JP2937009B2 - 音像定位制御装置 - Google Patents

音像定位制御装置

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JP2937009B2
JP2937009B2 JP6082663A JP8266394A JP2937009B2 JP 2937009 B2 JP2937009 B2 JP 2937009B2 JP 6082663 A JP6082663 A JP 6082663A JP 8266394 A JP8266394 A JP 8266394A JP 2937009 B2 JP2937009 B2 JP 2937009B2
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    • H04S1/002Non-adaptive circuits, e.g. manually adjustable or static, for enhancing the sound image or the spatial distribution

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、複数の音源から出力
される複数系列の音のそれぞれに対して音像定位を付与
する音像定位制御装置に関する。
【0002】
【従来の技術】一般に2チャンネル以上のスピーカから
音を出力し、各スピーカから出力される音の音圧レベル
等を制御することによって、その音場内の音像の定位を
任意に制御することができる。例えば、音圧レベルによ
って音像の定位を制御する場合には、音像定位制御装置
は、その音響出力を一定に保ちながら左右のスピーカの
音圧レベルを異ならせることによって、音圧レベルの大
きな方へ音像を定位させている。この時、音像定位制御
装置は音響出力を一定に保つためにステレオ・パンポッ
トを用いる。このステレオ・パンポットは音像が音場内
の任意の位置にパンニングされたとしてもその音響出力
が一定レベルとなるように左右の音圧レベルの大きさを
制御するものである。また、音像定位制御装置は、楽音
信号を遅延回路で所定時間だけ遅延させて左右のスピー
カから出力される音が実際に左右の耳に到達する時間を
異ならせることによって、早く耳に到達する方へ音像を
定位させている。
【0003】図14は遅延回路を用いた従来の音像定位
制御装置の概略構成を示す図である。従来の音像定位制
御装置は、3つの音源A,B,Cから入力する信号に対
してそれぞれ独立に音像定位を与えるように構成されて
いる。すなわち、音像定位制御装置は、6つの遅延回路
D1〜D6と、6つの乗算器M1〜M6と、6つの加算
器A1〜A6とから構成される。
【0004】遅延回路D1,D2は音源回路Aからの楽
音信号に対して両耳間の時間差(音波が左右の耳に到達
する時間差)を付与するものである。遅延回路D3,D
4は音源回路Bからの楽音信号に対して両耳間の時間差
を付与するものである。遅延回路D5,D6は音源回路
Cからの楽音信号に対して両耳間の時間差を付与するも
のである。乗算器M1,M2は音源回路Aからの楽音信
号に対して両耳間のレベル差を付与するものである。乗
算器M3,M4は音源回路Bからの楽音信号に対して両
耳間のレベル差を付与するものである。乗算器M5,M
6は音源回路Cからの楽音信号に対して両耳間のレベル
差を付与するものである。
【0005】遅延回路D1,D3,D5、乗算器M1,
M3,M5及び加算器A1,A3,A5は左(L)チャ
ンネル用の音を生成し、遅延回路D2,D4,D6、乗
算器M2,M4,M6及び加算器A2,A4,A6は右
(R)チャンネル用の音を生成する。
【0006】遅延回路D1は音源回路Aからの信号を所
定の遅延時間DALだけ遅延させて、乗算器M1に出力
する。乗算器M1は遅延回路D1によって遅延された信
号に所定係数LALを乗じて加算器A1に出力する。加
算器A1は乗算器M1からの信号に初期値0を加算して
次段の加算器A3に出力する。すなわち、加算器A1は
乗算器M1の信号をそのまま加算器A3に出力するだけ
なので、省略してあってもよい。遅延回路D3は音源回
路Bからの信号を所定の遅延時間DBLだけ遅延させ
て、乗算器M3に出力する。乗算器M3は遅延回路D3
によって遅延された信号に所定係数LBLを乗じて加算
器A3に出力する。加算器A3は加算器A1及び乗算器
M3からの信号を加算して次段の加算器A5に出力す
る。遅延回路D5は音源回路Cからの信号を所定の遅延
時間DCLだけ遅延させて、乗算器M5に出力する。乗
算器M5は遅延回路D5によって遅延された信号に所定
係数LCLを乗じて加算器A5に出力する。加算器A5
は加算器A3及び乗算器M5からの信号を加算し、それ
をLチャンネルの音として出力する。
【0007】遅延回路D2は音源回路Aからの信号を所
定の遅延時間DARだけ遅延させて、乗算器M2に出力
する。乗算器M2は遅延回路D2によって遅延された信
号に所定係数LARを乗じて加算器A2に出力する。加
算器A2は乗算器M2からの信号に初期値0を加算して
次段の加算器A4に出力する。遅延回路D4は音源回路
Bからの信号を所定の遅延時間DBRだけ遅延させて、
乗算器M4に出力する。乗算器M4は遅延回路D4によ
って遅延された信号に所定係数LBRを乗じて加算器A
4に出力する。加算器A4は加算器A2及び乗算器M4
からの信号を加算して次段の加算器A6に出力する。遅
延回路D6は音源回路Cからの信号を所定の遅延時間D
CRだけ遅延させて、乗算器M6に出力する。乗算器M
6は遅延回路D6によって遅延された信号に所定係数L
CRを乗じて加算器A6に出力する。加算器A6は加算
器A4及び乗算器M6からの信号を加算し、それをRチ
ャンネルの音として出力する。
【0008】ここで、両耳間の時間差は、各音源回路
A,B,Cに対応する遅延回路D1〜D6の遅延時間の
差の絶対値|DAL−DAR|,|DBL−DBR|,
|DCL−DCR|となる。両耳間時間差の最大値は、
両耳間の距離を音速(約330m/s)で除した値、す
なわち、両耳間の距離を約17cmとすると、約0.5
ms(=17/33000)となる。図14の音像定位
制御装置のサンプリング周波数を50KHzとした場合
に、1サンプリング周波数に相当する遅延時間は0.0
2msなので、各遅延回路D1〜D6は音像定位を滑ら
かに時変動させ、かつ、0.5msの遅延時間を得るた
めに、約25段分のメモリで構成される。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】従来は、2チャンネル
(左チャンネル及び右チャンネル)再生系においては、
複数N個の音源に対して独立の定位感を与えるために
は、少なくとも2N個の遅延回路が必要であり、また、
その遅延回路は最低でも25段分のメモリで構成されて
いなければならず、音源数が増加するに従って遅延回路
に必要なメモリ量が大幅に増加するという問題を有して
いた。
【0010】この発明は、上述の点に鑑みてなされたも
のであり、定位感を損ねることなく、複数の音源に対し
てそれぞれ個別に遅延回路を設けなくても、所定の遅延
時間を与えることのできる音像定位制御装置を提供する
ことを目的とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】第1の発明に係る音像定
位制御装置は、複数系列の楽音信号に対し、それぞれ任
意の音像定位を付与する音像定位装置であって、前記複
数系列の楽音信号のそれぞれを少なくとも右チャンネル
及び左チャンネルの2つの系列の楽音信号に分岐する複
数の分岐手段と、この分岐手段によって分岐された楽音
信号の振幅をそれぞれ個別に制御する複数の振幅制御手
段と、信号を順次遅延する遅延ラインを含み、前記振幅
制御手段から出力される各系列の右チャンネルの楽音信
号を各系列毎に前記遅延ラインの任意の位置の信号に加
算し、各系列の楽音信号を遅延させて出力する右チャン
ネル遅延手段と、信号を順次遅延する遅延ラインを含
み、前記振幅制御手段から出力される各系列の左チャン
ネルの楽音信号を各系列毎に前記遅延ラインの任意の位
置の信号に加算し、各系列の楽音信号を遅延させて出力
する左チャンネル遅延手段とから構成されるものであ
る。
【0012】第2の発明に係る音像定位制御装置は、複
数系列の楽音信号に対し、それぞれ任意の音像定位を付
与する音像定位装置であって、前記複数系列の楽音信号
のそれぞれを少なくとも右系列及び左系列の2系列に分
岐する複数の分岐手段と、この分岐手段によって分岐さ
れた右系列及び左系列の楽音信号の振幅をそれぞれ個別
に制御する複数の振幅制御手段と、複数のデータを記憶
する遅延メモリと、前記複数系列の楽音信号の音像定位
位置に対応した右系列用のアドレスに記憶されているデ
ータを前記遅延メモリから読み出し、読み出されたデー
タと前記振幅制御手段から出力される右系列の楽音信号
とを加算し、その加算結果を前記アドレスに書き込む複
数の右系列データ読み書き手段と、前記遅延メモリの共
通のアドレスからデータを読み出すことによって所定時
間だけ遅延された右系列の楽音信号を出力する右系列遅
延手段と、前記複数系列の楽音信号の音像定位位置に対
応した左系列用のアドレスに記憶されているデータを前
記遅延メモリから読み出し、読み出されたデータと前記
振幅制御手段から出力される左系列の楽音信号とを加算
し、その加算結果を前記アドレスに書き込む複数の左系
列データ読み書き手段と、前記遅延メモリの共通のアド
レスからデータを読み出すことによって所定時間だけ遅
延された左系列の楽音信号を出力する左系列遅延手段と
から構成されるものである。
【0013】
【作用】第1の発明に係る音像定位制御装置において、
分岐手段は、複数の音源から出力される複数系列の楽音
信号のそれぞれを右チャンネル及び左チャンネルの楽音
信号に分岐する。振幅制御手段は、分岐された楽音信号
の振幅をそれぞれ個別に制御する。右チャンネル遅延手
段は信号を順次遅延する遅延ラインを含んで構成される
ので、振幅制御手段から出力される各系列の右チャンネ
ルの楽音信号を各系列毎に遅延ラインの任意の位置の信
号に加算することによって、各系列の楽音信号はその加
算位置に対応した時間だけ遅延して出力するようにな
る。左チャンネル遅延手段も、同様に、信号を順次遅延
する遅延ラインを含んで構成されるので、振幅制御手段
から出力される各系列の左チャンネルの楽音信号を各系
列毎に遅延ラインの任意の位置の信号に加算することに
よって、各系列の楽音信号はその加算位置に対応した時
間だけ遅延して出力するようになる。従って、第1の発
明によれば振幅制御手段毎に遅延回路を設けなくても、
各系列の楽音信号に対して所定の遅延時間を与えること
ができるようになる。
【0014】また、第2の発明に係る音像定位制御装置
において、分岐手段は、複数の音源から出力される複数
系列の楽音信号のそれぞれを右系列及び左系列の楽音信
号に分岐する。振幅制御手段は、分岐された楽音信号の
振幅をそれぞれ個別に制御する。遅延メモリは複数のデ
ータを記憶する。右系列及び左系列データ読み書き手段
は、音像定位位置に対応した右系列及び左系列用のアド
