JP2943840B2 - シート束揃え装置 - Google Patents

シート束揃え装置

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、複数枚のシートから成
るシート束の端辺を揃えるシート束揃え装置に関する。
【0002】
【従来の技術】一般の製本作業においては、印刷機で刷
本を作製し、その刷本を複数ページ、例えば16ページ
程度の束ごとに折って、いわゆる折り丁を作製し、その
折り丁を複数束まとめて結束して1冊の本を作製する。
この製本作業を行うための製本機には、通常、その製本
機へ折り丁を供給するための折り丁供給装置が付設され
ており、印刷機及び専用の折り機によって作製された多
数の折り丁はその折り丁供給装置の所定のスタック位置
に立てられた状態で重ねて並べられる。
【0003】折り丁供給装置は、スタックされた折り丁
を一部づつ抜き取って製本機へ供給する。製本機は、供
給される折り丁をページ順に順々に重ね、最終的にステ
ープル処理等といった製本処理を行って目標とする本を
作製する。この製本作業時に、折り丁供給装置上にスタ
ックされた各折り丁が不揃い、すなわち4つの端辺がき
れいに直線状に揃っていないと、各折り丁を抜き取って
ページ順に重ねたときに各折り丁間にズレが生じ、正確
な製本処理を行うことができない。従って、折り丁供給
装置のスタック位置に並べられる折り丁群はそれらの端
辺がきれいに揃っていなければならない。
【0004】また、折り丁供給装置のスタック位置に並
べられた各折り丁が静電気その他の要因によって互いに
吸着していると、折り丁供給装置によって折り丁を一部
づつ分離するという作業を正確に実行することができな
い。よって、折り丁供給装置のスタック位置に並べられ
る各折り丁の吸着状態は予め解消されていなければなら
ない。
【0005】従来、折り丁の端辺揃え処理及び吸着解消
処理を行う場合には、互いに吸着している複数の折り丁
を作業者が作業台の上で手作業によって剥がし、さら
に、適宜量の折り丁を重ねて折り丁束を作り、この折り
丁束の4つの端辺を手作業で揃えた後に、折り丁供給装
置のスタック位置に並べている。しかしながらこの手作
業による方法では、製本作業の省力化及びコストダウン
が図れない。
【0006】この問題点を解消するために、図15に示
すように、適宜量の折り丁51を収容できるカセット5
2を準備し、そのカセット52内に複数の折り丁51を
入れることにより、各折り丁51の端辺揃えや吸着解消
を行うことも考えられる。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】しかしながらカセット
52を用いた場合、例えば、図15に示すように、癖の
ない折り丁51が癖の強い折り丁51の上に載ってしま
ったり、図16に示すように、癖の強い折り丁51同士
が向かい合い、一方の折り丁51の上に載ってしまった
りするため各折り丁51の端辺を揃えることが難しい。
また、カセット52に合った一定量の折り丁51をカセ
ット52内に収容しないと、図17に示すように、カセ
ット52内で折り丁51の腰が折れて、やはり端辺揃え
が難しい。さらに、カセット52を用いると、折り丁5
1のサイズに合わせて多数のカセット52を製作して準
備しなければならず、カセット52を保管するための場
所を確保しなければならない。
【0008】また、図18に示すように、適宜量の折り
丁51を重ねることによって形成された折り丁束53が
互いに向きを反転させて積み上げられて、いわゆるこま
がえ結束される場合には、折り丁束53の端部部分、特
に折り目部に一定方向へ向かって湾曲する癖がつく。こ
のような折り丁束53に関しては、これを折り丁供給装
置に供給する前に、作業者がその端部部分を手作業で逆
方向に折り曲げて湾曲癖を直す必要があった。この補正
作業は、製本作業の効率をより一層低下させる要因とな
っていた。
【0009】本発明は、上記の問題点を解消するために
なされたものであって、互いに吸着し合う複数のシー
ト、例えば折り丁を剥がすこと及び重ねられる複数のシ
ートの端辺を揃えることといった各処理を自動的に行う
ことにより、製本作業等における省力化、コストダウン
を図ることのできるシート束揃え装置を提供することを
目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】上記の目的を達成するた
