JP2948604B2 - 半導体容量式加速度センサ - Google Patents

半導体容量式加速度センサ

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JP2948604B2 JP1230371A JP23037189A JP2948604B2 JP 2948604 B2 JP2948604 B2 JP 2948604B2 JP 1230371 A JP1230371 A JP 1230371A JP 23037189 A JP23037189 A JP 23037189A JP 2948604 B2 JP2948604 B2 JP 2948604B2
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Description

【発明の詳細な説明】 [産業上の利用分野] 本発明は半導体容量式の加速度センサに係り、特に、
低レベル(0〜±1G)低周波(0〜10Hz)の加速度を高
精度に検出するに好適な加速度センサとに関する。
[従来の技術] 0〜±1G(1G=9.8m/s2)の微弱で0〜10Hzの低周波
加速度を高精度に検出できる加速度センサとして、半導
体容量式加速度センサが知られている。従来の特願昭57
−115304号や特願昭62−309684号に係る半導体容量式加
速度センサを夫々第18図,第19図に示す。第18図の加速
度センサは、シリコン基板1を異方性エッチングして中
央に質量体である可動電極部2を作り、且つ、この可動
電極部2が2本のビーム3で弾性支持する構造としてい
る。第19図の加速度センサは、シリコン基板1を異方性
エッチングして中央に質量体である可動電極部2を作
り、且つ、この可動電極部2を1本のビーム3で弾性支
持する構造としている。
[発明が解決しようとする課題] 質量体である可動電極部2を1本あるいは2本のビー
ム3で弾性支持する方法は、本質的に動的安定性に欠
け、衝撃が加速度センサにかかったとき、ビームに捩じ
れ方向の力が加わり、破損する虞がある。また、加速度
が可動電極部2に加わり変位したとき、可動電極部2と
固定電極部とが平行ではなく斜めになるので、つまり、
斜めの空隙間の電気容量を検出することになるので、検
出値の安定性にも欠けるという問題がある。
この破損や安定性の他に、高感度化を達成するには、
ビーム3の長さを可能な限り長く、その厚さを可能な限
り薄くする必要がある。生産性を考慮すると、ビーム3
の厚さの下限は約10μmであり、現実的にはビーム3を
長くして加速度に対する可動電極部の変位を如何に大き
くするかが問題となる。しかも、低コストで加速度セン
サを製造するには、検出部を小さくしなければならず、
限られた寸法の中で重錘の機能を有する可動電極の形状
を小さくさせずに、ビーム長を如何に長くするかが重要
な課題となる。この課題を解決するのには、第18図,第
19図に示す従来技術のビーム3の構造は不向きな構造に
なっている。つまり、ビーム3を長くすると、可動電極
部2が小さくなり、可動電極部2を大きくとるとビーム
3を短くしなければならない。従って、いずれの場合
も、飛躍的な感度の向上を望むことはできない。
更に、加速度センサは、運搬時の落下や制御対象物へ
の取付け時に過大な衝撃がかかるため、これらの衝撃に
耐える構造にしなければ信頼性に欠けることになる。即
ち、過大な衝撃に対してビームが破壊される構造では、
使用に耐ええる加速度センサとはいえない。このため、
衝撃字にビームに過大な応力が発生しない構成にするこ
とも必要である。
従って、従来の半導体容量式加速度センサは、安定性
に欠け、また、感度もあまり高くないので、実際の制御
装置への適用はあまり進んでいない。
本発明の目的は、安定が良くしかも感度も高い半導体
容量式加速度センサを提供することにある。
本発明の更に別の目的は、可動電極部とそれを弾性支
持するビームの製造が容易な半導体容量式加速度センサ
を提供することにある。
〔課題を解決するための手段〕
上記目的は、周囲の固定体に複数本のビームで弾性支
持される半導体製の可動電極部と、該可動電極部に間隙
を介して対面する固定電極とを備え、前記複数本のビー
ムを前記可動電極部の周囲に対称に配置して該可動電極
