JP3860130B2 - 固体支持体及び該固体支持体上に固定化された複数の物質又は複合体を脱離/イオン化することにより質量分析する方法 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、ゲル中に分離された物質を転写することにより該物質が固定化されてなる固体支持体、該固体支持体に固定化された核酸及びタンパク質等の生体分子を迅速に質量分析することにより分析及び解析する方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
ペプチド、タンパク質、核酸及び糖鎖など生体分子の多くは比較的少数の構成単位が一定の規則で重合してできている。例えば、ペプチドやタンパク質は20種のL-α-アミノ酸がペプチド結合でつながった分子である。これらの構成単位の分子の構造は既にほとんどが明らかになっており、当然、それらの正確な分子量も明らかとなっている。従って、生体分子やその断片の分子量を正確に測定できれば、その構造(配列など)や生体内で受ける様々な修飾反応の解析に大きく寄与しうることから、質量分析法はDNA、タンパク質等の生体分子の構造解析に欠かせない手段として位置づけられている。質量分析の中でもレーザ脱離/イオン化−飛行時間型質量分析装置は、DNA、タンパク質等の巨大高分子をイオン化できるため、生体分子の有用な解析手段として注目されている。
【0003】
レーザ脱離/イオン化−飛行時間型質量分析装置においては、分析したい試料部位にレーザを照射し、そこから脱離してきたイオンを電場によって加速する。そうすると、m/z値が小さいイオン、すなわち軽いイオンほど高速で飛行して検出器に到着する。レーザ脱離/イオン化−飛行時間型質量分析は、このような質量電荷比(m/z値)の違いでイオンの飛行時間が異なることを利用して質量分析を行う方法である。
【0004】
一方、質量分析によるDNA、タンパク質等の生体分子の構造解析/決定には、分析対象を多数の成分に分離精製し、さらに個々の成分を制限酵素で断片化したものを分析する必要があり、非常に多数の試料を分析しなければならない。また、DNA診断においては、多数の人間から得た試料を迅速に処理する必要がある。
【0005】
それに対し市販されている一般的なレーザ脱離/イオン化−飛行時間型質量分析装置は、精製したそれぞれの試料をサンプルボードに配置し、これを1個ずつ質量分析していく。すなわちサンプリングした試料各点にレーザを照射し1個ずつ分析していく必要があった。従って、未精製の試料を電気泳動により分離した場合は、泳動後のゲルをバンドごとに切り出してそれぞれ精製してから1個ずつレーザ脱離/イオン化−飛行時間型質量分析装置によって質量分析する必要があり、多数の試料を迅速に分析することは非常に困難であった。
【0006】
また、電気泳動した生体分子をゲルからニトロセルロース等のメンブレン上に転写してこれを分析する方法も知られているが、メンブレン上の分析においてはレーザを利用した質量分析を行うことはできず、抗原抗体反応や核酸ハイブリダイゼーションを利用した蛍光検出等に限られる。なぜなら、従来使用されているニトロセルロースやPVDF等のメンブレンは、レーザを照射するとメンブレン自体の分解が起きる可能性が高いからである。すなわち、これらのメンブレン上に転写された生体分子をそのまま上記のようなレーザ脱離/イオン化−飛行時間型質量分析装置で分析することは困難であった。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の課題は、多数の試料を迅速に質量分析する手段を提供し、核酸及びタンパク質等の生体分子の解析を迅速に実施する方法を提供することである。
【0008】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、上記課題を解決すべく鋭意検討の結果、試料中の物質をゲル電気泳動で分離後、ゲル中に分離展開された物質を、表面にカーボン層が形成された固体支持体上に固定化し、これを脱離/イオン化して質量分析する方法により、上記課題が解決できることを見いだし、本発明を完成するに至った。
【0009】
即ち、本発明は以下の発明を包含する。
(1)試料中の物質をゲル電気泳動で分離後、ゲル中に分離された物質を転写することにより該物質が固定化されてなる、表面にカーボン層を有する固体支持体。
(2)試料中の物質をゲル電気泳動で分離後、ゲル中に分離された物質をメンブレンに転写し、該メンブレン上に転写された物質をさらに転写することにより該物質が固定化されてなる、表面にカーボン層を有する固体支持体。
(3)(1)又は(2)に記載の固体支持体上に固定化された物質に、これと相互作用する別の物質を加えて複合体を形成させてなる固体支持体。
(4)カーボン層が、ダイヤモンドライクカーボン層である(1)〜(3)のいずれかに記載の固体支持体。
(5)カーボン層の厚みが単分子層〜100μmである(1)〜(4)のいずれかに記載の固体支持体。
(6)カーボン層の表面が化学修飾により活性化されている(1)〜(5)のいずれかに記載の固体支持体。
(7)固定化された物質が核酸又はペプチドである(1)〜(6)のいずれかに記載の固体支持体。
(8)(1)〜(7)のいずれかに記載の固体支持体上に固定化された複数の物質又は複合体を脱離/イオン化することにより質量分析する方法。
(9)(8)に記載の方法において使用するための、表面にカーボン層を有する固体支持体。
【0010】
【発明の実施の形態】
本発明では、試料をゲル電気泳動で分離し、泳動後のゲルと表面にカーボン層が形成された固体支持体とを密着させることにより、ゲル中に分離展開された分析対象物質を該固体支持体上に転写固定化する。そして、固体支持体上に固定化された物質を脱離/イオン化することにより複数の物質を質量分析する。
【0011】
