JP2006308353A - 加速度センサおよびその製造方法 - Google Patents

加速度センサおよびその製造方法 Download PDF

Info

Publication number
JP2006308353A
JP2006308353A JP2005129285A JP2005129285A JP2006308353A JP 2006308353 A JP2006308353 A JP 2006308353A JP 2005129285 A JP2005129285 A JP 2005129285A JP 2005129285 A JP2005129285 A JP 2005129285A JP 2006308353 A JP2006308353 A JP 2006308353A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
substrate
fixed
electrode
mass
fixed electrode
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2005129285A
Other languages
English (en)
Inventor
Michihiko Hayashi
道彦 林
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Panasonic Holdings Corp
Original Assignee
Matsushita Electric Industrial Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Matsushita Electric Industrial Co Ltd filed Critical Matsushita Electric Industrial Co Ltd
Priority to JP2005129285A priority Critical patent/JP2006308353A/ja
Publication of JP2006308353A publication Critical patent/JP2006308353A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Images

Landscapes

  • Pressure Sensors (AREA)

Abstract

【課題】製造工程での歩留まりが良く、かつ生産性も良好な加速度センサおよびその製造方法を提供することを目的とする。
【解決手段】XYZ座標系におけるXY平面に沿って配置され加速度に応じて変位する質量部12を複数の梁部14を介して周囲の支持部13に支持する可動基板11と、この可動基板11における支持部13と接合され、かつ可動基板11における質量部12と所定間隔を有する固定電極16を上面に設けた固定基板15とを備え、前記質量部12と梁部14の双方の固定電極16と対向する側に所定間隔で突起17を設けるとともに、前記固定電極16の端部18を固定基板15の側面から露出させるように構成したものである。
【選択図】図5

