JP2996677B2 - 積層フィルムおよびその製造方法 - Google Patents

積層フィルムおよびその製造方法

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Description

【発明の詳細な説明】 [産業上の利用分野] 本発明は、ガスバリア性に優れ、包装用フィルムとし
て好適な積層フィルムおよびその製造方法に関する。
[従来の技術と発明が解決しようとする課題] 包装用フィルム、特に食品包装用フィルムには、内容
物を保護するため、水蒸気や酸素ガス等に対する高いバ
リア性が要求される。一方、基材フィルム単体では、一
般に、水蒸気、酸素ガス、香気等の全てに対するバリア
性を確保することが困難であるため、基材フィルムに、
ガスバリア層を形成した包装用フィルムが広く使用され
ている。
ところで、酸素ガスバリア性に優れた材料として、エ
チレン−ビニルアルコール共重合体が知られている。し
かしながら、エチレン−ビニルアルコール共重合体は、
吸湿性を有し、水蒸気バリア性が十分でないばかりか、
吸湿に伴い酸素ガスバリア性も低下する。
上記の点に鑑み、エチレン−ビニルアルコール共重合
体の利点を生かしつつ、ガスバリア性に優れた包装用フ
ィルムを得るため、ドライラミネート法や共押出し法に
より、エチレン−ビニルアルコール共重合体からなるフ
ィルム層の両面に、ポリエチレンやポリプロピレンから
なる層を積層した包装用フィルムが提案されている。
しかしながら、上記積層構造の包装用フィルムは、ド
ライラミネート法や共押出し法により製造されているの
で、各層を約10μm以下の厚みに形成するのが困難であ
り、フィルム全体の膜厚が必然的に大きくなる。またこ
のことに起因して、次のような種々の問題が生じる。例
えば、(1)透明性が低下する;(2)エチレン−ビニ
ルアルコール共重合体が高価であるためコスト高とな
る;(3)開封性を高めるため、基材フィルムとして延
伸フィルムを用いても、引裂き強度が大きくなり、開封
性が低下するなどの問題が生じる。しかも、積層した各
層の厚みが大きいにも拘らず、水蒸気や酸素ガスに対す
るバリア性が未だ十分でないという問題がある。
さらには、ドライラミネート法や共押出し法により、
各層をラミネートする必要があるので、装置が大型化
し、積層作業が煩雑化する。
従って、本発明の目的は、エチレン−ビニルアルコー
ル共重合体などをフィルムの構成材料としながらも、膜
厚が薄く透明性に優れると共に、膜厚が薄いにも拘ら
ず、ガスバリア性に優れる安価な積層フィルムを提供す
ることにある。
また本発明の他の目的は、延伸フィルムに適用した場
合に引裂き性に優れる積層フィルムを提供することにあ
る。
本発明のさらに他の目的は、上記の如き優れた特性を
有する積層フィルムを簡便かつ生産性よく製造できる積
層フィルムの製造方法を提供することにある。
[発明の構成] 本発明者らは、上記目的を達成すべく、鋭意検討の結
果、エチレン−ビニルアルコール共重合体を含有する塗
布液により形成したコーティング層と、塩化ビニリデン
系重合体を含有する塗布液により形成したコーティング
層とを組合せることにより、塗膜の厚みが小さくても、
ガスバリア性に優れた積層フィルムが得られることを見
出し、本発明を完成した。すなわち、本発明は、一軸又
は二軸延伸され、かつ引き裂き性を有する基材フィルム
と、この基材フィルムの少なくとも一方の面に、下塗り
層を形成することなく直接形成されたエチレン−ビニル
アルコール共重合体を含有するコーティング層(以下、
EVOH層という)を介して、塩化ビニリデン系重合体を含
有するコーティング層(PVDC層という)が積層されてい
る積層フィルムであって、前記エチレン−ビニルアルコ
ール共重合体のエチレン含有量が10〜45モル%であり、
ケン化度が99.5%以上であり、前記エチレン−ビニルア
ルコール共重合体を含有するコーティング層の厚みが0.