部を弾性支持させる構成にし、前記可動電極部は前記固
定電極側から見て等角度毎に中央部に至る切れ込みが形
成され、前記複数本のビームの各々は各切れ込み部分に
配置され、各ビームの先端部が前記中央部に連設されて
なることで達成される。
上記目的はまた、周囲の固定体に複数本のビームで弾
性支持される半導体製の可動電極部と、該可動電極部に
間隙を介して対面する固定電極とを備え、前記複数本の
ビームを前記可動電極部の周囲に対称に配置して該可動
電極部を弾性支持させる構成にし、前記可動電極部は18
0度対向する側方位置に夫々側方に突出する突起部を有
し、前記固定体の対向する位置から延出する2本のビー
ムの各先端部が前記一方の突起部にて前記可動電極部に
連設され、前記固定体の対向する位置から延出する別の
2本のビームの各先端部が前記他方の突起部にて前記可
動電極部に連設されてなることで達成される。
上記目的はまた、周囲の固定体に複数本のビームで弾
性支持される半導体製の可動電極部と、該可動電極部に
間隙を介して対面する固定電極とを備え、前記複数本の
ビームを前記可動電極部の周囲に対称に配置して該可動
電極部を弾性支持させる構成にし、前記可動電極部は前
記固定電極側から見て矩形形状を成し、前記複数本のビ
ームの各々は矩形形状の各辺に沿って設けられ、各ビー
ムの先端部は対応する辺の手前の端から他端側に延出さ
れ該他端部にて前記可動電極部に連設されると共に、そ
の連設位置が前記可動電極部の重心位置から前記固定電
極の一方側に偏在した位置に連設されてなり、かつ、前
記可動電極部および該可動電極部より厚さが薄い前記各
ビームは半導体基板をエッチングして一体形成されたも
のであることで達成される。
[作用] 本発明では、可動電極部を対称に配置した長手のビー
ムで支持するので、可動電極部の変位が安定する。歪ゲ
ージ式半導体加速度センサでも、4本のビームで可動電
極部を支持するものがある(例えば特開昭63−169078
号)が、歪ゲージ式加速度センサは感度が本質的に容量
式のものに比べて低く、幾ら可動電極部の変位を安定な
らしめたとしてもそれだけで感度が良好になることはな
い。しかし、本発明の対象たる容量式の加速度センサで
は、感度電極部と固定電極との間の隙間による電気容量
変化を検出する構成のため、可動電極部の変位移動が安
定すれば、それだけ微小変位も検出できることになり、
感度が向上するといえる。
可動電極部を弾性支持するビームの長さを長くするこ
とで、微小加速度でも可動電極部の変位量が大きくな
り、検出が容易となる。つまり感度が高くなる。しか
も、可動電極部が固定電極に接触するまで変位(最大変
位:数μm程度)した場合でも、ビームの撓み量は少な
くなり、それだけ衝撃に対しても強いといえる。歪ゲー
ジ式半導体加速度センサでも、可動電極部を長いビーム
で支持するものがある(例えば特開昭61−93961号、特
開昭59−99356号)。ビームを長くすることで、耐衝撃
性が高まることは本発明と同じであるが、歪ゲージ式は
歪によるピエゾ効果(温度に敏感に変化する。)を利用
している関係上、ビームを長くすると温度の影響が大き
くなるという問題もある。従って、歪ゲージ式が容量式
に比べ本質的に感度が低いことを考えると、この従来技
術に対し本発明の感度は格段に高くなる。つまり、本発
明では、感度を高めると同時に耐衝撃性も良くなる。
半導体容量式加速度センサの可動電極部を弾性支持す
る複数のビームを、可動電極部の中央ではなくその重心
位置から偏在した位置にすることで、製造が容易とな
る。また、ビーム位置が可動電極部の重心位置から偏在
しているため、他軸の感度が大きくなり、ビーム長を長
くすると更に他軸感度が大きくなるが、この他軸感度を
低減する必要があれば、可動電極部を中空体としてその
重心位置をビーム側にもってくればよい。
[実施例] 以下、本発明の好適な実施例を第1図乃至第17図を参
照して説明する。
第1図は、本発明の第1実施例に係る半導体容量式加
速度センサの検出部のうちの可動電極部を形成した可動
電極シリコン基板の平面図である。本実施例では、異方
性エッチングにより、1辺5mmのシリコン基板1の中央
部に質量体である4辺形の可動電極部2を形成し、更
に、これを弾性支持する4本のビーム3を可動電極部2
の各辺2aに沿うように形成し、4本のビーム3が風車状