Description

本発明は、特に車両、ロボット等の移動体の姿勢制御や精密機器の振動計測等に用いられ、加速度を検出する加速度センサおよびその製造方法に関するものである。
従来のこの種の加速度センサは、図10に示すような構成を有していた。
図10は従来の加速度センサの断面図を示したもので、この図10において、1はシリコン基板からなる可動基板で、この可動基板1は、バネ性を有した梁部2により周囲から支持された質量部3と、この質量部3の一面に設けられた可動電極4とを有している。5はガラス基板からなる固定基板で、この固定基板5は、一面に形成された固定電極6と、この固定電極6の周囲に前記梁部2と対向して設けられ、かつ可動基板1に短絡されるダミー電極7とを有している。そして、前記可動基板1と固定基板5とを可動電極4と固定電極6との間に微小間隔を有するように対向させ、かつ可動基板1にダミー電極7を短絡させてこのダミー電極7と梁部2とを同電位にして双方を陽極接合していた。
以上のように構成されている従来の加速度センサについて、次にその動作を説明する。
質量部3がバネ性を有した梁部2により支持されている状態で加速度を受けると、梁部2が撓んで可動電極4と固定電極6との間の間隔が変化する。ここで、静電容量をC、誘電率をε、電極面積をS、電極間の間隔をdとした場合、静電容量はC=εS/dにより一般的に算出することができるもので、可動電極4と固定電極6との間の間隔が変化することによる静電容量の変化により加速度を検出していた。
なお、この出願の発明に関する先行技術文献情報としては、例えば、特許文献1が知られている。
特開平4−299267号公報
しかしながら、上記従来の構成においては、ダミー電極7と梁部2とを同電位にして陽極接合することにより双方間に発生する静電引力を抑制するようにしているため、梁部2が固定基板5の表面に吸着して可動電極1と固定電極6との間隔が変化しなくなり加速度の検出が不充分となってしまうという確率を低下させることはできるが、陽極接合工程でのダミー電極7の周囲と梁部2あるいは質量部3との間の静電引力により、あるいは陽極接合工程以降での外部からの静電気により、固定基板6と、加速度を受けることによって可動する梁部2あるいは質量部3とが吸着して、製造工程での歩留まりが悪くなってしまうという課題を有していた。また、固定電極6とダミー電極7は固定基板1の一面に独立して設けられているため、多数の加速度センサを配置して同時に製造することは難しく、生産性が悪くなるとともに、製品コストが高くなってしまうという課題も有していた。そしてまた、多軸方向の加速度を検出できる加速度センサにおいては、固定電極(図示せず)は複数に分割されて形成されるため、固定基板(図示せず)の一面に設けられた固定電極(図示せず)を区画している部分が露出し、そしてこの区画部からの静電引力により固定基板(図示せず)と梁部(図示せず)あるいは質量部(図示せず)とが吸着して、製造工程での歩留まりが悪くなってしまうという課題を有していた。
本発明は上記従来の課題を解決するもので、製造工程での歩留まりが良く、かつ生産性も良好な加速度センサおよびその製造方法を提供することを目的とするものである。
上記目的を達成するために、本発明は以下の構成を有するものである。
本発明の請求項1に記載の発明は、XYZ座標系におけるXY平面に沿って配置され加速度に応じて変位する質量部を複数の梁部を介して周囲の支持部に支持する可動基板と、この可動基板における支持部と接合され、かつ可動基板における質量部と所定間隔を有する固定電極を上面に設けた固定基板とを備え、前記質量部と梁部の双方の固定電極と対向する側に所定間隔で突起を設けるとともに、前記固定電極の端部を固定基板の側面から露出させるように構成したもので、この構成によれば、可動基板における質量部と梁部の双方の固定電極と対向する側に所定間隔で突起を設けるとともに、前記固定電極の端部を固定基板の側面から露出させるように構成しているため、陽極接合工程における可動基板の質量部あるいは梁部と固定基板との吸着を防止することができ、これにより、製造工程での歩留まりが良く、かつ生産性も良好なものが得られるという作用効果を有するものである。
本発明の請求項2に記載の発明は、XYZ座標系におけるXY平面に沿って配置され加速度に応じて変位する質量部を複数の梁部を介して周囲の支持部に支持する可動基板と、この可動基板における支持部と接合され、かつ可動基板における質量部と所定間隔を有する固定電極を上面に設けた固定基板とを備え、前記固定電極における前記質量部と梁部の双方と対向する側に所定間隔で突起を設けるとともに、前記固定電極の端部を固定基板の側面から露出させるように構成したもので、この構成によれば、固定基板の上面に設けた固定電極における前記質量部と梁部の双方と対向する側に所定間隔で突起を設けるとともに、前記固定電極の端部を固定基板の側面から露出させるように構成しているため、陽極接合工程における可動基板の質量部あるいは梁部と固定基板との吸着を防止することができ、これにより、製造工程での歩留まりが良く、かつ生産性も良好なものが得られるという作用効果を有するものである。
本発明の請求項3に記載の発明は、特に、固定電極が質量部と梁部の略全域を覆うように固定基板と可動基板を対向配置したもので、この構成によれば、陽極接合工程における固定電極の周囲からの静電引力の影響を受けにくくなるため、質量部あるいは梁部と固定基板との吸着を防止することができ、これにより、製造工程での歩留まりが良くなるという作用効果を有するものである。
