JP2002372517A - 質量分析法によるタンパク質の構造解析方法 - Google Patents

質量分析法によるタンパク質の構造解析方法

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JP2002372517A
JP2002372517A JP2001164819A JP2001164819A JP2002372517A JP 2002372517 A JP2002372517 A JP 2002372517A JP 2001164819 A JP2001164819 A JP 2001164819A JP 2001164819 A JP2001164819 A JP 2001164819A JP 2002372517 A JP2002372517 A JP 2002372517A
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Shinshun Chin
新春 沈
Takanori Kikawa
隆則 木川
Shigeyuki Yokoyama
茂之 横山
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RIKEN Institute of Physical and Chemical Research
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    • G01MEASURING; TESTING
    • G01NINVESTIGATING OR ANALYSING MATERIALS BY DETERMINING THEIR CHEMICAL OR PHYSICAL PROPERTIES
    • G01N33/00Investigating or analysing materials by specific methods not covered by groups G01N1/00 - G01N31/00
    • G01N33/48Biological material, e.g. blood, urine; Haemocytometers
    • G01N33/50Chemical analysis of biological material, e.g. blood, urine; Testing involving biospecific ligand binding methods; Immunological testing
    • G01N33/68Chemical analysis of biological material, e.g. blood, urine; Testing involving biospecific ligand binding methods; Immunological testing involving proteins, peptides or amino acids

Abstract

(57)【要約】 【課題】タンパク質の合成、精製、分析という一連の操
作を効率化して多検体の試料を迅速に処理し、特に、質
量分析法により効率よくタンパク質の分子量を測定する
方法を提供すること。 【解決手段】質量分析法によるタンパク質の分子量同定
方法において、(a)タンパク質と、該タンパク質と特
異的に結合する担体とを接触させて該タンパク質を該担
体に結合させる工程、(b)前記タンパク質を結合した
担体を回収する工程、及び(c)前記回収した担体に結
合した状態のタンパク質を用いて、質量分析法により分
子量を測定する工程、を含むことを特徴とするタンパク
質の分子量同定方法を提供する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、タンパク質の構造
解析方法に関し、より詳しくは多検体のタンパク質を迅
速に合成及び/又は限定分解し、質量分析法によりタン
パク質及び/又はそのドメインの分子量を同定する方法
に関する。
【0002】
【従来の技術】分子量の大きなタンパク質は、複数の機
能的ドメインから構成されている場合が多く、これらの
タンパク質の立体構造を解析するためには各ドメインを
構成する部分的なアミノ酸配列ごとに、小さな領域に分
けて解析することが必要となる。従来よりこのような構
造的なタンパク質ドメインの境界は、ドメイン間の連結
部分が露出し、プロテアーゼの基質となりやすいことか
ら、プロテアーゼによる限定分解を行うことにより同定
されている(Barwellら、J. Biol. Chem.、270巻、2055
6-20559頁、1995年、Cohenら、Protein Sci.、4巻、10
88−1099頁、1995年、及びPfuetznerら、J. Biol. Che
m.、272巻、430-434頁、1997年参照)。このようにし
て、プロテアーゼによるタンパク質の限定分解法は、タ
ンパク質ドメインを単離してその機能を解析するだけで
なく、X線結晶解析やNMR分光法によるタンパク質の
立体構造を解析するために広く用いられている。また、
近年、タンパク質やそのドメインの構造解析方法として
質量分析法(Mass Spectrometry)が、有力な手段となっ
ている。
【0003】通常、質量分析法は、分析物をその分子量
を測定して確認するのに使用される技術であり、分析物
を揮発させイオン化し、イオンを電場及び/又は磁場に
曝すことによりイオン化分析物を検出器に向かって加速
し、特定の分析物イオンの質量対電荷の比率を測定する
ためにデータを分析する工程を含む。さらに、質量分析
