JP2949412B2

JP2949412B2 - 車両用ドアの位置合わせ装置

Info

Publication number: JP2949412B2
Application number: JP7070059A
Authority: JP
Inventors: 二三雄小林
Original assignee: Ohi Seisakusho Co Ltd
Current assignee: Ohi Seisakusho Co Ltd
Priority date: 1995-03-28
Filing date: 1995-03-28
Publication date: 1999-09-13
Anticipated expiration: 2014-09-13
Also published as: JPH08268072A

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は、車体にスライド開閉可
能に支持されたドアが閉じたときに、各係合部材が互い
に係合して、ドア外側面と車体面との間に段差が生じな
いように矯正し得るようにした車両用ドアの位置合わせ
装置に関する。

【０００２】

【従来の技術】従来のこの種のドア位置合わせ装置は、
車体のセンターピラーの被取付面に締結部材により固定
された車体側係合部材と、スライドドア側の被取付面に
締結部材により固定され、スライドドアが閉じたとき、
車体側係合部材に係合するドア側係合部材とを備え、車
体側係合部材及びドア側係合部材の互いの固定位置を調
整することにより、スライドドアが閉じたときに、両係
合部材が互いに係合することにより、ドア外側面が車体
パネルの外側面との間に段差が発生しないように矯正し
て、スライドドア位置の拘束を行っていた。

【０００３】

【発明が解決しようとする課題】しかしながら、従来の
車両用ドアの位置合わせ装置は、スライドドアを開けた
状態で両係合部材の位置調整を行い、その後、スライド
ドアを閉じて両係合部材を互いに係合させてドア面を確
認し、ドア面に狂いがあれば、再度、スライドドアを開
けて両係合部材を再調整し、同様にドア開閉を幾度か繰
り返して位置調整をしなけれなならないため、正確な固
定位置を得るには、多くの調整時間を要するという問題
があった。

【０００４】本発明は、従来の技術が有する上記の問題
点に鑑み、ドアを閉じた状態で、係合部材の位置調整作
業を簡単に行い得るようにして、作業性及び調整位置精
度の向上を図った車両用ドアの位置合わせ装置を提供す
ることを目的とする。

【０００５】

【課題を解決するための手段】本発明によると、上記課
題は、次のようにして解決される。ドア側の被取付面に
締結部材により固定された係合部材と、車体側の被取付
面に締結部材により固定された係合部材とが、ドア閉止
時に互いに係合することによりドア位置を矯正するよう
にした車両用ドアの位置合わせ装置において、車体側ま
たはドア側の一方の被取付面に固定された固定体と、一
方の被取付面に沿って移動可能に支持され、一方の被取
付面に固定された係合部材に連結された移動体と、固定
体に回転可能に軸支されるとともにネジ部が移動体に螺
合して、回転調整されることにより移動体及び一方の係
合部材を被取付面に沿って移動させ得る調節用ネジ部材
とを有する調整機構を備える。

【０００６】

【作用】車体側の係合部材を、締結部材より車体側の被
取付面に仮止めする。この仮止め状態で、ドアを閉じ
て、ドア側に固定された係合部材を車体側の係合部材に
係合させる。この係合状態で、調整機構の調節用ボルト
を適宜の方向に回転調節して、移動体及び車体側の係合
部材を被取付面に沿って車体幅方向に微調整して移動さ
せることにより、ドアの外側面が他の外側面と平坦にな
るように位置調整する。その後、ドアを開けて、締結部
材を堅く締め付けて車体側の係合部材を被取付面に固定
することにより、車体側係合部材は、容易に正規の位置
に固定することができる。

