JP2000502440A - リガンドを識別するための蛍光に基づくスクリーニング方法 - Google Patents

リガンドを識別するための蛍光に基づくスクリーニング方法

Info

Publication number
JP2000502440A
JP2000502440A JP9521492A JP52149297A JP2000502440A JP 2000502440 A JP2000502440 A JP 2000502440A JP 9521492 A JP9521492 A JP 9521492A JP 52149297 A JP52149297 A JP 52149297A JP 2000502440 A JP2000502440 A JP 2000502440A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
target protein
test
ligand
protein
binding
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP9521492A
Other languages
English (en)
Inventor
パクラ,アンドルー
ソーアー,ロバート・ティー
Original Assignee
スクリプトジェン・ファーマスーティカルズ,インコーポレイテッド
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by スクリプトジェン・ファーマスーティカルズ,インコーポレイテッド filed Critical スクリプトジェン・ファーマスーティカルズ,インコーポレイテッド
Publication of JP2000502440A publication Critical patent/JP2000502440A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Classifications

    • GPHYSICS
    • G01MEASURING; TESTING
    • G01NINVESTIGATING OR ANALYSING MATERIALS BY DETERMINING THEIR CHEMICAL OR PHYSICAL PROPERTIES
    • G01N33/00Investigating or analysing materials by specific methods not covered by groups G01N1/00 - G01N31/00
    • G01N33/48Biological material, e.g. blood, urine; Haemocytometers
    • G01N33/50Chemical analysis of biological material, e.g. blood, urine; Testing involving biospecific ligand binding methods; Immunological testing
    • G01N33/68Chemical analysis of biological material, e.g. blood, urine; Testing involving biospecific ligand binding methods; Immunological testing involving proteins, peptides or amino acids
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C12BIOCHEMISTRY; BEER; SPIRITS; WINE; VINEGAR; MICROBIOLOGY; ENZYMOLOGY; MUTATION OR GENETIC ENGINEERING
    • C12QMEASURING OR TESTING PROCESSES INVOLVING ENZYMES, NUCLEIC ACIDS OR MICROORGANISMS; COMPOSITIONS OR TEST PAPERS THEREFOR; PROCESSES OF PREPARING SUCH COMPOSITIONS; CONDITION-RESPONSIVE CONTROL IN MICROBIOLOGICAL OR ENZYMOLOGICAL PROCESSES
    • C12Q1/00Measuring or testing processes involving enzymes, nucleic acids or microorganisms; Compositions therefor; Processes of preparing such compositions
    • C12Q1/68Measuring or testing processes involving enzymes, nucleic acids or microorganisms; Compositions therefor; Processes of preparing such compositions involving nucleic acids
    • C12Q1/6811Selection methods for production or design of target specific oligonucleotides or binding molecules
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C12BIOCHEMISTRY; BEER; SPIRITS; WINE; VINEGAR; MICROBIOLOGY; ENZYMOLOGY; MUTATION OR GENETIC ENGINEERING
    • C12QMEASURING OR TESTING PROCESSES INVOLVING ENZYMES, NUCLEIC ACIDS OR MICROORGANISMS; COMPOSITIONS OR TEST PAPERS THEREFOR; PROCESSES OF PREPARING SUCH COMPOSITIONS; CONDITION-RESPONSIVE CONTROL IN MICROBIOLOGICAL OR ENZYMOLOGICAL PROCESSES
    • C12Q1/00Measuring or testing processes involving enzymes, nucleic acids or microorganisms; Compositions therefor; Processes of preparing such compositions
    • C12Q1/68Measuring or testing processes involving enzymes, nucleic acids or microorganisms; Compositions therefor; Processes of preparing such compositions involving nucleic acids
    • C12Q1/6813Hybridisation assays
    • C12Q1/6816Hybridisation assays characterised by the detection means
    • GPHYSICS
    • G01MEASURING; TESTING
    • G01NINVESTIGATING OR ANALYSING MATERIALS BY DETERMINING THEIR CHEMICAL OR PHYSICAL PROPERTIES
    • G01N33/00Investigating or analysing materials by specific methods not covered by groups G01N1/00 - G01N31/00
    • G01N33/48Biological material, e.g. blood, urine; Haemocytometers
    • G01N33/50Chemical analysis of biological material, e.g. blood, urine; Testing involving biospecific ligand binding methods; Immunological testing
    • G01N33/58Chemical analysis of biological material, e.g. blood, urine; Testing involving biospecific ligand binding methods; Immunological testing involving labelled substances
    • G01N33/582Chemical analysis of biological material, e.g. blood, urine; Testing involving biospecific ligand binding methods; Immunological testing involving labelled substances with fluorescent label

Landscapes

  • Life Sciences & Earth Sciences (AREA)
  • Health & Medical Sciences (AREA)
  • Chemical & Material Sciences (AREA)
  • Engineering & Computer Science (AREA)
  • Immunology (AREA)
  • Organic Chemistry (AREA)
  • Molecular Biology (AREA)
  • Proteomics, Peptides & Aminoacids (AREA)
  • Biotechnology (AREA)
  • Hematology (AREA)
  • Urology & Nephrology (AREA)
  • Zoology (AREA)
  • Wood Science & Technology (AREA)
  • Microbiology (AREA)
  • Physics & Mathematics (AREA)
  • Analytical Chemistry (AREA)
  • Biochemistry (AREA)
  • General Health & Medical Sciences (AREA)
  • Biomedical Technology (AREA)
  • Medicinal Chemistry (AREA)
  • Biophysics (AREA)
  • Pathology (AREA)
  • General Physics & Mathematics (AREA)
  • Food Science & Technology (AREA)
  • Cell Biology (AREA)
  • Bioinformatics & Cheminformatics (AREA)
  • General Engineering & Computer Science (AREA)
  • Genetics & Genomics (AREA)
  • Investigating Or Analysing Biological Materials (AREA)
  • Peptides Or Proteins (AREA)
  • Measuring Or Testing Involving Enzymes Or Micro-Organisms (AREA)

Abstract

(57)【要約】 薬剤学的有効性を有する可能性がある化学的化合物をスクリーニングする新規な方法が提供される。開示された方法は、標的蛋白の存在下に置き、テストリガンドの、標的蛋白を部分的に展開することを防ぐ能力を、コンホメーション感受性プローブの蛍光放出を測定して決定することにより、可能性がある治療学的テストリガンドを識別する。これは、標的蛋白の生化学的機能が知られている必要がなく、且つ標的蛋白のいずれかの知られたリガンドの存在が必要ない点において、知られた新規薬剤テスト方法と顕著に異なる。