本発明において、固体支持体に固定化し、分析できる物質としては、特に制限されないが、DNA、RNA等の核酸及びペプチド等の生体分子ならびにPNA(ペプチド核酸)等が挙げられる。本明細書においてペプチドとは、オリゴペプチド、ポリペプチド及びタンパク質を包含する。特に高分子量の物質を分析できる点で有利である。これらの物質を含むゲル電気泳動の対象となる試料としては、特に制限されないが、細胞抽出物、菌体抽出物、無細胞系合成産物、PCR(Polymerase chain reaction)産物、酵素処理産物、合成DNA、合成RNA、合成ペプチド等が挙げられる。
【0012】
電気泳動によりゲル中に分離された生体分子等の物質を転写固定化するための固体支持体は、基板の表面にカーボン層を有し、これらの生体分子を固定化できるものであれば特に制限されない。カーボン層に特定の化学修飾を施したものが好ましい。特定の化学修飾を施すことにより分析対象となる物質が結合しやすくなり、また安定に固定化されるからである。
【0013】
本発明において基板とはカーボン層を形成させるもととなる基材を意味し、このような基材としては、特に制限されないが、例えば、金、銀、銅、アルミニウム、タングステン、モリブデン、クロム、白金、チタン、ニッケル等の金属;ステンレス、ハステロイ、インコネル、モネル、ジュラルミン等の合金;上記金属とセラミックスとの積層体;ガラス;シリコン;繊維;木材;紙;ポリカーボネート、フッ素樹脂等のプラスチック;及びプラスチックと上記金属、セラミックス、ダイヤモンド等との混合体を挙げることができる。ガラス又はプラスチック等の表面にプラチナ、チタン等からなる金属層を形成させたものを使用することもできる。金属層の形成は、スパッタリング、真空蒸着、イオンビーム蒸着、電気めっき、無電解めっき等により実施することができる。
【0014】
固定化された物質について、レーザ脱離/イオン化−飛行時間型質量分析等によって質量分析を行う場合、固体支持体に高電圧がかかるため、基板は導電性を有するもの、例えば、ステンレス、アルミニウム、チタン等が好ましい。
【0015】
本発明において基板上に形成させるカーボン層としては、特に制限されないが、合成ダイヤモンド、高圧合成ダイヤモンド、天然ダイヤモンド、軟ダイヤモンド(例えば、ダイヤモンドライクカーボン)、無定形炭素、炭素系物質(例えば、グラファイト、フラーレン、カーボンナノチューブ)のいずれか、それらの混合物、又はそれらを積層体、炭化ハフニウム、炭化ニオブ、炭化珪素、炭化タンタル、炭化トリウム、炭化チタン、炭化ウラン、炭化タングステン、炭化ジルコニウム、炭化モリブデン、炭化クロム又は炭化バナジウム等からなる層を挙げることができ、ダイヤモンドライクカーボン(DLC)層が好ましい。ここで、軟ダイヤモンドとは、いわゆるダイヤモンドライクカーボン(DLC:Diamond Like Carbon)等の、ダイヤモンドとカーボンとの混合体である不完全ダイヤモンド構造体を総称し、その混合割合は、特に限定されない。
【0016】
カーボン層は、化学的安定性に優れておりその後の化学修飾や分析対象物質との結合における反応に耐えることができる点、分析対象物質と共有結合によって結合するためその結合が安定である点、UV吸収がないため検出系UVに対して透明性である点、及びエレクトロブロッティングの際に通電可能な点において有利である。また、分析対象物質との結合反応において、非特異的吸着が少ない点においても有利である。
【0017】
本発明においてカーボン層の形成は公知の方法で行うことができる。例えば、マイクロ波プラズマCVD(Chemical vapor deposit)法、ECRCVD(Electric cyclotron resonance chemical vapor deposit)法、IPC(Inductive coupled plasma)法、直流スパッタリング法、ECR(Electric cyclotron resonance)スパッタリング法、イオン化蒸着法、アーク式蒸着法、レーザ蒸着法、EB(Electron beam)蒸着法、抵抗加熱蒸着法などが挙げられる。
【0018】
高周波プラズマCVD法では、高周波によって電極間に生じるグロー放電により原料ガス(メタン)を分解し、基板上にDLC(ダイヤモンドライクカーボン)層を合成する。イオン化蒸着法では、タングステンフィラメントで生成される熱電子を利用して、原料ガス(ベンゼン)を分解・イオン化し、バイアス電圧によって基板上にカーボン層を形成する。水素ガス1〜99体積%と残りメタンガス99〜1体積%からなる混合ガス中で、イオン化蒸着法によりDLC層を形成してもよい。
【0019】
アーク式蒸着法では、固体のグラファイト材料(陰極蒸発源)と真空容器(陽極)の間に直流電圧を印加することにより真空中でアーク放電を起こして陰極から炭素原子のプラズマを発生させ蒸発源よりもさらに負のバイアス電圧を基板に印加することにより基板に向かってプラズマ中の炭素イオンを加速しカーボン層を形成することができる。
【0020】
レーザ蒸着法では、例えばNd:YAGレーザ(パルス発振)光をグラファイトのターゲット板に照射して溶融させ、ガラス基板上に炭素原子を堆積させることによりカーボン層を形成することができる。
【0021】
本発明の固体支持体表面のカーボン層の厚さは、通常、単分子層〜100μm程度であり、薄すぎると下地固体支持体の表面が局部的に露出する可能性があり、逆に厚くなると生産性が悪くなるので、好ましくは2nm〜1μm、より好ましくは5nm〜500nmである。なお、固体支持体のすべてが炭素材料で構成されていてもよい。
【0022】
泳動後のゲルから物質を転写した後、直接レーザ脱離/イオン化−飛行時間型質量分析等を行うため、本発明の固体支持体の形状は平板状であることが好ましい。そのサイズは、特に制限されないが、通常は、幅10〜200mm×長さ10〜200mm×厚み0.1〜20mm程度である。
【0023】
