JP2939525B2 - 次第に沈降して着底する水面緑化用基盤 - Google Patents

次第に沈降して着底する水面緑化用基盤

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JP2939525B2
JP2939525B2 JP6788696A JP6788696A JP2939525B2 JP 2939525 B2 JP2939525 B2 JP 2939525B2 JP 6788696 A JP6788696 A JP 6788696A JP 6788696 A JP6788696 A JP 6788696A JP 2939525 B2 JP2939525 B2 JP 2939525B2
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    • Y02W10/10Biological treatment of water, waste water, or sewage

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  • Biological Treatment Of Waste Water (AREA)
  • Hydroponics (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、湖沼や管理河川の
水辺の湛水域から水深2m程度の水中を、木本植物を利
用して緑化し、あるいは湖沼等の富栄養化によるアオコ
の発生や水生生物種の減少という生態系の改善を図るた
めに利用される次第に沈降して着底する水面緑化用の水
面緑化基盤に関する。
【0002】
【従来技術】近年、護岸造成等により失われた水辺の景
観改善のための緑化や、湖沼の富栄養化によるアオコの
発生、湖畔林やヨシ原の消失に伴う水辺生態系の衰退な
どの生態系に著しい悪影響が進行している。また河川等
でも主に護岸造成による水辺生態系の衰退、自然景観の
悪化も進んでいる。
【0003】このために従来から水質浄化や景観向上を
目的とした提案がされており、例えば湿地帯にヤナギ類
を植栽して緑化を図る方法、汀線から先の水深の浅い水
中に森林を造成するためにカワヤナギ,ラクウショウ等
を直接水中に植栽する水中植栽方法、発泡スチロール等
の軽比重の筏,基盤に土壌を充填しヤナギ,アヤメ,シ
ョウブ等の草木を植栽するいわゆる浮島方式の水上での
植栽方法(「簡易水面緑化基盤の試作」;日本緑化工学
会都市緑化技術部会第4会都市緑化技術成果報告第4号
(1995),特開平6−106185号公報)等が知
られている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかし、上記した従来
の方法は多くの課題があって広く普及するに至っていな
い。
【0005】例えば上記の湿地帯にヤナギ類を植栽する
方法は、湖岸の湿地帯などで生育渇水期に水位が下がる
と満水期に幹の上部発芽伸長した根が水面上に露出し
て枯死することが多いという問題がある。また水中植栽
方法では、広範囲の水辺にこれらの草本を植栽すること
に多大な労力と費用がかかるだけでなく、草本植物は秋
に枯死して、水中倒伏し腐敗することで水質を富栄養
化するため、年これらの成長終了時期に刈り取りを行
なう必要があってそのためにも多くの労力と費用を要す
るという問題がある。
【0006】また上記の浮島方式の方法は、:草木を
筏等の基盤に充填した土壌に植栽する方式のものは、根
系が水中に伸長しないので水質浄化が期待できない。
:基盤の植栽草木の維持管理にコストが嵩む。:基
盤を構成している例えば発泡スチロールの容器は、屋外
の自然環境下に晒されているため劣化が進行することが
避けられず、その結果として風雨や波浪の影響(時には
台風等の影響)で次第に細かな分離物を作り出し、これ