17〜5μmであり、前記塩化ビニリデン系重合体を含有
するコーティング層の厚みが0.1〜3μmであり、前記
コーティング層の合計厚みが1〜7μmである積層フィ
ルムにより、上記課題を解決するものである。
また本発明は、一軸又は二軸延伸され、かつ引き裂き
性を有する基材フィルムの少なくとも一方の面に、エチ
レン含有量が10〜45モル%で、ケン化度が99.5%以上で
あるエチレン−ビニルアルコール共重合体を含有する塗
布液を、下塗り層を形成することなく直接塗布し、次い
で、塩化ビニリデン系重合体を含有する塗布液を塗布す
る積層フィルムの製造方法であって、前記エチレン−ビ
ニルアルコール共重合体を含有するコーティング層の厚
みが0.17〜5μmであり、前記塩化ビニリデン系重合体
を含有するコーティング層の厚みが0.1〜3μmであ
り、前記コーティング層の合計厚みが1〜7μmである
積層フィルムの製造方法により、上記課題を解決するも
のである。
上記基材フィルムとしては、例えば、ポリエチレン、
エチレン−アクリル酸エチル共重合体、アイオノマー、
ポリプロピレン、エチレン−プロピレン共重合体、ポリ
−4−メチルペンテン−1等のオレフィン系ポリマー;
ポリ塩化ビニル;ポリ塩化ビニリデン、塩化ビニリデン
−塩化ビニル共重合体、塩化ビニリデン−アクリロニト
リル共重合体等の塩化ビニリデン系ポリマー;ポリスチ
レン、スチレン−アクリロニトリル共重合体、スチレン
−アクリロニトリル−ブタジエン共重合体等のスチレン
系ポリマー;ポリエチレンテレフタレート、変性ポリエ
チレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート等
のポリエステル;ナイロン6、ナイロン11、ナイロン66
等のナイロン又はポリアミド;ポリカーボネート;ポリ
イミド;ポリビニルアルコール;セロハン;アセチルセ
ルロース等のセルロース系ポリマー;塩酸ゴム等を素材
とする種々のフィルムが使用できる。これらの基材フィ
ルムのうち、透明性、機械的強度及び包装適性に優れる
フィルム、特に、ポリプロピレンフィルム、ポリエチレ
ンテレフタレートフィルム、ナイロンフィルムが好まし
い。
なお、ポリプロピレンフィルムは、水蒸気バリア性に
優れているものの、酸素ガスバリア性が十分でなく、ポ
リエチレンテレフタレートフィルム及びナイロンフィル
ムは、酸素ガスバリア性に優れているものの、水蒸気バ
リア性が十分でない。
基材フィルムは、一軸又は二軸延伸処理されている。
一軸又は二軸延伸された基材フィルムは、熱収縮性包装
用フィルムとしてだけではなく、引裂き性に優れている
ので、易開封性包装用フィルムとして好適である。基材
フィルムの延伸には、例えば、ロール延伸、圧延延伸、
ベルト延伸、テンター延伸、チューブ延伸や、これらを
組合せた延伸等の慣用の延伸法が適用できる。延伸倍率
は、所望するフィルムの特性に応じて適宜設定でき、例
えば1.5〜20倍、好ましくは2〜15倍程度である。延伸
倍率が1.5倍未満であると延伸効果が小さく、20倍を越
えると過剰な延伸となり生産性が低下する。
さらに、基材フィルムは、表面処理されていてもよ
い。表面処理としては、慣用の表面処理、例えば、コロ
ナ放電処理、高周波処理、火炎処理、クロム酸処理、溶