Description

【発明の詳細な説明】 リガンドを識別するための蛍光に基づくスクリーニング方法発明の分野 本発明は、医薬化合物、特に疾患の病因または生理学的機能の調節に関係する 蛋白に結合する医薬化合物の新規な蛍光に基づく(fluorescence-based)高処理 量スクリーニングの方法に関する。発明の背景 医薬は、標的(例えばレセプター)に対して誘導されるランダムスクリーニン グ工程によって識別(identify)される導入化合物(lead compound)から開発 することができる。大規模スクリーニングの手法は多くの要因によって複雑化す る。第一に多くのアッセーは、実施に骨が折れるか、または高価である。アッセ ーには、入手や維持が困難かまたは費用がかかる実験動物、細胞株もしくは組織 培養が必要とされることがある。アッセーでは放射性物質の使用が必要な場合が あり、したがって安全性および廃棄の問題を引き起こす。これらを考慮すると、 無理なくスクリーニングできる化合物の数は、実際にはしばしば制限される。し たがって、このようなランダムスクリーニングの方法を用いる者は、ある程度の 予備知識によっておそらく有効であろうと示唆される化合物の調査をしばしば制 限される。このストラテジーはテストされる化 合物の範囲を制限し、多くの有用な薬剤が見落される可能性がある。 さらにまた、多くの生化学アッセーの特異性によって広範囲の有用な化学物質 が除外される可能性がある。なぜならば、リガンドとレセプター蛋白との間の相 互反応はアッセーの視野外にあるからである。例えば、多くの蛋白は多数の機能 を有するが、一方、殆どのアッセーはそのような活性のただ1つをモニターする ことができるだけである。そのような特定のアッセーを用いると、多くの可能性 のある医薬が検出できない可能性がある。 最後に、薬剤発見のための現存するほとんどの生化学的スクリーニング手法の 場合、標的蛋白の活性は明らかでなければならない。このことは、スクリーニン グの開始前に問題のシステムの特性が十分に明らかにされていることを必要とす る。例えば新たにクローニングされた遺伝子の場合のように蛋白配列が分かって いるときですら、この蛋白の特異的機能は、その配列の解析によっても簡単には 明らかにされないかもしれない。結果として、多くの標的蛋白に対する治療薬の 生化学的スクリーニングは、生化学的特性の詳細な解明を待たねばならず、これ は一般に広範囲の研究を必要とする。 したがって、治療的または生理学的に関係を有する蛋白と結合する能力につい て多数の化合物をスクリーニングすることができる、迅速で経費のかからない高 処理アッセーが当分野で必要とされる。さらにまた、標的蛋白の生物学的活性に 依存せず、当該標的蛋白の生物学的活性ドメイン以外の領域 と結合する化合物を検出するスクリーニング方法が当分野で必要とされる。発明の要約 本発明は、標的蛋白と結合するリガンドを識別する蛍光に基づいた方法を提供 する。本方法によれば、標的蛋白と結合することが不明の化合物がテストリガン ドとして選択される。標的蛋白は、テストリガンドの各々と、個々に保温(incu bating)されテスト組み合わせが作製され、またテストリガンドの非存在下で保 温されコントロール組み合わせが作製される。 テスト組み合わせとコントロール組み合わせは、コンホメーション(conformati on)感受性蛍光プローブと接触させられる。 コンホメーション感受性プローブとは、重畳、展開又は溶融小球状態の蛋白と優 先的に結合する、又はその蛍光特性が標的蛋白の重畳状態にいずれかの態様で影 響されるプローブである。組み合わせは、部分的に又は完全に展開した状態で存 在する標的蛋白の検出可能な部分をもたらすよう処理される。そして、テスト及 びコントロール組み合わせにおいて標的蛋白が重畳状態、展開状態、溶融小球状 態、又はこれらの組み合わせとなる程度が、プローブの蛍光放出強度をモニター することにより測定される。テスト及びコントロール組み合わせ間の蛍光強度又 は他の蛍光特性の差異が、コントロール組み合わせよりもテスト組み合わせにお いて、標的蛋白がより多い又はより少ない程度に重畳状態で存在していることを 示した場合、テストリガンドは標的蛋白に結合するリガンドである。好ましい実 施態様において、方法の工程は、複数のテ スト化合物を用い、リガンドが識別されるまで高処理量モードで繰り返される。図面の簡単な説明 図1は、濃度が増加するアセタゾルアミドが存在するとき、またはアセタゾル アミドが存在しないときの蛋白分解後の炭酸脱水素酵素のSDS−ポリアクリル アミドゲル像を示す。 図2は、カビの抽出物の存在下、非存在下における1.0mMのアセタゾルア ミドの存在下、非存在下での蛋白分解後の炭酸脱水素酵素のSDS−ポリアクリ ルアミドゲル像を示す。 図3は、濃度が増加するエラスタチナルが存在するとき、またはエラスタチナ ルが存在しないときの蛋白分解後のニトロセルロースフィルターへの放射能標識 ヒト好中球エラスターゼの結合の定量を表すグラフを示す。 図4は、濃度が増加するIC200355が存在する場合の蛋白分解後のヒト 好中球エラスターゼを検出するELISAによる定量を表すグラフを示す。 図5は、ヒト好中球エラスターゼのリガンドとして識別されたテストリガンド の分布を表すグラフを示す。 図6は、ヒト好中球エラスターゼのリガンドの定量を表すグラフを示す。 図7は、ヒト好中球エラスターゼの酵素活性を抑制する能力についての5種の リガンドの定量を表すグラフを示す。 図8は、濃度が増加する2,3−ジホスホグリセレートが存在するとき、また は存在しないときの蛋白分解後のニトロ セルロースフィルターへのヒトヘモグロビンの結合の定量を表すグラフを示す。 図9は、濃度が増加する2,3−ジホスホグリセレートが存在する場合の蛋白 分解後のヒトヘモグロビンを検出するELISAによる定量を表すグラフを示す 。 図10は、ヒトヘモグロビンSのリガンドとして識別されたテストリガンドの 分布を表すグラフを示す。 図11は、ヒトヘモグロビンのリガンドの定量を表すグラフを示す。 図12は、炭酸脱水素酵素Iの非存在下及び存在下において測定した、ビス− 1−アニリノ−8−ナフタレンスルホネート(ビス−ANS)の蛍光放出に対す る、増加した濃度の塩酸グアニジニウム(GCl)の効果を表すグラフを示す。 図13は、炭酸脱水素酵素I及び示された濃度の塩酸グアニジニウム(GCl )の存在下で測定した、ビス−1−アニリノ−8−ナフタレンスルホネート(ビ ス−ANS)の蛍光放出強度における時間依存的変化を表すグラフを示す。 図14は、炭酸脱水素酵素I及び2Mの塩酸グアニジニウムの存在下で測定し た、ビス−1−アニリノ−8−ナフタレンスルホネートの蛍光放出強度の増強に おける、増加する濃度の炭酸脱水素酵素リガンド、アセタゾルアミドの効果を表 すグラフを示す。発明の詳細な説明 本明細書に引用される全ての特許出願、特許および参考文献は、参照により本 明細書に完全な形で含まれる。矛盾が生 じる場合には、定義を含め本明細書の記載が優先する。定義 本明細書で用いられるように、“リガンド”という用語は、標的蛋白に結合す る薬剤を指す。当該薬剤は、標的蛋白が天然のコンホメーションで存在している とき、または部分的にもしくは全体として展開もしくは変性(denatured)させら れているときに該標的蛋白と結合することができる。本発明によれば、リガンド は、標的蛋白の認識されている機能領域(例えば酵素の活性部位、抗体の抗原結 合部位、レセプターのホルモン結合部位、補助因子結合部位など)に結合する薬 剤に限定されない。本発明を実施する場合、リガンドはまた、標的蛋白のいずれ の表面もしくは内部配列または構造ドメインと結合する薬剤でもよい。したがっ て、本発明のリガンドは、上記の態様で標的蛋白に結合するその能力の他にそれ 自体明らかな生物学的機能を持たない薬剤も含む。 本明細書で用いられるように、“テストリガンド”という用語は、標的蛋白に 結合することができるその能力についてテストされる化合物、分子または複合体 を含む薬剤を指す。テストリガンドは、金属、ペプチド、蛋白、脂質、多糖類、 核酸、小型有機分子およびそれらの組み合わせが制限なく含まれる、実質的にい かなる薬剤であってもよい。例えば天然産物の抽出物のような物質の複合混合物 (1つ以上のテストリガンドを含む可能性がある)もまたテストすることができ 、さらに、標的蛋白に結合する成分をその後の工程で当該混合物から精製するこ とができる。テストリガンドとして適切な 化合物は、例えば、天然物ライブラリ、発酵ライブラリ(植物及び微生物を包含 する)、組み合わせライブラリ、化合物ファイル、及び合成化合物ライブラリの 中に見いだすことができる。例えば、合成化合物ライブラリは、Maybridge Chem ical Co.(Trevillet, Cornwall, UK)、Comgenex(Princeton,NJ)、Brandon Asso ciates (Merrimack, NH)、及びMicrosource (New Milford,CT)から商業的に入 手可能である。稀な化学物のライブラリは、Aldrich Chemical Company,Inc.( Milwaukee,WI)から入手可能である。また、細菌、真菌、植物及び動物の抽出 物の形態の、天然化合物のライブラリは、例えば、Pan Laboratories (Bothell, WA)又はMycoSearch(NC)から入手可能であり、又は容易に製造することができる 。 さらに、天然及び合成的に製造されたライブラリ及び化合物は、慣用の化学的、 物理的及び生化学的手段(Blondelle etal.,TibTech 14:60,1996)を通じて容易 に修飾することができる。多数のテスト化合物の同時スクリーニングを可能とす るよう、好ましくは自動化された装置を用いる。 本明細書で用いられるように、“標的蛋白”という用語は、それに対するリガ ンドまたは結合相手の識別が求められているペプチド、蛋白または蛋白複合体を 指す。標的蛋白には、ある疾患、状態もしくは病的生理状態の病因または生理的 機能の調節に関係することが分かっているか、または関係すると信じられている ペプチドまたは蛋白が制限なく含まれる。標的蛋白は、いずれの生物(例えば脊 椎動物、特に哺乳類、さらにはより具体的にヒト)由来でもよい。本発明で使用 す るためには、該蛋白の生化学的機能が具体的に認識されている必要はない。標的 蛋白には、レセプター、酵素、腫瘍遺伝子生成物、腫瘍サプレッサー遺伝子生成 物、ウイルス蛋白、および転写因子が制限なく含まれ、これらは、精製形または 蛋白と他の化合物との複合混合物の部分であってもよい。さらにまた標的蛋白に は、野性型蛋白、また別には、変化した安定性、活性または他の異形特性をもつ ものを含む変異体もしくは異形蛋白、または、外来アミノ酸配列(例えば精製を 促進する配列)が付加されているハイブリッド蛋白が含まれる。 本明細書で用いられているように、“テスト組み合わせ”とは、テストリガン ドと標的蛋白の組み合わせを指す。“コントロール組み合わせ”とは、テストリ ガンドを含まない標的蛋白を指す。 本明細書で用いられているように、蛋白の“重畳状態”とは、蛋白がその自然 の環境下でまたは分離もしくは精製した後(すなわち変性条件に曝される前)で 存在している場合のような天然形または非変性形を指す。同様に、“展開状態” は、該ポリペプチドが、その“重畳状態”で存在する二次および/または三次構 造の要素を失った状態を指す。ポリペプチドが完全に展開されたとき、すなわち 二次および三次構造の全ての要素を失ったときを実験的に求めることが困難なこ とは当業者には理解されよう。したがって、本明細書で用いられているように“ 展開状態”という用語は、部分的または全体的展開を含む。 本明細書で用いられているように、“検出可能部分(detectable fraction)”と は、経験的に求められ、さらに展開蛋白から重畳蛋白を区別するために用いられ る方法にしたがって変動する量を指す。例えば、蛍光プローブが標的蛋白の重畳 の程度をモニターするのに用いられるときは、蛍光における変化が容易に検出で きる程度であるよう条件が選択される。 プロテアーゼ感受性が重畳をモニターするために用いられるときは、標的蛋白の 約80%が、都合のよい保温時間内に消化されるように(たとえば温度を調節し 、または変性剤を添加することによって)条件が選択される。標的蛋白の重畳ま たは展開状態に特異的な抗体が検出方法として用いられる場合、十分量の抗体が 結合し検出可能シグナルを生じるように条件が選択される。 本発明は、標的蛋白に結合するリガンドを識別するための高処理量スクリーニ ング方法を包含する。テストリガンドが結合する標的蛋白が疾患または状態に付 随するか、または原因となる場合、該リガンドは、疾患または状態の診断、予防 または治療に有用かもしれない。本方法によって識別されるリガンドはまた、分 離や精製方法として、例えば混合物から標的蛋白を精製または分離する方法とし て用いられるリガンドとすることもできる。本発明はまた、本方法によって識別 されるリガンド、およびそれらの治療的使用(診断、予防または処置目的のため に)、並びに精製および分離方法における使用にも関する。 本発明によれば、標的蛋白に対するリガンドは、標的蛋白 の重畳の程度または、重畳もしくは展開の速度に影響を与える能力によって識別 される。実験条件は、標的蛋白が可逆的または不可逆的にかかわらず展開に供さ れるように選択される。テストリガンドがこのような条件下で標的蛋白と結合す る場合、テストリガンドの存在下での重畳:展開標的蛋白の相対量、または標的 蛋白の重畳もしくは展開速度は、テストリガンドの非存在下で認められるものと は異なる、すなわちより大きいか、または小さいであろう。したがって、本発明 は、標的蛋白をテストリガンドの存在下および非存在下で、標的蛋白が(リガン ドの非存在下で)部分的もしくは全体的に展開される条件下で保温することを含 む。この後、重畳標的蛋白に対する展開標的蛋白の絶対量もしくは相対量、また は標的蛋白の重畳もしくは展開速度の分析が実施される。 本発明の重要な特徴は、生物学的活性または機能に緊密に関係する配列または ドメインだけでなく、標的蛋白のどのような配列またはドメインにも結合するど のような化合物も検出するということである。この結合配列、領域またはドメイ ンは、標的蛋白が重畳状態にあるときは標的蛋白の表面に存在するかもしれない し、また蛋白の内部に埋もれているかもしれない。いくつかの結合部位は、該蛋 白が部分的または全体的に展開されるときにだけ、リガンドの結合が可能になる かもしれない。 本発明を実施する場合、テストリガンドは標的蛋白と組み合わされ、この混合 物は適切な条件下で十分な時間維持され、テストリガンドが標的蛋白に結合する ことを許容する。実験 条件は、各標的蛋白について経験的に決定される。複数のテストリガンドを調べ る場合、殆どのリガンド:標的蛋白相互反応が完了すると考えられる保温条件が 選択される。一般に、テストリガンドは、標的蛋白に対して分子過剰状態で存在 する。標的蛋白は可溶形で存在してもよく、また別に固相マトリックスに結合し ていてもよい。