JP4493125B2 - 相互作用するタンパク質の検出方法 - Google Patents

相互作用するタンパク質の検出方法 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、あるタンパク質と相互作用するタンパク質を検出する方法、及びこの方法を利用して、多種類のタンパク質からなるタンパク質群の中に含まれるタンパク質の中から、他の複数のタンパク質からなるタンパク質群中のいずれかのタンパク質と相互作用をし得るタンパク質を検出する方法に関する。さらに本発明は、ある物質、例えば、ある種の化合物がタンパク質間の相互作用に影響を与えるタンパク質対をスクリーニングする方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
これまで、ある種のタンパク質が他のある種のタンパク質と相互作用することはよく知られている。タンパク質間の相互作用は、ある種の生理活性の発現とも密接に関連しており、ある種のタンパク質がどのような生理活性を有するかの指標にもなる。そのため、新規なタンパク質が見出された場合、このタンパク質がどのようなタンパク質と相互作用をするかは、このタンパク質がどのような生理活性を有するかを知るための大きなヒントとなり得る。
【0003】
これまでによく知られている、タンパク質とタンパク質との相互作用を解析する方法としては、免疫共沈法、ファージディスプレイ法、酵母のトゥーハイブリッドシステムなどがある。免疫共沈法は、あるタンパク質Aに対する抗体(抗A)を準備し、抗Aを作用させたときに抗原Aとともに共沈してくるタンパク質Bを特定するもので、昔からよく行われてきた方法である。ファージディスプレイ法(たとえば、Clackson, T. and Wells , J. A. Trends Biotechnol., 12 (1994) 173-184)は各種外来遺伝子断片を、ファージのコートタンパク質遺伝子に挿入し、コートタンパク質との融合タンパク質として発現させるファージライブラリーを用いるものである。タンパク質Aを用いてタンパク質Bを発現しているファージを検出すれば、Bの遺伝子が特定できる。この方法は、タンパク質Aとしてその抗体を用いればAの遺伝子を特定することもできる。また、ランダムに変異を入れた遺伝子ライブラリーを用いれば、特定のタンパク質と作用し得る変異体タンパク質の遺伝子を単離同定し得る。酵母のトゥーハイブリッドシステム(Fields, S.ら、Trends Genet.10 (1994) 286-292)とは、遺伝子ライブラリーの発現系において、あるタンパク質Aが別のタンパク質Bと作用したとき、用いたレポーター遺伝子の転写が活性化されるようにデザインされたものである。転写の活性化にはDNA結合ドメイン(DB)と転写活性化ドメイン(TA)の2つの機能ドメインが用いられ、各々のドメインをもつ遺伝子発現融合タンパク質の中で転写を活性化するもの(例えばDBとタンパク質Aとの融合タンパク質がTAとタンパク質Bとの融合タンパク質と会合したとき)をスクリーニングする方法である。また、最近ではレーザー光を用いた表面プラズモン共鳴方式によるタンパク質ータンパク質相互作用の解析法も開発されている。
【0004】
また、従来、タンパク質−タンパク質相互作用に影響を与えるような化合物、例えば、タンパク質間の相互作用を阻害する、あるいは促進する化合物のスクリーニングは、タンパク質間の相互作用が明確に特定されたタンパク質対についておこなわれてきた。この場合、数多くの化合物を含む化合物ライブラリーから、上記タンパク質対に影響を与える化合物をスクリーニングする。
【0005】
【発明が解決しょうとする課題】
ヒトやマウスなどの遺伝子の種類は6万とも10万とも云われているが、現在までにわかっている遺伝子の数はまだ1万程度であり、全体からみるとわずかである。近年、ヒトゲノムプロジェクトなどの進展もあり、新たに単離され、配列が特定される遺伝子の数は年毎に増加してきており、今後ますます増加してくるものと思われる。しかしながら、単離され、配列が特定されても、その機能は、多くの場合、未知である。将来、すべての遺伝子が特定されると予測されているので、膨大な数に登る全遺伝子を対象として、配列が特定された各遺伝子の機能をシステマティックかつ迅速に解析できる方法の出現が待望されている。
本発明者は、各遺伝子によりコードされたアミノ酸配列を有するタンパク質が、既存あるいは新規なタンパク質との間で相互作用を有するか否かを調べることで、遺伝子の機能解析がある程度可能であると考えた。
【0006】
タンパク質とタンパク質との相互作用を解析する方法としては、上述のように、免疫共沈法、ファージディスプレイ法、酵母のトゥーハイブリッドシステム、表面プラズモン共鳴方式などがよく知られている。しかしながら、免疫共沈法は個々の遺伝子産物(タンパク質)に対する抗体が必須であり、すべての遺伝子に対応した抗体を準備することは実現性に乏しく、また抗体の特異性も問題となる。ファージディスプレイ法や酵母のトゥーハイブリッドシステムでは、融合タンパク質として所定の遺伝子を発現させるためにはフレームの制約があり、またフレームが合ったとしても所定の遺伝子が完全なタンパク質として翻訳されるわけでもない。ファージへのパッケージングには挿入すべきDNAサイズに制限があり、また酵母のトゥーハイブリッドシステムでは酵母へのDNAトランスフォメーションを行う必要があるなど、多くの試料をシステマティックに解析するには不便な点が多い。表面プラズモン共鳴方式については、それぞれのタンパク質を精製する必要があり、これもまた量産化の解析には不向きである。
このように、新規なタンパク質を含む多量のタンパク質間の相互作用を検出し、相互作用を有するタンパク質を選別することは、既存の方法では不可能であった。
【0007】
また、上記のように、タンパク質間の相互作用が明確に特定されたタンパク質対について、数多くの化合物を含む化合物ライブラリーから、上記タンパク質対に影響を与える化合物をスクリーニングする方法は知られているが、逆に、ある種の化合物等が、影響を与えるタンパク質対を、相当数存在すると考えられる相互作用の結果形成されるタンパク質対の中からスクリーニングする方法は知られていない。
【0008】
そこで本発明の目的は、新規なタンパク質を含む多量のタンパク質間の相互作用を容易、かつ迅速に検出できる方法を提供することにある。
本発明の目的は、すべての遺伝子が単離された場合でも、それらの遺伝子産物(タンパク質)間で相互作用するものを簡単に効率よくシステマティックに検出でき、タンパク質の機能の類推に有用な方法を提供することである。
さらに本発明の目的は、ある種の化合物等が影響を与えるタンパク質対を複数のタンパク質対の中からスクリーニングする方法を提供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】
本発明は、無細胞タンパク質合成法により合成した検出用標識を有するタンパク質と無細胞タンパク質合成法により合成した分離用修飾を有するタンパク質とを混合し、タンパク質間の相互作用により形成されたタンパク質対を、前記分離用修飾を利用して、タンパク質対を形成していない検出用標識を有するタンパク質から分離し、かつ前記検出用標識を利用して識別することを特徴とする、相互作用するタンパク質の検出方法(以下、第1の検出方法という)に関する。
さらに本発明は、無細胞タンパク質合成法により、検出用標識を有するタンパク質と分離用修飾を有するタンパク質とを同一の系内で合成し、タンパク質間の相互作用により形成されたタンパク質対を、前記分離用修飾を利用して、タンパク質対を形成していない検出用標識を有するタンパク質から分離し、かつ前記検出用標識を利用して識別することを特徴とする、相互作用するタンパク質の検出方法(以下、第2の検出方法という)に関する。
さらに本発明は、無細胞タンパク質合成法により合成したタンパク質をドットした基板を用意し、無細胞タンパク質合成法により合成した検出用標識を有するタンパク質を、前記タンパク質をドットした基板と接触させ、タンパク質間の相互作用によりドットしたタンパク質との間で形成されたタンパク質対を、前記検出用標識を利用して識別することを特徴とする、相互作用するタンパク質の検出方法(以下、第3の検出方法という)に関する。
【0010】
さらに本発明は、無細胞タンパク質合成法により合成した検出用標識を有するタンパク質と無細胞タンパク質合成法により合成した分離用修飾を有するタンパク質とを少なくとも1種の物質の存在下に混合し、タンパク質間の相互作用により形成されたタンパク質対を、前記分離用修飾を利用して、タンパク質対を形成していない検出用標識を有するタンパク質から分離し、かつ前記検出用標識を利用して識別する工程(1−1)、
タンパク質の混合を前記物質の不存在下に行う以外は工程(1−1)と同様の工程(1−2)、及び
工程(1−1)及び工程(1−2)で識別されたタンパク質対を対比することにより、前記物質がタンパク質間の相互作用に影響を与えるタンパク質対を検索する工程(1−3)
を含む前記物質がタンパク質間の相互作用に影響を与えるタンパク質対をスクリーニングする方法(以下、第1のスクリーニング方法という)に関する。
また本発明は、無細胞タンパク質合成法により、検出用標識を有するタンパク質と分離用修飾を有するタンパク質とを同一の系内で合成し、合成後に、少なくとも1種の物質を合成系に添加し、該物質の存在下にタンパク質間の相互作用により形成されたタンパク質対を、前記分離用修飾を利用して、タンパク質対を形成していない検出用標識を有するタンパク質から分離し、かつ前記検出用標識を利用して識別する工程(2−1)、
