JP3542044B2 - 引戸錠の取付装置 - Google Patents
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Description
【産業上の利用分野】
この発明は、引戸錠の取付装置(以下単に取付装置という)に係り、特に、引戸錠の取付作業を容易にすることができる取付装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
一般の引戸錠は、図1に示すように、シリンダ錠を有する外締り錠部2と、引戸閉鎖時この外締り錠部2と見付け方向(障子の幅方向)において整合する内締り錠部3とからなる。
【0003】
そして、外締り錠部2又は内締り錠部3(図示のものは内締り錠部3)に内蔵された、通常カマと称される施錠部材4をストライク板5(図2参照)に開口したカマ投入孔6に振り入れ、引戸を錠止する。
【0004】
上記カマ4は外締り錠部2に設けられる場合もあるが、何れにしても、カマ4は外側からはシリンダ錠1の合鍵により、内側からは内締り錠部3の内側エスカチオン7に案内された施錠摘み(図示せず)により、それぞれ施解錠操作できるようになっている。
【0005】
しかして、上記外締り錠部2及び内締り錠部3は、図1に示すように、外側エスカチオン8及びストライク板5により、あるいはフロント板9及び内側エスカチオン7により、それぞれ障子の外側及び内側縦框11,12を挟持するようにして障子に装着される。
【0006】
例えば外締り錠部2は、止めねじ13により、雌ねじ杆14を介して外側エスカチオン8をストライク板5側に呼び付けるようにして、これら外側エスカチオン8及びストライク板5により外側縦框11を強く挟持し、これらの間に働く摩擦力を利用して外締り錠部2を外側縦框11に装着する。
【0007】
又、内締り錠部3は、その錠箱17にねじ込まれる止めねじ13により、錠箱外面であるフロント板9及び内側エスカチオン7により内側縦框12を強く挟持し、これらの間に働く摩擦力を利用して内締り錠部3を内側縦框12に装着する。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
しかして、上記した構造の従来の引戸錠は、外締り錠部2と内締り錠部3とに分割され、それぞれが引き違いとなる外側縦框11及び内側縦框12に装着されるので、これらが引戸閉鎖時設計値よりも上下方向、あるいは見付け方向にずれることがある。
【0009】
このずれ量が許容値よりも大きくなると、施錠時カマ4がカマ投入孔6の開口端縁に引っ掛かり、施錠ができなくなる、という不都合がある。
【0010】
この不都合を解消するため、実開昭56−67257号公報に記載された取付装置は、外締り錠部のフロント板に位置決め用のマークを標記し、一方、内締り錠部には、これを貫通するようにして、レンズ及び十字線入りの照準ガラスを有するコリメータ様の照準装置を内蔵し、引戸錠装着時、先ず外側縦框に装着された外締り錠部のマークが、上記照準装置の十字線の中央に来るように内締り錠部の位置決めをし、その状態で内締り錠部を縦框に固定する。
【0011】
しかしながら、上記した取付装置は、通常は唯一回の取付作業に用いる照準装置が立派過ぎて、あたかも牛刀を以て鶏を割くの感がある。
【0012】
又、実公昭54−34867号公報に記載された取付装置は、内締り錠部に設けられた上記照準装置を、単に内締り錠部を水平に貫通する照準孔としている。
【0013】
この場合、先に外側縦框に装着された外締り錠部のマークが、照準孔の中央に来るように内締り錠部の位置決めをするので、必要にして充分な位置決めができ、しかも構造が簡単であるが、照準孔が内側エスカチオンに開口するので、その儘では見栄えが悪い、という不都合がある。
【0014】
この発明は、構造が簡単で、しかも照準孔が内側エスカチオンに開口しない取付装置を提供することを目的としている。
【0015】
【課題を解決するための手段】
