JP2943630B2 - 加入者ディジタル伝送システムにおける電源オフ情報転送方式 - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は、加入者ディジタル伝送
システムに関し、特に加入者ディジタル伝送システムを
構成する宅内回線終端装置及び加入者端末において電源
がオフした時の電源オフ情報転送方式に関する。

【０００２】

【従来の技術】従来、この種の加入者ディジタル伝送シ
ステムは、図２に示すように構成されている。即ち、１
はネットワーク、２はネットワーク１に収容される加入
者回線を終端する加入者線終端装置（ＳＬＴ）、３はＤ
ＳＵと呼称される宅内回線終端装置、４は加入者端末で
ある。ところで、宅内回線終端装置３及び加入者端末４
は各々独立した電源を有している。ここで、宅内回線終
端装置３には、上述した電源部の他に、この電源部３１
への例えば商用電源の入力断を検出する電源入力断検出
回路３２と、検出された電源オフ情報ａを多重化して加
入者線終端装置２へ電源オフ情報ｂとして送信する多重
化回路３３とが設けられている。また、加入者線終端装
置２内には送信されてきた上述の電源オフ情報ｂを検出
する電源オフ情報検出回路２１が設けられている。な
お、加入者端末４にも、図示省略したが宅内回線終端装
置３と同様な機能を有する各部が設けられている。

【０００３】ここで、例えば宅内回線終端装置３の電源
部３１への入力電圧を監視して電圧の低下が検出される
と、電源入力断検出回路３２では電源オフ情報ａを出力
する一方、多重化回路３３では、この電源オフ情報ａを
トランスペアレント（透過的）の機能を有しないアウト
チャネルに多重化し加入者線終端装置２へ電源オフ情報
ｂとして送信する。加入者線終端装置２では、電源オフ
情報検出回路２１によりこの電源オフ情報ｂを検出し、
宅内回線終端装置３側で電源がオフしたことを認識す
る。

【０００４】

【発明が解決しようとする課題】上述した加入者ディジ
タル伝送システムでは、宅内に設けられた宅内回線終端
装置３または加入者端末４で通信中に電源部への入力電
圧が低下した場合は、加入者線終端装置２で電源オフが
認識されるのみである。また、この入力電圧の低下が検
出された装置では電源が完全に断してオフされるまでは
通信を続行し、この間は、不定データが相手端末側へ送
信されている。

【０００５】従って、通信中の各加入者端末が互いにト
ランスペアレントに情報を伝送するようなインチャネル
を介して相互に相手端末を監視している場合は、オフラ
インを介して事前にこの電源オフ情報を相手装置へ送信
しておかないと、電源電圧低下後に続くこの加入者端末
側からの不定情報によって、相手端末装置側では、ネッ
トワーク１等の通信網の障害として認識してしまうとい
う問題があった。従って本発明は、通信中の加入者端末
または宅内回線終端装置で電源がオフされた場合に相手
端末装置側でこの電源オフを確認できるようにすること
を目的とする。

【０００６】

【課題を解決するための手段】このような課題を解決す
るために本発明は、ネットワークに接続され、電源部を
有する宅内回線終端装置と、この宅内回線終端装置に接
続されると共に電源部を有する加入者端末とからなる加
入者ディジタル伝送システムにおいて、上記電源部の入
力電圧を監視し入力電圧が低下したときに電源オフ情報
を出力する電源断検出回路と、ネットワークを介し相手
加入者端末と情報を伝送するためのインチャネルに電源
オフ情報を多重化する多重化回路と、相手加入者端末及
び相手宅内回線終端装置の何れか一方からインチャネル
を介して送信される電源オフ情報を検出する検出回路
と、検出回路によりインチャンネルの監視用チャネルを
介して電源オフ情報が検出された場合は、以降の監視用
チャネルを介する障害情報をマスクする手段とを加入者
端末及び宅内回線終端装置に設けたものである。

