JP3342219B2 - 育苗用マット - Google Patents

育苗用マット

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Description

【発明の詳細な説明】
【産業上の利用分野】本発明は、ダム、貯水池、湖沼、
河川、閉鎖系海域などの汚染水浄化を行うにあたり汀線
沿岸に人工的に草原を育成させ、波浪防止しながら自然
の湿地域をつくることにより、水浄化と景観回復による
ビオト−プ地帯を構成するための育苗用マットに関す
る。
【0002】
【従来の技術】窒素やリン等で富栄養化された産業排
水、生活廃水等が河川や湖沼に流入してアオコや植物性
プランクトンが発生し、また、ホテアオイやハス、ヒ
シ、ホザキノフサモ、オオカナダモ、ガマ、カンガレ
イ、ヨシ等が繁殖して水浄化や自然の動植物の生息地と
なって、ビオト−プが形成されている。しかしながら、
自然災害に対する防衛等のために開発がすすみ、垂直護
岸、消波護岸や石積み護岸、堤防等が構築されて、汀線
形態が失われ動植物の棲息する湿地が減少している。こ
のため、湿地植物等が減少し、流入排水中の窒素やリン
等で富栄養化された汚染水が自浄作用によって浄化でき
ず、アオコや植物性プランクトンの死骸、ホテアオイや
ハスなどの植物の枯渇による腐敗が増加して汚染水のま
ま排出されたり、ヘドロとなって湖底に堆積する問題が
生じている。以上のことから、湿地保全の重要性が認め
られ、特に家庭排水の浄化作用に優れたヨシ原が注目を
集めており、ヨシの植栽法としては、種子をプランタ−
に蒔き、育苗後大株移植法で移植する方法がアシ原生成
に効果があるとされている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】けれども、ヨシ地の群
落育成は水位0m付近が最もよいとされており、最適親
水土壌を有する自然傾斜地を選定するのは極めて困難で
ある。しかも、植生しても波浪により苗が洗い流された
り、根付かなかったりしてその着床性はあまりよくはな
い。以上のことを鑑み、本発明は、ヨシ地等の回復に最
適である植栽土壌地を提供する育苗用マットを提供する
ものである。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明は、単繊維繊度5
〜50dの繊維(A成分)及び単繊維繊度300〜10
000dの繊維(B成分)で構成された嵩比重0.02
〜0.1g/cm3 の立体不織布シ−トからなる育苗用
マットを提供するものである。
【0005】ヨシ原等を形成し、容易に維持管理を行う
ためには以下のような条件が必要である。 ヨシ等の湿地植物の播種できる人工培地であること。 ヨシ等の湿地植物の根域に水、空気、肥料が適当に行
き渡ること。 人工培地が水中の微生物(藻類や原生動物等)の付着
性に優れること。 培地の設置が容易であること。 湿地植物の生育後の処理・処分が容易であること。 波浪や風雨に対して耐久性があり、かつ消波効果も望
めること。
【0006】本発明の育苗用マットは、上記の条件を備
えた優れたものであり、立体不織布で構成されているた
め、敷設時の取扱及び杭や浮き等の取り付けも容易に行
うことができ、また、植生及び水分吸収や放出、微生物
の繁茂による荷重に対して安定な形状と透水性を有し、
かつ波浪や風雨に絶えることができる。本発明の育苗用
マットに関して以下に詳細に説明する。
【0007】本発明の育苗用マットは、単繊維繊度5〜
50dの細繊維(A成分)と、単繊維繊度300〜10
000dの太繊維(B成分)により構成されていること
が必要である。A成分の役割は、湿地植物の種子をマッ
トに留めるネット効果を得ること及び適度な水分と空気
の置換を効果的に行うことにある。5d未満では繊維が
細過ぎてB成分との均一混合が困難となり、また50d
を越えると繊維本数が少なくなってネット効果が損なわ
れる。B成分の役割は、強度及び適度な空隙を形成させ
ることにあり、不織布の嵩比重を決定する大きな要因と
なる。300d未満では嵩比重が0.1をこえて空隙が
小さくなり、植物の生育性等の点で好ましくない。ま
た、10000dを越えると嵩比重が0.02をこえて
強度が低くなり過ぎ、種々の荷重に絶えられなくなる。
【0008】なお本発明でいう嵩比重とは、不織布シ−
トの重量をその占める見掛け体積で除した値を示す。そ
の値が0.02〜0.1g/cm3 のとき強度、形態安
定性、植物生育性に優れたものが得られる。すなわち、
嵩比重が小さいため、根圏への空気の置換が容易であ
り、水の侵入と脱水乾燥が容易に行われやすいため、優
れた植物生育性を示すことができる。またかかる嵩比重
の場合、厚さ10cm、幅2m、長さ10mの不織布と
しても、4〜200kgと軽量であるため取扱性にも優
れている。空隙率は90〜98%とするのが好ましい。
空隙率とは、1cm3 中の実質の繊維の体積の割合を示
す。本発明で用いる立体不織布の厚さは、取扱性、耐久
性の点から3〜30cm、特に5〜15cmとするのが
好ましい。
【0009】A成分とB成分は3:7〜7:3の割合で
混合されるのが好ましい。A成分が少なすぎるとシ−ト
強度が低下して、形態安定性、取扱性の点で問題が生じ
る場合がある。また、B成分が少なすぎると、シ−ト強
度は向上するものの、嵩比重が高くなり湿地植物の根域
に水、空気、肥料が適当に浸透することが阻害され好ま
しくない場合がある。本発明の効果を損なわない範囲内
で、A成分、B成分以外の繊維を混入してもよい。本発
明のマットを構成する繊維は、天然繊維、合成繊維等あ
らゆる繊維を用いることができるが、強度、耐久性等の