計の中で生体分子を揮発化しイオン化するマトリクス支
援レーザー脱離イオン化法(Matrix-Assisted Laser Des
orption/Ionization: MALDI)技術を使用することが公知
である(Karas, M.及びHillenkamp,F., Anal.Chem., 第
60巻、2299〜2301頁、1988年参照)。この技術は、特定
のマトリクス物質中で生体分子を包囲することを含む。
レーザー・ビームはマトリクスが吸収する周波数に調和
され、マトリクス物質上で標的化される。レーザーは、
小部分のマトリクス物質を揮発させるのに十分なエネル
ギーを伝える。少数の分析物分子は、こうして質量分析
計内でマトリクス物質とともに気相中に送られる。MALD
Iが開発される以前は、質量分析法による生体分子の分
析は、無傷の生体分子をいかなる分解又は断片化もさせ
ずに揮発させるのに十分に穏やかな技術が利用できなか
ったので、不可能でないにしても非常に難しかった。MA
LDI技術は、生体分子を揮発するのに有利な技術を提供
する。
【0004】一方、生物のゲノム塩基配列の大規模解析
により、膨大な数の遺伝子が明らかにされ、これらの遺
伝子がコードするタンパク質の構造や機能解明のために
は、タンパク質の発現、精製、限定分解などの全ての工
程をハイスループット化することが望まれている。
【0005】多くのタンパク質を効率よく発現させる手
段の一つである無細胞タンパク質合成系については、こ
れまで透析法の導入など様々な改良が行われた結果、数
時間でミリグラムオーダーのタンパク質が得られるよう
になっている(Kigawaら、FEBS Lett.、442巻、15−19
頁、1999年、及び特開2000-175695号公報参照)。従来
の大腸菌や動物細胞を用いた生体内でのタンパク質合成
に比べ、無細胞タンパク質合成系は、以下のような特徴
を有する。(1)発現させたい所望の遺伝子にコードさ
れたタンパク質を、当該遺伝子を発現ベクターにクロー
ン化することなく直鎖状のDNAから直接合成すること
ができる。(2)PCRや無細胞タンパク質合成反応等
の全ての反応を96ウエルプレートを用いて一日で完了
することができる。
【0006】従って、無細胞タンパク質合成系で合成さ
れるタンパク質に特定の標識(タグ)を付けておけば、
この標識を手がかりとして96ウエルプレート上でアフ
ィニティー精製することが可能である。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、従来法
においては、無細胞タンパク質合成系で合成され、アフ
ィニティー精製されたタンパク質を、そのままプロテア
ーゼによる限定分解を行ったり、質量分析法により分子
量測定することができなかった。例えば、アフィニティ
ー担体より溶出したタンパク質試料は高濃度の塩溶液や
イミダゾールを含んでいるため、プロテアーゼによる酵
素反応や、MALDI分析を阻害する。このため、アセトン
やTCAによる沈殿形成、ゲルろ過、透析又は限外ろ過
等によりタンパク質溶液の緩衝液交換が必要であった。
これらの操作は、手間や時間がかかり、自動化を著しく
困難にし、また精製されたタンパク質を不溶化させてそ
の後の構造解析を困難にする場合もあった。
【0008】そこで、本発明は、このようなタンパク質
の合成、精製、分析という一連の操作を効率化して多検
体の試料を迅速に処理し、特に、質量分析法により効率
よくタンパク質の分子量を測定する方法を提供すること
を目的とする。
【0009】さらに、このような方法を用いて未だ機能
や構造が明らかでない多くのタンパク質のドメイン構造
を効率よく同定してタンパク質の代表的な立体構造を網
羅的に解明することを目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】上記課題に鑑みて、本発
明者らはcDNAライブラリーからPCR増殖した鋳型
DNAを用いて、無細胞合成系によりタンパク質を合成
し、フィルタープレート上でアフィニティー精製を行う
に際し、アフィニティー担体に結合した状態(オンビー
ズ)のタンパク質を質量分析したところ、驚くべきこと
に精度良く分子量が測定できることを見出した。さらに
オンビーズでタンパク質の限定分解を行うことが可能で
あるだけでなく、多検体を同時に処理することによって
極めて迅速にタンパク質ドメインの同定ができることを
見出し、これらの知見に基づいて本発明を完成した。
【0011】すなわち、本発明の第一の視点において、
質量分析法によるタンパク質の分子量同定方法におい
て、(a)タンパク質と、該タンパク質と特異的に結合
する担体とを接触させて該タンパク質を該担体に結合さ
せる工程、(b)前記タンパク質を結合した担体を回収
する工程、及び(c)前記回収した担体に結合した状態
のタンパク質を用いて、質量分析法により分子量を測定
する工程、を含むことを特徴とするタンパク質の分子量
同定方法を提供する。
【0012】好ましい態様において、前記(a)工程に
おける、タンパク質と特異的に結合する担体は、抗体、
結合タンパク質、受容体及びそれらの結合部位を含む部
分から選択される少なくとも一種を担持した担体、又は
金属原子、アミノ酸、ペプチド、オリゴヌクレオチド及
び複素環式化合物から選択される少なくとも一種を担持
した担体であることを特徴とする。
【0013】別の好ましい態様において、前記タンパク
質は無細胞タンパク質合成系で標識配列との融合タンパ
ク質として合成することを特徴とする。
【0014】さらに別の好ましい態様において、前記質
量分析法は、飛行時間型マトリックス支援レーザー脱離