本発明の請求項4に記載の発明は、特に、質量部における固定電極を区画している部分と対向する側に溝部を設けたもので、この構成によれば、陽極接合工程における固定電極を区画している部分からの静電引力の影響を受けにくくなるため、質量部あるいは梁部と固定基板との吸着を防止することができ、これにより、固定電極が分割された多軸方向の加速度を検出する加速度センサにおいても製造工程の歩留まりが良くなるという作用効果を有するものである。
本発明の請求項5に記載の発明は、可動基板の少なくとも一面にエッチングを施して所定間隔で溝部と突起を形成した後にさらにエッチングを施して加速度に応じて変位する質量部と、この質量部と連結され、かつ肉薄な梁部および前記質量部と梁部を支持する支持部を形成する工程と、前記固定基板の上面に電極膜を形成する工程と、この電極膜の一部にエッチングを施して前記質量部との所定間隔の容量を検出する固定電極の検出電極部と共通電極部が同電位となるように接続配線されたパターンを形成する工程と、前記質量部と梁部の双方の突起と固定電極とが対向するように配置し、かつ前記可動基板の支持部と前記共通電極部が電気的に接続されるように重ねて前記固定基板と可動基板を陽極接合してセンサ基板を形成する工程と、前記固定電極のパターンを電気的に分離するとともに前記センサ基板の側面を分割する工程とを備えたもので、この製造方法によれば、可動基板における質量部と梁部の双方の突起と固定電極とが対向するように配置し、かつ前記可動基板の支持部と共通電極部が電気的に接続されるように重ねて固定基板と可動基板を陽極接合してセンサ基板を形成する工程を備えているため、陽極接合工程における質量部あるいは梁部と固定基板との吸着を防止することができ、これにより、製造工程での歩留まりが良く、かつ生産性も良好なものが得られるという作用効果を有するものである。
本発明の請求項6に記載の発明は、可動基板にエッチングを施して加速度に応じて変位する質量部と、この質量部と連結され、かつ肉薄な梁部および前記質量部と梁部を支持する支持部を形成する工程と、前記固定基板にエッチングを施して溝部を形成した後にこの固定基板の上面に電極膜を成形する工程と、この電極膜の一部にエッチングを施して前記質量部との所定間隔の容量を検出する固定電極の検出電極部と共通電極部が同電位となるように接続配線されたパターンを形成する工程と、前記質量部と梁部の双方と前記固定電極の突起とが対向するように配置し、かつ前記可動基板の支持部と前記共通電極部が電気的に接続されるように重ねて前記固定基板と可動基板を陽極接合してセンサ基板を形成する工程と、前記固定電極のパターンを電気的に分離するとともに前記センサ基板の側面を分割する工程とを備えたもので、この製造方法によれば、可動基板における質量部と梁部の双方と固定電極の突起とが対向するように配置し、かつ前記可動基板の支持部と共通電極部が電気的に接続されるように重ねて固定基板と可動基板を陽極接合してセンサ基板を形成する工程を備えているため、陽極接合工程における質量部あるいは梁部と固定基板との吸着を防止することができ、これにより、製造工程での歩留まりが良く、かつ生産性も良好なものが得られるという作用効果を有するものである。
以上のように本発明の加速度センサは、XYZ座標系におけるXY平面に沿って配置され加速度に応じて変位する質量部を複数の梁部を介して周囲の支持部に支持する可動基板と、この可動基板における支持部と接合され、かつ可動基板における質量部と所定間隔を有する固定電極を上面に設けた固定基板とを備え、前記質量部と梁部の双方の固定電極と対向する側に所定間隔で突起を設けるとともに、前記固定電極の端部を固定基板の側面から露出させるように構成しているため、陽極接合工程における可動基板の質量部あるいは梁部と固定基板との吸着を防止することができ、これにより、製造工程での歩留まりが良く、かつ生産性も良好なものが得られるという優れた効果を奏するものである。
(実施の形態1)
以下、実施の形態1を用いて、本発明の特に請求項1,3,4,5に記載の発明について説明する。
図1は本発明の実施の形態1における加速度センサの斜視図、図2は同加速度センサにおける可動基板の固定基板側から見た斜視図、図3は同加速度センサの上面図、図4は同加速度センサにおける固定基板の上面図、図5(a)(b)は図3のA−A線断面図、図6(a)〜(g)は同加速度センサにおける製造工程を示す断面図、図7は同加速度センサの製造工程における固定電極のパターンを示す上面図である。
図1〜図7において、11はシリコン酸化膜などのエッチングストップ層を中間層に設け、かつ両側にシリコン基板を接合してなるSOI基板からなり、XY平面に沿って配置された可動基板で、この可動基板11は中央に加速度に応じて変位する質量部12と、この質量部12の外周囲に設けた支持部13と、この支持部13からX軸あるいはY軸と平行方向に延びた後にXY軸に45°方向に延びて前記質量部12に連結され、かつこの質量部12を変位可能とする肉薄のシリコンからなる4本の梁部14とにより構成されている。15はガラスなどの絶縁性材料からなる固定基板で、この固定基板15は、上面にTiなどの密着層(図示せず)を介してAuなどの導電性薄膜からなる固定電極16を設けており、そして前記質量部12と梁部14との間に所定間隔を設けて前記支持部13と接合されているものである。