上記の目的を達成するため、請求項1に記載の発明は、外締り錠部の内面に位置決め用のマークを設けると共に、設計上このマークと整合する内締り錠部の錠箱及び錠箱外面の部分を貫通して、このマークよりやや大きな開口を有する照準孔を形成し、一方、この錠箱の上面及び下面の少なくとも一方に、それぞれ錠箱外面に平行な挟着片とこの挟着片より短いねじ支持片とを有し、このねじ支持片に雌ねじ孔を形成してなる仮止部材を、挟着片と錠箱外面の間に内側縦框の前方の開口端縁を挟み込む関係位置で固設し、内締り錠部の装着に先立って外締り錠部を外側縦框に装着し、一方、内締り錠部に開口した照準孔を室内側から覗き込み、その外側開口のほぼ中央に位置決め用のマークが来るように内締り錠部の位置を調整し、次いで、仮止部材のねじ支持片に室内側から仮止ねじを締め込み、挟着片とねじ支持片との間で突っ張る仮止ねじによる挟着片の変形を利用して、この挟着片と錠箱外面の間に内側縦框の前方の開口端縁を挟み込んで内締り錠部を仮止めし、然る後内側エスカチオンをねじ止めするようにしたことを特徴とする。
【0016】
又、請求項2に記載の発明は、外締り錠部の内面に位置決め用のマークを設けると共に、設計上このマークと整合する内締り錠部の錠箱及び錠箱外面の部分を貫通して、このマークよりやや大きな開口を有する照準孔を形成し、一方、内締り錠部の内側エスカチオンと内側縦框との間に、内側エスカチオンとほぼ同じ外形を有し、内側エスカチオンと干渉する部分及び照準孔を覆う部分を切り欠いた仮止板を設け、内締り錠部の装着に先立って外締り錠部を外側縦框に装着し、一方、内締り錠部に開口した照準孔を室内側から覗き込み、その外側開口のほぼ中央に位置決め用のマークが来るように内締り錠部の位置を調整し、次いで、この仮止板を内締り錠部の錠箱にねじ止めすることによって内締り錠部を仮止めし、然る後内側エスカチオンを仮止板にねじ止めするようにしたことを特徴とする。
【0017】
更に又、請求項3に記載の発明は、外締り錠部の内面に位置決め用のマークを設けると共に、設計上このマークと整合する内締り錠部の錠箱及び錠箱外面の部分を貫通して、このマークよりやや大きな開口を有する照準孔を形成し、一方、この錠箱の上面及び下面の少なくとも一方に、錠箱外面に平行で雌ねじ孔を形成したねじ支持片を設け、内締り錠部の装着に先立って外締り錠部を外側縦框に装着し、一方、内締り錠部に開口した照準孔を室内側から覗き込み、その外側開口のほぼ中央に位置決め用のマークが来るように内締り錠部の位置を調整し、次いで、このねじ支持片に室内側から仮止ねじを締め込み、この仮止ねじと錠箱外面の間に内側縦框の前方の開口端縁を挟み込んで内締り錠部を仮止めし、然る後内側エスカチオンをねじ止めするようにしたことを特徴とする。
【0018】
請求項4に記載の発明は、外締り錠部の内面に位置決め用のマークを設けると共に、設計上このマークと整合する内締り錠部の錠箱外面を貫通して、このマークよりやや大きな開口を有する照準孔を形成し、一方、この錠箱の上面及び下面の少なくとも一方に、これを錠箱の内側から斜めに貫通して外締り錠部方向に突出する仮止ねじを螺合させ、内締り錠部の装着に先立って外締り錠部を外側縦框に装着し、一方、内締り錠部に開口した照準孔を室内側から覗き込み、その外側開口のほぼ中央に位置決め用のマークが来るように内締り錠部の位置を調整し、次いで、内側エスカチオンを取り外した状態で、錠箱内側から仮止ねじを締め込み、この仮止ねじと内締り錠部の錠箱外面との間に内側縦框の前方の開口端縁を挟み込んで内締り錠部を仮止めし、然る後内側エスカチオンをねじ止めするようにしたことを特徴とする。
【0019】
【作用】
請求項1〜請求項3に記載の発明による取付装置は、何れも、内側エスカチオンを外した状態で、先に外側縦框に装着された外締り錠部に合せて内締り錠部の取付位置を調整する。
【0020】
そして、その取付位置の調整は、請求項1に記載の発明による取付装置(図3参照)も、又、請求項2に記載の発明による取付装置(図4参照)も、更に又、請求項3に記載の発明による取付装置(図5参照)も、内締り錠部の錠箱に開口した照準孔15を室内側から覗き込み、その外側開口のほぼ中央に外締り錠部の内面のマーク16が来るように内締り錠部の位置を調整する。
【0021】