イオン化法(MALDI-TOF)であることを特徴とする。
【0015】本発明の方法を用いてタンパク質の分子量
を同定することにより、タンパク質の一次構造又は高次
構造に関する種々の情報、例えば、タンパク質の修飾、
タンパク質の構造変化又はタンパク質のドメイン構造の
同定等を行うことができる。
【0016】本発明の別の視点において、質量分析法に
よるタンパク質ドメインの同定方法において、(a)タ
ンパク質と、該タンパク質と特異的に結合する担体とを
接触させて該タンパク質を該担体に結合させる工程、
(b)前記タンパク質を結合した担体を回収する工程、
(c)前記回収した担体に結合した状態のタンパク質を
プロテアーゼにより限定分解する工程、(d)前記分解
反応溶液を用いて質量分析法により、前記タンパク質及
び/又はその分解物の分子量を測定する工程、を含むこ
とを特徴とするタンパク質ドメインの同定方法を提供す
る。
【0017】
【発明の実施の形態】標的タンパク質 本発明の方法により、構造解析することができるタンパ
ク質は自然界に存在する天然型のタンパク質や人工的に
合成したタンパク質のいずれでも良く、種々の修飾タン
パク質でも可能である。好ましくはゲノム遺伝子やcD
NAに由来する核酸を用いて無細胞タンパク質合成系で
合成されたものを用いる。
【0018】無細胞タンパク質合成系は、細胞抽出液を
用いて試験管内でタンパク質を合成する系であり、この
ような合成系としてはmRNAの情報を読み取ってリボ
ゾーム上でタンパク質を合成する無細胞翻訳系、又はD
NAを鋳型としてRNAを合成する無細胞転写系と無細
胞翻訳系の両者を含む系の何れでも良い。DNAを鋳型
として用いる場合には、PCR等の試験管内での増幅反
応により、従来必要とされたクローニングという煩雑な
操作を経ることなく、多数の鋳型DNAを同時並行的に
迅速に調製することができる。
【0019】上記細胞抽出液としては、リボゾーム、t
RNA等のタンパク質合成に必要な成分を含む真核細胞
又は原核細胞の抽出液が使用可能である。前記真核細胞
及び原核細胞としては従来公知のものが何れも使用可能
であり、具体的に例示すれば、大腸菌、好熱性細菌、小
麦胚芽、ウサギ網状赤血球、マウスL−細胞、エールリ
ッヒ腹水癌細胞、HeLa細胞、CHO細胞及び出芽酵
母などが挙げられ、特に大腸菌由来のもの(例えば大腸
菌S30細胞抽出液)又は高度好熱菌(Thermusthermoph
ilus)由来のものが高い合成量を得る点において望まし
い。該大腸菌S30細胞抽出液は、大腸菌A19(rna, me
t), BL21, BL21 star, BL21 codon plus株等から公知
の方法(Pratt, J.M. et al., Transcription and tran
slation -a practical approach, (1984), pp.179-209,
Henes, B.D.とHiggins, S.J.編、IRL Press, Oxford
参照)に従って調製できるし、あるいはPromega社やNov
agen社から市販されるものを使用してもよい。
【0020】このような細胞抽出液は、上記各細胞抽出
液が濃縮されたもの(以下「濃縮細胞抽出液」とい
う。)でもよいし、未濃縮のもの(以下「粗細胞抽出
液」という。)であっても良いが、濃縮細胞抽出液を使
用することにより、より高いタンパク質合成量が得られ
る。この濃縮細胞抽出液を得る方法としては、任意の手
段例えば限外濾過、透析、PEG沈殿等によって行うこ
とができる。
【0021】本発明の無細胞タンパク質合成系の組成と
しては、大腸菌S30等の粗細胞抽出液又は濃縮細胞抽
出液(10〜90重量%)の他に、目的のタンパク質をコー
ドするDNA又はRNA(mRNA等)、ATP(0.5
〜5mM)、GTP(0.05〜1.0mM)、CTP(0.05〜1.0m
M)、UTP(0.05〜1.0mM)、緩衝液、塩類、アミノ
酸、RNase阻害剤、抗菌剤、必要によりRNAポリ
メラーゼ(DNAを鋳型とする場合)及びtRNA等を
含むことができる。その他、ATP再生系、ポリエチレ
ングリコール(例えばPEG#8000)、3',5'-cA
MP、葉酸類(0.1〜5mM)、還元剤(例えば1〜10mMのジ
チオスレイトール)等が含まれる。
【0022】緩衝液としては、例えばHepes-KOH、Tris-
OAcのような緩衝剤を使用できる。塩類としては、酢酸
塩(例えばアンモニウム塩、マグネシウム塩等)、グルタ
ミン酸塩等が使用でき、抗菌剤としてはアジ化ナトリウ
ム、アンピシリン等が使用可能である。またDNAを鋳
型として用いる場合にはRNAポリメラーゼを反応系に
添加するが、例えばT7RNAポリメラーゼ等の市販の酵素
を使用できる。
【0023】本発明において、ATP再生系としては好
ましくは0.02〜5μg/μlのクレアチンキナーゼ(CK)
と10〜100mMのクレアチンホスフェート(CP)の組合
せが挙げられるが、これに限定されるものではなく、従
来より公知の材料が何れも使用可能であり、上記以外に
例えば1〜20mMのホスホエノールピルベート(PEP)
と0.01〜1μg/μlのピルビン酸キナーゼ(PK)の組合
せ等が使用可能である。これらPK及びCKは何れもA
DPをATPに再生する酵素であり、それぞれPEPお
よびCPを基質として必要とする。
【0024】本発明の無細胞タンパク質合成系には、バ
ッチ法、フロー法の他、従来公知の技術がいずれも適用
可能であり、例えば限外濾過膜法や透析膜法、樹脂に翻
訳鋳型を固定化したカラムクロマト法等(Spirin, A.