そして、前記質量部12と梁部14の双方には、前記固定電極16と対向する側に所定間隔で複数個の突起17を設けるとともに、前記固定電極16の端部18が前記固定基板15の側面から露出するように設けられている。
そしてまた、前記固定電極16は前記質量部12と梁部14の略全域を覆うように対向配置して設けられている。
さらに、前記質量部12における前記固定電極16を区画している部分と対向する側には溝部19を設け、かつ前記固定電極16はそれぞれX軸に2分割配置するとともに、Y軸に2分割配置し、そして前記梁部14と質量部12の中央とに対向配置した検出電極20a,20b,20cと、前記質量部12と梁部14とに電気的に導通している共通電極21を設け、さらにまた前記支持部13には固定電極16の配線を通すトンネル22を設けている。
以上のように構成された本発明の実施の形態1における加速度センサについて、次にその製造方法を図6(a)〜(g)にもとづいて説明する。
まず、図6(a)に示すように、表面に酸化膜(図示せず)を設けたSOI基板からなる可動基板11を準備し、そしてこのSOI基板からなる可動基板11の一面に、図6(b)に示すように、酸化膜(図示せず)を利用してフォトリソグラフィとウェットエッチングを繰り返して施すことにより、所定深さのキャビティ23と所定高さの突起17と所定深さの溝部19を形成する。この場合、エッチング液として、酸化膜にバッファードフッ酸、シリコンに水酸化テトラメチルアンモニウムなどを利用し、そしてエッチング液の濃度、エッチング温度と時間を制御管理することにより、所定形状のエッチングが行える。
次に、エッチングストップ層(図示せず)を利用して両側からフォトリソグラフィとドライエッチングを施してSOI基板からなる可動基板11を所定形状に加工し、さらにその後、エッチングストップ層(図示せず)をウェットエッチングで除去することにより、図6(c)に示すように、加速度に応じて変位する質量部12と、この質量部12と連結される肉薄の梁部14およびこの梁部14を支持する支持部13を形成する。ここで、ドライエッチングとしては、誘導結合型の反応性イオンエッチング装置を利用して、SF6とC48のガスなどを切り替えながらエッチングすることにより、所定形状を垂直加工することができる。また、エッチングストップ層(図示せず)が酸化膜の場合は、エッチング液としてバッファードフッ酸を利用すれば、容易に除去することができる。
次に、図6(d)に示すように、アルカリ金属Na,Liなどを含有するガラス基板からなる固定基板15を準備し、そしてこの固定基板15の上面に真空蒸着法あるいはスパッタ法によりTiなどの密着層(図示せず)を介してAuなどの導電性薄膜からなる電極膜24を形成する。
次に、図6(e)に示すように、電極膜24にフォトリソグラフィとウェットエッチングを施して、前記質量部12との所定間隔の容量を検出する固定電極16として検出電極部25と共通電極部26が同電位となるように接続配線されたパターンを形成する。この場合、エッチング液として、Tiに硝酸セリウム、Auによう素よう化カリウムなどを利用し、そしてエッチング液の濃度、エッチング温度と時間を制御管理することにより、所定形状のエッチングが行える。
次に、図6(f)に示すように、前記質量部12と梁部14の双方に設けた突起17と前記固定基板15における固定電極16とが対向するように配置し、かつ前記SOI基板からなる可動基板11の支持部13と前記共通電極部26が電気的に接続されるように前記可動基板11と前記固定基板15を重ねて陽極接合することによりセンサ基板27を形成する。この場合、陽極接合は200〜500℃の雰囲気の中で、前記ガラス基板からなる固定基板15を電源陰極に接続するとともに、前記SOI基板からなる可動基板11を電源陽極に接続し、そして電圧を400〜700V印加することにより、前記SOI基板からなる可動基板11のシリコン表面に正電荷が誘起され、そして静電引力によって前記ガラス基板からなる固定基板15と密着し、陽極酸化反応によって双方が接合されるものである。
最後に、可動基板11と固定基板15を重ねて陽極接合したセンサ基板27のB−B部をダイシングあるいはレーザ加工することにより、前記固定電極16のパターンを電気的に分離するとともにこのセンサ基板27の側面を分割する。これにより、図6(g)に示すように、固定電極16の端部18が露出した多数の加速度センサ28が生産できるものである。
以上のようにして製造された本発明の実施の形態1における加速度センサについて、次にその動作を説明する。
XY軸平面に加速度センサを実装すると、Z軸方向の重力により前記質量部12が一定量沈む方向に変位し、この質量部12と前記固定電極16とのZ軸方向の間隔が狭まった状態で静止している。この状態で前記質量部12にX軸方向の加速度が加わると、この質量部12には加速度と質量との積である慣性力が作用し、そしてこの質量部12は前記支持部13に連結する梁部14に支持された状態で図5(b)に示すようにX軸方向の前後に所定角度で傾く。この傾きによりX軸方向に2分割配置した前記検出電極20aと質量部12とのZ軸方向の間隔が変化し、前記検出電極20aと、前記質量部12と電気的に導通している共通電極21との各々の静電容量が変化することになる。ここで、静電容量をC、誘電率をε、電極面積をS、電極間の間隔をdとした場合、静電容量はC=εS/dの式から一般的に算出できるもので、誘電率と電極面積は変化せず、前記検出電極20aと質量部12とのZ軸方向の間隔の変化に応じた各々の静電容量を処理回路(図示せず)で差動処理することにより加速度を検出することができる。また、Y軸方向の加速度についても、上記と同様の動作原理で検出電極20bにより加速度を検出することができる。そしてまた、前記梁部14と質量部12の中央とに対向配置した検出電極20cと共通電極21の静電容量の変化を処理すれば、Z軸方向の加速度を検出することができる。なお、前記検出電極20cは、前記検出電極20aと前記検出電極20bとの間の寄生容量を除去するための電極としても利用できるものである。