め、本発明に係るシート揃え装置は、シート束を立てて
並べた状態で載せるシート束載置台と、シート束載置台
の上に載せられたシート束を湾曲状態で支持する支持プ
レートと、シート載置台の上に載せられたシート束の側
辺に当接してその側辺を直線状に揃える横揃え部材とを
有している。横揃え部材は、シート束の側辺に対してほ
ぼ平行の状態を維持しながら、湾曲するシート束の接線
方向の先方からシート束に近づいてその側辺に当接す
る。ここにいうシート束とは、シートを多数枚重ねて並
べた束のことである。例えば、印刷・製本の分野を見た
場合、1枚の折り丁が1枚のシートに相当し、複数の折
り丁を重ねることによって形成された折り丁束がシート
束に相当する。
【0011】横揃え部材を移動させるための機構は特定
の構成に限定されないが、例えば次のように構成でき
る。すなわち、シート束載置台の側方位置に一対の平行
リンクを設け、それらの平行リンクの先端に横揃え部材
を回転可能に装着する。この場合、各平行リンクの回転
支点は、横揃え部材の装着点に比べてシート束の湾曲軌
跡の凸側方向に位置するように設定する。
【0012】支持プレートと横揃え部材との動作の関係
について考えれば、例えば、まず横揃え部材をシート束
の側辺に当接する前に、支持プレートによってシート束
を湾曲状態に圧力をかけて押しつける。次いで、横揃え
部材をシート束の側辺に当接する間は、支持プレートに
よるシート束への押圧を解除する。そして、横揃え部材
のシート束への当接を解除した後に、再び支持プレート
によってシート束を湾曲状態に圧力をかけて押しつけ
る。
【0013】上記の構成要素に加えて、シート束載置台
を振動させる加振手段を本シート束揃え装置に設けるこ
とができる。この加振手段は、シート束載置台の上に立
てて並べられたシート束に振動を加えてそのシート束を
捌く働きを奏する。
【0014】この加振手段を採用したときの動作の関係
について考えれば、例えば、まず横揃え部材をシート束
の側辺に当接する前及び加振手段によってシート束載置
台を振動させる前に、支持プレートによってシート束を
湾曲状態に圧力をかけて押しつける。次いで、横揃え部
材をシート束の側辺に当接する間又は加振手段によって
シート束載置台を振動する間は、支持プレートによるシ
ート束への押圧を解除する。そして、横揃え部材のシー
ト束への当接及び加振手段によるシート載置台の加振を
解除した後、再び支持プレートによってシート束を湾曲
状態に圧力をかけて押しつける。
【0015】上記の構成要素に加えて、さらに、シート
束載置台の上に載せられたシート束の側辺部に向けてエ
アーを吹き付けるエアーノズルを本シート束揃え装置に
設けることができる。
【0016】このエアーノズルを採用したときの動作の
関係について考えれば、例えば、まず横揃え部材をシー
ト束の側辺に当接する前、加振手段によってシート束載
置台を振動する前及びエアーノズルによってシート束に
エアーを吹き付ける前に、支持プレートによってシート
束を湾曲状態に圧力をかけて押しつける。次いで、横揃
え部材をシート束の側辺に当接する間、加振手段によっ
てシート束載置台を振動する間又はエアーノズルによっ
てシート束にエアーを吹き付ける間は、支持プレートに
よるシート束への押圧を解除する。そして、横揃え部材
のシート束への当接、加振手段によるシート載置台の加
振及びエアーノズルによるエアーの吹き付けを解除した
後、再び支持プレートによってシート束を湾曲状態に圧
力をかけて押しつける。
【0017】
【作用】適宜量のシート、例えば折り丁を重ねて形成さ
れたシート束は、一対の支持プレートによって挟まれた
状態でシート束載置台の上に立てて並べられる。シート
として折り丁を適用する場合は、各折り丁の折り目部を
シート束載置台に接触させた状態で並べる。そして、横
揃え部材をシート束の側辺に当接させることによりシー
ト束を揃える。横揃え部材は、シート束の側辺に対して
ほぼ平行の状態を維持しながら、湾曲するシート束の接
線方向の先方からシート束に近づいてその側辺に当接す
るようになっているので、湾曲状態のシート束の側辺に
横揃え部材を当接させるときにシートの側辺が折れ曲が
ることがない。
【0018】
【実施例】図14は、本発明に係るシート束揃え装置を
製本システムに適用した場合の一実施例を模式的に示し
ている。この製本システムは、印刷機7と、仕分け装置