ら、Meth. In Enzymol. 217巻、123〜142頁、
1993年参照)を挙げることができる。
【0025】合成されたタンパク質をアフィニティー精
製するために、標識(タグ)配列との融合タンパク質とし
て合成されることが好ましい。標識には、公知のものを
任意に選択して用いることができる。例えば、抗原とな
りうる一定のペプチド配列、ヒスチジンタグ配列、及び
ビオチン付加配列等である。
【0026】目的遺伝子をGST(Glutathione S-Transfer
ase)遺伝子配列の後ろにフレームを合わせて組み込み、
大腸菌内で融合タンパク質として大量に発現させるシス
テムが利用でき、このための組換えベクターpGEX Vecto
rsはアマシャムファルマシアバイオテック社から市販さ
れている。また、目的遺伝子配列の前又は後ろに複数の
ヒスチジンをコードする塩基配列を付加することによ
り、ヒスチジン・タグ融合タンパク質として合成するこ
ともできる。ヒスチジン・タグにおけるヒスチジン残基
は4〜20個、好ましくは6〜10個のヒスチジン残基
が付加される。
【0027】さらに、特定のアミノ酸配列をコードする
ビオチン化ペプチド遺伝子を目的のタンパク質と連結し
た組換えDNAは大腸菌内でビオチン化されたタンパク
質を合成することができ、例えばこのようにしてホタル
ルシフェラーゼをビオチン化する方法は特開平8-308578
号公報等に記載されている。
【0028】タンパク質と特異的に結合する担体 上記タンパク質と特異的に結合する担体としては、抗
体、結合タンパク質、受容体等のタンパク質やそれらの
一部であって、抗原やリガンドとの結合に関与する部分
を担持した担体であれば何れも使用できる。抗体として
は、例えば、上記GSTに対する抗体等が使用でき、抗GST
ヤギ抗体等が市販されている(GST Detection Module、
アマシャムファルマシアバイオテック社)。この他、上
記ビオチンに対してはアビジンやストレプトアビジン等
の結合タンパク質を使用することができ、特定の標識物
に対する特異的な受容体等も用いることができる。
【0029】また、低分子物質としては、金属原子、ア
ミノ酸、ペプチド、オリゴヌクレオチド、複素環式化合
物及びそれらの複合体等を担持した担体が使用できる。
例えば、上記GSTの基質であるグルタチオンをエポキシ
結合を介して担体に結合させたり、上記ヒスチジンタグ
融合タンパク質と親和性のある二価金属イオンを固定化
した担体が市販されている(例えば、Ni-NTAアガロース
ビース、QIAGEN社、ドイツ)。
【0030】担体としては、固体または不溶性材料(例
えば、ろ過、沈殿、磁性分離などによりタンパク質混合
物から分離することができる材料)であって、タンパク
質の非特異的な吸着が少ない物が好ましく、例として
は、ビーズ(例えば、アガロース、セファロース、セフ
ァデックス、ポリスチレン、ポリアクリルアミド、セル
ロース、テフロン(登録商標)、孔調節ガラス)、薄膜
(例えば、セルロース、ニトロセルロースポリスチレ
ン、ポリエステル、ポリカーボネート、ポリアミド、ナ
イロン、ガラス繊維、及びテフロン(登録商標)製)の
ような平坦担体、ガラスプレート、金属プレート、シリ
コンウエハ、マイクロタイタープレート等を含む。
【0031】タンパク質を結合した担体の分離、精製方
上記標的タンパク質及びこれらと特異的に結合する担体
とを接触、例えば溶液中で両者を混合することによっ
て、これらを特異的に結合させる。これらの結合は、非
共有結合であるが、一般にビオチン−ストレプトアビジ
ン複合体や、抗原−抗体相互作用は親和性が強く、従っ
て、不純物と分離するため強度な洗浄を行っても解離し
ないことが知られている。また、タンパク質と担体との
結合能力に応じて、適度な洗浄条件を選択することは、
当業者において公知である。このように、標的タンパク
質を結合した担体は、必要に応じて適宜洗浄操作を行っ
た後、ろ過、遠心分離等、従来から公知の任意の方法に
よって回収することができる。好ましくは96ウエルフ
ィルタープレートを用いることにより多検体を同時、迅
速にろ過、回収することができる。
【0032】分子量の測定 本発明においては、上記担体と結合して回収されたタン
パク質の分子量を測定する。タンパク質の分子量測定
は、SDSポリアクリルアミドゲル電気泳動(SDS-PAG
E)、ゲルろ過クロマトグラフィー(GPC)及び質量分析(M
ass Spectrometry)等により測定することができるが、
迅速かつ正確な分子量測定のためには質量分析法が特に
好ましい。質量分析計にはその試料をイオン化する方法
や検出方法について種々の方法があり、例えばイオン化
の方法としては最も広く用いられている電子衝撃(EI)法
の他に、化学イオン化法(CI)、フィールドイオン化(FI)
法、フィールドディソープション(FD)法、ファーストア
トムボンバードメント(FAB)法等がある。より好ましく
は、マトリクス支援レーザー脱離イオン化(MALDI)法が
用いられる。MALDIで試料は通常平滑な金属表面に添着
され、試料表面にパルスレーザービームを衝突させるこ
とにより気相に脱着される。飛行時間型質量分析計(Tim
e-Of-Flight: TOF)は発生したイオンが検出器に達する
までの時間を測定することにより質量電荷比に従ってイ
オンを分離する。TOF型質量分析計を用いれば、実質的
に質量電荷比範囲に制限が無く、各イオン化時に発生し
たイオン全てを記録するために走査機器より高感度にな
り得、従来型の磁場質量分析計では感度不足の大きな有
機分子の質量電荷比を測定するのに特に好ましい。
【0033】ハイスループット限定分解システムの構築 次に、本発明の方法により構築されたハイスループット
