JP2940947B2 - ヒートシール可能なガスバリヤ性フィルムの製造方法 - Google Patents

ヒートシール可能なガスバリヤ性フィルムの製造方法

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【発明の詳細な説明】 [産業上の利用分野] 本発明は、食品等の個装、内装、外装等の包装フィル
ムとして好適なヒートシール可能なガスバリア性フィル
ムの製造方法に関する。
[従来の技術と発明が解決しようとする課題] 従来、菓子類等の包装材料として、ヒートシール可能
なフィルムが広く使用されている。このヒートシール可
能なフィルムとしては、通常、二軸延伸ポリプロピレン
フィルムや二軸延伸ポリエチレンテレフタレートフィル
ム等の基材フィルムに、無延伸ポリエチレン等からなる
ヒートシール層をラミネートしたフィルムや、共押出し
ポリプロピレンフィルム等が知られている。
一方、菓子類等の食品用包装フィルムには、内容物の
吸湿や酸化等による変質等を防止するため、ガスバリア
性が要求される。しかしながら、従来のフィルムでは、
上記ガスバリア性を基材フィルムの種類により確保して
いるため、ガスバリア性が十分でない。すなわち、基材
フィルムがポリプロピレンフィルムである場合には、水
蒸気バリア性を確保できるものの、酸素ガスバリア性が
十分でなく、ポリエチレンテレフタレートフィルムであ
る場合には、酸素ガスバリア性を確保できるものの、水
蒸気バリア性が十分でない。このように、上記ヒートシ
ール可能なフィルムでは、水蒸気透過率及び酸素ガス透
過率の双方の特性を同時に満足させることが困難であ
り、内容物の保護効果が十分でない。
従って、本発明の目的は、水蒸気及び酸素ガスの双方
に対して優れたガスバリア性を示すだけでなく、ヒート
シール性に優れたヒートシール可能なガスバリア性フィ
ルムの製造方法を提供することにある。
[発明の構成] 本発明は、基材フィルムに、ポリエステルを含まない
ガスバリア層を介してヒートシール層が形成されたフィ
ルムの製造方法であって、基材フィルムに、塩化ビニリ
デンと他の重合性モノマーとの共重合体を含有し、かつ
良溶媒60〜90重量%と貧溶媒40〜10重量%との割合で有
機溶媒を含む溶剤型塗布液を塗布してガスバリア層を形
成し、塩化ビニリデンと、少なくともカルボキシル基を
有する重合性モノマーを含む共重合性モノマーとの共重
合体を含有する塗布液を塗布してヒートシール層を形成
する方法であり、前記ガスバリア層用塗布液及び/又は
ヒートシール層用塗布液が、ワックスと、シリカ系微粉
末、アルミナ系微粉末及び樹脂微粉末から選ばれた少な
くとも1種の微粉末状滑剤とを含むことを特徴とするヒ
ートシール可能なガスバリア性フィルムの製造方法によ
り、上記課題を解決するものである。
基材フィルムとしては、例えば、ポリエチレン、エチ
レン−アクリル酸エチル共重合体、アイオノマー、ポリ
プロピレン、エチレン−プロピレン共重合体、ポリ−4
−メチルペンテン−1等のオレフィン系樹脂;ポリ塩化
ビニル;ポリ塩化ビニリデン、塩化ビニリデン−塩化ビ
ニル共重合体、塩化ビニリデン−アクリロニトリル共重
合体等の塩化ビニリデン系樹脂;ポリスチレン、スチレ
ン−アクリロニトリル共重合体、スチレン−アクリロニ
トリル−ブタジエン共重合体等のスチレン系樹脂;ポリ
エチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート
等のポリエステル;ナイロン6、ナイロン11、ナイロン
66等のナイロン又はポリアミド;ポリアクリロニトリ