核酸やペプチド等の生体分子を固定化するためには、カーボン層が形成された基板の表面を化学修飾することにより活性化することが好ましい。このような表面活性化は、標的となる物質の固定化を促すものとして、当業者であれば適宜選択することができ、特に制限されないが、例えば、アミノ基、カルボキシル基、エポキシ基、ホルミル基、ヒドロキシル基、カルボジイミド基、活性エステル基を導入することが挙げられる。また、ニッケルキレート、コバルトキレート等の金属キレートを導入することも有効である。
【0024】
アミノ基の導入は、例えば、カーボン層を塩素ガス中で紫外線照射して塩素化した後、アンモニアガス中で紫外線照射することにより実施できる。又は、メチレンジアミン、エチレンジアミン等の多価アミン類を、塩素化したカーボン層と反応させることによって実施することもできる。あるいは、アンモニアプラズマ、エチレンジアミンプラズマでカーボン層表面を処理することによっても実施することができる。
【0025】
カルボキシル基の導入は、例えば、上記のようにアミノ化したカーボン層に適当な多価カルボン酸を反応させることにより実施できる。
【0026】
エポキシ基の導入は、例えば、上記のようにアミノ化したカーボン層に適当な多価エポキシ化合物を反応させることによって実施できる。あるいは、カーボン層が含有する炭素=炭素2重結合に有機過酸を反応させることにより得ることができる。有機過酸としては、過酢酸、過安息香酸、ジペルオキシフタル酸、過ギ酸、トリフルオロ過酢酸などが挙げられる。
【0027】
ホルミル基の導入は、例えば、上記のようにアミノ化したカーボン層に、グルタルアルデヒドを反応させることにより実施できる。
【0028】
ヒドロキシル基の導入は、例えば、上記のように塩素化したカーボン層に、水を反応させることにより実施できる。
【0029】
カルボジイミド基の導入は、例えば、上記のようにアミノ化したカーボン層に、カルボジイミド類を反応させることにより実施できる。
【0030】
活性エステル基の導入は、例えば、塩素ガス中でカーボン層に紫外線を照射して表面を塩素化し、ついで、アンモニアガス中で紫外線を照射してアミノ化した後、適当な酸クロリド又はジカルボン酸無水物を用いてカルボキシル化し、末端のカルボキシル基をカルボジイミド又はジシクロヘキシルカルボジイミド及びN−ヒドロキシスクシンイミドと脱水縮合することにより実施できる。この処理により、アミド結合を介して炭化水素基の末端に、N−ヒドロキシスクシンイミドエステル基等の活性エステル基が結合した基を形成することができる。
【0031】
DNA及びRNA等の核酸を固定化する場合は、N−ヒドロキシスクシンイミド基、カルボジイミド基、エポキシ基、ホルミル基を導入するのが好ましい。
【0032】
ペプチドを固定化する場合は、N−ヒドロキシスクシンイミド基、カルボジイミド基、エポキシ基、ホルミル基、金属キレートを導入するのが好ましい。金属キレートを導入した固体支持体を使用すると、ポリヒスチジン配列等の金属イオンと親和性のある標識を有するペプチドを効果的かつ安定に固定化することができる。金属キレートの導入は、例えば、カーボン層が形成された基板を塩素化し、次いでこれをアミノ化した後、クロロ酢酸等のハロカルボン酸を添加してキレート配位子を導入することにより実施できる。ポリヒスチジン配列等の標識は、当業者に公知の方法により導入することができる。
【0033】
本発明において試料の分離に使用できる電気泳動法としては、特に制限されないが、例えば、アガロースゲル電気泳動法、sievingアガロースゲル電気泳動法、変性アガロースゲル電気泳動法、ポリアクリルアミドゲル電気泳動法、SDSポリアクリルアミドゲル電気泳動法、等電点ゲル電気泳動法及び二次元電気泳動法などを挙げることができる。当業者であれば、分離の対象となる物質の種類及び分子量等から使用する電気泳動法の種類を適宜選択することができる。
【0034】
アガロースゲル電気泳動法は、核酸を分離するために最もよく利用される手法である。アガロースゲルはポリアクリルアミドゲルと比較してゲルの網目構造が大きいため、数十〜数百KbpのDNAフラグメントを長さや分子構造の違いで分離することができる。DNAフラグメント全体の荷電状態は主にリン酸基の数に依存するため、移動度はDNAフラグメントの大きさに比例する。電場方向を断続的に変化させて泳動すると酵母染色体などの巨大DNAを分離することもできる(パルスフィールド電気泳動)。
【0035】
核酸のポリアクリルアミドゲル電気泳動は、DNAフラグメントの解析に主に用いられ、ポリアクリルアミドゲルの微細な網目構造を利用して、アガロースゲル電気泳動の場合に比較して短鎖(〜1Kbp)のフラグメントを長さと構造に基づいて分離する手法である。DNAの立体構造(コンフォメーション)の影響を強く受けるため、DNA鎖長の推定は二本鎖DNAを泳動する場合に限られる。一本鎖DNAは様々な構造を取ることが予想されるので移動度とそのDNA鎖長との間に相関は見られず、しばしば複数のバンドとして検出されることもある。DNA塩基のわずかな違いでも構造変化がおこり、泳動パターンに反映される。これを利用したDNAフラグメント解析手法(SSCP:Single−Strand Conformation Polymorphism)も開発され遺伝子変異解析に利用されている。特殊な配列(繰返し配列や塩基の偏りなど)を含む二本鎖DNAフラグメントはDNA構造を歪めることが知られており、ポリアクリルアミドゲル電気泳動法はDNAの構造・機能解析にも使用できる。また、尿素などを含む変性ゲル中では、一本鎖DNAも構造の影響を受けることなく鎖長に応じて分離できる。
【0036】
SDS(Sodium dodecyl sulfate)−ポリアクリルアミドゲル電気泳動法(SDS−PAGE法)は、目的タンパク質の高次構造を変性して分子量の違いにより分離する手法である。ポリアクリルアミドゲルは、ゲル中の細孔径が密なため100〜200KDa以下のタンパク質やポリペプチドを分離するのに適している。操作が簡便で再現性が高いので、タンパク質の電気泳動では最もよく用いられている手法である。通常は、泳動サンプルの調製時にβ-メルカプトエタノールやDTT(Dithiothreitol)などの還元剤を添加してタンパク質のS−S結合(ジスルフィド結合)を切断する。SDSの結合量によって分子の電荷がほぼ決まるため、電気泳動によりポリペプチド分子を分子量に従って分離することができる。SDSは強力な陰イオン界面活性剤なので、膜タンパク質などの不溶性タンパク質の可溶化にも適している。