となる構成にしてある。このビーム3の長さは、可動電
極部2の一辺の長さの少なくとも50%としている。尚、
第1図に斜線で示したシリコン基板1の枠体は、後述す
る固定電極を形成した基板と接着する接着部とする。
第2図は、本発明の第2実施例に係る半導体容量式加
速度センサの可動電極シリコン基板の平面図である。本
実施例では、4辺形の可動電極部の各辺の中央部から中
心に向かう凹部4を設け、該凹部底部と枠体1とを結ぶ
ビーム3を形成し、4本のビーム3が全体としてみて放
射状(本実施例ではビーム3は4本なので、十字状とな
る。)となるようにしてある。本実施例でも、その形状
を工夫してビーム3の長さを可動電極部2の一辺の長さ
の50%以上にするのが好ましい。
第3図は、本発明の第3実施例に係る半導体容量式加
速度センサの可動電極シリコン基板の平面図である。本
実施例では、長方形の可動電極部の長辺の中央部に凸部
5を設け、短辺に対面する枠体からこの凸部5までに延
出する長辺に平行な計4本のビーム3で可動電極部2を
弾性支持する構成となっている。このビームの配置形状
を平行型という。本実施例でも、その形状を工夫してビ
ーム3の長さを可動電極部2の一辺の長さの50%以上に
するのが好ましい。
第1〜第3実施例では、図示するごとく、可動電極部
2の大きさをそれほど低減させることなく、ビーム3の
長さを長くする構成としている。尚、上記の各実施例で
は、4本のビーム3を、風車状,十字状、平行状に配置
したものであるが、本発明はこれらに限定されるもので
はなく、同様の考え方で、5本以上のビームで可動電極
2の弾性支持する構成に発想を展開し得るのは容易であ
る。例えば、5本のビームで五角形の可動電極部を風車
状に支持する場合は、可動電極部の各角部にビームを連
設し更に当該辺に沿って延在させ、ビームの他端を枠体
に連設する。5本のビームで五角形の可動電極部を放射
状に支持する場合は、各辺に凹部を設け、各凹部底面と
枠体とをビームで連設すればよい。
第4図は、別の例に係る半導体容量式加速度センサの
可動電極シリコン基板の平面図である。この例では、矩
形の可動電極部2を薄い4本のビーム3で支持する構成
としている。この様に、第1〜第3実施例に比べ、短い
ビーム3を使用しても、従来の歪ゲージ式に比べて高感
度に検出でき、従来の容量式に比べて、安定良く加速度
を検出することができる。歪ゲージ式より高感度に検出
できるのは、容量式の方が空隙間の電気容量変化を検出
するという原理的な理由である。また、従来の容量式よ
り安定性が良いのは、4本のビーム3で可動電極2を支
持する構造のため、加速度を受けたとき、可動電極2は
接着面に対して平行に変位するからである。変位系の剛
性はビーム長をlとするとlの3乗に反比例する。その
ため、この例では、単位加速度の変化に対する可動電極
部2の変位量は小さくなるので、電気容量変化も小さく
なり、その分だけ高感度化を達成することはできないの
はやむを得ない。しかし、従来の容量式センサでは、加
速度を受けたとき、可動電極部と固定電極とが斜めにな
るが、第4図に示す例の加速度センサでは、平行に変位
するので、検出値も安定する。また、衝撃が加わって、
変位が大きくなっても、可動電極部の全面が同時に固定
電極に接触するので、耐衝撃性も強く又ビームにも無理
な力が加わらないので、破損の虞もない。
第5図は、本発明の一実施例に係る半導体容量式加速
度センサの検出部の縦断面図である。可動電極部2をビ
ーム3で支持する構造を有するシリコン基板1の上面と
下面とに、夫々、ガラス基板6,7を陽極接合してある。
夫々のガラス基板6,7の可動電極対向面には、固定電極
8,9が設けてある。可動電極部2と固定電極8,9との間の
空隙10は数μmである。この実施例では、ビーム3の中
心軸上に可動電極2の重心がくるようにしてあるので、
Z方向のみの加速度成分Gに対してのみ可動電極2が変
位し、X及びY方向の加速度に対しては変位しない。つ
まり、他軸感度(X,Y方向の加速度成分に対する感度)
は極めて小さく、ほぼ零になる。
第6図は、本発明の別実施例に係る半導体容量式加速
度センサの縦断面図である。第5図で示した実施例は、
ガラス基板6,7を用い、電極8,9とシリコン基板1との電
気的絶縁を図ったが、本実施例では、シリコン基板1の