外締り錠部に対し、相対位置を正規に調節した内締り錠部の仮止めは、請求項1に記載の発明による取付装置は、図3に示すように、内締り錠部の錠箱17の上面及び下面の少なくとも一方に装着された仮止部材18の仮止ねじ19を室内側から締め込むことによって行う。
【0022】
仮止ねじ19を締め込むと、仮止部材18の挟着片18aとねじ支持片18bとの間で仮止ねじが突っ張ることになり、挟着片18aの弾性変形、或いは塑性変形により、挟着片の先端が内締り錠部の錠箱外面であるフロント板9方向に移動する。
【0023】
その結果、挟着片の先端とフロント板とにより、内側縦框12の開口端縁が確りと挟持されることになり、この部分の摩擦力を利用して内締り錠部が内側縦框に仮止めされる。
【0024】
このようにして、先に外側縦框に装着された外締り錠部に対し、内締り錠部が設計上の基準位置に仮止めされた後、内側エスカチオンをねじ止めする。
【0025】
請求項2に記載された発明による取付装置において、外締り錠部に対し相対位置を正規に調節した内締り錠部の仮止めは、図4に示すように、仮止ねじ19により、仮止板21を内締り錠部にねじ止めする。
【0026】
この場合、仮止板21とフロント板9との間に内側縦框13が挟持されることになり、これらの間に作用する摩擦力により、内締り錠部が内側縦框12に仮止めされる。
【0027】
このようにして、先に外側縦框に装着された外締り錠部に対し、内締り錠部が設計上の基準位置に仮止めされた後、内側エスカチオンを仮止板21にねじ止めする。
【0028】
請求項3に記載の発明による取付装置において、外締り錠部に対し相対位置を正規に調節した内締り錠部の仮止めは、図5に示すように、仮止ねじ19を締め込み、その先端とフロント板9との間に内側縦框12の開口端縁を挟み込むことにより行う。
【0029】
このようにして、先に外側縦框に装着された外締り錠部に対し、内締り錠部が設計上の基準位置に仮止めされた後、内側エスカチオンをねじ止めする。
【0030】
請求項4に記載の発明による取付装置は、内側エスカチオン7(図6参照)を外した状態で、先に外側縦框11に装着された外締り錠部2に合せて内締り錠部3の取付位置を調整する。
【0031】
そして、その取付位置の調整は、内締り錠部3の錠箱17の外面に開口した照準孔15(図6参照)を室内側から覗き込み、その外側開口のほぼ中央に外締り錠部の内面のマーク16が来るように内締り錠部3の位置を調整する。
【0032】
外締り錠部2に対し、相対位置を正規に調節した内締り錠部3の仮止めは、仮止ねじ19を締め込み、その先端と内締り錠部3の外面(図6の実施例ではストライク板5)との間に内側縦框12の開口端縁を挟み込むことにより行う。
【0033】
このようにして、先に外側縦框に装着された外締り錠部に対し、内締り錠部が設計上の基準位置に仮止めされた後、内側エスカチオン7をねじ止め等により装着する。
【0034】
【実施例】
以下、図3及至図6を参照して本発明の実施例を参照する。
請求項1に記載の発明の一実施例を示す図3において、符号5は外締り錠部2の内面となるストライク板を示し、このストライク板5の表面上部には、外形が例えば円形の位置決め用のマーク16が設けられている(図2参照)。
【0035】
このマーク16は、図示の実施例では、ストライク板5の所定の箇所に丸い穴を開け、この穴に例えば赤いペイントを充填することにより構成されている。
【0036】
このマーク16は、必ずしも上記したような堅牢な構成でなくても良く、例えば、ストライク板の所定の箇所にペイントで丸く標記しておく、等の簡易なもので良い。
【0037】
ちなみに、このマーク16の直径は例えば数mm程度で充分である。
【0038】
このマーク16に対応して、内締り錠部3には照準孔15が形成されている。この照準孔15は、設計上このマーク16と整合する内締り錠部の錠箱及びフロント板の部分を貫通するように形成され、マーク16よりやや大きな開口を有している。
【0039】
尚、此で設計上このマーク16と整合する、という意味は、外締り錠部2と内締り錠部3とが基準関係位置に置かれた時、マーク16の中心を通り、ストライク板5及びフロント板9に垂直な線が、照準孔15の中心軸線とほぼ合致する、ということである。
