JP2945043B2 - エアバッグ用基布 - Google Patents

エアバッグ用基布

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JP2945043B2 JP1313215A JP31321589A JP2945043B2 JP 2945043 B2 JP2945043 B2 JP 2945043B2 JP 1313215 A JP1313215 A JP 1313215A JP 31321589 A JP31321589 A JP 31321589A JP 2945043 B2 JP2945043 B2 JP 2945043B2
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    • B60R21/02—Occupant safety arrangements or fittings, e.g. crash pads
    • B60R21/16—Inflatable occupant restraints or confinements designed to inflate upon impact or impending impact, e.g. air bags
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Description

【発明の詳細な説明】 ［産業上の利用分野］ 本発明は、車両の衝突時インフレータからの反応ガス
により膨張して乗員を保護するエアバッグに関し、特に
エアバッグを形成する基布に関するものである。
［従来の技術］ 自動車の座席前方の車体固定部に設けられるエアバッ
グ装置は、車両衝突時などの緊急時において、ステアリ
ングやダッシュボードに固定されたインフレータから放
出される反応ガスの圧力により瞬時に膨張して、車体に
衝突することによる負傷等から乗員を保護する重大な役
割を有している。
例えば第４図に示すように、このようなエアバッグ装
置１は、車両の減速度の大きいが一定の大きさ以上のと
きに衝突検知センサからの衝突信号によりガス発生剤を
化学反応させ、その反応ガスを噴出するインフレータ２
と、基部がそのインフレータ２に対して固着され、イン
フレータ２からの噴出ガスによって膨張するエアバッグ
３とから構成されている。このエアバッグ装置１はエア
バッグ３を折り畳んでパッド４に収納した状態で例えば
ステアリングホイール５の中心部等の車体固定部に取り
付けられる。
そして、第５図に示すように、車両衝突時にインフレ
ータ２内のガス発生剤が反応し、発生した反応ガスによ
ってエアバッグ３が瞬時に膨張展開する。これにより、
エアバッグ３は慣性によって前方に移動してくる乗員Ｍ
を受け止め、車体との衝突から乗員Ｍを保護するように
なっている。
従来のこのようなエアバッグ３においては、運転席に
設置されるエアバッグ装置１用のエアバッグ３は、運転
者Ｍ側の基布3aと車体固定部に固定される側の基布3bと
を縫着することにより形成されている。また運転席以外
に設置されるエアバッグ装置１用のエアバッグ３は、種
々の形状に型取られた基布を同様に縫着することにより
形成されている。そして、これらの基布3a,3bは、一般
には織布によって形成されていることが多い。
［発明が解決しようとする課題］ ところで、エアバッグ３は高圧の反応ガスにより瞬時
に膨張して乗員を確実に受け止めることができるように
するという機能を確実にかつ十分に発揮しなければなら
ないので、基布3a,3bには次のような条件が求められ
る。すなわち、 縦糸と横糸とが同様の密度に設定すること、 密度が通常の織布よりはるかに高い密度に設定するこ
と、 縦方向及び横方向の強度がいずれも均一であること。
しかしながら、一般に布を織ったとき織り上がった織
布は横方向に縮んでしまうという、いわゆる織り縮みが
生じてしまう。特に、エアバッグ用基布においては約40
0デニール位の糸を使用して高密度の基布を織ることが
一般的であるが、このように高い密度に織ろうとする
と、どうしても耳部に無理がきてしまう。そこで、従来
はテンプル（伸子）を用いて基布の耳部を押さえて縦糸
を引っ張りながら布を織るようにしている。しかしなが
ら、このように基布の耳部のみを押さえて布を織るよう
にしたのでは、織り幅の中心に行くほど縦糸が大きく引
っ張られている関係上、第６図に示すように織り上がっ
た基布101の耳部102においてどうしても縦糸103が伸ば
された状態で織り上がってしまう。このため、横糸104
が縦糸103の引張り方向に湾曲してしまい、織り上がっ
た基布は部分的に密度が異なってしまうばかりでなく、
伸びも部分的に異なってしまう。このように伸びや密度
が部分的に異なると、基布の強度も耳部と中心部とでは
部分的に異なってしまう。したがって、同図に示すよう
に基布101のＡ部でエアバッグ用に裁断した場合と、Ｂ
部で裁断した場合とでは、エアバッグは強度の異なった
ものができてしまう。
このように、従来のエアバッグ用基布は、縦糸と横糸
との密度が部分的に異なると共に、強度が均一となって
いなく、前述のようなエアバッグ用基布に求められる条
件を十分に満足させることのできないものとなってい
て、エアバッグの機能をより一層十分に発揮させること
ができないものとなっている。
本発明は、このような事情に鑑みてなされたものであ
って、その目的は、エアバッグの機能をより一層十分に
かつ確実に発揮させることのできるエアバッグ用基布を
提供することである。