剤処理等が例示される。これらの表面処理のうちコロナ
放電処理が好ましい。
基材フィルムは単層フィルムであってもよく、二種以
上のフィルムが積層された複合フィルムであってもよ
い。基材フィルムの厚みは、特に制限されず、通常、5
〜250μm、好ましくは10〜100μm程度である。
上記基材フィルムの片面又は両面には、EVOH層を介し
て、PVDC層が積層されている。
エチレン−ビニルアルコール共重合体は、溶媒可溶型
の共重合体であれば特に制限されないが、エチレン含有
量が10〜45モル%、好ましくは25〜35モル%の共重合体
である。エチレン−ビニルアルコール共重合体は、通
常、例えば、分子量1〜10万、好ましくは分子量4〜5
万程度、温度210℃、荷重2160gの条件でのMFI(メルト
フローインデックス)5〜10g/10分程度、温度210℃、
荷重50kg、1mmφ×10mmのノズルでの見掛け溶融粘度500
0〜15000ポイズ、好ましくは7500〜12500ポイズ程度、
ケン化度99.5%以上である。このような共重合体は、水
や、水とアルコールとの混合溶媒に可溶であり、上記基
材フィルムに塗布することにより、薄膜を形成できる。
塩化ビニリデン系重合体は、ポリ塩化ビニリデン単独
重合体であってもよいが、耐熱安定性、耐候安定性及び
皮膜の柔軟性などの点から、塩化ビニリデンと、他の重
合性モノマーとの共重合体が好ましい。重合性モノマー
としては、例えば、塩化ビニル;酢酸ビニル;クロトン
酸;アクリル酸、メチルアクリレート、エチルアクリレ
ート、プロピルアクリレート、イソプロピルアクリレー
ト、ブチルアクリレート、イソブチルアクリレート、te
rt−ブチルアクリレート、ペンチルアクリレート、ヘキ
シルアクリレート、ヘプチルアクリレート、オクチルア
クリレート、2−エチルヘキシルアクリレート、アクリ
ロニトリルなどのアクリル酸とその誘導体;メタクリル
酸、上記アクリレートに対応するメタクリレート、メタ
クリロニトリルなどのメタクリル酸とその誘導体などが
例示される。これらの重合性モノマーは一種または二種
以上使用される。これらの共重合体のうち、塩化ビニリ
デン−アクリロニトリル共重合体、塩化ビニリデン−塩
化ビニル共重合体、塩化ビニリデン−酢酸ビニル共重合
体、塩化ビニリデン−アクリル酸共重合体、塩化ビニリ
デン−メタクリル酸共重合体、塩化ビニリデン−アクリ
レート共重合体及び塩化ビニリデン−メタクリレート共
重合体等の共重合体が好ましい。これらの塩化ビニリデ
ン系重合体は少なくとも一種使用される。
EVOH層の厚みは、一義的に定まるものではなく、PVDC
層の厚みとの関係で設定される。EVOH層の厚みは、ガス
バリア性や透明性等を損わない範囲で設定できるが、通
常0.17〜5μm、好ましくは1〜5μm程度である。EV
OH層の厚みが0.17μm未満であると、酸素ガスバリア性
を高めるのが困難であり、5μmを越えると過剰な膜厚
となり、経済的でない。
PVDC層の厚みは、通常、0.1〜3μm、好ましくは0.5
〜3μm程度である。PVDC層の厚みが0.1μm未満であ
る場合には、酸素ガスバリア性を高めるのが困難であ
り、3μmを越えると過剰な膜厚となり、経済的でな
い。
EVOH層とPVDC層とからなる塗膜全体の厚みは、通常、