【０００７】

【実施例】以下、本発明の一実施例を図面に基づいて説
明する。図１は、本発明を適用した車両、図２は、ドア
閉止時におけるスライドドア前部の横断面図、図３は、
図２におけるＡ矢示図を示す。図中(１)は、車両の車体
パネル(２)側面に開閉可能に支持されたスライドドア
(以下、単にドアという)で、車体パネル(２)のドア開口
(２a)の上縁に沿って設けられたアッパーレール(３)
と、下縁に沿って設けられたロアレール(４)と、車体パ
ネル(２)のウェスト部に固定されたガイドレール(５)と
により、ドア(１)の後方に設けられたドアロック(１b)
が、車体パネル(２)に固定されたストライカ(図示略)に
係合した全閉位置と、図１に示すように、車体パネル
(２)の外側面より若干外方に移動しながら、車体パネル
(２)の側面と平行に後方に移動した全開位置との間を開
閉移動可能に支持されている。

【０００８】(７)は、車体前方の車体パネル(２)に、ド
アヒンジ(図示略)により開閉可能に枢着されたフロント
ドアで、ドア(１)とフロントドア(７)との境に設けたセ
ンターピラー(６)に固着されたストライカ(図示略)に係
合することにより、閉止位置に拘束される。

【０００９】ドア(１)の前端面とセンターピラー(６)と
の相対する面には、図２に示すように、ドア(１)側に固
定されたドア側係合部材(８)と、センターピラー(６)側
に固定された車体側係合部材(９)とを備えるドア位置合
わせ装置が設けられている。

【００１０】ドア側係合部材(８)と車体側係合部材(９)
は、ドア(１)が閉じたときに、互いに係合して、ドア
(１)の閉止時のガタ付きを防止するとともに、ドア(１)
の組み付け時に互いの位置を調整することによって、ド
ア(１)の外側面が、フロントドア(７)及び車体パネル
(１)等の他の外側面との間に段差が生じることがないよ
うに位置矯正するものである。

【００１１】ドア側係合部材(８)は、ドア(１)側に固定
され、ドア(１)前方の被取付面(１a)の内側にボルト(締
結部材)(10)により固定されたベースプレート(11)と、
被取付面(１a)に穿設された孔部(１c)から突出する先細
り円柱状の係合杆(12)とを備えている。

【００１２】車体側係合部材(９)は、センターピラー
(６)側に固定され、ドア(１)側の被取付面(１a)に向け
て突出して、ドア(１)側の孔部(１c)に嵌入可能な円筒
状の突部(13a)と、突部(13a)の上面に穿設され、ドア
(１)の閉止時に、ドア側係合部材(８)の係合杆(12)が嵌
合可能な係合孔(13b)とが形成されたベースプレート(1
3)を有し、ベースプレート(13)の上下部は、ボルト(締
結部材)(14)により、センターピラー(６)の被取付面(６
a)に固定されている。

【００１３】車体側係合部材(９)をセンターピラー(６)
の被取付面(６)に調整して固定することにより、ドア
(１)の閉止時に、ドア側係合部材(８)の係合杆(12)が車
体側係合部材(９)の係合孔(13b)に係合することによっ
て、ドア(１)のガタ付きが防止されるとともに、ドア
(１)の外側面がフロントドア(７)の外側面に平坦になる
ように位置矯正される。

【００１４】センターピラー(６)の被取付面(６a)に
は、固定用ボルト(14)が貫通する取付孔(６b)が穿設さ
れている。この取付孔(６b)の径は、車体側係合部材
(９)の位置調整範囲を許容し得る程度に、ボルト(14)の
ネジ径より大としてある。

【００１５】センターピラー(６)の被取付面(６a)の裏
面には、車体側係合部材(９)を任意の位置に調整し得る
調整機構(15)が設けられている。調整機構(15)は、被取
付面(６a)の裏面に溶接により固定されたＬ字型の固定
プレート(固定体)(16)と、被取付面(６a)の裏面に沿っ
て所定の範囲移動可能に支持され、被取付面(６b)の裏
面に当接する取付片(18b)にボルト(14)が螺合可能な螺
合孔(18c)が穿設されたＬ字型の移動プレート(移動体)
(18)と、固定プレート(16)の起立片(16a)に軸線方向が
被取付面(６a)に平行に回転自在に枢支され、ネジ部(17
a)が移動部材(18)の起立片(18a)に螺合した調整用ボル
ト(17)とを備えている。