ル;ポリカーボネート;ポリイミド;ポリビニルアルコ
ール;エチレン−酢酸ビニル共重合体やそのケン化物;
セロハン;塩酸ゴム等を素材とする種々のフィルムが使
用できる。
上記基材フィルムのうちオレフィン系樹脂を素材とす
るフィルム、特にポリプロピレンフィルムや、ポリエス
テルを素材とするフィルム、特にポリエチレンテレフタ
レートフィルムは、透明性、機械的強度及び包装適性に
優れている。
基材フィルムは、未延伸であってもよく、一軸又は二
軸延伸処理されていてもよい。延伸法としては、例えば
ロール延伸、圧延延伸、ベルト延伸、テンター延伸、チ
ューブ延伸や、これらを組合せた延伸等の慣用の延伸法
が適用できる。延伸倍率は、所望するフィルムの特性に
応じて適宜設定でき、例えば1.5〜20倍、好ましくは2
〜15倍程度である。延伸倍率が1.5倍未満であると延伸
効果が小さく、20倍を越えると過剰な延伸となり生産性
が低下する。
なお、延伸処理は、フィルムを構成するポリマーの融
点以下であって、二次転移点以上の温度で行なわれる。
またフィルムの延伸後、緊張下で熱処理し、分子の配向
を固定させてもよい。
また基材フィルムの少なくとも一方の面は、表面処理
されていてもよい。表面処理としては、慣用の表面処
理、例えば、コロナ放電処理、高周波処理、火炎処理、
クロム酸処理、溶剤処理等が例示される。これらの表面
処理のうちコロナ放電処理が好ましい。このコロナ放電
処理によると、基材フィルムの表面処理度を簡便かつ容
易に制御できる。基材フィルムの処理度は、密着性を確
保できる範囲であれば特に制限されないが、通常35〜50
dyn/cm、好ましくは37〜45dyn/cm程度である。なお、基
材フィルムの面のうち表面処理面にガスバリア層及びヒ
ートシール層を形成すると、密着性を高めることができ
る。またガスバリア層及びヒートシール層が形成されて
いない面を表面処理すると、該表面処理面で印刷インキ
やラミネート層との密着性を確保できる。
上記基材フィルムは酸化防止剤、紫外線吸収剤、結晶
造核剤、滑剤、染料顔料等の種々の添加剤を含有してい
てもよい。
基材フィルムは単層フィルムであってもよく、二種以
上のフィルムが積層された複合フィルムであってもよ
い。基材フィルムの厚みは特に制限されず、例えば、厚
み1〜250μm、好ましくは5〜100μm程度の基材フィ
ルムが使用できる。
上記基材フィルムには、ガスバリア層を介してヒート
シール層が積層されている。従って、中間層としてのガ
スバリア層でガスバリア性を確保でき、表面に位置する
ヒートシール層でヒートシール性を確保できる。
上記ガスバリア層は塩化ビニリデン系ポリマーを含有
している。塩化ビニリデン系ポリマーは、耐熱安定性、
耐候安定性及び皮膜の柔軟性などの点から、塩化ビニリ
デンと、他の重合性モノマーとの共重合体が好ましい。
重合性モノマーとしては、例えば、塩化ビニル、酢酸ビ
ニル、クロトン酸、アクリル酸、メチルアクリレート、
エチルアクリレート、プロピルアクリレート、イソプロ
ピルアクリレート、ブチルアクリレート、イソブチルア
クリレート、tert−ブチルアクリレート、ペンチルアク
リレート、ヘキシルアクリレート、ヘプチルアクリレー
ト、オクチルアクリレート、2−エチルヘキシルアクリ
レートなどの各種アクリレート、アクリロニトリル、メ
タクリロニトリル、メタクリル酸や、上記アクリレート
に対応するメタクリレートなどが例示される。これらの
重合性モノマーは一種または二種以上使用される。上記
共重合体のうち塩化ビニリデン−アクリロニトリル共重
合体、塩化ビニリデン−塩化ビニル共重合体、塩化ビニ