【0040】
又、図3においては、図面を明瞭にするため、符号15の引出し線の先端が照準孔と錠箱17或いはフロント板9等の実体部との交差部を示すように記載されているが、照準孔15は上記交差部の内側の空間を意味する。
【0041】
更に又、照準孔15の開口の大きさをマーク16のそれよりも大きくした意味は、照準孔15を内側から覗き込んだ時、その開口がマーク16より小さければ、マーク16の一部のみが照準孔の開口に現われることになり、且つその状態は内締り錠部を少し移動させても変化しないので、内締り錠部の位置決めが精度良く行われないからである。
【0042】
一方、照準孔の開口がマーク16より大きければ、照準孔15を内側から覗き込んだ時、マーク16は照準孔の開口内に全部が現われる。そこで、マーク16を照準孔15の開口の中心に置くことにより、マーク16と照準孔15との整合を精度良く確認できる。
【0043】
又、図示の実施例では、照準孔15はその全長にわたって同径の所謂円筒形であるが、照準孔15は必ずしも円筒形である必要はなく、例えば内側(図3で右側)が小径の円錐台形であってもよい。この場合、上記照準孔15の開口は、フロント板9の開口とする。
【0044】
一方、内締り錠部2の錠箱17の上面及び下面には、仮止部材18が例えば溶接等により一体に結合されている。
【0045】
図示の実施例における仮止部材18は、断面形状が略コ字形に折曲された板状体で、相互に対向する一対の平行板部の一方を他方より長くして挟着片18aとし、他方をねじ支持片18bとしている。
【0046】
図示の実施例では、上記挟着片18aの自由端には、外側に向けて凸部が形成されている。
【0047】
又、ねじ支持片18bのほぼ中央には、図示しない雌ねじ孔が形成され、この雌ねじ孔には、内側から仮止ねじ19が螺合している。
【0048】
上記した構成の仮止部材18は、その挟着片18aとフロント板9との間に内側縦框12の開口端縁の厚さより若干大きな間隙を保つようにして、錠箱17の上面及び下面に一体に結合される。
【0049】
尚、仮止部材18の挟着片18a及びねじ支持片18bは、必ずしも一体に結合されるべき合理的な理由は無く、別体であってもよい。
【0050】
例えば、錠箱17の上面及び/又は下面の一部を垂直に切り起こし、これにタップを立ててねじ支持片とし、挟着片は断面L字形の板材をねじ止め或いは溶接によって、上記ねじ支持片に平行に固着する(図示せず)。
【0051】
上記マーク16を照準孔15の開口の中心に置くことにより内締り錠部2の基準位置を割出した後、仮止ねじ19を締め込んでゆくと、仮止ねじ19が挟着片18a及びねじ支持片18bの間で突っ張り、仮止ねじの先端に押されて挟着片18aが外側に変形し、その結果、挟着片の先端とフロント板との間に内側縦框12の開口端縁が強く挟持され、これらの間に生じる摩擦力により内締り錠部の仮止が行われることは前記したとおりである。
【0052】
内締り錠部2の仮止後、内側エスカチオン7をねじ止すれば、引戸錠の取付作業は完了する。
【0053】
次に、請求項2に記載の発明の一実施例を示す図4において、符号21は仮止板を示す。
【0054】
この仮止板21は、外形が内側エスカチオン7とほぼ同形であり、その中央部の内側エスカチオン7と干渉する部分及び照準孔15を覆う部分を、その周りに余裕をもって切り欠かれている。
【0055】
この仮止板21は、照準孔15とマーク16とにより内締り錠部2の基準位置を割出した後、仮止ねじ19、19により、例えば錠箱17にねじ止され、このようにして内締り錠部2の仮止が行われる。
【0056】
その後、内側エスカチオン7を仮止板21にねじ止することにより、引戸錠の取付作業は完了する。
【0057】
次に、請求項3に記載の発明の一実施例を示す図5において、符号18bはねじ支持片を示す。このねじ支持片18bは図示の実施例のように例えば溶接により、或いはねじ止により、錠箱に一体的に結合されている。
【0058】
このねじ支持片18bは、請求項1に記載の発明における仮止部材18(図3参照)から挟着片18aを取り除いたものと考えても良いし、又は、錠箱17の上面又は下面の一部を垂直に切り起こし、その切り起こし部にタップを立てたものとしても良い。