【００１６】調整用ボルト(17)は、治具(19)により任意
の方向に回転調節させられることにより、移動プレート
(18)を被取付面(６a)に沿って車両の幅方向に移動させ
ることができる。移動プレート(18)の位置を調整するこ
とにより、ボルト(14)が移動部材(18)の螺合孔(18c)に
螺合して、移動プレート(18)と車体側係合部材(９)とが
連結され、車体側係合部材(９)も同期して、被取付面
(６a)に沿って車両幅方向に移動する。

【００１７】次に、ドア位置合わせ作業について説明す
る。ドア側係合部材(８)を、予め定められた位置のドア
(１)の被取付面(１a)にボルト(10)により固定しておく
とともに、ドア(１)を開けた状態で、車体側係合部材
(９)を、センターピラー(６)の被取付面(６a)に当て
て、ボルト(14)をベースプレート(13)及び取付孔(６b)
を貫通させ、被取付面(６a)の裏面に設けられた移動プ
レート(15)の螺合孔(18c)に螺合して緩く締結すること
によって仮止めする。

【００１８】この仮止め状態で、ドア(１)を閉じて、図
２に示すように、ドア側係合部材(８)に突設された係合
杆(12)を車体側係合部材(９)に設けられた係合孔(13b)
に係合させる。この係合状態で、センタピラー(６)に穿
設された作業孔を介して治具(19)をセンターピラー(６)
内に挿入し、調節用ボルト(17)を適宜の方向に回転調節
して、移動プレート(18)及び車体側係合部材(９)を被取
付面(６b)に沿って車体幅方向に微調整して移動させる
ことにより、ドア(１)の外側面がフロントドア(７)の外
側面と平坦になるように矢示方向に位置調整する。

【００１９】その後、ドア(１)を開けて、ボルト(14)を
堅く締め付けて車体側係合部材(９)を被取付面(６b)に
固定することにより、車体側係合部材(９)は、正規の位
置に固定される。従って、ドア(１)が閉じたときに、車
体側係合部材(９)とドア側係合部材(８)が互いに係合す
ることによって、ドア(１)の外側面が平坦になるように
位置矯正されるとともに、ドア(１)のガタ付きが防止さ
れる。

【００２０】

【発明の効果】本発明によると、次のような効果を奏す
る。 (ａ)調整機構の調整をドアを閉じたまま行うことができ
るので、係合部材の調整をドアを閉じた状態で行うこと
ができ、係合部材の正確な調整位置を簡単に得ることが
できるとともに、調整作業の簡略化を図ることができ
る。 (ｂ)係合部材の位置調整を調整機構の調節用ボルトの回
転で行うことができるので、微調整を行うことができ
る。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の一実施例を備えた自動車の外観斜視図
である。

【図２】ドア閉止時におけるスライドドア前部の横断面
図である。

【図３】図２におけるＡ矢示図である。

【符号の説明】

(１)スライドドア (２)車体パネル (６)センターピラー (６a)被取付面 (８)ドア側係合部材 (９)車体側係合部材 (10)(14)ボルト(締結部材) (12)係合杆 (15)調整機構 (16)固定プレート(固定体) (17)調整用ボルト (18)移動プレート(移動体）

───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.⁶，ＤＢ名) B60J 5/06 B60J 5/00

Claims

(57)【特許請求の範囲】

【請求項１】ドア側の被取付面に締結部材により固定
された係合部材と、車体側の被取付面に締結部材により
固定された係合部材とが、ドア閉止時に互いに係合する
ことにより、ドア位置を矯正するようにした車両用ドア
の位置合わせ装置において、車体側またはドア側の一方
の被取付面に固定された固定体と、一方の被取付面に沿
って移動可能に支持され、一方の被取付面に固定された
係合部材に連結された移動体と、固定体に回転可能に軸
支されるとともにネジ部が移動体に螺合して、回転調整
されることにより移動体及び一方の係合部材を被取付面
に沿って移動させ得る調節用ネジ部材とを有する調整機
構を備えたことを特徴とする車両用ドアの位置合わせ装
置。