タンパク質限定分解システムについて図1を参照して詳
細に説明する。まず、タンパク質合成のための無細胞系
は、他の生細胞を用いた系よりもはるかに自動化及びハ
イスループットタンパク質合成に適している。PCR法
により増幅された鋳型DNAは、そのまま、例えば大腸
菌の細胞抽出液を用いて37℃、1時間で所望のタンパク
質を合成することができ、合成されたタンパク質は、9
6ウエルフィルタープレートに移してアフィニティー担
体と混合される。所望のタンパク質は該担体との結合工
程及び洗浄工程を経た後に回収され、回収された担体に
結合した状態のタンパク質を用いて質量分析することが
できる。
【0034】同時に、担体と結合したタンパク質はその
ままの状態でプロテアーゼによる限定分解処理に付さ
れ、例えば、10 mM Tris-HCl緩衝液(pH 7.6)中でトリプ
シン処理される。トリプシンはタンパク質中においてリ
ジン、アルギニン等の塩基性アミノ酸残基のC末端側(L
ys-X, Arg-X)でペプチド結合を加水分解することが知ら
れている。このような限定分解に用いられるプロテアー
ゼとしてはこの他にStaphylococcus V8プロテアーゼに
よるGlu-X、キモトリプシンによるTyr-X, Phe-X,Trp-X
等の結合の切断等が用いられる。限定分解されたタンパ
ク質は、いかなる後処理を行う必要もなく質量分析によ
る分子量測定が可能である。
【0035】
【実施例】以下に本発明の実施例として、ヒト c-Ha-Ra
sタンパク質(GenBank AccessionNo. P01112)及びマウス
完全長cDNAライブラリーから任意に選択したcDN
Aクローン2B7(GenBank Accession No. X59382、理化
学研究所ゲノム科学総合研究センター、遺伝子構造解析
研究チーム、林崎良英博士から提供を受けた。)を用い
て本発明の方法について検討した結果を詳細に説明する
が、本発明はこれらの実施例に限定されるものではな
い。
【0036】[実施例1] アガロースビーズに結合した
ヒスチジンタグ付きRasタンパク質 (His-Ras)の質量分
析 (1)鋳型cDNAフラグメントの調製 無細胞タンパク質合成系での鋳型cDNAを調製するた
めに、ヒト c-Ha-Rasタンパク質遺伝子を含むプラスミ
ドpK7-Ras (Kigawaら、FEBS Lett.、442巻、15−19頁、
1999年参照)を鋳型として2段階PCR増幅を行った。
第1段階のPCRでは、Rasタンパク質のN末端をコー
ドする領域からDNAを増幅するための2種類のプライ
マー:5’プライマー1(配列番号1)及び5’プライ
マー2(配列番号2)と、Rasタンパク質のC末端の下
流領域とアニールする3’プライマー(配列番号3)と
を用い、表1に示した組成の反応液20μlを調製し、表
2に示したプログラムに従って増幅した。
【0037】 5’プライマー1(配列番号1) 5'- CCTCGGCCGGAGCGGCCACCATG -3' 5’プライマー2(配列番号2) 5'- GAAGGAGCCGCCACCATGACCGAATACAAACTGGTTGTAG -3' 3’プライマー(配列番号3) 5'- AGCGGATAACAATTTCACACAGGAAAC -3'
【0038】
【表1】
【0039】
【表2】
【0040】次に、上記反応によって得られた第1次P
CR産物と、T7プロモーター配列の下流にヒスチジン
タグ配列を有する5’DNA断片(配列番号4)と、T
7ターミネーター配列を有する3’DNA断片(配列番
号5)と、ユニバーサルプライマー:5'-CCGCTGTCCTCGT
TCCCAGCC-3'(配列番号6)とを用い、表3に示した組
成の反応液25μlを調製し、表2に示したプログラムに
従って第2次オーバーラップPCRを行った。この結
果、図2に示したように、T7プロモーターの制御下
で、6個のヒスチジンタグとRasタンパク質との融合タ
ンパク質(His-Ras)を発現することのできるDNA断片
を増幅した。なお、このように合成した鋳型DNAによ
ってコードされるHis-Rasタンパク質のアミノ酸配列を
配列番号7に示した。
【0041】
【表3】
【0042】(2)無細胞タンパク質合成系によるHis-
Rasタンパク質の合成 大腸菌S30抽出液はZubayら(Annu.Rev.Geneti.,7,267-2
87,1973)の方法に従って、大腸菌BL21株から調製し
た。タンパク質合成反応は96ウエルマイクロプレート
を用い、その各ウエルに下記の表4に示した組成の溶液
に、上記ヒスチジンタグ付きRasタンパク質の発現用PCR
産物1μl、上記大腸菌S30抽出液7.2μlを加え、反応液
の全量を30μlとし、30℃で1時間、His-Rasタンパク質
の合成を行った。
【0043】
【表4】
【0044】(3)ニッケル結合アガロースビーズを用
いたRasタンパク質の精製 合成反応終了後、反応液を、0.22μmのポアサイズをも
った96ウェルマルチスクリーンフィルトレーションプレ
ート(Durapore MAGV S 22、ミリポア製)に移し、これ
にスラリー状のNi-NTAアガロースビーズ(QIAGEN)を50
%含む10mMトリス塩酸(pH7.6)溶液20μlを加え、さ
らに結合バッファー(50mM NaH2PO4、600mM NaCl、15mM
イミダゾール、pH8.0)120μlを加え、4℃、45分間、2
0 rpmのロータリーシェーカーで振とうすることによりR
asタンパク質をビーズに吸着させた。その後、遠心機CR
21G、ロータR6S(いずれも日立製)を用い500g、3分
間遠心することにより液体を除去した。フィルター上の
アガロースビーズを洗浄バッファーA(50mM NaH2PO4、3