タンパク質の合成後に前記物質を添加しない以外は工程(2−1)と同様の工程(2−2)、及び
工程(2−1)及び工程(2−2)で識別されたタンパク質対を対比することにより、前記物質がタンパク質間の相互作用に影響を与えるタンパク質対を検索する工程(2−3)
を含む前記物質がタンパク質間の相互作用に影響を与えるタンパク質対をスクリーニングする方法(以下、第2のスクリーニング方法という)に関する。
さらに本発明は、無細胞タンパク質合成法により合成したタンパク質をドットした基板を用意し、無細胞タンパク質合成法により合成した検出用標識を有するタンパク質を、前記タンパク質をドットした基板と少なくとも1種の物質の存在下に接触させ、タンパク質間の相互作用によりドットしたタンパク質との間で形成されたタンパク質対を、前記検出用標識を利用して識別する工程(3−1)、検出用標識を有するタンパク質と基板との接触を前記物質の不存在下に行う以外は工程(3−1)と同様の工程(3−2)、及び
工程(3−1)及び工程(3−2)で識別されたタンパク質対を対比することにより、前記物質がタンパク質間の相互作用に影響を与えるタンパク質対を検索する工程(3−3)
を含む前記物質がタンパク質間の相互作用に影響を与えるタンパク質対をスクリーニングする方法(以下、第3のスクリーニング方法という)に関する。
【0011】
本発明を完成させるためには、留意すべき5つのポイントがあった。その第1は、如何にして数多くのタンパク質を準備できるか、という点である。第2は、如何にして所定のタンパク質を検出用に標識するか、という点である。第3は、如何にして所定のタンパク質を単離用に修飾するか、という点である。第4は、多試料が同時に処理できるシステム化が可能か、という点である。第5は、ある特定の化合物等が影響を与えるタンパク質間の相互作用のスクリーニングが可能か、という点である。
以下、これらの点も含めて、本発明を詳細に説明する。
【0012】
【発明の実施の形態】
本発明の第1〜3の検出方法では、検出用標識を有するタンパク質と分離用修飾を有するタンパク質と無細胞タンパク質合成法により合成する。
無細胞タンパク質合成法は、よく知られた方法であり、無細胞タンパク質合成用のキットも市販されている。市販のキットとしては、プロメガ社製In vitro translationシステムを挙げることができる。本発明ではこのようなキットを使用することができる。
また、無細胞タンパク質合成法によるタンパク質の合成の出発原料は、DNAまたはRNAのいずれであってもよい。但し、DNAを出発原料とする場合、DNAの転写生成物であるRNAがタンパク質合成の鋳型となる。
例えば、無細胞系を用いて、cDNAをmRNAに転写し、更にはmRNAをタンパク質に翻訳することが可能となってきた。cDNAにRNAポリメラーゼ用のプロモーターをつけ、生成したmRNAを無細胞タンパク質合成系でタンパク質に翻訳するものである。RNAポリメラーゼとしてはT7、T3、SP6のようなファージのRNAポリメラーゼが簡便でよく用いられるが、これに限るものでもない。また、無細胞タンパク質合成系としてはウサギ網状赤血球ライゼートや小麦胚ライゼートなどがよく用いられるが、これに限るものでもない。転写と翻訳については同時に行うことが都合がよいが、別々に行ってもよい。例えば、転写と翻訳が同時に行えるキットが市販されている(プロメガ社で”TNT Lysate Coupled Transcription/Translation”という名前のキットが発売されている)。実際の生体内では、生合成されたタンパク質は、プロセシング、糖鎖の付加等、様々な修飾を受ける場合がある。これらの翻訳後修飾や受容体のようにより高次の構造等が必要な場合には、ミクロゾーム分画や膜分画等を加えてもよい。
【0013】
無細胞タンパク質合成法により合成されるタンパク質の種類は一種類でも多種類でもよい。鋳型として1種類のDNAまたはRNAを用いることにより、1種類のタンパク質を合成でき、鋳型として2種類以上のDNAまたはRNAを用いることにより、2種類以上のタンパク質を合成することができる。
遺伝子としての全長鎖cDNAを多数含む全長鎖cDNAライブラリーを用い、これを鋳型として無細胞タンパク質合成法によりタンパク質を合成することで、多種類のタンパク質を含む試料を準備することができる。既に本発明者らは、全長鎖cDNAライブラリーを効率よく作成する基本的技術(Carninciら:Genomics 37 (1996) 327-336、Carninciら:DNA Res. 4 (1997) 61-66)、更には多数のDNAクローンの塩基配列を同時に解析できる装置(RISA)の開発(384本マルチキャピラリーシークエンシングシステムの開発:第21回日本分子生物学年会抄録1Pー570(1998年12月横浜))を行い、その結果発明者らは、すでに様々な組織からいくつかの全長鎖cDNAライブラリーを作成し、重複の少ないカタログ化大規模ライブラリーの作成に成功している(理研ホームページで公開:http://genome.rtc.riken.go.jp/)。現在その種類は既に約2万種類に及んでおり、日々その数は更新されつつある。
【0014】
検出用標識及び分離用修飾の導入は、具体的には、タンパク質合成の際に、アミノ酸混合物(但し、後述の検出用標識及び/又は分離用修飾を有するアミノ酸に対応するアミノ酸を除く場合もある)に、検出用標識及び/又は分離用修飾を有するアミノ酸を加えた物を用いることで、検出用標識及び/又は分離用修飾を有するタンパク質を合成することができる。あるいは、検出用標識及び/又は分離用修飾を有するアミノ酸の代わりに、検出用標識及び/又は分離用修飾を有するアミノアシルtRNA誘導体を用いることでも、タンパク質の検出用標識及び/又は分離用修飾を行うことができる。アミノアシルtRNA誘導体としては、リジルtRNA誘導体を挙げることができる。また、検出用標識及び/又は分離用修飾を有するアミノ酸の代わりに、検出用標識及び/又は分離用修飾を有するピューロマイシン誘導体を用いることでも、タンパク質の検出用標識及び/又は分離用修飾を行うことができる。
【0015】
検出用標識を有するタンパク質に導入する検出用標識としては、例えば蛍光物質、化学発光物質、放射性同位元素及び安定同位元素のいずれであってもよい。
所定のタンパク質の検出用標識は、既に述べた無細胞転写翻訳系に、標識用のアミノ酸を添加すれば可能である。標識用のアミノ酸としては、[35S]メチオニン、[35S]システイン、[3H]ロイシン、[14C]ロイシンというような放射性標識のものでも、化学発光標識や蛍光標識でも、また安定同位元素を用いた標識でも、各々検出するに適した測定法を用いればいずれを用いても問題はない。放射性標識されたアミノ酸は、市販されており、市販品を入手することができる。また、アミノアシルtRNAのアミノ酸として標識したアミノ酸誘導体を用いることもできる。例えば、蛍光化リジルtRNAとして、NBD標識のリジルtRNAが知られている(Crowley, K. S. et al. Cell 73 (1993) 1101-1115)。これらも、市販されており、市販品を入手することができる。アミノ酸の誘導体となる標識としては、蛍光以外に化学発光、安定同位元素などを用いることができる。最近、無細胞系のタンパク質合成系にある特定の条件でピューロマイシン誘導体(Pur)を添加すると、生成するタンパク質のC末端にPurが入るとの報告がされた(柳川弘志他「タンパク質のC末端蛍光ラベル化」第20回(平9年)日本分子生物学会年会抄録3.501.P505、宮本悦子他「ピューロマイシンおよびその類縁体のストップコドン部位特異的な全長蛋白への連結」第20回(平9年)日本分子生物学会年会抄録3.501.P508)。従って本法により、無細胞系で合成されるタンパク質のC末端が実際に標識されるならば、様々なmRNAを鋳型として生成される標識全長タンパク質を得ることも可能である。
【0016】
また、分離用修飾を有するタンパク質に導入す分離用修飾としては、例えば固相化用の修飾を挙げることができ、さらに、分離用修飾としては、例えばビオチン化、アビジン化またはストレプトアビジン化を挙げることができる。分離用修飾として磁性微粒子を用いることもできる。
所定のタンパク質の分離用修飾は、既に述べた無細胞転写翻訳系を用いて、タンパク質がビオチンのようなもので標識されれば、固相化したアビジンまたはストレプトアビジンを用いて、容易にタンパク質を回収できる。このようなタンパク質ビオチン化試薬としてはビオチン化したアミノ酸を結合したtRNAを準備すればよい。例えば、リジンをビオチン化するには、既にビオチン化リジンーtRNAが市販されており、使用できる。また、前述したピューロマイシン誘導体としてビオチン化したピューロマイシンを合成し使用することもできる。
【0017】
本発明の第1の検出方法では、検出用標識を有するタンパク質と分離用修飾を有するタンパク質とは、異なる系で合成しこれを混合する。
本発明の第2の検出方法では、検出用標識を有するタンパク質と分離用修飾を有するタンパク質とは、同一の反応系で合成する。検出用標識を有するタンパク質と分離用修飾を有するタンパク質との同一の反応系での合成は、例えば、検出用標識を有するアミノ酸と分離用修飾を有するアミノ酸を反応系に混在させることで、行うことができる。
第1の検出方法では、混合後、タンパク質の相互作用が生じる。また、第2の検出方法では、タンパク質の合成とタンパク質の相互作用とが並行して行われる。但し、この場合、例えば、ピューロマイシン誘導体等を用い、検出用標識と分離用修飾とが同一のタンパク質に導入されないようにする。タンパク質の相互作用によるタンパク質対の形成の条件は、例えば以下のとおりである。