【0037】
等電点電気泳動は、タンパク質の等電点(pI)の違いを利用して分離し、目的タンパク質の等電点測定や分析を行う泳動手法である。タンパク質を構成しているアミノ酸側鎖やアミノ末端、カルボキシル末端の電荷はpH条件によって変化し、電荷の総和がゼロになるpHの値が等電点となる。等電点電気泳動を行うには、泳動ゲル中にpH勾配を作る必要がある。サンプルを泳動ゲルに添加して電場をかけると、それぞれのタンパク質は固有のpIと同じpHに向かってpH勾配を形成したゲル中を移動する。pH勾配ゲルの作製には、両性担体(キャリアアンフォライト)をゲルに添加して電場をかけてpH勾配を形成する手法と、様々なpIの側鎖を持つアクリルアミド誘導体を用いてゲル作製と同時にpH勾配を形成する手法(IPG法:Immobilized pH gradient)とがあり、プロテオミクス研究では、分離能、再現性、添加許容量ともに優れるIPG法が主に用いられている。IPG法専用のプレキャストゲル(Immobiline Dry Strip Gel)が市販されている。キャリアアンフォライトを用いる等電点泳動の分離能は0.01〜0.02pH単位で、IPG法では0.001pH単位の違いでも分離することができる。
【0038】
二次元電気泳動法は、二段階の電気泳動によりタンパク質を二次元に分離する方法である。一般的に一次元目は等電点電気泳動によりタンパク質を分離し、二次元目はSDS−PAGE法により分子量で分離する。いずれの手法も分離能が非常に高いので、細胞全タンパク質を数千以上にもおよぶスポットに分離することができる。再現性と解像度に優れた固定化pH勾配法(IPG法)を一次元目泳動に用いることが一般的である。また、より多くのスポットを得るために、幅広いpHレンジの分離結果を基にしてNarrow pH IPGゲルで目的pH部分のみを分離したり、20cm以上の大型ゲルを用いて二次元目電気泳動を行うこともできる。
【0039】
本発明においては、DNA、RNAを分離する場合は、アガロースゲル電気泳動法を使用するのが好ましく、ペプチドを分離する場合は、SDSポリアクリルアミドゲル電気泳動法及び二次元電気泳動法を使用するのが好ましい。これらの電気泳動法は、当技術分野における当業者が通常使用する方法で実施することができる。
【0040】
電気泳動後、ゲルを、使用する固体支持体に載る大きさに切り出し、ゲルと固体支持体とを密着させて、ゲル中に分離された分析対象物質を本発明の固体支持体上に転写することにより固定化する。固体支持体への転写方法としては、特に制限されず、当技術分野で通常用いられる方法を使用することができる。例えば、毛細管現象を利用したキャピラリー式ブロッティング、ポンプにより吸引するバキューム式ブロッティング及び電気的手法を用いるエレクトロブロッティングが挙げられる。核酸を転写する場合は、キャピラリー式ブロッティングを使用するのが好ましく、ペプチドを転写する場合は、エレクトロブロッティングを使用するのが好ましい。
【0041】
エレクトロブロッティングにおいては、タンク式、セミドライ式及びセミウェット式のいずれも使用することができるが、バッファー使用量の少なさや、反応時間の短さ等の観点からセミドライ式エレクトロブロッティングを使用するのが好ましい。ブロッティング装置としては、当技術分野で通常用いられているエレクトロブロッティング装置を使用することができる。エレクトロブロッティングにおける通電条件は、定電圧、200V以下、好ましくは0.1〜10Vで、1〜500分間、好ましくは5〜100分間が好ましい。ただし、電圧を金属基板の酸化電位より高くすると金属の溶出がおこるため、基板金属の酸化電位より低い電圧で行うのが好ましい。
【0042】
本発明の別の態様においては、分析の対象となる物質を電気泳動せずに本発明の固体支持体に直接スポッティングすることにより固定化し、これをTOF−MS等により分析してもよい。また、固体支持体上にある物質を固定化し、これと相互作用する物質をさらにスポッティングすることにより固定化し、相互作用した物質をTOF−MS等で分析してもよい。
【0043】
以下に、試料中のタンパク質を分析する場合の本発明における電気泳動及び転写の一態様を示す。まず、試料中のタンパク質を可溶化する。すなわち、試料に存在するタンパク質分解酵素を失活させるとともに、SDSとβ−メルカプトエタノールによってタンパク質を効果的に変性させる目的で沸騰水中で一定時間熱処理する。次にSDS−ポリアクリルアミドゲルの各レーンに一定量注入し、SDSを含むグリシン−トリスバッファーを泳動用バッファーとして、一定電圧で一定時間泳動させる。泳動後、ゲルをあらかじめ冷却しておいたメタノールを含むグリシン−トリスバッファー(転写用バッファー)に一定時間浸漬し、平衡化する。続いて、ゲルを陰極側、転写用固体支持体を陽極側としてエレクトロブロッティング装置に装着する。転写槽には転写用バッファーを加え、氷冷下、定電圧で一定時間転写を行う。このとき、転写効率を上げる観点から、陰極とゲルの間、及び陽極と固体支持体の間に、バッファーやイオン交換水を含ませたろ紙を配置するのが好ましい。陰極側のろ紙に含ませるバッファーとしては、Tris、ε−アミノカプロン酸、酢酸、EDTA、リン酸、ホウ酸、酒石酸、SDS等を含むものが挙げられる。Tris及びε−アミノカプロン酸を含むバッファーを用いる場合、アミノカプロン酸の濃度は1000mM以下程度が好ましい。陽極側のろ紙には、イオン交換水を含ませるのが好ましい。
【0044】