リデン−酢酸ビニル共重合体、塩化ビニリデン−アクリ
ル酸共重合体、塩化ビニリデン−メタクリル酸共重合
体、塩化ビニリデン−アクリレート共重合体及び塩化ビ
ニリデン−メタクリレート共重合体等の共重合体が好ま
しい。これらの塩化ビニリデン系ポリマーは少なくとも
一種使用される。
またヒートシール層は、前記ガスバリア層との密着性
に優れる塩化ビニリデン系ポリマーを含有するのが好ま
しい。
すなわち、本発明の好ましい態様は、ガスバリア層と
ヒートシール層とが共に塩化ビニリデン系ポリマーを含
有する。ガスバリア性に優れた上記ガスバリア層は、塩
化ビニリデン系ポリマーを含有する溶剤型塗布液で形成
できる。溶剤型塗布液中の有機溶媒は、均一な塗工性や
ガスバリア性を高めるため、良溶媒と貧溶媒とで構成さ
れるのが好ましい。またガスバリア性は、一般に塩化ビ
ニリデン系ポリマーの結晶化度が大きくなるにつれて高
くなり、塩化ビニリデン系ポリマーの結晶化度は良溶媒
の割合と反比例関係にある。従って、塩化ビニリデン系
ポリマーの種類、すなわち、ポリマーの構成単位等に起
因する結晶化速度等に応じて有機溶媒中の良溶媒と貧溶
媒との割合を調整することにより、ガスバリア性に優れ
た層を形成できる。有機溶媒中の良溶媒の割合は、塗布
液の均一性及び塗布性を損わない範囲で少ないのが好ま
しく、高いガスバリア性を付与するには、通常、60〜90
重量%、好ましくは60〜75重量%程度である。
なお、上記塩化ビニリデン系ポリマーに対する良溶媒
及び貧溶媒は、塩化ビニリデン系ポリマーの種類により
異なるので、ポリマーの種類に応じて適宜選択できる。
良溶媒としては、例えば、アセトン、メチルエチルケト
ン、シクロヘキサノンなどのケトン類、ジオキサン、ジ
エチルエーテル、テトラヒドロフランなどのエーテル類
やこれらの混合溶媒が例示できる。
塩化ビニリデン系ポリマーに対する貧溶媒としては、
例えば、メタノール、エタノール、プロパノール等のア
ルコール類、ヘキサン、シクロヘキサン等の脂環族炭化
水素、ベンゼン、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水
素、メチレンクロライド、エチレンクロライドなどのハ
ロゲン化炭化水素、酢酸エチル等のエステル類、エチレ
ングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコール
ジメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエー
テル、エチレングリコールジエチルエーテル、やこれら
の混合溶媒が例示できる。
またヒートシール層は、ヒートシール性に優れた塩化
ビニリデン系ポリマーを含有する塗布液、例えば塩化ビ
ニリデン系ポリマーを含有し、良溶媒の割合が大きな溶
剤型塗布液、好ましくはエマルジョン型塩化ビニリデン
系ポリマーの分散液で形成できる。なお、溶剤型塗布液
を用いてヒートシール層を形成する場合、有機溶媒中の
良溶媒の割合が大きい程、ヒートシール性がよくなる。
従って、前記ガスバリア層に含有される塩化ビニリデン
系ポリマーと同じポリマーを用いる場合、該溶剤型塗布
液中の良溶媒の割合は、前記ガスバリア層を形成する有
機溶媒中の良溶媒の割合よりも大きいのが好ましい。良
溶媒は、有機溶媒中、通常65重量%以上である。
ヒートシール層は、上記溶剤型塗布液で形成してもよ
いが、水性エマルジョン型分散液で形成するのが好まし
い。すなわち、水性エマルジョン型分散液をガスバリア
層上に塗布すると、ガスバリア層を溶解し浸蝕すること