【０００７】

【作用】加入者端末及び宅内回線終端装置の各電源部の
入力電圧を監視し何れか一方の電源部の入力電圧が低下
したときには電源オフ情報が出力され、この電源オフ情
報はネットワークを介し相手加入者端末と情報を伝送す
るためのインチャネルに多重化されて相手加入者端末及
び相手宅内回線終端装置へ送信されると共に、相手加入
者端末及び相手宅内回線終端装置の何れか一方からイン
チャネルを介して送信された電源オフ情報は検出回路に
より検出される。この結果、自装置の電源オフ情報を通
信相手である相手側装置に的確に伝達することができ
る。また、インチャンネルの監視用チャネルを介して電
源オフ情報が検出された場合は、以降の監視用チャネル
を介する障害情報がマスクされる。この結果、電源オフ
情報と通信網の障害とを的確に切り分けることができ
る。

【０００８】

【実施例】以下、本発明について図面を参照して説明す
る。図１は本発明の一実施例を示すブロック図であり、
加入者ディジタル伝送システムの構成を示すものであ
る。同図において、１はネットワークであり、ネットワ
ークには、このネットワーク１に収容されるそれぞれの
加入者回線を終端する加入者線終端装置２Ａ，２Ｂが接
続される。ここで各加入者線終端装置２Ａ，２Ｂには、
各々宅内回線終端装置３Ａ，３Ｂが接続されると共に、
各宅内回線終端装置３Ａ，３Ｂには各加入者端末４Ａ，
４Ｂが接続されている。

【０００９】ところで各宅内回線終端装置３Ａ，３Ｂに
は、電源部３１と、この電源部３１への例えば商用電源
の入力断を検出する電源入力断検出回路３２と、電源入
力断検出回路３２により検出された電源オフ情報ａを相
手端末側へトランスペアレントに伝達できるようにイン
チャネルに多重化する多重化回路３４と、相手端末側か
らインチャネルを介して送信されてきた電源オフ情報ｃ
を検出する電源オフ情報検出回路３５とが設けられてい
る。また、加入者端末４Ａ，４Ｂにも、各宅内回線終端
装置３Ａ，３Ｂと同様な機能を有する、電源部４１、電
源入力断検出回路４２、多重化回路４４、及び電源オフ
情報検出回路４５が設けられている。

【００１０】ここで、加入者端末４Ａ，４Ｂがネットワ
ーク１を介して通信中に、宅内回線終端装置３Ａの電源
部３１への入力電圧の低下が検出されると、電源入力断
検出回路３２では電源オフ情報ａを多重化回路３４へ出
力する。多重化回路３４は、この電源オフ情報ａをイン
チャネルに多重化し電源オフ情報ｃとして加入者線終端
装置２Ａへ出力する。なお、入力電圧の低下が検出され
た宅内回線終端装置３Ａは、入力電圧が完全に無くなっ
て電源部３１がオフされるまでの間は、動作している。

【００１１】ここで宅内回線終端装置３Ａから電源オフ
情報ｃを入力した加入者線終端装置２Ａは、この電源オ
フ情報ｃをネットワーク１へ送信すると共に、ネットワ
ーク１ではこのインチャネルに多重化された電源オフ情
報ｃを、通信相手である加入者端末４Ｂ側へ送信する。
この結果、宅内回線終端装置３Ａの電源オフ情報は、加
入者線終端装置２Ｂを介して宅内回線終端装置３Ｂ内の
電源オフ情報検出回路３５により検出され宅内回線終端
装置３Ａで電源オフしたことが確認される。なお、加入
者端末４Ａで電源がオフした場合も通信相手である加入
者端末４Ｂ側で同様に確認される。