本発明の別の態様においては、対象物質を電気泳動後のゲルから従来技術において使用されるようなメンブレンに転写し、さらに該メンブレンから本発明の固体支持体上に転写することにより、ゲル中に分離された物質を固体支持体上に固定化することもできる。この場合に使用できるメンブレンの材質としては、ニトロセルロース、PVDF(ポリフッ化ビニリデン)、ナイロン及びポジティブチャージナイロン等が挙げられる。タンパク質の転写においては、タンパク質の結合能力が最も高いPVDFを使用するのが好ましく、核酸の転写においても核酸の非特異吸着が少ないPVDFを使用するのが好ましい。泳動物質のゲルからメンブレンへの転写及びメンブレンから固体支持体への転写は、上記と同様の方法により実施できる。ゲルからメンブレンへの転写においては、エレクトロブロッティングを使用するのが好ましく、エレクトロブロッティングにおける通電条件は、0.1〜50Vで、5〜120分間程度が好ましい。メンブレンから固体支持体への転写においては、エレクロトブロッティング装置を利用するのが好ましい。
【0045】
本発明の別の態様においては、電気泳動によって分離された物質を固体支持体上に固定化し、この物質と相互作用する物質を反応させて複合体を形成し、形成した複合体をイオン化することによって質量分析を行うこともできる。本発明において質量分析とは、電気的相互作用を利用して原子・分子のイオンを質量の違いによって分析する手法である。質量分析装置はイオンの生成・分離・検出の三つの異なる働きを持っている。既に述べたような方法により、タンパク質が固体支持体上に固定化される場合は、該タンパク質に対する抗体を反応させて複合体を形成し、該複合体にレーザ照射等を行ってイオン化することにより質量分析を行うことができる。また、DNA又はRNA等の核酸が固体支持体上に固定化される場合は、該核酸に対して相補的な核酸を固体支持体上の核酸にハイブリダイズさせ、形成した二本鎖をイオン化して質量分析を行うことができる。その他の相互作用としては、例えば、酵素反応、ビオチン−ストレプトアビジン相互作用等を利用することができる。相互作用によって形成した複合体の質量分析を行うことにより、プローブ分子に特異的に相互作用したターゲット分子の塩基配列或いはアミノ酸配列を解析することができる。また、固体支持体上に固定化された分子に相互作用した分子のみをイオン化して質量分析を行うこともできる。
【0046】
固体支持体上に固定化された物質は、レーザ脱離/イオン化−飛行時間型質量分析等の手段によりそのまま質量分析を実施することができる。質量分析する際に使用できるイオン化法の様式としては、マトリックス補助レーザ脱着(MALDI)法、電子衝撃によるイオン化(EI)法、光イオン化法、放射性同位体から放射されるLETの大きなα又はβ線を使用するイオン化法、2次イオン化法、高速原子衝突イオン化法、電界電離イオン化法、表面電離イオン化法、化学イオン化(CI)法、フィールドイオン化(FI)法、火花放電によるイオン化法等が挙げられ、マトリックス補助レーザ脱着(MALDI)法、電子衝撃によるイオン化(EI)法が好ましい。また、分離様式としては、線形又は非線形反射飛行時間(TOF)、単一又は多重四重極、単一又は多重磁気セクター、フーリエ変換イオンサイクロトロン共鳴(FTICR)、イオン捕獲、高周波ならびにイオン捕獲/飛行時間等が挙げられ、線形又は非線形反射飛行時間(TOF)、高周波及びイオン捕獲/飛行時間を用いるものが好ましい。上記のようなイオン化法と分離様式もしくはそれらの組合せを含む分離様式、電気的記録ならびに写真記録のような検出様式とを組み合わせることにより質量分析を実施することができる。生体分子などの高分子物質をイオン化し、及び固体支持体上の複数の物質を分析するという観点からは、レーザ脱離/イオン化−飛行時間型質量分析を利用するのが好ましい。
【0047】
以下に本発明の一態様として、MALDI−TOF MSを用いた質量分析の手順を説明する。
【0048】
分析対象物質が固定化された本発明の固体支持体に、α-シアノヒドロキシ桂皮酸、シナピン酸などのマトリックスを添加し、乾燥させる。次ぎに該固体支持体を、MALDI−TOF MSのフラットターゲットに設置する。そして、MassLynxソフトウエア等を用いて質量分析を開始する。MassLynxによって測定と解析の全てをコントロールすることができる。測定時に、自動測定のパラメーターファイルと、測定後に行うデータプロセス及びデータベース解析のプロセスファイル、ならびに試料リストなどを作成する。データプロセシングは、ProteinLynxソフトウエアを用いてMassLynx上で行うことができる。取り込まれたデータから質量スペクトルを作成し、作成されたスペクトルは、MaxEnt 3ソフトウエア(Micromass社)により、精度を高めた後、モノアイソトピック・ピークデータに変換する。続いてキャリブレーションを行い質量誤差約50ppmの最終データとする。このデータから相互作用したタンパク質の正確な質量を求めることができる。
【0049】
質量分析に続いてタンパク質のアミノ酸配列分析及び同定を行うことができる。MALDI−TOF MSの分析モードをポストソースディケイ(PSD)スペクトルを検出できるモードにし、相互作用したタンパク質のアミノ酸配列を分析する。続いて、アミノ酸配列データを基にSWISSPROTデータベースを検索し、タンパク質を同定する。あるいは、MALDI−TOF/TOF MSやMALDI Q−TOF MSに分析対象物質が固定化された固体支持体を設置してアミノ酸配列を分析し、相互作用したタンパク質を同定することができる。
【0050】
以下、実施例により本発明をより具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
【0051】
【実施例】
(実施例1)Ti−Pt−DLC固体支持体へのタンパク質の転写
固体支持体の作成
76mm×26mm×1.1mmのスライドガラスにTi層及びその上にPt層をマグネトロンスパッタリングにより形成した。スパッタリングの条件は以下の通りである。生成した金属層の厚みは、Ti層及びPt層それぞれが100nmであった。
【0052】
【表1】
Figure 0003860130
【0053】
