JPH0138142Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 （産業上の利用分野） 本考案は、タワークレーン以外の作業時タワー
ジブ起伏用シーブブラケツトを立起して巻上ロー
プとの干渉を防止するための装置に関するもので
ある。

（考案が解決すべき従来技術の問題点） タワーアタツチメントが装着されたタワー仕様
の移動式クレーンを使用してタワークレーン以外
の作業を行なう場合、通常巻上ドラムの上方位置
にタワージブ起伏用シーブブラケツトが位置して
おり、これと巻上ロープが干渉してしまつて作業
ができないため、従来は通常の移動式クレーンと
して使用する場合タワージブ起伏用シーブブラケ
ツトを取外していた。しかし、その取外しには別
のクレーンが必要であり、作業の準備に手間取る
という不具合を免れなかつた。

（考案の目的） 本考案は、前記従来の問題点を解決するために
創案されたもので、タワージブ起伏用シーブブラ
ケツトを取外すことなくタワークレーン以外の作
業を行なえるようにすることを目的とする。

（考案の構成） 本考案の移動式クレーンにおけるタワージブ起
伏用シーブブラケツトの起立装置は、アツパフレ
ーム４の前部にマストバツクステイ２とリアスト
ラツト３をリジツドに固設し、マストバツクステ
イ２の上端にアツパストラツト１１の一端を回動
可能に枢着し、該アツパストラツト１１の他端に
は伸縮可能なバツクステイ１の一端を回動可能に
枢着し、該バツクステイ１の他端を前記アツパフ
レーム４の後部に回動可能に枢着すると共に、ア
ツパストラツト１１とバツクステイ１との枢着軸
芯上にブーム起伏用シーブ２５を設けたＡフレー
ムを有する移動式クレーンにおいて、アツパスト
ラツト１１の略中央部にシーブ２０を配設すると
共に、マストバツクステイ２とアツパストラツト
１１の枢着軸芯上にタワージブ起伏用シーブブラ
ケツト１６の一端を回動可能に枢着し、該タワー
ジブ起伏用シーブブラケツト１６と前記シーブ２
０の下方のアツパフレーム４上とにロープ取付け
用アンカー１７，２１を夫々設け、該ロープ取付
け用アンカー１７，２１をシーブ２０を介してロ
ープ２２により連結したことを特徴とする。

（実施例） 以下本考案の一実施例を図面により説明する。

図中１は複数段に伸縮可能なバツクステイ、２
はマストバツクステイ、３はリアストラツトであ
る。

マストバツクステイ２とリアストラツト３の一
端はブラケツト６，７を介してピン９，１０によ
り移動式クレーンのアツパフレーム４（上部旋回
体）上に連結され、かつ、リアストラツト３の他
端はマストバツクステイ２の他端に設けたマスト
ストラツト１３にピン１４により連結されてお
り、かくして、マストバツクステイ２とリアスト
ラツト３はアツパフレーム４の前部にリジツドに
固設されている。

バツクステイ１の一端はブラケツト５を介して
ピン８により前記アツパフレーム４の後部に回動
可能に枢着されている。

１１はアツパストラツトで、該アツパストラツ
ト１１の一端はバツクステイ１の一端にアツパヘ
ツドシヤフト１２により回動可能に枢着され、他
端はマストバツクステイ２の上端にシヤフト１５
により回動可能に枢着されている。

１６はタワージブ起伏用シーブブラケツトで、
該タワージブ起伏用シーブブラケツト１６の一端
は前記Ａフレームを構成するマストバツクステイ
２とアツパストラツト１１の枢着軸芯（シヤフト
１５）上に回動可能に枢着されている。このシー
ブブラケツト１６にはロープ取付け用アンカー１
７が、枢着側端部の上部には受けローラ１８が枢
着されている。また、アツパストラツト１１の略
中央部には、該アツパストラツト１１間に架設さ
れたシーブ取付板１９を介してシーブ２０が枢着
されている。さらに、このシーブ２０の下方のア
ツパフレーム４上にはロープ取付け用アンカー２
１が設けられている。そして、バツクステイ１が
短縮した第２図に実線で示されるローマスト状態
で、シーブブラケツト１６とアツパフレーム４上
に設けられたロープ取付け用アンカー１７，２１
が、シーブブラケツト１６上の受けローラ１８と
アツパストラツト１１上のシーブ２０とに掛けら
れたロープ２２により連結されている。