レスに対してデータの読み書きを行う。すなわち、右系
列及び左系列データ読み書き手段は、音像定位位置に対
応したアドレスからデータを読み出し、それに振幅制御
手段からの楽音信号を加算し、その加算結果をそのアド
レスに書き込む。このとき、右系列及び左系列遅延手段
は、遅延メモリの共通のアドレスからデータを順次読み
出しているので、読み出された信号はデータ読み書き手
段によって書き込まれたアドレスに応じた所定時間だけ
遅延されて出力されることとなり、第1の発明の場合と
同じように振幅制御手段毎に遅延回路を設けなくても、
各系列の楽音信号に対して所定の遅延時間を与えること
ができるようになる。
【0015】
【実施例】以下、この発明の実施例を添付図面に従って
詳細に説明する。図2は本発明の音像定位制御装置を内
蔵した電子楽器の概略構成を示すブロック図である。電
子楽器としては、電子オルガン、電子ピアノ、シンセサ
イザ、電子リズム楽器、電子管楽器、電子弦楽器、電子
打楽器等のそれぞれの楽器に対応した楽音を発生するも
のであれば何でもよい。以下、この実施例では鍵盤で音
高を指定する鍵盤楽器を例に説明する。
【0016】この実施例において、電子楽器全体の制御
は、マイクロプロセッサユニット(CPU)10、RO
M11、データ及びワーキングRAM12を含んで構成
されるマイクロコンピュータによって行われる。CPU
10は、この電子楽器全体の動作を制御するものであ
る。このCPU10に対して、データ及びアドレスバス
1Eを介してROM11、データ及びワーキングRAM
12、鍵盤インターフェイス(I/F)14、表示部イ
ンターフェイス(I/F)15、パネルインターフェイ
ス(I/F)17、音源19及び定位制御回路1Aが接
続されている。
【0017】ROM11はCPU10のシステムプログ
ラムや楽音に関する各種パラメータや定位制御回路1A
に設定される複数のマイクロプログラムや各種データを
格納するものであり、リードオンリーメモリ(ROM)
で構成されている。データ及びワーキングRAM12
は、演奏情報やCPU10がプログラムを実行する際に
発生する各種データを一時的に記憶するものであり、ラ
ンダムアクセスメモリ(RAM)の所定のアドレス領域
がそれぞれ割り当てられ、レジスタ及びフラグとして利
用される。鍵盤13は、発音すべき楽音の音高を選択す
るための複数の鍵を備えており、各鍵に対応したキース
イッチを有しており、また必要に応じて押圧力検出装置
等のタッチ検出手段を有している。鍵盤13は音楽演奏
のための基本的な操作子であり、これ以外の演奏操作子
でもよいことはいうまでもない。
【0018】鍵盤インターフェイス14は、発生すべき
楽音の音高を指定する鍵盤13のそれぞれの鍵に対応し
て設けられた複数のキースイッチからなる回路を含んで
構成されており、新たな鍵が押圧されたときは、その押
圧された鍵のキーコードを含むキーオンイベント情報を
出力し、鍵が新たに離鍵されたときはその離鍵された鍵
のキーコードを含むキーオフイベント情報を出力する。
また、鍵押し下げ時の押鍵操作速度又は押圧力等を判別
してタッチデータを生成する処理を行い、生成したタッ
チデータをベロシティデータとして出力する。
【0019】表示部インターフェイス(I/F)15は
電子楽器の制御状態や現在設定されているパラメータの
内容や設定可能なパラメータ等の各種情報を表示部16
を駆動制御することによって表示するものである。表示
部16は液晶表示パネル(LCD)や発光ダイオード
(LED)等からなり、表示部インターフェイス15に
よってその表示動作を制御される。
【0020】パネルインターフェイス17はパネル操作
子18上の各種スイッチをスキャン処理して、その操作
状態(イベントの種類)を検出し、そのイベント情報を
データ及びアドレスバス1Eを介してCPU10に割り
込み信号として出力する。パネル操作子18は、音色情
報、エンベロープ情報、エフェクト情報等を選択/設定
/制御するための各種操作子を含むものであり、例え
ば、各音源で生成された各楽音信号の音像の定位を指定
するための定位指定スイッチ等を有する。
【0021】音源19は、複数nチャンネルで楽音信号
の同時発生が可能である複数の音源回路で構成され、複
数の楽音信号を発生する。この実施例では、音源19が
3つの音源回路A,B,Cで構成されている場合につい
て説明する。各音源回路はデータ及びアドレスバス18
を経由して与えられる各チャンネルに割り当てられた演
奏情報(キーコード、キーオン信号、タッチデータ、各
種のパラメータ)を入力し、この演奏情報に基づき所定
の楽音信号発生方式で所定の音色の楽音信号を発生す
る。
【0022】各音源回路は、発生すべき楽音の音高に対
応して変化するアドレスデータに応じて波形メモリに記
憶した楽音波形サンプル値データ(wave form
data)を順次読み出すメモリ読み出し方式、又は
上記アドレスデータを位相角パラメータデータとして所
定の周波数変調演算を実行して楽音波形サンプル値デー
タ(FM data)を求めるFM方式、あるいは上記
アドレスデータを位相角パラメータデータとして所定の
振幅変調演算を実行して楽音波形サンプル値データを求
めるAM方式、又はアルゴリズム(tone gen.
algorithm)を用いた倍音付加方式等の各種
楽音信号発生方式を適宜採用することができる。
【0023】音源19で生成された複数系列の楽音信号
(各音源回路A,B,Cから出力される楽音信号)は、
定位制御回路1A、ディジタル−アナログ変換器(DA
C)1B及びサウンドシステム1C,1D内のアンプや
スピーカを介して発音される。定位制御回路1Aは、音
源19からの複数系列の楽音信号に対して定位制御をそ
れぞれ施してディジタル−アナログ変換器(DAC)1
Bに出力したり、音源19からの3系統の楽音信号に対
してそれぞれ異なる演算を施して、各種の効果付与処理
等を行う。なお、この定位制御回路の詳細については後
述する。
【0024】ディジタル−アナログ変換器(DAC)1
Bは定位制御回路1Aによって定位制御されたり効果付
与されたデジタルの楽音信号をアナログ信号に変換して
外部のサウンドシステム1C、1Dに出力する。サウン
ドシステム1C、1Dは増幅器とスピーカで構成され、
ディジタル−アナログ変換器(DAC)1Bからのアナ
ログ信号に応じた音を発生する。従って、両方のスピー
カーから出力された音は所定の音像定位を示すようにな
る。
【0025】次に、定位制御回路1Aの詳細構成につい
て説明する。図1は、図2の定位制御回路1Aの構成を
機能ブロック図で示したものである。定位制御回路1A
は、3つの音源回路A,B,Cからの楽音信号に対して
それぞれ独立に音像定位を与えるように構成される。定
位制御回路1Aは、6つの乗算器M1〜M6と、5つの
遅延回路D13,D35,D50,D24,D60と、
6つの加算器A1〜A6とから構成される。乗算器M
1,M3,M5、遅延回路D13,D35,D50及び
加算器A1,A3,A5は左(L)チャンネル用の音を
生成し、乗算器M2,M4,M6、遅延回路D24,D
60及び加算器A2,A4,A6は右(R)チャンネル
用の音を生成する。
【0026】乗算器M1は音源回路Aからの楽音信号に
所定係数LALを乗じて加算器A1に出力する。加算器
A1は乗算器M1からの信号と初期値0とを加算して遅
延回路D13に出力する。加算器A1は省略してあって
もよく、乗算器M1からの信号が直接遅延回路D13に
入力するように構成してあってもよい。遅延回路D13
は加算器A1からの信号を所定の遅延時間DLAだけ遅
延させて、次段の加算器A3に出力する。乗算器M3は
音源回路Bからの信号に所定係数LBLを乗じて加算器
A3に出力する。加算器A3は乗算器M3及び遅延回路
D13からの信号を加算して次段の遅延回路D35に出
力する。遅延回路D35は加算器A3からの信号を所定
の遅延時間DLBだけ遅延させて、次段の加算器A5に
出力する。乗算器M5は音源回路Cからの信号に所定係
数LCLを乗じて加算器A5に出力する。加算器A5は
遅延回路D35及び乗算器M5からの信号を加算して次
段の遅延回路D50に出力する。遅延回路D50は加算
器A5からの信号を所定の遅延時間DLCだけ遅延させ
て、それを最終的なLチャンネルの楽音信号として出力
する。
【0027】乗算器M2は音源回路Aからの楽音信号に
所定係数LARを乗じて加算器A2に出力する。加算器
A2は乗算器M2からの信号と初期値0とを加算して遅
延回路D24に出力する。加算器A2は省略してあって
もよく、乗算器M2からの信号が直接遅延回路D24に
入力するように構成してあってもよい。遅延回路D24
は加算器A2からの信号を所定の遅延時間DRAだけ遅
延させて、次段の加算器A4に出力する。乗算器M4は
音源回路Bからの信号に所定係数LBRを乗じて加算器
A4に出力する。加算器A4は乗算器M4及び遅延回路
D24からの信号を加算して次段の加算器A6に出力す
る。乗算器M6は音源回路Cからの信号に所定係数LC
Rを乗じて加算器A6に出力する。加算器A6は加算器
A4及び乗算器M6からの信号を加算して次段の遅延回
路D60に出力する。遅延回路D60は加算器A6から
の信号を所定の遅延時間DRCだけ遅延させて、それを
最終的なRチャンネルの楽音信号として出力する。
【0028】遅延回路D13,D35,D50,D2
4,D60は音源回路Aからの楽音信号に対して両耳間
の時間差(音波が左右の耳に到達する時間差)を付与す
る。遅延回路D35,D50,D60は音源回路Bから
の楽音信号に対して両耳間の時間差を付与する。遅延回
路D50,D60は音源回路Cからの楽音信号に対して
両耳間の時間差を付与するものである。乗算器M1,M
2は音源回路Aからの楽音信号に対して両耳間のレベル
差を付与するものである。乗算器M3,M4は音源回路
Bからの楽音信号に対して両耳間のレベル差を付与する
ものである。乗算器M5,M6は音源回路Cからの楽音
信号に対して両耳間のレベル差を付与するものである。
【0029】以下、この定位制御回路1Aが図14の従
来の音像定位制御装置と同じ定位制御を行うためには、
各遅延回路D13,D35,D50,D24,D60の
遅延時間DLA,DLB,DLC,DRA,DRCを次
のように設定すればよい。すなわち、音源回路Aからの
楽音信号のうちLチャンネルから出力されるものは、図
1では遅延回路D13,D35,D50を通過している
ので、これらの遅延時間の合計DLA+DLB+DLC
と図14の遅延回路D1の遅延時間DALとが同じにな
るように設定される。音源回路Aからの楽音信号のうち
Rチャンネルから出力されるものは、図1では遅延回路
D24,D60を通過しているので、これらの遅延時間
の合計DRA+DRCと図14の遅延回路D2の遅延時
間DARとが同じになるように設定される。
【0030】同様に、遅延時間の合計DLB+DLCと
図14の遅延回路D3の遅延時間DBL、遅延時間DR
Cと図14の遅延回路D4の遅延時間DBRと、遅延時
間DLCと図14の遅延回路D5の遅延時間DCL、遅
延時間DRCと図14の遅延回路D6の遅延時間DCR
とが、それぞれ同じになるように設定される。