マトリックスには、ビーズ、膜フィルター、プラスチック表面ま たは他の適切な固形支持体が制限なく含まれる。 各標的蛋白については、適切な実験条件(例えば温度、時間、pH、塩濃度お よび添加成分)が、該蛋白の検出可能部分がテストリガンドの非存在下で展開形 で存在することができるように選択される。不可逆的に展開する標的蛋白につい ては、好ましい実験条件は、都合のよい保温時間中にテストリガンドの非存在下 で検出可能量の蛋白の展開を可能にする。重畳:展開蛋白比または重畳もしくは 展開速度を調節または最適化するために、変性条件が要求されるかもしれない。 この条件には、上昇した温度の使用や、尿素若しくはグアニジニウム若しくはグ アニジウム塩(例えばグアニジニウムチオシアネート)のようなカオトロープ若 しくは変性剤、界面活性剤の添加またはこれらの組み合わせが含まれる。さらに また、野生型の蛋白と比べて安定化または脱安定化アミノ酸置換を含んでいる変 異蛋白を、重畳:展開比を操作するために用いることができる。 標的蛋白のリガンドへの結合のために必要な時間は、テストリガンド、標的蛋 白および用いられるその他の条件にした がって変動するであろう。ある場合には、結合は直ちに発生し(例えば、テスト リガンドと標的蛋白を組み合わせるときと本質的に同時)、一方他の例では、テ ストリガンド一標的蛋白結合は、結合検出までもっと長時間(例えば12−16 時間まで)維持される。多くのテストリガンドが用いられる場合、殆どの蛋白: リガンド相互反応にとって十分な保温時間が選択される。標的蛋白が非可逆的に 展開する場合、テストリガンドの結合のための適切な時間を決定するのに、展開 の速度もまた考慮される必要がある。 テストリガンドの標的蛋白への結合は、テストリガンドの非存在下および存在 下の重畳または展開標的蛋白の絶対量を比較することによって評価されるか、ま た別には、テストリガンドの非存在下および存在下の重畳:展開標的蛋白比また は標的蛋白の重畳または展開速度を決定することによって評価される。テストリ ガンドが標的蛋白に結合する場合(すなわちテストリガンドが該標的蛋白に対す るリガンドである場合)テストリガンドの非存在下において存在するよりも顕著 に多くの重畳標的蛋白及びより少量の展開標的蛋白が存在するかもしれない(し たがって展開標的蛋白に対する重畳標的蛋白の比率が高い)。また別に、テスト リガンドの結合は、テストリガンドの非存在下において存在するよりも顕著に少 量の重畳標的蛋白および顕著に多くの展開標的蛋白を生じるかもしれない。同様 に、テストリガンドの結合は標的蛋白の重畳または展開速度の顕著な変化を引き 起こすかもしれない。 いずれの場合においても、重畳および展開標的蛋白の絶対 量、重畳:展開比、または重畳もしくは展開速度の決定は、下記で述べるような 既知の方法の1つを用いて実施できる。これらの方法には、コンホメーション特 異的プローブの蛍光放出の測定、標的蛋白の蛋白分解、標的蛋白の適切な表面へ の結合、標的蛋白への特異抗体の結合、標的蛋白の分子シャペロンへの結合、標 的蛋白の固定リガンドへの結合、および標的蛋白の凝集の測定が制限なく含まれ る。他の物理化学的技術もまた、単独でまたは上記の方法と組み合わせて用いる ことができる。これらには、環状二色性の測定、固有紫外線および蛍光分光分析 、並びに熱量分析が制限なく含まれる。好ましい実施態様では、テストリガンド 非存在下及び存在下における保温に続く、標的蛋白の存在下でのコンホメーショ ン特異的プローブの蛍光放出の比較が含まれる。典型的には、これには重畳の程 度を操作するのに採用される処理(例えば温度上昇等)に先立つ、テスト及びコ ントロール組み合わせの、蛍光プローブとの接触が含まれる。しかしながら、各 標的蛋白は、本発明の目的に対して最も適切な特定の検出方法を可能にする固有 の特性を有するであろうということは当業者には理解されよう。 高処理量スクリーニングの目的のためには、上記の実験条件は、スクリーニン グされる全ての化合物のうちで“陽性”化合物またはリガンドとして識別される テストリガンドの最小限比率を達成するように調節される。この最小限値(閾値 )は、2つの基準にしたがって設定される。第一に、陽性化合物の数は実際的な 関係で操作可能であるべきである。第二に、 陽性化合物の数は、標的蛋白に対して評価可能な親和性を有するリガンドを反映 しているべきである。好ましい閾値は、全テストリガンドの0.1%から1%が 、与えられた標的蛋白のリガンドであることが示されたとき達成される。 ある蛋白への結合は、その蛋白の作用を直接修飾することを意図されている医 薬にとって不可欠である。したがって、本方法の使用を介して、テストリガンド が、ある状態の病因を反映するかまたは影響を与える蛋白に結合することが示さ れるならば、それは、蛋白の機能を変化させ、有効な医薬またはそのような医薬 を作り上げるための導入化合物となる当該テストリガンドの潜在的能力を示すこ とができるであろう。また別に、このリガンドは、蛋白の機能を変化させる潜在 的能力を有する付加的成分を含むハイブリッド化合物の構築のための基礎として 役立つかもしれない。この場合、標的蛋白へのリガンドの結合は、その医薬的有 効性を発揮させるために付加された成分の固着又は方向付けに役立つ。例えば、 関連する酵素類の活性を抑制する既知の化合物は、既知化合物によって認識され る部位と異なる部位で該酵素類の1つと特異的に結合する、本発明の方法によっ て識別されたリガンドに該既知化合物を共役させることによって当該酵素類の1 つに特異的にさせることができる。 本方法は、殆どの蛋白に共通の物理化学的特性に基づいているという事実は、 当該方法に広範囲の応用性を与える。本発明は、何千ものテストリガンドの経費 効率のよいスクリーニングを可能にする系統だった大規模な高処理量工程に利用 できる。本発明の方法によって一旦リガンドが識別されると、さらに、用いた特 定の標的蛋白に特異的な既知の方法を用いてさらに詳細に分析できる。例えば、 リガンドは、標的蛋白への結合について直接、例えば非標識標的蛋白と放射能標 識リガンドとを保温し、続いて蛋白結合および非結合リガンドを分離することに よって調べることができる。さらに、このリガンドを、該標的蛋白の既知の生物 学的活性に正の方向または負の方向のいずれかで影響を与える能力について調べ ることができる。 本発明の好ましい実施態様では、標的蛋白へのテストリガンドの結合は、蛍光 放出特性が標的蛋白のコンホメーションに感受性の分子プローブの使用によって 検出される。 特定の蛍光化合物は、水溶液中に遊離状態であるときには弱い蛍光放出しか示 さない(Semisotnov,et al.,Biopolymers 31:119,1991)が、組織化された疎水 表面に結合したときにはずっと強力に蛍光する。十分に重畳した小球蛋白へのこ れらの化合物の結合は、疎水性残基が主として蛋白の内部に埋もれていることに 起因し、典型的には弱い。さらに、(十分展開され又は編成されたポリペプチド に見いだされるような)ランダムコイルコンホメーションへのこれらの化合物の 結合もまた強くない。それは、これらのコンホメーション中では、疎水残基が、 露出していても、プローブの高親和性結合を支持するのに十分に組織化されてい ないからである。しかしながらプローブは、典型的にはコンパクトな展開蛋白コ ンホメーションと高い親和性及び化学量論性(stoichiometry) で結合する。これはしばしば「溶融小球(molten globule)」と呼ばれ、ランダム コイルの展開状態と比較した際のコンパクトさ、実質的な2次構造の存在、及び 固有の全体的なコンホメーションの欠如等を特徴とする。溶融小球状態は最初は 、低いpH、中程度の変性剤濃度、及び熱等の特別な条件下において、様々な蛋 白質について安定して起こるコンパクトな展開状態として識別された(Ptitsyn e t al.,Mol.Biol.17:569,1983)。溶融小球は、蛋白重畳の過程における共通の 中間状態として識別されている(Ptitsyn et al.,FEBS Letts.262:20,1990)。 理論に拘束されることは好まないが、溶融小球状態は、有用な蛍光プローブとの μMの範囲の親和性での結合を支持する、十分組織化された疎水表面を示してい ると考えられる。 本発明を実施するのに有用な蛍光分子(以下「プローブ」と称する)は、特に 限定されないが、1−アニリノ−8−ナフタレンスルホネート(ANS)、ビス −1−アニリノ−8−ナフタレンスルホネート(ビス−ANS)及び6−プロピ オニル−2−(N,N−ジメチル)−アミノナフタレン(プロダン)(分子プロ ーブ、ユージーン、OR)を含む。 蛋白との結合の際に蛍光特性が実質的に変化し、特定の標的蛋白の溶融小球又 は他の展開型と優先的に結合するものであれば、いずれの蛍光化合物をも用いる ことができることが理解される。ただ、相対的な結合親和性及びプローブの結合 の化学量論性が、天然と溶融小球状態との間のコンホメーションの変化に際し観 察される蛍光の変化が容易に検出される ことを保証する程度でなくてはならないということのみが限定となる。 好ましくは、本発明を実施するのに使用されるプローブの濃度は、重畳型の不 安定化を実質的に避けるのに十分に低い。例えば、天然のDnaK蛋白は、ビス −ANSに、1:1の化学量論性で、且つ解離定数7.0pMで結合し;一方溶 融小球状態のDnaKはビス−ANSと3:1の化学量論性で、且つ2.0、5 .1、及び39μMの解離定数で結合する(Shi et al.,Biochemistry 33:7536 ,1994)。1μMのDnaK蛋白を60μMのビス−ANSに曝すと、天然から 溶融小球コンホメーションへの変換と一致して、DnaKにおけるコンホメーシ ョンの変化がもたらされる。しかしながら、本発明によれば、より低いビス−A NSの濃度を、コンホメーション変化の指標(indicator)として使用することが できる。例えば、1μMのビス−ANSに1μMのDnaKを添加すると、溶融 小球状態DnaKへの結合の結果、ビス−ANSの蛍光が30倍近くに増強され る。混合物ヘリガンド、ATPを添加すると、蛍光の増強が約5分の1に減少す る。 この実施態様において、標的蛋白は、標的蛋白の少なくとも一部が部分的に展 開している条件下において、プローブと、テスト化合物の存在下及び非存在下で (即ちテスト及びコントロール組み合わせにおいて)接触される。適切な保温の 期間(通常1から10分間)の後、テスト及びコントロール組み合わせは、適切 な波長の光で照射され、プローブが励起さ.れ、プローブの蛍光放出が、特定の プローブに適切な波長に て測定される。 テスト化合物が標的蛋白のリガンドである場合、溶融小球(又は重畳中間)状 態の蛋白の量は、テスト化合物の存在により減少するはずであり、プローブの結 合、及び対応する蛍光放出の強度の減少に反映されるはずである。 もう1つの実施態様において、テストリガンドの標的蛋白への結合は蛋白分解 の使用により検出される。このアッセーは、展開された変性ポリペプチドのプロ テアーゼ消化に対する感受性は重畳蛋白のそれと比較して高まることに基づいて いる。この場合、テストリガンド−標的蛋白組み合わせおよびテストリガンドを 欠くコントロール組み合わせが、展開標的蛋白に優先的に作用する1つまたは2 つ以上のプロテアーゼで処理される。適切な保温時間の後、無傷(intact)、すな わち蛋白分解されていない標的蛋白レベルが、下記の方法(例えばゲル電気泳動 および/または免疫アッセー)の1つを用いて評価される。 テストリガンドが標的蛋白に結合したことを示す2通りの結果が考えられる。 顕著に高くなるかまたは顕著に低くなる無傷または分解蛋白の絶対量が、リガン ド非存在下よりもリガンド存在下で観察されるであろう。 本発明を実施するために有用なプロテアーゼには、トリプシン、キモトリプシ ン、V8プロテアーゼ、エラスターゼ、カルボキシペプチダーゼ、プロテイナー ゼK、テルモリシン、およびズブチリシン(これらすべてはシグマケミカル(Si gma Chemical Co.,セントルイス、ミズーリー)から入手可能) が制限なく含まれる。本発明を実施するために用いられるプロテアーゼの選択で 最も重要な基準は、これらプロテアーゼは、選択された保温条件下で特定の標的 蛋白を消化でき、さらにこの活性は該蛋白の展開形を優先的に指向することが必 要である。プロテアーゼを直接抑制するテストリガンドに生じる“偽陽性”結果 を避けるために、2つ以上のプロテアーゼ、特に異なる酵素的作用メカニズムを 有するプロテアーゼを同時にまたは平行したアッセーで用いることができる。さ らに、プロテアーゼの活性のために要求される補助因子を過剰に提供し、これら の因子を引き離す可能性を有するテストリガンドによる偽陽性結果を避ける。 典型的には、先ず50mMトリス−塩酸(pH7.5)、10mM酢酸カルシ ウム及び0.034mg/mlウシ血清アルブミンを含む緩衝液中に、精製標的 蛋白を最終濃度2−100pg/mlで採る。続いて、明瞭な作用メカニズムを 有するプロテアーゼであるプロテイナーゼK及びテルモリシンを、2−10μg /mlの最終濃度で加える。続いて、並行した保温を5分間から1時間の範囲の 異なる時間、20゜Cから65゜Cの範囲の温度で実施する。反応は、塩化フェ ニルメチルスルフォニル(PMSF)を最終濃度1mM、及びエチレンジアミノ 四酢酸(EDTA)を最終濃度20mM添加することによって停止させる。保温 時間終了時の反応混合物に残存する無傷の蛋白量を続いて以下の方法のいずれか によって評価する:ポリアクリルアミドゲル電気泳動、ELISAまたはニトロ セルロースフィルターへの結合。 上記のプロトコルは、標的蛋白の約80%の消化(これは、顕著な程度の展開 が起こったことを示す)をもたらす適切な条件の選択を可能にする。もし、標的 蛋白に対する既知のリガンドが利用できる場合、このリガンドは、20−200 μMの濃度で反応混合物に含まれ、この実験は反復される。典型的には、標的蛋 白の消化の程度で少なくとも2倍増加または減少が認められるが、これは、既知 リガンドの結合が重畳:展開標的蛋白比および/または重畳もしくは展開速度を 変化させることを示唆している。 上記のように高処理量スクリーニングのための条件が一旦確立されたら、20 から200μMの濃度で多数のテストリガンドを用いてこのプロトコルを同時に 反復する。無傷の蛋白の量における少なくとも2倍の増加または減少が認められ たら、“ヒット”化合物、すなわち標的蛋白に結合するリガンドのしるしである 。好ましい条件は、この方法を用いてテストリガンドの0.1%から1%がヒッ ト化合物と識別されるような条件である。 別の実施態様では、テストリガンドの存在下、非存在下で重畳および展開標的 蛋白の相対量が、適切な表面に結合する標的蛋白の相対量を測定することによっ て評価される。この方法は、展開蛋白は表面に粘着し易いということを利用する 。これは、展開によって生じる表面積の増加と疎水性残基の保護の減少よるもの である。テストリガンドが標的蛋白に結合すると(すなわち、標的蛋白のリガン ドであると)、このリガンドは標的蛋白の重畳形を安定化させ、固体表面への標 的 蛋白の結合を低下させるであろう。