そして、金属層を形成した基板上にダイヤモンドライクカーボン層を形成した。ダイヤモンドライクカーボン層の形成はイオン化蒸着法により以下の条件で行った。生成したダイヤモンドライクカーボン層の厚みは、20nmであった。
【0054】
【表2】
Figure 0003860130
【0055】
上記のようにして基板1にダイヤモンドライクカーボン層を形成した後、表面を塩素ガス中で1分間紫外線を照射することにより塩素化し、アンモニアガス中で10分間紫外線を照射することによりアミノ化し、さらにこはく酸クロリドによりカルボキシル化し、更にN−ヒドロキシスクシンイミドにより活性化して固体支持体1を作成した。
【0056】
SDS−PAGE法による電気泳動
Cy3-プロテインA(1.5μg、SIGMA社製)、大腸菌タンパク質(0.5μg)及びマーカー(Prestained Broad Range、0.5μl、BIO RAD社製)を試料として用い、SDS−PAGE用装置(ATTO社製 AE−7300型)を用いて電気泳動を行った。泳動用のゲルとしては、10%ポリアクリルアミドゲルを使用した。泳動用バッファーは0.1%SDSを含むグリシン―トリスバッファー(pH8.3)を用い、泳動は200Vで35分間行った。泳動終了後、15分間CBB染色し、脱染色したあと、LAS1000(富士写真フイルム株式会社製)で画像撮影した(図1)。約50kDa付近にCy3-プロテインAのバンドが検出された。
【0057】
エレクトロブロッティング
泳動後のポリアクリルアミドゲルを、あらかじめ冷却しておいた転写用バッファー(25mM Tris、5%メタノール)に30分間浸漬し、平衡化した。次いで、ポリアクリルアミドゲルを固体支持体1に載る大きさに切り取って、該固体支持体と密着させ、ポリアクリルアミドゲルを陰極、固体支持体を陽極に設置し、下記条件で通電した。
【0058】
【表3】
Figure 0003860130
【0059】
蛍光強度の測定
タンパク質転写後の固体支持体1の蛍光強度をFLA8000(富士写真フイルム株式会社製)で測定したところ、蛍光強度が28270として測定され、Cy3−プロテインAが固体支持体表面に固定化されたことが確認された(図2)続いて、該固体支持体をPBSで10分間洗浄した後、同様に蛍光強度を測定したところ、蛍光強度は9766であり、約1/3程度まで低下した(図3)。ブロッキング試薬(Roche社製)で1時間ブロッキングし、蛍光強度を測定したところ蛍光強度に変化はなかった。次ぎに、500μlの0.05μg/μlCy3−IgGを添加して室温で1時間反応させた後、PBSで室温にて12時間洗浄し、蛍光強度を測定した(図4)。蛍光強度は16448であり、増加していることから、プロテインAとIgGが結合したこと、すなわち、固定化されたタンパク質の結合能が維持されたことがわかる。
【0060】
(実施例2)ステンレス−DLC固体支持体へのタンパク質の転写
ステンレス−DLC固体支持体の作成
ステンレス基板にダイヤモンドライクカーボン層を形成した。ステンレス基板は、平滑性と蛍光バックグラウンドを下げるために、予めバフ研磨後、更に電解研磨を施した。ダイヤモンドライクカーボン層の形成はイオン化蒸着法により以下の条件で行った。生成したダイヤモンドライクカーボン層の厚みは、20nmであった。
【0061】
【表4】
Figure 0003860130
【0062】
イオン交換水300mlに、6.76gのN−ヒドロキシスクシンイミド及び12gの1−エチル−3−(3−ジメチルアミノプロピル)カルボジイミドハイドロクロリドを溶解した溶液に、固体支持体を20分間浸漬することによりステンレス−DLC基板を活性化し、固体支持体2を作成した。
【0063】
Cy3−プロテインA(0.2μg、SIGMA社製)を実施例1と同様にSDS−PAGE法(ATTO社製 AE−6530型)で泳動し、泳動終了後、15分間CBB染色し、脱染色したあと、LAS1000(富士写真フイルム株式会社製)で画像撮影した(図5)。
【0064】
泳動後のゲルを取り出し、固体支持体2に載る大きさに切った後、転写用バッファーB(25mM Tris、5% メタノール)に浸した。予め固体支持体2の大きさに切っておいたろ紙(ATTO社製)をそれぞれ、転写用バッファーA(0.3M Tris、5% メタノール)、C(25mM Tris、40mM ε−アミノカプロン酸、5% メタノール)又はイオン交換水に浸した。続いて、気泡が入らないように、ろ紙、ゲル、固体支持体を図6のように重ねてセミドライブロッティング装置に設置し、8V、4mAで60分間通電し、タンパク質を固体支持体2に転写した。転写後の固体支持体2をイオン交換水で室温にて30分間洗浄し、乾燥させた後、転写後の固体支持体とゲルをFLA8000(富士写真フイルム株式会社製)で画像撮影した(図7)。
【0065】
▲1▼は、陰極側及び陽極側のろ紙の双方にイオン交換水を含ませて転写を行った場合の結果である。Cy3−プロテインAはゲルからほとんど抜け出ておらず、また固体支持体にも固定化されていなかった。
【0066】
▲2▼は、ろ紙Iに転写用バッファーC、ろ紙IIに転写用バッファーB、ろ紙IIIに転写用バッファーAを含ませて転写を行った場合の結果である。Cy3−プロテインAはゲルから多少減少しているが、固体支持体には固定化されていなかった。
【0067】
▲3▼は、ろ紙Iに転写用バッファーC、ろ紙II及びIIIにイオン交換水を含ませて転写を行った場合の結果である。ゲルは、固体支持体に重ねる前に、水分をふき取った。その結果、Cy3−プロテインAは、均一ではないがゲルから抜け出ていることが確認された。また、固体支持体上には形状は良くないが固定化が見られた。
【0068】
▲4▼は、ろ紙Iに転写用バッファーC、ろ紙II及びIIIにイオン交換水を含ませ、ゲルの水分をふきとらずに固体支持体に重ねて転写を行った場合の結果である。その結果、Cy3−プロテインAは、均一ではないがゲルから抜け出ていることが確認された。また、固体支持体上にはCy3−プロテインAが形状良く固定化されていた。
