。このリガンドは小型分子でも巨
大分子でもよい。
【0092】(b)リガンドの飽和より十分に低く、わ
ずか10%の蛋白がリガンド部位に結合するような濃度
の標的蛋白。溶液の条件は、標的蛋白のほとんどが変性
状態で存在するような条件である。
【0093】(c)10-9−10-5Mのテストリガン
ド。
【0094】(d)必要な変性剤(例えば尿素)を含む
TBST。
【0095】(2)ウェルの上清(ビーズを含まない)
の適量を新しいELISAプレートのウェルに移し、室
温で60分保温する。
【0096】(3)このプレートのウェルをTBSTで
3回洗浄する。
【0097】(4)標的蛋白に特異的な、5%無脂肪ド
ライミルク含有TBSTで適切に希釈した50μlの抗
体を各ウェルに加え、室温で30分保温する。
【0098】(5)TBSTでこのプレートのウェルを
3回洗浄する。
【0099】(6)5%無脂肪ドライミルク含有TBS
Tで適切に希釈した50μlのヤギ抗ウサギIgGアル
カリフォスファターゼ共役物を各ウェルに加え、室温で
30分保温する。
【0100】(7)TBSTでこのプレートのウェルを
3回洗浄する。
【0101】(8)0.1%ジエタノールアミン中の
1.0mg/mlp−ニトロフェニルホスフェート0.
1mlを加える。発色(結合したアルカリフォスファタ
ーゼ抗体共役物に比例)は、ELISAプレート読み取
り装置によってモニターする。
【0102】ELISA分析は、テストリガンド−標的
蛋白結合が首尾よく生じたとき、溶液中の標的蛋白はも
っと高濃度、またはもっと低濃度であることを示すであ
ろう。
【0103】
【実施例7】HIVRev蛋白のための低処理量アッセ
ー 反応混合物(全容量0.03ml)は、大腸菌で産生さ
せた30μg/mlのHIVRev蛋白、0.05Mト
リス−HCl(pH7.5)、0.01M酢酸カルシウ
ム、2.5μg/mlプロテイナーゼK、10%DMS
Oおよび既知リガンドとして種々の量のtRNAを含ん
でいた。反応物を氷上で15分保温した。下記実施例8
に述べたようにPMSFおよびEDTAを添加した後、
サンプルをゲル電気泳動用に調製し、実施例8で述べた
ように分析した。
【0104】結果は、tRNAの非存在下ではこのよう
な条件の下でRev蛋白はプロテイナーゼKによってほ
ぼ完全に消化されることを示した。しかしながら、tR
NAの存在下では、この蛋白の低分子量フラグメントは
蛋白分解に対して安定化された。したがって、HIVR
ev蛋白への既知リガンドの結合は、本発明の方法を用
いて検出可能である。
【0105】
【実施例8】炭酸脱水素酵素リガンドのための低処理量
アッセー 標的蛋白重畳のプローブとして蛋白分解を用いて、炭酸
脱水素酵素I(シグマ)へのリガンド結合を調べ、さら
にプロテアーゼによる消化後に残存する無傷の蛋白の検
出のための方法として変性ゲル電気泳動を用いた。
【0106】このアッセーの有効性を確認するために、
アセタゾルアミド(炭酸脱水素酵素の既知リガンド)を
調べた。アセタゾルアミドは炭酸脱水素酵素活性の既知
抑制物質であるが、これらの実験はこの特性を利用しな
いし、この蛋白の酵素活性を測定しない。さらに、天然
生成物の抽出物による干渉に対するこの方法の感受性が
調べられた。
【0107】反応混合物は、13.3μg/mlの炭酸
脱水素酵素、0.05Mトリス−HCl(pH7.
5)、0.01M酢酸カルシウム、2.5μg/mlの
プロテイナーゼK、10%DMSOおよび0.0から
1.0mMの範囲の濃度のアセタゾルアミド(シグマ)
を含んでいた。反応物を54°Cで15分保温し、続い
て氷上で冷却した。続いて、フッ化フェニルメチルスル
フォニル(PMSF)をエタノール中の20mM保存溶
液から最終濃度1mMで加え、さらにEDTAを0.5
Mの保存溶液から最終濃度20mMで加えた。0.01
mlのSDS負荷用緩衝液(10%ドデシル硫酸ナトリ
ウム(SDS)、0.5Mジチオスレイトール、0.4
Mトリス−HCl緩衝液(pH6.8)、50%グリセ
ロール)を添加し、サンプルを95°C3分加熱した。
4−15%ポリアクリルアミド(BioRad)勾配ゲルを用
いてSDS−ポリアクリルアミドゲル電気泳動によって
サンプルを解析し、これをその後クーマシーブルー染料
で染色した。
【0108】図1に示したように、炭酸脱水素酵素へ
の、既知リガンドであるアセタゾルアミドの結合は、プ
ロテイナーゼKによる蛋白分解に対して1×10-5Mア
セタゾルアミドで炭酸脱水素酵素の安定化をもたらし
た。この相互反応の解離定数は2.6×10-6Mである
と報告されている(K. Matsumotoら、Chem. Pharm. Bul
l., 37:1913-1915, 1989)。
【0109】カビのメタノール抽出物を、上記に述べた
ものと他の点では全く同一な反応物に、添加された小分
子の最終濃度がもとの培地でのその濃度と等しくなるよ
うに含ませた。抽出物の存在は、偽のシグナルを誘発せ
ず、また1.0mMのアセタゾルアミドに対する反応も
減少させなかった(図2)。
【0110】
【実施例9】ヒト炭酸脱水素酵素に対するリガンドの高
処理量スクリーニング 高処理量アッセーが炭酸脱水素酵素I用に確立された。
各反応混合物(最終容量は0.05ml)は以下を含
む:3.3μg炭酸脱水素酵素、50mMトリス−HC
l、50mM NaCl、1.0mM Ca(OAc)2
および0.13μgプロテイナーゼK、10%DMS
O、および20μmの濃度の適切なテスト化合物。コン
トロール反応は、テスト化合物が省略されているという
点を除き同一である。この混合物を20°Cで10分保
温し、続いて54°Cで30分保温し、その後氷上に静
置する。その後各混合物に200μlの50mMホウ酸
ナトリウム緩衝液(pH8.5)(10mMEDTAお
よび1.0mMPMSFを含む)を加える。氷上で20
分維持した後、この混合物7.5μlを、ダイナテック
イムロン−4(Dynatech Immulon-4)マイクロプレート
のウェル(上記のホウ酸緩衝液を92.5μl/ウェル
含む)に加える。続いてこのプレートを4°Cで一晩保
温し、炭酸脱水素酵素を結合させる。結合炭酸脱水素酵
素は、1:2000に希釈したHRP共役抗炭酸脱水素
酵素I抗体(バイオデザイン、Kennebunk、メイン(カ
タログ番号K90046P))およびピアース(Pierce)(ロッ
クフォード、イリノイ)、Turbo TMB 基質)を用いて直
接法ELISAで定量する。
【0111】炭酸脱水素酵素I抑制物質(シグマケミカ
ル(セントルイス、ミズーリー)より入手)を、一連の
抑制物質濃度にわたって上記アッセーで調べた。表2
は、このアッセーで50%の蛋白分解抑制(IC50)を
生じる濃度、この化合物の報告されたKd値(Matsumoto
ら、Chem. Pharm. Bull., 37:1913(1989))、および各化
合物に対するこれらの値の比を示す。これらのデータ
は、IC50と各抑制物質のKd値との間の正の相関性を
示す。
【0112】
【表2】
【0113】
【実施例10】ヒト好中球エラスターゼに対するリガン
ドの高処理量スクリーニング 本発明の実施に際して、多数の化合物についてこの結合
アッセーを実施できることは、潜在的な医薬としての有
用性をもつ化合物を発見するという有用性にとって決定
的に重要である。2つの異なる手法が、高処理量スクリ
ーニングモードに提供され成功し、その各々が2つの標
的蛋白、ヒト好中球エラスターゼ(HNE)およびヒト
ヘモグロビン(ヘモグロビンA(HbA)およびヘモグ
ロビンS(HbS)の両方)に応用された(下記実施例
11で詳述)。
【0114】特に、これら標的蛋白は多くの重要な点で
互いに異なっている。すなわち、HbSは、その機能に
とって重要な補欠分子族(prosthetic group)を含む細胞
内の四量体蛋白である。異なる構造的機能的特性をもつ
2種の形態で存在することが知られている。対照的に、
HNEは単量体で、補欠分子族を欠き、分泌される。H
NEは酵素活性を有し(蛋白分解)、いかなる全体的形
態変化も受けないようである。
【0115】これら標的蛋白の両方についての高処理量
スクリーニングのため、蛋白分解が標的蛋白重畳のプロ
ーブとして用いられる。この2つの高処理量モードは、
蛋白分解後の残存する標的蛋白の検出に用いられる方法
が異なっている。この2つの検出方法は、1)放射能標
識蛋白のニトロセルロースフィルターへの捕捉とその後
の結合放射能の定量、および2)酵素連結免疫吸着アッ
セー(ELISA)による蛋白の測定である。これらの
方法の各々は、ヘモグロビンおよびHNEの両方につい
て都合よく用いられた。
【0116】A)放射能標識HNEのニトロセルロース
結合:0.1mgのHNE(Elastin Products)を、製
造元のプロトコル(Pierce)にしたがいヨードゲン(Pi
erce)の存在下で125I−沃化ナトリウム(アマーシャ
ム)で反応させて標識した。反応混合物は、放射能標識
HNE(20000cpm、約10μgに相当)、0.
