JPH07223503A - エアバッグ装置用袋体 - Google Patents

エアバッグ装置用袋体

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JPH07223503A
JPH07223503A JP7615094A JP7615094A JPH07223503A JP H07223503 A JPH07223503 A JP H07223503A JP 7615094 A JP7615094 A JP 7615094A JP 7615094 A JP7615094 A JP 7615094A JP H07223503 A JPH07223503 A JP H07223503A
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JP
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bag body
gas
vent hole
hole
bag
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Application number
JP7615094A
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English (en)
Inventor
Mitsuhiko Kawaguchi
光彦 川口
Tsukasa Fujimoto
宰 藤本
Masahiro Miyaji
正広 宮治
Masaru Higashiura
賢 東浦
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Tokai Rika Co Ltd
Original Assignee
Tokai Rika Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 簡単な構造により、短時間に膨出し確実に乗
員の衝突エネルギーを吸収できるエアバッグ装置用袋体
を提供する。 【構成】 インフレータから送られる膨張用圧力ガスを
排気するためのベントホール26を有するエアバッグ装
置用袋体において、前記インフレータとベントホール2
6とを結ぶガスの拡散方向、すなわち、袋体10の半径
方向を介してその両側にあるベントホール周縁部を互い
に縫着してベントホール26を閉塞し、内圧上昇により
破断して縫着を解除する縫着部を有する。このため、袋
体10の膨張初期の前方突出力によって発生する膨張衝
撃張力Fがベントホール26に加わらないので、袋体1
0の膨張途中でベントホール26が開口してガスが排気
されることがなく、袋体10は瞬時に膨張する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、車両急減速時に作動す
るエアバッグ装置に用いられ、エアバッグ装置作動時に
は乗員側へ向けて膨出するエアバッグ装置用袋体に関す
る。
【0002】
【従来の技術】エアバッグ装置、例えば、ステアリング
ホイールに取付けられるエアバッグ装置は、車両急減速
時の加速度センサの作動によりインフレータから発生す
る大量のガスを、インフレータの乗員側に折り畳まれた
状態でパッド内に格納されている袋体内へ流入し、この
袋体を乗員側へ向けて膨出させてステアリングホイール
と乗員との間に介在させるように構成されている。
【0003】従来よりこの種のエアバッグ装置用袋体に
は、膨張する袋体の内圧を所定値に維持するために、反
乗員側の部位に円形状の排気孔(以下、「ベントホー
ル」という。)が設けられている。このベントホールの
周縁部を、図10に示すように、所定の強度を有する縫
合糸4で縫着して、袋体6の膨張途中においてはベント
ホール2の閉塞状態を維持し、袋体6からガスが排気さ
れることのないようにすると共に、袋体6の膨張後に乗
員が袋体6と当接することにより又はガス圧により、こ
の袋体6の内圧が所定値以上となったときには、縫合糸
4が破断されてベントホール2が開口し、このベントホ
ール2を介してガスが袋体6の内部から外部へ所定量排
気されることにより、所定の内圧で袋体6の膨出状態を