8と、シート束揃え装置9と、そして製本機10とを有
している。仕分け装置8とシート束揃え装置9との間及
びシート束揃え装置9と製本機10との間にはそれぞ
れ、同一の構造、例えば周知のロボットハンドその他の
搬送機構を有する折り丁運搬装置11a,11bが設置
されている。
【0019】印刷機7は、印材例えば紙の上に希望の文
字、画像等を印刷して刷本を作製し、さらに図13に示
すようにその刷本を数ページ分まとめて折り込むことに
より、折り目部Dを有するシートとしての折り丁5を製
造し、そしてその折り丁5を外部へ排出する。印刷機7
の外部には、排出された折り丁5が複数枚積み重ねられ
る。
【0020】積み重ねられた折り丁5は、作業者の手作
業又は適当な運搬装置によって適当量が仕分け装置8の
スタッカ12の上に載せられる。仕分け装置8は、スタ
ッカ12上に並べられた複数枚の折り丁5の中から決め
られた部数、例えば数十部を抜き出し、その抜き出した
折り丁束5’を所定の受け渡し位置Eにセットする。セ
ットされた折り丁束5’は、折り丁運搬装置11aによ
ってシート束揃え装置9の所定スタック位置Pへ運搬さ
れる。
【0021】スタック位置Pに置かれた折り丁束5’を
構成する各折り丁5に関してはそれらの側端辺が不揃
い、すなわち互いに一直線状にきれいに揃っていない。
シート束揃え装置9は、その内部において、不揃いの折
り丁束5’の側辺部を押しつける等して各折り丁5の側
辺を一直線状に揃え、そして揃え終えた折り丁束5’を
再びスタック位置Pに戻してセットする。セットされた
折り丁束5’は、折り丁運搬装置11bによって製本機
10に付設された折り丁供給装置50の上へ運搬され、
そしてそこに先に運搬されていた折り丁群の後尾位置に
連続して並べられる。
【0022】折り丁供給装置50は、並べられた複数部
の折り丁5から折り丁5を1つづつ抜き出して製本機1
0へ供給する。製本機10は、供給される折り丁5をペ
ージが連続するように順々に重ね、最後にステープル処
理その他の製本処理を施して目標とする一冊の本を作製
する。
【0023】シート束揃え装置9は、例えば図1に示す
ように、ロッドレスシリンダ2によって支持された一対
の搬送ハンド1a及び1bを有している。これらの搬送
ハンド1a,1bは、図2から明らかなように、折り丁
束5’の幅方向に沿ってそれぞれ2個づつ設けられてい
る。図1において、ロッドレスシリンダ2は、上下方向
へ延びるガイドロッド4によって案内されながら、エア
シリンダ3によって駆動されて上下移動するフレーム6
上に配設されている。ロッドレスシリンダ2は、それ自
体周知の通り、内部が中空である円筒状のシリンダボデ
ィ13と、シリンダボディ13の内部に格納されて軸方
向へ滑り移動自在であって磁石によって構成されたピス
トン14と、そしてピストン14に吸引されていてその
ピストン14と一体になってシリンダボディ13の外周
表面上を軸方向に滑り移動する移動ブロック15とを有
している。
【0024】シリンダボディ13の両端は、フレーム6
上に施設したレール16上を自由に滑り移動するキャリ
ヤ17に固着されたブラケット18によって支持されて
いる。また、図1における右側搬送ハンド1bから延び
るハンドベース19が上記の移動ブロック15の上端に
固着され、一方、左側搬送ハンド1aから延びる連結バ
ー20がブラケット18を介してシリンダボディ13に
一体に固着されている。シリンダボディ13の左側ポー
ト13aからエアーを供給した図示の状態では移動ブロ
ック15がシリンダボディ13の最右端に位置してい
て、両搬送ハンド1a及び1bは互いに離れている。こ
の状態からシリンダボディ13の右側ポート13bから
エアーを供給すると、移動ブロック15が図の左方へ移
動して右側ハンド1bがそれと一体になって左方へ移動
する。そして同時に、シリンダボディ13がその反力の
ために図の右方へ移動して、その結果、左側ハンド1a
がそれと一体になって右方へ移動する。つまり、左右両
側のハンド1a及び1bが互いに近づく方向へ閉移動す
る。
【0025】ロッドレスシリンダ2及びそれに支持され
た搬送ハンド1a,1bは、エアシリンダ3の伸長動作
によって図1に示す上方位置、すなわち折り丁束5’の
スタック位置Pに位置する。一方、エアシリンダ3の縮
み動作によって図3に示す下方位置、すなわち折り丁束
5’を揃え処理するための位置に位置する。
