JPH0544384Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 ［産業上の利用分野］ 本考案は、高層ビルの窓拭用ゴンドラを昇降動
させるためのジブクレーン装置に関するものであ
る。

［従来の技術］ 高層ビルの窓拭用ゴンドラを昇降動させるには
ジブクレーンが使用されている。このジブクレー
ンは、ビルの屋上に設置される昇降マストとその
マスト上に旋回自在に設けられた伸縮自在なクレ
ーン水平ジブからなり、そのジブの先端からワイ
ヤーロープを介して窓拭用ゴンドラが昇降自在に
懸吊されて構成される。またこのジブクレーン
は、窓拭き作業をしないときはビルの美観を損な
わないよう、ビル内に格納するようにしている。

［考案が解決しようとする課題］ しかしながら、このジブクレーンのクレーン水
平ジブは、作業中、屋上のフエンス上より高い位
置まで上昇させる必要があり、しかも作業後は窓
拭用コンドラを屋上まで引き上げるには、そのゴ
ンドラの高さ分、クレーン水平ジブを上昇する必
要がある。従つて、昇降ストロークをかせぐため
には、何段もの伸縮マストが必要となると共に伸
縮ストロークの長い油圧シリンダー或いは多数の
油圧シリンダーを必要とするため、装置がコスト
アツプとなる問題がある。

またクレーン水平ジブの旋回部は、マストの上
端でありマストにかかる転倒モーメントは、ジブ
の旋回角度360°の全範囲となり不安定である。

本考案は、上記事情を考慮してなされたもの
で、昇降ストロークが少なくてもゴンドラを格納
することが可能なジブクレーン装置を提供するこ
とを目的とする。

［課題を解決するための手段］ 本考案は、上記の目的を達成するために、ビル
の屋上などに設置してゴンドラを昇降動するため
のジブクレーン装置において、基礎架台上に旋回
環を介して下部マストを旋回自在に設け、該下部
マストに昇降自在に昇降マストを設け、該昇降マ
ストに、その昇降マストを下部マストに固定する
固定手段を設け、上記昇降マスト上に、水平なク
レーン水平ジブを起伏自在に設け、上記下部マス
トに昇降マストの昇降及びクレーン水平ジブを起
伏させるための油圧シリンダーを設けたものであ
る。

［作用］ 上記の構成によれば、クレーン水平ジブが昇降
マストに対して起伏自在なため、ゴンドラを格納
する際に、油圧シリンダーの伸長によりクレーン
水平ジブを起立させることにより、昇降マストの
位置が低くてもゴンドラを屋上フエンスなどを乗
り越える高さまで持ち上げることが可能となる。

［実施例］ 以下、本考案の好適実施例を添付図面に基づい
て説明する。

第１〜３図において、１はビルなどの屋上に設
置される筒状の基礎架台で、その基礎架台１上に
旋回環２を介して回転自在に筒状の下部マスト３
が設けられる。この下部マスト３には、型鋼等で
四角形状の枠に形成された昇降マスト４が昇降自
在に設けられる。この昇降マスト４の下端の張出
台５上には、例えば昇降マスト４の上限位置でそ
の昇降マスト４を下部マスト３に固定する固定手
段６が設けられる。この固定手段６は、張出台５
に対向して設けた油圧シリンダー６ａと下部マス
ト３に設けられその油圧シリンダー６ａの先端の
ロツドを係合するための穴６ｂから構成される。

昇降マスト４の上面には、水平に伸びかつ伸縮
自在なクレーン水平ジブ７が起伏自在に設けられ
る。このクレーン水平ジブ７は、昇降マスト４に
取り付けられる固定フレーム８と、この固定フレ
ーム８内に貫通して設けられ、前後進移動自在な
根元シヤトルビーム９と、その根元シヤトルビー
ム９に貫通して設けられた先端シヤトルビーム１
０とから主に構成される。この根元シヤトルビー
ム９と先端シヤトルビーム１０は、詳細は図示し
ていないが、滑車１１、ワイヤー１２にて連結さ
れると共に引き込みドラム（図示せず）にワイヤ
ー１２が巻付けられ、そのワイヤー１２の巻取或
いは巻き出しにより先端シヤトルビーム１０が根
元シヤトルビーム９に対して出没移動すると共に
根元シヤトルビーム９が固定フレーム８に対して
前後進移動することで伸縮動するようになつてい
る。