が水上のごみとなって周辺環境を悪化させたり景観を損
ねる虞がある。:浮遊性の状態に放置すれば水辺やそ
の近傍の水質浄化や景観改善に寄与しないため、牽引用
ロープ,ワイヤー,鎖等で移動しないように固定するこ
とが行われるが、これらの牽引手段も風雨や波浪の影響
を受ける厳しい自然環境下において数年にも渡る長期間
の維持は容易でなく、その維持,管理にコストが嵩み、
また放置すると牽引手段の切断により浮島が漂流すると
いう問題を招く。:浮島に載せた狭い土壌を使用する
ものであるため、潅水,施肥を行なわないと草木の成育
が難しいが、このような作業にコストが嵩み、また施肥
した肥料が基盤から滲み出るとこれが湖沼を汚染する原
因にもなる。:植栽した草木が成長すると重心の位置
が高くなるため、波浪の影響等も考えて転倒防止を図る
必要があり浮島を大きくするとか転倒防止のための措置
を施す必要がある。等々の問題がある。
【0007】本発明は、カワヤナギに代表されるヤナギ
類及び耐水性樹種であるラクウショウ等の木本植物はい
わゆる水耕栽培とも言える条件下で根を伸長しながら生
育できることを確認した本発明者の知見をもとにしてな
されたものであり、上述した湛水域や汀線の先の水中に
ヤナギ類等の木本植物を植栽する方式の多大な労力を要
するという問題を、別の場所で予め準備,作製した植栽
済の基盤を、目的水面に単に浮かべるだけでよいという
初期作業の簡便化で解消しつつ、浮島方式の課題である
設置後の維持管理が容易でないという問題や、水質浄化
に必ずしも有効でない問題、更には周辺水域を汚したり
水質を汚染するような不具合を解決できる方法を実現す
るために鋭意研究を重ねて本発明をなすに至ったもので
ある。なお本発明において「基盤」というのは、以下に
述べるように植生容器に所定の充填材が充填されたもの
をいい、草木が植栽されたものを「緑化基盤」というも
のとする。
【0008】すなわち本発明は、上記従来技術の問題点
を解決して、水深の浅い湖沼の湖岸や管理された河川の
岸辺の景観の向上に有効であり、また水辺及びその周辺
の水質浄化、水辺周辺の水生生物の環境改善に有効な手
段を提供することを目的とする。
【0009】また本発明の別の目的は、水辺及び水深2
m程度の水辺近傍の水質浄化、水生生物(昆虫等)の成
育環境改善、魚付き機能にも優れ、これを通じて湖畔
林,河畔林等の水辺植生の復活、さらには鳥類の生活環
境の改善にも有効な手段を提供するものである。
【0010】また更に本発明は、上述したような自然環
境に配慮した水辺周辺の緑化に有効な手段を、少ない労
力でかつ安価に提供できるようにすることを目的として
なされたものである。
【0011】
【課題を解決するための手段】上記の目的は、上述した
特許請求の範囲の各請求項に記載した本発明により達成
される。
【0012】すなわち、本願の請求項1に記載した発明
は、水中好気性微生物の生育環境を与えることができる
充填材が草木の根系伸長を許容できるように充填された
上方開放型構造の植生容器と、この植生容器に植栽され
る草木を起立保持させる保持手段とを備えた水面緑化用
基盤であって、上記植生容器は、側面及び底面に草木の
根系が外部に伸長するための小開口を多数有すると共
に、上記充填材及び/又は容器は緩慢な吸水性を有し、
かつ草木が植栽された基盤を水面に置いた初期には該水
面上に浮ぶ程度の浮遊性を有する材料にて形成されてい
て、植栽草木の成長による重量増加と、上記充填材及び
/又は容器の緩慢な吸水による重量増加とによって次第
に浮遊性を失って7〜24カ月の期間を経て経時的に
面下に沈降し、最終的に水底に着底して根系が水底土壌
中に成長するように構成されたものであることを特徴と
する。
【0013】上記の構成において「上方開放型の植生容
器」とは、限定されるものではないが、形状的には、上
下開放型の平面矩形の四側壁からなる筒体と、その底部
