JP2952841B2 - 加工後の耐食性、耐黒変性に優れた難溶性クロメート処理金属材料の製造方法 - Google Patents

加工後の耐食性、耐黒変性に優れた難溶性クロメート処理金属材料の製造方法

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JP2952841B2 JP4094599A JP9459992A JP2952841B2 JP 2952841 B2 JP2952841 B2 JP 2952841B2 JP 4094599 A JP4094599 A JP 4094599A JP 9459992 A JP9459992 A JP 9459992A JP 2952841 B2 JP2952841 B2 JP 2952841B2
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    • C23CCOATING METALLIC MATERIAL; COATING MATERIAL WITH METALLIC MATERIAL; SURFACE TREATMENT OF METALLIC MATERIAL BY DIFFUSION INTO THE SURFACE, BY CHEMICAL CONVERSION OR SUBSTITUTION; COATING BY VACUUM EVAPORATION, BY SPUTTERING, BY ION IMPLANTATION OR BY CHEMICAL VAPOUR DEPOSITION, IN GENERAL
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は金属材料、特にZnおよ
びZn合金めっき鋼板、AlおよびAl合金めっき鋼
板、軽金属および軽合金の板、線、管等の金属材料の表
面に耐水性の塗布型クロメート処理皮膜を形成させる方
法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】塗布型のクロメート処理は亜鉛めっき鋼
板、アルミニウムめっき鋼板の腐食防止および塗装下地
処理として広く利用されている。代表的なクロメート処
理浴としてはシリカゾルと還元クロム酸で構成される特
開昭52−17340号公報、ノニオン乳化剤で重合し
たアクリル樹脂とクロム酸からなる特開昭63−145
785公報に記載のものがあげられる。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】従来の塗布クロメート
は良好な性能を示すが近年の高度の要求に必ずしも応え
るものではない。例えば、シリカゾル系のクロメートは
耐食性、塗料密着性、耐黒変性等のバランスに優れてい
るが、耐水性皮膜を得るためには200℃近い高温焼付
を必要とするという問題があり、ノニオン乳化剤で重合
したアクリル樹脂は比較的低温で耐水性の皮膜が得られ
るが、品質的には黒変が発生しやすく、操業面では液交
換時にシリカゾル系のクロメートと凝集してガム状の化
合物を生成し、配管目詰まりや洗浄に多くの時間を必要
とする問題があった。近年のクロメート皮膜に要求され
る性能は多様化し、要求性能に合わせて多種類の処理液
で対応する必要が強くなっており、液の交換が円滑に行
えるクロメート液の開発が望まれている。また高度の耐
食性を得るためにはりん酸添加が有効であるが、りん酸
含有クロメートを溶融亜鉛めっき鋼板に施すと、短時間
にめっき表面が黒ずむ経時黒変が発生するという問題が
あり、特定用途に限定した使用しかできなかった。
【0004】本発明は従来のクロメート、特にシリカ系
のクロメートとの混合でゴム状にゲル化することなく、
相溶性に優れ、品質的にはシリカ系クロメートと同等の
耐黒変性があり、かつ加工後の耐食性に優れたりん酸を
含有する塗布型の樹脂クロメートを使用する金属材料の
難溶性クロメート処理方法を提供することを目的とする
ものである。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明の要旨とするとこ
ろは下記のとおりである。 (1) クロム酸換算で5〜100g/lの水溶性クロ
ム酸化合物、りん酸を1〜50g/l、水溶性高分子ポ
リオールを1〜50g/lおよびアニオン乳化剤で重合
した水性樹脂を10〜200g/l含有させた酸性のク
ロメート液を金属材料の表面にCr付着量として10〜
100mg/m2塗布した後、加熱乾燥することを特徴とす
る加工後の耐食性、耐黒変性に優れた難溶性クロメート
処理金属材料の製造方法。