【0018】
まず、分離用修飾したタンパク質(たとえばビオチン化タンパク質)と検出用標識したタンパク質(たとえば35Metなどで標識したタンパク質)とを混合し相互作用させる。両タンパク質の混合の割合は、基本的には1:1でよい。タンパク質の合成にキットを利用するような場合には、例えば、2.5μl(タンパク量として7.5〜15ngに相当)ずつを混合する。この場合、添加する液量やタンパク量に特に制限はないが、多種類のタンパク質を一度に混合する場合には、1種類あたりのタンパク量は、最小限、例えば、0.75〜1.5ngであり、上限としては特に制限はない。しかし、検出に必要なタンパク質量は、検出用標識の種類や検出方法に応じて適宜選択できる。タンパク質の混合とそれに続く相互作用の温度と時間については特に制限はないが、例えば、0〜42℃で30分から24時間行うことができ、好ましく4℃前後で1時間程度行う。特にキットを利用して得られたタンパク質合成反応液をそのまま使用する場合には、混合後に新たなタンパク合成が生じないように低温(例えば、4℃)で保温し、かつ相互作用を行うことが望ましい。相互作用後、分離用修飾のタンパク質を、タンパク質対を形成していない検出用標識を有するタンパク質から分離し、回収する。たとえばビオチン化タンパク質のような場合には、ストレプトアビジンのマグネットビーズを利用することができる。ビーズの添加やビーズと分離用修飾を有するタンパク質との反応は、反応液を攪拌しながら行うことが好ましい。また、分離のための温度や時間については特に制限はない。例えば、0〜42℃で15分から4時間、好ましく4℃前後の温度で約30分とすることができる。特に、キットを用いて得られたタンパク質合成反応液をそのまま使用する場合には、望ましくない新たなタンパク合成が生じないように低温(例えば、4℃)で保温し、かつ攪拌しながら行うことが望ましい。
また、非特異的な吸着を避けるために、スキムミルクのような非特異的吸着阻害物質を添加することが好ましい。上記条件では、スキムミルクを例えば、2mg程度添加すれば充分である。但し、この量は条件によって適宜変更することができる。
ビーズはマグネットで回収し、よく洗浄後シグナルを検出する。
ここで述べてきた反応条件、回収方法や検出方法は、分離用修飾や検出用標識の種類に応じて、適宜変更することができる。また、第3の検出方法における、相互作用及び分離の条件も、上記と同様とすることができる。
【0019】
相互作用により形成されたタンパク質対は、検出用標識と分離用修飾とを有することになり、まず、分離用修飾の機能を利用して、系から(タンパク質対を形成していない検出用標識を有するタンパク質から)分離する。例えば、分離用修飾がビオチン、アビジンまたはストレプトアビジンである場合、これらと親和性を有する物質を固定化した固相を用い、タンパク質対を固相に固定化することで、分離できる。この際、タンパク質対は形成していないが、分離用修飾を有するタンパク質も同時に分離される。タンパク質対を形成したタンパク質は、タンパク質対を形成していないタンパク質から、検出用標識の機能を利用して、その存在を検出することができる。即ち、タンパク質対を形成していないタンパク質は、検出用標識は有さないため、検出されず、検出用標識と分離用修飾とを有するタンパク質対のみが検出される。
尚、本発明の検出方法において、タンパク質対を形成しているサンプル(ポジティブサンプル)とタンパク質対を形成していないサンプル(ネガティブサンプル)とを差別化する場合、後述の実施例において例示するよう、偏差値を対比する統計学的手法を用いることができる。
【0020】
第3の検出方法では、無細胞タンパク質合成法により合成したタンパク質をドットした基板を用意する。具体的には、固相化用の修飾である、例えばビオチン化、アビジン化またはストレプトアビジン化等の分離用修飾を有するタンパク質を合成し、これを基板にドットする。ビオチン化、アビジン化またはストレプトアビジン化されたタンパク質を、ビオチン、アビジンまたはストレプトアビジンと親和性を有する物質を固定化した基板に接触させることで、タンパク質の基板へのドットを行うことができる。より具体的には、ビオチン標識したタンパク質をストレプトアビジンをコートした基板にドットすることができる。ストレプトアビジンをコートした基板は市販品を入手できる。あるいは、磁性ストレプトアビジン(BioMagストレプトアビジン、PerSeptive Biosystems)と磁石性の基板を用いてストレプトアビジンをコートした基板を作製することもできる。
【0021】
タンパク質をドットした基板に検出用標識を有するタンパク質を接触させ、相互作用により基板上のタンパク質とタンパク質対が形成され、このタンパク質対が有する検出用標識の機能を利用して、タンパク質を検出することができる。即ち、基板上には、ドットしたタンパク質は存在するが、タンパク質対を形成し、検出用標識を有するタンパク質のみが検出される。
【0022】
本発明の第1及び2の検出方法は、より具体的には、検出用標識を有するタンパク質が1種または2種以上のタンパク質を含むタンパク質群Aであり、分離用修飾を有するタンパク質が1種または2種以上のタンパク質を含むタンパク質群Bであり、前記タンパク質群Aに属するタンパク質aと前記タンパク質群Bに属するタンパク質bとの間で相互作用により形成されたタンパク質対(タンパク質a−タンパク質b)をタンパク質bが有する分離用修飾を利用して、タンパク質対を形成していない検出用標識を有するタンパク質から分離し、分離したタンパク質対(タンパク質a−タンパク質b)中のタンパク質aが有する標識を検出することにより、行うことができる。
検出用標識を有するタンパク質を含むタンパク質群Aは、タンパク質の種類は1種であっても2種以上であってもよい。また、分離用修飾を有するタンパク質を含むタンパク質群Bも、タンパク質の種類は1種であっても2種以上であってもよい。例えば、未知の複数のタンパク質からなるタンパク質群中に、特定のタンパク質と相互作用をするタンパク質があるかを検出する場合、例えば、タンパク質群Aとして、複数のタンパク質a1、a2、a3、a4、a5を含むタンパク質群を用い、タンパク質群Bとして、特定のタンパク質b1、1種類のみを用いることで、タンパク質b1と相互作用をして、タンパク質対、例えば(タンパク質a3-タンパク質b1)を形成するタンパク質a3を検出することができる。逆に、タンパク質群Aとして、特定のタンパク質a1、1種類のみを用い、タンパク質群Bとして、複数のタンパク質b1、b2、b3、b4、b5を含むタンパク質群を用いることで、タンパク質a1と相互作用をして、タンパク質対、例えば(タンパク質a1-タンパク質b4)を形成するするタンパク質b4を検出することができる。
【0023】
本発明の第3の検出方法は、より具体的には、検出用標識を有するタンパク質が1種または2種以上のタンパク質を含むタンパク質群Aであり、基板にドットしたタンパク質が1種または2種以上のタンパク質を含むタンパク質群Bであり、前記基板にドットされたタンパク質群Bに属するタンパク質bと前記タンパク質群Aに属するタンパク質aとの間で相互作用によりタンパク質対(タンパク質a−タンパク質b)を形成させ、前記基板上のタンパク質対(タンパク質a−タンパク質b)中のタンパク質aが有する標識を検出することにより、タンパク質群Bに含まれるタンパク質と相互作用をするタンパク質を選別する方法である。第1及び2の検出方法と同様に、検出用標識を有するタンパク質を含むタンパク質群Aは、タンパク質の種類は1種であっても2種以上であってもよい。また、基板にドットしたタンパク質を含むタンパク質群Bも、タンパク質の種類は1種であっても2種以上であってもよい。
【0024】
本発明の検出方法において、検出用標識を有するタンパク質及び/又は分離用修飾を有するタンパク質の無細胞タンパク質合成法による合成及び相互作用は、複数個並行して行うことができる。
このように複数個の試料を同時に処理できるシステムとしては、96穴とか384穴といったマルチウエルプレートを用いてタンパク質合成反応、タンパク質の相互作用、さらには相互作用により形成されたタンパク質対の分離を行うシステムを挙げることができる。例えば、本発明の第1の検出方法では、二枚のマルチウエルプレートのそれぞれで検出用標識を有するタンパク質と分離用修飾を有するタンパク質とを合成し、得られる各ウエル中のサンプルを混合し、タンパク質が有する分離用修飾を利用して相互作用したタンパク質を分離し、検出する。本発明の第3の検出方法では、DNAチップ化と同様に平板上に例えばアビジンないしはストレプトアビジンを固相化しておき、ビオチン化タンパク質のマイクロチップを作成し、利用することができる。これらはいずれもロボット化や自動化に適しており、多試料を迅速に処理できるものである。
【0025】
本発明の方法では、究極的には、約10万ともいわれる全遺伝子に対応するタンパク質を無細胞系にて合成し、タンパク質の相互作用を検出することを視野に入れている。従って、そのような場合、検出用標識を有するタンパク質及び/又は分離用修飾を有するタンパク質の無細胞タンパク質合成法による合成及び相互作用を、複数個並行して行うことが好ましい。タンパク質の合成は各遺伝子ごとに行っても、2つ以上の遺伝子をまとめて行ってもよい。但し、合成されるタンパク質は分離用に修飾されているものと、検出用に標識されているもののそれぞれが必要である。
