JP3430572B2 - 慣性力センサ - Google Patents
慣性力センサInfo
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Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、車両等に搭載するのに
適する慣性力センサに関する。
適する慣性力センサに関する。
【0002】
【従来の技術】近年では、安全性向上の見地から、事故
を未然に防ぎドライバを守るというアクティブコントロ
ールテクノロジーが開発されている。また、ドライバの
運転感覚と車両の運動性能とを高い次元で適合させるべ
く、快適さの追及も行われている。これに伴い、アクテ
ィブサスペンションシステム、4輪操舵システム(4W
S)、綜合スリップ防止機構(ABS:アンチロックブ
レーキシステム、TRC:トラクションコントロールシ
ステム、4WD:4輪駆動システム)、エアバッグシス
テム、ナビゲーションシステム等の実用化が進んでい
る。このように、安全性や快適性の向上のため、各種の
システムが開発されており、また、この種のシステムに
おいては、車両運行制御用センサとして、角速度等を検
出可能なセンサが必要である。
を未然に防ぎドライバを守るというアクティブコントロ
ールテクノロジーが開発されている。また、ドライバの
運転感覚と車両の運動性能とを高い次元で適合させるべ
く、快適さの追及も行われている。これに伴い、アクテ
ィブサスペンションシステム、4輪操舵システム(4W
S)、綜合スリップ防止機構(ABS:アンチロックブ
レーキシステム、TRC:トラクションコントロールシ
ステム、4WD:4輪駆動システム)、エアバッグシス
テム、ナビゲーションシステム等の実用化が進んでい
る。このように、安全性や快適性の向上のため、各種の
システムが開発されており、また、この種のシステムに
おいては、車両運行制御用センサとして、角速度等を検
出可能なセンサが必要である。
【0003】例えばABSやサスペンション制御等の走
行制御においては、従来から加速度センサや角速度セン
サが用いられている。加速度センサとしては、例えば圧
電式、半導体式等のセンサが開発、商品化されている。
一方で、角速度センサとしては、いまだ低コストの角速
度センサは得られておらず、現在開発が活発に進められ
ている。
行制御においては、従来から加速度センサや角速度セン
サが用いられている。加速度センサとしては、例えば圧
電式、半導体式等のセンサが開発、商品化されている。
一方で、角速度センサとしては、いまだ低コストの角速
度センサは得られておらず、現在開発が活発に進められ
ている。
【0004】後者、すなわち角速度センサとして有意な
ものとしては、例えば図5で示されるような振動型角速
度センサがある。この図に示される構造においては、重
り部Bが梁Aによって支持されている。角速度の検出を
行う際には、重り部Bに図においてXで示される方向に
振動が加えられる。この状態で、図においてYで示され
る方向、すなわちX軸と直交し、梁Aと同一平面上にあ
る軸回りの角速度Ωが加わると、これに伴いX軸及びY
軸に直交するZ軸方向に、重り部Bの加振周波数と同一
周波数の振動が発生する。この振動は、コリオリ力によ
って生じるものであり、その振幅は加わる角速度に比例
している。従って、重り部BのZ軸方向振幅を測定する
ことにより、Y軸回りの角速度Ωを計測することができ
る。
ものとしては、例えば図5で示されるような振動型角速
度センサがある。この図に示される構造においては、重
り部Bが梁Aによって支持されている。角速度の検出を
行う際には、重り部Bに図においてXで示される方向に
振動が加えられる。この状態で、図においてYで示され
る方向、すなわちX軸と直交し、梁Aと同一平面上にあ
る軸回りの角速度Ωが加わると、これに伴いX軸及びY
軸に直交するZ軸方向に、重り部Bの加振周波数と同一
周波数の振動が発生する。この振動は、コリオリ力によ
って生じるものであり、その振幅は加わる角速度に比例
している。従って、重り部BのZ軸方向振幅を測定する
ことにより、Y軸回りの角速度Ωを計測することができ