【0031】上述の関係は次式のように表すことができ
る。 DAL=DLA+DLB+DLC DAR=DRA+DRC DBL=DLB+DLC DBR=DRC DCL=DLC DCR=DRC なお、これらの式の中で、DLA+DLB+DLCとD
RA+DRCは共に両耳間時間差の最大値よりも小さく
なければならない。両耳間の距離(約17cmと仮定す
る)を音速(約330m/s)で除した値、約0.5m
s(=17/33000)が両耳間時間差の最大値であ
る。
【0032】図1の実施例において、定位制御回路のサ
ンプリング周波数が50KHzの場合、各遅延回路D1
3,D35,D50,D24及びD60の取り得る遅延
時間は各遅延回路を構成するメモリの段数に応じて、1
サンプリング周波数に相当する遅延時間(0.02m
s)の整数倍の値である。すなわち、図1の定位制御回
路を構成する各遅延回路の取り得る遅延時間は、その構
成段数に1サンプリング周波数に相当する時間を乗じた
値であり、これ以上遅延時間を滑らかに制御することは
困難である。従って、図1の定位制御回路は音像定位を
滑らかに時変動させることはできない。
【0033】そこで、1サンプリング周波数に相当する
遅延時間によって決まる定位位置間を滑らかに時変動す
ることのできる実施例について以下説明する。図3は、
1サンプリング周波数に相当する遅延時間によって決ま
る定位位置間を滑らかに時変動することのできる定位制
御回路の別の構成例を示す図である。なお、この図で
は、音源回路Aからの楽音信号に対して遅延時間を時変
動させる場合のみ示し、音源回路B,Cに関しては省略
してある。
【0034】図3において、音源回路Aからの楽音信号
に対して遅延時間を時変動させる定位制御回路は、4つ
の乗算器M11,M12,M21,M22と、4つの遅
延回路D11,D12,D21,D22と、4つの加算
器A11,A12,A21,A22とから構成される。
乗算器M11,M12、遅延回路D11,D12及び
加算器A11,A12は左(L)チャンネル用の音を生
成し、乗算器M21,M22、遅延回路D21,D22
及び加算器A21,A22は右(R)チャンネル用の音
を生成する。
【0035】乗算器M11は音源回路Aからの楽音信号
に所定係数LAL1を乗じて加算器A11に出力する。
加算器A11は乗算器M11からの信号と初期値0とを
加算して遅延回路D11に出力する。遅延回路D11は
1段で構成されており、加算器A11からの信号を1サ
ンプリング周波数に相当する時間(D)だけ遅延させ
て、次段の加算器A12に出力する。乗算器M12は音
源回路Aからの信号に所定係数LAL2を乗じて加算器
A12に出力する。加算器A12は乗算器M12及び遅
延回路D11からの信号を加算して次段の遅延回路D1
2に出力する。遅延回路D12は、図1の遅延回路D1
3よりも1段分少ない段数で構成されており、加算器A
12からの信号を所定の遅延時間DLA2だけ遅延させ
て、次段の音源回路Bの処理系列に属する加算器A3に
出力する。同様に、乗算器M21、加算器A21、遅延
回路D21、乗算器M22、加算器A22、遅延回路D
22は、音源回路Aからの楽音信号を所定の遅延時間だ
け遅延させて、次段の音源回路Bの処理系列に属する加
算器A4に出力する。
【0036】遅延回路D11の遅延時間Dと遅延回路D
12の遅延時間DLA2との合計値は、図1の遅延回路
D13の遅延時間DLAに等しくなるように制御され
る。遅延回路D21の遅延時間Dと遅延回路D22の遅
延時間DRA2との合計値は、図1の遅延回路D24の
遅延時間DRAに等しくなるように制御される。また、
乗算器M11の乗算係数LAL1と乗算器M12の乗算
係数LAL2との合計値は、図1の乗算器M1の乗算係
数LALに常に等しくなるように図4の(A)の関数に
従って可変制御されるようになっている。乗算器M21
の乗算係数LAR1と乗算器M22の乗算係数LAR2
との合計値は、図1の乗算器M2の乗算係数LARに常
に等しくなるように図4の(B)の関数に従って可変制
御されるようになっている。
【0037】図4の(A)において、縦軸は乗算器M1
1,M12の乗算係数LAL1,LAL2のと値を示
し、横軸はこれらの乗算係数LAL1,LAL2によっ
て生じる遅延時間の大きさを示す。この遅延時間の変動
範囲は、1サンプリング周波数に相当する時間、すなわ
ち遅延回路D11の遅延時間Dに相当する。乗算器M1
1の乗算係数LAL1が図1の乗算器M1の乗算係数L
ALであり、乗算器M12の乗算係数LAL2が0の場
合には、音源回路Aからの楽音信号のうちLチャンネル
から出力されるものは、遅延回路D11及びD12を通
過するので、これらの遅延時間の合計値D+DLA2と
なり、図1の遅延回路D13の遅延時間DLAと同じ値
になる。
【0038】また、乗算器M11の乗算係数LAL1が
0であり、乗算器M12の乗算係数LAL2が図1の乗
算器M1の乗算係数LALの場合には、音源回路Aから
の楽音信号のうちLチャンネルから出力されるものは、
遅延回路D12のみを通過するので、遅延時間はDLA
2になる。さらに、乗算器M11の乗算係数LAL1及
び乗算器M12の乗算係数LAL2が図1の乗算器M1
の乗算係数LALの半分の場合には、音源回路Aからの
楽音信号のうちLチャンネルから出力されるものは、遅
延回路D11及びD12を通過するものが半分となり、
遅延回路D12だけを通過するものが半分となるので、
これらの遅延時間の合計は(D+DLA2+DLA2)
/2=DLA2+D/2となり、図1の遅延回路D13
の遅延時間DLAよりも約1サンプリング周波数に相当
する時間の半分だけ小さな値(DLA−D/2)に等し
くなる。
【0039】このように、乗算器M11及びM12の乗
算係数LAL1及びLAL2の値を図4の(A)の関数
に従って可変制御することによって、音源回路Aからの
楽音信号のうちLチャンネルから出力されるものの遅延
時間は、1サンプリング周波数に相当する遅延時間より
も小さな範囲、すなわち遅延時間DLAとDLA2との
間で滑らかに変化するようになる。
【0040】また、上述と同じように乗算器M21及び
M22の乗算係数LAR1及びLAR2の値を図4の
(B)の関数に従って可変制御することによって、音源
回路Aからの楽音信号のうちRチャンネルから出力され
るものの遅延時間も、1サンプリング周波数に相当する
遅延時間よりも小さな範囲、すなわち遅延時間DRAと
DRA2との間で滑らかに変化するようになる。
【0041】図5は、図1及び図3の定位制御回路を実
現するための実施例を示す図である。この定位制御回路
は、3つの音源回路A,B,Cからの楽音信号に対して
それぞれ独立に音像定位を与えるように構成されてい
る。この定位制御回路は、音源回路Aに接続されたN個
の乗算器LA1〜LANと、音源回路Bに接続されたN
個の乗算器LB1〜LBNと、音源回路Cに接続された
N個の乗算器LC1〜LCNと、N個の加算器AL1〜
ALNと、N個の遅延回路DL1〜DLNとで左(L)
チャンネル用の音を生成し、音源回路Aに接続されたN
個の乗算器RA1〜RANと、音源回路Bに接続された
N個の乗算器RB1〜RBNと、音源回路Cに接続され
たN個の乗算器RC1〜RCNと、N個の加算器AR1
〜ARNと、N個の遅延回路DR1〜DRNとで右
(R)チャンネル用の音を生成する。
【0042】乗算器LA1は音源回路Aからの楽音信号
に所定係数KLA1を乗じて加算器AL1に出力する。
乗算器LB1は音源回路Bからの楽音信号に所定係数K
LB1を乗じて加算器AL1に出力する。乗算器LC1
は音源回路Cからの楽音信号に所定係数KLC1を乗じ
て加算器AL1に出力する。加算器AL1は乗算器LA
1,LB1,LC1からの信号を加算して遅延回路DL
1に出力する。遅延回路DL1は1段で構成されてお
り、加算器AL1からの信号を時間(D)だけ遅延させ
て、次段の加算器AL2に出力する。
【0043】乗算器LA2、LB2、LC2は、音源回
路A、B、Cからの楽音信号に所定係数KLA2、KL
B2、KLC2を乗じて加算器AL2に出力する。加算
器AL2は前段の遅延回路DL1及び乗算器LA2,L
B2,LC2からの信号を加算して遅延回路DL2に出
力する。遅延回路DL2は加算器AL2からの信号を時
間(D)だけ遅延させて、次段の加算器AL3(図示せ
ず)に出力する。
【0044】乗算器LAN、LBN、LBCは、音源回
路A、B、Cからの楽音信号に所定係数KLAN、KL
BN、KLCNを乗じて加算器ALNに出力する。加算
器ALNは前段の遅延回路DLN−1及び乗算器LA
N,LBN,LCNからの信号を加算して遅延回路DL
Nに出力する。遅延回路DLNは加算器ALNからの信
号を時間(D)だけ遅延させて、それを最終的なLチャ
ンネルの楽音信号として出力する。
【0045】乗算器RA1は音源回路Aからの楽音信号
に所定係数KRA1を乗じて加算器AR1に出力する。
乗算器RB1は音源回路Bからの楽音信号に所定係数K
RB1を乗じて加算器AR1に出力する。乗算器RC1
は音源回路Cからの楽音信号に所定係数KRC1を乗じ
て加算器AR1に出力する。加算器AR1は乗算器RA
1,RB1,RC1からの信号を加算して遅延回路DR
1に出力する。遅延回路DR1は1段で構成されてお
り、加算器AR1からの信号を時間(D)だけ遅延させ
て、次段の加算器AR2に出力する。
【0046】乗算器RA2、RB2、RC2は、音源回
路A、B、Cからの楽音信号に所定係数KRA2、KR
B2、KRC2を乗じて加算器AR2に出力する。加算
器AR2は前段の遅延回路DR1及び乗算器RA2,R
B2,RC2からの信号を加算して遅延回路DR2に出
力する。遅延回路DR2は加算器AR2からの信号を時
間(D)だけ遅延させて、次段の加算器AR3(図示せ
ず)に出力する。
【0047】乗算器RAN、RBN、RCNは音源回路
A、B、Cからの楽音信号に所定係数KRAN、KRB
N、KRCNを乗じて加算器ARNに出力する。加算器
ARNは前段の遅延回路DRN−1及び乗算器RAN,
RBN,RCNからの信号を加算して遅延回路DRNに
出力する。遅延回路DRNは加算器ARNからの信号を
時間(D)だけ遅延させて、それを最終的なRチャンネ
ルの楽音信号として出力する。
【0048】図5の実施例において、定位制御回路のサ
ンプリング周波数が50KHzの場合、Nの値は25と
なる。すなわち、定位制御回路は50個の加算器と50
個の遅延回路と150個の乗算器とから構成される。そ
して、遅延時間を1サンプリング周波数に相当する遅延
時間よりも小さな範囲に設定する場合には、前後の乗算
器の乗算係数の値を図4の関数に従って可変制御すれば
よい。
【0049】例えば、図1の遅延回路D13が6段構
成、遅延回路D35が2段構成、遅延回路D50が10
段構成、遅延回路D24が10段構成、遅延回路D60
が6段構成の場合には、図5の各乗算器の乗算係数を次
のように設定することによって、図1の定位制御回路と
同じものを構成することができる。すなわち、乗算器L
A7の乗算係数KLA7を乗算係数LALに、乗算器L
B13の乗算係数KLB13を乗算係数LBLに、乗算