複数個並行して行うとは、マイクロマルチウエルプレートのようなウエルを最終的には、例えば、横に10万個、縦に10万個合計10万x10万個準備して、分離用に修飾されたタンパク質を横列のウエルに10万種類ならびに検出用に標識されたタンパク質を縦列のウエルに10万種類添加し、回収した分離用タンパク質に標識シグナルが認められるものを探し出すことを意味する。このようなシステムとすることで、多数の試料についても迅速に簡便に、相互作用の検出ができる。ウエルとしてはあらかじめ10万種類の分離用タンパク質を基板上に固定したマイクロタンパク質チップのようなものを用いてもよい。ここでの「10万種類」とは例示的であり、複数個を「10万種類」に限定する意図はない。
【0026】
また、実用的には1ウエルに2つ以上のタンパク質をまとめて添加することもできる。タンパク質とタンパク質同士の相互作用としては約50万通りあると予測されており、2万通りの組み合わせに1つの割合で相互作用が検出されると期待される。96穴のマイクロウエルプレートを用いた2万通りの組合せの試験は、以下のように行うことができる。96穴のマイクロウエルプレートを1枚ずつ用いて、96種類の分離用修飾を有するタンパク質、及び検出用標識を有するタンパク質を作成する。各プレートの32ウエル分のタンパク質を1まとめ(分離用X、Y、Zの3グループと、検出用x,y,zの3グループにわける)にして、次にXx、Xy、Xz、Yx、Yy、Yz、Zx、Zy、Zzの9通りのグループで相互作用を行なわせる。1グループでは32x32=1024通りの反応の組み合わせがあり、9グループでは合計1024x9=9216、約1万種類の組合せとなる。このことは分離用、検出用にそれぞれ2枚ずつの96穴のマイクロウエルプレートを準備し、18通りのグループを用いて相互作用のための組合せを作れば、1対の相互作用をするタンパク質を検出することが理論上可能である。この仕事量としては人一人で充分実現可能な範囲である。これをさらに、自動化、ロボット化することによって、さらに多種類の試料を並行して試験することもできる。さらに、このような組合せの数を目安に、状況(検体数等)に応じて、1ウエルあたり何種類のタンパク質を混ぜ合わせるかを適宜選択することができる。
【0027】
尚、ピューロマイシン誘導体で分離用修飾ならびに検出用標識を行う場合には、1本のチューブ(合成系)で分離用修飾ならびに検出用標識を同時に行うことができることから、さらに操作は簡便となる。
【0028】
本発明の検出方法で、相互作用によりタンパク質対を形成するタンパク質を検索する方法として以下の方法を挙げることができる。
本発明の第1の検出方法においては、検出用標識を有するタンパク質及び分離用修飾を有するタンパク質の少なくとも一方として複数のタンパク質からなるタンパク質群を用いる。例えば、タンパク質間の相互作用により形成されたタンパク質対が検出された場合、前記複数のタンパク質からなるタンパク質群を少なくとも2つのサブグループに細分化する。但し、検出用標識を有するタンパク質及び分離用修飾を有するタンパク質のいずれもが複数のタンパク質からなる場合には、少なくとも2つのサブグループに細分化するのは、いずれか一方または両方のタンパク質群とする。細分化されたサブグループについて再度タンパク質の相互作用により形成されたタンパク質対の分離及び検出を行い、タンパク質対を形成するタンパク質の種類を絞り込む。例えば、検出用標識を有するタンパク質からなるタンパク質群として、10種類のタンパク質からなるタンパク質群を10種類用意し、分離用修飾を有するタンパク質からなるタンパク質群としても、10種類のタンパク質からなるタンパク質群を10種類用意する。この10×10のタンパク質群について本発明の検出方法を適用し、例えば、1つの検出用標識を有するタンパク質と分離用修飾を有するタンパク質との組合せに、タンパク質間の相互作用により形成されたタンパク質対が検出された場合、例えば、前記2つのタンパク質群をそれぞれ5つのサブグループに細分化する。各サプグループ(1つのサブグループは2種類のタンパク質からなる)(この場合5×5の組合せが有る)について再度、本発明の検出方法を適用し、タンパク質間の相互作用により形成されたタンパク質対を絞り込む。そして、絞り込まれたサブグループについて再度、細分化(今度は、1種類のタンパク質のみを含むように2×2となる)し、本発明の検出方法を適用することで、最終的に、タンパク質間の相互作用により形成されたタンパク質対に到達することができる。即ち、サブグループが単一のタンパク質を含むようになるまで、サブグループへの細分化並びにタンパク質対の分離及び検出を繰り返し行うことで、目的とするタンパク質間の相互作用により形成されたタンパク質対に到達することができる。
【0029】
本発明の第2の検出方法においては、検出用標識を有するタンパク質及び分離用修飾を有するタンパク質の少なくとも一方が複数のタンパク質からなり、かつタンパク質間の相互作用により形成されたタンパク質対が検出された場合、前記複数のタンパク質からなるタンパク質群を少なくとも2つのサブグループに細分化する。但し、検出用標識を有するタンパク質及び分離用修飾を有するタンパク質のいずれもが複数のタンパク質からなる場合には、いずれか一方または両方のタンパク質群について細分化を行う。細分化されたサブグループについて再度タンパク質の相互作用により形成されたタンパク質対の分離及び検出を行い、タンパク質対を形成するタンパク質の種類を絞り込む。サブグループへの細分化並びにタンパク質対の分離及び検出を繰り返し、サブグループが単一のタンパク質を含むようになるまで行うことができる。
【0030】
本発明の第3の検出方法においては、検出用標識を有するタンパク質及びドットしたタンパク質の少なくとも一方が複数のタンパク質からなり、かつタンパク質間の相互作用により形成されたタンパク質対が検出された場合、前記複数のタンパク質からなるタンパク質群を少なくとも2つのサブグループに細分化する。但し、検出用標識を有するタンパク質及びドットしたタンパク質のいずれもが複数のタンパク質からなる場合には、いずれか一方または両方のタンパク質群について細分化を行う。細分化されたサブグループについて再度タンパク質の相互作用により形成されたタンパク質対の分離及び検出を行い、タンパク質対を形成するタンパク質の種類を絞り込む。サブグループへの細分化並びにタンパク質対の分離及び検出を繰り返し、サブグループが単一のタンパク質を含むようになるまで行うことができる。
【0031】
本発明の上記検出方法及び後述のスクリーニング方法において、検出用標識を有するタンパク質と分離用修飾を有するタンパク質との組合せは、(1)検出用標識を有するタンパク質及び分離用修飾を有するタンパク質のいずれもが新規なタンパク質である組合せ、(2)検出用標識を有するタンパク質が新規なタンパク質で、分離用修飾を有するタンパク質は既知のタンパク質である組合、及び(3) 検出用標識を有するタンパク質が既知のタンパク質で、分離用修飾を有するタンパク質は新規なタンパク質である組合、(4) 検出用標識を有するタンパク質及び分離用修飾を有するタンパク質のいずれもが既知のタンパク質である組合、のいずれであってもよい。上記組合(1)では、未知のタンパク質の中から相互作用をするタンパク質対を見いだすことができ、組合せ(2)及び(3)では、既知のタンパク質に対して相互作用をする未知のタンパク質を見いだすことができる。さらに組合せ(4)では、例えば、分離用修飾を有するタンパク質に対して相互作用を起こすことが知られているタンパク質が、検出用標識を有するタンパク質の中に含まれているかを知ることができる。
従って、本発明の検出方法は、すべての遺伝子が単離された場合、それらの遺伝子産物(タンパク質)間で相互作用するものを簡単に効率よくシステマティックに検出でき、タンパク質の機能の類推に有用であるとともに、診断システムにも応用が可能である。
【0032】
本発明の第1のスクリーニング方法は、以下の工程(1−1)〜(1−3)を有する。
工程(1−1):無細胞タンパク質合成法により合成した検出用標識を有するタンパク質と無細胞タンパク質合成法により合成した分離用修飾を有するタンパク質とを少なくとも1種の物質の存在下に混合し、タンパク質間の相互作用により形成されたタンパク質対を、前記分離用修飾を利用して分離し、かつ前記検出用標識を利用して識別する。検出用標識を有するタンパク質及び分離用修飾を有するタンパク質の無細胞タンパク質合成法による合成、タンパク質間の相互作用により形成されたタンパク質対の分離用修飾を利用した分離、並びに検出用標識を利用したタンパク質対の識別は、いずれも、前記検出方法における方法と同様にして行うことが出来る。
【0033】
また、タンパク質の混合の際に存在させる物質は、特に制限されないが、例えば、アミノ酸、ペプチド、タンパク質、脂質、糖質及びそれらの誘導体であることができ、さらには、アミノ酸、ペプチド、タンパク質、脂質、糖質及びそれらの誘導体の複合体を挙げることができる。加えて、タンパク質の混合の際に存在させる物質は、例えば、アルカロイド類、テルペン類、補酵素類、抗生物質、エポラクタエン及びその誘導体、ベンゾフェノン誘導体、テトラアザエイコサン類、スタキボシン類、クマリン誘導体、ジピリジニウム誘導体、ヒルステン誘導体、シクロプロパン誘導体、アロサミジン誘導体、キノリン誘導体、キノカルシン及びその誘導体等の天然有機化合物並びにその誘導体であることもできる。
【0034】
さらに、タンパク質の混合の際に存在させる物質としては、漢方生薬や民間薬であることもできる。漢方生薬や民間薬は、どのような症状に効果があるかは経験的にわかっているが、その作用はあまり明確でないことでよく知られている。たとえば甘草はむくみに、大黄は過度の下痢に、麻黄は不眠症に効くといわれている。そこで、このような物質がどのようなタンパク質―タンパク質相互作用と関係しているかを、本発明の方法を用いてスクリーニングできると期待される。また、漢方生薬、民間薬を構成している成分のどれがまたはどのような組み合わせが効果に寄与しているのかも特定することができる。漢方生薬及び民間薬の例を以下に示す。