上,下面に夫々接合する基板として同材料で成るシリコ
ン基板11,12を用いている。そして、接合を約1100℃で
行うことで、シリコン基板1,11間、1,12間に厚さ数μm
の熱酸化膜13を形成し、この熱酸化膜13で電気的絶縁を
図っている。本実施例の場合、可動電極2と固定電極
(シリコン基板自体を固定電極として使用する。)11,1
2との間の隙間の距離は、熱酸化膜13の厚さにより決ま
る。
次に、可動電極の重心が、ビームの中心軸上にない実
施例についての検出部の構造を説明する。第5図,第6
図の様に、ビーム3をシリコン基板1の厚さ方向の中央
部に形成するのは、熱酸化膜の高段差フォトエッチング
作業が必要であり、この作業はやや複雑な作業である。
このため、第7図,第8図に示す様に、ビーム3をシリ
コン基板1の表面部近傍へ形成するのも有効な方法であ
る。
特に第7図では、各ビームが可動電極2の重心位置よ
り固定電極8の一方側に偏在した位置に連設してあるの
で、可動電極2と可動電極2より厚さの薄い各ビーム3
を異方性エッチングにより一体に形成するとき、ビーム
3が偏在して連設された側の可動電極面はエッチング量
が少なくなり、電極面積を減少させずに形成でき、固定
電極8との対向面積を大きく形成でき、加速度に対する
検出感度が向上する効果が得られる。この場合、可動電
極部2の重心がビーム3の中心軸上にないため、他軸感
度が大きくなって好ましくない結果をもたらす。そこ
で、第7図,第8図の実施例では、加速度センサ検出部
を、他軸感度低減対策を施して製造してある。
第7図の実施例では、例えば、KOH水溶液を使用する
異方性エッチングで可動電極部2を製造するとき、ビー
ム3を可動電極部2の厚さ方向の一方側に偏在させると
共に、可動電極部2の厚さ方向の他方側が中空14となる
よう異方性エッチングが進むようにしてある。これによ
り、他軸感度の低減を図っている。
第8図の実施例では、可動電極部2の厚さ方向に対
し、可動電極2の片側のビーム3を上部に連設させ、他
側のビーム3を下部に連設させている。斯かる構造は、
力学的に、ビーム3が可動電極部2の中心軸上にあるの
と等価であり、エッチング加工が比較的に容易である。
第9図(a),(b)は、検出部の等価回路である。
可動電極2と固定電極8,9との初期ギャップ10は、d
0(約数μmに作られる。)である。加速度センサの検
出部がZ軸方向の加速度Gを受けると、可動電極部2は
その慣性力により固定電極8,9に対し移動が遅れ、ωだ
け中心位置からずれを生じる。この場合、可動電極2と
上側の固定電極8との間の電気容量C1は減少し、これと
は逆に、可動電極2と下側の固定電極9との間の電気容
量C2は増加する。尚、可動電極2と固定電極8,9とは、
電極取出パッド16,17,18を開して信号処理回路19(第10
図)に接続され、信号処理回路19で処理された電極間の
電気容量に応じた信号つまり加速度に応じた信号が信号
V0として出力される。尚、これらのパッド16〜18は、第
1図乃至第8図には図示を省略してある。
電気容量つまり加速度Gを信号V0に変換する方法とし
て、2つの方法がある。第1の方法は、加速度Gによっ
て変位する可動電極と固定電極との間の容量変化を直接
的に信号V0に変化させる方法であり、これは、特別に説
明するまでもなく、ブリッジで計測すればよい。第2の
方法は、加速度の大きさによらず、可動電極と固定電極
との間の電気容量が変化しないように、つまり可動電極
が固定電極間で変位しないように、可動電極と固定電極
との間に静電気力を付加しておき、加速度の変化に応じ
てこの静電気力を変化させ、常に可動電極が変位しない
ように電子的にサーボする。そして、この電子的にサー
ボした静電気力を外部に取りだし、これを信号V0とす
る。第1の方法は改めて説明するまでもないので、第2
の方法について詳細を後述する。
第11図は、本発明実施例による半導体容量式加速度セ
ンサの感度測定グラフであり、使用した被試験用加速度
センサは、シリコン基板1が3×4.5mmのものである。
このグラフから分かる様に、0〜±1Gの加速度変化に対
して、容量変化の検出感度ΔC/Cとして0〜±200%と大
きな値が得られる。この値は、従来の歪ゲージ式加速度
