JP2944918B2 - クレーンのアウトリガ装置 - Google Patents

クレーンのアウトリガ装置

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、トラック等の車両
に架装搭載されるクレーンのアウトリガ装置に関するも
のである。
【0002】
【従来の技術】クレーンのアウトリガ装置には、外筒内
に内筒を摺動伸縮可能に嵌挿してアウトリガを構成し、
このアウトリガの外筒の上端をクレーンの架台に設けた
アウトリガブラケットに枢支ピンで側方へ回動可能に枢
支したものがある。このクレーンのアウトリガ装置は、
クレーン作業時には、アウトリガが最小張出位置でも差
し支えない場合は、作業を開始する際に内筒を伸長させ
るだけでよいが、アウトリガを最大張出位置にしなけれ
ば安定を確保できない場合、外筒を枢支ピンを中心とし
て外側へ回動させて固定し、内筒を伸長して下端を接地
させ安定を確保する。これを格納するときには、内筒を
縮小し、外筒を内側へ回動させて格納位置で固定する。
【0003】ところが、このアウトリガ装置は、アウト
リガを格納位置から最大張出位置まで作業者が人力で回
動させなければならず大きな労力を要するという欠点が
ある。
【0004】そこで、図3に示すように、内筒22が外
筒21内に収納された縮小位置にあるときのアウトリガ
2の重心Gの位置を通り、このアウトリガ2の伸縮方向
の中心軸線に平行な線Xより張出方向の外側位置に枢支
ピン5を設け、アウトリガ2を格納位置Aから最大張出
位置Cまで、アウトリガ2の自重を利用して外側へ回動
できるようにしたアウトリガ装置1が提案されている
(特公平4−17875号参照)。
【0005】このアウトリガ装置1では、作業を開始す
る際に、外筒21の格納位置Aでの固定ピン6を抜くこ
とにより、アウトリガ2は、その重心Gが枢支ピン5の
鉛直下方位置に達するまで自動的に外側へ回動するの
で、作業者が最大張出位置Cまで人力で回動させる必要
がない。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、このク
レーンのアウトリガ装置1では、アウトリガ2の最大張
出位置Cへの回動は自重で行われるものの、格納の際に
は、最大張出位置Cから格納位置Aまで作業者が人力で
回動させる必要があった。本発明は、クレーンのアウト
リガ装置におけるかかる問題を解決するものであって、
アウトリガの格納位置から最大張出位置への回動だけで
なく、最大張出位置から格納位置への回動も人力によら
ず自動的に行うことのできる、操作性に優れたクレーン
のアウトリガ装置を提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明では、外筒内に内
筒を摺動伸縮可能に嵌挿したアウトリガを、クレーンの
架台に設けたアウトリガブラケットに、枢支ピンで側方
へ回動可能に枢支したクレーンのアウトリガ装置におい
て、内筒の上端部にガイドローラを設け、アウトリガブ
ラケットには、内筒の縮小時にガイドローラを案内して
アウトリガを内側へ回動させるガイド部材を設けること
により上記課題を解決している。
【0008】本発明のクレーンのアウトリガ装置では、
作業時にはまず外筒の格納位置での固定を解き、内筒を
伸長させることにより、ガイドローラが下降してガイド
部材から離れ、アウトリガが外側の最大張出位置まで自
動的に回動して接地する。格納時には、内筒を縮小させ
ると、ガイドローラが上昇してガイド部材に係合し、こ
れに案内されて、アウトリガが内側の格納位置まで自動
的に回動する。
【0009】クレーンのアウトリガ装置には、アウトリ
ガを外側へ回動させるよう付勢する付勢手段を設けるこ
とにより、アウトリガの重心位置が枢支ピンの鉛直下方
位置を超える外側までアウトリガを回動させることがで
きるようになる。
【0010】
【発明の実施の形態】図1は、この発明の実施の一形態
であるクレーンのアウトリガ装置の構成を示す正面図、
図2はガイドローラとガイド部材の係合状態の説明図で
ある。ここで、クレーンのアウトリガ装置1の基本的な
構造は、従来のアウトリガ装置と同様であり、アウトリ
ガ2は、外筒21内に内筒22を摺動可能に嵌挿し、外
筒21と内筒22との間にアウトリガシリンダ23を取
付け、このアウトリガシリンダ23の伸縮により、内筒
22が外筒21に対して伸縮するように構成されてい
る。
【0011】アウトリガ2の外筒21には、外側(図上
左側)に枢支ピンブラケット24、内側に固定ピンブラ
ケット25が設けられており、枢支ピンブラケット24
が、クレーンの架台3に設けたアウトリガブラケット4
に、枢支ピン5で枢支されている。固定ピンブラケット
25は、アウトリガ2を最小張出位置Bで使用する場合
に、固定ピン6でアウトリガブラケット4に固定するた