1〜7μm、好ましくは2〜7μm程度である。EVOH層
とPVDC層とからなる塗膜全体の厚みが1μm未満である
と、全体としてのガスバリア性が低下し、7μmを越え
ると、過剰な膜厚となり経済的でないばかりか、場合に
よっては、基材フィルムの特性が損われる場合がある。
前記基材フィルムは、帯電防止剤、滑剤、ブロッキン
グ防止剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤、結晶核成長剤、
熱安定剤、粘着付与剤、可塑剤、充填剤等の種々の添加
剤を含有していてもよい。
またEVOH層及びPVDC層のうちいずれか一方の層、特に
PVDC層は、積層フィルムに滑り性や耐ブロッキング性を
付与するため、ワックス及び微粉末状滑剤などの滑剤を
含有するのが好ましい。ワックスとしては、例えば、炭
化水素系ワックス;脂肪酸系ワックス;脂肪酸アミド系
ワックス;エステル系ワックス等の種々のワックスが使
用できる。上記ワックスは少なくとも一種使用される。
ワックスの含有量は、前記エチレン−ビニルアルコール
共重合体又は塩化ビニリデン系重合体100重量部に対し
て、通常、0.1〜10重量部、好ましくは0.25〜5重量
部、さらに好ましくは0.5〜2.5重量部程度である。
微粉末状滑剤としては、例えば、シリカ系微粉末、ア
ルミナ系微粉末、ポリエチレン系微粉末、アクリル系微
粉末等が例示される。微粉末状滑剤の粒径は、塗膜の透
明性やガスバリア性等を損わない範囲、例えば、5μm
以下であるのが好ましい。微粉末状滑剤の含有量は、エ
チレン−ビニルアルコール共重合体又は塩化ビニリデン
系重合体100重量部に対して、通常、0.01〜5重量部、
好ましくは0.05〜2.5重量部である。
前記EVOH層及びPVDC層は、他のポリマー、例えば、オ
レフィン系ポリマー、アクリル系ポリマー、スチレン系
ポリマー、ポリエステル、ポリアセタール、エチレン−
酢酸ビニル共重合体、ポリ酢酸ビニル、ポリ塩化ビニ
ル、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体、ポリアミド、ポ
リウレタン、ポリカーボネート、塩素化ポリオレフィ
ン、セルロース系ポリマー等を含有していてもよい。ま
たEVOH層及びPVDC層は、帯電防止剤、酸化防止剤、紫外
線吸収剤、熱安定剤、粘着付与剤、可塑剤、充填剤、染
顔料等の種々の添加剤を含有していてもよい。
さらに、本発明の積層フィルムには、必要に応じて、
ヒートシール層が形成されていてもよい。また基材フィ
ルムの一方の面に、EVOH層及びPVDC層が積層されている
場合には、他方に面に滑性層や耐ブロッキング層が形成
されていてもよい。
本発明の積層フィルムは、基材フィルムに、エチレン
−ビニルアルコール共重合体を含有する塗布液を塗布す
る第1の塗布工程と、塩化ビニリデン系重合体を含有す
る塗布液を塗布する第2の塗布工程と、乾燥工程とを経
ることにより製造できる。なお、乾燥工程は、各塗布工
程の後にそれぞれ行なってもよく、第2の塗布工程とを
経た後、一度に行なってもよい。
エチレン−ビニルアルコール共重合体を含有する塗布
液は、通常、水及びアルコールの混合溶媒を用いて調製
できる。上記アルコールとしては、例えば、メタノー
ル、エタノール、プロパノール、イソプロパノール、シ