【0059】
このねじ支持片18bに仮止ねじ19を螺合させて用いる。尚、この仮止ねじ19を締め込んでいくドライバーと、内側縦框の内側の開口端縁との干渉を防止するため、当該開口端縁と仮止ねじ19の軸線とが交差する部分に、例えば半円形の切り欠き23を形成するのが望ましい。
【0060】
上記切り欠き23は、内側エスカチオン7で覆うことができる程度の大きさにすることが望ましい。
【0061】
又は、上記した切り欠き23を形成する代りに、内側縦框の内側の開口及び内側エスカチオン7を図5に示すよりも大きくすれば、仮止ねじ19を締め込むドライバーと内側縦框の開口端縁との干渉を防止することができる。
【0062】
請求項4に記載の発明による引戸錠を示す図6において、錠箱17の上面及び下面の少なくとも一方(図6に示すものは両方)の一部が斜めに切り起こされ、ねじ支持片18bが形成されている。
【0063】
尚、図6に示す実施例においては、カマ4が外締り錠部3側に設けられているから、図1〜図5に示す実施例とは異なり、内締り錠部3側にストライク板5が、外締り錠部2側にフロント板9が装着されている。
【0064】
上記ねじ支持片18bには雌ねじ孔(図示せず)が開口しており、この雌ねじ孔には、仮止ねじ19、19が夫々錠箱17の上面及び下面の夫々を内側から斜めに貫通し、その先端が外締り錠部2方向に突出するように螺合している。
【0065】
図6に示す実施例においては、ねじ支持片18bの自由端部(図6において右端部)が外側、即ち外締り錠部2側になるように切り起こしたので、仮止ねじ19の先端を外締り錠部2方向に突出させるため、ねじ支持片18bを錠箱17の内側に切り起こした。
【0066】
しかしながら、ねじ支持片18bの自由端部が室内側になる場合には、ねじ支持片18bを錠箱17の外側に切り起こすべきであることは言うまでもない。
【0067】
尚、仮止ねじ19を錠箱17に斜めに装着するには、必ずしも図6に示すようにねじ支持片を切り起こす必要はなく、例えば溶接その他の結合手段により、仮止ねじと螺合するナット様の部材(図示せず)を、錠箱の上面、下面を斜めに貫通するように結合してもよい。
【0068】
又、図6において全体を符号10で示すカマ4の操作機構については、本発明の要旨ではないので、その説明を省略する。
【0069】
尚、図3及至図6において、図1と同符号を付した部分は、図1と均等な部分を示す。
【0070】
【発明の効果】
以上の説明から明らかなように、本発明は、外締り錠部の内面のマークと、内締り錠部の照準孔を用いて内締り錠部の基準位置を割出すので、引戸錠の取付作業が容易になる、という所期の目的を達成している。
【0071】
又、上記内締り錠部の基準位置の割出しを内側エスカチオンを外した状態で行い、内締り錠部を仮止した後内側エスカチオンを装着するようにしたので、照準孔の内側の開口が内側エスカチオンで覆われ、室内側の見栄えが良くなる、という効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】従来の引戸錠の構成の一例を示す線図的一部断面側面図。
【図2】本発明の一実施例による取付装置を備えた引戸錠の外締り錠部のストライク板の正面図。
【図3】請求項1に記載の発明の一実施例による取付装置を備えた引戸錠の線図的一部断面側面図。
【図4】請求項2に記載の発明の一実施例による取付装置を備えた引戸錠の線図的一部断面側面図。
【図5】請求項3に記載の発明の一実施例による取付装置を備えた引戸錠の線図的一部断面側面図。
【図6】請求項4に記載の発明の一実施例による取付装置を備えた引戸錠の一部断面側面図。
【符号の説明】
2 外締り錠部
3 内締り錠部
4 カマ
5 ストライク板
7 内側エスカチオン
8 外側エスカチオン
9 フロント板
11 外側縦框
12 内側縦框
13 止めねじ
15 照準孔
16 マーク
17 錠箱
18 仮止部材
18a 挟着片
18b ねじ支持片
19 仮止ねじ
21 仮止板
23 切り欠き
Claims (4)