以上のようにして製造された本発明の実施の形態1における加速度センサにおいては、陽極接合では前記SOI基板からなる可動基板11のシリコン表面に正電荷が誘起されるようにしているため、この正電荷の誘起による静電引力によって前記ガラス基板からなる固定基板15と密着し、陽極酸化反応によって双方が接合されるものである。ここで、静電引力をF、誘電率をε、電極面積をS、電極間の間隔をd、印加電圧をVとした場合、静電引力はF=εSV2/2d2の式から一般的に算出できるものである。
また、上記本発明の実施の形態1においては、前記可動基板11における質量部12と梁部14の双方の前記固定電極16と対向する側に所定間隔で突起17を設けるとともに、前記固定電極16として検出電極部25と共通電極部26が同電位となるように接続配線されたパターンを形成して陽極接合し、その後、前記固定電極16のパターンを電気的に分離するとともにセンサ基板27の側面を分割して、前記固定電極16の端部18を前記固定基板15の側面から露出させるように構成しているため、前記質量部12と、質量が軽く静電引力の影響を受けやすい前記梁部14における前記固定電極16に最も近接する電極面積を突起17によって小さくすることができ、これにより、陽極接合工程における前記可動基板11の質量部12あるいは梁部14と前記固定基板15との吸着を防止することができるため、製造工程の歩留まりも良くなって、生産性を高めることができるという効果を有するものである。
そしてまた、上記本発明の実施の形態1においては、前記固定電極16が前記質量部12と梁部14の略全域を覆うように固定基板15と可動基板11を対向配置しているため、陽極接合工程における前記固定電極16の周囲からの静電引力の影響を受けにくくなり、これにより、前記質量部12あるいは梁部14と前記固定基板15との吸着を防止することができるため、製造工程での歩留まりも良くなるという効果を有するものである。
さらに、上記本発明の実施の形態1においては、前記質量部12における前記固定電極16を区画している部分と対向する側に溝部19を設けているため、陽極接合工程における前記固定電極16を区画している部分からの静電引力の影響を受けにくくなり、これにより、前記質量部12あるいは梁部14と前記固定基板15との吸着を防止することができるため、固定電極16が分割された多軸方向の加速度を検出する加速度センサにおいても製造工程の歩留まりが良いという効果を有するものである。
(実施の形態2)
以下、実施の形態2を用いて、本発明の特に請求項2,3,4,6に記載の発明について説明する。
図8は本発明の実施の形態2における加速度センサの断面図、図9(a)〜(h)は同加速度センサにおける製造工程を示す断面図である。
図8、図9において、31はSOI基板からなり、XY平面に沿って配置された可動基板で、この可動基板31は中央に加速度に応じて変位する質量部32と、この質量部32の外周囲に設けた支持部33と、この支持部33から前記質量部32に連結され、かつこの質量部32を変位可能とする肉薄のシリコンからなる4本の梁部34とにより構成されている。35はガラスなどの絶縁性材料からなる固定基板で、この固定基板35は、上面にTiなどの密着層(図示せず)を介してAuなどの導電性薄膜からなる固定電極36を設けており、そして前記質量部32と梁部34との間に所定間隔を設けて前記支持部33と接合されているものである。
そして、前記固定電極36には、前記質量部32と梁部34の双方と対向する側に所定間隔で複数個の突起37を設けており、また、この固定電極36は、前記質量部32と梁部34の略全域を覆い、かつ端部38が前記固定基板35の側面から露出するように構成されている。
そしてまた、前記質量部32における前記固定電極36を区画している部分と対向する側には溝部39を設け、かつ前記固定電極36はそれぞれX軸に2分割配置するとともに、Y軸に2分割配置し、そして前記梁部34と質量部32の中央とに対向配置した検出電極40と、前記質量部32と梁部34とに電気的に導通している共通電極41を設けている。
以上のように構成された本発明の実施の形態2における加速度センサについて、次にその製造方法を図9(a)〜(h)にもとづいて説明する。
まず、図9(a)に示すように、SOI基板からなる可動基板31を準備し、そしてこのSOI基板からなる可動基板31の一面に、図9(b)に示すように酸化膜(図示せず)を利用してフォトリソグラフィとウェットエッチングを繰り返して施すことにより、所定深さの溝部39を形成し、その後、エッチングストップ層(図示せず)を利用して両側からフォトリソグラフィとドライエッチングを施して前記SOI基板からなる可動基板31を所定形状に加工し、さらにその後、エッチングストップ層(図示せず)をウェットエッチングで除去することにより、加速度に応じて変位する質量部32と、この質量部32と連結される肉薄の梁部34およびこの梁部34を支持する支持部33を形成する。