なく、均一なヒートシール層を形成できる。水性エマル
ジョン型の塩化ビニリデン系ポリマーは、通常、カルボ
キシ基を有する重合性モノマー、例えば、クロトン酸、
アクリル酸、メタクリル酸と、塩化ビニリデンとを必須
の成分とする共重合体が好ましい。なお、上記共重合体
は、必要に応じて他の共重合性モノマー、例えば、塩化
ビニル、酢酸ビニル、アクリレート、アクリロニトリ
ル、メタクリロニトリル、メタクリレート等の共重合性
モノマーとの共重合体であってもよい。
前記ガスバリア層及びヒートシール層は、塩化ビニリ
デン系ポリマー以外の成分として、他のポリマーを含有
していてもよい。上記他のポリマーとしては、例えば、
ポリエチレン、ポリプロピレン、エチレン−酢酸ビニル
共重合体、エチレン−アクリル酸エチル共重合体、アイ
オノマー等のオレフィン系ポリマー;アクリル系ポリマ
ー;ポリスチレン、スチレン−アクリル酸エステル共重
合体等のスチレン系ポリマー;ポリエチレンテレフタレ
ート、ポリブチレンテレフタレート等のポリエステル;
ポリアセタール;ポリ酢酸ビニル;ポリ塩化ビニル;塩
化ビニル−酢酸ビニル共重合体;ポリアミド;ポリウレ
タン;ポリカーボネート;塩素化ポリプロピレン等の塩
素化ポリオレフィン;セルロース系ポリマー等が例示さ
れる。なお、ガスバリア層は、ポリエステルを含有しな
い。これらのポリマーは一種又は二種以上混合して用い
られる。これらの他のポリマーは、塩化ビニリデン系ポ
リマーの特性が低下しない範囲で使用でき、通常、塩化
ビニリデン系ポリマー100重量部に対して0〜25重量部
程度である。
また滑り性及び耐ブロッキング性を付与して作業性を
よくするため、前記ガスバリア層及び/又はヒートシー
ル層は、滑剤を含有するのが好ましい。
滑剤としては、ワックスや微粉末状滑剤が好ましい。
ワックスとしては、例えば、パラフィンワックス、ポリ
エチレンワックス、マイクロクリスタリンワックス等の
炭化水素系ワックス、ステアリン酸、ステアリン酸モノ
グリセリド、ステアリン酸トリグリセリド、ステアリン
酸亜鉛、ステアリン酸カルシウム等の脂肪酸系ワック
ス、オレイン酸アミド、ステアリン酸アミド、エルカ酸
アミド、メチレンビスステアリン酸アミド、エチレンビ
スステアリン酸アミド等の脂肪酸アミド系ワックス、カ
ルナバワックス等のエステル系ワックス等の種々のワッ
クスが例示できる。上記ワックスは少なくとも一種使用
される。ワックスの含有量は、前記塩化ビニリデン系ポ
リマー100重量部に対して、通常、0.1〜10重量部、好ま
しくは0.25〜5重量部、さらに好ましくは0.5〜2.5重量
部程度である。ワックスの量が0.1重量部未満であると
滑り性が十分でなく、10重量部を越えると塗膜の透明性
等が低下し易い。
微粉末状滑剤としては、例えば、シリカ、アルミナ等
の無機滑剤;ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリスチ
レン、アクリル樹脂、シリコーン樹脂、フェノール樹脂
等の有機滑剤;アルミナバルブ、シリカバルーン、発泡
ガラス、マイクロバルーン、サランマイクロスフェア等
の微小中空体が例示される。これらの微粉末滑剤のうち
シリカ系微粉末、アルミナ系微粉末、樹脂微粉末(ポリ
エチレン系微粉末、アクリル系微粉末等)が好ましい。
微粉末状滑剤は塗膜の透明性やガスバリア性等を損わな
い範囲で適宜の粒径を有していてもよいが、5μm以下
であるのが好ましい。粒径が5μmを越えると滑剤が欠
落し易くなり、作業性が低下する。微粉末状滑剤の含有
量は、塩化ビニリデン系ポリマー100重量部に対して、