器LC15の乗算係数KLC15を乗算係数LCLに、
乗算器RA9の乗算係数KRA9を乗算係数LARに、
乗算器RB19の乗算係数KRB19を乗算係数LBR
に、乗算器RC19の乗算係数KRC19を乗算係数L
CRに設定し、これ以外の乗算器LA1〜LA6,LA
8〜LA25,LB1〜LB12,LB14〜LB2
5,LC1〜LC14,LC16〜LC25,RA1〜
RA8,RA10〜RA25,RB1〜RB18,RB
20〜RB25,RC1〜RC18,RC20〜RC2
5の各乗算係数を0に設定する。
【0050】図6は、図1の定位制御回路を実現するた
めの他の実施例を示す図である。図6の定位制御回路
は、3つの音源回路A,B,Cからの楽音信号に対して
それぞれ独立に音像定位を与えるものである。なお、定
位制御回路は、右(R)チャンネルの音を出力する部分
と左(L)チャンネルの音を出力する部分で構成される
が、両者の構成は同じなので、図では右(R)チャンネ
ルの音を出力する部分のみの構成を示す。この定位制御
回路は、リングバッファ61と、このリングバッファ6
1の所定のアドレスからデータを読み出す出力ポートR
と、このリングバッファ61の所定のアドレスからデー
タを読出し、それに各音源回路A,B,Cからの楽音信
号を加算し、その加算値を同じアドレスに書込むデータ
読み書きユニット62,63,64とから構成される。
この定位制御回路はディジタルシグナルプロセッサで構
成される。
【0051】リングバッファ61は、バッファサイズ
(Buffer Size)26段、すなわち26個の
アドレスA00〜A19で構成されるメモリである。右
(R)チャンネルの出力ポートR(OUTPUT PO
RT R)は、出力指標(output index)
に対応したリングバッファ61のアドレス(RING
BUFFER R〔output index〕)から
データを読出し、それを右チャンネルの音として出力す
る。ここで、出力指標は、出力ポートRがリングバッフ
ァ61のどのアドレスに対応するのかを示す。図では、
出力指標がアドレスA00であり、出力ポートRがリン
グバッファ61のアドレスA00からデータを読み出す
ように示されている。
【0052】データ読み書きユニット62は、加算器6
2Aと乗算器62Eから構成される。乗算器62Eは音
源回路Aからの楽音信号に乗算係数LAR=0.7を乗
じ、その乗算結果を加算器62Aに出力する。加算器6
2Aは乗算器62Eからの乗算結果と、リングバッファ
61の第1ポインタに対応したアドレスから読み出され
たデータとを加算し、その加算結果を再びそのアドレス
に書込む。ここで、第1ポインタは、データ読み書きユ
ニット62が読み書き処理の対象とするリングバッファ
61のアドレスを示し、出力指標とオフセット値ofA
との加算値(output index+ofA)とな
る。この実施例では、オフセット値ofAは1アドレス
分に対応する値『1』であるため、第1ポインタは出力
指標のアドレスA00とオフセット値ofA=1との加
算値A01となる。従って、図ではデータ読み書きユニ
ット62がリングバッファ61のアドレスA01からデ
ータを読み出し、それに音源回路Aからの楽音信号(乗
算係数LARの乗じられたもの)を加算し、その加算結
果を再びアドレスA01に書き込むように示されてい
る。
【0053】データ読み書きユニット63は、データ読
み書きユニット62と同じ構成であり、リングバッファ
61のアドレスA03からデータを読み出し、それに音
源回路Bからの楽音信号(乗算係数LBR=0.2の乗
じられたもの)を加算し、その加算結果を再びアドレス
A03に書き込む。
【0054】データ読み書きユニット64は、データ読
み書きユニット62と同じ構成であり、リングバッファ
61のアドレスA08からデータを読み出し、それに音
源回路Cからの楽音信号(乗算係数LCR=0.3の乗
じられたもの)を加算し、その加算結果を再びアドレス
A08に書き込むように示されている。
【0055】図6の定位制御回路において、出力指標
(output index)は1ずつデクリメントす
るので、第1〜第3ポインタもそれに応じて1ずつデク
リメントする。すると、リングバッファ61と出力ポー
トR及びデータ読み書きユニット62〜64との間の接
続関係も1段ずつずれるようになるので、リングバッフ
ァ61は図面上をあたかも右回転するかのように動作す
る。このとき、第1、第2及び第3ポインタのそれぞれ
のオフセット値ofA,ofB,ofCを任意の値に設
定することによって、各音源回路A〜Cからの楽音信号
をバッファサイズ25からそのオフセット値を減じた値
に応じただけ遅延させて出力ポートRから出力できるよ
うになる。
【0056】すなわち、定位制御回路のサンプリング周
波数が50KHzだとすると、音源回路Aの楽音信号が
出力ポートRから出力されるまでの遅延時間は、リング
バッファ61のバッファサイズ『26』からオフセット
値ofA=1を減じた値『25』に1サンプリング周波
数に相当する遅延時間(0.02ms)を乗じた値0.
50msとなる。同様に、音源回路Bの楽音信号が出力
ポートRから出力されるまでの遅延時間は、バッファサ
イズ『26』からオフセット値ofB=3を減じた値
『23』に1サンプリング周波数に相当する遅延時間
(0.02ms)を乗じた値0.46msとなり、音源
回路Cの楽音信号が出力ポートRから出力されるまでの
遅延時間は、バッファサイズ『26』からオフセット値
ofB=8を減じた値『18』に1サンプリング周波数
に相当する遅延時間(0.02ms)を乗じた値0.3
6msとなる。
【0057】図6の実施例において、定位制御回路のサ
ンプリング周波数が50KHzの場合、出力ポートRか
ら出力される楽音信号の取り得る遅延時間は1サンプリ
ング周波数に相当する遅延時間(0.02ms)の整数
倍の値であり、これ以上遅延時間を滑らかに制御するこ
とは困難である。そこで、1サンプリング周波数に相当
する遅延時間よりも小さな遅延時間で定位を滑らかに移
動することのできる実施例について以下説明する。
【0058】図7は、1サンプリング周波数に相当する
遅延時間よりも小さな遅延時間で定位を滑らかに移動す
ることのできるリングバッファから構成される図6の定
位制御回路の別の例を示す図である。この定位制御回路
は、3つの音源回路A,B,Cからの楽音信号に対して
それぞれ独立に音像定位を与える。なお、定位制御回路
は、右(R)チャンネルの音を出力する部分と左(L)
チャンネルの音を出力する部分で構成されるが、両者の
構成は同じなので、図では右(R)チャンネルの音を出
力する部分のみの構成を示す。この定位制御回路は、リ
ングバッファ71と、このリングバッファ71の所定の
アドレスからデータを読み出す出力ポートRと、このリ
ングバッファ71の所定のアドレスからデータを読出
し、それに各音源回路A,B,Cからの楽音信号を加算
し、その加算値を同じアドレスに書込むデータ読み書き
ユニット72,73,74とから構成される。
【0059】リングバッファ71は、図6のリングバッ
ファ61と同じ構成であり、バッファサイズ(Buff
er Size)26段、すなわち26個のアドレスA
00〜A19で構成されるメモリである。右(R)チャ
ンネルの出力ポートR(OUTPUT PORT R)
は、出力指標(output index)に対応した
リングバッファ71のアドレスからデータを読み出し、
それを右チャンネルの音として出力する。ここで、出力
指標は、出力ポートRがリングバッファ71のどのアド
レスに対応するのかを示す。図では、出力指標がアドレ
スA0Aであり、出力ポートRがリングバッファ71の
アドレスA0Aからデータを読み出すように示されてい
る。
【0060】データ読み書きユニット72は、加算器7
2A,72Bと乗算器72C,72D,72Eから構成
される。乗算器72Eは音源回路Aからの楽音信号に乗
算係数LAR=0.7を乗じ、その乗算結果を乗算器7
2C,72Dに出力する。乗算器72Cは乗算器7Eか
らの信号に0から1までの範囲の乗算係数を乗じ、その
乗算結果を加算器72Aに出力する。乗算器72Cは乗
算器7Eからの信号に0から1までの範囲の乗算係数を
乗じ、その乗算結果を加算器72Bに出力する。乗算器
72Cと乗算器72Dとの乗算係数の和は、『1』とな
るように設定される。
【0061】加算器72Aは乗算器72Cからの乗算結
果と、リングバッファ71の第1ポインタに対応したア
ドレスから読み出されたデータとを加算し、その加算結
果を再びそのアドレスに書込む。ここで、第1ポインタ
は、データ読み書きユニット72の加算器72Aが読み
書き処理の対象とするリングバッファ71のアドレスを
示し、出力指標とオフセット値ofAとの加算値(ou
tput index+ofA)となる。この実施例で
は、オフセット値ofAは1アドレス分に対応する値
『1』であるため、第1ポインタは出力指標A0Aとオ
フセット値ofA=1との加算値A0Bとなる。
【0062】加算器72Bは乗算器72Dからの乗算結
果と、リングバッファ71の第4ポインタに対応したア
ドレスから読み出されたデータとを加算し、その加算結
果を再びそのアドレスに書込む。ここで、第4ポインタ
は、データ読み書きユニット72の加算器72Bが読み
書き処理の対象とするリングバッファ71のアドレスを
示し、第1ポインタに対して1アドレス分だけさらにオ
フセットされた値(output index+ofA
+1)となる。この実施例では、オフセット値ofAは
『1』であるため、第4ポインタは出力指標A0Aとオ
フセット値ofA=1との加算値A0Bにさらに『1』
を加算した値A0Cとなる。
【0063】従って、データ読み書きユニット72はア
ドレスA0Bからデータを読み出し、それに音源回路A
からの楽音信号に乗算係数LARの乗じられたものの一
部(乗算器72Cの乗算結果)を加算し、その加算結果
を再びアドレスA0Bに書き込むと共にアドレスA0C
からデータを読み出し、それに音源回路Aからの楽音信
号に乗算係数LARの乗じられたものの残り(乗算器7
2Dの乗算結果)を加算し、その加算結果を再びアドレ
スA0Cに書き込む。このようにしてデータ読み書きユ
ニット72は、サンプリング周波数が50KHzの場
合、出力ポートRから出力される楽音信号の取り得る遅
延時間を0.50msから0.48msの範囲で自由に
可変できるので、これに応じて定位制御回路は定位を滑
らかに移動することができるようになる。
【0064】データ読み書きユニット73は、データ読
み書きユニット72と同じ構成であり、アドレスA0D
からデータを読み出し、それに音源回路Bからの楽音信
号に乗算係数LBRの乗じられたものの一部(乗算器7
3Cの乗算結果)を加算し、その加算結果を再びアドレ
スA0Dに書き込むと共にアドレスA0Eからデータを
読み出し、それに音源回路Bからの楽音信号に乗算係数
LBRの乗じられたものの残り(乗算器73Dの乗算結
果)を加算し、その加算結果を再びアドレスA0Eに書
き込む。このようにしてデータ読み書きユニット73
は、サンプリング周波数が50KHzの場合、出力ポー
トRから出力される楽音信号の取り得る遅延時間を0.