025mg/mlウシ血清アルブミン、50mMトリス
−HCl(pH7.5)、10mM酢酸カルシウム、
2.5μg/mlテルモリシン(ベーリンガーマンハイ
ム)、2.5μg/mlプロテイナーゼK(メルク)、
10%DMSOおよび200μMの濃度のテスト化合物
を含む0.05mlの最終容量で調製された。コントロ
ール混合物は、テスト化合物が省略されていることを除
き同一であった。
【0117】この混合物を20°C15分保温し、続い
て65°Cで30分保温し、その後氷上に静置した。5
0mMの酢酸ナトリウム緩衝液(pH4.5)0.12
mlを続いて各混合物に加えた。氷上でさらに15分保
温した後、シュレイヒャーアンドシュエルミニフォール
ド(Schleicher and Schuell Minifold)を用いてニトロ
セルロース膜シートでサンプルをろ過した。その後、装
置の各ウェルを、50mM酢酸ナトリウム緩衝液(pH
4.5)0.2mlで1回、2.0%SDSおよび1.
0%トリトン−X100を含む50mM燐酸ナトリウム
(pH5.5)0.5mlで2回洗浄した。フィルター
を乾燥させた後、ワラックマイクロベータ(Wallac Mic
roBeta)装置を用いてシンチレーション計測によって結
合放射能を決定した。
【0118】このアッセーの有効性を確認するために、
HNEの既知のリガンド、エラスタチナル(elastatina
l)を1−5mMの範囲の濃度でこのアッセーに含めた。
図3に示したように、エラスタチナルの存在は、ニトロ
セルロースフィルターへの標識HNEの保持を増加させ
た。このことは、これが蛋白分解からHNEを保護した
ことを示している。
【0119】B)HNEのELISA定量:最終容量
0.05mlの反応混合物は、2μg/ml HNE、
0.020mg/mlウシ血清アルブミン、50mMト
リス−HCl(pH7.5)、10mM酢酸カルシウ
ム、7.5μg/mlテルモリシン(ベーリンガーマン
ハイム)、7.5μg/mlプロテイナーゼK(メル
ク)、10%DMSOおよび20または200μMの濃
度のテスト化合物を含んでいた。コントロール混合物
は、テスト化合物が省略されていることを除いて同一で
あった。混合物は20°Cで15分、続いて63°Cで
30分保温され、その後氷上に静置された。
【0120】5%無脂肪ドライミルク(カーネーショ
ン)含有TBST(10mMトリス−HCl(pH7.
5)、0.15M NaCl、0.05%トゥイーン−
20)中で1:10000に希釈した0.1mlのウサ
ギ抗HNE抗体(Calbiochem)が、続いて各反応に加え
られた。室温で10分保温後、混合物を96ウェルのイ
ムロン−4プレート(Dynatech)に移された。このプレ
ートは、ウェル当たり0.1mlの、0.2μg/ml
HNEの50mMホウ酸ナトリウム緩衝液(pH8.
5)及び3mMアジ化ナトリウム溶液で一晩保温し、さ
らにTBSTで十分に洗浄することによってHNEで被
覆されていたものである。このプレートを続いて室温で
1時間保温し、その後TBSTで十分に洗浄した。5%
無脂肪ドライミルク含有TBSTで1:1000に希釈
した0.1mlのアルカリフォスファターゼ共役ヤギ抗
ウサギIgG抗体(Calbiochem)を各ウェルに加え、プ
レートを1−2時間室温で保温した。続いてプレートを
TBSTで十分に洗浄し、最後にトゥイーンを含まない
TBSTで洗浄した。1Xジエタノールアミン基質緩衝
液(Pierce)中のp−ニトロフェニルフォスフェート
(0.5mg/ml)をmlにつき0.1ml各ウェル
に加えた。発色するまでプレートを室温で保温し、その
後、バイオラド3550−UVマイクロプレート読み取
り装置を用いて各ウェルの405nmでの吸収を測定し
た。
【0121】このアッセーの有効性を確認するために、
HNEの既知のリガンド、ICI200355を0.0
1−10μMの範囲の濃度でこのアッセーに含めた。図
4に示したように、リガンドの存在はプレートへの抗体
結合の抑制をもたらした。これは反応混合物中の免疫反
応性HNEレベルの増加を示している。
【0122】C)高処理量スクリーニングの結果:上記
のように蛋白分解およびELISAによる検出を用い
て、HNEとの相互反応について3600の化合物がス
クリーニングされた(図5)。これらのうち、24種
が、20μM濃度でアッセーしたとき50%またはそれ
より高い程度でプロテイナーゼKによるHNEの蛋白分
解を抑制した(陽性ヒット化合物)。さらに別の6化合
物が、20μMでテストしたとき少なくとも2倍蛋白分
解の程度を高めることが分かった(陰性ヒット化合
物)。ヒット化合物の効果の濃度依存性が測定された。
ヒット化合物は、8μMの低さの濃度で最大の半分の効
果を示した。1例が図6に示されている。最大抑制は通
常(いつもではないが)ほぼ100%である。
【0123】このヒット化合物をHNEの酵素活性を抑
制する能力についてアッセーした。この結合アッセーで
認識された化合物は蛋白表面のどの場所にでも結合でき
るので、きわめて僅かな部分のみがHNEの酵素活性を
抑制するであろうと予想される。色素形成合成基質であ
るSuc−(Ala)3−pNA(Elastin ProductsC
o., オウエンスビル、ミシガン)の蛋白分解抑制物質と
して、文献の方法(J.Bieth, B. Spiess & C.G. Wermut
h, Biochemical Medicine 11:350-357(1974))にしたが
ってこの化合物を調べた。2つの陽性ヒット化合物と1
つの陰性ヒット化合物が、このアッセーでHNEの蛋白
分解活性を顕著に抑制した(図7)。
【0124】D)既知HNE抑制物質の結合活性と抑制
活性の比較:ヒト好中球エラスターゼの触媒活性に対す
る3種の非共有結合性抑制物質を、マリオンマーレルダ
ウ社(Marion Merrell Dow, Inc.、シンシナチ、オハイ
オ)から入手した。本発明の方法を用いて、一連の濃度
にわたってHNE結合活性についてこれら化合物の各々
を調べた。結合活性(IC50)は、50%まで蛋白分解
を抑制するために必要な濃度として表される。
【0125】この化合物はまた、HNEの触媒活性を抑
制する能力についても調べられた。この目的のために、
色素形成基質であるメトキシスクシニル−ala−al
a−pro−val−p−ニトロアニリド(Elastin Pr
oducts Co.)の切断をモニターした。このアッセーで
は、色素形成基質(1mM)、100nMエラスター
ゼ、1%DMSO、100mMトリス−HCl(pH
7.5)および0.5MNaClを含む100μlの反
応物が調製された。切断は、この反応混合物の405n
mでの吸収の増加を測定することによって経時的にモニ
ターされた。
【0126】HNEへの結合を反映するIC50値、HN
E触媒活性の抑制に関するIC50値、およびこれら値の
比は表3に示す。
【0127】
【表3】
【0128】これらのデータは、抑制物質の各々につい
てHNEへの結合(本発明の方法によって検出された)
とHNE触媒活性の抑制との間の緊密な相関性を示して
いる。
【0129】
【実施例11】ヒトヘモグロビンのリガンドの高処理量
スクリーニング A)放射能標識ヘモグロビンのニトロセルロース結合 0.2mgのHbSまたはHbA(シグマ)は、100
mMホウ酸ナトリウム緩衝液(pH8.5)中の125
−ボルトン−ハンター試薬1mCi(アマーシャム)と
氷上で1時間反応させて放射能標識した。標識は200
mMグリシンを含むホウ酸緩衝液を加えて停止させた。
続いて混合物を、0.25%のゼラチンを含む50mM
リン酸ナトリウム緩衝液(pH7.5)でエクセセルロ
ースGF−5カラム(Pierce)を用いてサイズによって分
画した。
【0130】結合アッセーのために、最終容量0.05
mlの反応混合物は放射能標識ヘモグロビン(2000
0CPM)、0.063mg/ml未標識ヘモグロビ
ン、0.034mg/mlウシ血清アルブミン、50m
Mトリス−HCl(pH7.5)、10mM酢酸カルシ
ウム、2.5μg/mlテルモリシン(ベーリンガーマ
ンハイム)、2.5μg/mlプロテイナーゼK(メル
ク)、10%DMSOおよびテスト化合物を含んでい
た。コントロール混合物は、テスト化合物が省略されて
いることを除き同一であった。混合物は20°Cで15
分、続いて40°Cで30分保温し、さらに氷上に静置
した。0.12mlの50mM酢酸ナトリウム緩衝液
(pH4.5)を続いて各混合物に添加した。氷上でさ
らに15分保温したあと、シュレイヒャーアンドシュエ
ルミニフォールドを用いてニトロセルロース膜シートで
サンプルをろ過した。続いて装置の各ウェルを0.2m
lの50mM酢酸ナトリウム緩衝液(pH4.5)で1
回、2.0%SDSと1.0%トリトンX−100を含
む50mMリン酸ナトリウム緩衝液(pH5.5)0.