【0035】
漢方生薬の例:
阿膠、阿仙薬、甘茶、安息香、威霊仙、インチンコウ、茴香、宇金、烏頭、烏梅、烏薬、ウワウルシ、営実、延胡索、延命草、黄蓍、黄ゴン、黄柏、オウバク末、桜皮、黄連、遠志、槐花、夏枯草、柯子、何首烏、霍香、葛根、滑石、吉草根、カマラ、カロコン、カロニン、乾姜、甘草、カンゾウ末、カンダリズ、カンテン末、艾葉、莪述、桔梗、キキョウ末、菊花、キササゲ、枳実、橘皮、キナ、羌活、杏仁、金銀花、枸杞子、枸杞葉、苦参、グアヤク脂、荊芥、桂皮、決明子、牽牛子、玄参、ゲンチアナ、玄草、紅花、紅参、香附子、粳米、藁本、厚朴、コロンボ、コンズランゴ、牛膝、呉茱萸、牛旁子、五味子、柴胡、細辛、番紅花、山帰来、山査子、山梔子、山茱萸、山椒、山豆根、酸棗仁、山薬、石榴皮、紫苑、紫根、紫蘇子、シツリシ、柿蔕、芍薬、シャクヤク末、沙参、車前子、車前草、修治ブシ、縮砂、生姜、ショウズク、小麦、升麻、辛夷、地黄、地骨皮、蛇床子、十薬、石菖子、石膏、セネガ、セネガ末、センキュウ、川骨、蝉退、センナ、センナ末、当薬、センブリ末、阿膠、前胡、蒼朮、桑白皮、鮮木、鮮葉、大棗、沢瀉、大黄、ダイオウ末、大腹皮、竹茹、竹節人参、知母、丁字、釣籐鈎、猪苓、陣皮、天南星、天麻、天門冬、冬瓜子、唐辛子、当帰、トウドクカツ、桃仁、橙皮、吐根、トラガント、独活、土鼈甲、南天実、苦木、ニクヅク、人参、忍冬、蜂蜜、薄荷、浜防風、半夏、貝母、麦門冬、菱の実、百合、ビャクシ、白朮、枇杷葉、梹榔子、茯苓、附子、炮附子、防己、茅根、防風、ボクソク、牡丹皮、牡蛎、麻黄、麻子仁、蔓荊子、木通、木瓜、木香、益知、益母草、楊梅皮、ヨクイニン、ヨクイニン末、竜眼肉、竜骨、芒硝、竜胆、良薑、連翹、蓮肉、ロートコン、和羌活、ワコウホン。
【0036】
民間薬の例:
赤目柏、あららぎ、あまちゃずる、いかり草、いなご、うわうるし、裏白樫、延胡索、延命草、黄精、黄柏、黄連、甘草、葛根、夏枯草、艾葉、何首鳥、柿の葉、柿渋、桔梗、キササゲ、菊花、キラン草、金銀花、金銭草、苦参、枸杞子、枸杞葉、熊笹、桑の葉、決明子、ゲンノショウコ、紅花、五味子、牛旁子、五加皮、胡椒、虎杖根、サフラン、山帰来、山梔子、地黄、紫根、車前草、十薬、柿蒂、地骨皮、常山、女貞子、地竜、沈香、水蛭、スギナ、石こく、センナ、センブリ、石榴果皮、仙鶴草、蝉退、桑白皮、大黄、大茴香、大赭石、タラ根皮、丁字、竹葉、露草、天南星、天麻、灯心草、冬葵子、唐胡麻、党参、土瓜実、土骨皮、杜仲、南天実、南蛮毛、人参、忍冬、乳香、接骨木、敗醤根、ハコベ、ハトムギ(ヨクイニン)、はぶ草、はぶ茶、浜千舎、蕃果、菱の実、枇杷葉、彼岸花根、一ツ葉、百部根、藤瘤、亡虫、蒲公英根、マクリ、木瓜、マタタビ、木賊、桃の葉、ユズリ葉、ヨモギ(艾葉)、蘭草、竜眼肉、連銭草、蓮肉、露峰房。
【0037】
さらに、上記に例示した以外の物質(出願時に既知及び未知の物質)であっても良い。また、この物質として、2種以上の混合系を用いることで、複数の物質がタンパク質間の相互作用に与える相乗的な効果等を検知することもできる。
【0038】
工程(1−2):無細胞タンパク質合成法により合成した検出用標識を有するタンパク質と無細胞タンパク質合成法により合成した分離用修飾を有するタンパク質とを前記物質の不存在下に混合し、タンパク質間の相互作用により形成されたタンパク質対を、前記分離用修飾を利用して分離し、かつ前記検出用標識を利用して識別する。この工程は、タンパク質の混合を前記物質の不存在下に行う以外は工程(1−1)と同様に行う。
工程(1−3):工程(1−1)及び工程(1−2)で識別されたタンパク質対を対比することにより、前記物質がタンパク質間の相互作用に影響を与えるタンパク質対を検索する。例えば、試験用の物質を存在させて行った工程(1−1)において検出されたタンパク質対が、試験用の物質を存在させずに行った工程(1−2)において検出されない場合、このタンパク質対は、上記物質によりタンパク質間の相互作用が促進されたことが分かる。また、試験用の物質を存在させて行った工程(1−1)において検出されなかったタンパク質対が、試験用の物質を存在させずに行った工程(1−2)において検出された場合、このタンパク質対は、上記物質によりタンパク質間の相互作用が阻害されたことが分かる。さらに、タンパク質の混合の際に使用する試験用の物質の存在量を変化させることで、タンパク質間の相互作用がどの程度、促進または阻害されるかも測定することができる。
以上の工程(1−1)〜(1−3)により、前記物質が、どのタンパク質対のタンパク質間の相互作用に影響を与えるのかをスクリーニングすることができる。
【0039】
本発明の第2のスクリーニング方法は、以下の工程(2−1)〜(2−3)を有する。
工程(2−1):無細胞タンパク質合成法により、検出用標識を有するタンパク質と分離用修飾を有するタンパク質とを同一の系内で合成し、合成後に、少なくとも1種の物質を合成系に添加し、該物質の存在下にタンパク質間の相互作用により形成されたタンパク質対を、前記分離用修飾を利用して分離し、かつ前記検出用標識を利用して識別する。検出用標識を有するタンパク質及び分離用修飾を有するタンパク質の無細胞タンパク質合成法による合成、タンパク質間の相互作用により形成されたタンパク質対の分離用修飾を利用した分離、並びに検出用標識を利用したタンパク質対の識別は、いずれも、前記検出方法における方法と同様にして行うことが出来る。また、タンパク質の混合の際に存在させる物質としては、前記第1のスクリーニング方法と同様のものを挙げることができる。また、この物質として、2種以上の混合系を用いることで、複数の物質がタンパク質間の相互作用に与える相乗的な効果等を検知することもできる。
工程(2−2):無細胞タンパク質合成法により、検出用標識を有するタンパク質と分離用修飾を有するタンパク質とを同一の系内で合成し、前記物質の不存在下にタンパク質間の相互作用により形成されたタンパク質対を、前記分離用修飾を利用して分離し、かつ前記検出用標識を利用して識別する。この工程は、タンパク質の合成後に前記物質を添加しないで行う以外は工程(2−1)と同様の工程である。
工程(2−3):工程(2−1)及び工程(2−2)で識別されたタンパク質対を対比することにより、前記物質がタンパク質間の相互作用に影響を与えるタンパク質対を検索する。
以上の工程(2−1)〜(2−3)により、前記第1のスクリーニング方法の場合と同様に、前記物質が、どのタンパク質対のタンパク質間の相互作用に影響を与えるのかをスクリーニングすることができる。
【0040】
本発明の第3のスクリーニング方法は、以下の工程(3−1)〜(3−3)を有する。
工程(3−1):無細胞タンパク質合成法により合成したタンパク質をドットした基板を用意し、無細胞タンパク質合成法により合成した検出用標識を有するタンパク質を、前記タンパク質をドットした基板と少なくとも1種の物質の存在下に接触させ、タンパク質間の相互作用によりドットしたタンパク質との間で形成されたタンパク質対を、前記検出用標識を利用して識別する。また、タンパク質の混合の際に存在させる物質としては、前記第1のスクリーニング方法と同様のものを挙げることができる。また、この物質として、2種以上の混合系を用いることで、複数の物質がタンパク質間の相互作用に与える相乗的な効果等を検知することもできる。
工程(3−2):無細胞タンパク質合成法により合成したタンパク質をドットした基板を用意し、無細胞タンパク質合成法により合成した検出用標識を有するタンパク質を、前記タンパク質をドットした基板と前記物質の不存在下に接触させ、タンパク質間の相互作用によりドットしたタンパク質との間で形成されたタンパク質対を、前記検出用標識を利用して識別する。この工程は、検出用標識を有するタンパク質と基板との接触を前記物質の不存在下に行うこと以外は工程(3−1)と同様の工程である。
工程(3):工程(1)及び工程(2)で識別されたタンパク質対を対比することにより、前記物質がタンパク質間の相互作用に影響を与えるタンパク質対を検索する。
以上の工程(1)〜(3)により、前記第1のスクリーニング方法の場合と同様に、前記物質が、どのタンパク質対のタンパク質間の相互作用に影響を与えるのかをスクリーニングすることができる。
【0041】
免疫抑制剤として知られているサイクロスポリンAやFK506は、タンパク質フォスファターゼであるカルシノイリンの機能を阻害する。その際、サイクロスポリンAやFK506は、まずそれぞれサイクロフィリンやFKBP(FK506結合タンパク質)のようなタンパク質と複合体を形成することによって始めてカルシノイリンは結合できるようになることが分かっている(Liu, J. et al. Cell 66 (1991)807-815)。従って、サイクロスポリンAやFK506に相当するような化合物を予め準備し、これらの化合物の存在及び不存在下にタンパク質-タンパク質相互作用を行い、サイクロスポリンA等の影響を測定すれば、サイクロフィリンとカルシノイリン、あるいはFKBPとカルシノイリンのようなタンパク質間の相互作用をスクリーニングすることができる。逆に、本発明のスクリーニング方法においては、これとは逆に、不特定のタンパク質-タンパク質の中から、ある化合物が、タンパク質-タンパク質相互作用に影響を与えるタンパク質対をスクリーニングすることができる。例えば、サイクロスポリンAやFK506を用いることで、サイクロフィリンとカルシノイリン、あるいはFKBPとカルシノイリンのようなタンパク質対と同様の相互作用をするタンパク質対をスクリーニングすることができる。