点から合成繊維が好ましい。具体的には、ポリビニルア
ルコ−ル系繊維、ポリアミド系繊維、ポリオレフィン系
繊維、ポリエステル系繊維等が挙げられ、これらの繊維
のうち1種又は2種以上からなるものがより好ましい。
またポリプロピレン、ポリエチレン、ポリ塩化ビニル、
ポリエステル及びその共重合体からなる繊維を用いても
よい。
【0010】ポリビニルアルコ−ル繊維、ポリアミド繊
維は、遠赤外線の放射率が高いために好ましく、特にポ
リビニルアルコ−ル系繊維は、分子構造の中にOH基を
含み、水の吸収と放出に敏感であるためより好ましい。
また、ポリビニルアルコ−ル系繊維は、親水性が高く水
と繊維との接触角が大変小さいため、水中の微生物(藻
類や原生動物等)の付着性に優れており、湿地植物生育
後の処分も容易である。ヨシ等の湿地植物は2〜3年で
枯渇するため、施工したマットを汀線沿岸や水中から除
去しなければならないが、ポリビニルアルコ−ル系繊維
は、焼却しても有害ガスが生じず燃焼熱も植物繊維並な
ので容易処分することができる。また、マットには、高
い耐波浪強力や優れた耐候性が要求されるため、この点
においても強力が高く耐候性に優れたポリビニルルコ−
ル系繊維が好ましい。耐候性の低い繊維を用いる場合に
は、紫外線劣化防止剤た黒色顔料等を配合することが好
ましい。
【0011】本発明の立体不織布の製造方法は特に限定
されるものではない。例えば、熱可塑性ポリマ−を繊維
状に吐出した後、繊維相互に溶融接着して連続繊維のま
ま不織布とする方法や、予めモノフィラメントをカット
長さ5cm以上に切断し、縄ない機等でロ−プ状に縄を
なって捲縮をかけ、繊維相互に絡み合いを作り易くしエ
マルジョン等の接着剤で繊維相互を固着する方法等を採
用することができる。また繊維混合は、熱可塑性ポリマ
−を繊維状(B成分300〜10000d)に吐出しつ
つ捲縮し、A成分を分散しながら空気にて圧送混合する
ことで容易に行うことができる。
【0012】ポリビニルアルコ−ル系繊維等の熱溶融し
ない繊維の場合は、A繊維及びB繊維に捲縮を施してか
ら混合し、樹脂熱バインダ−等で接合する方法が好適に
用いられる。得られた不織布に樹脂加工等を施してもか
まわない。
【0013】本発明の育苗用マットは、水面に浮かばせ
て敷設できるが、安定性の点では、杭、柵や浮き等に取
り付け流出しないようにするのが好ましい。育苗用マッ
トには、波浪や風雨に対して耐久性を有すること、波等
で転倒しないことが要求される。従って、強力の高い繊
維を用いてマットを形成し、かつ固定をしておくことが
好ましい。
【0014】以下、実施例により本発明をより具体的に
説明するが、本発明はこれにより何等限定されるもので
はない。
【実施例】
[実施例1]A成分として、ポリビニルアルコ−ル繊維
(株式会社クラレ製ビニロンT−16、15d×10
0)に機械捲縮をかけ長さ10cmに切断したものを用
いた。また、B成分として、ポリビニルアルコ−ル繊維
(株式会社クラレ製ビニロンRF1500d×100)
を10cmに切断して縄ない機にてピッチ5cmの縄を
編み捲縮をかけた後にほぐして短繊維とした。それぞれ
の繊維を重量比5:5となるように空気にて混合し、ア
クリル系の接着剤をスプレ−で散布しながら厚さ15c
m、幅1m、長さ2mの底部に金網を張った鉄製の型枠
に降り積もらせ、厚み方向に繊維がならぶように積層し
ながら厚さ10cmの不織布原シ−トを作成した。さら
に200℃の乾燥機にて樹脂硬化後厚さ10cm、幅1
m、長さ2mの不織布シ−トを得た(目付2500g/
2 、嵩比重0.025g/cm3 、空隙率97.5
%)。
【0015】厚さ方向の断面から厚さ方向に並んでいる
繊維の本数を目視観察すると58%の繊維が厚さ方向に
並んでいることがわかった。この不織布を30cm角に
切り出し230kgの荷重(0.25kg/cm2 )を
かけたがそのときの変形は3%であった。つぎ不織布マ
ットを敷設するため竹製の枠を作りこの上にマットを紐
でしばり、ヨシの種子を20cm間隔に播種、他方には
茎を植え付けた。かかるマットを岡山市旭川の福島地区
河岸の水面に固定するために杭を打ち、不織布マットを
水面から5cmでるように杭に固定した。約1か月後に
発芽しその後もヨシの成長は順調であった。
【0016】
【発明の効果】本発明によれば、湿地植物の生育に最適
であり、取扱性等にも優れた育苗用マットが得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の育苗用マットの1例を示した模式図。
【図2】本発明の育苗用マットを湖沼、河川の沿岸に敷
設したときの概観図。
【図3】本発明の育苗用マットから湿地植物(ヨシ等)
が生育している状況を示した図。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI D04H 3/00 D04H 3/00 Z (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) A01G 31/00 608 A01G 31/00 606 A01G 1/00 303

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 単繊維繊度5〜50dの繊維(A成分)
    及び単繊維繊度300〜10000dの繊維(B成分)
    で構成された嵩比重0.02〜0.1g/cm3 の立体
    不織布シ−トからなる育苗用マット。 【0001】
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