5mlで2回洗浄した。フィルターを乾燥後、ウォラッ
クマイクロベータ装置を用いてシンチレーション計測に
よって結合した放射能を求めた。
【0131】このアッセーを有効なものにするために、
ヘモグロビンの既知のリガンドである2,3−ジホスホ
グリセレートを10-5から10-1Mの範囲の濃度で反応
混合物に含めた。図8に示したように、2,3−ジホス
ホグリセレートは、ヘモグロビンのフィルター保持を著
しく高めた。
【0132】B)ヘモグロビンのELISA定量 最終容量0.05mlの反応混合物は、0.063mg
/mlのヘモグロビン、0.034mg/mlのウシ血
清アルブミン、50mMトリス−HCl(pH7.
5)、10mM酢酸カルシウム、7.5μg/mlのテ
ルモリシン(ベーリンガーマンハイム)、7.5μg/
mlのプロテイナーゼK(メルク)、10%DMSO、
および20または200μMの濃度のテスト化合物を含
んでいた。コントロール反応は、テスト化合物が省略さ
れていることを除いて同一であった。
【0133】混合物を20°Cで15分、続いて44°
Cで30分保温し、その後氷上に静置した。続いて、2
0mM EDTAおよび1mM PMSFを含む0.1M
ホウ酸ナトリウム緩衝液0.05mlを各混合物に加え
た。氷上で10分維持した後、被覆されていない96ウ
ェルのイムロン−4プレート(Dynatech)に混合物を移
した。続いてプレートを4°Cで一晩維持し、蛋白をプ
レートに結合させた。プレートをTBSTで十分に洗浄
し、0.1mlのウサギ抗ヒトヘモグロビン抗体(Calb
iochem)0.1ml(1:500希釈)を各ウェルに加
えた。プレートは室温で1時間保温し、その後十分にT
BSTで洗浄した。次に、5%無脂肪ドライミルクを含
むTBSTで1:1000に希釈したアルカリフォスフ
ァターゼ共役ヤギ抗ウサギIgG抗体(Calbiochem)を
各ウェルに加え、さらにプレートを室温で1−2時間保
温した。その後、プレートをTBSTで十分に洗浄し、
最後にトゥイーンを含まないTBSTで洗浄した。1X
ジエタノールアミン基質緩衝液(Pierce)中のp−ニト
ロフェニルフォスフェート(0.5mg/ml)をml
につき0.1ml各ウェルに加えた。発色するまでプレ
ートを室温で保温し、各ウェルの405nmにおける吸
収を、バイオラド3550−UVミクロプレート読み取
り装置を用いて測定した。
【0134】このアッセーの有効性を確認するために、
ヘモグロビンの既知リガンドである2,3−ジホスホグ
リセレートをこの反応に含めた。図9に示したように、
この化合物は免疫反応性ヘモグロビン検出を高めた。
【0135】C)高処理量スクリーニングの結果 上記のように蛋白分解とELISAによる検出を用い
て、4000種の化合物がHbSとの相互反応について
スクリーニングされた。これらのうち、23種が20μ
Mの濃度で調べたとき、20%またはそれ以上の程度ま
で蛋白分解を抑制することが分かった(陽性ヒット化合
物)。
【0136】ヒット化合物の作用の濃度依存性を測定し
た。ヒット化合物は、2.0μMの範囲の低濃度で最大
効果の半分を示した(例えば図11参照)。
【0137】
【実施例12】ヒトMet−ヘモグロビンSのリガンド
の高処理量スクリーニング 下記に述べる実験例は、ヘモグロビンSへのテストリガ
ンドの結合を調べるために実施された。これらの実験で
は、ヘモグロビンSは、その酸化形、met−ヘモグロ
ビン(met−HbS)として含まれ、ここでヘム鉄は
Fe3+の状態である。
【0138】反応混合物(最終容量50μl)は、0.
32mg/mlのヘモグロビンS、50mMトリス−H
Cl(pH7.5)、50mM NaCl、0.4mM
フェリシアン化カリウム、40μg/mlプロテイナー
ゼK、10%DMSO、および20μMの濃度のテスト
化合物を含んでいた。コントロール反応は、テスト化合
物が省略されているという点を除き、同一であった。プ
ロテイナーゼK(0.2μl)及びDMSO(5μl)
またはDMSO及びテスト化合物(5μl)の上記反応
混合物への添加の前に、ヘモグロビンS、トリス−HC
l、NaClおよびフェリシアン化カリウムの混合物
(容量44.8μl)を氷上で60分維持し、ヘム鉄を
酸化させた。続いて全混合物を20°Cで10分、2
8.3°Cで30分保温し、続いて氷上に静置した。そ
の後、10mM EDTAおよび1.0mM PMSFを
含む50mMホウ酸ナトリウム緩衝液(pH8.5)1
50μlを各混合物に加えた。氷上で10分維持した
後、水で4倍に希釈したバイオラド(BioRad、商
標)蛋白アッセー試薬160μlを含むマイクロプレー
トのウェルにこの混合物40μlを加えた。混合した
後、585nmの吸収を各ウェルについて測定した。
【0139】1日3000から7000アッセーの速度
で約40000の小分子をこの態様でスクリーニングし
た。これらのうち、108の化合物が、20μMの濃度
で存在するとき15から100%の間でmet−HbS
の蛋白分解を抑制することが分かった。
【0140】これら" 陽性ヒット”化合物がまた色素形
成ペプチド基質、スクシニル−Ala−Ala−Ala
−p−ニトロアニリドの蛋白分解をも抑制するか否かを
決定するためにテストした。これらの化合物のうち、5
1の化合物が色素形成ペプチドの加水分解速度を少なく
とも2倍減少させた。このことはHbSに対するそれら
の作用は非特異的、すなわちHbSへの結合によるより
もむしろプロテアーゼの抑制によるものであることを示
している。
【0141】残りの57化合物を、met−HbSの可
視吸収スペクトルに対するそれらの作用についてそれぞ
れ調べた。これは、見かけの結合がシアン化物またはア
ジ化物イオンによる汚染を反映しているものを識別する
ために実施された。シアン化物およびアジ化物テストの
両方が、本発明のアッセーを用いて陽性であった。これ
は、おそらく各々がmet−HbSの第二鉄原子と高い
親和性で結合し、したがってmet−HbS安定性を実
質的に高めるという事実によるのであろう。これらのイ
オンのHbSへの結合はまた、その可視吸収スペクトル
の特徴的変化をもたらす。これらの化合物はまた、上記
で用いたアッセー条件下でmet−HbSの凝集を誘発
する能力について調べられた。これは、595nmでの
HbS溶液の光散乱における変化を測定することによっ
てモニターされた。
【0142】3化合物は実質的な凝集を引き起し、他の
23化合物は特徴的なスペクトルの変化を生じた。31
の化合物は、シアン化物またはアジ化物の汚染を示唆す
る可能性のある凝集もスペクトルのシフトも生じなかっ
た。これらの化合物は、本発明の方法によって規定され
るようにHbSのリガンドに相当する。
【0143】
【実施例13】HbS重合抑制におけるHbSリガンド
の活性 上記の実施例12で述べたようにヘモグロビンS(Hb
S)のリガンドとして識別された化合物を、HbSのイ
ンビトロ重合に影響を与えるそれらの能力についてC
SAT法を用いて調べた。この方法では、HbSの平衡溶
解度(CSAT)に対する異なる薬剤の効果が、ヘモグロ
ビンのゲル化を測定することによって評価された。
【0144】A.方法 1)HbSの精製:HbSは、鎌状細胞形質について同
型接合の個人の血液から精製された。血液は、凝血を防
止するためにヘパリン試験管またはEDTA試験管に採
集された。COで平衡化させた冷燐酸緩衝食塩水で赤血
球を洗浄し、CO平衡化水で溶解させた。溶解物を、C
O平衡化0.05M燐酸緩衝液(pH7.0)中でセフ
ァデックスG−25カラム(ファルマシア)で脱塩し、
ヘモグロビン濃度を15%(g/dl)四量体に調整し
た。
【0145】DEAEセファデックスからのpH勾配に
よる溶出を用いたさらなる精製を、異種接合体またはヒ
ドロキシウレア処置を受けた個人(これはHbFの産生
をもたらす)からのサンプルについて用いた。
【0146】四量体濃度は以下の式を用いて算出した:
C%(g/dl)=64500×0.25×0.000
01×f×吸収/ε=1.61×250×吸収/ε、 ここで、f=希釈因子(通常250)、 ε=吸光係数:ε(HbCO、570nm)=14.