２３は巻上ドラム兼タワージブ起伏用ドラム、
２４はブーム起伏用ドラムである。２５はシーブ
で、アツパヘツドシヤフト１２に装着されてい
る。ブーム起伏用ロープ２６は、ドラム２４に元
付けられて巻回され、シーブ２５上と受けローラ
１８上に掛けられてブーム２７の先端に連結され
ている。巻上ロープ２８は、ドラム２３に元付け
られて巻回されると共に、ブーム先端に枢着され
たシーブと吊上フツクに備えたシーブとに掛けら
れてブーム先端に連結されている。

（作用） ブーム起伏用ドラム２４を巻上方向（第２図の
時計回り方向）に回転させて該ドラム２４にブー
ム起伏用ロープ２６を巻込むと、ブーム２７が極
めて重く、ロープ２６の固定支持部となるため、
該ロープ２６によつて、Ａフレームは、徐々に第
２図の実線で示されるローマストの状態から同図
の想像線で示されるハイマストの状態となる。そ
の際、アツパストラツト１１がシヤフト１５を中
心として第２図の反時計回り方向に回転し、該ア
ツパストラツト１１の中央に装着されたシーブ２
０が持ち上げられるから、タワージブ起伏用シー
ブブラケツト１６とアツパフレーム４を連結した
ロープ２２のたるみ分がまずなくなり、遂にはア
ツパフレーム４を固定支持部とする該ロープ２２
によつて、タワージブ起伏用シーブブラケツト１
６は、シヤフト１５を中心として第２図の時計回
り方向に回転され始め、Ａフレームがハイマスト
の状態になつた時巻上ロープ２８と干渉しない位
置まで立起される。

タワージブ起伏用シーブブラケツト１６を使用
する場合、これを前記と逆の手順で元の水平状態
に戻し、かつ、該ブラケツト１６とアツパフレー
ム４を連結するロープ２２を外せばよい。

（考案の効果） 以上の通り、本考案は、Ａフレームをローマス
トの状態からハイマストの状態にすることによつ
て、タワージブ起伏用シーブブラケツトを巻上ロ
ープと干渉しない位置まで立起すことができる構
成であるから、タワークレーン以外の作業時タワ
ージブ起伏用シーブブラケツトを一々取外さずに
済み、タワークレーン作業とそれ以外の作業の切
換え準備が迅速にできる。しかも極めて簡単な構
成であるから、製作が容易かつ安価にできると共
に、既存の移動式クレーンにも容易に適用でき
る。

【図面の簡単な説明】

第１図は移動式クレーンをブーム地上設置時の
状況にて示す概要図、第２図は同クレーンの要部
拡大図、第３図は第２図の〜線断面図である。 １……バツクステイ、２……マストバツクステ
イ、３……リアストラツト、４……アツパフレー
ム、５，６，７……ブラケツト、８，９，１０…
…ピン、１１……アツパストラツト、１２……ア
ツパヘツドストラツト、１３……マストストラツ
ト、１４……ピン、１５……シヤフト、１６……
タワージブ起伏用シーブブラケツト、１７，２１
……ロープ取付け用アンカー、１８……受けロー
ラ、２０……シーブ、２２……ロープ。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. アツパフレーム４の前部にマストバツクステイ
   ２とリアストラツト３をリジツドに固設し、マス
   トバツクステイ２の上端にアツパストラツト１１
   の一端を回動可能に枢着し、該アツパストラツト
   １１の他端には伸縮可能なバツクステイ１の一端
   を回動可能に枢着し、該バツクステイ１の他端を
   前記アツパフレーム４の後部に回動可能に枢着す
   ると共に、アツパストラツト１１とバツクステイ
   １との枢着軸芯上にブーム起伏用シーブ２５を設
   けたＡフレームを有する移動式クレーンにおい
   て、アツパストラツト１１の略中央部にシーブ２
   ０を配設すると共に、マストバツクステイ２とア
   ツパストラツト１１の枢着軸芯上にタワージブ起
   伏用シーブブラケツト１６の一端を回動可能に枢
   着し、該タワージブ起伏用シーブブラケツト１６
   と前記シーブ２０の下方のアツパフレーム４上と
   にロープ取付け用アンカー１７，２１を夫々設
   け、該ロープ取付け用アンカー１７，２１をシー
   ブ２０を介してロープ２２により連結したことを
   特徴とする移動式クレーンにおけるタワージブ起
   伏用シーブブラケツトの起立装置。