【0026】図1において、左側搬送ハンド1aの左方
位置には、エアシリンダ35によって駆動されて図の左
右方向へ進退移動する押えプレート36が設けられてい
る。図5に示すように、エアシリンダ35及び押えプレ
ート36から成る押えユニットは、折り丁束5’の両側
端部に対応する2個所に設けられている。
【0027】図1において、搬送ハンド1a,1bの昇
降経路の下方位置に、直線レール21が機枠Fに固定設
置されている。そして、そのレール21上に互いに対向
する一対の支持プレート22a及び22bがそれぞれ図
の左右方向へ自由に滑り移動できるように載せられてい
る。各支持プレート22a,22bは、図9に示すよう
に、下方へ延びる垂下片23a及び23bを備えてお
り、それらの垂下片は図1に示すようにレール21の下
方へ延びている。そして、左側支持プレート22aの垂
下片23aの左側面にエアシリンダ24のシリンダボデ
ィ24aが固着され、シリンダボディ24から延びるピ
ストンロッド24bの先端が右側支持プレート22bの
垂下片23bに固着されている。つまり、エアシリンダ
24は垂下片23a及び23bを介してレール21に吊
り下げられている。
【0028】図9を見れば明らかなように、左側支持プ
レート22aは円弧状に湾曲して突出する凸状湾曲面2
6を備えている。一方、右側支持プレート22bは凸状
湾曲面26に一致する凹状湾曲面27を備えている。ま
た、両方の支持プレート22a及び22bの幅方向の中
央位置に、上下方向に延びるそれぞれ2本づつの溝29
が形成されている。これらの溝29の中を通って搬送ハ
ンド1a及び1b(図2参照)が上下移動する。また、
両方の支持プレート22a及び22bの上下方向の中央
位置よりもやや下方の位置に、水平方向に延びる溝38
が形成されている。
【0029】図1及び図2においてレール21の上方位
置に、互いに間隔を開けて平行に並べられた複数、実施
例では合計6個の細長い板材によって構成されたシート
束載置台28が配置されている。このシート束載置台2
8は、防振ゴムその他の防振材料によって構成されたダ
ンパ25を介して機枠Fに固定設置されている。また、
図2から明らかなように、支持プレート22a及び22
bの垂下片23a及び23bは、シート束載置台28を
上下に貫通している。シート束載置台28の下面には加
振手段としての2個のバイブレータ30が取り付けられ
ている。これらのバイブレータ30が作動したときシー
ト束載置台28が高周波振動する。
【0030】図1に示す状態では、両支持プレート22
a及び22bとの間に吊り下げられたエアシリンダ24
のピストンロッド24bは伸長動作状態にあり、この状
態で、両支持プレート22a及び22bは互いに離れた
状態にある。エアシリンダ24のピストンロッド24b
が縮み動作へ移行すると両支持プレート22a及び22
bは互いに近づく方向へ移動、すなわち閉移動する。
【0031】図2において、支持プレート22b(及び
22a)の左右両側位置にエアーノズルユニット31が
配設されている。これらのユニット31は、支持プレー
ト22b(及び22a)の側方に位置する横エアーノズ
ル32と、支持プレート22b(及び22a)の下方に
位置する下エアーノズル33とを有している。各エアー
ノズル32及び33は図示しないエアー源に接続されて
いて、そのエアー源から供給されるエアーがそれらのエ
アーノズル32,33から噴射される。各エアーノズル
ユニット31には、チェーン搬送系、ネジ軸搬送系その
他任意の構成から成る搬送系34が付設され、この搬送
系34の働きにより、エアーノズルユニット31が図1
の左右方向、すなわち図2の紙面垂直方向へ往復平行移
動する。
【0032】図1及び図2において、搬送ハンド1a及
び1bの上方位置に、周知の昇降機構37によって駆動
されて昇降移動する上下揃え棒49が配置されている。
また、一対の支持プレート22a及び22bの双方に設
けた水平溝38を貫通して互いに対向する一対の横揃え
部材39が設けられている。これらの横揃え部材39
は、図11に示すように、シート束載置台28の両側方
位置に配置された、それぞれ一対の平行リンク40及び
41の先端に回転可能に支持されている。各リンク4
0,41は、支点42,43によって機枠Fに回転自在
に支持されている。個々のリンク40,41を見た場
合、各回転支点42,43は横揃え部材39の装着点Q