センサの感度に比べ100倍の感度である。また、衝撃に
対する試験では、1000Gに対しても破損することがない
という結果が得られている。
第12図は、可動電極と固定電極との間に印加した直流
電圧とこれらの両電極間の容量変化の関係を示すグラフ
である。この実施例は、初期ギャップd0が3μmのもの
である。このグラフによれば、約1.5Vで電圧で容量Cが
急激に変化している。これは、微小な電圧による静電気
力で可動電極を容易に変化させえることを示しており、
前述の静電気力の電子的なサーボによって加速度Gを検
出できることを示している。
次に、パルス幅変調静電サーボ方法(前述した第2の
方法)による加速度Gの測定方法を、第13図を参照して
説明する。可動電極部2の電位(=シリコン基板1の電
位)を5Vに保持し、可動電極2と固定電極8,9との間
に、ハイレベル5V,ローレベル0Vの矩形並を印加する。
このとき、電極間2,9間に印加する矩形波は、電極2,8間
に印加する矩形波の反転波とする。尚、矩形波の周波数
は、本実施例では20kHzとする。第13図において、可動
電極2,固定電極8,9と接続された検波器25は、スイッチ
ト・キャパシタ方式によるΔC(=C1−C2)検波器であ
り、可動電極2と上,下の固定電極8,9との間の電気容
量の差ΔCを検出する。検出したΔC信号は、増幅器26
で増幅し、ΔC→0となるように、パルス幅変調器27
で、電極間へ印加する矩形波電圧のデューティ比を制御
する。インバータ28は、この矩形波を反転して、反転矩
形波を可動電極2,固定電極9間に印加する。
斯かるパルス幅変調静電サーボにより、ΔC→0にな
るように、即ち、可動電極2を加速度Gの大きさによら
ずに両固定電極8,9間中央に保持すると、保持するため
に必要な静電気力は、検出すべき加速度Gに比例するこ
とになる。この結果、矩形波電圧のデューティ比は検出
すべき加速度Gに比例することになり、この電圧波形を
ローパスフィルタ29で直流電圧に変換し、差動増幅器30
で零点とスパンを調節した後に、信号V0として出力す
る。第14図は、矩形電圧の観測結果である。正の加速度
に対してパルス幅は狭くなり、負の加速度(減速度)に
対しては広くなる。
このパルス幅変調静電サーボ方法を適用した半導体容
量式加速度センサの出力特性評価グラフを第15図と第16
図に示す。第15図は、本発明実施例に係る加速度センサ
の静特性を示すもので、0〜±1Gの加速度変化に対して
1〜4Vの大きな出力が得られることを示している。ま
た、出力信号V0の加速度Gに対する直線性は、全スケー
ルで±0.1%以内である。更に、第16図に示す周波数特
性によれば、0〜100Hzの範囲でゲインはほぼ一定であ
る。この特性グラフによれば、本発明の半導体容量式加
速度センサは、低レベル・低周波の加速度を高精度に検
出できることが分かる。
次に、上述した半導体容量式加速度センサを使用する
制御システムについて説明する。
例えば、自動車の制御装置に半導体容量式加速度セン
サを使用する場合、自動車は、その加速度のレベル,周
波数も低レベル,低周波のため、従来の歪ゲージ式では
有効でない。従って、従来の自動車制御には加速度セン
サは実際に使用されることはなかった。しかし、本発明
の半導体容量式加速度センサは、しかも、高感度高精度
なため、制御に使用することが可能である。
第17図は、自動車の車両制御システムの構成図であ
る。自動車のエンジン31の出力軸は、ミッション32とプ
ロペラシャフト33を介して後輪34,35を駆動する様にな
っている。また、前輪36,37は図示しない車体に軸支さ
れ、該車体が駆動輪34,35の回転によって移動したと
き、従動するようになっている。エンジン31の図示しな
い点火装置の点火時期、燃料噴射ポンプによる供給燃料
量等は、エンジンコントロールユニット50により制御さ
れ、エンジンコントロールユニット50は、これらの制御
量を、各種センサの検出した、アクセル踏み込み量、エ
ンジン冷却水温度、排気ガス中の酵素濃度、バッテリ電
圧値等から所定の演算式に基づいて決定する。
本発明実施例に係る車両制御システムは、上述した各
種センサの他に、車体の上下方向,前後方向及び横方向
の加速度を夫々検出する半導体容量式加速度センサであ
って、上述した加速度センサ51a,51b,51cが車体の所定