［課題を解決するための手段］ この課題を解決するために、本発明は、有事に起動す
るインフレータからの反応ガスにより膨張して乗員を受
け止めるようになっているエアバッグを構成し、織布に
よって形成されている基布において、前記織布はバーテ
ンプルを用いて織成されていて、縦糸と横糸とが同様の
高密度とされ、かつ幅方向の強度が均一に設定されてい
ることを特徴としている。
［作用］ このような構成をした本発明のエアバッグ用基布は、
バーテンプルを用いて織成されて、縦糸と横糸とが同様
の高密度で、かつ幅方向の強度が均一な織布により形成
されるようになる。エアバッグ基布は、高圧の反応ガス
により瞬時に膨張して乗員を確実に受け止めるというエ
アバッグの機能を十分に発揮するようになる。特に、運
転席以外の座席の乗員用エアバッグは、基布の耳部まで
も使用するので、このような基布は特に効果的に機能す
るようになる。
［実施例］ 以下、図面を用いて本発明の実施例について説明す
る。
第１図は本発明に係るエアバッグ用基布の一例を示す
概略図である。なお、第５図に示すエアバッグ装置１と
同じ構成要素には同じ符号を付すことにより、装置の説
明は省略する。
第１図（Ａ），（Ｂ）に示すように、エアバッグ３
は、乗員Ｍ側に対向するように配設される基布3aと車体
固定側に固定される基布3bとからなり、これらの基布3
a,3bの周縁を互いに縫着することにより形成されてい
る。その場合図示した例では、基布3aと基布3bとはこれ
らの間で糸の方向が互いに約45゜斜交するように縫着さ
れている。もちろん、これらの糸の方向は同方向でもよ
いし、斜交する角度が45゜以外の角度でもよい。
第２図に示すように、これらの基布3a,3bは、縦糸６
と横糸７とがともに同一密度でかつ通常の織布の密度よ
りも高い密度で織られていると共に幅方向の強度が均一
に設定されている織布から形成されている。
このような織布は、例えば第３図に示すようなバーテ
ンプル（棒伸子）を用いた製織機８により製織される。
すなわち、製織機８の本体９の筬10側の部分にカバー11
を取り付け、これらの間に形成された空間部12内にバー
テンプル13を配設し、織り上がった織布14を空間部12内
に挿入すると共にこのバーテンプル13に巻い後ブレスト
ビーム15の方へ送り、最終的に図示しない巻取り具に巻
取られるようになっている。
織布14を織るにあたっては、交互に上下に位置し、所
定の張力が加えられている縦糸６の間に横糸７を通した
後、この横糸７を筬10で織布14の織口の方へ打ち叩くこ
とにより横糸７の密度を高くする。その場合、筬10が織
口から後退すると織布14の張力によってバーテンプル13
を引き上げて、織布14を本体９とバーテンプル13との間
及びバーテンプル13とカバー11との間に挟持されるよう
になる。このため、織布14の全幅が締め付けられ、織口
は動かない。また筬10が織口を打つと織布14がゆるむの
で、バーテンプル13が本体９とカバー11とから離れるの
で、織布14は巻取り具に巻かれるようになる。
このように織られた織布14は、縦糸及び横糸の密度が
同一密度であり、かつ通常の織布よりも密度が高いもの
となっている。しかし、織布14の耳部に耳だれが生じる
ことなく、織布14はその全幅にわたって均一な引っ張り
強度を有するものとなっている。
したがって、このような織布14から、設置される場所
に応じたエアバッグ３の基布を適宜の形状に裁断し、そ
れらの基布を縫着することにより、エアバッグ３は高圧
の反応ガスにより瞬時に膨張して乗員を確実に受け止め
ることができるようにするという機能を十分に発揮し得
るものとなる。
［発明の効果］ 以上の説明から明らかなように、本発明のエアバッグ
用基布によれば、バーテンプルを用いて織成した、縦糸
と横糸とが同様の高密度で、かつ幅方向の強度が均一な
織布により、エアバッグ用基布を形成しているので、本
発明のエアバッグ基布は、高圧の反応ガスにより瞬時に
膨張して乗員を確実に受け止めるというエアバッグに求
められる機能を十分に発揮することができるようにな
る。特に、運転席以外の座席の乗員用エアバッグは、基
布の耳部までも使用することが多いので、本発明の基布
は特に効果的に機能することができるようになる。
【図面の簡単な説明】
第１図は本発明に係るエアバッグ用基布の一実施例を使
用したエアバッグの一例を示し、（Ａ）は平面図、
（Ｂ）は（Ａ）におけるI B−I B線に沿う縦断面図、第
２図はこの実施例の基布に用いられる織布を部分的に示
す図、第３図はこの織布を製織するために使用される製
織機の一例を示す図、第４図はエアバッグ装置がステア
リングホイールに取り付けられたときの一例を示す概略
断面図、第５図はそのエアバッグの膨張状態を示す図、
第６図は従来のエアバッグ用基布の織り上がりの状態を
示す図である。 ３……エアバッグ、3a……乗員側基布、3b車体固定部側
基布、14……織布

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項１】有事に起動するインフレータからの反応ガ
    スにより膨張して乗員を受け止めるようになっているエ
    アバッグを構成し、織布によって形成されている基布に
    おいて、 前記織布はバーテンプルを用いて織成されていて、縦糸
    と横糸とが同様の高密度とされ、かつ幅方向の強度が均
    一に設定されていることを特徴とするエアバッグ用基
    布。
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