【0006】(2) クロム酸換算で5〜100g/l
の水溶性クロム酸化合物、りん酸を1〜50g/l、C
o、Ni、Mnから選択した1種以上の金属イオンを1
〜10g/l、水溶性高分子ポリオールを1〜50g/
lおよびアニオン乳化剤で重合した水性樹脂を10〜2
00g/l含有させた酸性のクロメート液を金属材料表
面にCr付着量として10〜100mg/m2塗布した後、
加熱乾燥することを特徴とする加工後の耐食性、耐黒変
性に優れた難溶性クロメート処理金属材料の製造方法。
【0007】
【作用】本発明のクロメート処理は全ての金属材料が対
象として利用出来る。特に重要な金属材料としては、電
気亜鉛めっきおよび電気亜鉛合金めっき鋼板、溶融亜鉛
めっきおよび溶融亜鉛合金めっき鋼板、蒸着亜鉛および
亜鉛合金めっき鋼板、アルミニウムめっき鋼板、ニッケ
ルめっき鋼板、すずめっき鋼板、ターンメッキ鋼板、溶
射めっき鋼板、クロメート・りん酸塩処理鋼板、陽極酸
化処理鋼板、めっき鋼線、めっき鋼管等のめっき鋼材お
よび軽金属(アルミニウム、チタン、マグネシウムおよ
び合金)の板、箔、線、ダイキャスト等が含まれる。
【0008】以下本発明で用いるクロメート液について
述べる。本発明が基本とするクロメート浴成分は水溶性
のクロム酸化合物とCo、Ni、Zn、Mnから選択し
た1種以上の金属イオン、りん酸、水溶性高分子ポリオ
ールおよびアニオン乳化剤で乳化重合した水性の樹脂
(以下アニオン水性樹脂と呼ぶ)である。
【0009】クロム酸化合物は無水クロム酸、重クロム
酸塩、クロム酸塩を水に溶解するか、望ましくは予めで
ん粉、アルコールなどの還元剤でCr6+をCr3+に20
〜50%部分還元したクロム酸水溶液として供給する。
クロメート液中のCr6+は後述する水溶性高分子ポリオ
ールによってさらに還元されてキレートを形成し、三価
クロム酸主体のクロメート皮膜を形成する。
【0010】クロム酸の濃度は全クロムをCrO3 換算
で5〜100g/lである。CrO 3 濃度5g/l未満
では通常の方法では耐食性のある付着量(Crとして1
0〜100mg/m2)を確保しにくい。また、100g/
l超では水性樹脂の酸化劣化を促進させ液の安定性が劣
化するため好ましくない。りん酸は還元して生成するC
3+の溶解剤、りん酸クロム塩として皮膜形成剤および
めっき表面を適度にエッチングする活性剤として作用す
る。これらのりん酸の作用は濃度が1〜50g/lで最
も効果的に発揮される。りん酸濃度が50g/lを越え
ると皮膜の耐水性の低下や金属表面が過剰にエッチング
されて外観が変色しやすく、経時黒変等外観劣化を促進
するという問題が発生して好ましくない。望ましくはク
ロム酸1に対してりん酸を0.5〜2.0の範囲で用い
る。
【0011】水溶性高分子ポリオールの作用はCr6+
不溶性のCr3+に還元(液中および加熱乾燥時)し、液
中では三価クロムと錯化合物を形成して沈殿を防ぎ、加
熱乾燥によって三価クロムを架橋剤として耐水性の皮膜
を形成する。高分子ポリオールの濃度は1〜50g/l
で使用する。濃度が1g/l未満では還元効果が不足
し、顕著な効果が得られない。濃度が50g/lを越え
ると耐水性が逆に低下して好ましくない。全クロム酸1
に対して0.5〜2.0の範囲で使用すると最も効果的
である。
【0012】本発明に用いる水溶性高分子ポリオールは
ノボラック型フェノール樹脂を骨格とする多官能ポリオ
ール化合物(以下NPPとして記述する)である。NP
Pはノボラック型フェノールに、以下に述べるポリオー
ルを結合させた化合物を用いる。ポリオールはポリエチ
レングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリテト
ラメチレングリコール、ポリブチレンアジペート、アク
リルポリオール、ポリエステルポリオール、ポリエーテ
ルポリオールや各種グリコールの2価アルコール、グリ
セリン、トリメチロールエタン、トリメチロールプロパ
ンなどの3価アルコール、ペンタエリスリトール、ソル
ビトール、ジグリセロール、ジペンタエリスリトールな
どの4価アルコールで代表される多価アルコールおよび
これらにより水溶性を与える水酸基、アミン基、カルボ
キシル基などを付加した化合物である。
【0013】また、NPPの骨格に水溶性を与える水酸
基、アミン基、カルボキシル基、スルホン酸基などを付
加した化合物を用いることができる。本発明の高分子ポ
リオールの重要な点はクロム酸との共存で液の安定性に
優れ、低温焼付硬化後は耐水性に優れた皮膜が得られる
ポリオールの選定と液設計にある。したがってNPPは
水に対する溶解度が高く、かつクロム酸の酸化に抵抗力