46msから0.44msの範囲で自由に可変できるの
で、これに応じて定位制御回路は定位を滑らかに移動さ
せることができる。
【0065】データ読み書きユニット74は、データ読
み書きユニット72と同じ構成であり、アドレスA12
からデータを読み出し、それに音源回路Cからの楽音信
号に乗算係数LCRの乗じられたものの一部(乗算器7
4Cの乗算結果)を加算し、その加算結果を再びアドレ
スA12に書き込むと共にアドレスA13からデータを
読み出し、それに音源回路Cからの楽音信号に乗算係数
LCRの乗じられたものの残り(乗算器74Dの乗算結
果)を加算し、その加算結果を再びアドレスA13に書
き込む。このようにしてデータ読み書きユニット74
は、サンプリング周波数が50KHzの場合、出力ポー
トRから出力される楽音信号の取り得る遅延時間を0.
36msから0.34msの範囲で自由に可変できるの
で、これに応じて定位制御回路は定位を滑らかに移動す
ることができる。
【0066】図8は、図6及び図7の定位制御回路の変
形例を示す図である。図6及び図7では、1個のリング
バッファ61又は71を右(R)チャンネル用又は左
(L)チャンネル用として使用する場合について説明し
たが、図8ではバッファサイズ(構成段数)の大きなリ
ングバッファの一部を右(R)及び左(L)チャンネル
用として使用し、残りの部分を他のエフェクト処理に使
用するように構成されたものについて説明する。この定
位制御回路は、ディジタルシグナルプロセッサ(DS
P)によって構成される。
【0067】図8の定位制御回路は、リングバッファ8
1の一部と、このリングバッファ81の所定のアドレス
からデータを読み出す右及び左チャンネル出力ポート
R,Lと、このリングバッファ81の所定のアドレスの
データをリセットするリセットユニット80R,80L
と、このリングバッファ81の所定のアドレスからデー
タを読出し、それに各音源回路A,B,Cからの楽音信
号を加算し、その加算値を同じアドレスに書込む複数個
のデータ読み書きユニット82〜89とから構成され
る。このデータ読み書きユニット82〜89はそれぞれ
加算器と乗算器とから構成される。
【0068】リングバッファ81は、例えば256段
(256個のアドレスA00〜AFF)で構成され、ポ
インタが1ずつデクリメントすることによって、あたか
も図面上を右回転するようなアドレス設定となってい
る。この実施例ではリングバッファ81の一部である約
51段分が定位制御回路用として使用される。そして、
この51段中の半分の26段が右(R)チャンネル処理
用として使用され、残りの半分の26段が左(L)チャ
ンネル処理用として使用される。なお、バッファサイズ
が51段なのは、出力ポートRとリセットユニット80
Rが同じポインタに応じたアドレスに共通にアクセスし
ているからである。図では、アドレスA6B〜A9Eの
51段が定位制御回路として使用され、アドレスA6B
〜A85の26段が右(R)チャンネル用処理用、アド
レスA85〜A9Eの26段が左(L)チャンネル処理
用として使用されている。
【0069】右チャンネルリセットユニット80Rは、
乗算係数0の乗算器で構成され、右チャンネルリセット
指標(reset index R)に対応したリング
バッファ81のアドレス(RING BUFFER〔r
eset index R〕)のデータをリセットす
る。ここで、右チャンネルリセット指標は、右チャンネ
ルリセットユニット80Rがリングバッファ81のどの
アドレスに対応するのかを示す。図では、右チャンネル
リセット指標がアドレスA6Bを示し、右チャンネルリ
セットユニット80Rがリングバッファ81のアドレス
A6Bのデータをリセットしている。
【0070】データ読み書きユニット82は、音源回路
Aからの楽音信号に0.7から0までの範囲の乗算係数
LAR1=0.7〜0を乗じ、その乗算結果と、リング
バッファ81の第1ポインタに対応したアドレスから読
み出されたデータとを加算し、その加算結果を再びその
アドレスに書込む。ここで、第1ポインタは、このデー
タ読み書きユニット82が読み書き処理の対象とするリ
ングバッファ81のアドレスを示すものであり、右チャ
ンネルリセット指標とオフセット値ofA1との加算値
(reset index R+ofA1)となる。
【0071】この図では、オフセット値ofA1は、図
6及び図7と同様に1アドレス分に対応する値『1』で
あり、第1ポインタは右チャンネルリセット指標A6B
とオフセット値ofA1=1との加算値A6Cとなる。
従って、データ読み書きユニット82の加算器はリング
バッファ81のアドレスA6Cからデータを読み出し、
それに音源回路Aからの楽音信号に乗算係数LAR1=
0.7〜0の乗じられたもの(乗算器から出力される乗
算結果)を加算し、その加算結果を再びアドレスA6C
に書き込むという、図6のデータ読み書きユニット62
と同様の働きをする。。
【0072】データ読み書きユニット83は、音源回路
Aからの楽音信号に0から0.7までの範囲の乗算係数
LAR2=0〜0.7を乗じ、その乗算結果と、リング
バッファ81の第2ポインタに対応したアドレスから読
み出されたデータとを加算し、その加算結果を再びその
アドレスに書込む。なお、データ読み書きユニット82
の乗算器とデータ読み書きユニット83の乗算器との乗
算係数の和(LAR1+LAR2)は、『0.7』とな
るように設定される。ここで、第2ポインタは、このデ
ータ読み書きユニット83が読み書き処理の対象とする
リングバッファ81のアドレスを示すものであり、右チ
ャンネルリセット指標とオフセット値ofA2との加算
値(reset index R+ofA2)となる。
【0073】この図では、オフセット値ofA2は、オ
フセット値ofA1よりも1アドレス分だけ大きい値
『2』である。従って、第2ポインタは右チャンネルリ
セット指標A6Bとオフセット値ofA2=2との加算
値A6Dとなる。従って、データ読み書きユニット83
の加算器はリングバッファ81のアドレスA6Dからデ
ータを読み出し、それに音源回路Aからの楽音信号(乗
算係数LAR2=0〜0.7の乗じられたもの)を加算
し、その加算結果を再びアドレスA6Dに書き込む。
【0074】すなわち、データ読み書きユニット82及
びデータ読み書きユニット83は、アドレスA6Cから
データを読み出し、それに楽音信号に乗算係数LAR1
=0.7〜0の乗じられたもの(データ読み書きユニッ
ト82の乗算器からの乗算結果)を加算し、その加算結
果を再びアドレスA6Cに書き込むと共にアドレスA6
Dからデータを読み出し、それに音源回路Aからの楽音
信号に乗算係数LAR2=0〜0.7の乗じられたもの
(データ読み書きユニット83の乗算器からの乗算結
果)を加算し、その加算結果を再びアドレスA6Dに書
き込むという、図7のデータ読み書きユニット72と同
様の働きをする。
【0075】このようにしてデータ読み書きユニット8
2及びデータ読み書きユニット83は、サンプリング周
波数が50KHzの場合、出力ポートRから出力される
楽音信号の取り得る遅延時間を0.50msから0.4
8msの範囲で自由に可変でき、これに応じて定位を滑
らかに移動することができるようになる。
【0076】データ読み書きユニット84は、音源回路
Bからの楽音信号に乗算係数LBR=0.2を乗じ、そ
の乗算結果と、リングバッファ81の第3ポインタに対
応したアドレスから読み出されたデータとを加算し、そ
の加算結果を再びそのアドレスに書込む。ここで、第3
ポインタは、このデータ読み書きユニット84が読み書
き処理の対象とするリングバッファ81のアドレスを示
すものであり、右チャンネルリセット指標とオフセット
値ofBRとの加算値(reset index R+
ofBR)となる。
【0077】この図では、オフセット値ofBRは、図
6及び図7と同様に3アドレス分に対応する値『3』で
あり、第3ポインタは右チャンネルリセット指標A6B
とオフセット値ofBR=3との加算値A6Eとなる。
従って、データ読み書きユニット84の加算器はリング
バッファ81のアドレスA6Eからデータを読み出し、
それに音源回路Bからの楽音信号に乗算係数LBR=
0.2の乗じられたもの(データ読み書きユニット84
の乗算器からの乗算結果)を加算し、その加算結果を再
びアドレスA6Eに書き込むという、図6のデータ読み
書きユニット63と同様の働きをする。
【0078】データ読み書きユニット85は、音源回路
Cからの楽音信号に乗算係数LCR=0.3を乗じ、そ
の乗算結果と、リングバッファ81の第4ポインタに対
応したアドレスから読み出されたデータとを加算し、そ
の加算結果を再びそのアドレスに書込む。ここで、第4
ポインタは、このデータ読み書きユニット85が読み書
き処理の対象とするリングバッファ81のアドレスを示
すものであり、右チャンネルリセット指標とオフセット
値ofCRとの加算値(reset index R+
ofCR)となる。
【0079】この図では、オフセット値ofCRは、図
6及び図7と同様に8アドレス分に対応する値『8』で
あり、第4ポインタは右チャンネルリセット指標A6B
とオフセット値ofCR=8との加算値A73となる。
従って、加算器85Aはリングバッファ81のアドレス
A73からデータを読み出し、それに音源回路Cからの
楽音信号に乗算係数LCR=0.3の乗じられたもの
(乗算器85Eから出力される乗算結果)を加算し、そ
の加算結果を再びアドレスA73に書き込むという、図
6のデータ読み書きユニット64と同様の働きをする。
【0080】右(R)チャンネル用出力ポートR(OU
TPUT PORT R)は、右チャンネル出力指標
(output index R)に対応したリングバ
ッファ81のアドレス(RING BUFFER〔ou
tput index R〕)からデータを読出し、そ
れを右チャンネルの音として出力する。ここで、右チャ
ンネル出力指標は、右チャンネル用出力ポートRがリン
グバッファ81のどのアドレスに対応するのかを示すも
のであり、右チャンネルリセット指標にバッファサイズ