通常、0.01〜5重量部、好ましくは0.05〜2.5重量部で
ある。微粉末状滑剤の使用量が0.01重量部未満であると
滑り性が十分でなく、5重量部を越えると塗膜の透明性
等が低下し易い。
なお、ガスバリア層及び/又はヒートシール層は、酸
化防止剤、紫外線吸収剤、熱安定剤、可塑剤、帯電防止
剤、粘着付与剤、可塑剤、充填剤、染顔料等の種々の添
加剤を含有していてもよい。
上記ガスバリア層及びヒートシール層は、ガスバリア
性やヒートシール性を損わない範囲で適宜の膜厚に形成
できるが、通常、それぞれ膜厚0.01〜5μm、好ましく
は0.1〜3μm程度である。膜厚が0.01μm未満である
と高いガスバリア性及びヒートシール性を付与するのが
困難であり、5μmを越えると経済的でないばかりか、
場合によっては基材フィルムの特性が低下する虞があ
る。なお、ガスバリア層及びヒートシール層は、基材フ
ィルムの少なくとも一方の面に形成されていればよい。
本発明のヒートシール可能なガスバリア性フィルム
は、表面にヒートシール層が位置するので、従来慣用の
方法、例えばピロー成形、四方シール等により容易に袋
体を形成できる。
ガスバリア層及びヒートシール層は、基材フィルム
に、ガスバリア層用塗布剤とヒートシール層用塗布剤と
を順次塗布し、乾燥することにより形成できる。塗布手
段としては、特に制限されず、従来慣用の手段、例え
ば、デップコーター、ロールコーター、グラビアコータ
ー、エアーナイフコーター、スプレー等が使用できる。
[発明の効果] 以上のように、本発明のヒートシール可能なガスバリ
ア性フィルムの製造方法によれば、ヒートシール層が、
ガスバリア層を介して基材フィルムに積層されているの
で、基材フィルムに依存することなく、ガスバリア層に
より水蒸気及び酸素ガスの双方に対して優れたガスバリ
ア性を確保できるだけでなく、表面のヒートシール層に
より優れたヒートシール性を確保できる。
[実施例] 以下に、実施例に基づいて本発明をより詳細に説明す
る。
実施例1 塩化ビニリデン(90重量%)−アクリル酸エステル
(10重量%)共重合体100重量部、融点78℃のワックス
1重量部、及び平均粒径3μmのシリカ微粉末0.1重量
部を、テトラヒドロフラン/トルエン=70/30(重量
比)の混合溶媒に混合しガスバリア層用塗布液を調製し
た。
この塗布液を、厚み20μmの二軸延伸ポリプロピレン
フィルムの一方の面に、ロールコーターを用いて、乾燥
後の塗布量3.0g/m2となるように塗布し、乾燥すること
によりガスバリア層を形成した。
次いで、塩化ビニリデン(85重量%)−メタクリル酸
(15重量%)共重合体を含む水性エマルジョンの固形分
100重量部に対して、融点78℃のワックス1重量部、及
び平均粒径3μmのシリカ微粉末0.1重量部を添加混合
し、ヒートシール層用塗布液を調製した。このヒートシ
ール層用塗布液を、上記ガスバリア層上に、乾燥後の塗
布量3.0g/m2となるように塗布し、乾燥することにより
ヒートシール層を形成した。
実施例2 有機溶媒の組成をテトラヒドロフラン/トルエン=60
/40(重量比)とする以外、実施例1と同様にしてガス
バリア層用塗布液を調製した。
上記ガスバリア層用塗布液と実施例1のヒートシール
層用塗布液とを用い、実施例1と同様にして、二軸延伸
ポリプロピレンフィルムにガスバリア層とヒートシール
層とを順次形成した。
実施例3 実施例1のガスバリア層用塗布液に代えて、塩化ビニ
リデン(89%重量)−アクリロニトリル(11重量%)10
0重量部、融点78℃のワックス1重量部、及び平均粒径