る。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、このよ
うな構造を有する角速度センサにおいて、その感度を向
上させるためには、梁Aによって構成される弾性ばねの
Z軸方向の剛性を小さくする必要がある。このようにす
れば、Z軸方向の振動振幅を大きくすることができ、振
動振幅の測定による角速度計測の感度が向上する。しか
し、このような構造を有する角速度センサを例えば自動
車において利用する場合には、当該センサに角速度ばか
りでなく加速度も加わる。Z軸方向の加速度が加わる
と、重り部Bは、この加速度によっても変位する。この
変位はZ軸方向の加速度に比例するとともに、Z軸方向
の梁状弾性ばねの剛性に反比例するため、角速度センサ
の感度を高くすべく、梁状弾性ばねのZ軸方向剛性を小
さくすると、Z軸方向加速度の影響によって角速度の測
定精度が低下するという現象が発生する。
うな構造を有する角速度センサにおいて、その感度を向
上させるためには、梁Aによって構成される弾性ばねの
Z軸方向の剛性を小さくする必要がある。このようにす
れば、Z軸方向の振動振幅を大きくすることができ、振
動振幅の測定による角速度計測の感度が向上する。しか
し、このような構造を有する角速度センサを例えば自動
車において利用する場合には、当該センサに角速度ばか
りでなく加速度も加わる。Z軸方向の加速度が加わる
と、重り部Bは、この加速度によっても変位する。この
変位はZ軸方向の加速度に比例するとともに、Z軸方向
の梁状弾性ばねの剛性に反比例するため、角速度センサ
の感度を高くすべく、梁状弾性ばねのZ軸方向剛性を小
さくすると、Z軸方向加速度の影響によって角速度の測
定精度が低下するという現象が発生する。
【0006】本発明は、このような問題点を解決するこ
とを課題としてなされたものであり、梁Aによって構成
される弾性ばねのZ軸方向の剛性を小さくすることな
く、加わる角速度及び加速度をともに精度よく計測する
ことを可能にすることを目的とする。また、本発明は、
加速度と角速度を同時に検出可能なセンサを実現するこ
とにより、車両制御への要求精度が高まるにつれて必要
となるセンサの個数の増大を抑制し、これにより制御シ
ステムの高価格化や部品点数の増加に伴う信頼性の低下
を防止することを目的とする。
とを課題としてなされたものであり、梁Aによって構成
される弾性ばねのZ軸方向の剛性を小さくすることな
く、加わる角速度及び加速度をともに精度よく計測する
ことを可能にすることを目的とする。また、本発明は、
加速度と角速度を同時に検出可能なセンサを実現するこ
とにより、車両制御への要求精度が高まるにつれて必要
となるセンサの個数の増大を抑制し、これにより制御シ
ステムの高価格化や部品点数の増加に伴う信頼性の低下
を防止することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】このような目的を達成す
るために、本発明の第1の構成に係る慣性力センサは、
X軸方向及びこれに直交するZ軸方向に振動可能に、か
つX軸及びZ軸に直交するY軸回りに回転可能に支持さ
れた重り部と、静電力によって重り部をX軸方向に振動
させる手段と、重り部のZ軸方向変位を計測する手段
と、サーボ信号に応じ重り部にZ軸方向の力を加える手
段と、重り部のZ軸方向変位が0となるよう上記計測結
果に応じてサーボ信号を発生させる手段と、サーボ信号
から高周波成分と低周波成分を弁別して出力する手段と
を備え、重り部に加わったZ軸方向加速度の変化を上記
低周波成分として、重り部に加わったY軸回りの角速度
を上記高周波成分として、それぞれ検出することを特徴
とする。
るために、本発明の第1の構成に係る慣性力センサは、
X軸方向及びこれに直交するZ軸方向に振動可能に、か
つX軸及びZ軸に直交するY軸回りに回転可能に支持さ
れた重り部と、静電力によって重り部をX軸方向に振動
させる手段と、重り部のZ軸方向変位を計測する手段
と、サーボ信号に応じ重り部にZ軸方向の力を加える手
段と、重り部のZ軸方向変位が0となるよう上記計測結
果に応じてサーボ信号を発生させる手段と、サーボ信号