次に、図9(c)に示すように、アルカリ土類金属Na,Liなどを含有するガラス基板からなる固定基板35を準備し、そして図9(d)に示すように、この固定基板35の一面に、フォトリソグラフィとウェットエッチングを繰り返して施すことにより、所定深さのキャビティ42と所定高さの突起37を形成する。この場合、エッチング液としてバッファードフッ酸などを利用し、そしてエッチング液の濃度、エッチング温度と時間を制御管理することにより、所定形状のエッチングが行える。
次に、図9(e)に示すように、前記固定基板35の突起37を形成した面に真空蒸着法あるいはスパッタ法によりTiなどの密着層(図示せず)を介してAuなどの導電性薄膜からなる電極膜43を形成する。
次に、図9(f)に示すように、電極膜43にフォトリソグラフィとウェットエッチングを施して、前記質量部32との所定間隔の容量を検出する固定電極36として検出電極部44と共通電極部45が同電位となるように接続配線されたパターンを形成する。
次に、図9(g)に示すように、前記質量部32と梁部34の双方と前記固定電極36の突起37とが対向するように配置し、かつ前記SOI基板からなる可動基板31の支持部33と前記共通電極部45が電気的に接続されるように前記可動基板31と前記固定基板35を重ねて陽極接合することによりセンサ基板46を形成する。
最後に、可動基板31と固定基板35を重ねて陽極接合したセンサ基板46のC−C部をダイシングあるいはレーザ加工することにより、前記固定電極36のパターンを電気的に分離するとともにこのセンサ基板46の側面を分割する。これにより、図9(h)に示すように、固定電極36の端部38が露出した多数の加速度センサ47が生産できるものである。
以上のようにして製造された本発明の実施の形態2における加速度センサにおいては、陽極接合では前記SOI基板からなる可動基板31のシリコン表面に正電荷が誘起されるようにしているため、この正電荷の誘起による静電引力によって前記ガラス基板からなる固定基板35と密着し、陽極酸化反応によって双方が接合されるものである。
また、上記本発明の実施の形態2においては、前記固定電極36における前記質量部32と梁部34の双方と対向する側に所定間隔で突起37を設けるとともに、前記固定電極36として検出電極部44と共通電極部45が同電位となるように接続配線されたパターンを形成して陽極接合し、その後、前記固定電極36のパターンを電気的に分離するとともにセンサ基板46の側面を分割して、前記固定電極36の端部38を前記固定基板35の側面から露出させるように構成しているため、前記質量部32と、質量が軽く静電引力の影響を受けやすい前記梁部34における前記固定電極36に最も近接する電極面積を突起37によって小さくすることができ、これにより、陽極接合工程における前記可動基板31の質量部32あるいは梁部34と前記固定基板35との吸着を防止することができるため、製造工程の歩留まりも良くなって、生産性を高めることができるという効果を有するものである。
そしてまた、上記本発明の実施の形態2においては、前記固定電極36が前記質量部32と梁部34の略全域を覆うように固定基板35と可動基板31を対向配置しているため、陽極接合工程における前記固定電極36の周囲からの静電引力の影響を受けにくくなり、これにより、前記質量部32あるいは梁部34と前記固定基板35との吸着を防止することができるため、製造工程での歩留まりも良くなるという効果を有するものである。
さらに、上記本発明の実施の形態2においては、前記質量部32における前記固定電極36を区画している部分と対向する側に溝部39を設けているため、陽極接合工程における前記固定電極36を区画している部分からの静電引力の影響を受けにくくなり、これにより、前記質量部32あるいは梁部34と前記固定基板35との吸着を防止することができるため、固定電極36が分割された多軸方向の加速度を検出する加速度センサにおいても製造工程の歩留まりが良いという効果を有するものである。
本発明にかかる加速度センサは、製造工程での歩留まりが良く、かつ生産性も良好な加速度センサを提供できるという効果を有し、車両、ロボット等の移動体の姿勢制御や精密機器の振動計測等に用いられる加速度を検出する加速度センサとして有用である。
本発明の実施の形態1における加速度センサの斜視図 同加速度センサにおける可動基板の固定基板側から見た斜視図 同加速度センサの上面図 同加速度センサにおける固定基板の上面図 (a)(b)図3のA−A線断面図 (a)〜(g)同加速度センサにおける製造工程を示す断面図 同加速度センサの製造工程における固定電極のパターンを示す上面図 本発明の実施の形態2における加速度センサの断面図 (a)〜(h)同加速度センサにおける製造工程を示す断面図 従来の加速度センサの断面図
符号の説明
11,31 可動基板
12,32 質量部
13,33 支持部
14,34 梁部
15,35 固定基板
16,36 固定電極
17,37 突起
18,38 端部
19,39 溝部
25,44 検出電極部
26,45 共通電極部