に比べてシート、すなわち各折り丁5の湾曲軌跡の凸側
方向(図の右側方向)に位置している。
【0033】一方のリンク43にはガイドロッド44が
設けられ、そのガイドロッドにスライダ45が滑り移動
自在にはめ込まれている。各スライダ45は、エアシリ
ンダ46の出力ロッド46aの先端に取り付けられてい
る。エアシリンダの出力ロッド46aが伸長状態にある
図示の状態において、横揃え部材39は支持プレート2
2a,22bから離れた退避位置にある。一方、エアシ
リンダの出力ロッド46aが収縮状態に移動すると、ス
ライダ45によって各リンク40,41が矢印Aのよう
に支点42,43のまわりに回転移動し、これにより、
各リンクの先端に装着された横揃え部材39が支持プレ
ート22a,22bの溝38(図9参照)の中に入り込
む。このとき、両支持プレート22a,22bの間に折
り丁束5’が挟まれていれば、各横揃え部材39がその
折り丁束5’の両側辺に当接する。なお、符号47は、
折り丁5に対する摩擦係数を高めるための摩擦部材であ
る。
【0034】以下、上記の構成より成るシート束揃え装
置に関してその動作を説明する。
【0035】まず図1において、シート束揃え装置9の
スタック位置Pに搬送ハンド1a及び1bが互いに最も
開いた状態でセットされる。そして、図14において仕
分け装置8によって適宜量に仕分けられ、さらに運搬装
置11aによって運搬された折り丁束5’が両搬送ハン
ド1a及び1b間に挿入され、ハンドベース19の上に
載せられる。この場合、各折り丁5の折り目部D(図1
3参照)がハンドベース19に接触するように載せられ
る。その後、ロッドレスシリンダ2が作動して搬送ハン
ド1a,1bが閉移動して折り丁束5’がそれらの搬送
ハンドによって挟まれる。その後、図6に示すように、
エアシリンダ35が作動してそのピストンロッドが伸長
し、その結果、押えプレート36が折り丁束5’の両側
端部を押圧する。この押圧により、例えば図18に示し
たように湾曲癖がついた折り丁束5’の湾曲癖を取り除
いて折り丁束5’を平坦に成形する。
【0036】その後、押えプレート36が元の退避位置
へ戻り、さらに図1においてエアシリンダ3が作動し
て、搬送ハンド1a及び1bをそれらを支持するロッド
レスシリンダ2ごと下方へ降下させる。降下する搬送ハ
ンド1a,1bは、図4に示すように、支持プレート2
2b(及び22a)に設けた上下方向溝29内を通過す
る。搬送ハンド1a,1bと一体に降下するハンドベー
ス19の上面がシート束載置台28よりも下方位置へ下
がると搬送ハンド1a,1bの降下が停止する。以上の
動作により、ハンドベース19の上に載っていた折り丁
束5’がシート束載置台28の上へ受け渡される。その
後、ロッドレスシリンダ2が作動して搬送ハンド1a,
1bが開放移動、すなわち互いに離れる方向へ移動し
て、折り丁束5’を解放する。
【0037】その後、図1において、エアシリンダ24
が縮み作動して一対の支持プレート22a及び22bが
互いに近づくように移動、すなわち閉移動して折り丁束
5’を圧力下で挟み付ける。この場合、図10に示すよ
うに、左側支持プレート22aは凸状湾曲面26で折り
丁束5’を押圧し、一方、右側支持プレート22bは凹
状湾曲面27で折り丁束5’を押圧する。よって、折り
丁束5’は図示の通りに湾曲状態に折り曲げられる。こ
の折り曲げにより、折り丁束5’を構成する各折り丁5
の腰が強くなる。
【0038】その後、エアシリンダ24の縮み作動が解
除されて両支持プレート22a及び22bが自由に開く
ことができる状態にセットされ、あるいは比較的弱いエ
ア圧力によって互いに開く方向へ付勢される。この状態
で、バイブレータ30が作動してシート束載置台28が
振動し、それと同時に横エアーノズル32及び下エアー
ノズル33からエアーが噴射される。また同時に、ノズ
ル搬送系34の働きによって各ノズル32及び33が折
り丁束5’の側端面に沿って複数回往復移動する。各ノ
ズル32,33から噴出するエアーは、図7に示すよう
に、折り丁束5’の左右側辺5a及び5b並びに下辺5
c、すなわち折り目部Dに吹き付けられる。
【0039】シート束載置台28の振動及び折り丁束
5’に吹き付けられるエアーの働きにより、静電気その
他の原因によって互いに吸着していた各折り丁5が自動
的に剥がされる。なお、各折り丁5の間にエアーが吹き
込まれると、折り丁束5’の重ね方向の幅(図3の左右