固定フレーム８は、その後端側が起伏支持ピン
１３にて昇降マスト４に連結され、その昇降マス
ト４に対して起伏自在にされる。また固定フレー
ム８の前端側は、係脱自在な昇降固定ピン１４に
て昇降マスト４に連結される。

根元シヤトルビーム９の後端側には、先端シヤ
トルビーム１０の前端からワイヤー１５にて垂下
される窓拭用などのゴンドラ１６を昇降すべく、
そのワイヤー１５を巻取或いは巻き出すための巻
取ドラム１７が設けられる。

下部マスト３には、昇降マスト４の昇降及びク
レーン水平ジブ７の起伏用の油圧シリンダー１８
が設けられる。すなわち、シリンダー部１８ａは
支持ピン１９にて下部マスト３に取り付けられ、
ロツド部１８ｂの先端は固定フレーム８にピン結
合される。

次に上記実施例の作用を説明する。

先ず格納した状態では、昇降マスト４は下限位
置まで下げられ、クレーン水平ジブ７は、第１図
に二点鎖線で示したようにその先端シヤトルビー
ム１０が根元シヤトルビーム９内に収容された状
態にされる。

この状態から窓拭きなどの作業を始める場合、
油圧シリンダー１８のロツド部１８ｂを伸長し、
固定フレーム８、起伏支持ピン１３及び昇降支持
ピン１４を介して昇降マスト４を上限位置まで上
昇させ、その状態で、固定手段６にて下部マスト
３に昇降マスト４を固定する。このように昇降マ
スト４を上昇し固定した後、適宜クレーン水平ジ
ブ７の伸縮させると共に旋回環２により下部マス
ト３、昇降マスト４を介してクレーン水平ジブ７
を旋回させ、巻上げドラム１７にてワイヤー１５
を巻取或いは巻き出してゴンドラ１６の位置を調
整することで、作業すべき窓までゴンドラ１５を
誘導して作業を行う。

さて、この作業始め及び作業終了後は、ゴンド
ラ１６が屋上のフエンスなどを乗り越える必要が
あるが、この場合、先ず、昇降支持ピン１４を取
り外し、次に油圧シリンダー１８のロツド部１８
ｂを昇降マスト４の上昇位置よりさらに伸長させ
ると、第３図に示すよう固定フレーム８が図示の
二点鎖線で示すように起伏支持ピン１３を中心に
回動して起立する。この起立により先端シヤトル
ビーム１０の前端は上昇し、それに応じてゴンド
ラ１６も上昇するため、昇降マスト４をあえて上
昇させなくともフエンスなどを乗り越えることが
可能となる。

また作業中クレーン水平ジブ７の旋回は旋回環
２より、下部マスト３及び昇降マスト４ごと旋回
するため、作業時の荷重が常に前後方向で受ける
こととなり強度的に有利である。

［考案の効果］ 以上説明したことから明らかなように本考案に
よれば次のごとき優れた効果を発揮する。

(1) クレーン水平ジブを起伏できるようにしたの
で、昇降ストロークが少なくともゴンドラを高
く上げることができる。

(2) 昇降ストロークが減少できるので、コストダ
ウンが図れると共に昇降と起伏を油圧シリンダ
ー一本で操作が行える。

(3) 油圧シリンダーは、マスト中心でなく、偏心
した昇降部の重心位置近くに設置できる。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案の一実施例を示す正面図、第２
図は第１図の−線矢視図、第３図は第１図の
詳細図である。 図中、１は基礎架台、２は旋回環、３は下部マ
スト、４は昇降マスト、６は固定装置、７はクレ
ーン水平ジブ、１６はゴンドラである。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. ビルの屋上などに設置してゴンドラを昇降動す
   るためのジブクレーン装置において、基礎架台上
   に旋回環を介して下部マストを旋回自在に設け、
   該下部マストに昇降自在に昇降マストを設け、該
   昇降マストに、その昇降マストを下部マストに固
   定する固定手段を設け、上記昇降マスト上に、水
   平なクレーン水平ジブを起伏自在に設け、上記下
   部マストに昇降マストの昇降及びクレーン水平ジ
   ブを起伏させるための油圧シリンダーを設けたこ
   とを特徴とするジブクレーン装置。