また別に、リガンドはこの蛋白の展開形を安 定化させ、固体表面へのその結合を増加させるかもしれない。 この実施態様では、標的蛋白、テストリガンド、および優先的に展開蛋白を結 合させる表面が組み合わされ、標的蛋白のリガンドへの結合と展開標的蛋白の表 面への結合に適した条件下で維持される。また別に、結合させるために該表面の 非存在下で標的蛋白とテストリガンドとを予備保温してもよい。この目的に適し た表面には、種々の処理または未処理プラスチックで構築されたマイクロタイタ ープレート、組織培養用もしくは高蛋白結合用に処理されたプレート、ニトロセ ルロースフィルターおよびPVDFフィルターが制限なく含まれる。 表面結合標的蛋白量または溶液中に残存する標的蛋白量の決定は、当該技術分 野で既知の標準的方法、例えば放射能活性または免疫アッセーによる決定を用い て実施できる。テストリガンド非存在下よりテストリガンド存在下で顕著に増加 または減少した標的蛋白が表面に結合している場合は、このテストリガンドはこ の標的蛋白のリガンドである。同様に、テストリガンドがこの標的蛋白のリガン ドである場合は、表面結合標的蛋白:可溶性標的蛋白比は、テストリガンドが存 在しないときよりテストリガンドが存在するときに顕著に増加または減少するで あろう。 別の実施態様では、テスト組合せ中に重畳および展開標的蛋白が存在する程度 が、この蛋白の展開状態または重畳状態 のいずれかに特異的な抗体(すなわちそれぞれ変性型特異的(“DS”)または 天然型特異的(“NS”))を用いて評価される(Breyer,1989,J.Biol.Che m.,264(5):13348-13354)。 特定の標的蛋白に特異的な多クローン性および単クローン性DSおよびNS抗 体は、当分野で周知の方法によって調製できる(E.Har1ow & D.Lane, 抗体: 実験室マニュアル(Antibodies:A Laboratory Manua1)、コールドスプリングハー バー研究所、1988;Zola,単クローン性抗体:技術入門(Monoclonal Antibodies :A Manual of Techniques), CRCPress,Inc.,Boca Raton,フロリダ、1987)。 DS抗体については、当該蛋白が天然の状態にあるときに該蛋白の内部に埋め込 まれている蛋白領域に由来するペプチドで動物を免役することができる。当該蛋 白の三次元構造が不明の場合は、いくつかのペプチドに対して抗体を調製し、続 いて変性状態への優先的な結合についてスクリーニングする。NS抗体について は、無傷の変性されていない蛋白をを免疫源として使用し、得られる抗体を、天 然の蛋白への優先的結合についてスクリーニングし、さらに本発明に使用するた めに精製する。 DSまたはNS抗体を用いて、重畳標的蛋白レベル、展開標的蛋白レベル、重 畳:展開比または重畳もしくは展開速度におけるリガンド誘発変化を検出するこ とができる。 ある手法では、DS抗体、標的蛋白およびテストリガンドを含むテスト組み合 わせが、標的蛋白とリガンドとの結合およびDS抗体の展開標的蛋白への結合に 適した条件下で固形 支持体(例えば変性標的蛋白またはそのペプチドフラグメントで被覆したマイク ロタイタープレート)に曝される。テストリガンドを含まない点を除いてテスト 組み合わせと同様であるコントロール組合せは、このテスト溶液と同じ態様で処 理される。プレートに結合した抗体量またはテスト組合せとコントロール組合せ の溶液中に残存する量を比較することによって、標的蛋白の重畳における相違を 検出する。プレートに結合し、または溶液中に残存する抗体量は下記のように測 定できる。 第二の手法では、DS抗体、テストリガンドおよび標的蛋白を含むテスト組合 せを第二の抗体で被覆した固形支持体に曝す。この抗体被覆固形支持体を固相抗 体と呼ぶが、これはDS抗体と同時に標的蛋白と結合することができない。さら に、標的蛋白に特異的であるが、重畳状態に特異的であるか(NS抗体)または 天然と変性状態とを識別できない(“非識別”または“ND”抗体)かのいずれ かである。得られたテスト組み合わせまたは溶液を、標的蛋白と標的蛋白のリガ ンドとの結合および抗体が認識する蛋白へのそれら抗体の結合に適した条件下で 維持する。テストリガンドを含まない点を除きテスト溶液と同じコントロール組 合せをテスト溶液と同じ態様で処理する。両方の組み合わせで、変性(展開)標 的蛋白はDS抗体に結合し、固相抗体に結合することが抑制される。標的蛋白に 結合するテストリガンドの能力は、テスト溶液中の固相抗体に結合する標的蛋白 量を決定し、これを標的蛋白がテストリガンドの非存在下で固相抗体と結合する 程度(これは重畳状態の標的蛋白量を反映する)と比較することによって測定す ることができる。第二の抗体を介してプレートに結合した標的蛋白量、または溶 液中に残存している標的蛋白量は下記の方法によって検出できる。この手法は、 可溶性抗体としてNS抗体を用い、さらに固相にDSもしくはND抗体を用いて 類似の態様で使用できる。 第三の手法では、DSまたはNS抗体で被覆した固形支持体(例えばマイクロ タイタープレート)に標的蛋白およびテストリガンドを含むテスト溶液を曝し、 標的蛋白とリガンドの結合および抗体と標的蛋白の結合に適した条件下で維持す る。また別には、この抗体はビーズの表面に存在させてもよい。テストリガンド の標的蛋白への結合能力は、標的蛋白が溶液中(抗体に未結合)または固形表面 (抗体に結合)に残存している程度を決定するか、またはテストリガンドの存在 下および非存在下でのこれら2種の比を決定することによって測定される。また 別には、この抗体は溶液中にあって、標的蛋白を固相(例えばプレート表面また はビーズ表面)に付着させてもよい。 また別の実施例では、分子シャペロンを用いて、テスト組合せ中の重畳および 展開蛋白の相対レベルを評価する。シャペロンには、それらの通常の生理学的機 能の一部分として展開蛋白に結合する既知の蛋白が包含される。一般に、それら はオリゴマー蛋白の組み立て、ある種の蛋白の正確な重畳、蛋白の適性配置の促 進および生理的ストレス時の蛋白様凝集形成の防止に関与する(Hardy,1991,Sc ience,251:439-44 3)。これらの蛋白は、限定された配列モチーフを特異的に認識することなく多く の展開蛋白、または部分的に変性した蛋白と相互反応する能力を有する。 大腸菌(E.Co1i)で見出された分子シャペロンはSecBとして知られた蛋白 である。SecBは、他の点では無関係の蛋白のサブセットの輸出に明瞭に関与 している。競合実験によって、SecBは調べられた全ての展開蛋白(その特定 の輸出サブセット以外の蛋白を含む)と固く結合することが示されたが、重畳蛋 白と相互反応はしないようである。本発明での使用に適した他のシャペロンには 、熱ショック蛋白70s、熱ショック蛋白90s、GroEIおよびGroES が制限なく含まれる(Gethingら、Nature 355:33,1992)。 この実施例では、テストリガンドおよび標的を含むテスト組合せは、標的蛋白 とそのリガンドとの結合および分子シャペロンと展開標的蛋白との結合に適した 条件下で、分子シャペロンで被覆した固形支持体(例えばマイクロタイタープレ ートまたは他の適切な表面)に曝される。溶液中の展開標的蛋白は、リガンド安 定化重畳標的蛋白に較べて分子シャペロン被覆表面により結合し易い。したがっ て、標的蛋白に結合するテストリガンドの能力は、未結合の標的蛋白量またはシ ャペロン被覆表面に結合した量を決定することによって求めることができる。 また別に、分子シャペロンとの結合に関する競合アッセーも利用できる。精製 標的蛋白、テストリガンドおよび分子シャペロンを含むテスト組み合わせを、標 的蛋白とそのリガン ドとの結合および分子シャペロンと展開標的蛋白との結合に適した条件下で、固 形支持体(例えば変性(展開)標的蛋白で被覆したマイクロタイターのくぼみ( ウェル))に曝すことができる。リガンドを含まないという点を除いてテスト組 み合わせと同じコントロール組み合わせを同じ態様で処理する。溶液中の変性標 的蛋白はシャペロンに結合し、したがって、支持体に結合させた変性標的蛋白と シャペロンの結合が抑制される。テストリガンドと標的蛋白の結合は展開標的蛋 白量の違いをもたらし、したがって、テストリガンドの結合がない場合よりも、 もっと多くのまたはもっと少ないシャペロンが固相変性標的蛋白に結合すること ができるであろう。 したがって、テストリガンドの結合は、テスト組合せおよびコントロール組合せ の表面に結合したシャペロンまたは溶液中のシャペロンを評価し、それらの結果 を比較することによって求めることができる。このアッセーでは、結合の競合が 測定できるように一般にシャペロンは過剰に提供されない。 また別に、標的蛋白、テストリガンドおよび分子シャペロンを含むテスト組合 せを、重畳標的蛋白に特異的(NS抗体)であるが、シャペロンに結合した標的 蛋白には結合できない抗血清または単クローン性抗体で被覆した固形支持体(例 えばマイクロタイターウェル)に曝すことができる。展開標的蛋白は溶液中のシ ャペロンに結合し、したがって固相抗体との結合が抑制されるであろう。溶液中 またはウェルの壁に結合した標的蛋白を検出し、適切なコントロール(テストリ ガンドを含まない同じ組み合わせ)中の一方または両方の程度 を比較することによって、標的蛋白と結合するテストリガンドの能力が求められ る。テストリガンドが標的蛋白のリガンドである場合、コントロール組み合わせ よりもテスト組み合わせの容器表面に結合させた抗血清または単クローン性抗体 にもっと多くの、またはもっと少ない標的蛋白が結合するであろう。さらにそれ に対応して、コントロール組み合わせにおいてよりももっと多いまたはもっと少 ない標的蛋白が、テスト組み合わせにおいて未結合の状態で(溶液中に)存在す るであろう。 また別の実施例では、標的蛋白の既知のリガンド、補助因子、基質またはその 類似体が、重畳標的蛋白の存在についてのアッセーに用いられる。重畳形蛋白部 分が多ければ多いほど、重畳状態にもっぱら結合するリガンドと結合するために 利用される蛋白量が多くなる。結果として、蛋白が既知のリガンドを有する場合 、この蛋白の別の部位で結合するテストリガンドを添加することによって、この 蛋白の既知のリガンドへの結合を増加、または減少させることが可能である。例 えば、ジヒドロ葉酸還元酵素のメトトレキセート(葉酸類似体)への結合は、こ の酵素の重畳レベルを評価するために用いることができる。 この手法では、標的蛋白に結合することが分かっているリガンド、補助因子、 基質またはその類似体が固形土台に固定される。標的蛋白とテストリガンドを含 む溶液を続いて添加する。テストリガンドが存在しない同一のアッセーと比較し た場合の固定化合物に結合する標的蛋白量の増加または減少 は、テストリガンドが標的蛋白に結合することを示唆する。固形土台に結合した 標的蛋白量は、この固形土台をサンプリングするかまたはこの溶液をサンプリン グすることによって調べることができる。 別の実施例では、テスト組み合わせ中の展開標的蛋白量が蛋白凝集を測定する ことによって評価される。不可逆的に展開する蛋白の場合、展開蛋白はしばしば 不溶性の凝集物を形成する。蛋白凝集の程度は、当分野で既知の技術によって測 定できるが、これらの技術には光散乱、遠心沈澱およびろ過が制限なく含まれる 。 この手法では、標的蛋白とテストリガンドが保温され、蛋白凝集量が経時的に または一定の保温時間後に測定される。テスト混合物中の蛋白凝集の程度が、テ ストリガンドの存在しないコントロールアッセーでの同じ測定と比較される。テ ストリガンドが標的蛋白と結合する場合、標的蛋白の展開速度は、テストリガン ドが存在しないときよりももっと遅いかまたはもっと速いであろう。経時的測定 については、テストリガンドが標的蛋白のリガンドである場合は、そうでない場 合より凝集蛋白の出現速度はもっと遅いかまたはもっと速いであろう。一定時間 での測定については、テストリガンドが標的蛋白のリガンドである場合は、そう でない場合よりもっと多いまたはもっと少ない展開蛋白が存在し、それに対応し て、もっと少ないまたはもっと多い凝集蛋白が存在するであろう。したがって、 標的蛋白と結合するテストリガンドの能力は、テストリガンドの存在下および非 存在下での蛋白凝集 の程度を評価することによって決定される。 上記の実施態様を以下の表に要約する。 蛋白検出方法 上記の実施態様は、テストリガンドに曝した後の重畳および展開標的蛋白の相 対量を定量するために、標的蛋白もしくはその消化生成物、または抗体のレベル を検出および/または定量する最終工程を必要とする。本発明を実施する場合、 当分野で既知の方法を用いて、蛋白、小型ペプチドまたは遊離アミノ酸の有無を 検出する。使用方法は、検出すべき生成物(蛋白、ペプチド、遊離アミノ酸)に よって決まるであろう。例えば、蛋白サイズを検出する技術(例えばゲル電気泳 動、毛細管電気泳動、ゲル濾過クロマトグラフィー、高速液体クロマトグラフィ ーなど)を用いて標的蛋白の蛋白分解の程度を決定することができる。放射能活 性、蛍光、または酵素活性の測定によって、溶液中または固形支持体上の生成物 の有無を検出できる。例えばELISAおよび放射能免疫アッセーを含む免疫学 的方法によって、溶液中または土台上の既知標的蛋白の有無を検出できる。上記 の方法は例えば以下の文献に記載されている。E.Harlow & D.Lane, 抗体:実 験室マニュアル(Antibodies: A laboratory Manual)、コールドスプリングハー バー研究所、1988:S.F.Y.Li, 毛細管電気泳動(Capillary Electrophoresis) 、Elsevier Press,1993; Bidlingmeyer、HPLCの実際的方法と応用(Practica l HPLC Methodology and Applications)、John Wiley and Sons,Inc.,1992; C .R.Cantor & P.R.Schimmel、生物物理化学(Biophysical Chemistry)、WH Freem an & Co.,1980。 好ましい実施例では、ゲル電気泳動を用いて蛋白の有無が検出され、さらに蛋 白のサイズを検出するためにも用いることができる。この後者の方法は蛋白分解 と組み合わせた場合特に有用である。テスト組み合わせではコントロール組み合 わせよりもっと多いまたはもっと少ない量の未消化標的蛋白が存在していること が、テストリガンドが標的蛋白に結合したことを示すからである。 以下の実施例は、本発明を制限するためではなく本発明を詳述することを目的 とするものである。 実施例1:メトトレキセートの結合はジヒドロ葉酸還元酵素(DHFR)をプロ テイナーゼKによる蛋白分解性消化から保護する 以下のものを組み合わせ54゜Cで5分間保温した:DHFR(100pg/ ml)、プロテイナーゼK(80μg/ml)、0.1Mトリス−塩酸(pH7 .5)および10-1010-4のメトトレキセート。 