から高周波成分と低周波成分を弁別して出力する手段と
を備え、重り部に加わったZ軸方向加速度の変化を上記
低周波成分として、重り部に加わったY軸回りの角速度
を上記高周波成分として、それぞれ検出することを特徴
とする。
【0008】また、本発明の第2の構成に係る慣性力セ
ンサは、X軸方向及びこれに直交するZ軸方向に振動可
能に、かつX軸及びZ軸に直交するY軸回りに回転可能
に、支持された重り部と、静電力によって重り部をX軸
方向に振動させる手段と、重り部のZ軸方向変位を計測
する手段と、サーボ信号に応じ重り部にZ軸方向の力を
加える手段と、計測されたZ軸方向変位のうちZ軸方向
加速度の変化に起因した低周波成分が0となるよう上記
計測結果に応じてサーボ信号を発生させる手段と、を備
え、重り部に加わったZ軸方向加速度の変化をサーボ信
号として、重り部に加わったY軸回りの角速度を上記計
測されたZ軸方向変位として、それぞれ検出することを
特徴とする。
ンサは、X軸方向及びこれに直交するZ軸方向に振動可
能に、かつX軸及びZ軸に直交するY軸回りに回転可能
に、支持された重り部と、静電力によって重り部をX軸
方向に振動させる手段と、重り部のZ軸方向変位を計測
する手段と、サーボ信号に応じ重り部にZ軸方向の力を
加える手段と、計測されたZ軸方向変位のうちZ軸方向
加速度の変化に起因した低周波成分が0となるよう上記
計測結果に応じてサーボ信号を発生させる手段と、を備
え、重り部に加わったZ軸方向加速度の変化をサーボ信
号として、重り部に加わったY軸回りの角速度を上記計
測されたZ軸方向変位として、それぞれ検出することを
特徴とする。
【0009】なお、重り部のZ軸方向変位の計測は重り
部との間の静電容量の変化の計測により、実行するのが
好ましい。また、重り部の端にリブ状の突起を設ける一
方、これに対して指交差状に配置されたリブ状の突起を
有する駆動電極を用いて、重り部をX軸方向に振動させ
ることができる。
部との間の静電容量の変化の計測により、実行するのが
好ましい。また、重り部の端にリブ状の突起を設ける一
方、これに対して指交差状に配置されたリブ状の突起を
有する駆動電極を用いて、重り部をX軸方向に振動させ
ることができる。
【0010】
【作用】本発明の第1の構成に係る慣性力センサにおい
ては、まず、重り部がX軸方向に加振される。この状態
で、重り部にY軸回りの角速度が加わると、コリオリ力
によって重り力がZ軸方向に振動する。また、重り部に
Z軸方向の加速度が加わった場合にも、重り部はZ軸方
向に変位する。本構成においては、重り部のZ軸方向変
位が計測され、この計測結果に応じ、重り部のZ軸方向
変位が0となるようサーボ信号が生成され重り部にZ軸
方向の力が加えられる。従って、重り部にY軸回りの角
速度及びZ軸方向の加速度がともに加わっている状態で
は、サーボ信号にはZ軸方向の加速度の変化を示す低周
波成分と、Y軸回りの角速度を示す高周波成分とが示さ
れる。この事実に基づき、サーボ信号から低周波成分と
高周波成分とを弁別して出力するようにすれば、前者か
らはZ軸方向加速度の変化を、後者からはY軸回りの角
速度を、それぞれ検出することが可能となる。なお、自
動車における加速度による周波数成分はたかだか100
Hzであるため、上述の弁別は好適に実現できる。
ては、まず、重り部がX軸方向に加振される。この状態
で、重り部にY軸回りの角速度が加わると、コリオリ力
によって重り力がZ軸方向に振動する。また、重り部に
Z軸方向の加速度が加わった場合にも、重り部はZ軸方
向に変位する。本構成においては、重り部のZ軸方向変
位が計測され、この計測結果に応じ、重り部のZ軸方向
変位が0となるようサーボ信号が生成され重り部にZ軸
方向の力が加えられる。従って、重り部にY軸回りの角
速度及びZ軸方向の加速度がともに加わっている状態で
は、サーボ信号にはZ軸方向の加速度の変化を示す低周
波成分と、Y軸回りの角速度を示す高周波成分とが示さ
れる。この事実に基づき、サーボ信号から低周波成分と
高周波成分とを弁別して出力するようにすれば、前者か
らはZ軸方向加速度の変化を、後者からはY軸回りの角
速度を、それぞれ検出することが可能となる。なお、自
