JPH0117590Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本考案はクレーン等の作業機のガントリー位置
組替え装置に関する。

〔従来の技術〕

クレーン等の作業機は第７図に示す如く、下部
走行体１に載置した上部旋回体２のブーム支持ブ
ラケツト３にクレーンブーム４下部のブラケツト
５を軸止し、旋回体２に設けた巻上げドラム６か
ら巻出されるブーム俯仰ロープ７を旋回体２後部
に設置したガントリー８を介してペンダントロー
プ９に連結し、ペンダントロープ９の一端をクレ
ーンブーム４の上部に取付けて、巻上げドラム６
の巻上げ、巻下げでクレーンブーム４を俯仰し、
巻上げドラム１０のワイヤロープ１１をフツク１
２に掛けて作業を行う。尚、１４はブーム４のあ
おり止め用バツクストツパである。

前記ガントリー８は前脚８ａと後脚８ｂで構成
され、後脚８ｂは二重の鋼管で伸縮可能に構成さ
れ、係止ピン１３の挿入によつてガントリー８を
高位置（後脚８ｂを伸長した場合）と低位置（後
脚８ｂを縮小した場合）に組替えできるようにな
つている。通常ガントリー８は、クレーン作業時
やブーム４の起伏時には高位置に固定され、輸送
時には輸送限界の関係から低位置に固定される。

低位置に固定されたガントリー８を高位置に組
替えるには、ブーム４の先端を地面に当接させ
て、ガントリー８の後脚８ｂの係止ピン１３を抜
いて後脚８ｂを伸縮自在にし、巻き上げドラム６
でブーム俯仰ロープ７を巻き上げる。一般にブー
ム４は重量が大きいので、俯仰ロープ７の巻上げ
によつて、後脚８ｂは伸長しガントリー８は高位
置になる。そして、係止ピン１３を挿入して固定
する。その後、巻上げドラム６で俯仰ロープ７を
巻上げればブーム４は俯仰する。

次に輸送時などで、ガントリー８を低位置にす
る場合は、巻上げドラム６で俯仰ロープ７を巻下
げ、ブーム４の先端を地面に当接させてから、ガ
ントリー８の後脚８ｂの係止ピン１３を抜き、巻
上げドラム６で俯仰ロープ７を徐々に巻下げる。
この作業により、後脚８ｂはゆつくりと縮小し、
ガントリー８は後傾して低位置となる。

尚、ブーム４は要求される作業によつてその長
さを変えられるように、上部ブーム４ｂ、複数の
中間ブーム（図示せず）、下部ブーム４ａで構成
される。このブーム４の継ぎ足し作業は、ガント
リー８を高位置に固定し、本体側に取り付けられ
た例えば下部ブーム４ａの先端を少し浮かすよう
にして行われる。

〔考案が解決しようとする問題点〕

このように、移動式クレーンは、ブーム４を分
割可能としガントリー８を後傾させて低位置とし
てトレーラ搬送を便利にしているが、輸送時の状
態をできるだけコンパクトかつ軽量にするため、
輸送時において本体に取付けられたままの下部ブ
ーム４ａは、できるだけ軽量なものとされる。こ
のため、軽量の下部ブーム４ａのみが本体に取り
付けられた状態においては、前記ガントリー８の
高位置と低位置の組替え作業がスムーズに行えな
いという問題がある。

即ち、ガントリー８を高位置にする場合は、巻
上げドラム６でブーム俯仰ロープ７を巻上げて
も、下部ブーム４ａが浮き上がつてしまい、後脚
８ｂは伸長してくれない。また、ガントリー８を
低位置にする場合においても、ガントリー８の後
脚８ｂの係止ピン１３を抜き、巻上げドラム６で
俯仰ロープ７を徐々に巻下げると、下部ブーム４
ａが浮き上がるとともに急激に後脚８ｂが縮小
し、ガントリー８は後傾して低位置となるため危
険である。

そこで本考案は、ガントリーの高位置と低位置
の組替え作業を危険なくスムーズに行えるガント
リーの位置組替え装置を提供することを目的とす
る。

〔問題点を解決するための手段〕

上記目的を達成するため、本考案のガントリー
の位置組替え装置においては、ブーム支持ブラケ
ツトとブーム下端のブラケツトのそれぞれに、ブ
ーム取付ピンの取付孔の他に係止孔を設けるとと
もに、該係止孔に挿通してブームの回動を必要に
応じて固定する着脱可能ら係止ピンを設けたこと
を特徴としている。