Claims (6)

  1. XYZ座標系におけるXY平面に沿って配置され加速度に応じて変位する質量部を複数の梁部を介して周囲の支持部に支持する可動基板と、この可動基板における支持部と接合され、かつ可動基板における質量部と所定間隔を有する固定電極を上面に設けた固定基板とを備え、前記質量部と梁部の双方の固定電極と対向する側に所定間隔で突起を設けるとともに、前記固定電極の端部を固定基板の側面から露出させるように構成した加速度センサ。
  2. XYZ座標系におけるXY平面に沿って配置され加速度に応じて変位する質量部を複数の梁部を介して周囲の支持部に支持する可動基板と、この可動基板における支持部と接合され、かつ可動基板における質量部と所定間隔を有する固定電極を上面に設けた固定基板とを備え、前記固定電極における前記質量部と梁部の双方と対向する側に所定間隔で突起を設けるとともに、前記固定電極の端部を固定基板の側面から露出させるように構成した加速度センサ。
  3. 固定電極が質量部と梁部の略全域を覆うように固定基板と可動基板を対向配置した請求項1または2記載の加速度センサ。
  4. 質量部における固定電極を区画している部分と対向する側に溝部を設けた請求項1〜3のいずれかに記載の加速度センサ。
  5. 可動基板の少なくとも一面にエッチングを施して所定間隔で溝部と突起を形成した後にさらにエッチングを施して加速度に応じて変位する質量部と、この質量部と連結され、かつ肉薄な梁部および前記質量部と梁部を支持する支持部を形成する工程と、前記固定基板の上面に電極膜を成形する工程と、この電極膜の一部にエッチングを施して前記質量部との所定間隔の容量を検出する固定電極の検出電極部と共通電極部が同電位となるように接続配線されたパターンを形成する工程と、前記質量部と梁部の双方の突起と固定電極とが対向するように配置し、かつ前記可動基板の支持部と前記共通電極部が電気的に接続されるように重ねて前記固定基板と可動基板を陽極接合してセンサ基板を形成する工程と、前記固定電極のパターンを電気的に分離するとともに前記センサ基板の側面を分割する工程とを備えた加速度センサの製造方法。
  6. 可動基板にエッチングを施して加速度に応じて変位する質量部と、この質量部と連結され、かつ肉薄な梁部および前記質量部と梁部を支持する支持部を形成する工程と、前記固定基板にエッチングを施して溝部を形成した後にこの固定基板の上面に電極膜を成形する工程と、この電極膜の一部にエッチングを施して前記質量部との所定間隔の容量を検出する固定電極の検出電極部と共通電極部が同電位となるように接続配線されたパターンを形成する工程と、前記質量部と梁部の双方と前記固定電極の突起とが対向するように配置し、かつ前記可動基板の支持部と前記共通電極部が電気的に接続されるように重ねて前記固定基板と可動基板を陽極接合してセンサ基板を形成する工程と、前記固定電極のパターンを電気的に分離するとともに前記センサ基板の側面を分割する工程とを備えた加速度センサの製造方法。
JP2005129285A 2005-04-27 2005-04-27 加速度センサおよびその製造方法 Pending JP2006308353A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2005129285A JP2006308353A (ja) 2005-04-27 2005-04-27 加速度センサおよびその製造方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2005129285A JP2006308353A (ja) 2005-04-27 2005-04-27 加速度センサおよびその製造方法