00mM NaCl、15mMイミダゾール、pH8.0)200μlに懸濁
し、5分間振とうの後、前述と同じ遠心操作により液体
を除去した。同じ洗浄操作をさらに1回繰り返した。フ
ィルター上のアガロースビーズを洗浄バッファーB(50m
M NaH2PO4、300mM NaCl、30mMイミダゾール、pH8.0)20
0μlに懸濁し、5分間振とうの後、前述と同じ遠心操作
により液体を除去した。さらに200μlの10mMトリス塩
酸pH7.6による洗浄を3回繰り返した。フィルター上の
アガロースビーズに、ビーズ体積が50%となるように10
mMトリス塩酸pH7.6を加え、十分に懸濁した。
【0045】(4)アガロースビーズに吸着したRasタ
ンパク質の質量分析 Rasタンパク質をアガロースビーズに吸着した状態でMAL
DI-TOF-MS(Voyager-DETM STR、Perseptive Biosystem
s)解析を行った。上記Rasタンパク質を吸着させたアガ
ロースビーズの懸濁液0.5μlをMALDIサンプルサポート
に載せ、続けて0.5μlのSinapicAcid(50%アセトニト
リル、0.2%トリフルオロ酢酸に飽和させたもの)を載
せ、線形モードにてスペクトルをとった。この結果を図
3aに示した。コントロールとして、0.25Mイミダゾー
ルによりアガロースビーズから溶出した後、UF膜を用
いて脱塩したRasタンパク質を同様に解析した結果を図
3bに示した。いずれの結果も、一価にイオン化した[R
as]+のピーク(m/z=22108.1)と、二価にイオン化した
[Ras]2+のピーク(m/z=11053.5)が認められた。アガロ
ースビーズに吸着した状態で測定したRasタンパク質の
スペクトルのパターンは従来法により精製したもののパ
ターンと同じであり、Ni-NTAアガロースビーズはMALDI-
TOF-MS解析に影響を与えないことが明らかになった。こ
の結果から、アガロースビーズに吸着したタンパク質
は、溶出させることなく、ビーズに吸着した状態(オン
ビーズと記す)でMALDI-TOF-MS解析が可能であることが
示された。
【0046】[実施例2]アガロースビーズに結合した
ヒスチジンタグ付きマウスタンパク質2B7(His-2B7)の限
定分解と質量分析 (1)鋳型DNA断片の調製と無細胞タンパク質合成系
による2B7の合成 マウスタンパク質2B7をコードするcDNAを含むプラ
スミドを鋳型とし、実施例1と同様の方法により第1次
PCRを行った。ただし、実施例1における5’プライ
マー2の代わりに、2B7タンパク質のN末端領域をコー
ドする配列とアニールさせるための5’プライマー3
(配列番号8)を用いた。
【0047】5’プライマー3(配列番号8) 5'- GAAGGAGCCGCCACCATGTCGATGACAGACGTGCTC -3'
【0048】第1次PCR産物を用いて、実施例1と同
様の方法により第2次PCRを行い、無細胞タンパク質
合成系での鋳型DNAとして用いるDNA断片を増幅し
た。なお、このように合成した鋳型DNAがコードする
His-2B7タンパク質のアミノ酸配列を配列番号9に示し
た。さらに、上記表4に示した組成の溶液に、第2次P
CR産物1μlと大腸菌S30抽出液7.2μlを加え反応液の
全量を30μlとし、30℃で1時間、His-2B7タンパク質の
合成を行った。
【0049】(2)ニッケル結合アガロースビーズを用
いたHis-2B7の精製とオンビーズ限定分解 実施例1と同様の方法でNi-NTAアガロースビーズを用い
てHis-2B7を精製した。His-2B7を吸着させたアガロース
ビーズの懸濁液20μlにトリプシン添加又は無添加の条
件で、30℃、120分間反応を行った。反応終了後、ビー
ズを含む反応液を直ちに2〜4℃に保持し、この反応液に
ついてMALDI-TOF-MS解析を行った。この結果を図4に示
した。トリプシン無添加の場合は図4aのように未分解
(分子量14549.5)のものに由来するピーク(A+、A2+
のみが観察されたが、トリプシン濃度を8ng/μlとなる
ように添加した場合は、未分解(分子量14549.5)のも
のに由来するピーク(A+、A2+)はほとんど無く、分子
量12535.9の分解産物に由来するピーク(B+、B2+)が主
に観察された。ここで得られた結果をSoft GPMAW(Ligh
thouse data)により解析したところ、この分子種は2B
7のN末端アミノ酸から19番目からC末端136番目に相当
する部分であることが明らかになった。
【0050】以上のように本発明によりタンパク質をオ
ンビーズの状態で限定分解できることが明らかになっ
た。また、このビーズを含む反応液はそのままMALDI-TO
F-MS解析を行うことが可能であり、分解を受ける部位を
推定することができた。これらの結果から、本発明がタ
ンパク質のドメインの推定に利用可能であることが示さ
れた。また、この方法により一度に多検体を処理するこ
とができるため、限定分解およびその産物の質量分析の
ハイスループット化が可能である。
【0051】
【発明の効果】本発明の方法によれば、アフィニティー
担体で精製したタンパク質の緩衝液を交換する必要な
く、そのままプロテアーゼによる限定分解や、質量分析
法により分子量測定することができる。しかも、通常用
いられている多検体スクリーニング用のプレートを用い
て、タンパク質合成、精製及び分析という一連の操作を
行うことができるため、システムの自動化に好適であ
る。このような効率的なタンパク質及びそのドメイン構
造の同定方法は、タンパク質の代表的な立体構造を網羅
的に解明しようとする構造ゲノミクスの研究を推進する
上で大きな役割を果たすと考えられる。