があり、キレート結合による錯イオンを形成して沈殿能
力を備えたものである。これらのことからNPPの分子
量は500〜5000のものが望ましい。以上NPPは
幅広いものが使用できるが、2液性のウレタン樹脂の合
成に用いられる市販の化合物を用いることができる。例
えば、ハイドール(大日本インキ化学工業株式会社の水
酸基価が約3モル/100gNPP)が優れた特性を示
す。
【0014】以下、水性樹脂について説明する。本発明
は他のクロメート液との相溶性に優れたものを目的とし
ており、負に帯電したシリカゾルとの混合でガム状に結
合しないアニオン性の樹脂を用いる。ノニオン、カチオ
ンはシリカの静電反発力を破壊し、ゲル化させる。本発
明に用いる水性樹脂はアニオン系の界面活性剤を用いて
乳化重合したアクリル、エポキシ、ポリエステル、アク
リルアミドの単独重合体およびこれらの共重合体で構成
される水性樹脂で、実質的にノニオン乳化剤、カチオン
乳化剤を含まない水性樹脂である。
【0015】水性樹脂は液中に10〜200g/l含有
させて使用する。樹脂の濃度が10g/l未満では本発
明が目的とする耐食性などの性能が得られない。また、
200g/l超では液の粘度が高くなり、液の安定性を
維持する時間が短い等の問題が生じ、作業性が悪い。最
も好ましい範囲は樹脂/クロム酸比が1から5で調合し
たクロメート液を用いると、良質の性能、外観を示すク
ロメート処理皮膜が得られやすい。
【0016】以上の組成で従来のクロメートの品質以上
の品質と作業性に優れたクロメート処理皮膜が得られる
が、さらに、Co、Ni、Mnから選択した1種以上の
金属イオンを1〜10g/l含有させることにより、格
段に優れた性能と液の安定性が得られる。これらの金属
イオンの濃度が1g/l未満では顕著な効果が得られ
ず、10g/l超では溶解しにくくなって沈殿を生ずる
ため好ましくない。
【0017】これらの金属イオンの作用機構は液中のク
ロム酸イオンおよび重クロム酸イオンと適度の可溶性塩
を形成し、長期間六価クロムをめっき表面に供給するこ
とによって耐食性を与え、液中においては高分子ポリオ
ールの酸化を抑制して液の安定性を改善する。また、め
っきの活性点となる表面にCo、Ni、Zn、Mnの金
属酸化物を形成し、経時黒変を抑制する。これらの性能
を最大に発揮する濃度としては2〜6g/lが望まし
い。本発明の処理を施す金属材料から溶出する金属イオ
ン、特に溶解しやすいZn、Al、Mg等のイオンの濃
度は規定するものではない。
【0018】クロメート液のpHは4以下で用いるが、望
ましくはpH3以下が良好な結果が得られやすい。以上の
クロメート液を金属材料表面にCr付着量として10〜
100mg/m2塗布した後、到達板温として50〜120
℃、望ましくは60〜90℃で加熱乾燥して難溶性クロ
メート処理金属材料を製造する。Cr付着量が10mg/
m2未満では目的とする高度の耐食性が得られず、また1
00mg/m2超では色調が強く、むらになりやすい。作業
的にも乾燥不足により、ロールへのビルドアップやコイ
ル同士のスティッキングが生じ、好ましくない。
【0019】クロメート液の塗布方法は通常実施されて
いる既存の方法を採用できる。本発明は他液との混合で
問題が少ないため、処理装置は一つで水洗を介して切り
替え循環する複数のストレージタンクを有する連続めっ
きラインのエアーナイフ、ロールしぼり方式に最適であ
る。本発明を図1にて説明する。
【0020】図1の曲線Cは、還元したクロム酸とりん
酸およびアニオン乳化剤で重合したアクリル酸エステル
エマルジョンの三成分からなるクロメート液で被覆した
溶融亜鉛めっき鋼板のCr付着量と塩水噴霧耐食性(白
錆5%発生までの試験時間)の関係を示す。曲線からC
r付着量50mg/m2で、白錆5%発生時間は72〜96
時間と推定されるのに対し、本発明の請求項1に相当す
る1つである曲線B(C浴に高分子ポリオール添加)の
場合は、Cr付着量50mg/m2の条件で120時間に向
上する。さらに本発明の請求項2に相当する曲線A(C
浴に高分子ポリオールとCo 2+を添加)はCr付着量5
0mg/m2の同一条件比較で240時間に飛躍的に向上す
る。
【0021】
【実施例】以下、実施例を挙げて説明する。実施例は特
に説明がない限り次のように行った。 (1)クロム還元比 無水クロム酸の30%水溶液に澱粉を加えて80℃に保
ち、長時間かけて還元し、Cr3+および全Crを分析し
て算出した。
【0022】(2)塗布方法 めっき鋼板に液をスプレー後、エアーナイフで絞る方法
で行った。乾燥はCOG直火口(温度500℃)で3秒