2; ε(HbCO、540nm)=14.3; ε(HbCO、560nm)=12.1; ε(HbCO、630nm)=0.20; ε(MetHb、570nm)=3.63; ε(MetHb、540nm)=5.96; ε(MetHb、560nm)=3.72; ε(MetHb、630nm)=3.88。
【0147】使用前に、HbSCOの15%(g/d
l)溶液を2時間酸化し、その後、酸化の程度を分光光
度計でモニターした(ε(HbO2、577nm)=1
4.6;ε(HbCO、541nm)=13.8)。続
いてアミコンコーン(Amicon cone)またはセントリコン
(CENTRICON)(0°C、3500rpm、1.5時間)
による濃縮を用いて、酸化溶液を35%(g/dl)の
濃度にした。
【0148】2)ゲル化アッセー:反応混合物は、25
0μlHbSO2(35%g/dl)および、緩衝液、
コントロール化合物(L−PheもしくはTrp)また
はテストリガンドのいずれかを含んでいた。混合物を氷
上で10分保温し、その後、窒素浄化燐酸緩衝液(pH
8.5)中の0.9Mの亜二チオン酸ナトリウム冷溶液
10μlを加え、混合物を氷上でさらに10分保温し、
オキシ−HbSをデオキシ−HbSに変換した。続いて
反応混合物を30°Cで保温し、HbSをゲル化させ
た。
【0149】その後、反応混合物をベックマンSW55
Tiローターで30°C、65分、35000rpmで
遠心した。各混合物の上清を複数サンプリングし、ドラ
ブキン(Drabkins)溶液(シグマケミカル、セントルイ
ス、ミズーリ)で1:200に希釈して、540nmで
希釈混合物の吸収を測定した。上清のHbS濃度を次の
式にしたがって算出した:HbS濃度=1.61×20
0×540nmの吸収/11=29.32×吸収。
【0150】溶解度プロフィルは、x軸としてテストリ
ガンドの濃度(mM)およびy軸としてCSAT(上清中
のHbS濃度(g/dl))を用いてプロットされた。
(リガンド0mMでのCSATは約16−18%であるは
ずである。)続いて、各プロットの勾配(dy/dx
g/dl M)が、コントロール化合物(L−Pheお
よびTrp)に対する各勾配の比と同様に得られた。こ
の勾配は、ゲル化抑制におけるモル濃度有効性と正比例
する。
【0151】B.結果:本発明の方法を用いて識別され
た23化合物のうち、19化合物が、HbSゲル化抑制
で検出可能な活性を示した。図12及び図13は、その
構造とこれら化合物の市販源を示し、Trpと比較した
それらの活性を示している。これら化合物のうちの13
種は、Trpのそれと少なくとも等しい抗ゲル化活性を
示した。
【0152】例えば、亜鉛−バシトラシン(図12では
ST56と呼ぶ)は、HbS重合の抑制についてL−T
rpより5倍有効である。亜鉛−バシトラシンのリガン
ド結合特性を解明するために、バシトラシンと塩化亜鉛
(ZnCl2)を、実施例12で述べたヘモグロビンS
結合アッセーで個々に調べた(図14)。亜鉛をもたな
いバシトラシンは不活性であり、一方、単独ZnCl2
は亜鉛−バシトラシンのそれと同等な活性を有してい
た。したがって、Zn++はヘモグロビンのリガンドで、
亜鉛を含まないバシトラシンはそうではない。亜鉛−バ
シトラシン複合体はそれ自体ヘモグロビンのリガンドで
あるかもしれないし、また、その活性は、もっぱら複合
体からのZn++の遊離に起因するのかもしれない。
【0153】残りの8種の化合物で活性が無いのは、少
なくとも部分的には、ゲル化に必要なミリモル濃度での
限られた溶解度に起因するのかもしれないと、理論によ
って拘束されることを望むことなしに考えることができ
る。
【0154】要約すれば、本発明の方法で40000種
のテストリガンドの中から明瞭な数のHbSリガンドを
首尾よく識別することができた。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は、濃度が増加するアセタゾルアミドが存
在するとき、またはアセタゾルアミドが存在しないとき
の蛋白分解後の炭酸脱水素酵素のSDS−ポリアクリル
アミドゲル電気泳動像を示す。
【図2】図2は、カビの抽出物の存在下、非存在下にお
ける1.0mMのアセタゾルアミドの存在下、非存在下
での蛋白分解後の炭酸脱水素酵素のSDS−ポリアクリ
ルアミドゲル電気泳動像を示す。
【図3】図3は、濃度が増加するエラスタチナルが存在
するとき、またはエラスタチナルが存在しないときの蛋
白分解後のニトロセルロースフィルターへの放射能標識
ヒト好中球エラスターゼの結合の定量を表すグラフを示
す。
【図4】図4は、濃度が増加するICI200355が
存在する場合の蛋白分解後のヒト好中球エラスターゼを
検出するELISAによる定量を表すグラフを示す。
【図5】図5は、ヒト好中球エラスターゼへの結合につ
いてテストされたテストリガンドのデータの分布を表す
グラフを示す。
【図6】図6は、ヒト好中球エラスターゼのリガンドの
定量を表すグラフを示す。
【図7】図7は、ヒト好中球エラスターゼの酵素活性を
抑制する能力についての5種のリガンドの定量を表すグ
ラフを示す。
【図8】図8は、濃度が増加する2,3−ジホスホグリ
セレートが存在する場合の蛋白分解後のヒトヘモグロビ
ンを検出するELISAによる定量を表すグラフを示
す。
【図9】図9は、濃度が増加する2,3−ジホスホグリ
セレートが存在するとき、または存在しないときの蛋白
分解後のニトロセルロースフィルターへのヒトヘモグロ
ビンの結合の定量を表すグラフを示す。
【図10】図10は、ヒトヘモグロビンSへの結合につ
いてテストされたテストリガンドの結合データの分布を
表すグラフを示す。
【図11】図11は、ヒトヘモグロビンのリガンドの定
量を表すグラフを示す。
【図12】図12は、ヒトヘモグロビンS(HbS)の
リガンドであることが識別された化合物の構造、及びト
リプトファン(Trp)と比較したそれらのHbSゲル
化抑制活性を示す。
【図13】図13は、ヒトヘモグロビンS(HbS)の
リガンドであることが識別された化合物の構造、及びト
リプトファン(Trp)と比較したそれらのHbSゲル
化抑制活性を示す。
【図14】図14は、亜鉛−バシトラシン(Bac
Z)、亜鉛非含有バシトラシン(Bac)、亜鉛非含有
バシトラシン(等モル濃度のZnCl2が添加されてい
る、Bac+Z)、ZnCl2、および亜鉛−バシトラ
シン(過剰モル濃度のEDTAが添加されている、Ba
cZ+EDTA)のヒトヘモグロビンに対するリガンド
結合活性を表すグラフを示す。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 FI // A61K 38/16 G01N 33/53 Z 38/43 A61K 37/14 G01N 33/53 37/48 (56)参考文献 特開 平6−294798(JP,A) 特表 平6−503948(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) G01N 33/15 G01N 33/68

Claims (77)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 下記(a)−(g)の工程を含む、予め
    定められた標的蛋白に結合するリガンドを識別する迅速
    で大規模なスクリーニングのための方法: (a)標的蛋白に結合することが不明の複数の化合物を
    テストリガンドとして選択し、 (b)当該テストリガンドの各々および標的蛋白を保温
    してテスト組み合わせを作製し、 (c)テストリガンドの非存在下で標的蛋白を保温して
    コントロール組み合わせを作製し、 (d)テストおよびコントロール組み合わせを処理し
    て、コントロール組み合わせ中の標的蛋白を測定可能な
    程度に展開させ、 (e)テスト組み合わせおよびコントロール組み合わせ
    において標的蛋白が重畳状態、展開状態、または両方の
    状態となる程度を決定し、 (f)テスト組み合わせおよびコントロール組み合わせ
    の間で工程(e)で得られた決定を比較し、このとき、
    コントロール組み合わせよりもテスト組み合わせでもっ
    と高い程度の重畳状態で標的蛋白が存在する場合、テス
    トリガンドは標的蛋白に結合するリガンドであり、さら
    に (g)標的蛋白に結合するリガンドが識別されるまで、
    当該複数のテストリガンドを用いて工程(b)−(f)
    を繰り返す。
  2. 【請求項2】 工程(e)で標的蛋白が重畳状態、展開
    状態、または両方の状態となる程度の決定が、蛋白分
    解、抗体結合、表面結合、分子シャペロン結合、固定リ
    ガンドへの弁別的結合および凝集蛋白の弁別的形成から
    成る群から選ばれる方法によって実施される請求項1の
    方法。
  3. 【請求項3】 該決定工程が以下の(i)および(i
    i)の工程を含む請求項2の方法: (i)標的蛋白、各々の当該テストリガンド、および優
    先的に展開状態の標的蛋白を分解する1つまたは2つ以
    上のプロテアーゼを保温し、それによって展開状態の標
    的蛋白を優先的に分解し、さらに (ii)分解された標的蛋白部分または無傷の状態で残
    存する標的蛋白部分を測定し、このとき、テスト組み合
    わせ中に無傷の状態で残存する標的蛋白部分がコントロ
    ール組み合わせより多い場合、このテストリガンドは該
    標的蛋白に結合するリガンドである。
  4. 【請求項4】 該決定工程が以下の(i)−(iii)
    の工程を含む請求項2の方法: (i)標的蛋白および各々の当該テストリガンドを組み
    合わせ、 (ii)優先的に展開標的蛋白と結合する表面に該標的
    蛋白と該テストリガンドの混合物を曝し、それによって
    展開標的蛋白を該表面に結合させ、 さらに (iii)該表面に結合した標的蛋白部分または残存す
    る未結合標的蛋白部分を決定し、このとき、未結合のま
    まで残存する標的蛋白部分がコントロール組み合わせよ
    りテスト組み合わせで多い場合、このテストリガンドは
    該標的蛋白に結合するリガンドである。
  5. 【請求項5】 該決定工程が以下の(i)および(i
    i)の工程を含む請求項2の方法: (i)標的蛋白の既知リガンドが固定されている表面で
    標的蛋白および各々の当該テストリガンドを組み合わ
    せ、さらに (ii)該表面に結合した標的蛋白部分または残存する
    未結合標的蛋白部分を決定し、このとき、表面に結合し
    た標的蛋白部分がコントロール組み合わせよりテスト組
    み合わせで多い場合、このテストリガンドは該標的蛋白
    に結合するリガンドである。
  6. 【請求項6】 該決定工程が、標的蛋白の重畳形と展開
    形とを区別する抗体を用いることを含む請求項2の方
    法。
  7. 【請求項7】 該決定工程がさらに以下の工程(i)−
    (iii)を含む請求項6に記載の方法: (i)展開状態の標的蛋白または該標的蛋白のペプチド
    フラグメントで表面を被覆し、 (ii)該標的蛋白および各々の当該テストリガンドの
    両方の存在下で標的蛋白の展開状態に対して誘導された
    抗体を保温し、さらに (iii)該表面に結合した抗体量または表面に未結合
    のまま残存する抗体量を決定する.