クロヘキサノールなどが例示される。該塗布液中のエチ
レン−ビニルアルコール共重合体の濃度は、塗布性を妨
げない範囲で設定できるが、通常2.5〜25重量%、好ま
しくは5〜15重量%程度である。エチレン−ビニルアル
コール共重合体の濃度が2.5重量%未満である場合に
は、塗布回数が増加する場合があり、25重量%を越える
場合には、粘度が高く、塗布性が低下し易い。
また塩化ビニリデン系重合体を含有する塗布液は、溶
液又は分散液のいずれの形態であつてもよい。溶液状塗
布液の溶媒としては、塩化ビニリデン系重合体の種類に
応じて適宜選択でき、例えば、ベンゼン、トルエン、キ
シレン等の芳香族炭化水素;アセトン、メチルエチルケ
トン、シクロヘキサノンなどのケトン類、ジオキサン、
ジエチルエーテル、テトラヒドロフランなどのエーテル
類やこれらの混合溶媒が例示できる。なお、溶液状塗布
液においては、塗布液の安定性を損わない範囲で、アル
コールや脂肪族炭化水素等の貧溶媒を併用することによ
り、塩化ビニリデン系重合体の結晶化度を調整してもよ
い。また分散液は、O/W型、W/O型エマルジョンのいずれ
であってもよいが、通常、O/W型エマルジョンの形態で
市販されている。
また上記各塗布液は、塗布性を高めるため、慣用の添
加剤、例えば消泡剤、粘度調整剤等を含有していてもよ
い。
各塗布液は、乾燥後の膜厚が、前記EVOH層及びPVDC層
の膜厚となるように塗布される。
塗布手段は、特に制限されず、従来慣用の手段、例え
ば、デップコーター、ロールコーター、グラビアコータ
ー、エアーナイフコーター、スプレー等が使用できる。
なお、包装用フィルムの引裂き性を高めるために、一
軸又は二軸延伸フィルムに前記各塗布液を順次塗布して
もよく、未延伸の基材フィルムに各塗布液を順次塗布し
た後、延伸してもよい。さらには、一軸延伸した基材フ
ィルムにエチレン−ビニルアルコール共重合体を含有す
る塗布液を塗布した後、又は塩化ビニリデン系重合体を
含有する塗布液を塗布した後、既延伸方向と直交する方
向に延伸してもよく、一軸延伸した基材フィルムにエチ
レン−ビニルアルコール共重合体を含有する塗布液を塗
布した後、既延伸方向と直交する方向に延伸し、塩化ビ
ニリデン系重合体を含有する塗布液を塗布してもよい。
また乾燥工程では、各塗布液の溶媒の種類などに応じ
た適宜の温度で塗膜を乾燥させることができる。
本発明の製造方法では、基材フィルムに塗布液を塗布
し、乾燥するだけで、積層フィルムを得ることができ
る。その際、EVOH層及びPVDC層の厚みを小さくできるの
で、透明性や引裂き性が損なわれることがない。特にEV
OH層及びPVDC層の厚みが小さくても、高いガスバリア性
を付与できるので、1回の塗布作業で積層フィルムを製
造できる。さらに、従来のラミネート法等とは異なり、
各塗布液の塗布量を調整しつつ、均一な薄膜を高速下で
連続的に形成できる。
なお、本発明の好ましい態様は次の通りである。
(1)基材フィルムが、ポリプロピレンフィルム、ポリ
エチレンテレフタレート、又はナイロンフィルムである
積層フィルム。
(2)エチレン−ビニルアルコール共重合体が、エチレ
ン含有量25〜35モル%である積層フィルム。
(3)EVOH層の厚みが1〜5μm及びPVDC層の厚みが0.