【0042】
【実施例】
以下本発明を実施例によりさらに説明する。
参考例1〜2では無細胞タンパク質合成法を用いて、特定の遺伝子からタンパク質を合成し、回収・検出できることを示す。さらに実施例1においては相互作用することがよく知られているタンパク質(例えばSV40largeTとp53、またはfosとjun)が実際に本法において検出可能であることを示す。
【0043】
タンパク質作成用のプラスミドDNAとしては次のものを用意した。
1)ルシフェラーゼ発現用:プロメガ社から入手(TNT Rabbit Reticulocyte Lysate System として市販されているキットに付属)
2)SV40largeT発現用:SV40DNAは、BRL/ライフテック社から購入した。largeT遺伝子は2つのエキソンからなる。エキソン1についてはPCR法で増幅を行った。用いたプライマーは次の通りである。SV40F:5'-CCGGAATTCATGGATAAAGTTTTAAACAGAGAG、SV40R:AGTTCCATAGGTTGGAATCTCAGTTGCATCCCAGAAG。次にEcoRI部位(開始コードATGの5'側)とVan91I部位で挟まれた断片を切り出す。エキソン2はVan91I部位とBamHI部位(終止コドンTGAの3'側)で挟まれた断片を切り出す。エキソン1、2の3'端ならびに5'端はVan91I部位であるので、2つの断片をそのままpBluescriptに挿入しクローニングして、SV40largeT発現用プラスミドを得た。
3)p53発現用:理研クローン18B10009002MrをPCRで増幅し用いた。使用したプライマーはFP53:T7Kozak:Reverse=1:50:50である。各配列は次のようなものである。FP53:5'-GCCAATTGCCGCCACCATGACTGCCATGGAGGAGTCAC、T7Kozak:5'-GAGCGCGCGTAATACGACTCACTATAGGGCCAATTGCCGCCACCATG、Reverse:P8。
4)fos発現用:理研クローン16B00000M11BaをPCRで増幅し用いた。
使用したプライマーはFJun:T7Kozak:Reverse=1:50:50である。FJunの配列は次の通り:5'-GCCAATTGCCGCCACCATGATGTTCTCGGGTTTCAACG。
5)jun発現用:理研クローン28B10417F14Mrの5'UTR部分約1000bを削除したもの用いた。
【0044】
参考例1
遺伝子からのタンパク質合成(35S-Met標識)
無細胞タンパク質合成キット(プロメガ社キット)を用いて行う。実験条件はつぎの通りである。
Figure 0004493125
*)各DNA テンプレートは次の通り添加した:ルシフェラーゼ用(1.0μg)、SV40largeT用(1.0 μg)、p53用(0.5 μg)、fos用(0.5 μg)、jun用(1.0 μg)
【0045】
30℃1.5時間反応後、氷冷して反応を止める。反応液1μlにTE4μlと2Xサンプルバッファー5μl(合計10μl)を添加し100℃3分熱処理して、SDSポリアクリルアミド電気泳動にかけた(30mA、約1.5時間程度泳動)。固定・クマシー染色、乾燥後、BAS2000にてRIバンドを検出した。
図1に結果を示す。図中で用いたDNA テンプレートは次の通り。レーン1、2:SV40largeT用、レーン3、4:p53用、レーン5、6:fos用、レーン7、8:jun用、レーン9、10:ルシフェラーゼ用。また、レーン2、4、6、8については反応後ストレプトアビジンビーズを添加し、回収した上清の結果である。この結果から、各DNA テンプレートに特異的なタンパク質が合成されていること、またこれら標識されたタンパク質はストレプトアビジンビーズと直接作用し得ないことがわかる。
【0046】
参考例2
遺伝子からのタンパク質合成(ビオチン標識とビオチン化タンパク質の回収)上記35S-Met標識と同様であるが、アミノ酸混合物(マイナスMet) 1 mMの代わりにアミノ酸混合物1mM 1μlを、また35S-Metの代わりにビオチン化りジン(biotinylated lysine) tRNA(TranscendTM tRNA)1μlを添加した。SDSポリアクリルアミド電気泳動を行った場合には、PVDFメンブレインにブロッティングして、ビオチン検出キット(ベーリンガー社)を用いてビオチン化タンパク質を検出した。
図2に結果を示す。図中で用いたプラスミドは次の通り。レーン1、2:SV40largeT用、レーン3、4:p53用、レーン5、6:ルシフェラーゼ用。また、レーン2、4、6については反応後ストレプトアビジンビーズを添加し、回収した上清の結果である。この結果から、各DNA テンプレートに特異的なタンパク質が合成されていること、またこれらビオチン化標識されたタンパク質はストレプトアビジンビーズと作用し回収されていることがわかる。またここには記していないが、fos用、jun用DNA テンプレートを用いて同様にビオチン化タンパク質を作成した。
【0047】
実施例1
タンパク質ータンパク質相互作用の検出(モデル系)
参考例1のRI標識タンパク質と参考例2のビオチン化タンパク質の各反応液を反応終了後様々な組み合わせで混ぜ合わせた。即ち、各反応液2.5μlずつを混合し、氷上に60分間放置した。ストレプトアビジン(Dynabeads) 15μlをTBST-1%スキムミルクで希釈したものを加えて4℃30分撹拌した。磁力を利用してビーズを回収しTBSTでよく洗浄後、ビーズのRIを測定した。その結果を表1に示す。この結果から明らかなように、相互作用のよく知られているSV40largeTとp53、ならびにfosとjunについては一方を単離することによって、他方を検出することができた。またSV40largeT同士についても相互作用を検出できた。
【0048】
【表1】
Figure 0004493125
【0049】
実施例2
多検体でのアッセイ(モデル系)
参考例1のRI標識タンパク質5種類の反応液を各1μl、更に参考例2のビオチン化タンパク質5種類の各反応液1μlをすべて混ぜ合わせて、氷上に60分間放置した。実施例1と同様の操作を行い、ビーズのRIを測定した。その結果、5種類のRI標識タンパク質に5種類のビオチン化タンパク質を作用させた反応では1035cpmの値が得られた。これに対して、5種類のRI標識タンパク質のみでビオチン化タンパク質を添加しなかった反応では447cpmの値であった。このことは、複数の標識タンパク質、複数のビオチン化タンパク質を混合させても、十分に蛋白同士の相互作用が検出できることを示唆するものである。
【0050】
実施例3 (スクリーニング方法)
理研マウス全長鎖cDNAライブラリーZXシリーズから任意に選ばれた既知遺伝子320種類(1−1〜1−12、2−1〜2−12、3−1〜3−12、4−1〜4−4のそれぞれは8種類の遺伝子A〜Hからなる)の各々について、参考例1に従い標識タンパク質(但し、この実験では反応後フリーの35S-Metを除くために限外ろ過膜(アミコン)を使用した)、また参考例2に従いビオチン化タンパク質を作成した。次に各タンパク質16種類ずつを一組として混ぜ合わせ(標識化タンパク質の各1μlとビオチン化タンパク質の各2μl合計48μl)、標識タンパク質合計20組とビオチン化タンパク質合計20組との相互作用を実施例2と同様に調べた。表2には、検出されたRI(cpm)の値を示し、表3には各データについて算出した統計学的値(個数(n)、平均値(m)及び標準偏差(σ))示し、表4には、n=20のときの標準偏差(σ)と各データ(cpm)についてn=19のときの標準偏差(σ)との差を示す。
【0051】
【表2】
Figure 0004493125
【0052】
【表3】
Figure 0004493125
【0053】
【表4】
Figure 0004493125
【0054】
表2は、標識タンパク質20組(縦軸)の一組とビオチン化タンパク質20組(横軸)の一組とを、実施例2と同様の方法で相互作用させ検出されたシグナル(cpm)を表している。ポジティブコントロール(P)としての値は、同じ組み合わせ(表の対角線上に相当)に更にあらかじめ作用することのわかっているビオチン化jun2μlと35S-Met標識fos1μlを添加したものである(実施例1参照)。統計学的な処理による検証のため、35S−Metで標識した各タンパク質グループでの個数(n=20)について平均値(m)と標準偏差(σ)を算出し(表3)、この標準偏差と同様にn=19のときに算出される標準偏差との差を求め、表4に示す。この値は、表2の各実測値が他の19種類の実測値と比較してどの程度の偏りをもつのかを示すものである。理論的には、この値が0に近いほど偏りは誤差範囲ということになり、信頼水準が95%の場合が21で、信頼水準が99%の場合が31である。ここでは、25以上の値を示す組合せを、経験上有意とし、実験を次に進めた。
表2で得られた結果において、シグナルとして高い値を示し、かつ表4において25以上の数値を示す標識タンパク質とビオチン化タンパク質との組み合わせであって、ビオチン化と標識化とを逆にした組み合わせ実験においても再現性が得られた組合せ(1−9,10と1−9,10の組合せ(表5)、2−9,10と2−1,2の組合せ(表6)、2−1,2と2−9,10の組合せ(表7)、2−9,10と2−9,10(表8))について、さらに、一組16種類を4種類ずつの4組に細分し、同様に2度目の相互作用検出を行った。結果を表5〜8に示す。
【0055】
【表5】
Figure 0004493125