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2006308353A true JP2006308353A (ja) 2006-11-09

Family

ID=37475421

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2005129285A Pending JP2006308353A (ja) 2005-04-27 2005-04-27 加速度センサおよびその製造方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2006308353A (ja)

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2010117265A (ja) * 2008-11-13 2010-05-27 Alps Electric Co Ltd Memsセンサの製造方法
CN102193002A (zh) * 2010-03-11 2011-09-21 苏州敏芯微电子技术有限公司 加速度传感器及其制造方法

Citations (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH0394168A (ja) * 1989-09-07 1991-04-18 Hitachi Ltd 半導体容量式加速度センサとその製造方法
JP2001194153A (ja) * 2000-01-11 2001-07-19 Matsushita Electric Ind Co Ltd 角速度センサ、加速度センサおよび製造方法
JP2002257847A (ja) * 2001-02-28 2002-09-11 Matsushita Electric Ind Co Ltd 加速度センサ
JP2004045269A (ja) * 2002-07-12 2004-02-12 Mitsubishi Electric Corp 容量式加速度センサ
JP2004294309A (ja) * 2003-03-27 2004-10-21 Japan Aviation Electronics Industry Ltd 容量検出型自己診断3軸加速度センサ
JP2004309306A (ja) * 2003-04-07 2004-11-04 Tateyama Kagaku Kogyo Kk 加速度センサとその製造方法

Patent Citations (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH0394168A (ja) * 1989-09-07 1991-04-18 Hitachi Ltd 半導体容量式加速度センサとその製造方法
JP2001194153A (ja) * 2000-01-11 2001-07-19 Matsushita Electric Ind Co Ltd 角速度センサ、加速度センサおよび製造方法
JP2002257847A (ja) * 2001-02-28 2002-09-11 Matsushita Electric Ind Co Ltd 加速度センサ
JP2004045269A (ja) * 2002-07-12 2004-02-12 Mitsubishi Electric Corp 容量式加速度センサ
JP2004294309A (ja) * 2003-03-27 2004-10-21 Japan Aviation Electronics Industry Ltd 容量検出型自己診断3軸加速度センサ
JP2004309306A (ja) * 2003-04-07 2004-11-04 Tateyama Kagaku Kogyo Kk 加速度センサとその製造方法

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2010117265A (ja) * 2008-11-13 2010-05-27 Alps Electric Co Ltd Memsセンサの製造方法
CN102193002A (zh) * 2010-03-11 2011-09-21 苏州敏芯微电子技术有限公司 加速度传感器及其制造方法

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US7878060B2 (en) Motion sensor and method of manufacturing the same
US20120267730A1 (en) Micro-electromechanical system (mems) device
US20040226369A1 (en) Vertical MEMS gyroscope by horizontal driving and fabrication method thereof
US20020017134A1 (en) Inertia sensor and method of fabricating the same
JP2008546553A (ja) キャップを備えたmems用基板コンタクト及び同基板コンタクトをウェハレベルにて形成する方法
JP6331535B2 (ja) 電子デバイス、電子機器および移動体
US8240205B2 (en) Mechanical quantity sensor and method of manufacturing the same
US20200158751A1 (en) Accelerometer
US9274153B2 (en) Electrostatic capacitance sensor
US8250918B2 (en) Mechanical quantity sensor and method of manufacturing the same
JP2006226770A (ja) 力学量センサ
US8698315B2 (en) Semiconductor device
EP1932803B1 (en) MEMS device with Z-axis asymetry
US20130010447A1 (en) Packaged device and method of fabricating packaged-device
JP2006308353A (ja) 加速度センサおよびその製造方法
CN1573336A (zh) 电容型动态量传感器及其制造方法
US8329491B2 (en) Mechanical quantity sensor and method of manufacturing the same
JP2001349732A (ja) マイクロマシンデバイスおよび角加速度センサおよび加速度センサ
JP2023156169A (ja) 微小振動体の実装構造
JP2006308352A (ja) 多軸加速度センサ
JPH05264577A (ja) 加速度センサ及びそれを使用したエアバッグ装置並びに車体制御装置
JP2012127692A (ja) Memsセンサおよびその製造方法、ならびにmemsパッケージ
KR100631218B1 (ko) 병진형 mems 자이로스코프
KR100506073B1 (ko) 고진공패키징마이크로자이로스코프및그제조방법
JP2012068098A (ja) 静電容量型ジャイロセンサ

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20080307

RD01 Notification of change of attorney

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A7421

Effective date: 20080414

RD01 Notification of change of attorney

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A7421

Effective date: 20091126

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20091215

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20100215

A02 Decision of refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02

Effective date: 20100511