動車における加速度による周波数成分はたかだか100
Hzであるため、上述の弁別は好適に実現できる。
【0011】また、本発明の第2の構成に係る慣性力セ
ンサにおいては、サーボ信号が、計測されたZ軸方向変
位のうち、Z軸方向の加速度の変化に起因した低周波成
分が0となるよう生成される。従って、この構成におい
ては、重り部に加わったZ軸方向加速度の変化をサーボ
信号として検出することができ、また、重り部に加わっ
たY軸方向の角速度をZ軸方向変位の計測結果として検
出することができる。従って、このようにしても、第1
の構成と同様、加速度及び角速度をともに精度よく検出
することが可能となる。
ンサにおいては、サーボ信号が、計測されたZ軸方向変
位のうち、Z軸方向の加速度の変化に起因した低周波成
分が0となるよう生成される。従って、この構成におい
ては、重り部に加わったZ軸方向加速度の変化をサーボ
信号として検出することができ、また、重り部に加わっ
たY軸方向の角速度をZ軸方向変位の計測結果として検
出することができる。従って、このようにしても、第1
の構成と同様、加速度及び角速度をともに精度よく検出
することが可能となる。
【0012】なお、X軸方向の加振を静電力により、Z
軸方向変位の検出を静電容量の変化によりそれぞれ行う
ようにすれば、センサの構成を比較的簡素に実現するこ
とができる。
軸方向変位の検出を静電容量の変化によりそれぞれ行う
ようにすれば、センサの構成を比較的簡素に実現するこ
とができる。
【0013】
【発明の効果】従って、本発明に係る慣性力センサによ
れば、重り部のZ軸方向変位の計測結果に応じてサーボ
制御しつつ重り部にZ軸方向の力を加えるようにしたた
め、サーボ信号等からZ軸方向加速度及びY軸回りの角
速度を検出することが可能となる。すなわち、梁状弾性
ばねのZ軸方向の剛性を小さくすることなく、Y軸回り
の角速度を高精度で検出可能となるとともに、これと併
せ、Z軸方向の加速度を精度よく検出することが可能と
なる。これは、自動車等に搭載すべきセンサの個数の低
減につながり、制御システムの高価格化や部品点数増加
に伴う信頼性の低下の防止につながる。
れば、重り部のZ軸方向変位の計測結果に応じてサーボ
制御しつつ重り部にZ軸方向の力を加えるようにしたた
め、サーボ信号等からZ軸方向加速度及びY軸回りの角
速度を検出することが可能となる。すなわち、梁状弾性
ばねのZ軸方向の剛性を小さくすることなく、Y軸回り
の角速度を高精度で検出可能となるとともに、これと併
せ、Z軸方向の加速度を精度よく検出することが可能と
なる。これは、自動車等に搭載すべきセンサの個数の低
減につながり、制御システムの高価格化や部品点数増加
に伴う信頼性の低下の防止につながる。
【0014】
【実施例】以下、本発明の好適な実施例について図面に
基づき説明する。
基づき説明する。
【0015】図1〜図3には、本発明の一実施例に係る
慣性力センサの構成が示されている。特に、図1はこの
実施例における重り部周辺の構造を示す端面図であり、
図2は断面図である。また、図3はこの実施例における
サーボ系の回路構成を示すブロック図である。
慣性力センサの構成が示されている。特に、図1はこの
実施例における重り部周辺の構造を示す端面図であり、
図2は断面図である。また、図3はこの実施例における
サーボ系の回路構成を示すブロック図である。
【0016】まず、図1及び図2に示されるように、本
実施例は、梁部10によって支持された重り部12を有
している。梁部10の寸法は、例えば厚さT1 =1μ
m、幅W1 =5μm、長さL1 =100μmであり、重
り部12の寸法は、例えば厚さT2 =3μm、幅W2 =
200μm、長さL2 =300μmである。重り部12
は、その左右の端面において2個の駆動電極14と対向
している。重り部12の当該端面にはリブ状の突起が設
けられており、駆動電極14側にも同様にリブ状の突起
が設けられている。これらの電極は、指交差状に配置さ
れており、これにより重り部12の左右両側に櫛状電極
16が構成される。
実施例は、梁部10によって支持された重り部12を有
している。梁部10の寸法は、例えば厚さT1 =1μ