【0056】
【表6】
Figure 0004493125
【0057】
【表7】
Figure 0004493125
【0058】
【表8】
Figure 0004493125
【0059】
尚、表5〜8及び後述の表9〜11においては、個体数nの数が4と少なく、統計的な処理に適さなかったため、シグナル値が高いものを次の検出の候補とした。一般に、信頼水準が95%を超えるには個体数nが5又は6以上である必要が有る。そのため、個体数nが5又は6以上の場合には、統計的な処理をして有意差がある組合せを評価することができる。
表5〜8において高い値のシグナルを認めたものについて(2−1,E−Hと2−10,E−Hの組合せ(表9)、2−10,E−Hと2−10,E−Hの組合せ(表10)、1−9,E−Hと1−9,E−Hの組合せ(表11))は、一組4種類を単独に細分し、3度目の相互作用検出をおこなった。結果を表9〜11に示す。
【0060】
【表9】
Figure 0004493125
【0061】
【表10】
Figure 0004493125
【0062】
【表11】
Figure 0004493125
【0063】
最終的に、102,400(320x320)通りの組み合わせのうち、次の3つのタンパク質―タンパク質相互作用を同定することができた。
1) DnaJ-like protein (Hsj2) (2-10E) / DnaJ-like protein (Hsj2) (2-10E)
(self-association)
2) Caspase 6 (1-9E) / Caspase 6 (1-9E) (self-association)
3) Bpx protein (nucleosome assembly protein homologue) (2-1H) / MB20 protein
(機能不詳、2-10F)
【0064】
このうち1)は2量体で作用の認めらる既知の相互作用(Wickner:Proc. Natl AcadSci. USA 87 (1990)2690-2694)、2、3)については既知タンパク質であるが、機能は未知のタンパク質相互作用であった。特に(3)については文献検索からタンパク質BpxはNAP(NucleosomeAssembly Protein) 1のファミリーに属するNAP1 like proteinL2に相当するものであり(Rougeulleら:Hum. Mol. Genet. 5 (1996)41-49)、また塩基配列から予測されるアミノ酸配列のBLAST1によるホモロジー検索から、タンパク質MB20は同じNAP1ファミリーに属するNAP1 like proteinL3であることが判明した。
【0065】
【発明の効果】
本発明によれば、新規なタンパク質を含む多量のタンパク質間の相互作用を容易、かつ迅速に検出できる方法を提供することができる。この方法は、すべての遺伝子が単離された場合でも、それらの遺伝子産物(タンパク質)間で相互作用するものを簡単に効率よくシステマティックに検出できる方法であり、タンパク質の機能の類推に有用である。即ち、カタログ化した全長鎖cDNA大規模ライブラリーの各クローンから得られるタンパク質を検出用に標識し、また単離用に修飾することによって、タンパク質ータンパク質間の相互作用をシステマティックに検出できる。
さらに本発明のスクリーニング方法によれば、ある種の化合物、例えば、生体関連物質や天然有機化合物等が影響を与えるタンパク質対を複数のタンパク質対の中から検出することができる。本発明のスクリーニング方法を利用すると、薬理活性があることは知られているが、その作用機構が明らかでない生体関連物質や化合物が、どのようなタンパク質間の相互作用に関与しているのかを明らかにすることが可能になる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 無細胞タンパク質合成系(転写・翻訳系)を用いて、各cDNAプラスミドから合成した35S標識タンパク質の電気泳動パターン。
【図2】 無細胞タンパク質合成系(転写・翻訳系)を用いて、各cDNAプラスミドから合成したビオチン化修飾タンパク質の電気泳動パターン。

Claims (22)

  1. ia)無細胞タンパク質合成法により検出用標識を有する少なくとも1つのタンパク質群を合成し、かつ無細胞タンパク質合成法により分離用修飾を有する少なくとも1つのタンパク質群を合成すること、但し、検出用標識を有するタンパク質群及び分離用修飾を有するタンパク質群の少なくとも一方が複数のタンパク質からなり、
    iia)前記合成した検出用標識を有するタンパク質群と分離用修飾を有するタンパク質とを混合すること、
    iii)タンパク質間の相互作用により形成されたタンパク質対を、前記分離用修飾を利用してタンパク質対を形成していない検出用標識を有するタンパク質から分離すること、
    iv)分離したタンパク質対を、検出用標識を利用して識別すること
    v)識別したタンパク質対を含むタンパク質群を少なくとも2つのサブグループに細分化すること、
    vi)細分化されたサブグループについて、再度ia)〜iv)を行ってタンパク質の相互作用により形成されたタンパク質対の分離及び識別を行い、タンパク質対を形成するタンパク質の種類を絞り込むことを特徴とする、
    相互作用するタンパク質の選別方法。
  2. ib)無細胞タンパク質合成法により、検出用標識を有する少なくとも1つのタンパク質と分離用修飾を有する少なくとも1つのタンパク質とを同一の系内で合成すること、但し、検出用標識を有するタンパク質群及び分離用修飾を有するタンパク質群の少なくとも一方が複数のタンパク質からなり、
    iib)前記同一の系内で合成した検出用標識を有するタンパク質群と分離用修飾を有するタンパク質群を混合すること、
    iii)タンパク質間の相互作用により形成されたタンパク質対を、前記分離用修飾を利用してタンパク質対を形成していない検出用標識を有するタンパク質から分離すること、
    iv)分離したタンパク質対を、検出用標識を利用して識別すること
    v)識別したタンパク質対を含むタンパク質群を少なくとも2つのサブグループに細分化すること、
    vi)細分化されたサブグループについて、再度ib)〜iv)を行ってタンパク質の相互作用により形成されたタンパク質対の分離及び識別を行い、タンパク質対を形成するタンパク質の種類を絞り込むことを特徴とする、
    相互作用するタンパク質の選別方法。
  3. 前記分離用修飾が固相化用の修飾である請求項1または2に記載の方法。
  4. 前記分離用修飾がビオチン化、アビジン化またはストレプトアビジン化である請求項に記載の方法。
  5. ビオチン、アビジンまたはストレプトアビジンと親和性を有する物質を固定化した固相を用いてタンパク質対を分離する請求項に記載の方法。
  6. ic-1)無細胞タンパク質合成法によりタンパク質を合成し、合成したタンパク質をドットした基板を用意すること、
    ic-2)無細胞タンパク質合成法により検出用標識を有するタンパク質を合成すること、
    iic)前記検出用標識を有するタンパク質を前記ドットした基板と接触させること、
    iiic)タンパク質間の相互作用によりドットしたタンパク質との間で形成されたタンパク質対を、タンパク質対を形成していない検出用標識を有するタンパク質から分離すること、
    iv)分離したタンパク質対を、前記検出用標識を利用して識別すること
    v)識別したタンパク質対を含むタンパク質群を少なくとも2つのサブグループに細分化すること、
    vi)細分化されたサブグループについて、再度ic-1)〜iv)を行ってタンパク質の相互作用により形成されたタンパク質対の分離及び識別を行い、タンパク質対を形成するタンパク質の種類を絞り込むことを特徴とする、
    相互作用するタンパク質の選別方法。
  7. 基板へドットするタンパク質が前記合成の際にビオチン化、アビジン化またはストレプトアビジン化されたものであり、ビオチン、アビジンまたはストレプトアビジンと親和性を有する物質を固定化した基板に前記タンパク質を接触させることで、タンパク質の基板へのドットを行う請求項に記載の方法。
  8. 細分化されたサブグループが単一のタンパク質を含むようになるまで、サブグループへの細分化並びにタンパク質対の分離及び識別を繰り返し行う請求項1〜7のいずれか1項に記載の方法。
  9. 無細胞タンパク質合成法によるタンパク質の合成の出発原料がDNAまたはRNAである請求項1〜8のいずれか1項に記載の方法。
  10. 前記検出用標識が蛍光物質、化学発光物質、放射性同位元素及び安定同位元素からなる群から選ばれる請求項1〜9のいずれか1項に記載の方法。
  11. タンパク質合成の際にアミノアシルtRNA誘導体を用いて、タンパク質の検出用標識及び/又は分離用修飾を行う請求項1〜10のいずれか1項に記載の方法。
  12. アミノアシルtRNA誘導体がリジルtRNA誘導体である請求項11に記載の方法。
  13. タンパク質合成の際にピューロマイシン誘導体を用いてタンパク質の検出用標識ならびに分離用修飾を行う請求項1〜12のいずれか1項に記載の方法。
  14. ピューロマイシン誘導体として蛍光標識または放射性同位元素標識ピューロマイシンならびにビオチン化ピューロマイシンを用いる請求項13に記載の方法。
  15. 検出用標識を有するタンパク質及び/又は分離用修飾を有するタンパク質の無細胞タンパク質合成法による合成及び相互作用を、複数個並行して行うことを特徴とする請求項1〜5、8〜14のいずれか1項に記載の方法。