5〜3μmであり、しかもEVOH層及びPVDC層からなる塗
膜全体の厚みが、2〜7μmである積層フィルム。
[発明の効果] 以上のように、本発明の積層フィルムは、基材フィル
ムに、EVOH層を介して、PVDC層が積層されているので、
膜厚が小さく、透明性に優れ、安価であると共に、膜厚
が小さくてもガスバリア性に優れる。また本発明の積層
フィルムは、延伸フィルムに適用しているので引裂き性
に優れる。
また本発明の積層フィルムの製造方法は、基材フィル
ムに、エチレン−ビニルアルコール共重合体を含有する
塗布液と、塩化ビニリデン系重合体を含有する塗布液と
を、順次塗布するので、上記の如き優れた特性を有する
積層フィルムを簡便かつ生産性よく製造できる。
[実施例] 以下に、実施例に基づいて本発明をより詳細に説明す
る。
実施例1 水とイソプロパノールとの混合溶媒(混合重量比1:
1)に、エチレン−ビニルアルコール共重合体(日本合
成化学(株)製、商品名ソアノール、エチレン含有量29
モル%)を添加し、加熱して溶解し、エチレン−ビニル
アルコール共重合体含有量10重量%のEVOH層用塗布液を
調製した。
また塩化ビニリデン−アクリル酸エステル共重合体10
0重量部、融点78℃のワックス1重量部、平均粒径3μ
mのシリカ微粉末0.1重量部を、テトラヒドロフラン/
トルエン=70/30(重量比)の混合溶媒に混合し、PVDC
層用塗布液を調製した。
そして、厚み20μmの二軸延伸ポリプロピレンフィル
ム(ダイセル化学工業(株)製、商品名セネシPOP、OP
P)の一方の面に、ロールコーターを用いて、EVOH層用
塗布液とPVDC層用塗布液とを順次塗布し、乾燥すること
により塗膜を形成した。得られた積層フィルムの構成
は、OPP/EVOH層/PVDC層=20μm/2.5μm/1.3μmであ
る。
比較例1 実施例1のエチレン−ビニルアルコール共重合体(EV
OH)と、ポリプロピレン(OPP)とを溶融してTダイか
ら押出し、ドライラミネート法により、膜厚16μmのポ
リエチレンフィルム(PE)とラミネートした。得られた
積層フィルムの構成は、OPP/EVOH層/PE層=18μm/17μm
/16μmである。
比較例2 低密度ポリエチレン(住友化学工業(株)製、商品名
スミカセンL705、LDPE)と、変性低密度ポリエチレン
(三菱油化(株)製、商品名MODIC L400H、変性LDPE)
と、実施例1のエチレン−ビニルアルコール共重合体
(EVOH)とを用、共押出し法により、LDPE層/変性LDPE
層/EVOH層/変性LDPE層/LDPE層=30μm/10μm/20μm/10
μm/30μmの構成からなる未延伸の積層フィルムを得
た。
比較例3 実施例1の二軸延伸ポリプロピレンフィルムに、実施
例1で調製したEVOH層用塗布液を塗布し、乾燥すること
により、OPP/EVOH層=20μm/2.5μmの構成からなる積
層フィルムを作製した。
比較例4 実施例1の二軸延伸ポリプロピレンフィルムに、実施
例1で調製したPVDC層用塗布液を塗布し、乾燥すること
により、OPP/PVDC層=20μm/1.3μmの構成からなる積
層フィルムを作製した。
上記実施例1及び各比較例で得られた積層フィルムの
酸素ガス透過率、水蒸気透過率、引裂き性及び透明性を
調べたところ、表に示す結果を得た。
なお、酸素ガス透過率は、温度20℃、相対湿度80%、
1気圧の条件で測定し、水蒸気透過率は、温度40℃、相
対湿度90%、1気圧の条件で測定した。
また引裂き性は、1枚の積層フィルムのMD方向での引
裂き強度を測定することにより評価した。
透明性は、目視により、以下の基準で評価した。
優 :基材フィルムの透明性と殆ど同じ。
不可:透明性が著しく劣る。
表より明らかなように、EVOH層とPVDC層とを組合せて
積層することにより、引裂き性及び透明性に優れ、フィ
ルム全体の厚みが小さくてもガスバリア性に優れた積層
フィルムが得られる。特に、EVOH層のみを積層した比較
例3、PVDC層のみを積層した比較例4の積層フィルムと
比較して、EVOH層とPVDC層とを組合せて積層した実施例
の積層フィルムは、ガスバリア性、特に酸素ガスバリア
性が著しく優れている。
実施例2〜実施例5 水とイソプロパノールとの混合溶媒(混合重量比1:
1)に、実施例1のエチレン−ビニルアルコール共重合
体5〜20重量%を添加し、加熱して溶解し、エチレン−
ビニルアルコール共重合体の濃度の異なるEVOH層用塗布
液を調製した。
そして、EVOH層用塗布液を、厚み20μmの二軸延伸ポ
リプロピレンフィルムの一方の面に、ロールコーターを
用いて、乾燥後の塗布量0.2〜6g/m2(膜厚0.17〜5μ
m)の範囲となるように塗布、乾燥することにより、EV
OH層を形成した。次いで、実施例1で調製したPVDC層用
塗布液を、乾燥後の塗布量が0.56g/m2(膜厚0.37μm、
実施例2)、0.96g/m2(膜厚0.64μm、実施例3)、1.