  8. 【請求項8】 該決定工程が以下の(i)−(iii)
    の工程を含む請求項6に記載の方法: (i)該標的蛋白の変性状態に対して誘導された特異抗
    体で表面を被覆し、 (ii)当該テストリガンドの各々の存在下で該表面上
    で該標的蛋白を保温し、 (iii)該表面に結合した、または未結合のままの標
    的蛋白部分を決定する。
  9. 【請求項9】 該決定工程が以下の(i)−(iii)
    の工程を含む請求項6に記載の方法: (i)該標的蛋白の変性状態にのみ結合することができ
    る抗体で表面を被覆し、 (ii)当該テストリガンドの各々と該標的蛋白の天然
    の状態にのみ対して誘導された抗体との存在下で該標的
    蛋白を保温し、さらに (iii)該表面に結合した標的蛋白、または未結合の
    ままの標的蛋白の存在を決定する。
  10. 【請求項10】 該決定工程が以下の(i)−(ii
    i)の工程を含む請求項6に記載の方法: (i)該標的蛋白の天然の状態に結合することができる
    抗体で表面を被覆し、(ii)当該テストリガンドの各
    々と該標的蛋白の変性状態に対して誘導された抗体との
    存在下で該標的蛋白を保温し、さらに (iii)該表面に結合した標的蛋白、または未結合の
    ままの標的蛋白の存在を決定する。
  11. 【請求項11】 該決定工程が以下の(i)−(ii
    i)の工程を含む請求項6に記載の方法: (i)該標的蛋白の変性状態に結合することができる抗
    体で表面を被覆し、 (ii)当該テストリガンドの各々と該標的蛋白の重畳
    状態にのみ対して誘導された抗体との存在下で該標的蛋
    白を保温し、さらに (iii)該表面に結合した標的蛋白、または未結合の
    ままの標的蛋白の存在を決定する。
  12. 【請求項12】 該決定工程が、分子シャペロン蛋白に
    結合した標的蛋白量、または分子シャペロン蛋白に未結
    合の標的蛋白量を決定することを含む請求項2の方法。
  13. 【請求項13】 該決定工程が以下の(i)−(ii
    i)の工程を含む請求項12に記載の方法: (i)分子シャペロン蛋白で表面を被覆し、 (ii)該被覆表面で該標的蛋白および各々の当該テス
    トリガンドを保温し、 (iii)該表面に結合した標的蛋白量、または未結合
    のままの標的蛋白量を決定する。
  14. 【請求項14】 該決定工程が以下の(i)−(ii
    i)の工程を含む請求項12に記載の方法: (i)変性状態の標的蛋白で表面を被覆し、 (ii)当該テストリガンドの各々および分子シャペロ
    ン蛋白の存在下で該被覆表面上で該標的蛋白の精製形を
    保温し、 (iii)該表面に未結合のままの分子シャペロン蛋白
    量、または結合分子シャペロン蛋白量を決定する。
  15. 【請求項15】 該決定工程が以下の(i)−(ii
    i)の工程を含む請求項12に記載の方法: (i)重畳標的蛋白に結合することができる抗血清で表
    面を被覆し、 (ii)分子シャペロンおよび各々の当該テストリガン
    ドの存在下で該被覆表面上で該標的蛋白を保温し、 (iii)該表面に結合した標的蛋白量、または未結合
    のままの標的蛋白量を決定する。
  16. 【請求項16】 該決定工程が、(i)凝集蛋白量の測
    定、および(ii)可溶性蛋白量の測定および凝集蛋白
    の形成速度の測定から成る群から選ばれる方法を用いて
    凝集蛋白の弁別的形成を決定することを含む請求項2の
    方法。
  17. 【請求項17】 下記(a)−(f)の工程を含む、予
    め定められた標的蛋白に結合するリガンドを識別する迅
    速で大規模なスクリーニングのための方法: (a)標的蛋白に結合することが不明の複数の化合物を
    テストリガンドとして選択し、 (b)当該テストリガンドの各々および標的蛋白を、標
    的蛋白が測定可能な程度まで展開する適切な条件下で保
    温し、それによってテスト組み合わせを作製し、 (c)工程(b)のように、ただしテストリガンドの非
    存在下で標的蛋白を保温してコントロール組み合わせを
    作製し、 (d)テスト組み合わせおよびコントロール組み合わせ
    において標的蛋白が重畳状態、展開状態、または両方の
    状態となる程度を決定し、 (e)テスト組み合わせおよびコントロール組み合わせ
    の間で工程(d)で得られた決定を比較し、このとき、
    標的蛋白が、コントロール組み合わせよりもテスト組み
    合わせにおいてもっと高い程度で重畳状態で存在する場
    合、テストリガンドは標的蛋白に結合するリガンドであ
    り、さらに (f)標的蛋白に結合するリガンドが識別されるまで、
    当該複数のテストリガンドを用いて工程(b)−(e)
    を繰り返す。
  18. 【請求項18】 下記(a)−(g)の工程を含む、予
    め定められた標的蛋白に結合するリガンドを識別する方
    法: (a)標的蛋白に結合することが不明の複数の化合物を
    テストリガンドとして選択し、 (b)当該テストリガンドの各々および標的蛋白を保温
    してテスト組み合わせを作製し、 (c)テストリガンドの非存在下で標的蛋白を保温して
    コントロール組み合わせを作製し、 (d)テストおよびコントロール組み合わせを処理し
    て、検出可能な標的蛋白部分を測定可能な程度に展開さ
    せ、 (e)各処理組み合わせにおいて展開状態、重畳状態、
    または両方の状態で存在している標的蛋白部分を決定
    し、 (f)テスト組み合わせおよびコントロール組み合わせ
    の間で工程(e)で得られた決定を比較し、このとき、
    標的蛋白が、テスト組み合わせにおいてもっと高い程度
    で重畳状態で存在する場合、テストリガンドは標的蛋白
    に結合するリガンドであり、さらに (g)標的蛋白に結合するリガンドが識別されるまで、
    当該複数のテストリガンドを用いて工程(b)−(f)
    を繰り返す。
  19. 【請求項19】 該リガンドが、標的蛋白の表面もしく
    は内部のアミノ酸残基または構造ドメインに結合する請
    求項18の方法。
  20. 【請求項20】 該処理工程が、温度の変更、変性用化
    合物の添加およびその組み合わせの少なくとも1つを含
    む請求項18の方法。
  21. 【請求項21】 該変性用化合物が、尿素、グアニジニ
    ウムおよびその塩、界面活性剤、並びにその組み合わせ
    から成る群から選ばれる請求項20の方法。
  22. 【請求項22】 該決定工程が、テスト組み合わせ及び
    コントロール組み合わせを、蛋白分解;抗体結合;表面
    結合;分子シャペロン結合;標的蛋白の既知リガンド、
    補助因子、基質、またはその類似体への結合;環状二色
    性分光法;紫外線分光法;蛍光分光法;熱量測定法およ
    びその組み合わせの少なくとも1つに付すことを含む請
    求項20の方法。
  23. 【請求項23】 蛋白分解が、(i)展開状態の標的蛋
    白の優先的分解をもたらす条件下で1つまたは2つ以上
    のプロテアーゼとテスト組み合わせおよびコントロール
    組み合わせとを接触させ、さらに(ii)テスト組み合
    わせおよびコントロール組み合わせで未分解のままの標
    的蛋白部分を測定する(i)および(ii)の工程を含
    み、該リガンドが、コントロール組み合わせにおける当
    該部分と比較してテスト組み合わせにおける当該部分の
    増減をもたらすいずれかのテストリガンドである請求項
    20の方法。
  24. 【請求項24】 既知リガンド、補助因子、基質または
    その類似体への当該結合が、(i)固形支持体上に既知
    リガンド、補助因子、基質またはその類似体を固定し、
    (ii)重畳状態の標的蛋白が該支持体に結合する条件
    下でテスト組み合わせおよびコントロール組み合わせに
    該固形支持体を曝し、さらに(iii)テスト組み合わ
    せおよびコントロール組み合わせにおいて支持体に結合
    した標的蛋白部分を決定するという(i)−(iii)
    の工程を含み、該リガンドが、コントロール組み合わせ
    における当該部分と比較してテスト組み合わせにおける
    当該部分の増減をもたらすいずれかのテストリガンドで
    ある請求項22の方法。
  25. 【請求項25】 標的蛋白と結合するリガンドを識別す
    る方法であって、(i)標的蛋白に結合することが不明
    の複数の化合物をテストリガンドとして選択し、(i
    i)当該テストリガンドの各々を標的蛋白と保温してテ
    スト組み合わせを作製し、(iii)テストリガンドの
    非存在下で標的蛋白を保温してコントロール組み合わせ
    を作製し、(iv)テストおよびコントロール組み合わ
    せを上昇させた温度に付し、それによって当該標的蛋白
    の検出可能部分を展開状態で存在させ、(v)展開状態