26段に相当するだけのオフセット値『19』の加算さ
れた値(reset index R+19)となる。
図では、右チャンネルリセット指標がアドレスA6Bな
ので、右チャンネル出力指標はアドレスA85となり、
右チャンネル出力ポートRはリングバッファ81のアド
レスA85からデータを読み出すように示されている。
【0081】左チャンネルリセットユニット80Lは、
乗算係数0の乗算器で構成され、前述の右チャンネル出
力指標(output index R)に対応したリ
ングバッファ81のアドレス(RING BUFFER
〔output indexL〕)のデータをリセット
する。すなわち、左チャンネルリセットユニット80L
は、右チャンネル用出力ポートRが右チャンネル出力指
標に対応したリングバッファ81のアドレスからデータ
を読出した後に、そのアドレスのデータをリセットす
る。従って、前述の右チャンネル出力指標は、左チャン
ネルリセットユニット80Lがリングバッファ81のど
のアドレスに対応するのかを示す左チャンネルリセット
指標(reset index L)でもある。図で
は、この右チャンネル出力指標(左チャンネルリセット
指標)がアドレスA85を示し、左チャンネルリセット
ユニット80Lがリングバッファ81のアドレスA85
のデータをリセットしている場合が示してある。
【0082】データ読み書きユニット86は、音源回路
Aからの楽音信号に0.6から0までの範囲の乗算係数
LAL1=0.6〜0を乗じ、その乗算結果と、リング
バッファ81の第5ポインタに対応したアドレスから読
み出されたデータとを加算し、その加算結果を再びその
アドレスに書込む。ここで、第5ポインタは、このデー
タ読み書きユニット86が読み書き処理の対象とするリ
ングバッファ81のアドレスを示すものであり、左チャ
ンネルリセット指標とオフセット値ofA3との加算値
(reset index L+ofA3)となる。
【0083】データ読み書きユニット87は、音源回路
Aからの楽音信号に0から0.6までの範囲の乗算係数
LAL2=0〜0.6を乗じ、その乗算結果と、リング
バッファ81の第6ポインタに対応したアドレスから読
み出されたデータとを加算し、その加算結果を再びその
アドレスに書込む。なお、データ読み書きユニット86
の乗算器とデータ読み書きユニット87の乗算器との乗
算係数の和(LAL1+LAL2)は、『0.6』とな
るように設定される。ここで、第6ポインタは、このデ
ータ読み書きユニット87が読み書き処理の対象とする
リングバッファ81のアドレスを示すものであり、左チ
ャンネルリセット指標とオフセット値ofA4との加算
値(reset index L+ofA4)となる。
【0084】この図では、オフセット値ofA4は、オ
フセット値ofA3よりも1アドレス分だけ大きい値で
ある。データ読み書きユニット86及び87は、出力ポ
ートLから出力される楽音信号の取り得る遅延時間を自
由に可変し、これに応じて定位を滑らかに移動すること
ができる。
【0085】データ読み書きユニット88は、音源回路
Bからの楽音信号に乗算係数LBL=0.5を乗じ、そ
の乗算結果と、リングバッファ81の第7ポインタに対
応したアドレスから読み出されたデータとを加算し、そ
の加算結果を再びそのアドレスに書込む。ここで、第7
ポインタは、このデータ読み書きユニット88が読み書
き処理の対象とするリングバッファ81のアドレスを示
すものであり、左チャンネルリセット指標とオフセット
値ofBLとの加算値(reset index L+
ofBL)となる。
【0086】データ読み書きユニット89は、音源回路
Cからの楽音信号に乗算係数LCL=0.4を乗じ、そ
の乗算結果と、リングバッファ81の第8ポインタに対
応したアドレスから読み出されたデータとを加算し、そ
の加算結果を再びそのアドレスに書込む。ここで、第8
ポインタは、このデータ読み書きユニット89が読み書
き処理の対象とするリングバッファ81のアドレスを示
すものであり、左チャンネルリセット指標とオフセット
値ofCLとの加算値(reset index L+
ofCL)となる。
【0087】左(L)チャンネル用出力ポートL(OU
TPUT POLT L)は、左チャンネル出力指標
(output index L)に対応したリングバ
ッファ81のアドレス(RING BUFFER〔ou
tput index L〕)からデータを読出し、そ
れを左チャンネルの音として出力する。ここで、左チャ
ンネル出力指標は、左チャンネル用出力ポートLがリン
グバッファ81のどのアドレスに対応するのかを示すも
のであり、左チャンネルリセット指標にバッファサイズ
の26段に相当するだけのオフセット値『19』の加算
された値(reset index L+19)とな
る。図では、左チャンネルリセット指標がアドレスA8
5なので、左チャンネル出力指標はアドレスA9Eとな
り、左チャンネル出力ポートLはリングバッファ81の
アドレスA9Eからデータを読み出すように示される。
【0088】図8の定位制御回路において、第1から第
8までの各ポインタのそれぞれのオフセット値ofA
1,ofA2,ofBR,ofCR,ofA3,ofA
4,ofBL,ofCLを任意の値に設定することによ
って、各音源回路A〜Cからの楽音信号をそのオフセッ
ト値に応じただけ遅延させて各出力ポートR,Lから出
力することができるようになる。また、図8の実施例で
は、音源回路Aの楽音信号に対してだけ遅延時間を1サ
ンプリング周波数に相当する時間よりも小さな遅延時間
に設定し、定位を滑らかに移動させる場合について説明
したが、音源回路B及びCの楽音信号に対しても加算器
と乗算器とからなるデータ読み書きユニットを新たに付
加するだけで、同様に定位を滑らかに移動させることが
可能であることはいうまでもない。
【0089】この実施例では、1つの音色の楽音に対し
て音像の移動を行う場合について説明したが、3つの音
色の楽音を同時に移動させる場合には、合計6組のクロ
スフェード用のデータ読み書きユニットが必要である。
逆に3つの音色の楽音を移動させる場合でも、同時に移
動させる必要のない場合には、1組のデータ読み書きユ
ニットをクロスフェード用として使い回せば効率がよ
い。
【0090】次に図2の電子楽器の動作を説明する。こ
の実施例では、電子楽器は1つの押鍵に対して3つの音
色の楽音を同時に発音するものとして説明する。図9は
マイクロコンピュータが処理するメインルーチンの一例
を示す図である。まず、初期設定処理では、電源投入時
にマイクロコンピュータがデータ及びワーキングRAM
12に記憶されている各種データを初期値にセットす
る。パネル処理では、パネル操作子18上の各操作子に
応じたイベント処理を行う。鍵盤処理では、鍵盤インタ
ーフェース14からの押鍵イベント又は離鍵イベントに
基づいた処理を行う。その他の処理では、上記以外のそ
の他の種々の処理を行う。
【0091】図10は、図9のパネル処理の詳細を示す
図である。まず、音色選択処理では、演奏者によるパネ
ル操作子18の操作に基づいた任意の3つの音色を選択
設定する。音像定位位置選択処理では、選択された3つ
の音色をどこに定位させるかの設定を行う。この設定に
は、パネル操作子18の音像設定操作子の操作量に応じ
て音色に対応した楽器のシンボルマーク(イメージ図)
等が表示部16上を移動するようにする。すなわち、演
奏者は表示部16を見ながら音像設定操作子を操作し
て、音色対応のシンボルマークを適当な位置に表示させ
るだけで音色の音像定位位置を容易に設定できるように
なる。
【0092】リアルタイム音像移動処理では、ジョイス
ティック等の操作子を演奏中に動かすことにより発音中
の音像を移動させる。この処理の詳細は後述する。補間
速度設定処理では、リアルタイム音像移動処理における
音像の移動の仕方が気に入らないとき、例えば、ジョイ
スティックの動きに対して追従性が悪いときには、補間
レートに関する操作子を演奏者が変更すると、それに応
じて補間が速くなるようにCPU10は補間回路93の
補間レートを調整する。その他のパネル処理では、本発
明に直接関係しないデータ設定などの処理を行う。
【0093】図11は、図9の鍵盤処理の詳細を示す図
である。以下、この鍵盤処理を各ステップに従って説明
する。 ステップ111:鍵盤インターフェース14からのキー
イベントが押鍵イベントかどうかを判定し、押鍵イベン
ト(YES)の場合には次のステップ112に進み、そ
うでない(NO)場合はステップ114にジャンプす
る。 ステップ112:3つの音色に対応した3チャンネル分
の空きチャンネルを探す。
【0094】ステップ113:3つの音色の音色データ
をそれぞれのチャンネルに送る。 ステップ114:鍵盤インターフェース14からのキー
イベントが離鍵イベントかどうかを判定し、離鍵イベン
ト(YES)の場合には次のステップ115に進み、そ
うでない(NO)場合はリターンする。 ステップ115:キーオフイベントに対応したキーオフ
処理を行う。
【0095】図12は、図9のリアルタイム音像移動処
理の詳細を示す図である。以下、このリアルタイム音像
移動処理を各ステップに従って説明する。 ステップ121:ジョイスティック等の操作子の移動あ
りかどうか、すなわち操作子が操作されたかどうかを判
定し、移動あり(YES)の場合は次のステップ122
に進み、そうでない(NO)場合はリターンする。
【0096】ステップ122:操作子の移動出力から右
チャンネル用の係数(R係数)、左チャンネル用の係数
(L係数)、右チャンネル用のアドレス(Rアドレス)
及び左チャンネル用のアドレス(Lアドレス)をそれぞ
れ求める。ここで、右チャンネル用の係数(R係数)は
データ読み書きユニット82又は83の乗算器の乗算係
数LAR1又はLAR2に、左チャンネル用の係数(L
係数)はデータ読み書きユニット86又は87の乗算器
の乗算係数LAL1又はLAL2に、右チャンネル用の
アドレス(Rアドレス)はデータ読み書きユニット82
又は83のオフセット値ofA1又はofA2に、左チ
ャンネル用のアドレス(Lアドレス)はデータ読み書き