維持する構造のものが本願出願人による特願平5−16
4705号に提示された。
【0004】しかしながら、このベントホール2の縫着
方向(図3(C)における矢印A方向)が、ベントホー
ル2におけるガスの拡散方向、例えば、図9のように袋
体6を構成する基布が円形の場合は、この袋体6の半径
方向に沿っていない場合には、膨出しようとする袋体6
の初期の前方突出力により、このベントホール2に前記
ガスの拡散方向に沿って大きな膨張衝撃張力Fが加わ
る。このため、袋体6が完全に膨張状態となる前に縫合
糸4が破断されて、ガスが排気されることによって、袋
体6の膨出動作を遅延させることのないようにする必要
があり、縫合糸4の縫製強度を上げる等の対策を施さな
ければならない。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明は上記事実を考
慮し、簡単な構造により、短時間に膨出し確実に乗員の
衝突エネルギーを吸収できるエアバッグ装置用袋体を得
ることが目的である。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明は、ガス供給部か
ら送られる膨張用圧力ガスを排気するためのベントホー
ルを有するエアバッグ装置用袋体において、前記ガス供
給部とベントホールとを結ぶガス拡散方向を介してその
両側にあるベントホール周縁部を互いに縫着してベント
ホールを閉塞し、内圧上昇により破断して縫着を解除す
る縫着部を有することを特徴とする。
【0007】
【作用】車両急減速時にガス供給部からの圧力ガスによ
り、袋体が乗員側へ膨出しようとする。このときガス供
給部からベントホールを通る圧力ガスの拡散方向に沿っ
て、袋体の膨張初期の前方突出力によって膨張衝撃張力
が発生する。しかし、ベントホールは前記圧力ガスの拡
散方向の両側にあるベントホール周縁部が互いに縫着さ
れて閉塞されているため、袋体の膨張途中においては、
ベントホールの周縁部分に縫製された縫合糸は縫合状態
を維持し、ベントホールは閉塞状態を維持される。従っ
て、縫合糸の縫製強度を上げなくても袋体の膨張途中で
ベントホールからガスが排気されることがないので、袋
体の膨張動作は遅延されることなく、袋体は瞬時に膨張
状態となる。
【0008】一方、袋体が完全に又はほぼ膨張状態とな
り、乗員がこの袋体と当接して又はガス圧によって袋体
の内圧が所定値以上となったときは、ベントホール周縁
部分に縫製された縫合糸がこの内圧に抗しきれずに破断
され、ベントホールが開口してガスが排気される。この
ため、袋体の内圧の上昇が抑えられ、乗員の衝撃エネル
ギーがスムースに吸収されて乗員を確実に受け止めるこ
とができる。
【0009】
【実施例】図1には、本発明の第1実施例に係る袋体1
0が適用されたエアバッグ装置12の概略全体構成が袋
体膨張状態で示されている。
【0010】エアバッグ装置12は、ステアリングホイ
ール14の中央部分に配置されており、ステアリングホ
イール14と共に回転、又は相対回転可能となってい
る。このエアバッグ装置12では、内部に袋体10が折
り畳まれて収容されている。この袋体10内には、ガス
発生用のインフレータ16が取り付けられている。イン
フレータ16にはガス発生物質が封入されており、車両
急減速時にはガス発生物質が燃焼によって分解して大量
のガスを放出し、このガスで袋体10を膨張できる。
【0011】図2に示すように、袋体10は上基布18
と下基布20とを縫製することにより略球形の袋体に形
成されている。すなわち、袋体10は、各々円形状に裁
断された上基布18と下基布20の外周縁部分を互いに
内方へ折り返して合わせた状態で縫着手段としての縫合
糸22によって縫合されている。これらの上基布18及
び下基布20は、ネオプレン又はシリコン等の樹脂でコ
ーティングされたナイロン平織又はコーティングを省略
したリップストップ織等の耐熱性及びシール性に優れた
布材で形成されている。また、縫合糸22は、綿、絹等
の天然繊維又はナイロン等の合成繊維で形成され、上基
布18と下基布20の縫着状態を維持するのに十分な強
度、太さを有している必要があり、高強度及び安価であ