に組み付けた充填材落下防止用の金網とを備えた箱型構
造のものが好ましく用いられ、必要に応じて箱内に金網
等を設置するようにしてもよい。また四側壁面には、植
栽した草木の根系が外部に伸長できるようにするため
に、根系が通るための小開口が多数設けられる。また本
発明の基盤は、設置初期には水面上に浮かぶが時間の経
過と共に次第に浮遊性を失って水面下に沈むという機能
を有することを特徴とするものであり、このような初期
の浮遊性と経時的な重量増加による水面下への沈下のた
めに、容器の材質としては、緩慢な吸水性を有するもの
が用いられる。具体的には軽量コンクリート,木質材料
(木板,合板等)などを挙げることができ、補強材等を
含めて比重0.4〜0.5程度のものが好ましく採用さ
れる。これられの材料は緩慢に吸水して次第に比重が高
くなり、植栽した草木の成長による重量増加も相まって
水面下に沈下する。なお植生容器の素材としてプラスチ
ック材料を用いることは結果的に周辺環境の汚染につな
がるため好ましくない。
【0014】基盤の水面下への沈下は、植栽木が徐々に
水に順化して、根が水底に到達後自立するのを促進する
こと、及び基盤を見せないという理由から、7〜24カ
月程度の期間、好ましくは12〜15カ月程度の期間で
あることがよい。この期間があまり短いと植栽木が水没
する傾向が大きくなって好ましくなく、反対にあまり長
いと景観を損なう傾向が大きくなって好ましくないから
である。
【0015】このような植生容器に充填される上記「充
填材」は、水中好気性微生物の生育環境を与えることが
でき、かつ草木の根系伸長を許容できるものであること
が必須とされ、このために例えば多孔質の木炭,軽石等
の粒状物,塊状物、ヤシガラ繊維等の天然性の繊維状物
が好ましく用いられ、特には根系の安定と草木の成長促
進のために植生容器の底部側に上記粒状物,塊状物を充
填し、その上に天然性の繊維状物を被覆する構成が好ま
しい。これにより支持根と毛細根が発達して、草木の成
長が促進されるという利点が得られる。多孔質材料は微
生物の担体として有利であり、窒素成分(有機態窒素)
やリン成分(有機態リン)の分解に寄与する微生物の繁
殖により水質浄化、草木への窒素,リンの吸収に貢献す
る。また多孔質であるため次第に吸水して基盤全体の比
重を高めて水面下への沈下促進にも寄与できる。土壌は
用いないことが好ましい。
【0016】上記構成において、植栽された樹木を起立
させるための「保持手段」は、例えば平面矩形の植生容
器の略中央に樹木を植栽できるように、四側壁の対向壁
の間に梁を架設して植栽樹木を縛ることなどにより固定
できるものが用いられる。なお本発明の基盤は、一つの
植生容器に1本の樹木を植栽する場合の他、一つの植生
容器に複数の樹木を植栽することもできるが、後述のよ
うに複数の基盤を連結する方式では、一つの基盤単位を
小さくした方が連結の態様を種々選択できるので一つの
植生容器に1本の樹木を植栽した方式が好ましい。
【0017】植栽する樹木としては、例えばカワヤナ
ギ,ラクウショウ等が好ましいものとして例示される。
【0018】以上の構成を有する本発明の基盤に所定の
樹木を植栽した緑化基盤によれば、水面にこれを施用し
た初期には、基盤のもつ浮遊性により該緑化基盤は水面
に浮かび、充填材中での微生物の繁殖による窒素成分等
の分解、根の伸長などが進み、更に基盤の小開口から水
中に伸長した根から水中に溶け込んでいる窒素,リン等
の富栄養物質を吸収して水質浄化に寄与することができ
る。またこれに伴って植生容器や充填材の吸水による重
量増加や、植栽草木の成長による重量で次第に緑化基盤
の沈降が進み、最終段階においては該緑化基盤は湖底に
着底し、これにより根系は底泥中に伸長して草木を安定
させ、草木の上部は水面上に伸長して水面を緑化するこ
とができる。
【0019】本願の請求項の発明は、上記の基盤の複
数を、平面的に相互に連結一体化させたことを特徴とす