ユニット86又は87のオフセット値ofA3又はof
A4に対応する。
【0097】ステップ123:図2のディジタルシグナ
ルプロセッサの補間処理が終了しているかどうかを判定
し、終了している(YES)場合は操作子の移動に応じ
た補間処理を行うために次のステップ124以下に進
み、そうでない(NO)場合は現在補間処理中なのでリ
ターンして、現在の補間処理が終了するのを待つ。
【0098】ステップ124〜126の処理は右チャン
ネル用の処理である。 ステップ124:データ読み書きユニット82の補間用
係数C1が0かどうか、すなわちデータ読み書きユニッ
ト82又は83のどちらが音像定位の制御に関して有効
であるかを判定する。補間処理が終了している場合に
は、データ読み書きユニット82の補間用係数C1又は
データ読み書きユニット83の補間用係数C2のいずれ
か一方が0になっている。補間用係数C1又はC2が0
であるということは、データ読み書きユニット82又は
83の乗算器の乗算係数LAR1又はLAR2が0であ
ることを意味する。従って、乗算器の乗算係数LAR1
又はLAR2が0である方のデータ読み書きユニット8
2又は83は音像定位の制御に関して無効状態にあるこ
とを意味する。従って、補間用係数C1が0である(Y
ES)場合は、データ読み書きユニット82が無効状態
なのでステップ125に進み、補間用係数C1が0でな
い(NO)場合は、補間用係数C2が0であり、データ
読み書きユニット83が無効状態なのでステップ126
に進む。
【0099】ステップ125:前のステップ124でデ
ータ読み書きユニット82の補間用係数C1が0であ
り、データ読み書きユニット83の補間用係数C2が所
定の値であると判定されたので、ここではデータ読み書
きユニット82のオフセット値ofA1にRアドレス
を、補間用係数C1にR係数を、補間用係数C2に0
を、それぞれ設定する。データ読み書きユニット82の
オフセット値ofA1にRアドレスが設定され、さらに
補間用係数C1にR係数が設定されることによって、デ
ータ読み書きユニット82はリングバッファ81に対し
て右チャンネルリセット指標からオフセット値ofA1
だけオフセットした位置で接続するようになる。そし
て、ディジタルシグナルプロセッサ内の補間処理によっ
てデータ読み書きユニット82の乗算器の乗算係数LA
R1はR係数へと、データ読み書きユニット83の乗算
器の乗算係数LAR2は0へと補間されるようになる。
【0100】ステップ126:前のステップ124でデ
ータ読み書きユニット82の補間用係数C1が所定の値
であり、データ読み書きユニット83の補間用係数C2
が0であると判定されたので、ここではデータ読み書き
ユニット83のオフセット値ofA2にRアドレスを、
補間用係数C1に0を、補間用係数C2にR係数を、そ
れぞれ設定する。データ読み書きユニット83のオフセ
ット値ofA2にRアドレスが設定され、さらに補間用
係数C2にR係数が設定されることによって、データ読
み書きユニット83はリングバッファ81に対して右チ
ャンネルリセット指標からオフセット値ofA2だけオ
フセットした位置で接続するようになる。そして、ディ
ジタルシグナルプロセッサ内の補間処理によってデータ
読み書きユニット83の乗算器の乗算係数LAR2はR
係数へと、データ読み書きユニット82の乗算器の乗算
係数LAR1は0へと補間されるようになる。
【0101】ステップ127〜129は左チャンネル用
の処理である。 ステップ127:データ読み書きユニット86の補間用
係数C5が0かどうか、すなわちデータ読み書きユニッ
ト86又は87のどちらが音像定位の制御に関して有効
であるかを判定する。補間処理が終了している場合に
は、データ読み書きユニット86の補間用係数C5又は
データ読み書きユニット87の補間用係数C6のいずれ
か一方が0になっている。補間用係数C5又はC6が0
であるということは、データ読み書きユニット86又は
87の乗算器の乗算係数LAL1又はLAL2が0であ
ることを意味する。従って、乗算器の乗算係数LAL1
又はLAL2が0である方のデータ読み書きユニット8
6又は87は音像定位の制御に関して無効状態にあるこ
とを意味する。従って、補間用係数C5が0である(Y
ES)場合は、データ読み書きユニット86が無効状態
なのでステップ128に進み、補間用係数C5が0でな
い(NO)場合は補間用係数C6が0であり、データ読
み書きユニット87が無効状態なのでステップ129に
進む。
【0102】ステップ128:前のステップ127でデ
ータ読み書きユニット86の補間用係数C5が0であ
り、データ読み書きユニット87の補間用係数C6が所
定の値であると判定されたので、ここではデータ読み書
きユニット86のオフセット値ofA3にRアドレス
を、補間用係数C5にR係数を、補間用係数C6に0
を、それぞれ設定する。データ読み書きユニット86の
オフセット値ofA3にRアドレスが設定され、さらに
補間用係数C5にR係数が設定されることによって、デ
ータ読み書きユニット86はリングバッファ81に対し
て左チャンネルリセット指標からオフセット値ofA3
だけオフセットした位置で接続するようになる。そし
て、ディジタルシグナルプロセッサ内の補間処理によっ
てデータ読み書きユニット86の乗算器の乗算係数LA
L1はR係数へと、データ読み書きユニット87の乗算
器の乗算係数LAL2は0へと補間されるようになる。
【0103】ステップ125:前のステップ124でデ
ータ読み書きユニット86の補間用係数C5が所定の値
であり、データ読み書きユニット87の補間用係数C6
が0であると判定されたので、ここではデータ読み書き
ユニット87のオフセット値ofA2にRアドレスを、
補間用係数C5に0を、補間用係数C6にR係数を、そ
れぞれ設定する。
【0104】データ読み書きユニット87のオフセット
値ofA2にRアドレスが設定され、さらに補間用係数
C6にR係数が設定されることによって、データ読み書
きユニット87はリングバッファ81に対して右チャン
ネルリセット指標からオフセット値ofA2だけオフセ
ットした位置で接続するようになる。そして、ディジタ
ルシグナルプロセッサ内の補間処理によってデータ読み
書きユニット87の乗算器の乗算係数LAL2はR係数
へと、データ読み書きユニット86の乗算器の乗算係数
LAL1は0へと補間されるようになる。
【0105】図13は、図11の鍵盤処理のステップ1
11,112,113の別の例を発音処理として示す図
である。図11ではステップ111で鍵盤インターフェ
ース14からのキーイベントが押鍵イベントであるかど
うかを判定し、ステップ112,113で3つの音色に
対応した3チャンネル分の空きチャンネルを探し、その
3つの音色の音色データ(音源回路A,B,Cからの各
楽音信号)をそれぞれのチャンネルに送る場合について
説明した。すなわち、図11では、音源回路A,B,C
から3つの音色の音色データ(楽音信号)が出力される
場合に、それぞれの音色に対して既に音像定位チャンネ
ルが割り当てられている。従って、この発音処理では、
音源19が複数個の音色の音色データ(楽音信号)を出
力する場合に、その音色データを定位制御回路1Aのど
の音像定位チャンネルに割り当てて定位制御を行うかに
ついて説明する。この発音処理は次のようなステップで
順番に実行される。
【0106】ステップ131:発音イベント有りかどう
かを判定し、有り(YES)の場合は次のステップ13
2に進み、無し(NO)の場合はリターンし、図11の
ステップ114に進む。従って、このステップ131
は、図11のステップ111の押鍵イベントかどうかの
判定と同じ処理である。 ステップ132:音源11への発音を指示する。すなわ
ち、空きチャンネルを探し、その音色データを音源11
に送る。
【0107】ステップ133:現在発音中の音色以外の
音色を発音する必要性があるのかどうかを判定し、必要
性有り(YES)の場合は次のステップ134に進み、
必要性無し(NO)の場合は直ちにリターンし、図11
のステップ114に進む。すなわち、発音イベントが現
在発音中の音色と異なる場合には、新しい音色に対して
音像定位チャンネルを割り当てる必要があるので、ステ
ップ134以下に進み、音像定位チャンネル割り当て処
理を行う。逆に発音イベントが現在発音中の音色と同じ
音色である場合には音像定位チャンネルを割り当てる必
要はないので、直ちにリターンし、図11のステップ1
14に進む。
【0108】ステップ134:空いているユニットが2
組以上存在するかどうかを判定し、空いている(YE
S)場合はステップ135に進み、空いていない場合に
はステップ136に進む。ここで、空いているユニット
とは、乗算係数が0の乗算器を有するデータ読み書きユ
ニットのことをいう。そして、このような空いているユ
ニットが右チャンネルと左チャンネルにそれぞれ1つず
つ存在する場合を、空いているユニットが1組存在する
という。従って、空いているユニットが2組以上存在す
る場合とは、乗算係数0の乗算器からなるデータ読み書
きユニットが右チャンネルと左チャンネルにそれぞれ2
つ以上存在する場合をいう。 ステップ135:空いているユニットが2組以上存在す
るので、その中のいずれか1組の空いているユニットに
その音色に対応する音像定位位置のアドレス(Rアドレ
ス,Lアドレス)と係数(R係数,L係数)とを設定
し、音像定位チャンネルの割り当てを行う。 ステップ136:前のステップ135で空いているユニ
ットが2組以上存在しないと判定されたので、ここでは
空いているユニットが1組かどうかの判定をし、1組
(YES)の場合はステップ137に進み、空いている
ユニットが1組も存在しない場合には、リタンし、図1
1のステップ114に進む。
【0109】ステップ137:前のステップ135及び
136の結果、空いているユニットが1組であると判定
されたので、ここでは現在のモードが音源移動モードな
のかどうかを判定し、現在モードが音源移動モード(Y
ES)の場合はリターンし、図11のステップ114に
進み、音源移動モードでない(NO)場合はステップ1