ることから一例として1260デニールのナイロン縫糸
とされている。
【0012】下基布20の中央部には、ガス供給部を構
成するインフレータ取付用の取付孔24が形成されてお
り、この取付孔24にインフレータ16が入り込んだ状
態で固定されている。また、取付孔24の近傍には、膨
張した後にガスを放出して衝撃を吸収するための一対の
ベントホール26が形成されている。
【0013】図3(A)に示すように、このベントホー
ル26においては、孔26Aの対向周縁部分が折り山線
Lを中心に互いに重ね合わされて、図3(B)に示すよ
うな重合部26Bが設けられ、孔26Aが半円形状に形
成されるように折り畳まれる。このように折り畳まれた
状態で、図3(C)に示すように、孔26Aの周縁部分
に沿ってこの重合部26Bが縫着及び破断手段としての
縫合糸28によって縫着されている。この縫着におい
て、ベントホール26の縫着方向、すなわち、縫製部分
の両端を結んだ方向(矢印A方向)を、図2に示すよう
に、膨張又は展開状態の袋体10においてベントホール
26のガスの拡散方向、すなわち、袋体10の半径方向
に沿わせるために、このガスの拡散方向に図3(A)に
おける折り山線Lを向けて重合、縫着がされる。
【0014】縫合糸28は縫合糸22と同様の材料で形
成されており、高強度及び安価であることから、一例と
して420デニールのナイロン縫糸とされている。すな
わち、ベントホール26の縫製部分の強度は、上基布1
8と下基布20の外周縁部分の縫製強度以下の縫製強度
とされている。このためには、縫合糸22よりも引っ張
り強度の弱い縫合糸28を用いたり、縫合糸22は上基
布18、下基布20を複数回縫い込んで縫着するのに対
し、縫合糸28はこれより少ない回数、例えば一周のみ
の縫い込みにする等の強度差別手段が適用できる。
【0015】図1及び図2に示すように、袋体10(上
基布18と下基布20)の内部には、ストラップ30、
32、34が配置されている。ストラップ30、32は
取付孔24の左右両側に位置し、またストラップ34は
取付孔24の下方側に位置しており、それぞれ、上端部
が上基布18に、下端部が下基布20に縫製されて連結
されている。これらのストラップ30、32、34は、
袋体10が膨張した際に、上基布18と下基布20の膨
張展開を制限して、袋体10が所定の形状を維持するよ
うになっている。
【0016】次に、第1実施例の作用を説明する。通常
の車両走行状態では、加速度センサ(図示省略)が作動
することはないので、袋体10はステアリングホイール
に取付けられたベースプレート(図示省略)とパッド
(図示省略)との間に折り畳まれた状態で格納されてい
る。
【0017】この状態から車両急減速状態になると、加
速度センサが作動して、インフレータ16から発生した
ガスがインフレータ16のガス孔16Aから袋体10内
へ流入して、袋体10が膨出しようとする。このときガ
スの拡散方向、すなわち、図2における袋体10の半径
方向に沿って、袋体10の膨張初期の前方突出力によっ
て膨張衝撃張力Fが発生する。しかし、本実施例に係る
ベントホール26では、孔26Aの周縁部分がこのガス
の拡散方向に沿って縫着されているため、この膨張衝撃
張力Fはベントホール26に加わらない。このため、袋
体10の膨張途中においては、孔26Aの周縁部分に縫
製された縫合糸28は縫合状態を維持し、ベントホール
26は閉塞状態を維持される。従って、袋体10の膨張
途中でベントホール26からガスが排気されることがな
いので、インフレータ16から発生したガスが比較的低
圧、低速であっても短時間に膨出すると共に、袋体10
の内圧が膨出初期に必要な値に達する。すなわち、袋体
10の膨張動作は遅延されることなく、袋体10は瞬時
に膨張状態となって、図4に示すように、ステアリング
ホイール14と乗員Mとの間に介在する。
【0018】一方、袋体10が完全に膨張状態となり、
袋体10の内圧が乗員Mの当接によって又はガス圧によ
って上昇すると、重合部26Bが互いに離反する力を受
け、縫合糸28に引っ張り力が作用する。ベントホール
26の孔26Aは上基布18と下基布20の外周縁部分
の縫製強度以下の縫製強度によって縫製されているた