位置に固定されている。そして、各車輪34,35,36,37に
は車輪回転速度を検出する車輪速度センサ38,39,40,41
が設けられ、これらの車輪速度センサ38〜41と前記の加
速度センサ51a,51b,51cの検出信号は、車体制御装置52
に入力され、該車体制御装置52は、入力信号に基づき、
各車輪のブレーキアクチュエータ53に制御信号を送出し
て各車輪毎にそのブレーキ力を制御し、各車輪のショッ
クアブソーバアクチュエータ54に制御信号を送出して各
ショックアブソーバの減衰力を制御する構成になってい
る。また車体制御装置52は、スリップ状態を示す信号を
エンジンコントロールユニット50にも送出し、エンジン
出力も加速状態に応じて制御するようになっている。
尚、第17図に示す自動車は、FR方式であるが、本発明
は,FF方式でも四輪駆動方式でも適用できるのはいうま
でもない。
例えば低μ路を走行中に急制動をかけた場合、車輪が
ロックされやすい。車輪がロックされると、横からの力
に対し不安定になって横滑りしやすくなり、ステアリン
グ操作が不可能な状態になる。従って、車輪がロックさ
れそうになったときは、ブレーキアクチュエータを制御
してブレーキ力を弱め、車輪が回転するように制御する
必要がある。また、これとは別に、低μ路を走行する場
合や急発進する場合、駆動トルクが大きいので、車輪が
路面に対してスリップし、無駄なトルクを使用すること
になる。斯かる場合には、エンジン出力を低下させ、車
輪のスリップ率が低下する方向に制御を進める必要があ
る。
上述した各場合において、つまり、急制動をかけた場
合や駆動トルクが大きい場合は、車体に加速度が加わ
る。この加速度の方向及び大きさを半導体容量式加速度
センサ51a,51b,51cで検出して、これと、各車輪速度セ
ンサ38〜41までの検出信号及びエンジンの運転状態とか
ら車両の状態が急制動状態にあるのか、急発進状態にあ
るのか、低μ路の走行状態にあるのか等を判定し、それ
に応じて各車輪のブレーキ力を制御し、ショックアブソ
ーバの減衰力を制御し、エンジンに供給する燃料量等を
制御し駆動トルクを制御する。
本発明に係る半導体容量式加速度センサをカメラに搭
載することで、次の様な制御も可能となる。例えば、カ
メラで被写体を撮る場合、先ず、カメラの絞り,焦点距
離,シャッタースピード等をセットしてから、あるいは
自動的にこれらがセットされてから、レリーズするので
あるが、このレリーズ時にカメラが動き、ピンボケにな
ってしまうことがある。そこで、本発明では、前述した
半導体容量式加速度センサをカメラに内蔵し、該加速度
センサが加速度を検出したとき、つまり、レリーズ時に
カメラが動きこれが加速度としてセンサに検出されたと
き、カメラ内蔵のCPUがシャッタースピードをセット値
より早めることで、手振れによるピンボケが回避され
る。また、この時、シャッタースピードの早めた分だけ
絞り明けることで、画像がくらくなるのを回避できる。
[発明の効果] 本発明によれば、限られた半導体基板サイズでより高
安定化,高感度化,耐衝撃性を図ることができ、且つ小
型,低コストなセンサを得ることができる。
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明の一実施例に係る半導体容量式加速度セ
ンサの可動電極シリコン基板の平面図、第2図は本発明
の第2実施例に係る可動電極シリコン基板の平面図、第
3図は本発明の第3実施例に係る可動電極シリコン基板
の平面図、第4図は本発明の参考例に係る可動電極シリ
コン基板の平面図、第5図,第6図,第7図,第8図は
夫々別の実施例に係る半導体容量センサの検出部の縦断
面図、第9図(a),(b)は検出部の等価回路図、第
10図は検出部と信号処理回路との接続関係を示す図、第
11図は本発明実施例に係る加速度と容量変化との関係を
示すグラフ、第12図は本発明実施例に係る電極間直流励
起電圧と容量との関係を示すグラフ、第13図はパルス幅
変調サーボ式信号処理回路の詳細ブロック構成図、第14
図は検出部に印加した矩形波の波形観測図、第15図は本
発明実施例に係る半導体容量式加速度センサの加速度と
出力電圧との関係を示すグラフ、第16図は本発明実施例
に係る半導体容量式加速度センサの周波数特性グラフ、