  16. 無細胞タンパク質合成法により合成した検出用標識を有するタンパク質と無細胞タンパク質合成法により合成した分離用修飾を有するタンパク質とを少なくとも1種の物質の存在下に混合し、タンパク質間の相互作用により形成されたタンパク質対を、前記分離用修飾を利用してタンパク質対を形成していない検出用標識を有するタンパク質から分離し、かつ前記検出用標識を利用して識別する工程(1−1)、
    タンパク質の混合を前記物質の不存在下に行う以外は工程(1−1)と同様の工程(1−2)、及び
    工程(1−1)及び工程(1−2)で識別されたタンパク質対を対比することにより、前記物質がタンパク質間の相互作用に影響を与えるタンパク質対を検索する工程(1−3)を含み、
    前記工程(1−1)は、
    ia)無細胞タンパク質合成法により検出用標識を有する少なくとも1つのタンパク質群を合成し、かつ無細胞タンパク質合成法により分離用修飾を有する少なくとも1つのタンパク質群を合成すること、但し、検出用標識を有するタンパク質群及び分離用修飾を有するタンパク質群の少なくとも一方が複数のタンパク質からなり、
    iia)前記合成した検出用標識を有するタンパク質群と分離用修飾を有するタンパク質群とを混合すること、
    iii)タンパク質間の相互作用により形成されたタンパク質対を、前記分離用修飾を利用してタンパク質対を形成していない検出用標識を有するタンパク質から分離すること、
    iv)分離したタンパク質対を、検出用標識を利用して識別すること、
    v)識別したタンパク質対を含むタンパク質群を少なくとも2つのサブグループに細分化すること、
    vi)細分化されたサブグループについて、再度ia)〜iv)を行ってタンパク質の相互作用により形成されたタンパク質対の分離及び識別を行い、タンパク質対を形成するタンパク質の種類を絞り込むこと
    を含む、前記物質がタンパク質間の相互作用に影響を与えるタンパク質対をスクリーニングする方法。
  17. 無細胞タンパク質合成法により、検出用標識を有するタンパク質と分離用修飾を有するタンパク質とを同一の系内で合成し、合成後に、少なくとも1種の物質を合成系に添加し、該物質の存在下にタンパク質間の相互作用により形成されたタンパク質対を、前記分離用修飾を利用してタンパク質対を形成していない検出用標識を有するタンパク質から分離し、かつ前記検出用標識を利用して識別する工程(2−1)、タンパク質の合成後に前記物質を添加しない以外は工程(2−1)と同様の工程(2−2)、及び工程(2−1)及び工程(2−2)で識別されたタンパク質対を対比することにより、前記物質がタンパク質間の相互作用に影響を与えるタンパク質対を検索する工程(2−3)を含み、
    前記工程(2−1)は、
    ib)無細胞タンパク質合成法により、検出用標識を有する少なくとも1つのタンパク質群と分離用修飾を有する少なくとも1つのタンパク質群とを同一の系内で合成すること、但し、検出用標識を有するタンパク質群及び分離用修飾を有するタンパク質群の少なくとも一方が複数のタンパク質からなり、
    iib)前記同一の系内で合成した検出用標識を有するタンパク質群と分離用修飾を有するタンパク質群を混合すること、
    iii)タンパク質間の相互作用により形成されたタンパク質対を、前記分離用修飾を利用してタンパク質対を形成していない検出用標識を有するタンパク質から分離すること、
    iv)分離したタンパク質対を、検出用標識を利用して識別すること、
    v)識別したタンパク質対を含むタンパク質群を少なくとも2つのサブグループに細分化すること、
    vi)細分化されたサブグループについて、再度ib)〜iv)を行ってタンパク質の相互作用により形成されたタンパク質対の分離及び識別を行い、タンパク質対を形成するタンパク質の種類を絞り込むこと
    を含む前記物質がタンパク質間の相互作用に影響を与えるタンパク質対をスクリーニングする方法。
  18. 無細胞タンパク質合成法により合成したタンパク質をドットした基板を用意し、無細胞タンパク質合成法により合成した検出用標識を有するタンパク質を、前記タンパク質をドットした基板と少なくとも1種の物質の存在下に接触させ、タンパク質間の相互作用によりドットしたタンパク質との間で形成されたタンパク質対を、前記検出用標識を利用して識別する工程(3−1)、
    検出用標識を有するタンパク質と基板との接触を前記物質の不存在下に行う以外は工程(3−1)と同様の工程(3−2)、及び
    工程(3−1)及び工程(3−2)で識別されたタンパク質対を対比することにより、前記物質がタンパク質間の相互作用に影響を与えるタンパク質対を検索する工程(3−3)を含み、
    工程(3−1)は、
    ic-1)無細胞タンパク質合成法によりタンパク質を合成し、合成したタンパク質をドットした基板を用意すること、
    ic-2)無細胞タンパク質合成法により検出用標識を有するタンパク質を合成すること、
    iic)前記検出用標識を有するタンパク質を前記ドットした基板と接触させること、
    iiic)タンパク質間の相互作用によりドットしたタンパク質との間で形成されたタンパク質対を、タンパク質対を形成していない検出用標識を有するタンパク質から分離すること、
    iv)分離したタンパク質対を、前記検出用標識を利用して識別すること、
    v)識別したタンパク質対を含むタンパク質群を少なくとも2つのサブグループに細分化すること、
    vi)細分化されたサブグループについて、再度ic-1)〜iv)を行ってタンパク質の相互作用により形成されたタンパク質対の分離及び識別を行い、タンパク質対を形成するタンパク質の種類を絞り込むこと
    を含む前記物質がタンパク質間の相互作用に影響を与えるタンパク質対をスクリーニングする方法。
  19. 細分化されたサブグループが単一のタンパク質を含むようになるまで、サブグループへの細分化並びにタンパク質対の分離及び識別を繰り返し行う請求項16〜18のいずれか1項に記載の方法。
  20. 前記物質がアミノ酸、ペプチド、タンパク質、脂質、糖質及びそれらの誘導体、アミノ酸、ペプチド、タンパク質、脂質、糖質及びそれらの誘導体の複合体、アルカロイド類、テルペン類、補酵素類、抗生物質、エポラクタエン及びその誘導体、ベンゾフェノン誘導体類、テトラアザエイコサン類、スタキボシン類、クマリン誘導体、ジピリジニウム誘導体、ヒルステン誘導体、シクロプロパン誘導体、アロサミジン誘導体、キノリン誘導体、キノカルシン及びその誘導体からなる群から選ばれる物質である請求項16〜19のいずれか1項に記載の方法。
  21. 前記物質が阿膠、阿仙薬、甘茶、安息香、威霊仙、インチンコウ、茴香、宇金、烏頭、烏梅、烏薬、ウワウルシ、営実、延胡索、延命草、黄蓍、黄ゴン、黄柏、オウバク末、桜皮、黄連、遠志、槐花、夏枯草、柯子、何首烏、霍香、葛根、滑石、吉草根、カマラ、カロコン、カロニン、乾姜、甘草、カンゾウ末、カンダリズ、カンテン末、艾葉、莪述、桔梗、キキョウ末、菊花、キササゲ、枳実、橘皮、キナ、羌活、杏仁、金銀花、枸杞子、枸杞葉、苦参、グアヤク脂、荊芥、桂皮、決明子、牽牛子、玄参、ゲンチアナ、玄草、紅花、紅参、香附子、粳米、藁本、厚朴、コロンボ、コンズランゴ、牛膝、呉茱萸、牛旁子、五味子、柴胡、細辛、番紅花、山帰来、山査子、山梔子、山茱萸、山椒、山豆根、酸棗仁、山薬、石榴皮、紫苑、紫根、紫蘇子、シツリシ、柿蔕、芍薬、シャクヤク末、沙参、車前子、車前草、修治ブシ、縮砂、生姜、ショウズク、小麦、升麻、辛夷、地黄、地骨皮、蛇床子、十薬、石菖子、石膏、セネガ、セネガ末、センキュウ、川骨、蝉退、センナ、センナ末、当薬、センブリ末、阿膠、前胡、蒼朮、桑白皮、鮮木、鮮葉、大棗、沢瀉、大黄、ダイオウ末、大腹皮、竹茹、竹節人参、知母、丁字、釣籐鈎、猪苓、陣皮、天南星、天麻、天門冬、冬瓜子、唐辛子、当帰、トウドクカツ、桃仁、橙皮、吐根、トラガント、独活、土鼈甲、南天実、苦木、ニクヅク、人参、忍冬、蜂蜜、薄荷、浜防風、半夏、貝母、麦門冬、菱の実、百合、ビャクシ、白朮、枇杷葉、梹榔子、茯苓、附子、炮附子、防己、茅根、防風、ボクソク、牡丹皮、牡蛎、麻黄、麻子仁、蔓荊子、木通、木瓜、木香、益知、益母草、楊梅皮、ヨクイニン、ヨクイニン末、竜眼肉、竜骨、芒硝、竜胆、良薑、連翹、蓮肉、ロートコン、和羌活及びワコウホンからなる群から選ばれる少なくとも1種の漢方生薬である請求項16〜19のいずれか1項に記載の方法。
  22. 前記物質が赤目柏、あららぎ、あまちゃずる、いかり草、いなご、うわうるし、裏白樫、延胡索、延命草、黄精、黄柏、黄連、甘草、葛根、夏枯草、艾葉、何首鳥、柿の葉、柿渋、桔梗、キササゲ、菊花、キラン草、金銀花、金銭草、苦参、枸杞子、枸杞葉、熊笹、桑の葉、決明子、ゲンノショウコ、紅花、五味子、牛旁子、五加皮、胡椒、虎杖根、サフラン、山帰来、山梔子、地黄、紫根、車前草、十薬、柿蒂、地骨皮、常山、女貞子、地竜、沈香、水蛭、スギナ、石こく、センナ、センブリ、石榴果皮、仙鶴草、蝉退、桑白皮、大黄、大茴香、大赭石、タラ根皮、丁字、竹葉、露草、天南星、天麻、灯心草、冬葵子、唐胡麻、党参、土瓜実、土骨皮、杜仲、南天実、南蛮毛、人参、忍冬、乳香、接骨木、敗醤根、ハコベ、ハトムギ(ヨクイニン)、はぶ草、はぶ茶、浜千舎、蕃果、菱の実、枇杷葉、彼岸花根、一ツ葉、百部根、藤瘤、亡虫、蒲公英根、マクリ、木瓜、マタタビ、木賊、桃の葉、ユズリ葉、ヨモギ(艾葉)、蘭草、竜眼肉、連銭草、蓮肉及び露峰房からなる群から選ばれる少なくとも1種民間薬である請求項16〜19のいずれか1項に記載の方法。
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