る。
【0020】複数の基盤を上記のように相互に連結一体
化する方法は、特に限定されるものではないが、各基盤
の対面する側壁をボルトナットで締結する方法が簡単で
ある。またこの締結部分には波浪等の影響による衝撃等
の緩和のためにゴムシートなどの緩衝シートを介挿する
ことが好ましい。連結する基盤の数は特に限定されるも
のではなく、また一列状であってもよいしマトリックス
状であってもよく、更に水鳥営巣用として環状に連結す
ることもでき、施用する水面などの状況に応じて決める
ことができる。
【0021】また連結一体化は、草木を植栽した単位緑
化基盤を施用場所に搬送した後、現地で連結作業するの
が搬送などの作業性の点から好ましい。
【0022】本願の請求項の発明は、緑化基盤(連結
一体化した場合を含む)を、湖沼汀線近傍の水深2m未
満の水面に浮かべて、漂流防止手段を連結することを特
徴とする。漂流防止手段としてはいわゆるアンカーにワ
イヤで連結するなどの一般的な方法を採用することがで
きる。
【0023】これにより着底して安定するまでの浮遊期
間中に基盤が漂流することがなく、目的施用水面の緑化
を図ることができる。
【0024】
【発明の実施の形態】
実施形態1 図1は本発明よりなる次第に沈降して着底する水面緑化
用基盤の構成概要一例を示したものであり、1は鉄筋入
り軽量コンクリート製の枠板2,3を四枚を四側壁状に
組み立てた筒構造の植生容器本体であり、底部は図2に
示したステンレス製の金網4が張られている。この金網
4の網目の大きさは、容器内部に充填する木炭等の充填
材が落下せず、かつ植栽した草木の根が外に伸長できる
程度とされる。上記の軽量コンクリート製の枠板2,3
は、比重が軽くかつ緩慢な吸水性を有するものとして形
成されている。またこれらの枠板2,3は、内外の水流
通を許しかつ草木の根が外に伸長することもできるよう
に多数の小開口5が設けられている。この小開口5の大
きさは木炭等の充填材が外に流出しない程度とされる。
【0025】6は植栽木固定用の支柱であり、一対の対
向枠板2の略中央位置において上端部近傍に渡って架設
されて、図1に示すように、例えば植栽木8を紐7で縛
ることにより起立保持できるようになっている。9は充
填材としてのヤシガラ繊維であり、図示しない底部側の
木炭,軽石等の塊状物の上を覆うように充填されてい
る。
【0026】以上の構成の本例の基盤1は、一本の植栽
木を植栽する単位基盤として構成されており、10はこ
れらの基盤1の複数を連結するのに用いられるボルト穴
を示している。なお11は植栽木固定用支柱の組み付け
穴である。
【0027】図3は上記枠板2,3の単体を示し、本例
では、枠板3の所定位置に打ち込んだ片側3本のアンカ
ーボルト12を、枠板2の対応するアンカー穴13に嵌
合させることで上記四側壁状の筒構造の基盤本体が形成
される。
【0028】そして以上の構成の植栽済の基盤(緑化基
盤)1は、植栽木も小さく、基盤本体1,充填材が吸水
していない組み立て状態では、これを水面に施用した際
に浮遊するように全体比重は小さく設定されていると共
に、その後植栽木の成長や基盤本体1,充填材の吸水に
よって全体比重1が越えて水面下に沈降するように構成
されている。
【0029】以上の基盤1を、緑化目的の対象水面(湖
沼岸辺近傍の水深の浅い水面)20に施用すると、図4
に示すように、基盤の比重が小さい初期には水面に浮遊
する(図4(イ)参照)。そして、基盤1内の充填材中
で微生物が繁殖し、窒素成分等の分解、根81の伸長な
どが進み、また根81は基盤の小開口から水中に伸長し
た根から水中に溶け込んでいる窒素,リン等の富栄養物
質を吸収して周辺水質を浄化しながら次第に沈降する
(図4(ロ)参照)。更に植栽木8の成長などにより最
終的に基盤1の全体比重が1を越えるようになると該基
盤1は水底21に着底し(図4(ハ)参照)、植栽木8