方向の幅)が膨らむ。このとき左右の支持プレート22
a及び22bは、折り丁束5’の幅の膨らみに追従して
徐々に開くので、折り丁束5’はそれらの支持プレート
22a及び22bによってしっかりと支持されながら、
しかもエアーの吹き込みによって各折り丁5同士の吸着
を確実に解消できる。
【0040】折り丁束5’に対する振動の付与及びエア
ーの吹き付けと同時に、図8に示すように、上下揃え棒
49が降下して折り丁束5’の上辺5dに当接又は近接
し、同時に、対向する一対の横揃え部材39が閉移動し
て折り丁束5’の左右両側辺5a及び5bに当接又は近
接する。各揃え部材39及び各揃え棒49のこの移動に
より、折り丁束5’を構成する各折り丁5の4つの端辺
が正確に直線状に揃えられる。
【0041】横揃え部材39の折り丁束5’への当接
は、図11において、エアシリンダ46が縮み動作する
ことによってもたらされる。このとき、各横揃え部材3
9の動きは平行リンク40,41によって拘束されるの
で、それらの横揃え部材39は、折り丁束5’の側辺に
対してほぼ平行状態を維持しながら、湾曲する折り丁束
5’の接線方向の先方から折り丁束5’に近づいてその
側辺に当接する。仮に、符号Bで示すように、1枚の折
り丁5が他の折り丁よりも外へ飛び出ていて折り丁束
5’の側辺が不揃いであっても、そこに横揃え部材39
が当接することにより、図19に示すように、飛び出し
た折り丁5が押し戻されて折り丁束5’の側辺がきれい
に直線状に揃えられる。
【0042】横揃え部材39の移動方法として、図12
に示すように、シート束載置台28、従って折り丁束
5’に対して直角方向から真っ直ぐ平行に横揃え部材3
9を当接させるという方法が考えられる。しかしこの場
合には、各折り丁5が支持プレート22a,22bによ
って湾曲状態で支持されていることに起因して、図20
に示すように、折り丁の突出部分が矢印Cで示すよう
に、横揃え部材39が当接したときに折れ曲がってしま
うおそれがある。これに対して本実施例のように横揃え
部材39を、折り丁束5’の側辺に対してほぼ平行状態
を維持しながら、湾曲する折り丁束5’の接線方向の先
方から折り丁束5’に近づくように移動させれば、図2
0に示すような。折り丁の折れ曲がりを確実に防止でき
る。
【0043】なお、折り丁束5’は図11に示すように
強制的に折り曲げられて湾曲するので各折り丁5の腰が
強くなっており、よって、各折り丁5に振動が付与さ
れ、エアーが吹き付けられ、そして上下揃え棒49や横
揃え部材39が当接する場合にも、各折り丁5が座屈し
たり、位置ズレしたりすることがない。従って、折り丁
束に対して安定した側辺の揃え処理を行うことができ
る。
【0044】以上のようにして、各折り丁5の吸着解除
及び端辺揃えが終了すると、一対の支持プレート22a
及び22bが図3において再び閉移動を行って、折り丁
束5’が両側から圧力下で挟み付けられる。これによ
り、エアーの吹き込み等によって膨らんだ折り丁束5’
が適正な幅に圧縮される。その後、搬送ハンド1a及び
1bが図3に示す下方位置から図1に示す上方位置へと
持ち上げられ、よって各折り丁5についての吸着解除及
び側辺揃えを完了した折り丁束5’が再びスタック位置
Pに戻される。こうして戻された折り丁束5’が製本機
へ運ばれることは、図14において説明した通りであ
る。
【0045】以上、好ましい実施例をあげて本発明を説
明したが、本発明はその実施例に限られることなく、請
求の範囲に記載した技術的範囲内で種々に改変できる。
【0046】例えば、上記実施例では、製本システムに
おいて折り丁束の側端辺を揃える場合を例にあげた、す
なわち折り丁をシートとして考えた。しかしながら、そ
の他あらゆる種類のシートに対して本発明が適用できる
ことは明らかである。
【0047】また、支持プレート22a,22bによっ
て挟まれた状態の折り丁束5’に対して振動を加える構
造及びエアーを吹き付ける構造は、本発明に関する限
り、必ずしも必要ではない。また、上下揃え棒49も必
ずしも必要ではない。但し、折り丁束の揃え処理の信頼
性をより一層高めたい場合には、それらの構造を付加す
ることが望ましい。
【0048】
【発明の効果】請求項1記載のシート束揃え装置によれ
ば、腰を強くするためにシート束を湾曲状態にセットし
た場合でも、各シートの側辺の先端を折り曲げることな
く、常に安定してシート束の側辺を揃えることができ