    の標的蛋白を優先的に分解する条件下で1つまたは2つ
    以上のプロテアーゼとテスト組み合わせおよびコントロ
    ール組み合わせを保温し、さらに(vi)テスト組み合
    わせおよびコントロール組み合わせで未分解のままであ
    る蛋白部分を測定するという(i)−(vi)の工程を
    含み、該リガンドが、コントロール組み合わせにおける
    当該部分と比較してテスト組み合わせにおける当該部分
    の増減をもたらすいずれかのテストリガンドである、標
    的蛋白と結合するリガンドを識別する方法。
  26. 【請求項26】 該蛋白が、炭酸脱水素酵素、ヒト好中
    球エラスターゼ、ヒトヘモグロビン、ジヒドロ葉酸還元
    酵素、およびHIVRev蛋白から成る群から選ばれる
    請求項25の方法。
  27. 【請求項27】 該プロテアーゼが、プロテイナーゼ
    K、テルモリシン、およびその組み合わせから成る群か
    ら選ばれる請求項25の方法。
  28. 【請求項28】 該決定工程が、テスト組み合わせおよ
    びコントロール組み合わせを変性ポリアクリルアミドゲ
    ル電気泳動に付すことを含む請求項25の方法。
  29. 【請求項29】 ヒト好中球エラスターゼと結合するリ
    ガンドを識別する方法であって、(i)標的蛋白に結合
    することが不明の複数の化合物をテストリガンドとして
    選択し、(ii)テストリガンドの存在下でエラスター
    ゼを保温してテスト組み合わせを作製し、さらに、テス
    トリガンドの非存在下でエラスターゼを保温してコント
    ロール組み合わせを作製し、(iii)テストおよびコ
    ントロール組み合わせを上昇させた温度の条件下でプロ
    テイナーゼKおよびテルモリシンで処理し、(iv)テ
    スト組み合わせおよびコントロール組み合わせで未分解
    のままのエラスターゼ部分を測定するという(i)−
    (iv)の工程を含み、該リガンドが、コントロール組
    み合わせにおける当該部分と比較してテスト組み合わせ
    における当該部分の増減をもたらすいずれかのテストリ
    ガンドである、ヒト好中球エラスターゼと結合するリガ
    ンドを識別する方法。
  30. 【請求項30】 下記(a)−(e)の工程を含む、標
    的蛋白のリガンドを識別する方法: (a)標的蛋白に結合することが不明の複数の化合物を
    テストリガンドとして選択し、 (b)該標的蛋白が重畳状態と展開状態との間を往復す
    るために適切で、さらに該標的蛋白がそのリガンドに結
    合するために適切な条件下で、当該テストリガンドの各
    々および標的蛋白を保温して、それによってテスト組み
    合わせを作製し、 (c)該標的蛋白が、テスト組み合わせおよびコントロ
    ール組み合わせで重畳状態、展開状態または両方の状態
    となる程度を決定し、 (d)テスト組み合わせおよびコントロール組み合わせ
    の間で工程(c)で得られた決定を比較し、このとき、
    標的蛋白が、コントロール組み合わせよりもテスト組み
    合わせにおいてもっと高い程度で重畳状態で存在する場
    合、テストリガンドは標的蛋白に結合するリガンドであ
    り、さらに (e)標的蛋白に結合するリガンドが識別されるまで、
    当該複数のテストリガンドを用いて工程(b)−(d)
    を繰り返す。
  31. 【請求項31】 工程(b)および工程(c)で、標的
    蛋白が重畳状態、展開状態または両方の状態となる程度
    の決定が、蛋白分解、抗体結合、表面結合、分子シャペ
    ロン結合、固定リガンドへの弁別的結合から成る群から
    選ばれる方法によって実施される請求項30の方法。
  32. 【請求項32】 工程(b)で標的蛋白が重畳状態、展
    開状態または両方の状態となる程度、および工程(c)
    で該標的蛋白が対応する状態になる程度が蛋白分解によ
    って決定され、かつ以下の(i)および(ii)の工程
    を含む請求項31の方法: (i)標的蛋白、テストリガンド、および展開状態の標
    的蛋白を優先的に分解する1つまたは2つ以上のプロテ
    アーゼを保温し、これによって、展開状態の標的蛋白が
    優先的に分解され、さらに(ii)分解された標的蛋白
    部分または無傷の状態のままの標的蛋白部分を測定し、
    このとき、無傷の状態のままの標的蛋白部分がコントロ
    ール組み合わせよりテスト組み合わせで多い場合、この
    テストリガンドは該標的蛋白のリガンドである。
  33. 【請求項33】 下記(a)−(e)の工程を含む標的
    蛋白のリガンドを識別する方法: (a)標的蛋白に結合することが不明の複数の化合物を
    テストリガンドとして選択し、 (b)該標的蛋白が適切な程度に不可逆的に展開するた
    めに適切で、さらに該標的蛋白のそのリガンドへの結合
    に適切な条件下で、当該テストリガンドの各々および標
    的蛋白を保温して、それによってテスト組み合わせを作
    製し、 (c)テスト組み合わせおよびコントロール組み合わせ
    において標的蛋白が重畳状態、展開状態、または両方の
    状態となる程度を決定し、 (d)テスト組み合わせおよびコントロール組み合わせ
    の間で工程(c)で得られた決定を比較し、このとき、
    標的蛋白が、コントロール組み合わせよりもテスト組み
    合わせにおいてもっと高い程度で重畳状態で存在する場
    合、テストリガンドは標的蛋白のリガンドであり、さら
    に (e)標的蛋白に結合するリガンドが識別されるまで、
    当該複数のテストリガンドを用いて工程(b)−(d)
    を繰り返す。
  34. 【請求項34】 工程(b)および工程(c)で、標的
    蛋白が重畳状態、展開状態または両方の状態となる程度
    の決定が、蛋白分解、抗体結合、表面結合、分子シャペ
    ロン結合、固定リガンドへの弁別的結合、および凝集蛋
    白の弁別的形成から成る群から選ばれる方法によって実
    施される請求項33の方法。
  35. 【請求項35】 工程(b)で標的蛋白が重畳状態、展
    開状態または両方の状態となる程度、および工程(c)
    で該標的蛋白が対応する状態になる程度が、蛋白分解に
    よって決定され、さらに以下の(i)および(ii)の
    工程を含む請求項33の方法: (i)標的蛋白、テストリガンド、および展開状態の標
    的蛋白を優先的に分解する1つまたは2つ以上のプロテ
    アーゼを保温し、これによって、展開状態の標的蛋白が
    優先的に分解され、さらに (ii)分解された標的蛋白部分または無傷の状態のま
    まの標的蛋白部分を測定し、このとき、無傷の状態のま
    まの標的蛋白部分がコントロール組み合わせよりテスト
    組み合わせで多い場合、このテストリガンドは該標的蛋
    白のリガンドである。
  36. 【請求項36】 下記(a)−(f)の工程を含む、予
    め決定された標的蛋白に結合するリガンドを識別する迅
    速で大規模なスクリーニングのための方法: (a)標的蛋白に結合することが不明の複数の化合物を
    テストリガンドとして選択し、 (b)該標的蛋白を適切な程度に展開させるために適切
    な条件で当該テストリガンドの各々および標的蛋白を保
    温し、それによってテスト組み合わせを作製し、 (c)工程(b)のように、ただしテストリガンドの非
    存在下で標的蛋白を保温してコントロール組み合わせを
    作製し、 (d)該標的蛋白が、テスト組み合わせおよびコントロ
    ール組み合わせで重畳状態、展開状態または両方の状態
    となる程度を決定し、 (e)テスト組み合わせおよびコントロール組み合わせ
    の間で工程(d)で得られた決定を比較し、このとき、
    標的蛋白が、コントロール組み合わせよりもテスト組み
    合わせにおいてもっと高い程度またはもっと低い程度で
    重畳状態で存在する場合、テストリガンドは標的蛋白に
    結合するリガンドであり、さらに (f)標的蛋白に結合する少なくとも1つのリガンドが
    識別されるまで、 当該複数のテストリガンドを用いて工程(b)−(e)
    を繰り返す。
  37. 【請求項37】 工程(d)で、標的蛋白が重畳状態、
    展開状態または両方の状態となる程度を決定すること
    が、蛋白分解、抗体結合、表面結合、分子シャペロン結
    合、固定リガンドへの弁別的結合、および凝集蛋白の弁
    別的形成から成る群から選ばれる方法によって実施され
    る請求項36の方法。
  38. 【請求項38】 該決定工程が以下の(i)および(i
    i)の工程を含む請求項37の方法: (i)標的蛋白、テストリガンドの各々、および展開状
    態の標的蛋白を優先的に分解する1つまたは2つ以上の
    プロテアーゼを保温し、これによって、展開状態の標的
    蛋白が優先的に分解され、さらに (ii)分解された標的蛋白部分または無傷の状態のま