【配列表】 SEQUENCE LISTING <110> RIKEN <120> Methods for structural analysis of protein by mass spectrometry <130> RJH13-012T <140> <141> <160> 9 <170> PatentIn Ver. 2.1 <210> 1 <211> 23 <212> DNA <213> Artificial Sequence <220> <223> Description of Artificial Sequence:5' primer-1 <400> 1 cctcggccgg agcggccacc atg 23 <210> 2 <211> 40 <212> DNA <213> Artificial Sequence <220> <223> Description of Artificial Sequence:5' primer-2 <400> 2 gaaggagccg ccaccatgac cgaatacaaa ctggttgtag 40 <210> 3 <211> 27 <212> DNA <213> Artificial Sequence <220> <223> Description of Artificial Sequence:3' primer <400> 3 agcggataac aatttcacac aggaaac 27 <210> 4 <211> 216 <212> DNA <213> Artificial Sequence <220> <223> Description of Artificial Sequence:5' fragment <400> 4 ccgctgtcct cgttcccagc ccatgattac gaattcagat ctcgatcccg cgaaattaat 60 acgactcact atagggagac cacaacggtt tccctctaga aataattttg tttaacttta 120 agaaggagat ataccatgaa aggcagcagc catcatcatc atcatcacag cagcggcctg 180 gtgccgcgcg gatcctcggc cggagcggcc accatg 216 <210> 5 <211> 183 <212> DNA <213> Artificial Sequence <220> <223> Description of Artificial Sequence:3' fragment <400> 5 gtttcctgtg tgaaattgtt atccgctgct gagttggctg ctgccaccgc tgagcaataa 60 ctagcataac cccttggggc ctctaaacgg gtcttgaggg gttttttgct gaaaggagga 120 actatatccg gataacctcg agctgcaggc atgcaagctt ggggctggga acgaggacag 180 cgg 183 <210> 6 <211> 21 <212> DNA <213> Artificial Sequence <220> <223> Description of Artificial Sequence:universal primer <400> 6 ccgctgtcct cgttcccagc c 21 <210> 7 <211> 197 <212> PRT <213> Artificial Sequence <220> <223> Description of Artificial Sequence:His-Ras <400> 7 Met Lys Gly Ser Ser His His His His His His Ser Ser Gly Leu Val 1 5 10 15 Pro Arg Gly Ser Ser Ala Gly Ala Ala Thr Met Thr Glu Tyr Lys Leu 20 25 30 Val Val Val Gly Ala Gly Gly Val Gly Lys Ser Ala Leu Thr Ile Gln 35 40 45 Leu Ile Gln Asn His Phe Val Asp Glu Tyr Asp Pro Thr Ile Glu Asp 50 55 60 Ser Tyr Arg Lys Gln Val Val Ile Asp Gly Glu Thr Cys Leu Leu Asp 65 70 75 80 Ile Leu Asp Thr Ala Gly Gln Glu Glu Tyr Ser Ala Met Arg Asp Gln 85 90 95 Tyr Met Arg Thr Gly Glu Gly Phe Leu Cys Val Phe Ala Ile Asn Asn 100 105 110 Thr Lys Ser Phe Glu Asp Ile His Gln Tyr Arg Glu Gln Ile Lys Arg 115 120 125 Val Lys Asp Ser Asp Asp Val Pro Met Val Leu Val Gly Asn Lys Cys 130 135 140 Asp Leu Ala Ala Arg Thr Val Glu Ser Arg Gln Ala Gln Asp Leu Ala 145 150 155 160 Arg Ser Tyr Gly Ile Pro Tyr Ile Glu Thr Ser Ala Lys Thr Arg Gln 165 170 175 Gly Val Glu Asp Ala Phe Tyr Thr Leu Val Arg Glu Ile Arg Gln His 180 185 190 Lys Leu Arg Lys Leu 195 <210> 8 <211> 36 <212> DNA <213> Artificial Sequence <220> <223> Description of Artificial Sequence:5' primer-3 <400> 8 gaaggagccg ccaccatgtc gatgacagac gtgctc 36 <210> 9 <211> 136 <212> PRT <213> Artificial Sequence <220> <223> Description of Artificial Sequence:His-2B7 <400> 9 Met Lys Gly Ser Ser His His His His His His Ser Ser Gly Leu Val 1 5 10 15 Pro Arg Gly Ser Ser Ala Gly Ala Ala Thr Met Ser Met Thr Asp Val 20 25 30 Leu Ser Ala Glu Asp Ile Lys Lys Ala Ile Gly Ala Phe Ala Ala Ala 35 40 45 Asp Ser Phe Asp His Lys Lys Phe Phe Gln Met Val Gly Leu Lys Lys 50 55 60 Lys Asn Pro Asp Glu Val Lys Lys Val Phe His Ile Leu Asp Lys Asp 65 70 75 80 Lys Ser Gly Phe Ile Glu Glu Asp Glu Leu Gly Ser Ile Leu Lys Gly 85 90 95 Phe Ser Ser Asp Ala Arg Asp Leu Ser Ala Lys Glu Thr Lys Thr Leu 100 105 110 Leu Ala Ala Gly Asp Lys Asp Gly Asp Gly Lys Ile Gly Val Glu Glu 115 120 125 Phe Ser Thr Leu Val Ala Glu Thr 130 135
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態であるハイスループット限
定分解システムの概要を表したフローチャートである。
【図2】無細胞タンパク質合成系でヒスチジンタグ付き
Rasタンパク質を発現させるための鋳型DNAをPCR
により調製する方法を示した図である。
【図3】a:オンビーズの状態のRasタンパク質及び、
b:UF膜により脱塩したRasタンパク質をMALDI-TOF-
質量分析法により解析した結果を示した図である。
【図4】a:トリプシン無添加及び、b:8 ng/μlのト
リプシンを添加して限定分解したタンパク質をMALDI-TO
F-質量分析法により解析した結果を示した図である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) G01N 33/68 C12N 15/00 ZNAA (72)発明者 横山 茂之 神奈川県横浜市鶴見区末広町1丁目7番22 号 理化学研究所 横浜研究所内 Fターム(参考) 2G045 DA36 FB20 GC30 4B024 AA11 BA80 CA04 EA04 HA03 HA12 4B063 QA01 QA18 QQ79 QR16 QR42 QR59 QR62 QS24 QS28 QS39

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】質量分析法によるタンパク質の分子量同定
    方法において、 (a)タンパク質と、該タンパク質と特異的に結合する
    担体とを接触させて該タンパク質を該担体に結合させる
    工程、 (b)前記タンパク質を結合した担体を回収する工程、
    及び (c)前記回収した担体に結合した状態のタンパク質を
    用いて、質量分析法により分子量を測定する工程、 を含むことを特徴とするタンパク質の分子量同定方法。
  2. 【請求項2】前記(a)工程における、タンパク質と特
    異的に結合する担体は、抗体、結合タンパク質、受容体
    及びそれらの結合部位を含む部分から選択される少なく
    とも一種を担持した担体であることを特徴とする請求項
    1記載の方法。
  3. 【請求項3】前記(a)工程における、タンパク質と特
    異的に結合する担体は、金属原子、アミノ酸、ペプチ
    ド、オリゴヌクレオチド及び複素環式化合物から選択さ
    れる少なくとも一種を担持した担体であることを特徴と
    する請求項1記載の方法。
  4. 【請求項4】前記タンパク質は無細胞タンパク質合成系
    で標識配列との融合タンパク質として合成することを特
    徴とする請求項1〜3何れか記載の方法。
  5. 【請求項5】前記質量分析法は、飛行時間型マトリック
    ス支援レーザー脱離イオン化法(MALDI-TOF)であること
    を特徴とする請求項1〜4何れか記載の方法。
  6. 【請求項6】質量分析法によるタンパク質ドメインの同
    定方法において、 (a)タンパク質と、該タンパク質と特異的に結合する
    担体とを接触させて該タンパク質を該担体に結合させる
    工程、 (b)前記タンパク質を結合した担体を回収する工程、 (c)前記回収した担体に結合した状態のタンパク質を
    プロテアーゼにより限定分解する工程、 (d)前記分解反応溶液を用いて質量分析法により、前
    記タンパク質及び/又はその分解物の分子量を測定する
    工程、 を含むことを特徴とするタンパク質ドメインの同定方
    法。
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