め、袋体10の内圧の上昇に伴って上基布18と下基布
20の外周縁部分の縫合糸22より先に縫合糸28が破
断する。これにより、ベントホール26の重合部26B
が離反し孔26Aが袋体10の内外を連通する状態とな
り、孔26Aからガスが流出する。このため、袋体10
の内圧の過度な上昇が抑えられ、乗員Mの衝撃エネルギ
ーがスムーズに吸収されて乗員Mは袋体10によって確
実に受け止められる。
【0019】次に本発明の第2実施例を説明する。な
お、前記第1実施例と基本的に同一の部品には前記第1
実施例と同一の符号を付与しその説明を省略している。
また、袋体を構成する基布の材質、基布の外周縁部分の
縫着に使用される縫合糸の材質及び太さ等並びにベント
ホールの逢着に使用される縫合糸の材質及び太さ等は、
第1実施例における上基布18、下基布20、縫合糸2
2、28とそれぞれ同様とする。
【0020】図5には、本発明の第2実施例に係る袋体
40が適用されたエアバッグ装置42の概略全体構成が
示されている。また、図6(A)にはこの袋体40が膨
張した状態における概略斜視図が示され,図6(B)に
は、図6(A)をドア44から見た側面図が示されてい
る。
【0021】エアバッグ装置42は、車両の運転席側の
ドア44のアウタパネルとインナパネルとの間に配設さ
れており、例えば図5の矢印D方向に沿って所定の荷重
が作用した場合に、そのときのアウタパネルの変形によ
り、ドア44に外方から所定の荷重が作用したことを感
知する図示しないセンサを備えている。また、エアバッ
グ装置42は、前記インフレータ16を備えており、こ
のインフレータ16の車両室内側となる位置には、袋体
40が折り畳まれて収容されている。
【0022】この袋体40は、二枚の基布を所定の箇所
で縫合することにより構成されている。すなわち、図6
(A)に示すように、袋体40は、各々短形上に裁断さ
れた車室内側(すなわち、図5における乗員Mの側)の
上基布46と車室外側の下基布48を備えており、これ
らの上基布46と下基布48の外周縁部分を互いに内方
へ折り返して合わせた状態で縫着手段としての縫合糸5
0によって縫合されている。この縫合糸50は一例とし
て1260デニールのナイロン縫糸とされている。
【0023】また、袋体40の反乗員側の部位、すなわ
ち、インフレータ16が略中央部に取付けられた下基布
48には、ベントホール52が形成されている。このベ
ントホール52においては、孔52Aの対向周縁部分が
互いに重ね合わされて、重合部52Bが設けられ、孔5
2Aが半円形状に形成されるように折り畳まれている。
このように折り畳まれた状態で、孔52Aの周縁部分に
沿ってこの重合部52Bが縫着及び破断手段としての縫
合糸54によって縫着されている。この縫着において、
ベントホール52の縫着方向、すなわち、縫製部分の両
端を結んだ方向(図3(A)の矢印A方向)を、膨張又
は展開状態の袋体40においてベントホール52のガス
の拡散方向、すなわち、図示しないインフレータ取付孔
の中心から放射方向(図6(B)における矢印E方向)
に沿わせるために、このガスの拡散方向に図3(A)に
おける折り山線Lを向けて重合、縫着がされる。
【0024】この縫合糸54は一例として420デニー
ルのナイロン縫糸とされている。すなわち、ベントホー
ル52の縫製部分の強度は、上基布46と下基布48の
外周縁部分の縫製強度以下の縫製強度とされている。こ
のために、第1実施例と同様の強度差別手段が使用でき
る。
【0025】次に、第2実施例の作用を説明する。上記
構成の袋体40は、通常は(エアバッグ装置42が非作
動状態では)、折り畳まれた状態でドア44のアウタパ
ネルとインナパネルとの間に格納されている。
【0026】この状態から車両急減速状態になると、図
示しない加速度センサが作動して、インフレータ16か
ら発生したガスがインフレータ16のガス孔16Aから
袋体40内へ流入して、袋体40が膨出しようとする。
このときガスの拡散方向、すなわち、図示しないインフ
レータ取付孔の中心から放射方向に沿って、袋体40の
膨張初期の前方突出力によって膨張衝撃張力Fが発生す
る。しかし、本実施例に係るベントホール52では、孔
52Aの周縁部分がこのガスの拡散方向に沿って縫着さ