第17図は制御装置の一例である自動車制御装置のシステ
ム構成図、第18図,第19図は従来の半導体容量式加速度
センサの可動電極基板の平面図である。 1……可動電極シリコン基板、2……可動電極部、3…
…ビーム、4……凹部、5……凸部、6,7……ガラス基
板、8,9……固定電極、10……空隙(ギャップ)、11,12
……シリコン基板、13……熱酸化膜、14……中空部、19
……信号処理回路、34〜37……車輪、38〜41……車輪速
度センサ、50……エンジンコントロールユニット、51a,
51b,51c……半導体容量式加速度センサ、52……車体制
御装置、53……ブレーキ制御用アクチュエータ、54……
ショックアブソーバ制御用アクチュエータ。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 三木 政之 茨城県日立市久慈町4026番地 株式会社 日立製作所日立研究所内 (72)発明者 松本 昌大 茨城県日立市久慈町4026番地 株式会社 日立製作所日立研究所内 (72)発明者 横田 吉弘 茨城県勝田市大字高場2520番地 株式会 社日立製作所佐和工場内 (72)発明者 佐藤 一雄 東京都国分寺市東恋ケ窪1丁目280番地 株式会社日立製作所中央研究所内 (72)発明者 佐藤 雅之 茨城県勝田市大字高場2520番地 株式会 社日立製作所佐和工場内 (56)参考文献 特開 昭59−99356(JP,A) 特開 平1−152369(JP,A) 米国特許4694687(US,A)

Claims (4)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】周囲の固定体に複数本のビームで弾性支持
    される半導体製の可動電極部と、該可動電極部に間隙を
    介して対面する固定電極とを備え、前記複数本のビーム
    を前記可動電極部の周囲に対称に配置して該可動電極部
    を弾性支持させる構成にし、前記可動電極部は前記固定
    電極側から見て等角度毎に中央部に至る切れ込みが形成
    され、前記複数本のビームの各々は各切れ込み部分に配
    置され、各ビームの先端部が前記中央部に連設されてな
    ることを特徴とする半導体容量式加速度センサ。
  2. 【請求項2】周囲の固定体に複数本のビームで弾性支持
    される半導体製の可動電極部と、該可動電極部に間隙を
    介して対面する固定電極とを備え、前記複数本のビーム
    を前記可動電極部の周囲に対称に配置して該可動電極部
    を弾性支持させる構成にし、前記可動電極部は180度対
    向する側方位置に夫々側方に突出する突起部を有し、前
    記固定体の対向する位置から延出する2本のビームの各
    先端部が前記一方の突起部にて前記可動電極部に連設さ
    れ、前記固定体の対向する位置から延出する別の2本の
    ビームの各先端部が前記他方の突起部にて前記可動電極
    部に連設されてなることを特徴とする半導体容量式加速
    度センサ。
  3. 【請求項3】周囲の固定体に複数本のビームで弾性支持
    される半導体製の可動電極部と、該可動電極部に間隙を
    介して対面する固定電極とを備え、前記複数本のビーム
    を前記可動電極部の周囲に対称に配置して該可動電極部
    を弾性支持させる構成にし、前記可動電極部は前記固定
    電極側から見て矩形形状を成し、前記複数本のビームの
    各々は矩形形状の各辺に沿って設けられ、各ビームの先
    端部は対応する辺の手前の端から他端側に延出され該他
    端部にて前記可動電極部に連設されると共に、その連設
    位置が前記可動電極部の重心位置から偏在しており、こ
    の偏在した側に前記固定電極が設けられ、かつ、前記可
    動電極部および該可動電極部より厚さが薄い前記各ビー
    ムは半導体基板を異方性エッチングして一体形成された
    ものであることを特徴とする半導体容量式加速度セン
    サ。
  4. 【請求項4】請求項3において、前記可動電極部を中空
    体としたことを特徴とする半導体容量式加速度センサ。
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