m、幅W1 =5μm、長さL1 =100μmであり、重
り部12の寸法は、例えば厚さT2 =3μm、幅W2 =
200μm、長さL2 =300μmである。重り部12
は、その左右の端面において2個の駆動電極14と対向
している。重り部12の当該端面にはリブ状の突起が設
けられており、駆動電極14側にも同様にリブ状の突起
が設けられている。これらの電極は、指交差状に配置さ
れており、これにより重り部12の左右両側に櫛状電極
16が構成される。
【0017】このような重り部12及び駆動電極14に
よって形成される構造は、絶縁層18を介して下部基板
20上に配置されており、また、絶縁層22を介して上
部基板24によってサンドウィッチされている。その
際、重り部12は、下部基板20と上部基板24との間
に形成される空間内を、図1に示されるZ軸方向に変位
し得るよう、これら下部基板20及び上部基板24との
間に間隙gをもって配置されている。この間隙gは、例
えば1μm程度の間隙である。
よって形成される構造は、絶縁層18を介して下部基板
20上に配置されており、また、絶縁層22を介して上
部基板24によってサンドウィッチされている。その
際、重り部12は、下部基板20と上部基板24との間
に形成される空間内を、図1に示されるZ軸方向に変位
し得るよう、これら下部基板20及び上部基板24との
間に間隙gをもって配置されている。この間隙gは、例
えば1μm程度の間隙である。
【0018】更に、下部基板20上には下部電極21
が、上部基板24上には上部電極25が、いずれも重り
部12と対向するよう配置形成されている。重り部12
は、金属等の導電性材料から形成されており、また、下
部電極21及び上部電極25と重り部12との間に絶縁
層18又は22が配置されているため、重り部12と下
部電極21及び上部電極25の間には、それぞれコンデ
ンサが形成される。
が、上部基板24上には上部電極25が、いずれも重り
部12と対向するよう配置形成されている。重り部12
は、金属等の導電性材料から形成されており、また、下
部電極21及び上部電極25と重り部12との間に絶縁
層18又は22が配置されているため、重り部12と下
部電極21及び上部電極25の間には、それぞれコンデ
ンサが形成される。
【0019】更に、前述した櫛状電極16は、重り部1
2をX軸方向に加振する手段を構成している。駆動電極
14は重り部12と同様、導電性材料から形成されてお
り、従って、図1に示されるように電源26から供給さ
れる直流電圧を加振用スイッチ28によって切り替えつ
つ、駆動電極14に加えると、加振用スイッチ28の切
り替え周波数と同一の周波数で、重り部12がX軸方向
に加振されることとなる。この加振周波数は、重り部1
2のZ軸方向の固有振動数と同一の周波数とする。これ
により、後述する動作における角速度検出の感度が飛躍
的に向上する。
2をX軸方向に加振する手段を構成している。駆動電極
14は重り部12と同様、導電性材料から形成されてお
り、従って、図1に示されるように電源26から供給さ
れる直流電圧を加振用スイッチ28によって切り替えつ
つ、駆動電極14に加えると、加振用スイッチ28の切
り替え周波数と同一の周波数で、重り部12がX軸方向
に加振されることとなる。この加振周波数は、重り部1
2のZ軸方向の固有振動数と同一の周波数とする。これ
により、後述する動作における角速度検出の感度が飛躍
的に向上する。
【0020】図1に示されるような回路によって、重り
部12をX軸方向に加振している状態で、Y軸回りの角
速度が重り部12に加わると、コリオリ力により重り部
12はZ軸方向に振動する。この振動周波数は、X軸方
向の加振周波数と同一の周波数であり、重り部12のZ
軸方向の固有振動数が通常数kHzであることからすれ
ば、このZ軸方向の振動周波数も数kHz程度の周波数
となる。また、重り部12にZ軸方向の変位が加わった
場合にも、当該重り部12はやはりZ軸方向に変位す
る。
部12をX軸方向に加振している状態で、Y軸回りの角
速度が重り部12に加わると、コリオリ力により重り部
12はZ軸方向に振動する。この振動周波数は、X軸方
向の加振周波数と同一の周波数であり、重り部12のZ