- 外締り錠部の内面に位置決め用のマークを設けると共に、設計上このマークと整合する内締り錠部の錠箱及び錠箱外面を貫通して、このマークよりやや大きな開口を有する照準孔を形成し、一方、この錠箱の上面及び下面の少なくとも一方に、それぞれ錠箱外面に平行な挟着片とこの挟着片より短いねじ支持片とを有し、このねじ支持片に雌ねじ孔を形成してなる仮止部材を、挟着片と錠箱外面の間に内側縦框の前方の開口端縁を挟み込む関係位置で固設し、内締り錠部の装着に先立って外締り錠部を外側縦框に装着し、一方、内締り錠部に開口した照準孔を室内側から覗き込み、その外側開口のほぼ中央に位置決め用のマークが来るように内締り錠部の位置を調整し、次いで、仮止部材のねじ支持片に室内側から仮止ねじを締め込み、挟着片とねじ支持片との間で突っ張る仮止ねじによる挟着片の変形を利用して、この挟着片と錠箱外面の間に内側縦框の前方の開口端縁を挟み込んで内締り錠部を仮止めし、然る後内側エスカチオンをねじ止めするようにしたことを特徴とする引戸錠の取付装置。
- 外締り錠部の内面に位置決め用のマークを設けると共に、設計上このマークと整合する内締り錠部の錠箱及び錠箱外面の部分を貫通して、このマークよりやや大きな開口を有する照準孔を形成し、一方、内締り錠部の内側エスカチオンと内側縦框との間に、内側エスカチオンとほぼ同じ外形を有し、内側エスカチオンと干渉する部分及び照準孔を覆う部分を切り欠いた仮止板を設け、内締り錠部の装着に先立って外締り錠部を外側縦框に装着し、一方、内締り錠部に開口した照準孔を室内側から覗き込み、その外側開口のほぼ中央に位置決め用のマークが来るように内締り錠部の位置を調整し、次いで、この仮止板を内締り錠部の錠箱にねじ止めすることによって内締り錠部を仮止めし、然る後内側エスカチオンを仮止板にねじ止めするようにしたことを特徴とする引戸錠の取付装置。
- 外締り錠部の内面に位置決め用のマークを設けると共に、設計上このマークと整合する内締り錠部の錠箱及び錠箱外面の部分を貫通して、このマークよりやや大きな開口を有する照準孔を形成し、一方、この錠箱の上面及び下面の少なくとも一方に、錠箱外面に平行で雌ねじ孔を形成したねじ支持片を設け、内締り錠部の装着に先立って外締り錠部を外側縦框に装着し、一方、内締り錠部に開口した照準孔を室内側から覗き込み、その外側開口のほぼ中央に位置決め用のマークが来るように内締り錠部の位置を調整し、次いで、このねじ支持片に室内側から仮止ねじを締め込み、この仮止ねじと錠箱外面の間に内側縦框の前方の開口端縁を挟み込んで内締り錠部を仮止めし、然る後内側エスカチオンをねじ止めするようにしたことを特徴とする引戸錠の取付装置。
- 外締り錠部の内面に位置決め用のマークを設けると共に、設計上このマークと整合する内締り錠部の錠箱外面を貫通して、このマークよりやや大きな開口を有する照準孔を形成し、一方、この錠箱の上面及び下面の少なくとも一方に、これを錠箱の内側から斜めに貫通して外締り錠部方向に突出する仮止ねじを螺合させ、内締り錠部の装着に先立って外締り錠部を外側縦框に装着し、一方、内締り錠部に開口した照準孔を室内側から覗き込み、その外側開口のほぼ中央に位置決め用のマークが来るように内締り錠部の位置を調整し、次いで、内側エスカチオンを取り外した状態で、錠箱内側から仮止ねじを締め込み、この仮止ねじと内締り錠部の錠箱外面との間に内側縦框の前方の開口端縁を挟み込んで内締り錠部を仮止めし、然る後内側エスカチオンをねじ止めするようにしたことを特徴とする引戸錠の取付装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP14226994A JP3542044B2 (ja) | 1994-02-23 | 1994-05-31 | 引戸錠の取付装置 |
Applications Claiming Priority (3)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP6-49691 | 1994-02-23 | ||
JP4969194 | 1994-02-23 | ||
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