サンプルを取り出し、未消化DHFRをELISAで以下のように定量した: (a)プロテアーゼ保温物をトリス緩衝食塩水(TBS)で50倍に希釈した ; (b)希釈サンプル50plをELISAプレートのウェルに移し、室温で6 0分保温した; (c)プレートのウェルを0.1%トゥイーン−20を含むTBS(TBST )で十分に洗浄した; (d)5%無脂肪ドライミルクを含むTBSTで250倍 に希釈した50μlの抗DHFRウサギ血清を各ウェルに添加し、室温で30分 保温した; (e)上記(c)のようにプレートのウェルを洗浄した; (f)5%ミルク含有TBSTで500倍に希釈した50μlのヤギ抗ウサギ IgGアルカリフォスファターゼ共役物を各ウェルに加え、室温で30分保温し た; (g)(c)のようにプレートのウェルを洗浄した;さらに (h)0.1%ジエタノールアミン中の1.0mg/mlp−ニトロフェニル ホスフェート0.1mlを加えた。発色は、結合したアルカリフォスファターゼ 抗体共役物に比例する。 このELISA分析によって、メトトレキヤートは10-8M以上の濃度でDH FRを消化から保護することが示された。同じ方法によって、ニコチンアミドア デニンジヌクレオチドホスフェート(NADPH)と10-5上の濃度のジヒドロ 葉酸塩は、別個の実験でDHFRの蛋白分解を抑制することが示された。 実施例2:メトトレキセート、NADPHおよびジヒドロ葉酸塩結合は、アミノ 酸混合物の存在下でプロテイナーゼKによる蛋白分解性消化からジヒドロ葉酸還 元酵素(DHFR)を保護する 以下のものを組み合わせ、54゜Cで5分間保温した:DHFR(2.1μg /ml)、プロテイナーゼK(80μg/ml)、0.1Mトリス−塩酸(pH 7.5)、20種全 ての通常アミノ酸10-5Mおよび0もしくは10-5Mのリガンド。用いたリガン ドは抑制物質メトトレキセート並びに基質ジヒドロ葉酸塩およびNADPHであ った。 サンプルを取り出し、未消化DHFRをELISAで以下のように定量した: (a)プロテアーゼ保温物をトリス緩衝食塩水(TBS)で50倍に希釈した ; (b)希釈サンプル50μlをELISAプレートのウェルに移し、室温で6 0分保温した; (c)プレートのウェルを0.1%トウイーン−20を含むTBS(TBST )で十分に洗浄した; (d)5%無脂肪ドライミルクを含むTBSTで250倍に希釈した50μl の抗DHFRウサギ血清を各ウェルに添加し、室温で30分保温した; (e)上記(c)のようにプレートのウェルを洗浄した; (f)5%ミルク含有TBSTで500倍に希釈した50plのヤギ抗ウサギ IgGアルカリフォスファターゼ共役物を各ウェルに加え、室温で30分保温し た; (g)(c)のようにプレートのウェルを洗浄した;さらに (h)0.1%ジエタノールアミン中の1.0mg/mlp−ニトロフェニル ホスフェート0.1mlを加えた。発色は、結合したアルカリフォスファターゼ 抗体共役物に比例する。 このELISA分析によって、メトトレキセートおよび基 質は、DHFRに結合するリガンドが存在しないことに対応する消化からDHF Rを保護することが示された。したがって、特異的な結合は、標的蛋白に結合し ない化合物の複合混合物の存在下で検出できる。 実施例3:メトトレキセート結合はDHFRのマイクロタイタープレートへの結 合を抑制する 以下のものを60μlの容量中に加え、ファルコン3072“組 織培養用処理済み”マイクロタイタープレートで20または47゜Cで保温した :100mgDHFR、50MMトリス−Cl(pH7.5)および10-10− 10-4Mのメトトレキセート。 各サンプル50μlをその後ELISAプレートのウェルに移し、溶液中に残 存するDHFRを以下のようにELISAによって定量した: (a)50μlのサンプルを室温で60分保温した; (b)プレートのウェルを0.1%トゥーン−20を含むTBS(TBST) で十分に洗浄した; (c)5%無脂肪ドライミルクを含むTBSTで250倍に希釈した50μl の抗DHFRウサギ血清を各ウェルに添加し、室温で30分保温した; (d)上記(c)のようにプレートのウェルを洗浄した; (e)5%ミルク含有TBSTで500倍に希釈した50μlのヤギ抗ウサギ IgGアルカリフォスファターゼ共役物を各ウェルに加え、室温で30分保温し た; (f)(b)のようにプレートのウェルを洗浄した;さら に (g)0.1%ジエタノールアミン中の1.0mg/mlD−ニトロフェニル ホスフェート0.1mlを加えた。発色は、結合したアルカリフォスファターゼ 抗体共役物に比例する。 ELISA分析は、メトトレキセートが、10-7M以上の濃度で、DHFRが ファルコン3072プレートに結合するのを抑制することを明らかにした。 実施例4:展開特異抗体の結合抑制または強化 (1)ELISAプレートを以下の混合物で60分保温することによって被覆 する:トリス緩衝食塩水(10mMトリス−Cl、pH7.5、0.2MNaC l;TBS)中の不可逆的に変性させた4μg/mlの標的蛋白またはそのペプ チドフラグメント。 (2)プレートを0.1%トゥイーン−20含有TBS(TBST)で3回洗 浄する。 (3)以下の混合物(全容量50μl)をマイクロタイタープレートの被覆ウ ェルで60分保温する: (a)最大結合の50%(競合標的蛋白の非存在下で)を生じるため に十分な濃度の標的蛋白の展開状態に特異的な抗体。 (b)プレートへの抗体結合の90%抑制を達成するために十分な濃 度の標的蛋白。適切な標的蛋白濃度は各標的蛋白で異なる。この濃度は、一部に は標的蛋白の重畳形の安定性に依存する。幾つかの場合には、高温、蛋白変性性 化 学物質の添加または、標的蛋白への脱安定化アミノ酸置換の導入によって標的蛋 白の安定性を減少させることが望ましい。 (c)10-9−10-5Mのテストリガンド。 (d)TBST中の5%の無脂肪ドライミルク。 (4)このプレートをTBSTで3回洗浄する。 (5)適切な希釈のヤギ抗IgGアルカリフォスファターゼ共役物50μlを 5%の無脂肪ドライミルク含有TBSTに加え、室温で30分保温する。 (6)TBSTでプレートを3回洗浄する。 (7)0.1%ジエタノーノレアミン中の1.0mg/mlD−ニトロフェニ ルホスフェート0.1mlを加え、ELISAプレート読み取り装置によって発 色量を記録する。 ELISA分析は、テストリガンド−標的蛋白結合が首尾よく生じたとき、そ のような結合が生じない場合よりもっと多くの、またはもっと少ない抗体がプレ ートに結合することを示す。 実施例5:シャペロン結合の抑制または強化 (1)ELISAプレートをTBS中の4μg/mlのシャペロンで数時間保 温することによって被覆する。 (2)プレートをTBSTで3回洗浄する。 (3)続いて、以下の混合物(全容量50μl)をマイクロタイタープレート 10の被覆ウェルで60分保温する: (a)シャペロン蛋白上に存在する利用可能な結合部位の約50%を 飽和するために十分な濃度の標的蛋白。変性条件を、そうしなければ標的蛋白の 重畳形があまりに安定 でシャペロンとの適切な結合が許容されない場合には用いてもよい。 (b)TBST中の10-9−10-5Mのテストリガンド。 (4)ウェルの溶液の適量を新しいELISAプレートのウェルに移し、室温 で60分保温する。 (5)このプレートのウェルをTBSTで3回洗浄する。 (6)標的蛋白に特異的な、5%無脂肪ドライミルク含有TBSTで適切に希 釈した50μlの抗体を各ウェルに加え、室温で30分保温する。 (7)TBSTでこのプレートのウェルを3回洗浄する。 (8)5%無脂肪ドライミルク含有TBSTで適切に希釈した50μlのヤギ 抗ウサギIgGアルカリフォスファターゼ共役物を各ウェルに加え、室温で30 分保温する。 (9)このプレートのウェルをTBSTで3回洗浄する。 (10)0.1%ジエタノーノレアミン中の1.0mg/mlp−ニトロフェ ニルホスフェート0.1mlを加える。発色(結合したアルカリフォスファター ゼ抗体共役物に比例)は、ELISAプレート読み取り装置によってモニターす る。 ELISA分析は、テストリガンド−標的蛋白結合が生じたとき、そのような 結合が生じない場合より溶液中の標的蛋白はもっと高濃度、またはもっと低濃度 であることを示すであろう。 実施例6:既知リガンドへの結合強化または抑制 (1)以下の混合物(全容量50μl)をマイクロタイ タープレートの被覆ウェルで60分保温する: (a)標的蛋白に結合することが分かっているリガンドを、例えばセ ファデックスのような固形ビーズに共有結合的に付着させたもの。このリガンド は小型分子でも巨大分子でもよい。 (b)リガンドの飽和より十分に低く、わずか10%の蛋白がリガン ド部位に結合するような濃度の標的蛋白。 溶液の条件は、標的蛋白のほとんどが変性状態で存在するような条件である。 (c) 10-9−10-5Mのテストリガンド。 (d)必要な変性剤(例えば尿素)を含むTBST。 (2)ウェルの上清(ビーズを含まない)の適量を新しいELISAプレート のウェルに移し、室温で60分保温する。 (3)このプレートのウェルをTBSTで3回洗浄する。 (4)標的蛋白に特異的な、5%無脂肪ドライミルク含有TBSTで適切に希 釈した50μの抗体を各ウェルに加え、室温で30分保温する。 (5)TBSTでこのプレートのウェルを3回洗浄する。 (6)5%無脂肪ドライミルク含有TBSTで適切に希釈した50plのヤギ 抗ウサギIgGアルカリフォスファターゼ共役物を各ウェルに加え、室温で30 分保温する。 (7)TBSTでこのプレートのウェルを3回洗浄する。 (8)0.1%ジエタノールアミン中の1.0mg/mlp−ニトロフェニル ホスフェート0.1mlを加える。発色(結合したアルカリフォスファターゼ抗 体共役物に比例)は、 ELISAプレート読み取り装置によってモニターする。 ELISA分析は、テストリガンド−標的蛋白結合が首尾よく生じたとき、溶 液中の標的蛋白はもっと高濃度、またはもっと低濃度であることを示すであろう 。 実施例7:炭酸脱水素酵素リガンドのための低処理量アッセ 標的蛋白重畳のプ ローブとして蛋白分解を用いて、炭酸脱水素酵素I(シグマ)へのリガンド結合 を調べ、さらにプロテアーゼによる消化後に残存する無傷の蛋白の検出のための 方法として変性ゲル電気泳動を用いた。 このアッセーの有効性を確認するために、アセタゾルアミド(炭酸脱水素酵素 の既知リガンド)を調べた。アセタゾルアミドは炭酸脱水素酵素活性の既知抑制 物質であるが、これらの実験はこの特性を利用しないし、この蛋白の酵素活性を 測定しない。さらに、天然生成物の抽出物による干渉に対するこの方法の感受性 が調べられた。 反応混合物は、13.3μg/mlの炭酸脱水素酵素、0.05Mトリス−H Cl(pH7.5)、0.01M酢酸カルシウム、2.5μg/mlのプロテイ ナーゼK、10%DMSOおよび0.0から1.0mMの範囲の濃度のアセタゾ ルアミド(シグマ)を含んでいた。反応物を54゜Cで15分保温し、続いて氷 上で冷却した。続いて、フッ化フェニルメチルスルフォニル(PMSF)をエタ ノール中の20mM保存溶液から最終濃度1mMで加え、さらにEDTAを0. 5Mの保存溶液から最終濃度20mMで加えた。0.01ml のSDS負荷用緩衝液(10%ドデシル硫酸ナトリウム(SDS)、0.5Mジ チオスレイトール、0.4Mトリス−HCl緩衝液(pH6.8)、50%グリ セロール)を添加し、サンプルを95゜C3分加熱した。4−15%ポリアクリ ルアミド(BioRad)勾配ゲルを用いてSDS−ポリアクリルアミドゲル電気泳動 によってサンプルを解析し、これをその後クーマシーブルー染料で染色した。 図1に示したように、炭酸脱水素酵素への、既知リガンドであるアセタゾルア ミドの結合は、プロテイナーゼKによる蛋白分解に対して1×10-5Mアセタゾ ルアミドで炭酸脱水素酵素の安定化をもたらした。この相互反応の解離定数は2 .6×10-6Mであると報告されている(K.Matsumotoら、Chem.Pharm.Bull. ,37:1913-1915,1989)。 カビのメタノール抽出物を、上記に述べたものと他の点では全く同一な反応物 に、添加された小分子の最終濃度がもとの培地でのその濃度と等しくなるように 含ませた。抽出物の存在は、偽のシグナルを誘発せず、また1.0mMのアセタ ゾルアミドに対する反応も減少させなかった(図2)。 実施例8:HIVRev蛋白のための低処理量アッセー 反応混合物(全容量0.03ml)は、大腸菌で産生させた30μg/mlの HIVRev蛋白、0.05Mトリス−HCl(pH7.5)、0.01M酢酸 カルシウム、2.5μg/mlプロテイナーゼK、10%DMSOおよび既知リ ガンドとして種々の量のtRNAを含んでいた。反応物を氷上で15分保温した 。上記実施例7に述べたようにPMSF およびEDTAを添加した後、サンプルをゲル電気泳動用に調製し、実施例7で 述べたように分析した。 結果は、tRNAの非存在下ではこのような条件の下でRev蛋白はプロテイ ナーゼKによってほぼ完全に消化されることを示した。しかしながら、tRNA の存在下では、この蛋白の低分子量フラグメントは蛋白分解に対して安定化され た。したがって、HIVRev蛋白への既知リガンドの結合は、本発明の方法を 用いて検出可能である。 実施例9:ヒト好中球エラスターゼに対するリガンドの高処理量スクリーニング 本発明の実施に際して、多数の化合物についてこの結合アッセーを実施できる ことは、潜在的な医薬としての有用性をもつ化合物を発見するという有用性にと って決定的に重要である。2つの異なる手法が、高処理量スクリーニングモード に提供され成功し、その各々が2つの標的蛋白、ヒト好中球エラスターゼ(HN E)およびヒトヘモグロビン(ヘモグロビンA(HbA)およびヘモグロビンS (HbS)の両方)に応用された(下記実施例10で詳述)。 特に、これら標的蛋白は多くの重要な点で互いに異なっている。すなわち、H bSは、その機能にとって重要な補欠分子族(prosthetic group)を含む細胞内の 四量体蛋白である。 異なる構造的機能的特性をもつ2種のコンホメーションで存在することが知られ ている。対照的に、HNEは単量体で、補欠分子族を欠き、分泌される。HNE は酵素活性を有し(蛋白分解)、いかなる全体的コンホメーション変化も受け ないようである。 これら標的蛋白の両方についての高処理量スクリーニングのため、蛋白分解が 標的蛋白重畳のプローブとして用いられる。この2つの高処理量モードは、蛋白 分解後の残存する標的蛋白の検出に用いられる方法が異なっている。この2つの 検出方法は、1)放射能標識蛋白のニトロセルロースフィルターへの捕捉とその 後の結合放射能の定量、および2)酵素連結免疫吸着アッセー(ELISA)に よる蛋白の測定である。これらの方法の各々は、ヘモグロビンおよびHNEの両 方について都合よく用いられた。 A)放射能標識HNEのニトロセルロース結合: 0.1mgのHNE(Elastin Products)を、製造元のプロトコル(Pierce) にしたがいヨードゲン(Pierce)の存在下で125I−沃化ナトリウム(アマーシ ャム)で反応させて標識した。反応混合物は、放射能標識HNE(20000c pm、約10μgに相当)、0.025mg/mlウシ血清アルブミン、50m Mトリス−HCl(pH7.5)、10mM酢酸カルシウム、2.5μg/ml テルモリシン(べーリンガーマンハイム)、2.5μg/mlプロテイナーゼK (メルク)、10%DMSOおよび200μMの濃度のテスト化合物を含む0. 