る。
【0049】請求項2記載のシート束揃え装置によれ
ば、簡単で安定した機構により、横揃え部材に所望の平
行運動をもたらすことができる。
【0050】請求項3記載のシート束揃え装置によれ
ば、シート束をきれいに揃えられた一定の外観形状に仕
上げることができる。
【0051】請求項4から請求項7記載のシート束揃え
装置によれば、シート束に対する側端辺の揃え処理に加
えて、シート束を振動させ、さらに側辺部にエアーを吹
き付けることにより、より一層安定した揃え処理を行う
ことができる。
【0052】シート束として折り丁束を適用することを
考えた場合、折り丁束内の1枚の折り丁が折れ曲がった
ときには、その折り丁を折り丁束から抜き取ることは非
常に難しい。従って、シートの側辺先端の折れ曲がりを
確実に防止できる本発明のシート束揃え装置を請求項8
に記載のように折り丁束の側辺を揃えるために用いるこ
とは、特に好都合である。
【0053】
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係るシート束揃え装置の一実施例、特
にシート束としての折り丁束の受け渡し時の状態を示す
正面図である。
【図2】図1における矢印IIに従った側面図である。
【図3】図1に示すシート束丁揃え装置であって、シー
ト束の揃え処理時の状態を示す正面図である。
【図4】図3における矢印IVに従った側面図である。
【図5】図1に示すシート束揃え装置の上部に設けた折
り丁束の癖除去機構を模式的に示す平面図である。
【図6】同癖除去機構が作動した状態を示す平面図であ
る。
【図7】図1に示すシート束揃え装置に設けたエア吹き
付け機構を模式的に示す側面図である。
【図8】図1に示すシート束揃え装置に設けたシート束
の側辺を揃えるための機構の動きを示す側面図である。
【図9】図1に示すシート束揃え装置に設けた一対の支
持プレートの一実施例を示す斜視図である。
【図10】一対の支持プレートの動作を示す平面図であ
る。
【図11】横揃え部材の駆動機構の一実施例を示す平面
図である。
【図12】横揃え部材の駆動形態の別の一例を示す平面
模式図である。
【図13】シートの一例である折り丁を示す斜視図であ
る。
【図14】本発明に係るシート束揃え装置を適用できる
製本システムの一例を示す模式図である。
【図15】カセットケースを用いた従来の折り丁揃え方
法の一例を示す断面図である。
【図16】従来のカセットケースを用いた折り丁揃え方
法における折り丁の不揃い状態の一例を示す断面図であ
る。
【図17】従来のカセットケースを用いた折り丁揃え方
法における折り丁の不揃い状態の他の一例を示す断面図
である。
【図18】多数の折り丁を積み重ねて保管する場合の積
み重ね状態の一例を示す側面図である。
【図19】横揃え部材をシート束の側辺に当接させたと
きの、ある1つの状態を示す平面模式図である。
【図20】横揃え部材をシート束の側辺に当接させたと
きの、他のある1つの状態を示す平面模式図である。
【符号の説明】
1a,1b 搬送ハンド 2 ロッドレスシリンダ 3 エアーシリンダ 4 ガイドロッド 5 折り丁(シート) 5’ 折り丁束(シート束) 19 ハンドベース 22a 凸側支持プレート 22b 凹側支持プレート 23a,23b 支持プレートの垂下片 24 エアーシリンダ 25 ダンパ 26 凸状湾曲面 27 凹状湾曲面 28 シート束載置台 30 バイブレータ(加振手段) 32 横エアーノズル 33 下エアーノズル 39 横揃え部材 40,41 平行リンク 42,43 回転支点 44 ガイドロッド 45 スライダ 46 エアシリンダ 47 摩擦部材 P 折り丁束のスタック位置 F 機枠 Q 装着点
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 平5−97107(JP,A) 特開 昭51−122505(JP,A) 実開 平6−29865(JP,U) (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) B42C 5/00 B42C 19/08 B65H 9/00

Claims (8)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 複数枚のシートから成るシート束の端辺
    を揃えるシート束揃え装置において、 シート束を立てて並べた状態で載せるシート束載置台