の根81は下側では水底21から下側に更に伸長しては
り、植栽木8を安定させる。
【0030】また水面上に出た植栽木上部は周辺の景観
を向上させ、この際、基盤の植栽木8を除く部分は水中
に没しているため景観を損なうことがないという利点が
得られる。
【0031】実施形態2 図5〜図7は、上記の基盤1を一単位としてこれを複数
連結して用いる場合の例を示したものであり、図5は連
結の種々の態様を示している。すなわち、図5(イ)は
単位基盤1を矩形環状に連結した水鳥営巣用の態様を示
し、図5(ロ)は4個を矩形(マトリックス状)に連結
した態様を示し、図5(ハ)は一列状に連結した態様を
示している。
【0032】図6は連結のための構造を示したものであ
り、連結対象の基盤1をその枠板3の外面が対向するよ
うに向かい合わせ、緩衝材であるゴムシート30を間に
して連結用ボルト穴10,ゴムシート30を貫通して連
結用ボルト31を貫通させ、両端のネジ部にナット32
をねじ込んで両者を締結一体化する。なお本例では締結
用のボルトは1本用いるように図示しているが、これは
締結強度の必要に応じて複数ケ所に設けてもよいし、ボ
ルト締結位置も上部に限定されるものではなく下部に設
けたり、あるいは締結のためのフランジを適宜設けても
よい。
【0033】図7は締結の他の構造を示したものであ
り、対向する枠板3,3の間に連結用ボルト31に貫通
されるゴムシート33を介挿する他、ナット32と枠板
3の間にもゴムシートを介挿した構造に設けられてい
る。
【0034】実施形態3 図8は、木質材料により作製した本発明の基盤101を
示し、平面長方形の四隅及び中間位置に配置した6本の
木製の角棒支柱102,102,・・・・に、対向一対
の木製長尺板103,103と、他の対向一対の木製短
尺板104,104を側壁として組み付け、更に、対向
一対の長尺板103,103の底部近傍に数cm程度の
隙間を空けて複数枚の木製底板105,105,・・・
・を架設した構造のものとして構成されている。なお1
06,106,・・・・は根が外に伸長できるようにす
るための小開口、107,107,・・・は隣接する基
盤を連結するための連結用ボルト穴である。なお10
8,108は対向一対の長尺板103,103の上端部
間に渡って架設した植栽木固定用支柱である。
【0035】本例の構成によっても、実施形態1と同様
の初期には浮遊し、経時的に水面下に沈降する基盤を構
成することができる。
【0036】
【実施例】
実施例1 図1〜図3により示した上記実施形態1の基盤を次のよ
うに形成した。
【0037】基盤本体1を、鉄筋を入れた比重0.4〜
0.5kg/cm2 の軽量コンクリートにより、厚み6
cmの板(100cm×100cmの枠板2を二枚、1
00cm×88cmの枠板3を2枚)に直径5cmの丸
穴(小開口5)を各々12ケ所,9ケ所開けたものを、
図3で説明したように相互に組み付けて四側壁状に組み
立てた筒構造の植生容器本体を組立て、底部に直径1c
mの鉄筋を四本通してメッシュ3cm(84cm×84
cm)のステンレス製の金網4を敷き、更に植栽木固定
用支柱6を組み付けた。
【0038】次に、植栽木8としてラクウショウを植栽
木固定用支柱6に紐で縛って図1のように起立した状態
で固定保持し、上記金網4の穴を通らない大きさの塊状
の木炭を充填材として基盤本体1内に充填し、木炭の流
出防止のために更にその上にヤシガラ繊維9を敷いて覆
った。
【0039】以上のようにして構成した基盤(緑化基
盤)1の複数を、図5(イ)のように矩形環状に連結し
て、水深1.4mの池の水面に施用し、基盤に連結した
ワイヤの先を水底に打ち込んだ鉄パイプにつなぎ漂流し
ないように固定した。
【0040】この状態で12カ月の間放置したところ、
基盤1の底部及び側壁の小開口4から植栽木の根が水中
に次第に伸長しまた基盤上の植栽木の上部が成長してい