8g/m2(膜厚1.2μm、実施例4)及び3.5g/m2(膜厚2.3
μm、実施例5)となるように塗布し、乾燥することに
より、PVDC層を形成した。
そして、前記と同様にして、酸素ガス透過率を測定し
たところ、第1図に示す結果を得た。
実施例6〜実施例9 実施例1の二軸延伸ポリプロピレンフィルムに代え
て、二軸延伸ポリエチレンテレフタレートフィルムを用
いる以外、実施例2と同様にして、EVOH層及びPVDC層を
形成した。なお、PVDC層用塗布液は、乾燥後の塗布量が
0.56g/m2(膜厚0.37μm、実施例6)、1.0g/m2(膜厚
0.67μm、実施例7)、1.9g/m2(膜厚1.3μm、実施例
8)及び3.1g/m2(膜厚2.1μm、実施例9)となるよう
に塗布し、乾燥することにより、PVDC層を形成した。
比較例5 実施例5の二軸延伸ポリエチレンテレフタレートフィ
ルムに、実施例1で調製したEVOH層用塗布液を、乾燥後
の塗布量約0.25〜4.5g/m2(膜厚0.21〜3.7μm)の範囲
で塗布し、乾燥することにより、EVOH層を形成した。
そして、前記と同様にして、実施例6〜9及び比較例
5で得られた積層フィルムの水蒸気透過率を測定したと
ころ、第2図に示す結果を得た。
第1図及び第2図より、実施例2〜5及び実施例6〜
9の積層フィルムは、EVOH層及びPVDC層の厚みが小さく
ても、ガスバリア性に優れていることが判明した。
【図面の簡単な説明】
第1図は実施例2〜5における結果を示すグラフ、第2
図は実施例6〜9及び比較例5における結果を示すグラ
フである。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) B32B 1/00 - 35/00 C08J 7/04 B05D 1/00 - 7/26

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】一軸又は二軸延伸され、かつ引き裂き性を
    有する基材フィルムと、この基材フィルムの少なくとも
    一方の面に、下塗り層を形成することなく直接形成され
    たエチレン−ビニルアルコール共重合体を含有するコー
    ティング層を介して、塩化ビニリデン系重合体を含有す
    るコーティング層が積層されている積層フィルムであっ
    て、前記エチレン−ビニルアルコール共重合体のエチレ
    ン含有量が10〜45モル%であり、ケン化度が99.5%以上
    であり、前記エチレン−ビニルアルコール共重合体を含
    有するコーティング層の厚みが0.17〜5μmであり、前
    記塩化ビニリデン系重合体を含有するコーティング層の
    厚みが0.1〜3μmであり、前記コーティング層の合計
    厚みが1〜7μmである積層フィルム。
  2. 【請求項2】一軸又は二軸延伸され、かつ引き裂き性を
    有する基材フィルムの少なくとも一方の面に、エチレン
    含有量が10〜45モル%で、ケン化度が99.5%以上である
    エチレン−ビニルアルコール共重合体を含有する塗布液
    を、下塗り層を形成することなく直接塗布し、次いで、
    塩化ビニリデン系重合体を含有する塗布液を塗布する積
    層フィルムの製造方法であって、前記エチレン−ビニル
    アルコール共重合体を含有するコーティング層の厚みが
    0.17〜5μmであり、前記塩化ビニリデン系重合体を含
    有するコーティング層の厚みが0.1〜3μmであり、前
    記コーティング層の合計厚みが1〜7μmである積層フ
    ィルムの製造方法。
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