加熱し、到達板温80℃で焼き付けた後、スタック状態
で1週間屋内で保存後評価した。Cr付着量は蛍光エッ
クス線分析で測定した。
【0023】(3)皮膜の耐水性 得られたクロメート皮膜付きめっき鋼板の表面に水滴を
0.2ml滴下し、30秒後の接触角を測定し、耐水性を
評価した。 (4)耐アルカリ脱脂性 得られたクロメート皮膜付きめっき鋼板のCr付着量は
蛍光エックス線分析で測定した後、市販のファインクリ
ーナー4326(FC4326)2%水溶液、60℃、
2分間、スプレー圧1.2kg/cm2 でスプレーし、再度
Cr付着量を蛍光エックス線分析で測定してその差を
(mg/m2)で示した。
【0024】(5)耐食性 エリクセン8mm加工した後、JIS−Z2371で規定
された塩水噴霧試験(SST)を連続で実施し、白錆発
生面積率が5%となった時間で評価した。 (6)黒変性 70℃相対湿度が95%以上の恒温恒湿槽中に暴露して
7日後に取り出して外観を目視観察し、3段階(○:変
化なし △:少し変色 ×:黒変)で評価した。
【0025】(7)混合安定性 クロム酸/シリカ=10/20 g/lの液と実施例の
液を1:1に混合して3段階(○:変化なし △:沈殿
×:ガム状)で評価した。 (8)液の安定性 液を38℃で密閉して保存し、1週間後の状態を観察
し、3段階(○:変化なし △:沈殿 ×:ゲル状)で
評価した。
【0026】
【実施例】
実施例1 連続溶融めっき鋼板の製造ラインにて鋼帯にめっき量6
0g/m2のミニマムスパングル溶融めっきを被覆した
後、めっき表面に表1、表2(表1のつづき)に示すク
ロメート液を塗布してエアーナイフで付着量を調整し、
熱風で到達板温が80℃に焼付乾燥した。 記号1〜3
は本発明例で、クロム酸、りん酸、アクリル酸エステル
水性樹脂にノボラック型フェノール樹脂ポリエチレング
リコール付加物(NPP)を加えたクロメート液を被覆
したCr付着量20、50、95mg/m2の例である。耐
食性はCr付着量に比例して向上し、Cr付着量50mg
/m2比較で120時間と良好な耐食性が得られる。
【0027】記号4〜6はNPPを含まない比較例であ
る。Crの溶出量が多く、黒変が発生し易い。耐食性も
Cr付着量50mg/m2比較で72時間と低い。記号N
o.7はクロム酸、りん酸とノニオン乳化剤で重合した
アクリル酸エステル水性樹脂の比較例で、良好な耐食性
等が得られるが、残念なことにSiO2−CrO3 系浴
との混合でゲル化する。
【0028】
【表1】
【0029】
【表2】
【0030】実施例2 実施例1と同じように表3、表4(表3のつづき)に示
す内容のクロメート液を塗布して乾燥後評価した。記号
No.8〜10は、NPPおよびCo2+を添加した本発
明例で、Cr付着量50mg/m2で白錆発生まで240時
間の高耐食性能が得られ、その他の特性も優れている。
No.11はCo2+を2g/l、No.12はCo2+
g/l、No.13はCo2+8g/lと増加した本発明
例で、いずれも白錆発生まで168〜240時間であ
り、優れている。
【0031】No.14はCo2+の代りにNi2+を6g
/l、No.15はMn2+を6g/l加えた本発明例
で、Co2+に比べるとやや性能が劣っているがCr付着
量50mg/m2で白錆発生まで200時間の優れた耐食性
が得られた。No.16はNPP無添加のCo2+添加浴
の比較例で黒変が発生し、耐食性も低下する。
【0032】
【表3】
【0033】
【表4】
【0034】実施例3 実施例1の条件で表5、表6(表5のつづき)に示すク
ロメート液を用いて塗布した後、熱風で板温80℃に加
熱乾燥した。No.17はアニオン乳化重合したポリエ
ステルエマルジョン水性樹脂とプロピレングリコールを
付加したフェノール樹脂を用いた本発明例で、耐食性を
含め全般に優れた特性を示した。
【0035】No.18およびNo.19はアニオン乳
化重合したエポキシ樹脂の本発明例で、No.18はN
o.17と同じ高分子ポリオールを用いた例、No.1
9は実施例1のNPPを用いた例である。両者共に良好
な耐食性、耐黒変性、塗料密着性を示した。No.20
〜22はNPPおよびCo2+添加浴で、りん酸の濃度を
変化させた本発明例である。りん酸の多いNo.20は
黒変が少し発生するが良好な耐食性が得られた。りん酸
濃度が5g/lと低いNo.21は浴の沈澱が生じる
が、性能的には優れている。また、No.22は欠点の
ない良好な性能を示した。
【0036】No.23はCrO3 10に対して水性樹
脂を10g/l加えた本発明例で、耐食性が少し低下す
る傾向が認められるが、高水準の性能を示した。No.