05mlの最終容量で調製された。コントロール混合物は、テスト化合物が省略 されていることを除き同一であった。 この混合物を200C15分保温し、続いて65゜Cで30分保温し、その後 氷上に静置した。50mMの酢酸ナトリ ウム緩衝液(pH4.5)0.12mlを続いて各混合物に加えた。氷上でさら に15分保温した後、シュレイヒャーアンドシュエルミニフォールド(Schleiche r and Schuell Minifold)を用いてニトロセルロース膜シートでサンプルをろ過 した。その後、装置の各ウェルを、50mM酢酸ナトリウム緩衝液(pH4.5 )0.2mlで1回、2.0%SDSおよび1.0%トリトン−X100を含む 50mM燐酸ナトリウム(pH5.5)0.5mlで2回洗浄した。フィルター を乾燥させた後、ワラックマイクロベータ(Wallac MicroBeta)装置を用いてシ ンチレーション計測によって結合放射能を決定した。 このアッセーの有効性を確認するために、HNEの既知のリガンド、エラスタ チナル(elastatinal)を1−5mMの範囲の濃度でこのアッセーに含めた。図3 に示したように、エラスタチナルの存在は、ニトロセルロースフィルターへの標 識HNEの保持を増加させた。このことは、これが蛋白分解からHNEを保護し たことを示している。 B)HNEのELISA定量: 最終容量0.05mlの反応混合物は、2μg/ml HNE、0.020m g/mlウシ血清アルブミン、50mMトリス−HCl(pH7.5)、10m M酢酸カルシウム、7.5μg/mlテルモリシン(ベーリンガーマンハイム) 、7.5μg/mlプロテイナーゼK(メルク)、10%DMSOおよび20ま たは200pMの濃度のテスト化合物を含んでいた。コントロール混合物は、テ スト化合物が省略され ていることを除いて同一であった。混合物は20゜Cで15分、続いて63゜C で30分保温され、その後氷上に静置された。 5%無脂肪ドライミルク(カーネーション)含有TBST(10mMトリス− HCl(pH7.5)、0.15M NaCl、0.05%トゥイーン−20) 中で1:10000に希釈した0.1mlのウサギ抗HNE抗体(Calbiochem) が、続いて各反応に加えられた。室温で10分保温後、混合物を96ウェルのイ ムロン−4プレート(Dynatech)に移された。このプレートは、ウェル当たり0 .1mlの、0.2μg/mlHNEの50mMホウ酸ナトリウム緩衝液(pH 8.5)及び3mMナトリウムアジド溶液で一晩保温し、さらにTBSTで十分 に洗浄することによってHNEで被覆されていたものである。このプレートを続 いて室温で1時間保温し、その後TBSTで十分に洗浄した。5%無脂肪ドライ ミルク含有TBSTで1:1000に希釈した0.1mlのアルカリフォスファ ターゼ共役ヤギ抗ウサギIgG抗体(Calbiochem)を各ウェルに加え、プレート を1−2時間室温で保温した。続いてプレートをTBSTで十分に洗浄し、最後 にトゥイーンを含まないTBSTで洗浄した。1Xジエタノールアミン基質緩衝 液(Pierce)中のp−ニトロフェニルフォスフェート(0.5mg/ml)をm lにつき0.1ml各ウェルに加えた。発色するまでプレートを室温で保温し、 その後、バイオラド3550−UVマイクロプレート読み取り装置を用いて各ウ ェルの405nmでの吸収を測定した。 このアッセーの有効性を確認するために、HNEの既知のリガンド、ICI2 00355を0.01−10μMの範囲の濃度でこのアッセーに含めた。図4に 示したように、リガンドの存在はプレートへの抗体結合の抑制をもたらした。こ れは反応混合物中の免疫反応性HNEレベルの増加を示している。 C)高処理量スクリーニングの結果: 上記のように蛋白分解およびELISAによる検出を用いて、HNEとの相互 反応について3600の化合物がスクリーニングされた(図5)。これらのうち 、24種が、20μM濃度でアッセーしたとき50%またはそれより高い程度で プロテイナーゼKによるHNEの蛋白分解を抑制した(陽性ヒット化合物)。さ らに別の6化合物が、20pMでテストしたとき少なくとも2倍蛋白分解の程度 を高めることが分かった(陰性ヒット化合物)。ヒット化合物の効果の濃度依存 性が測定された。ヒット化合物は、8μMの低さの濃度で最大の半分の効果を示 した。1例が図6に示されている。最大抑制は通常(いつもではないが)ほぼ1 00%である。 このヒット化合物をHNEの酵素活性を抑制する能力についてアッセーした。 この結合アッセーで認識された化合物は蛋白表面のどの場所にでも結合できるの で、きわめて僅かな部分のみがHNEの酵素活性を抑制するであろうと予想され る。色素形成合成基質であるSuc−(Ala)3−pNA(Elastin Products )の蛋白分解抑制物質として、文献の方法(J.Bieth,B.Spiess & C.G.Wermuth,Bi ochemical Me dicine 11:350-357(1974))にしたがってこの化合物を調べた。2つの陽性ヒット 化合物と1つの陰性ヒット化合物が、このアッセーでHNEの蛋白分解活性を顕 著に抑制した(図7)。 実施例10:ヒトヘモグロビンのリガンドの高処理量スクリーニング A)放射能標識ヘモグロビンのニトロセルロース結合 0.2mgのHbSまたはHbA(シグマ)は、100mMホウ酸ナトリウム 緩衝液(pH8.5)中の125I−ボルトンーハンター試薬1mCi(アマーシ ャム)と氷上で1時間反応させて放射能標識した。標識は200mMグリシンを 含むホウ酸緩衝液を加えて停止させた。続いて混合物を、0.25%のゼラチン を含む50mMリン酸ナトリウム緩衝液(pH7.5)でエクセセルロースGF −5カラム(Pierce)を用いてサイズによって分画した。 結合アッセーのために、最終容量0.05mlの反応混合物は放射能標識ヘモ グロビン(20000CPM)、0.063mg/ml未標識ヘモグロビン、0 .034mg/mlウシ血清アルブミン、50mMトリス−HCl(pH7.5 )、10mM酢酸カルシウム、2.5μg/mlテルモリシン(ベーリンガーマ ンハイム)、2.5μg/mlプロテイナーゼK(メルク)、10%DMSOお よびテスト化合物を含んでいた。コントロール混合物は、テスト化合物が省略さ れていることを除き同一であった。混合物は200Cで15分、続いて40゜C で30分保温し、さらに氷上に静置した。0.12mlの50mM酢酸ナトリウ ム緩衝液(pH4.5)を 続いて各混合物に添加した。氷上でさらに15分保温したあと、シュレイヒャー アンドシュエルミニフォールドを用いてニトロセルロース膜シートでサンプルを ろ過した。続いて装置の各ウェルを0.2mlの50mM酢酸ナトリウム緩衝液 (pH4.5)で1回、2.0%SDSと1.0%トリトンX−100を含む5 0mMリン酸ナトリウム緩衝液(pH5.5)0.5mlで2回洗浄した。フィ ルターを乾燥後、ウォラックマイクロベータ装置を用いてシンチレーション計測 によって結合した放射能を求めた。 このアッセーの有効性を確認するために、ヘモグロビンの既知のリガンドであ る2,3−ジホスホグリヤレートを10-5から10-1Mの範囲の濃度で反応混合 物に含めた。図8に示したように、2,3−ジホスホグリセレートは、ヘモグロ ビンのフィルター保持を著しく高めた。 B)へモグロビンのELISA定量 最終容量0.05mlの反応混合物は、0.063mg/mlのへモグロビン 、0.034mg/mlのウシ血清アルブミン、50mMトリス−HCl(pH 7.5)、10mM酢酸カルシウム、7.5μg/mlのテルモリシン(ベーリ ンガーマンハイム)、7.5μg/mlのプロテイナーゼK(メルク)、10% DMSO、および20または200μMの濃度のテスト化合物を含んでいた。コ ントロール反応は、テスト化合物が省略されていることを除いて同一であった。 混合物を20゜Cで15分、続いて44゜Cで30分保温し、その後氷上に静 置した。続いて、20mM EDTAお よび1mM PMSFを含む0.1Mホウ酸ナトリウム緩衝液0.05mlを各 混合物に加えた。氷上で10分維持した後、被覆されていない96ウェルのイム ロン−4プレート(Dynatech)に混合物を移した。続いてプレートを4゜Cで一 晩維持し、蛋白をプレートに結合させた。プレートをTBSTで十分に洗浄し、 0.1mlのウサギ抗ヒトヘモグロビン抗体(Calbiochem)0.1ml(1:5 00希釈)を各ウェルに加えた。プレートは室温で1時間保温し、その後十分に TBSTで洗浄した。次に、5%無脂肪ドライミルクを含むTBSTで1:10 00に希釈したアルカリフォスファターゼ共役ヤギ抗ウサギIgG抗体(Calbio chem)を各ウェルに加え、さらにプレートを室温で1−2時間保温した。その後 、プレートをTBSTで十分に洗浄し、最後にトゥイーンを含まないTBSTで 洗浄した。1Xジエタノールアミン基質緩衝液(Pierce)中のp−ニトロフェニ ルフォスフェート(0.5mg/ml)をmlにつき0.1ml各ウェルに加え た。発色するまでプレートを室温で保温し、各ウェルの405nmにおける吸収 を、バイオラド3550−UVミクロプレート読み取り装置を用いて測定した。 このアッセーの有効性を確認するために、ヘモグロビンの既知リガンドである 2,3−ジホスホグリセレートをこの反応に含めた。図9に示したように、この 化合物は免疫反応性ヘモグロビン検出を高めた。 C)高処理量スクリーニングの結果 上記のように蛋白分解とELISAによる検出を用いて、 4000種の化合物がHbSとの相互反応についてスクリーニングされた(図1 0)。これらのうち、23種が20μMの濃度で調べたとき、20%またはそれ 以上の程度まで蛋白分解を抑制することが分かった(陽性ヒット化合物)。 ヒット化合物の作用の濃度依存性を測定した。ヒット化合物は、2.0μMの 範囲の低濃度で最大効果の半分を示した(例えば図11参照)。 実施例11:炭酸脱水素酵素リガンドのための蛍光に基づいた低処理量アッセー 炭酸脱水素酵素Iへのリガンド結合を、コンホメーション特異的蛍光プローブ を標的蛋白重畳の指標として用いて調べた。最終容量0.1mlの反応混合物は 、2μMのヒト炭酸脱水素酵素(Sigma)、50mMのトリス−HCl pH7. 6、50mMのNaCl、 2.0pMのビス−1−アニリノ−8−ナフタレン スルホネート(ビス−ANS)(Molecular Probes,Inc.,Eugene,0R)を含んでい た。ビス−ANSの蛍光放出を、365nmで励起後450nmで測定した。測 定は、ダイナテック蛍光マイクロプレートリーダ(Dynatech fluorescence micro plate reader)を用いて行った。 まず、塩酸グアニジニウム(GCl)の濃度の増加の、ビス−ANSにおける 効果を試験した。図12は、GCl添加3分後に測定したビス−ANSの蛍光強 度(任意の単位)を示す。炭酸脱水素酵素を欠いた混合物においてビス−ANS の蛍光収率は低く、GClの存在によって影響されなかった(図12、中黒の四 角)。これに対して、炭酸脱水素酵素は、 ビス−ANSの蛍光放出を、GClの濃度に感受性な態様で増強した。GClの 非存在下では、炭酸脱水素酵素により蛍光が5倍に増強された。0.5Mから2 MのGClの添加は、蛍光を比例的に増加させ、2M GClにおいて最大15 倍の増強があった。さらなるGClの添加は蛍光を減少させた。図13は、上記 混合物中のGCl誘導蛍光増強の時間依存性を示す。 これらのデータは、ビス−ANSの蛍光放出強度が、炭酸脱水素酵素の重畳状 態に影響されることを示している。 このアッセーの炭酸脱水素酵素リガンドのスクリーニングにおける使用の有効 性を確認するために、炭酸脱水素酵素の既知リガンドであるアセタゾルアミドに ついての、上記混合物中のビス−ANSの蛍光放出に影響する能力を試験した。 図14は、炭酸脱水素酵素を2M GClに曝して1分後のビス−ANSの放出 を、アセタゾルアミドの濃度を増加させて調べた結果を示す。蛍光放出は、アセ タゾルアミドにより、濃度依存的な様式で減少した。これらのデータは、アセタ ゾルアミドの炭酸脱水素酵素への結合が、GClにより誘導される蛋白の重畳型 から溶融小球重畳中間体への変換を妨げ、この効果はリガンド結合の指標として 使用できることを示している。 実施例12:蛍光に基づいたリガンドの高処理量アッセー コンホメーション選択的蛍光プローブを、本発明によるリガンド結合の測定の 高処理量スクリーニングフォーマットに使用する。蛍光プローブ、標的蛋白、及 びテスト化合物(及 び並行した、テスト化合物を欠いた対照のウェル)を、96ウエルマイクロタイ タープレートのそれぞれのウエルに提供する。適切な保温期間の後、それぞれの ウエルの蛍光を、蛍光プレートリーダー(例えばDynatech,Chantilly,VA等) を用いて決定する。テスト化合物を欠いたコントロールウエルと比較したウエル 内の蛍光強度の増加又は減少は、テスト化合物がそれぞれ標的蛋白の重畳又は展 開状態と結合を起こしたことを示す。 それぞれの標的蛋白の条件は、条件が安定化したものから不安定化したものま で様々であるので、プローブ蛍光の変化を組織的にモニタリングすることにより 決定される。リガンドによる重畳状態の安定化に際して蛍光の測定可能な変化が もたらされるように、観察される蛍光強度の実質的な部分は、プローブの、標的 蛋白の溶融小球状態との相互作用によるものでなければならない。必要であれば 、上昇した温度又は尿素、グアニジン若しくは有機溶媒の添加等の変性条件が、 溶融小球状態で存在する標的蛋白の割合を増加させるために使用される。必要で あれば、溶融小球状態の存在は、NMR、粘度測定、固有蛍光(intrinsic fluor escence)及びゲル濾過クロマトグラフィーを含む生物物理学的な測定により確認 される。 適切な条件下で、標的蛋白が天然から溶融小球状態へ変換されるのに伴い、増 加した蛍光が観察され、一方、溶融小球状態からランダムコイルへの変換に伴い 蛍光の減少が観察される。いくつかの標的蛋白の場合、溶融小球状態は、「安定 」 条件(即ち上に列挙した変性条件がない状態)においてさえ支配的であることも ある。このような場合、標的蛋白によるプローブ蛍光の比較的高い増強が安定化 条件下においてさえ観察され、条件がより不安定化されるにつれ、蛍光の減少が 観察される。溶融小球状態の存在は、上記の通りに確認することができる。 天然から溶融小球状へのコンホメーション変化の可逆性もまた特徴づけること ができる。移行が可逆的である場合、アッセーは、平衡条件下で確立することが できる。この場合、保温時間は、プローブの、(テスト化合物不在下における) 標的蛋白の溶融小球状態への結合が平衡に達するのを許容するのに十分長い時間 が選択される。移行が可逆的でない場合保温時間は、蛍光増強の測定可能である が完全ではない変化が起こるよう選択され、このような条件は可逆的コンホメー ション変化の場合においても用いることができる。