ることが観察されると共に、基盤の浮上状態は水面上に
出ている部分が少なくなって沈降が進行していることが
観察された。更に基盤1周辺に魚類が遊泳するいわゆる
魚付き現象が観察された。
【0041】また、木製基盤を水面に施用した後7カ月
を経過した時点で、該木製基盤は水面下に没して水底に
着底したことが観察され、その後、植栽木は更に成長し
た。また植栽木の繁殖している周辺に水鳥のカイツブリ
の巣が作られていることが観察された。
【0042】
【発明の効果】本発明によれば、従来技術の問題点を解
決しながら以下の種々の効果が奏される。
【0043】:請求項1の発明によれば、水深の浅い
湖沼の湖岸や管理された河川の岸辺の水辺及びその周辺
の水質浄化を効果的に改善し、水辺周辺の水生生物の環
境改善に有効である。
【0044】:また、特に基盤に植栽された樹木の成
や充填材が緩慢に吸水して沈下して基盤が水面下に没
7〜24カ月の期間を経て最終的に湖底に着底するこ
とで、根系が水底中にはって樹木が安定して自立し、水
面上に伸長した樹木が成長を続けることができて、施用
後の維持管理が容易かつ安価にできる。
【0045】:更に、基盤が水面下に没するものであ
るため、人工的な構造物である基盤が見えなくなって、
湖畔林,河畔林等の水辺植生の復活、景観の向上に極め
て優れている。
【0046】:更に又、本発明によれば、緑化基盤が
水面に浮遊している間に、成長する草木の根系が基盤内
外に伸長できるので、水辺及び水深2m程度の水辺近傍
の水質浄化、水生生物(昆虫等)の成育環境改善、魚付
き機能にも優れている。
【0047】:請求項の発明によれば、充填材が木
炭,軽石等の粒状,塊状物と、ヤシガラ繊維等の天然繊
維状物であるため、従来のように土壌を用いる結果周辺
の水質を汚染する虞れが全くなくいという優れた効果が
得られる。
【0048】:請求項の発明によれば、単位基
盤を施用水面の状況に応じて連結することで広範囲に、
また現場に則した緑化を実現できると共に、また水鳥営
巣用に環状に連結することで、カイツブリなどの水鳥類
の生活環境の改善にも効果がある。
【0049】:植栽した緑化基盤を水面に施用すると
いう簡単な作業でよいため、上述したような自然環境に
配慮した水辺周辺の緑化に有効な手段を、少ない労力で
かつ安価に提供できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の次第に沈降して着底する水面緑化用基
盤を軽量コンクリートで作製した場合の構成概要一例を
示した斜視図。
【図2】図1の基盤の底部に組み付ける金網の平面図。
【図3】図1の基盤の詳細を説明するための図。
【図4】本発明よりなる基盤が、水面への施用後に次第
に沈降して着底する状態を説明するための図。
【図5】本発明よりなる基盤を一単位としてその複数を
連結した態様を説明するための図。
【図6】図5の基盤を連結するための構造を説明するた
めの図。
【図7】図5の基盤を連結するための他の構造を説明す
るための図。
【図8】本発明の次第に沈降して着底する水面緑化用基
盤を木質材で作製した場合の構成概要一例を説明するた
めの図。
【符号の説明】
1・・・植生容器本体(基盤本体)、2,3・・・枠
板、4・・・金網、5・・・小開口、6・・・植栽木固
定用支柱、7・・・紐、8・・・植栽木、9・・・ヤシ
ガラ繊維、10・・・連結用ボルト穴、11・・・植栽
木固定用支柱の組み付け穴、12・・・アンカーボル
ト、30・・・ゴムシート、31・・・連結用ボルト、
32・・・ナット、33・・・ゴムシート、20・・・
対象水面、21・・・水底、81・・・根、101・・
・基盤、102・・・角棒支柱、103・・・木製長尺
板、104・・・木製短尺板、105・・・木製底板、
106・・・小開口、107・・・連結用ボルト穴、1
08・・・植栽木固定用支柱。
フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭58−28213(JP,A) 特開 昭56−21526(JP,A) 特開 平4−79817(JP,A) 特開 平7−79652(JP,A) 特開 平8−58683(JP,A) 特開 平8−150989(JP,A) 特開 平9−182541(JP,A) 特開 平8−214721(JP,A) 実開 平2−25099(JP,U) 実開 平6−38498(JP,U) (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) A01G 31/00

Claims (9)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 水中好気性微生物の生育環境を与えるこ
    とができる充填材が草木の根系伸長を許容できるように
    充填された上方開放型構造の植生容器と、この植生容器
    に植栽される草木を起立保持させる保持手段とを備えた
    水面緑化用基盤であって、 上記植生容器は、側面及び底面に草木の根系が水に順化
    した後外部に伸長するための小開口を多数有すると共
    に、上記充填材及び/又は容器は緩慢な吸水性を有し、
    かつ草木が植栽された基盤を水面に置いた初期には該水
    面上に浮ぶ程度の浮遊性を有する材料にて形成されてい
    て、植栽草木の成長による重量増加と、上記充填材及び
    /又は容器の緩慢な吸水による重量増加とによって次第
    に浮遊性を失って7〜24カ月の期間を経て経時的に
    面下に沈降し、最終的に水底に着底して根系が水底土壌
    中に成長するように構成されたものであることを特徴と
    する次第に沈降して着底する水面緑化用基盤。
  2. 【請求項2】 請求項において、植栽される草木が小
    型で運搬容易な苗木であることを特徴とする次第に沈降
    して着底する水面緑化用基盤。
  3. 【請求項3】 請求項1又は2において、植生容器に充
    填される充填材は、木炭,軽石等の粒状,塊状物と、ヤ
    シガラ繊維等の天然繊維状物であることを特徴とする次
    第に沈降して着底する水面緑化用基盤。
  4. 【請求項4】 請求項1ないしのいずれかにおいて、
    植栽容器は、軽量コンクリート又は木質材料により形成
    された平面矩形の上下開放型の筒体と、その底部に組み
    付けられた充填材落下防止網とを備えていることを特徴
    とする次第に沈降して着底する水面緑化用基盤。
  5. 【請求項5】 請求項1ないしのいずれかの基盤は、
    複数のものが平面的に相互に連結一体化されるように設
    けられていることを特徴とする次第に沈降して着底する
    水面緑化用基盤。
  6. 【請求項6】 請求項において、複数の基盤は、水鳥
    の営巣用に環状に連結されていることを特徴とする次第
    に沈降して着底する水面緑化用基盤。
  7. 【請求項7】 請求項又はにおいて、平面的に相互
    に連結一体化される複数の基盤の接触面間には緩衝材が
    介挿されていることを特徴とする次第に沈降して着底す
    る水面緑化用基盤。
  8. 【請求項8】 請求項1ないし7のいずれかの基盤にお
    いて、植生容器に植栽される草木が、カワヤナギ等のヤ
    ナギ類あるいはラクショウであることを特徴とする次第
    に沈降して着底する水面緑化用基盤。
  9. 【請求項9】 請求項1ないし8のいずれかの基盤を、
    湖沼汀線近傍の水深2m未満の水面に浮かべて、漂流防
    止手段を連結することを特徴とする水面緑化用基盤を用
    いた湖沼岸辺の緑化方法。
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