【0069】
以上から、ゲル中のタンパク質の固体支持体への転写においては、陰極側のろ紙には転写用バッファーを、陽極側のろ紙にはイオン交換水を含ませ、泳動後のゲルの水分をふきとることなく転写を行うことが好ましいと考えられる。
【0070】
(実施例3)ステンレス−DLC固体支持体へのタンパク質の転写
Cy3−プロテインA(50ng、SIGMA社製)及びCy3−IgA(100ng、SIGMA社製)を実施例1と同様にSDS−PAGE法(ATTO社製 AE−6530型)で泳動し、泳動終了後、15分間CBB染色し、脱染色したあと、LAS1000(富士写真フイルム株式会社製)で画像撮影した(図8)。なお、Cy3-IgAの泳動については、12%ポリアクリルアミドゲルを使用した。また、実施例2と同様にして、固体支持体2を作成した。
【0071】
泳動後のゲルを取り出し、固体支持体2に載る大きさに切った後、転写用バッファー(25mM Tris、5% メタノール)に浸した。予め固体支持体の大きさに切っておいたろ紙(ATTO社製)をそれぞれ、転写用バッファーC1(25mM Tris、40mM ε−アミノカプロン酸、5% メタノール)、C2(25mM Tris、400mM ε−アミノカプロン酸、5% メタノール)又はイオン交換水に浸した。続いて、気泡が入らないように、ろ紙、ゲル、固体支持体を実施例2の図6と同様に重ね、セミドライブロッティング装置に設置した。このとき、陰極側のろ紙3枚には、転写用バッファーC1又はC2を含ませたものを使用し、陽極側のろ紙3枚には、イオン交換水を含ませたものを使用した。そして、2V、2μAで60分間通電し、タンパク質を固体支持体2に転写した。転写後の固体支持体2をイオン交換水で室温にて30分間洗浄し、乾燥させた。そして該固体支持体と転写後のゲルをFLA8000(富士写真フイルム株式会社製)で画像撮影した(図9)。
【0072】
その結果、固体支持体への転写の際に陰極側のろ紙に含ませる転写用バッファーは、C1、すなわち、ε−アミノカプロン酸の濃度が40mMのものの方が固定化効率がよいことが分かった。
【0073】
(実施例4)PVDFメンブレンからTi−Pt−DLC固体支持体へのタンパク質転写
実施例1と同様にして基板1にダイヤモンドライクカーボン層を形成し、塩素ガス中で基板表面に1分間紫外線を照射することにより塩素化した後、イオン化蒸着装置を用いてアンモニアプラズマ中で処理することにより表面をアミノ化した。その後、無水こはく酸で処理後更にポリアクリル酸で処理した。そして、N−ヒドロキシスクシンイミドにより活性化して固体支持体3を作成した。
【0074】
また実施例1と同様にしてポリアクリルアミドゲルでCy3−プロテインAを電気泳動した。泳動終了後、15分間CBB染色し、脱染色したあと、LAS1000(富士写真フイルム株式会社製)で画像撮影を行った(図10)。約50kDa付近にCy3-プロテインAのバンドが検出された。
【0075】
転写用バッファーA(0.3M Tris、5% メタノール)、B(25mMTris、5% メタノール)及びC(25mM Tris、40mM ε−アミノカプロン酸、5% メタノール)を調製した。泳動後のゲルを取り出し、約200mlの転写用バッファーBに浸して、5分間軽く振盪した。予めゲルの大きさに切っておいたPVDFメンブレン(ATTO社製)を少量のメタノールに5秒間浸した後、約100mlの転写用バッファーBに浸し、5分以上振盪した。転写用バッファーA、B又はCの各200mlに、予めゲルの大きさに切っておいたろ紙をそれぞれ2枚、1枚及び3枚ずつ浸した。続いて、セミドライブロッティング装置(日本エイドー)に、上記のろ紙、ゲル及びPVDFメンブレンを、気泡が入らないように図11のように重ね合わせて設置し、電圧15Vで60分間通電した。転写後、PVDFメンブレンを200mlのPBSに浸して、5分間浸透した。
【0076】
転写後のPVDFメンブレンを固体支持体3に載る大きさに切り、図12のような順番で重ね合わせ、35g/cm2の重しを載せた。室温にて1時間置き、メンブレン上のCy3−プロテインAを固体支持体3上に転写した。続いて該固体支持体3を、PBSで室温にて20分間洗浄した後、乾燥させた。そして、固体支持体をFLA8000(富士写真フイルム株式会社製)で画像撮影した。撮影画像を図13に示す。画像中に囲った部分がメンブレンを密着させた部分である。対応する位置に蛍光が検出されたことから、Cy3-プロテインAが固体支持体上に固定化されていることがわかる。
【0077】
(実施例5)TOF−MSによる分析
実施例2で作成したステンレス−DLC固体支持体に1μlのレグインスリン結合タンパク質水溶液(112.5ng/μl)をスポッティングして10分間放置した。続いて、超純水で10分間振とう洗浄した後、乾燥させ、レグインスリン結合タンパク質固定化固体支持体を作成した。
【0078】
上記で得られたレグインスリン結合タンパク質固定化固体支持体のスポット上に、1μlのレグインスリン水溶液(37.5ng/μl)をスポッティングして5分間放置した。続いて、超純水で5分間振とう洗浄した後、乾燥させ、レグインスリン結合タンパク質−レグインスリン固定化固体支持体を作成した。
【0079】
上記のようにして得られたレグインスリン結合タンパク質固定化固体支持体及びレグインスリン結合タンパク質−レグインスリン固定化固体支持体に、0.5μlのマトリックス溶液(α−シアノヒドロキシ桂皮酸溶液)を添加して乾燥させた。
【0080】
これらの固体支持体をMALDI−TOF−MS(TofSpec−2E、Micromass社製)のフラットターゲットに設置した。そしてMassLynxソフトウェアを用いた質量分析を実施した。MassLynxソフトウェアによって測定と解析の全てをコントロールすることができる。測定時に、自動測定のパラメーターファイルと、測定後に行うデータプロセス及びデータベース解析のプロセス及びデータベース解析のプロセスファイル、ならびに試料リストなどを作成した。