3μmのシリカ微粉末0.1重量部を含有するカスバリア
層用塗布液を用いる以外、実施例1と同様にして二軸延
伸ポリプロピレンフィルムにガスバリア層とヒートシー
ル層とを順次形成した。
実施例4 実施例1の二軸延伸ポリプロピレンフィルムに代え
て、厚み12μmの二軸延伸ポリエチレンテレフタレート
フィルムを用いる以外、実施例1と同様にして、二軸延
伸ポリエチレンテレフタレートフィルムにガスバリア層
とヒートシール層とを順次形成した。
比較例1 実施例1の二軸延伸ポリプロピレンに、無延伸ポリエ
チレンを溶融押出し、ポリエチレンからなる厚み20μm
のヒートシール層を形成した。
比較例2 実施例4の二軸延伸ポリエチレンテレフタレートフィ
ルムに、ポリエチレンフィルムをドライラミネートによ
り積層し、厚み20μmのヒートシール層を形成した。
そして、各実施例及び比較例で得られたフィルムのヒ
ートシール層同士を温度110℃、圧力1kg/cm2、圧着時間
1秒の条件でヒートシールした。そして、ヒートシール
部に対応する幅15mmの試料のヒートシール強度をテンシ
ロン引張り試験機を用いて測定した。
また各実施例及び比較例で得られたフィルムの水蒸気
透過率及び酸素ガス透過率を下記の条件で測定した。
酸素ガス透過率:ガスクロマト法(測定器 Lyssy Gas P
ermeablity Testing Apparatus L−66)により、湿度80
%の酸素ガスと、補償ガスとしてのヘリウムガスとを用
いて、温度20℃で測定した。単位はcc/m2/24時間であ
る。水蒸気透過率:JIS Z 0208に準拠し、温度40℃、
相対湿度90%RHの条件で測定した。単位はg/m2/24時間
である。
結果を表に示す。
また実施例1及び比較例1のフィルムを用い、四方シ
ールにより菓子を包装した袋体を作製した。この袋体を
温度30℃、相対湿度80%の雰囲気中に放置し、該袋体内
の水分量を吸水率として測定した。結果を図に示す。
表より明らかなように、比較例1及び比較例2のフィ
ルムでは、ガスバリア性が十分でなかった。これに対し
て、実施例1〜4のフィルムでは、ヒートシール性及び
ガスバリア性に優れていた。
また図より明らかなように、比較例1のフィルムより
も実施例1のフィルムで作製した袋体は、吸水率が著し
く小さかった。
【図面の簡単な説明】
図は実施例と比較例1のフィルムで作製した袋体の吸水
率と経過日数との関係を示すグラフである。

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】基材フィルムに、ポリエステルを含まない
    ガスバリア層を介してヒートシール層が形成されたフィ
    ルムの製造方法であって、基材フィルムに、塩化ビニリ
    デンと他の重合性モノマーとの共重合体を含有し、かつ
    良溶媒60〜90重量%と貧溶媒40〜10重量%との割合で有
    機溶媒を含む溶剤型塗布液を塗布してガスバリア層を形
    成し、塩化ビニリデンと、少なくともカルボキシル基を
    有する重合性モノマーを含む共重合性モノマーとの共重
    合体を含有する塗布液を塗布してヒートシール層を形成
    する方法であり、前記ガスバリア層用塗布液及び/又は
    ヒートシール層用塗布液が、ワックスと、シリカ系微粉
    末、アルミナ系微粉末及び樹脂微粉末から選ばれた少な
    くとも1種の微粉末状滑剤とを含むことを特徴とするヒ
    ートシール可能なガスバリア性フィルムの製造方法。
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