軸方向の固有振動数が通常数kHzであることからすれ
ば、このZ軸方向の振動周波数も数kHz程度の周波数
となる。また、重り部12にZ軸方向の変位が加わった
場合にも、当該重り部12はやはりZ軸方向に変位す
る。
【0021】図3に示される回路は、このような変位を
検出する回路を示している。すなわち、重り部12と下
部電極21及び上部電極25の間に形成されるコンデン
サの静電容量値の変化が変位検出回路30によって検出
される。その際、重り部12と下部電極21の間及び重
り部12と上部電極25の間の間隙が例えば1μmと微
小であるため、変位検出回路30は、静電容量変化の検
出によるZ軸方向変位の検出を高感度で実行することが
できる。
検出する回路を示している。すなわち、重り部12と下
部電極21及び上部電極25の間に形成されるコンデン
サの静電容量値の変化が変位検出回路30によって検出
される。その際、重り部12と下部電極21の間及び重
り部12と上部電極25の間の間隙が例えば1μmと微
小であるため、変位検出回路30は、静電容量変化の検
出によるZ軸方向変位の検出を高感度で実行することが
できる。
【0022】このようにして得られる信号には、Y軸回
りの角速度に起因した成分と、Z軸方向の加速度の変化
に起因した成分とが含まれている。すなわち、重り部1
2のZ軸方向変位のうち、Z軸方向の固有振動数と同一
の周波数を有する、すなわち比較的高い周波数の成分
は、角速度に比例した振幅を有しており、また、これよ
りはずっと低く、たかだか100Hz程度の低周波成分
の振幅は、重り部12に加わるZ軸方向の加速度に比例
している。サーボ回路34は、変位検出回路30によっ
て検出される変位に基づき、重り部12のZ軸方向変位
が打ち消されるよう、サーボ信号を生成する。このサー
ボ信号は、力発生回路32に供給される。力発生回路3
2は、供給されるサーボ信号に応じ、重り部12と下部
電極21及び上部電極25の間に加わる電圧を変化さ
せ、重り部12のZ軸方向を常に0に制御する。
りの角速度に起因した成分と、Z軸方向の加速度の変化
に起因した成分とが含まれている。すなわち、重り部1
2のZ軸方向変位のうち、Z軸方向の固有振動数と同一
の周波数を有する、すなわち比較的高い周波数の成分
は、角速度に比例した振幅を有しており、また、これよ
りはずっと低く、たかだか100Hz程度の低周波成分
の振幅は、重り部12に加わるZ軸方向の加速度に比例
している。サーボ回路34は、変位検出回路30によっ
て検出される変位に基づき、重り部12のZ軸方向変位
が打ち消されるよう、サーボ信号を生成する。このサー
ボ信号は、力発生回路32に供給される。力発生回路3
2は、供給されるサーボ信号に応じ、重り部12と下部
電極21及び上部電極25の間に加わる電圧を変化さ
せ、重り部12のZ軸方向を常に0に制御する。
【0023】このようなサーボ制御が行われた場合、サ
ーボ回路34によって生成されるサーボ信号には、図4
に示されるようにY軸回りの角速度を示す高周波成分
と、Z軸方向の加速度の変化を示す低周波成分とが含ま
れることとなる。より詳細には、Y軸回りの角速度も、
Z軸方向の加速度も加わっていない場合には、図4
(a)の、角速度のみが加わっている場合には(b)
の、加速度のみが加わっている場合には(c)の、両者
が加わっている場合には(d)のようなサーボ信号が得
られる。周波数弁別回路36は、サーボ信号から低周波
成分と高周波成分を弁別し、前者をZ軸方向加速度を示
す信号として、後者をY軸回り角速度を示す信号とし
て、それぞれ出力する。
ーボ回路34によって生成されるサーボ信号には、図4
に示されるようにY軸回りの角速度を示す高周波成分
と、Z軸方向の加速度の変化を示す低周波成分とが含ま
れることとなる。より詳細には、Y軸回りの角速度も、
Z軸方向の加速度も加わっていない場合には、図4
(a)の、角速度のみが加わっている場合には(b)
の、加速度のみが加わっている場合には(c)の、両者
が加わっている場合には(d)のようなサーボ信号が得
られる。周波数弁別回路36は、サーボ信号から低周波
成分と高周波成分を弁別し、前者をZ軸方向加速度を示