れているため、この膨張衝撃張力Fはベントホール52
に加わらない。このため、袋体40の膨張途中において
は、孔52Aの周縁部分に縫製された縫合糸54は縫合
状態を維持し、ベントホール52は閉塞状態を維持され
る。従って、袋体42の膨張途中でベントホール52か
らガスが排気されることがないので、インフレータ16
から発生したガスが比較的低圧、低速であっても短時間
に膨出すると共に、袋体40の内圧が膨出初期に必要な
値に達する。すなわち、袋体40の膨張動作は遅延され
ることなく、図示しないドアトリムの一部でもあるエア
バッグドアを開放させながら、袋体40は瞬時に膨張状
態となって、図5に示すように、ドアのインナパネルと
乗員Mとの間に介在する。
【0027】一方、袋体40が完全に膨張状態となり、
袋体40の内圧が乗員Mの当接によって又はガス圧によ
って上昇すると、ベントホール52の孔52Aは上基布
46と下基布48の外周縁部分の縫製強度以下の縫製強
度によって縫製されているため、袋体40の内圧の上昇
に伴ってベントホール52に押圧力が作用し上基布46
と下基布48の外周縁部分の縫合糸50より先に縫合糸
54が破断する。これにより、ベントホール52の重合
部52Bが離反し孔52Aが袋体40の内外を連通する
状態となり、孔52Aからガスが流出する。このため、
袋体40の内圧の過度な上昇が抑えられ、乗員Mの側部
における衝撃エネルギーがスムースに吸収されて、乗員
Mへの負荷が低減されて乗員Mが保護される。
【0028】次に本発明の第3実施例を説明する。な
お、前記第1実施例と基本的に同一の部品には前記第1
実施例と同一の符号を付与してその説明を省略してい
る。また、袋体を構成する基布の材質、基布の外周縁部
分の縫着に使用される縫合糸の材質及び太さ等並びにベ
ントホールの逢着に使用される縫合糸の材質及び太さ等
は、第1実施例における上基布18、下基布20、縫合
糸22、28とそれぞれ同様とする。
【0029】図7には、本発明の第3実施例に係る袋体
60が適用されたエアバッグ装置62の概略全体構成が
示されている。また、図8(A)にはこの袋体60が膨
張した状態における概略斜視図が示され、図8(B)に
は図8(A)を車体上側から見た上面図が示されてい
る。
【0030】図7に示すように、エアバッグ装置62
は、パッセンジャー席としての助手席64の車両前方側
に配設されたインストルメントパネル66の車両略前方
側に取付けられており、また、このエアバッグ装置62
には、内部に袋体60が折り畳まれて収容されている。
この袋体60内には、前記インフレータ16が取り付け
られており、このインフレータ16が車両急減速時に大
量のガスを放出し、このガスで袋体60を乗員M側に膨
張できるようになっている。
【0031】この袋体60は、三枚の基布を所定の箇所
で縫合することにより構成されている。すなわち、図8
(A)に示すように、袋体60は、略台形形状に裁断さ
れ、乗員から見て右側及び左側にある二枚の側基布68
A、68Bと略台形の下底を対称線として線対称の形状
に裁断された一枚の中央基布70を備えており、これら
の側基布68A、68Bと中央基布70の外周縁部分を
それぞれ互いに内方へ折り返して合わせた状態で縫着手
段としての縫合糸72A、72Bによって縫合されてい
る。この縫合糸72A、72Bは一例として1260デ
ニールのナイロン縫糸とされている。
【0032】また、袋体60の膨張状態において中央基
布70の反乗員側、かつ、インフレータ16より上側及
び下側の部位の中央基布70の横幅の略中央部に、ベン
トホール74がそれぞれ形成されている。このベントホ
ール74においては、孔74Aの対向周縁部分が互いに
重ね合わされて、重合部74Bが設けられ、孔74Aが
半円形状に形成されるように折り畳まれている。このよ
うに折り畳まれた状態で、孔74Aの周縁部分に沿って
この重合部74Bが縫着及び破断手段としての縫合糸7
6によって縫着されている。この縫着において、ベント
ホール74の縫着方向、すなわち、縫製部分の両端を結
んだ方向(図3(A)の矢印A方向)を、膨張又は展開
状態の袋体60においてベントホール74のガスの拡散