【００１２】従って、通信中の各加入者端末４Ａ，４Ｂ
間でインチャネルを介し伝送状態の監視を行っている場
合、一方の宅内回線終端装置または加入者端末で電源を
オフすると、その情報は電源部３１または電源部４１が
完全にオフされインチャネル内の監視用チャネルが使用
不可となる前に、通信相手である他方の加入者端末また
は宅内回線終端装置へ通知される。そしてこの電源オフ
情報ｃの通知が検出されると、以降、電源オフされた加
入者端末または宅内回線終端装置側から転送される監視
用チャネルを介する障害情報（即ち、不定情報）をマス
クすることによって、通信相手の加入者端末または宅内
回線終端装置の電源オフとネットワーク１の障害との切
り分けができるようなる。

【００１３】このように、一方の加入者端末または宅内
回線終端装置で電源オフを検出した場合に、この電源オ
フ情報を他方の加入者端末または宅内回線終端装置側へ
通知する機能を持たせたことにより、インチャネルに割
り当てた監視用チャネルが使用できなくなる前に、一方
の加入者端末側から転送され監視チャネルから検出され
る障害情報が上述の通知された電源オフ情報に基づき他
方の加入者端末側でマスクされ、この結果、網障害と、
加入者端末または宅内回線終端装置の電源オフとを容易
に識別することが可能になる。

【００１４】

【発明の効果】以上説明したように本発明によれば、加
入者端末及び宅内回線終端装置の各電源部の入力電圧を
監視し何れか一方の電源部の入力電圧が低下したときに
は電源オフ情報を出力し、出力した電源オフ情報を、ネ
ットワークを介し相手加入者端末と情報を伝送するため
のインチャネルに多重化して相手加入者端末及び相手宅
内回線終端装置へ送信すると共に、相手加入者端末及び
相手宅内回線終端装置の何れか一方からインチャネルを
介して送信された電源オフ情報を検出回路により検出す
るようにしたので、自装置の電源オフ情報を通信相手で
ある相手側装置に的確に伝達することができる。また、
インチャンネルの監視用チャネルを介して電源オフ情報
が検出された場合は、以降の監視用チャネルを介する障
害情報をマスクするようにしたので、電源オフ情報と通
信網の障害とを的確に切り分けることができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】 本発明を適用した加入者ディジタル伝送シス
テムの一実施例を示すブロック図である。

【図２】 従来の加入者ディジタル伝送システムの構成
を示す図である。

【符号の説明】

１…ネットワーク、２Ａ，２Ｂ…加入者線終端装置（Ｓ
ＬＴ）、３Ａ，３Ｂ…宅内回線終端装置（ＤＳＵ）、４
Ａ，４Ｂ…加入者端末、３１，４１…電源部、３２，４
２…電源入力断検出回路、３４，４４…多重化回路、３
５，４５…電源オフ情報検出回路。ａ〜ｃ…電源オフ情
報。

Claims (1)

(57)【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 ネットワークに接続され、電源部を有す
   る宅内回線終端装置と、この宅内回線終端装置に接続さ
   れると共に電源部を有する加入者端末とからなる加入者
   ディジタル伝送システムにおいて、 前記電源部の入力電圧を監視し入力電圧が低下したとき
   に電源オフ情報を出力する電源断検出回路と、ネットワ
   ークを介し相手加入者端末と情報を伝送するためのイン
   チャネルに前記電源オフ情報を多重化する多重化回路
   と、相手加入者端末及び相手宅内回線終端装置の何れか
   一方から前記インチャネルを介して送信される前記電源
   オフ情報を検出する検出回路と、前記検出回路により前
   記インチャンネルの監視用チャネルを介して前記電源オ
   フ情報が検出された場合は、以降の監視用チャネルを介
   する障害情報をマスクする手段とを前記加入者端末及び
   宅内回線終端装置に備え、前記電源オフ情報を前記イン
   チャンネルの監視用チャネルを介してトランスペアレン
   トに相手加入者端末側へ送信するとともに、前記検出回
   路により前記電源オフ情報が検出された場合は、以降の
   受信情報をマスクすることを特徴とする加入者ディジタ
   ル伝送システムにおける電源オフ情報転送方式。