    と、 シート束載置台の上に載せられたシート束を湾曲状態で
    支持する支持プレートと、 シート載置台の上に載せられたシート束の側辺に当接し
    てその側辺を直線状に揃える横揃え部材とを有してお
    り、 横揃え部材は、シート束の側辺に対してほぼ平行の状態
    を維持しながら、湾曲するシート束の接線方向の先方か
    らシート束に近づいてその側辺に当接することを特徴と
    するシート束揃え装置。
  2. 【請求項2】 請求項1記載のシート束揃え装置におい
    て、シート束載置台の側方位置に一対の平行リンクを設
    け、それらの平行リンクの先端に横揃え部材を回転可能
    に装着し、各平行リンクの回転支点は横揃え部材の装着
    点に比べてシート束の湾曲軌跡の凸側方向に位置するこ
    とを特徴とするシート束揃え装置。
  3. 【請求項3】 請求項1又は請求項2記載のシート束揃
    え装置において、 横揃え部材をシート束の側辺に当接する前に、支持プレ
    ートによってシート束を湾曲状態に圧力をかけて押しつ
    け、 横揃え部材をシート束の側辺に当接する間は、支持プレ
    ートによるシート束への押圧を解除し、さらに横揃え部
    材のシート束への当接を解除した後に、再び支持プレー
    トによってシート束を湾曲状態に圧力をかけて押しつけ
    ることを特徴とするシート束揃え装置。
  4. 【請求項4】 請求項1から請求項3のうちのいずれか
    1つに記載のシート束揃え装置において、シート束載置
    台を振動させる加振手段を設けたことを特徴とするシー
    ト束揃え装置。
  5. 【請求項5】 請求項4記載のシート束揃え装置におい
    て、 横揃え部材をシート束の側辺に当接する前及び加振手段
    によってシート束載置台を振動させる前に、支持プレー
    トによってシート束を湾曲状態に圧力をかけて押しつ
    け、 横揃え部材をシート束の側辺に当接する間又は加振手段
    によってシート束載置台を振動する間は、支持プレート
    によるシート束への押圧を解除し、さらに横揃え部材の
    シート束への当接及び加振手段によるシート載置台の加
    振を解除した後、再び支持プレートによってシート束を
    湾曲状態に圧力をかけて押しつけることを特徴とするシ
    ート束揃え装置。
  6. 【請求項6】 請求項1から請求項4のうちのいずれか
    1つに記載のシート束揃え装置において、シート束載置
    台の上に載せられたシート束の側辺部に向けてエアーを
    吹き付けるエアーノズルを設けたことを特徴とするシー
    ト束揃え装置。
  7. 【請求項7】 請求項6記載のシート束揃え装置におい
    て、 横揃え部材をシート束の側辺に当接する前、加振手段に
    よってシート束載置台を振動する前及びエアーノズルに
    よってシート束にエアーを吹き付ける前に、支持プレー
    トによってシート束を湾曲状態に圧力をかけて押しつ
    け、 横揃え部材をシート束の側辺に当接する間、加振手段に
    よってシート束載置台を振動する間又はエアーノズルに
    よってシート束にエアーを吹き付ける間は、支持プレー
    トによるシート束への押圧を解除し、さらに横揃え部材
    のシート束への当接、加振手段によるシート載置台の加
    振及びエアーノズルによるエアーの吹き付けを解除した
    後、再び支持プレートによってシート束を湾曲状態に圧
    力をかけて押しつけることを特徴とするシート束揃え装
    置。
  8. 【請求項8】 請求項1から請求項7のうちのいずれか
    1つに記載のシート束揃え装置において、シート束は複
    数の折り丁を重ねることによって形成した折り丁束であ
    ることを特徴とするシート束揃え装置。
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DE102013008533A1 (de) * 2013-05-17 2014-11-20 Heidelberger Druckmaschinen Ag Anleger für einen Klebebinder
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