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1.所定の標的蛋白に結合するリガンドを識別するための、蛍光に基づくスクリ ーニング方法であって: (a)標的蛋白に結合することが不明の複数の化合物をテストリガンドとして選 択し、 (b)標的蛋白を当該テストリガンドの各々と保温してテスト組み合わせを作製 し、またテストリガンドの非存在下において保温してコントロール組み合わせを 作製し、 (c)前記テスト及びコントロール組み合わせをコンホメーション感受性蛍光プ ローブと接触させ、 (d)前記テストおよびコントロール組み合わせを、標的蛋白が適切な程度に展 開する条件下で処理し、 (e)前記テスト組み合わせおよびコントロール組み合わせにおいて前記コンホ メーション感受性蛍光プローブの蛍光放出を測定し、 (f)テスト組み合わせおよびコントロール組み合わせの間で工程(d)で得ら れた測定を比較し、このとき、コントロール組み合わせよりもテスト組み合わせ で、前記プローブの蛍光放出の強度がより高い又は低い場合、テストリガンドは 標的蛋白に結合するリガンドである 工程を含む方法。 2.標的蛋白に結合するリガンドが識別されるまで、複数の前記テストリガンド について工程(b)−(f)を繰り返すことをさらに含む請求項1記載の方法。 3.前記蛍光プローブが重畳、展開又は溶融小球状態の蛋白と優先的に結合する 請求項1記載の方法。 4.前記プローブが、1−アニリノ−8−ナフタレンスルホネート(ANS)、 ビス−1−アニリノ−8−ナフタレンスルホネート(ビス−ANS)及び6−プ ロピオニル−2−(N,N−ジメチル)−アミノナフタレン(プロダン)からな る群より選択される請求項3記載の方法。 5.前記蛍光プローブがビス−ANSである請求項4記載の方法。 6.前記処理が、前記テスト及びコントロール組み合わせが曝される温度を上昇 させること、前記テスト及びコントロール組合せを蛋白変性剤と接触させること 、又はこれらの組み合わせを含む請求項1記載の方法。 7.前記標的蛋白が、前記蛋白の野生型のものに比べて安定化又は不安定化した 変異体を含む請求項1記載の方法。 8.前記テストリガンドが、金属、ペプチド、蛋白、脂質、多糖類、核酸、小型 有機分子、及びこれらの組み合わせからなる群より選択される請求項1記載の方 法。
JP9521492A 1995-12-07 1996-12-06 リガンドを識別するための蛍光に基づくスクリーニング方法 Pending JP2000502440A (ja)