24は全性能で良好である。
【0037】
【表5】
【0038】
【表6】
【0039】実施例4 実施例2のNo.8のクロメート液を目付量40g/l
の5%Al−Zn合金溶融めっき鋼板にCr付着量50
mg/m2塗布した後、板温80℃に焼付けた。塩水噴霧試
験で白錆発生まで300時間の高耐食性を示した。黒変
も発生しなかった。実施例5 実施例2のNo.8のクロメート液を目付量20g/m2
の電気亜鉛めっき鋼板(EG20)、目付量20g/m2
の12%Ni−Zn合金めっき鋼板(NZ)および目付
量50g/m2のガルバニールド鋼板(GA)にCr付着
量50mg/m2となるように塗布し、熱風にて板温90℃
に加熱硬化させ性能を調べた。耐食性はEGで120時
間、NZで800時間白錆が発生せず、GAでは、錆発
生まで500時間の高耐食性能を得た。
【0040】
【発明の効果】本発明により得られたクロメート処理金
属材料は外観および加工後の耐食性に優れ、実質的に殆
どクロム酸が溶出しない。従って最近人手不足が深刻な
建築業界、家電業界の金属材料として、プレハブ建材、
OAフロアー、ダクト等への適用が可能である。場合に
よっては従来ポスト塗装されていたものに置き換えるこ
とができる可能性が高い。また、塗装下地のプライマー
としての用途も考えられ、プレハブ用材料として最適で
ある。
【図面の簡単な説明】
【図1】Cr付着量と塩水噴霧試験で白錆が5%発生す
るまでの時間で示した耐食性との関係を示す図で、曲線
Cは比較例、曲線BはC浴にNPPを加えた本発明例、
曲線AはC浴にNPPとCo2+を加えた本発明例(曲線
Cに比べ曲線B、Aが同一Cr付着量比較で優れてい
る)である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 平3−202480(JP,A) 特開 平4−66673(JP,A) 特開 昭52−133837(JP,A) 特開 昭56−105486(JP,A) 特開 昭50−158535(JP,A) 特開 昭60−145383(JP,A) 特公 昭47−29176(JP,B2) 特公 昭45−14673(JP,B1) (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) C23C 22/28 B05D 3/10 B05D 7/14 B05D 7/24 301 C23C 22/33

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 クロム酸換算で5〜100g/lの水溶
    性クロム酸化合物、りん酸を1〜50g/l、水溶性高
    分子ポリオールを1〜50g/lおよびアニオン乳化剤
    で重合した水性樹脂を10〜200g/l含有させた酸
    性のクロメート液を金属材料の表面にCr付着量として
    10〜100mg/m2塗布した後、加熱乾燥することを特
    徴とする加工後の耐食性、耐黒変性に優れた難溶性クロ
    メート処理金属材料の製造方法。
  2. 【請求項2】 クロム酸換算で5〜100g/lの水溶
    性クロム酸化合物、りん酸を1〜50g/l、Co、N
    i、Mnから選択した1種以上の金属イオンを1〜10
    g/l、水溶性高分子ポリオールを1〜50g/lおよ
    びアニオン乳化剤で重合した水性樹脂を10〜200g
    /l含有させた酸性のクロメート液を金属材料の表面に
    Cr付着量として10〜100mg/m2塗布した後、加熱
    乾燥することを特徴とする加工後の耐食性、耐黒変性に
    優れた難溶性クロメート処理金属材料の製造方法。
JP4094599A 1992-04-14 1992-04-14 加工後の耐食性、耐黒変性に優れた難溶性クロメート処理金属材料の製造方法 Expired - Lifetime JP2952841B2 (ja)

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