方向、すなわち、本実施例においては、インフレータ1
6の取付孔78の中心から中央基布70の前記横幅の中
心方向(図8(B)における矢印G方向)に沿わせるた
めに、このガスの拡散方向に図3(A)における折り山
線Lを向けて重合、縫着がされる。
【0033】この縫合糸76は一例として420デニー
ルのナイロン縫糸とされている。すなわち、ベントホー
ル74の縫製部分の強度は、側基布68A、68Bと中
央基布70の外周縁部分の縫製強度以下の縫製強度とさ
れている。このために、第1実施例と同様の強度差別手
段が使用できる。
【0034】次に、第3実施例の作用を説明する。上記
構成の袋体60は、エアバッグ装置62の非作動状態で
は、折り畳まれた状態でインストルメントパネル66内
に格納されている。
【0035】この状態から車両急減速状態になると、図
示しない加速度センサが作動して、インフレータ16か
ら発生したガスがインフレータ16のガス孔16Aから
袋体60内へ流入して、袋体60が膨出しようとする。
このときガスの拡散方向、すなわち、インフレータ16
の取付孔78の中心から中央基布70の前記横幅の中心
方向に沿って、袋体60の膨張初期の前方突出力によっ
て膨張衝撃張力Fが発生する。しかし、本実施例に係る
ベントホール74では、孔74Aの周縁部分がこのガス
の拡散方向に沿って縫着されているため、この膨張衝撃
張力Fはベントホール74に加わらない。このため、袋
体60の膨張途中においては、孔74Aの周縁部分に縫
製された縫合糸76は縫合状態を維持し、ベントホール
74は閉塞状態を維持される。従って、袋体60の膨張
途中でベントホール74からガスが排気されることがな
いので、インフレータ16から発生したガスが比較的低
圧、低速であっても短時間に膨出すると共に、袋体60
の内圧が膨出初期に必要な値に達する。すなわち、袋体
60の膨張動作は遅延されることなく、図示しないエア
バッグカバーを破断させて、袋体60は瞬時に膨張状態
となって、図7に示すように、インストルメントパネル
66と乗員Mとの間に介在する。
【0036】一方、袋体60が完全に膨張状態となり、
袋体60の内圧が乗員Mの当接によって又はガス圧によ
って上昇すると、ベントホール74の孔74Aは側基布
68A、68Bと中央基布70の外周縁部分の縫製強度
以下の縫製強度によって縫製されているため、袋体60
の内圧の上昇に伴ってベントホール74に押圧力が作用
し側基布68A、68Bと中央基布70の外周縁部分の
縫合糸72A、72Bより先に縫合糸76が破断する。
これにより、ベントホール74の重合部74Bが離反し
孔74Aが袋体60の内外を連通する状態となり、孔7
4Aからガスが流出する。このため、袋体60の内圧の
過度な上昇が抑えられ、乗員Mの衝撃エネルギーがスム
ースに吸収されて乗員Mは袋体60によって確実に受け
止められる。
【0037】なお、本実施例におけるエアバッグセンサ
の種類としては、機械式であるか、電気式であるかを問
わず、ガス供給源も図示構造に限らず、他の車体部分か
ら圧力ガスを導くものであってもよい。また、本実施例
では、インフレータ16を下基布20、48の取付孔2
4、又は、中央基布70の取付孔78に取り付けた構造
としたが、これに限らず、インフレータ16を車体の他
の部分に設置することができる。
【0038】さらに、縫合糸28、54、76の太さ、
強度は本実施例に限定されるものではなく、孔26A、
52A、74Aの対向周縁部を互いに縫着して孔26
A、52A、74Aを閉止し、袋体10、40、60の
内圧上昇により破断して縫着を解除できる太さ、強度で
あれば、適宜変更できる。また、上記実施例では、図3
(C)において縫合糸28を半円状に縫い込んでいる
が、屈曲直線状に縫い込んで部分的に引っ張り応力が集
中し易くしてもよい。さらに、縫合糸28は孔26Aの
回りを全周に渡って縫い込む以外にも周囲の一部を残し
て他の部分のみを縫い込むようにしてもよい。あるい
は、上記実施例では、縫着用として用いた縫合糸にナイ
ロン縫糸を使用しているが、先に述べたように天然繊維
又は合成繊維等の各種糸が適用でき、さらには縫着可能
であれば、糸以外のガラス、金属等であってもよい。
【0039】