Applications Claiming Priority (3)

Application Number Priority Date Filing Date Title
US834695P 1995-12-07 1995-12-07
US60/008,346 1995-12-07
PCT/US1996/019698 WO1997020952A1 (en) 1995-12-07 1996-12-06 A fluorescence-based screening method for identifying ligands

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2000502440A true JP2000502440A (ja) 2000-02-29

Family

ID=21731102

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP9521492A Pending JP2000502440A (ja) 1995-12-07 1996-12-06 リガンドを識別するための蛍光に基づくスクリーニング方法

Country Status (5)

Country Link
EP (1) EP0865502A4 (ja)
JP (1) JP2000502440A (ja)
CA (1) CA2236339A1 (ja)
DE (1) DE865502T1 (ja)
WO (1) WO1997020952A1 (ja)

Families Citing this family (24)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CA2184195C (en) 1995-10-25 2002-04-16 Andrew Pakula Screening method for identifying ligands for target proteins
NZ332754A (en) 1996-05-09 2000-07-28 Dimensional Pharm Inc Microplate thermal shift assay which looks at thermal change
US6571227B1 (en) 1996-11-04 2003-05-27 3-Dimensional Pharmaceuticals, Inc. Method, system and computer program product for non-linear mapping of multi-dimensional data
US6453246B1 (en) 1996-11-04 2002-09-17 3-Dimensional Pharmaceuticals, Inc. System, method, and computer program product for representing proximity data in a multi-dimensional space
EP0935784A2 (en) 1996-11-04 1999-08-18 3-Dimensional Pharmaceuticals, Inc. System, method and computer program product for identifying chemical compounds having desired properties
US6261842B1 (en) 1997-10-23 2001-07-17 Wisconsin Alumni Research Foundation Microorganism genomics, compositions and methods related thereto
JP2002514571A (ja) * 1997-11-12 2002-05-21 3−ディメンショナル ファーマシューティカルズ, インコーポレイテッド ゲノムアプローチを使用して同定されるタンパク質を機能的に分類するためのハイスループット方法
US20020010550A1 (en) 1998-09-14 2002-01-24 George M. Grass Pharmacokinetic-based drug design tool and method
US6569631B1 (en) 1998-11-12 2003-05-27 3-Dimensional Pharmaceuticals, Inc. Microplate thermal shift assay for ligand development using 5-(4″dimethylaminophenyl)-2-(4′-phenyl)oxazole derivative fluorescent dyes
JP2002535989A (ja) 1999-02-04 2002-10-29 アナディーズ・ファーマスーティカルズ,インコーポレイテッド カンジダ・アルビカンスsrb‐7
US6972198B2 (en) 1999-02-26 2005-12-06 Cyclacel, Ltd. Methods and compositions using protein binding partners
US6376180B1 (en) * 1999-12-09 2002-04-23 Pharmacia & Upjohn Company Methods of identifying compounds that bind to target species under isothermal denaturing conditions
US6582907B1 (en) 1999-12-09 2003-06-24 Pharmacia & Upjohn Company Use of fluorescence correlation spectroscopy to identify compounds that bind to target species under isothermal denaturing conditions
US7416524B1 (en) 2000-02-18 2008-08-26 Johnson & Johnson Pharmaceutical Research & Development, L.L.C. System, method and computer program product for fast and efficient searching of large chemical libraries
WO2001065462A2 (en) 2000-02-29 2001-09-07 3-Dimensional Pharmaceuticals, Inc. Method and computer program product for designing combinatorial arrays
WO2001071624A1 (en) 2000-03-22 2001-09-27 3-Dimensional Pharmaceuticals, Inc. System, method, and computer program product for representing object relationships in a multidimensional space
WO2001075790A2 (en) 2000-04-03 2001-10-11 3-Dimensional Pharmaceuticals, Inc. Method, system, and computer program product for representing object relationships in a multidimensional space
WO2002061419A1 (en) 2001-01-29 2002-08-08 3-Dimensional Pharmaceuticals, Inc. Method, system, and computer program product for analyzing combinatorial libraries
WO2002103321A2 (en) * 2001-06-14 2002-12-27 Anadys Pharmaceuticals, Inc. Methods of screening for ligands of target molecules
EP1637885A1 (en) 2004-09-16 2006-03-22 Vivalis Method of screening by using conformation sensitive peptides
GB0421285D0 (en) 2004-09-24 2004-10-27 Univ Nottingham Improvements in high content screening
US8158340B2 (en) 2005-12-28 2012-04-17 Corning Incorporated Methods for detecting conformational changes in bioentities
EP3254113B1 (en) 2015-02-05 2024-10-09 Promega Corporation Luciferase-based thermal shift assays
GB202118173D0 (en) * 2021-12-15 2022-01-26 Medicines Discovery Catpult Ltd Protein stability assay

Family Cites Families (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS5231755B2 (ja) * 1973-01-08 1977-08-17
US5200504A (en) * 1990-10-02 1993-04-06 The Scripps Research Institute Metallopeptides having stabilized secondary structures
CA2115900A1 (en) * 1993-02-22 1994-08-23 Gerald W. Becker Pharmaceutical screens and antibodies

Also Published As

Publication number Publication date
EP0865502A4 (en) 2000-08-16
EP0865502A1 (en) 1998-09-23
WO1997020952A1 (en) 1997-06-12
DE865502T1 (de) 1999-08-19
CA2236339A1 (en) 1997-06-12

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US5679582A (en) Screening method for identifying ligands for target proteins
JP2000502440A (ja) リガンドを識別するための蛍光に基づくスクリーニング方法
US5585277A (en) Screening method for identifying ligands for target proteins
JP2952848B2 (ja) 標的蛋白のリガンドを識別するためのスクリーニング方法
WO1997020952A9 (en) A fluorescence-based screening method for identifying ligands
Gagni et al. Development of a high-sensitivity immunoassay for amyloid-beta 1–42 using a silicon microarray platform
US7771940B2 (en) Methods of detecting a plurality of sequence specific DNA binding proteins with oligonucleotide detection duplexes
MXPA96004183A (en) Method of examination to identify paraprotein ligands objet
JP6756611B2 (ja) 中和抗体を検出するための競合リガンド結合アッセイ
US20220187310A1 (en) Anti-drug antibody assay
US6127136A (en) Detection of dioxin-like compounds by detection of transformed Ah receptor/ARNT complex
US5006462A (en) Method for the detection of schizophrenia
JP4283812B2 (ja) 重症筋無力症の診断方法およびそのキット
Snitkoff et al. Development of an Immunoassay for Monitoring the Levels of Ciprofloxacin Patient Samples
US20210132091A1 (en) Collagen iv binding assay for the detection of collagen vii
US20040191835A1 (en) Screening method for identifying ligands for target proteins
US20030235873A1 (en) Process for detecting enzyme activity in an immunoassay
MXPA98004456A (en) Method of analysis based on fluorescence, to identify ligan
WO2007147272A1 (en) Method for assaying a thrombotic event
JP7168688B2 (ja) 補体C4dアッセイ
US20120035074A1 (en) Methods to determine atherosclerosis regression, plaque stabiliztion and cardiovascular risk
JP2003254966A (ja) 抗カルパスタチン抗体の測定法及び測定キット
JPH11166931A (ja) 生体成分の量的あるいは質的異常を検出する方法
US20020004247A1 (en) Assay method
EP1217078A1 (en) Phosphatase immunoassay using antibodies against bisphosphorylated substrates