めのものである。固定ピン6は、アウトリガ2を最大張
出位置Cで使用する場合には、抜出して所定の場所に保
管しておく。
【0012】枢支ピン5は、内筒22が外筒21内に収
納された縮小位置にあるときのアウトリガ2の重心Gよ
り外側位置にあるので、アウトリガ2には固定ピン6で
固定されていないときは自重で外側へ回動させようとす
る力が働く。このアウトリガ装置1では、内筒22の上
端部の内側にガイドローラ26が設けられている。外筒
21の上端には切欠部27が形成されており、アウトリ
ガ2の内筒22が縮小したとき、ガイドローラ26は上
昇して外筒21より外に露出するようになっている。
【0013】アウトリガブラケット4のアウトリガ2の
内側には、上方が外側に向かって湾曲したガイド部材7
が設けられている。内筒22が縮小するとガイドローラ
26がこのガイド部材7に係合し、ガイドローラ26は
上昇するにつれてガイド部材7に案内されて外側へ移動
するので、アウトリガ2は格納位置Aまで強制的に内側
へ回動される。
【0014】また、アウトリガブラケット4と外筒21
との間には、アウトリガ2を外側へ回動させるよう付勢
するスプリング8が設けられている。このスプリング8
を設けることにより、重心Gの位置が枢支ピン5の鉛直
下方位置を超える外側までアウトリガ2を回動させるこ
とができるようになるので、重心Gの位置を考慮するこ
となく最大張出位置Cや枢支ピン5の取付位置を決定す
ることができるようになる。
【0015】最大張出位置Cを重心Gが枢支ピン5の鉛
直下方となる位置、またはそれより内側に設定した場合
には、スプリング8を設ける必要はない。作業の際、ア
ウトリガ2が最小張出位置Bでも安定が確保できる場合
には、アウトリガ2を固定ピン6でアウトリガブラケッ
ト4に固定したままで、内筒22を伸長させて接地させ
る。作業終了後は、内筒22を縮小すれば格納位置Aに
戻る。
【0016】作業の際、アウトリガを最大張出位置Cに
しなければ安定を確保できない場合には、固定ピン6を
抜出してから内筒22を伸長させる。ガイドローラ26
が下降するときは、まずガイドローラ26がガイド部材
7に案内されてアウトリガ2が外側への回動を開始し、
さらにガイドローラ26が下降して、ガイド部材7から
離れると、アウトリガ2がその自重及びスプリング8の
力で外側の最大張出位置Cまで自動的に回動して接地す
る。格納時には、内筒22を縮小させると、ガイドロー
ラ26が上昇してガイド部材7に係合し、これに案内さ
れて、アウトリガ2が内側の格納位置Aまで自動的に回
動し格納される。
【0017】このように、このアウトリガ装置1では、
格納位置Aから最大張出位置Cまでアウトリガ2を張出
させる場合にも、最大張出位置Cから格納位置Aまでア
ウトリガ2を格納する場合にも、アウトリガ2は自動的
に回動するので、作業者が張出位置まで人力で回動させ
る必要はない。
【0018】
【発明の効果】以上説明したように、この発明のクレー
ンのアウトリガ装置は、アウトリガの格納位置から最大
張出位置への回動だけでなく、最大張出位置から格納位
置への回動も人力によらず自動的に行うことのでき、操
作が容易になる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の一形態であるクレーンのアウト
リガ装置の構成を示す正面図である。
【図2】ガイドローラとガイド部材の係合状態の説明図
である。
【図3】従来のクレーンのアウトリガ装置の構成を示す
正面図である。
【符号の説明】
1 アウトリガ装置 2 アウトリガ 3 架台 4 アウトリガブラケット 5 枢支ピン 6 固定ピン 7 ガイド部材 8 スプリング 21 外筒 22 内筒 23 アウトリガシリンダ 24 枢支ピンブラケット 25 固定ピンブラケット 26 ガイドローラ 27 切欠部 A 格納位置 B 最小張出位置 C 最大張出位置 G 重心

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 外筒内に内筒を摺動伸縮可能に嵌挿した
    アウトリガを、クレーンの架台に設けたアウトリガブラ
    ケットに、枢支ピンで側方へ回動可能に枢支したクレー
    ンのアウトリガ装置であって、内筒の上端部にガイドロ
    ーラを設け、アウトリガブラケットには、内筒の縮小時
    にガイドローラを案内してアウトリガを内側へ回動させ
    るガイド部材を設けたことを特徴とするクレーンのアウ
    トリガ装置。
  2. 【請求項2】 アウトリガを外側へ回動させるよう付勢
    する付勢手段を備えたことを特徴とする請求項1記載の
    クレーンのアウトリガ装置。
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