す信号として、後者をY軸回り角速度を示す信号とし
て、それぞれ出力する。
【0024】従って、本実施例によれば、Y軸回りの角
速度とZ軸方向の角速度とをともに精度よく測定するこ
とができる。更に、重り部12のX軸方向の加振周波数
をZ軸方向の固有振動数と一致させているため、角速度
の検出感度が非常に高い。また、上述したサーボ制御に
よって重り部12のZ軸方向変位が抑制されるため、重
り部12と下部電極21及び上部電極25との間の間隙
gを十分小さくでき、その結果計測感度を向上させるこ
とが可能となるとともに、寸法が小型化する。更には、
重り部12をX軸方向に振動させるための櫛状電極16
において発生する静電力が常に一定に保たれるため、安
定した振動が得られ、角速度検出精度が向上する。加え
て、温度の影響を除去できる。
速度とZ軸方向の角速度とをともに精度よく測定するこ
とができる。更に、重り部12のX軸方向の加振周波数
をZ軸方向の固有振動数と一致させているため、角速度
の検出感度が非常に高い。また、上述したサーボ制御に
よって重り部12のZ軸方向変位が抑制されるため、重
り部12と下部電極21及び上部電極25との間の間隙
gを十分小さくでき、その結果計測感度を向上させるこ
とが可能となるとともに、寸法が小型化する。更には、
重り部12をX軸方向に振動させるための櫛状電極16
において発生する静電力が常に一定に保たれるため、安
定した振動が得られ、角速度検出精度が向上する。加え
て、温度の影響を除去できる。
【0025】更に、サーボ回路34において生成するサ
ーボ信号を、重り部12の変位のうち、低周波成分のみ
を0とするようなサーボ信号としてもかまわない。この
場合には、当該サーボ信号がZ軸方向加速度を表す信号
となり、サーボ制御中において変位検出回路30によっ
て得られる変位がY軸回りの角速度を示す信号となる。
ーボ信号を、重り部12の変位のうち、低周波成分のみ
を0とするようなサーボ信号としてもかまわない。この
場合には、当該サーボ信号がZ軸方向加速度を表す信号
となり、サーボ制御中において変位検出回路30によっ
て得られる変位がY軸回りの角速度を示す信号となる。
【図1】本発明の一実施例に係る慣性力センサ、特にそ
の重り部周辺の構造を示す端面図である。
の重り部周辺の構造を示す端面図である。
【図2】同様の構造を示す断面図である。
【図3】この実施例における回路構成を示すブロック図
である。
である。
【図4】重り部のZ軸方向変位波形の類型を示す図であ
る。
る。
【図5】振動型角速度センサの構造を原理的に示す図で
ある。
ある。
10 梁部
12 重り部
14 駆動電極
16 櫛状電極
18,22 絶縁層
20 下部基板
21 下部電極
24 上部基板
25 上部電極
26 電源
28 加振用スイッチ
30 変位検出回路
32 力発生回路
34 サーボ回路
36 周波数弁別回路
X 重り部の加振方向
Y X軸と直交し梁部と同一平面上にある軸
Z Y軸回りの角速度によって生じるコリオリ力の方向
Ω Y軸回りの角速度
─────────────────────────────────────────────────────
フロントページの続き
(56)参考文献 特開 平7−120490(JP,A)
特開 平5−248874(JP,A)
(58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名)
G01C 19/56
G01P 15/13
Claims (4)
- 【請求項1】 X軸方向及びこれに直交するZ軸方向に
振動可能に、かつX軸及びZ軸に直交するY軸回りに回
転可能に、支持された重り部と、 静電力によって重り部をX軸方向に振動させる手段と、 重り部のZ軸方向変位を計測する手段と、 サーボ信号に応じ重り部にZ軸方向の力を加える手段
と、 重り部のZ軸方向変位が0となるよう上記計測結果に応
じてサーボ信号を発生させる手段と、 サーボ信号から高周波成分と低周波成分を弁別して出力
する手段と、 を備え、 重り部に加わったZ軸方向加速度の変化を上記低周波成
分として、重り部に加わったY軸回りの角速度を上記高
周波成分として、それぞれ検出することを特徴とする慣