    まの標的蛋白部分を測定し、このとき、テスト組み合わ
    せ中の無傷の状態のままの標的蛋白が、コントロール組
    み合わせよりもっと多いまたはもっと少ない場合、テス
    トリガンドは標的蛋白に結合するリガンドである。
  39. 【請求項39】 該決定工程が以下の(i)−(ii
    i)の工程を含む請求項37の方法: (i)標的蛋白および当該テストリガンドの各々を組み
    合わせ、 (ii)該標的蛋白とテストリガンドの混合物を、展開
    標的蛋白が優先的に結合する表面に曝し、それによって
    展開標的蛋白を該表面に結合させ、 さらに (iii)該表面に結合した標的蛋白部分または未結合
    のままの標的蛋白部分を決定し、このとき、未結合のま
    まの標的蛋白部分が、コントロール組み合わせよりテス
    ト組み合わせでもっと多いかもっと少ない場合、該テス
    トリガンドは、該標的蛋白に結合するリガンドである。
  40. 【請求項40】 該決定工程が以下の(i)および(i
    i)の工程を含む請求項37の方法: (i)標的蛋白および当該テストリガンドの各々を、該
    標的蛋白の既知リガンドが固定されている表面で組み合
    わせ、さらに (ii)該表面に結合した標的蛋白部分または未結合の
    ままの標的蛋白部分を決定し、このとき、表面に結合し
    た標的蛋白部分が、コントロール組み合わせよりテスト
    組み合わせでもっと多いかもっと少ない場合、該テスト
    リガンドは、該標的蛋白に結合するリガンドである。
  41. 【請求項41】 該決定工程が、標的蛋白の重畳形と展
    開形とを区別する抗体を用いることを含む請求項37の
    方法。
  42. 【請求項42】 該決定工程がさらに以下の(i)−
    (iii)の工程を含む請求項41の方法: (i)展開状態の標的蛋白または該標的蛋白のペプチド
    フラグメントで表面を被覆し、 (ii)標的蛋白の展開状態に対して誘導された抗体を
    該標的蛋白および各々の当該テストリガンドの両方の存
    在下で保温し、さらに (iii)該表面に結合した、または未結合のままの抗
    体量を決定する。
  43. 【請求項43】 該決定工程が以下の(i)−(ii
    i)の工程を含む請求項41の方法: (i)該標的蛋白の変性状態に対して誘導された特異抗
    体で表面を被覆し、 (ii)当該テストリガンドの各々の存在下で該表面上
    で標的蛋白を保温し、さらに (iii)該表面に結合した、または未結合のままの標
    的蛋白部分を決定する。
  44. 【請求項44】 該決定工程が以下の(i)−(ii
    i)の工程を含む請求項41の方法: (i)該標的蛋白の変性状態にのみ結合することができ
    る抗体で表面を被覆し、 (ii)当該テストリガンドの各々と天然の状態の標的
    蛋白にのみ対して誘導された抗体との存在下で標的蛋白
    を保温し、さらに (iii)該表面に結合した、または未結合のままの標
    的蛋白の存在を決定する。
  45. 【請求項45】 該決定工程が以下の(i)−(ii
    i)の工程を含む請求項41の方法: (i)該標的蛋白の天然の状態に結合することができる
    抗体で表面を被覆し、 (ii)当該テストリガンドの各々と変性状態の標的蛋
    白に対して誘導された抗体との存在下で標的蛋白を保温
    し、さらに (iii)該表面に結合した、または未結合のままの標
    的蛋白の存在を決定する。
  46. 【請求項46】 該決定工程が以下の(i)−(ii
    i)の工程を含む請求項41の方法: (i)該標的蛋白の変性状態に結合することができる抗
    体で表面を被覆し、 (ii)当該テストリガンドの各々と重畳状態の標的蛋
    白にのみ対して誘導された抗体との存在下で標的蛋白を
    保温し、さらに (iii)該表面に結合した、または未結合のままの標
    的蛋白の存在を決定する。
  47. 【請求項47】 該決定工程が、分子シャペロン蛋白に
    結合する標的蛋白量、または分子シャペロン蛋白に結合
    しない標的蛋白量を決定することを含む請求項37の方
    法。
  48. 【請求項48】 該決定工程がさらに以下の(i)−
    (iii)の工程を含む請求項47の方法: (i)分子シャペロン蛋白で表面を被覆し、 (ii)標的蛋白および各々の当該テストリガンドを該
    被覆プレート上で保温し、さらに (iii)該表面に結合した、または未結合のままの標
    的蛋白量を決定する。
  49. 【請求項49】 該決定工程が以下の(i)−(ii
    i)の工程を含む請求項47の方法: (i)変性状態の該標的蛋白で表面を被覆し、 (ii)当該テストリガンドの各々および分子シャペロ
    ン蛋白の存在下で該表面上で標的蛋白の精製形を保温
    し、さらに (iii)該表面に結合した、または未結合のままの分
    子シャペロン蛋白量を決定する。
  50. 【請求項50】 該決定工程が以下の(i)−(ii
    i)の工程を含む請求項37の方法: (i)重畳標的蛋白に結合することができる抗血清で表
    面を被覆し、 (ii)分子シャペロンおよび各々の当該テストリガン
    ドの存在下で該表面上で標的蛋白を保温し、さらに (iii)該表面に結合した、または未結合のままの標
    的蛋白量を決定する。
  51. 【請求項51】 該決定工程が、(i)凝集蛋白量の測
    定、および(ii)可溶性蛋白量の測定と凝集蛋白形成
    速度の測定から成る群から選ばれる方法を用いて、凝集
    蛋白の弁別的形成を決定することを含む請求項37の方
    法。
  52. 【請求項52】 下記(a)−(f)の工程を含む、ヒ
    トヘモグロビンSに結合するリガンドを識別する高処理
    量スクリーニングのための方法: (a)当該ヘモグロビンに結合することが不明の複数の
    化合物をテストリガンドとして選択し、 (b)当該ヘモグロビンを適切な程度に展開させるため
    に適切な条件で当該テストリガンドの各々および当該ヘ
    モグロビンを保温し、それによってテスト組み合わせを
    作製し、 (c)工程(b)のように、ただしテストリガンドの非
    存在下で当該ヘモグロビンを保温してコントロール組み
    合わせを作製し、 (d)当該ヘモグロビンが、テスト組み合わせおよびコ
    ントロール組み合わせで重畳状態、展開状態または両方
    の状態となる程度を決定し、 (e)テスト組み合わせおよびコントロール組み合わせ
    の間で工程(d)で得られた決定を比較し、このとき、
    当該ヘモグロビンが、コントロール組み合わせよりもテ
    スト組み合わせにおいてもっと高い程度またはもっと低
    い程度で重畳状態で存在する場合、テストリガンドは標
    的蛋白に結合するリガンドであり、さらに (f)当該ヘモグロビンに結合する少なくとも1つのリ
    ガンドが識別されるまで、当該複数のテストリガンドを
    用いて工程(b)−(e)を繰り返す。
  53. 【請求項53】 下記(a)−(f)の工程を含む、ヒ
    ト好中球エラスターゼに結合するリガンドを識別する高
    処理量スクリーニングのための方法: (a)当該エラスターゼに結合することが不明の複数の
    化合物をテストリガンドとして選択し、 (b)当該エラスターゼを適切な程度に展開させるため
    に適切な条件で当該テストリガンドの各々および当該エ
    ラスターゼを保温し、それによってテスト組み合わせを
    作製し、 (c)工程(b)のように、ただしテストリガンドの非
    存在下で当該エラスターゼを保温してコントロール組み
    合わせを作製し、 (d)当該エラスターゼが、テスト組み合わせおよびコ
    ントロール組み合わせで重畳状態、展開状態または両方
    の状態となる程度を決定し、ここで当該決定工程が、展
    開状態の当該エラスターゼを優先的に分解する条件下で
    該テスト組み合わせおよび該コントロール組み合わせを
    プロテイナーゼKとともに保温し、さらに分解された当
    該エラスターゼ部分または無傷の状態のままの当該エラ
    スターゼ部分を測定することを含み、 (e)テスト組み合わせおよびコントロール組み合わせ
    の間で工程(d)で得られた決定を比較し、このとき、
    当該エラスターゼが、コントロール組み合わせよりもテ
    スト組み合わせにおいてもっと高い程度またはもっと低
    い程度で無傷の状態で存在する場合、テストリガンドは
    標的蛋白に結合するリガンドであり、さらに (f)当該エラスターゼに結合する少なくとも1つのリ
    ガンドが識別されるまで、当該複数のテストリガンドを
    用いて工程(b)−(e)を繰り返す。
  54. 【請求項54】 下記(a)−(g)の工程を含む、新
    規な薬剤の開発に使用する候補化合物を識別するための
    方法: (a)標的蛋白を選択し; (b)標的蛋白に結合することが知られていない複数の