35に進み、その1組のユニットにその音色に対応する
音像定位位置のアドレス(Rアドレス,Lアドレス)と
係数(R係数,L係数)とを設定する。すなわち、音源
移動モードの場合には、前述のように空いているユニッ
トが1組は必要なので、空いているユニットが1組で現
在のモードが音源移動モードの場合には音像定位チャン
ネルの割り当て処理は行わない。一方、空いているユニ
ットが1組の場合でも現在のモードが音源移動モードで
ない場合にはそのユニットに音像定位チャンネルを割り
当てる。
【0110】図13の実施例によれば、複数音色の音像
定位チャンネルを割り当てているので、シーケンサで自
動演奏させるときなど、音像定位チャンネルより多い音
色が供給される可能のあるとき、発音中の音色だけ音像
定位チャンネルを割り当てることができるので、柔軟性
のあるシステムを構成することができる。また、音像移
動しないときには、クロスフェード用の音像定位チャン
ネルも通常の音像定位チャンネルとして使えるので、音
像定位チャンネルの有効利用ができる。逆に同時に音像
移動する音色が2個以上あるときには、通常の音像定位
チャンネルをクロスフェード用に割り当ててもよいこと
はいうまでもない。
【0111】なお、ステップ136で空いているユニッ
トが1組も存在しない場合やステップ137で現在モー
ドが音源移動モードであると判定された場合には、音像
定位チャンネルの割り当てを行わずに、直ちにリターン
しているが、これに限らず、既に割り当てられている音
像定位チャンネルのうち、定位位置のアドレスと係数と
が最も近いものに割り当てるようにしてもよいし、又は
既に割り当てられている音色に最も近い音色と同じ音像
定位チャンネルに割り当てるようにしてもよい。
【0112】上述の実施例によれば、例えば、サンプリ
ング周波数が50kHzの場合には音像定位すべき系列
数がいくらふえても遅延係数は26段×2以下にするこ
とができるので、遅延メモリの大幅な節約になる。
【0113】なお、上述の実施例では、1回の押鍵に対
して3つの音色の楽音が同時に発音される場合について
説明したが、複数鍵盤を有する電子楽器や鍵域を分割す
るものなどでは、1つの押鍵に対して1つの音色の楽音
を発音してもかまわない。この場合は、異なる鍵盤を同
時に弾いた時に、異なる音色の楽音が同時に発音される
ので、その場合に本発明の適用が可能となる。また、内
蔵の又は外部のシーケンサなどで自動演奏させる場合
も、異なる音色の楽音が同時に発音されるので、本発明
の適用が可能である。
【0114】上述の実施例では、リアルタイム音像移動
処理は演奏者が操作子を操作することよって行われる場
合について説明したが、これに限らず、低周波発振器や
エンベロープ発振器からの時変動信号に応じて機械的に
音像移動を行うようにしてもよい。また、上述の実施例
では、音像移動装置は2次元的な音像定位に関して説明
したが、FIRフィルタを追加して3次元の音像定位装
置を構成してもよいことはいうまでもない。さらに、実
施例では定位制御装置は電子楽器に内蔵されている場合
について説明したが、外部から複数系列の信号の供給を
受け、それに対して音像定位制御を行うように構成され
た単独の音像定位装置であってもよいことはいうまでも
ない。
【0115】
【発明の効果】この発明によれば、定位感を損ねること
なく、複数の音源に対してそれぞれ個別に遅延回路を設
けなくても、所定の遅延時間を与えることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 図2の定位制御回路の構成を機能ブロックで
示した図である。
【図2】 本発明の音像定位制御装置を内蔵した電子楽
器の概略構成を示すブロック図である。
【図3】 1サンプリング周波数に相当する遅延時間よ
りも小さな遅延時間で定位を滑らかに時変動することの
できる定位制御回路の別の構成例を示す図である。
【図4】 図3定位制御回路を構成する2個の乗算器の
乗算係数と遅延時間との関係を示す図である。
【図5】 図1及び図3の定位制御回路を実現するため
の実施例を示す図である。
【図6】 図1の定位制御回路を実現するための他の実
施例を示す図である。
【図7】 1サンプリング周波数に相当する遅延時間よ
りも小さな遅延時間で定位を滑らかに移動することので
きるリングバッファから構成される図6の定位制御回路
の別の例を示す図である。
【図8】 図6及び図7の定位制御回路の変形例を示す
図である。
【図9】 マイクロコンピュータが処理するメインルー
チンの一例を示す図である。
【図10】 図9のパネル処理の詳細を示す図である。
【図11】 図9の鍵盤処理の詳細を示す図である。
【図12】 図9のリアルタイム音像移動処理の詳細を
示す図である。
【図13】 図11の鍵盤処理のステップ111,11
2,113の別の例を発音処理として示す図である。
【図14】 図14は遅延回路を用いた従来の音像定位
制御装置の概略構成を示す図である。
【符号の説明】
10…CPU、11…ROM、12…データ及びワーキ
ングRAM、13…鍵盤、14…鍵盤インターフェー
ス、15…表示部インターフェース、16…表示部、1
7…パネルインターフェース、18…パネル操作子、1
9…音源、1A…定位制御回路、1B…ディジタル−ア
ナログ変換器、1C,1D…サウンドシステム、1E…
データ及びアドレスバス、M1〜M6,M11,M1
2,MM21,M22,LA1〜LAN,LB1〜LB
N,LC1〜LCN,RA1〜RAN,RB1〜RB
N,RC1〜RCN…乗算器、A1〜A6,A11,A
12,A21,A22,AL1〜ALN,AR1〜AR
N…加算器、D1〜D6,D13,D24,D35,D
50,D60,D11,D12,D21,D22,DL
1〜DLN,DR1〜DRN…遅延回路、61,71,
81…リングバッファ、62,63,64,72,7
3,74,82〜89…データ読み書きユニット、62
A,63A,64A,72A,72B,73A,73
B,74A,74B…加算器、62E,63E,64
E,72C,72D,72E,73C,73D,73
E,74C,74D,74E…乗算器、80R,80L
…リセットユニット
フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) G10H 1/00 G10K 15/00 - 15/12 H03H 17/00 - 17/08

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 複数系列の楽音信号に対し、それぞれ任
    意の音像定位を付与する音像定位装置であって、 前記複数系列の楽音信号のそれぞれを少なくとも右チャ
    ンネル及び左チャンネルの2つの系列の楽音信号に分岐
    する複数の分岐手段と、 この分岐手段によって分岐された楽音信号の振幅をそれ
    ぞれ個別に制御する複数の振幅制御手段と、 信号を順次遅延する遅延ラインを含み、前記振幅制御手
    段から出力される各系列の右チャンネルの楽音信号を各
    系列毎に前記遅延ラインの任意の位置の信号に加算し、
    各系列の楽音信号を遅延させて出力する右チャンネル遅
    延手段と、 信号を順次遅延する遅延ラインを含み、前記振幅制御手
    段から出力される各系列の左チャンネルの楽音信号を各
    系列毎に前記遅延ラインの任意の位置の信号に加算し、
    各系列の楽音信号を遅延させて出力する左チャンネル遅
    延手段とから構成されることを特徴とする音像定位制御
    装置。
  2. 【請求項2】 前記各系列の右チャンネルの楽音信号を
    各系列毎に少なくとも2つの補間演算系列に分配してそ
    れぞれに所定の補間係数を掛け、該所定の補間係数が掛
    けられた楽音信号を、前記右チャンネル遅延手段におけ
    る異なる遅延ステージで夫々加算的に入力するようにす
    る右チャンネル補間手段と、 前記各系列の左チャンネルの楽音信号を各系列毎に少な
    くとも2つの補間演算系列に分配してそれぞれに所定の
    補間係数を掛け、該所定の補間係数が掛けられた楽音信
    号を、前記左チャンネル遅延手段における異なる遅延ス
    テージで夫々加算的に入力するようにする左チャンネル
    補間手段とを更に具備し、1遅延ステージ分の遅延時間
    に満たない時間の遅延を実現しうることを特徴とする請
    求項1に記載の音像定位制御装置。
  3. 【請求項3】 複数系列の楽音信号に対し、それぞれ任
    意の音像定位を付与する音像定位装置であって、 前記複数系列の楽音信号のそれぞれを少なくとも右系列
    及び左系列の2系列に分岐する複数の分岐手段と、 この分岐手段によって分岐された右系列及び左系列の楽
    音信号の振幅をそれぞれ個別に制御する複数の振幅制御
    手段と、 複数のデータを記憶する遅延メモリと、 前記複数系列の楽音信号の音像定位位置に対応した右系
    列用のアドレスに記憶されているデータを前記遅延メモ
    リから読み出し、読み出されたデータと前記振幅制御手
    段から出力される右系列の楽音信号とを加算し、その加
    算結果を前記アドレスに書き込む複数の右系列データ読
    み書き手段と、 前記遅延メモリの共通のアドレスからデータを読み出す
    ことによって所定時間だけ遅延された右系列の楽音信号
    を出力する右系列遅延手段と、 前記複数系列の楽音信号の音像定位位置に対応した左系
    列用のアドレスに記憶されているデータを前記遅延メモ
    リから読み出し、読み出されたデータと前記振幅制御手
    段から出力される左系列の楽音信号とを加算し、その加
    算結果を前記アドレスに書き込む複数の左系列データ読
    み書き手段と、 前記遅延メモリの共通のアドレスからデータを読み出す
    ことによって所定時間だけ遅延された左系列の楽音信号
    を出力する左系列遅延手段とから構成されることを特徴
    とする音像定位制御装置。
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