〔実施例〕

本考案の一実施例を第１図乃第４図に基づいて
説明する。図中第７図と同一のものは同一の符号
をつけて説明する。

上部旋回体２の前部に設置されたブーム支持ブ
ラケツト３には、第１図に示す如くクレーンブー
ム４を上下方向に回動可能に軸止する取付孔２０
が設けられており、その縦方向の位置にクレーン
ブーム４固定用の係止孔２１が設けられている。

一方、クレーンブーム４下部ブラケツト５には
取付孔２２と係止孔２３とが設けられており、取
付けピン２４を取付孔２０，２２に挿入してブー
ム支持ブラケツト３にクレーンブーム４を回動可
能に取付けている。

そして前脚８ａと後脚８ｂとからなるガントリ
ー８を低位置から高位置に組替えるには第３図に
示す如く、クレーンブーム４下部のブラケツト５
に設けた係止孔２３とブーム支持ブラケツト３の
係止孔２１を合致させて係止ピン２５を挿入す
る。

これによりクレーンブーム４が上下に分割され
ていて下部ブーム４ａの重量が軽い場合でも、下
部ブーム４ａが固定されて持ち上ることがないの
で巻上げドラム６でブーム俯仰ロープ７を巻上げ
るとガントリー８は上昇して高位置となり、後脚
８ｂに係止ピン１３を挿入して固定する。

そして、ガントリー８を高位置にしてから係止
ピン２５を抜き取つて上部ブーム４ｂを組立てブ
ーム俯仰ロープ７を巻上げてブーム４を俯仰す
る。

第５図及び第６図は本考案の別の実施例を示す
もので、リーダ支持ブラケツト３に係止孔２６を
取付孔２０の横方向の位置に設け、クレーンブー
ム４のブラケツト５にも係止孔２７を設けて係止
ピン２８を挿入してクレーンブーム４を固定す
る。

〔考案の効果〕

本考案は上記のように、ブーム支持ブラケツト
とブーム下端のブラケツトにそれぞれ係止孔を設
け、該係止孔に着脱可能な係止ピンを挿入してブ
ームを固定できるようにしたので、ガントリーの
位置組替え時にブームの回動を阻止することがで
き、ブーム側の重量が軽い場合でも前トラワイヤ
ーを張る等の手間がいらず、容易にしかも危険な
くガントリーの位置を組替えることができる。

【図面の簡単な説明】

第１図及び第２図は本考案に係る一実施例のガ
ントリーの位置組替え装置の要部を示すもので、
第１図は正面図、第２図は平面図、第３図はガン
トリーが低位置にある状態を示す正面図、第４図
は高位置にある状態を示す正面図、第５図及び第
６図は本考案の別の実施例の要部を示すもので、
第５図は正面図、第６図は平面図、第７図は従来
の作業機を示す正面図である。 １は下部走行体、２は上部旋回体、３はブーム
支持ブラケツト、４はクレーンブーム、５はブラ
ケツト、６は巻上げドラム、７はブーム俯仰ロー
プ、８はガントリー、９はペンダントロープ、１
０は巻上げドラム、１１はワイヤロープ、１２は
フツク、１３は係止ピン、１４はあおり止め用バ
ツクストツプ、２０は取付孔、２１は係止孔、２
２は取付孔、２３は係止孔、２４は取付けピン、
２５は係止ピン、２６，２７は係止孔、２８は係
止ピンである。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 本体前部に設けたブーム支持ブラケツトに、ブ
   ームの下端に付設したブラケツトを回動可能にブ
   ーム取付ピンで連結し、本体に設けた巻上げドラ
   ムから本体後部に立設したガントリーを介してペ
   ンダントロープをブーム上端に取付け、該ガント
   リーはその後脚を伸縮可能な二重の鋼管で構成
   し、ブームの自重を利用してガントリーを作業時
   の高位置と輸送時の低位置とに組替えできるよう
   にした移動式クレーンにおいて、前記ブーム支持
   ブラケツトと前記ブーム下端のブラケツトのそれ
   ぞれに、前記ブーム取付ピンの取付孔の他に係止
   孔を設けるとともに、該係止孔に挿通してブーム
   の回動を必要に応じて固定する着脱可能な係止ピ
   ンを設けたことを特徴とするガントリーの位置組
   替え装置。