【発明の効果】以上説明したように本発明に係るエアバ
ッグ装置用袋体は、簡単な構造により、短時間に膨出し
確実に乗員の衝突エネルギーを吸収できるという優れた
効果を有する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施例に係るエアバッグ装置用袋
体の構成を示す膨張状態において一部を破断した斜視図
である。
【図2】本発明の第1実施例に係る袋体を車体側から見
た状態を示す底面図である。
【図3】(A)乃至(C)は本発明の第1実施例に係る
袋体のベントホールの縫着手順を示す斜視図である。
【図4】本発明の第1実施例に係る袋体が適用されたエ
アバッグ装置が作動し袋体が膨張した状態における概略
側面図である。
【図5】本発明の第2実施例に係る袋体が適用されたエ
アバッグ装置の概略全体構成図である。
【図6】(A)は本発明の第2実施例に係るエアバッグ
装置用袋体を一部を破断して半乗員側から見た斜視図で
あり、(B)は本発明の第2実施例に係る袋体を反乗員
側から見た状態を示す側面図である。
【図7】本発明の第3実施例に係る袋体が適用されたエ
アバッグ装置の概略全体構成図である。
【図8】(A)は本発明の第3実施例に係るエアバッグ
装置用袋体を乗員側から見た斜視図であり、(B)は本
発明の第3実施例に係る袋体を車体上側から見た状態を
示す上面図である。
【図9】先行技術における袋体を車体側から見た状態を
示す底面図である。
【図10】先行技術におけるエアバッグ装置用袋体の構
成を示す膨張状態において一部を破断した斜視図であ
る。
【符号の説明】
10 袋体 12 エアバッグ装置 16 インフレータ 24 取付孔 26 ベントホール 26A 孔 26B 重合部 28 縫合糸 40 袋体 42 エアバッグ装置 52 ベントホール 52A 孔 52B 重合部 54 縫合糸 60 袋体 62 エアバッグ装置 74 ベントホール 74A 孔 74B 重合部 76 縫合糸 78 取付孔
フロントページの続き (72)発明者 東浦 賢 愛知県豊田市トヨタ町1番地 トヨタ自動 車株式会社内

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ガス供給部から送られる膨張用圧力ガス
    を排気するためのベントホールを有するエアバッグ装置
    用袋体において、 前記ガス供給部とベントホールとを結ぶガス拡散方向を
    介してその両側にあるベントホール周縁部を互いに縫着
    してベントホールを閉塞し、内圧上昇により破断して縫
    着を解除する縫着部を有することを特徴とするエアバッ
    グ装置用袋体。
JP7615094A 1993-12-15 1994-04-14 エアバッグ装置用袋体 Pending JPH07223503A (ja)

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JP31554293 1993-12-15
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Cited By (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2004090814A (ja) * 2002-08-30 2004-03-25 Honda Motor Co Ltd エアバッグ装置
JP2008030568A (ja) * 2006-07-27 2008-02-14 Toyota Motor Corp エアバック装置
US7631899B2 (en) 2002-06-05 2009-12-15 Takata Corporation Seat belt apparatus
JP2011105107A (ja) * 2009-11-16 2011-06-02 Toyoda Gosei Co Ltd エアバッグ装置のガス分配構造
JP2011518067A (ja) * 2008-04-15 2011-06-23 オートリブ ディベロップメント エービー エアバッグ

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