性力センサ。 - 【請求項2】 X軸方向及びこれに直交するZ軸方向に
振動可能に、かつX軸及びZ軸に直交するY軸回りに回
転可能に、支持された重り部と、 静電力によって重り部をX軸方向に振動させる手段と、 重り部のZ軸方向変位を計測する手段と、 サーボ信号に応じ重り部にZ軸方向の力を加える手段
と、 計測されたZ軸方向変位のうちZ軸方向加速度の変化に
起因した低周波成分が0となるよう上記計測結果に応じ
てサーボ信号を発生させる手段と、 を備え、 重り部に加わったZ軸方向加速度の変化をサーボ信号と
して、重り部に加わったY軸回りの角速度を上記計測さ
れたZ軸方向変位として、それぞれ検出することを特徴
とする慣性力センサ。 - 【請求項3】 請求項1又は2記載の慣性力センサにお
いて、 重り部のZ軸方向変位を重り部との間の静電容量の変化
として計測することを特徴とする慣性力センサ。 - 【請求項4】 請求項1乃至3のうちいずれか一項記載
の慣性力センサにおいて、 重り部の端面にリブ状の突起を設ける一方、これに対し
て指交差状に配置されたリブ状の突起を有する駆動電極
を用いて、重り部をX軸方向に振動させることを特徴と
する慣性力センサ。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP23130193A JP3430572B2 (ja) | 1993-09-17 | 1993-09-17 | 慣性力センサ |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP23130193A JP3430572B2 (ja) | 1993-09-17 | 1993-09-17 | 慣性力センサ |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH0783666A JPH0783666A (ja) | 1995-03-28 |
JP3430572B2 true JP3430572B2 (ja) | 2003-07-28 |
Family
ID=16921480
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP23130193A Expired - Fee Related JP3430572B2 (ja) | 1993-09-17 | 1993-09-17 | 慣性力センサ |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP3430572B2 (ja) |
Families Citing this family (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP3498209B2 (ja) | 1999-10-25 | 2004-02-16 | 株式会社村田製作所 | 外力検知センサ装置 |
JP4540775B2 (ja) * | 1999-10-27 | 2010-09-08 | キヤノンアネルバ株式会社 | サーボ式静電容量型真空センサ |
US7971483B2 (en) * | 2008-03-28 | 2011-07-05 | Honeywell International Inc. | Systems and methods for acceleration and rotational determination from an out-of-plane MEMS device |
-
1993
- 1993-09-17 JP JP23130193A patent/JP3430572B2/ja not_active Expired - Fee Related
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPH0783666A (ja) | 1995-03-28 |
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Legal Events
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