    化合物をテストリガントとして選択し; (c)それぞれのテストリガンド及び標的蛋白を、適切
    な標的蛋白のための展開条件下で組み合わせてテスト組
    み合わせを作成し; (d)テストリガンドの非存在下で、標的蚕白に適切な
    展開条件を適用してコントロール組み合わせを作成し; (e)テスト組み合わせ及びコントロール組み合わせに
    おいて、当該標的蛋白が重畳状態、展開状態又は両方の
    状態となる程度を決定し; (f)テスト及びコントロール組み合わせにおいてなさ
    れた決定を比較し; (g)工程(b)−(f)を、数千のテストリガンドに
    ついて、高処理量スクリーニング手順において、工程
    (f)における比較が、標的蛋白に結合する少なくとも
    1つのリガンドが示されることにより、少なくとも1つ
    の候補化合物を識別するまで繰り返す。
  55. 【請求項55】 前記展開条件が、前記標的蛋白を測定
    可能な程度に変性させる請求項54記載の方法。
  56. 【請求項56】 前記展開条件が、前記テスト及びコン
    トロール組み合わせを上昇させた温度で処理することを
    含む請求項55記載の方法。
  57. 【請求項57】 前記上昇させた温度が、少なくとも部
    分的に標的蛋白を変性させるのに十分である請求項56
    記載の方法。
  58. 【請求項58】 前記上昇させた温度が、標的蛋白を完
    全に変性させるのに十分である請求項56記載の方法。
  59. 【請求項59】 前記標的蚕白の生化学的機能が未知で
    ある請求項58記載の方法。
  60. 【請求項60】 前記標的蛋白が、疾患の病因に関係す
    るポリペプチド又は蛋白を含む請求項58記載の方法。
  61. 【請求項61】 前記展開条件を、総テストリガンドの
    0.1%から1%が候補化合物として識別されるよう調
    節することを含む請求項56記載の方法。
  62. 【請求項62】 前記決定の工程が、物理化学的手法を
    含む請求項54記載の方法。
  63. 【請求項63】 工程(e)が、前記標的蛋白の蛋白分
    解、前記標的蛋白への抗体結合、前記標的蚕白の表面結
    合、前記標的蛋白への分子シャペロン結合、固定リガン
    ドへの前記標的蛋白の弁別的結合、蛍光法、及び凝集標
    的蛋白の弁別的形成からなる群より選択される方法であ
    る請求項62記載の方法。
  64. 【請求項64】 下記(a)−(f)の工程を含む、複
    数のテストリガンドをスクリーニングし、所定の標的蚕
    白に結合する少なくとも1つのテストリガンドを識別す
    る方法: (a)標的蛋白に結合することが知られていない複数の
    化合物をテストリガンドとして選択し; (b)それぞれの前記テストリガンド及び標的蛋白を、
    標的蛋白が測定可能な程度に展開するのに適切な条件下
    で処理し、テスト組み合わせを作成し; (c)標的蛋白を、工程(b)と同一であるがテストリ
    ガンドの存在しな い条件下で処理してコントロール組み
    合わせを作成し; (d)テスト組み合わせ及びコントロール組み合わせに
    おいて標的蛋白が重畳状態、展開状態、又は両方の状態
    となる程度を決定し; (e)工程(d)における決定を評価して、コントロー
    ル組み合わせにおいてよりももっと大きい又は少ない程
    度に標的蛋白が重畳されるテスト組み合わせを識別し、
    それにより前記識別されたテスト組み合わせ中のテスト
    リガンドは標的蛋白に結合するリガンドとされ; (f)複数のテストリガンドについて、標的蛋白に結合
    する少なくとも1つのリガンドが識別されるまで、工程
    (b)から(e)までが高速に繰り返される。
  65. 【請求項65】 工程(b)及び(c)における前記条
    件が、前記テストリガンドの非存在下で前記標的蛋白を
    少なくとも部分的に変性させるのに十分な、上昇された
    温度を含む請求項64記載の方法。
  66. 【請求項66】 物理化学的方法を用いて、テスト組み
    合わせ及びコントロール組み合わせにおいて標的蚕白
    が、重畳、展開又は両方の状態となる程度を決定するこ
    とを含む請求項65記載の方法。
  67. 【請求項67】 前記物理化学的方法が、熱量測定法、
    環状二色法、 紫外線分光法及び蛍光分光法からなる群より選択される
    請求項66記載の方法。
  68. 【請求項68】 前記物理化学的方法が、前記標的蛋白
    の蛋白分解、 前記標的蚕白への抗体結合、前記標的蛋白の表面結合、
    前記標的蚕白への分子シヤペロン結合、固定リガンドへ
    の前記標的蛋白の弁別的結合、蛍光法、及び凝集標的蛋
    白の弁別的形成を含む請求項66記載の方法。
  69. 【請求項69】 下記(a)−(h)の工程を含む、薬
    剤としての開発可能性について、少なくとも1つの導入
    化合物を、数千のテストリガンドから識別する高処理量
    の方法: (a)標的蛋白に結合することが知られていない複数の
    化合物をテストリガンドとして選択し; (b)少なくとも1つのテストリガンドを標的蛋白と共
    にテストウエル に置き; (c)別のテストウエルに、テストリガンドの非存在下
    で標的蛋白を置き; (d)標的蛋白を含む前記別のテストウエルを、コント
    ロール組み合わせにおいて、変性条件に曝し; (e)テストリガンド及び標的蛋白を含むテストウエル
    のそれぞれを、 複数のテスト組み合わせにおいて、前記別のテストウエ
    ルと同じ変性条件に曝し; (f)テスト組み合わせ及びコントロール組み合わせの
    それぞれにおいて、標的蚕白が変性状態となる程度を決
    定し; (g)工程(f)における決定を比較し、標的蛋白が、
    コントロール組み合わせにおいてよりもっと多い又は少
    ない程度に、非変性状態で存在するテスト組み合わせを
    識別し; (h)少なくとも1つの識別されたテスト組み合わせに
    おいて少なくとも1つのテストリガンドを選択する。
  70. 【請求項70】 前記決定工程が、物理化学的方法を含
    む請求項69記載の方法。
  71. 【請求項71】 前記物理化学的方法が、前記標的蚕白
    の蛋白分解、 前記標的蛋白への抗体結合、前記標的蛋白の表面結合、
    前記標的蛋白への分子シヤペロン結合、固定リガンドヘ
    の前記標的蛋白の弁別的結合、蛍光法、及び凝集標的蚕
    白の弁別的形成からなる群より選択される請求項70記
    載の方法。
  72. 【請求項72】 下記(a)−(f)の工程を含む、化
    学的化合物を高速にスクリーニングし、薬剤学的有効性
    の可能性を有する少なくとも1つの化合物を識別する方
    法: (a)テストリガンドとして、標的蚕白(ここで標的蛋
    白は疾患の病因に関係するものであり、前記標的蚕白の
    生化学的機能は知られている必要はない)に結合するこ
    とが知られていないものを含む、千より多い化学的化合
    物を選択し; (b)それぞれのテストリガンドと標的蛋白とを組み合
    わせて複数のテスト組み合わせを作成し; (c)テストリガンド非存在下で、標的蚕白を少なくと
    も部分的に変性させるのに十分な条件に標的蚕白を曝す
    ことによりコントロール組み合わせを作成し; (d)前記複数のテスト組み合わせのそれぞれを、工程
    (c)と同一の条件に曝し; (e)コントロール組み合わせにおいてよりもっと多い
    又は少ない程度に変性された状態で標的蛋白が存在す
    る、少なくとも1つのテスト組み合わせを識別し; (f)前記識別されたテスト組み合わせから少なくとも
    1つの識別されたテストリガンドを選択する。
  73. 【請求項73】 前記識別する工程が、物理化学的方法
    を含む請求項72記載の方法。
  74. 【請求項74】 前記物理化学的方法が、前記標的蛋白
    の蛋白分解、 前記標的蛋白への酵素結合、前記標的蛋白の表面結合、
    前記標的蚕白への分子シヤペロン結合、前記標的蛋白の
    固定リガンドへの弁別的結合、蛍光法及び凝集蛋白の弁
    別的形成からなる群より選択されるものを含む請求項7
    3記載の方法。
  75. 【請求項75】 前記物理化学的方法が、熱量測定法、
    環状二色法、紫外線分光法及び蛍光分光法からなる群よ
    り選択される請求項73記載の方法。
  76. 【請求項76】 前記変性条件が上昇された温度を含む
    請求項72記載の方法。
  77. 【請求項77】 前記工程(f)において、テスト組み
    合わせにおいて標的蛋白が、コントロール組み合わせに
    おいてよりもっと多い又は少ない程度に重畳状態となっ
    た場合、そのテストリガンドは前記標的蛋白に結合し、
    前記テストリガンドが候補化合物とされる請求項54記
    載の方法。
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