【0081】
データのプロセシングはProteinLynxソフトウェアを用いてMassLynx上で行った。取り込まれたデータから質量スペクトルを作成し、作成されたスペクトルをMaxEnt3(Micromass社)ソフトウェアにより、精度を高めた後、モノアイソトピック・ピークデータに変換した。続いて、キャリブレーションを行い、質量誤差50ppmの最終データとした。このデータから相互作用したタンパク質の正確な質量を求めた。レグインスリン結合タンパク質固定化固体支持体のTOF−MS分析の結果を図14に示す。レグインスリン結合タンパク質−レグインスリン固定化固体支持体のTOF−MS分析の結果を図15に示す。
【0082】
TOF−MSのチャートから、3920Daのレグインスリンのピークが検出されたことがわかる。以上から、本発明の固体支持体に固定化されたタンパク質をTOF−MSで分析できることが明らかとなった。
【0083】
【発明の効果】
本発明の方法により、試料中に含まれる多数の物質を電気泳動で分離した後、個々のバンドに含まれる物質を固体支持体上に固定化することができ、複数の物質を精製することなく同時かつ直接に質量分析することが可能となるため、多数の試料を迅速に解析することができる。
【0084】
従って、本発明は、核酸及びタンパク質等の生体分子の解析において非常に有用な手段となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例1において、Cy3-プロテインA及び大腸菌タンパク質をSDS−PAGE法で電気泳動し、泳動後のゲルを15分間CBB染色し、脱染色した後、LAS1000(富士写真フイルム株式会社製)で画像撮影したものである。
【図2】実施例1において、電気泳動後のゲルを固体支持体1に転写し、転写後の固体支持体の蛍光強度をFLA8000(富士写真フイルム株式会社製)で画像撮影したものである。
【図3】実施例1において、電気泳動後のゲルを転写した固体支持体1を、PBSで10分間洗浄し、乾燥した後、画像撮影したものである。
【図4】 実施例1において、電気泳動後のゲルを転写した固体支持体1を、PBSで10分間洗浄し、さらにブロッキング試薬で1時間ブロッキングし、その後Cy3−IgGを添加して室温で1時間反応させ、PBSで12時間洗浄し(室温)、画像撮影したものである。
【図5】実施例2において、Cy3-プロテインAをSDS−PAGE法で電気泳動し、泳動後のゲルを15分間CBB染色し、脱染色した後、LAS1000(富士写真フイルム株式会社製)で画像撮影したものである。
【図6】実施例2において、タンパク質を電気泳動後のゲルから固体支持体2に転写するときの配置を表したものである。
【図7】実施例2において、電気泳動後のゲルからタンパク質を転写した固体支持体2を、PBSで30分間洗浄して乾燥したもの及び転写後のゲルをFLA8000(富士写真フイルム株式会社製)で画像撮影したものである。
【図8】実施例3において、Cy3-プロテインA及びCy3−IgAをSDS−PAGE法で電気泳動し、泳動後のゲルを15分間CBB染色し、脱染色した後、LAS1000(富士写真フイルム株式会社製)で画像撮影したものである。
【図9】実施例3において、電気泳動後のゲルからタンパク質を転写した固体支持体2を、PBSで30分間洗浄して乾燥したもの及び転写後のゲルをFLA8000(富士写真フイルム株式会社製)で画像撮影したものである。
【図10】実施例4において、Cy3-プロテインAをSDS−PAGE法で電気泳動し、ゲルを15分間CBB染色し、脱染色した後LAS1000(富士写真フイルム株式会社製)で画像撮影したものである。
【図11】実施例4において、電気泳動した後のゲルからタンパク質をPVDFメンブレンに転写するときの配置を表したものである。
【図12】実施例4において、タンパク質をPVDFメンブレンから固体支持体3に転写するときの配置を表したものである。
【図13】実施例4において、PVDFメンブレンからタンパク質が転写された固体支持体3を、PBSで20分間洗浄し、乾燥した後、FLA8000(富士写真フイルム株式会社製)で画像撮影したものである。
【図14】実施例5において、レグインスリン結合タンパク質を固定化したステンレス−DLC固体支持体をTOF−MSで分析した結果を表す図である。
【図15】実施例5において、レグインスリン結合タンパク質を固定化したステンレス−DLC固体支持体にレグインスリンを相互作用させて、これをTOF−MSで分析した結果を表す図である。

Claims (9)

  1. 試料中の物質をゲル電気泳動で分離後、ゲル中に分離された物質を転写することにより該物質が固定化されてなる、表面にカーボン層を有する固体支持体。
  2. 試料中の物質をゲル電気泳動で分離後、ゲル中に分離された物質をメンブレンに転写し、該メンブレン上に転写された物質をさらに転写することにより該物質が固定化されてなる、表面にカーボン層を有する固体支持体。
  3. 請求項1又は2に記載の固体支持体上に固定化された物質に、これと相互作用する別の物質を加えて複合体を形成させてなる固体支持体。
  4. カーボン層が、ダイヤモンドライクカーボン層である請求項1〜3のいずれか1項に記載の固体支持体。
  5. カーボン層の厚みが単分子層〜100μmである請求項1〜4のいずれか1項に記載の固体支持体。
  6. カーボン層の表面が化学修飾により活性化されている請求項1〜5のいずれか1項に記載の固体支持体。
  7. 固定化された物質が核酸又はペプチドである請求項1〜6のいずれか1項に記載の固体支持体。
  8. 請求項1〜7のいずれか1項に記載の固体支持体上に固定化された複数の物質又は複合体を脱離/イオン化することにより質量分析する方法。
  9. 請求項8に記載の方法において使用するための、表面にカーボン層を有する固体支持体。
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