JP3561983B2 - 電子楽器 - Google Patents

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Description

【0001】
【産業上の利用分野】
この発明は、複数音色を同時に発音できる電子楽器において、MIDI受信チャンネルの設定に関する。
【0002】
【従来の技術】
複数の音色を同時に発音し、楽曲の自動演奏を行うことのできる音源モジュール、キーボード等の電子楽器が普及している。これらの電子楽器の多くは、MIDI(ミュージカル・インストゥルメント・デジタル・インターフェース)端子をもち、他の電子楽器や自動演奏装置を接続し、演奏情報等を送受信することができる。MIDI規格では、扱うメッセージの種類を、チャンネル・メッセージとシステム・メッセージに大別している。演奏情報はチャンネル・メッセージに含まれ、そのデータ中にはチャンネル情報が含まれている。
【0003】
具体的に演奏情報の代表的な例として、ノート・オン情報を挙げて説明する。MIDI規格ではノート・オンは3バイトで構成され、例えば、9n 3C 6Fというように表される。1バイト目の9nの”9”はノート・オンを表し、”n”はチャンネル番号に対応する数値を表す。nは0〜F(16進表記)の値をとるが、チャンネル番号は1〜16で表されるため、”n+1”を10進表記にしたものがチャンネル番号となる。
【0004】
2バイト目の3C(16進表記)はキーコードを表す。”3C”はC3であり、鍵盤でいえば中央の”ド”を示す。3バイト目の”6F”はベロシティを表す。ベロシティは押鍵速度の意味を持つが、たいていの音源では、この数値を音量を表す数値として使っている。
【0005】
図2には、自動演奏装置20と電子楽器21がMIDIによって接続されている様子が示されている。自動演奏装置20がノート・オンメッセージを電子楽器21に出力したとすると、電子楽器21はn+1チャンネルにアサインされている楽器を2バイト目のキーコード、3バイト目のベロシティの数値で発音する。n+1チャンネルにどの音色がアサインされているかは、MIDIを受け取る電子楽器21の設定で決定される。
【0006】
図3はその設定画面を表すもので、音色番号を選択して受信チャンネルを変更できるようになっている。30は音色番号、31は音色名を示している。32は音色に対応するMIDI受信チャンネル、33は発音を許す鍵域設定を示していて、”low”から”high”の間のキーコードに関して、その音色で発音される。受信チャンネルは音色が異なっても、同じに設定できる。このような設定にすると1つのノート・オンメッセージで複数の音色を同時に発音することになる。図2では、音色番号01のアコースティックグランドピアノと音色番号22のアコーディオンと音色番号61のフレンチホルンが受信チャンネル4chで同じに設定されているので、93 3C 6Fというノート・オンメッセージがで自動演奏装置20から送られてくれば、これら3つの音色が同時に発音される。
【0007】
受信チャンネルを同じにすることで、異なる音色が同時に発音されるのであるから、これらをまとめて1つの音色として扱う考え方が生まれる。この考え方は音色に対して自由度を与えるものであり、より創造的な音色を作りことが可能となる。自然楽器では、音域、音量、奏法等によって音色が微妙に異なることは周知の事実であるが、電子楽器ではこの現象を忠実に再現することは難しい。これは音源の性能や、音色変化範囲にわたって変化するパラメータを作ることが困難なためである。ところが、狭い範囲で自然楽器をシミュレートするならば、かなり楽になる。従って、複数の音色をある範囲で分割して専用の音づくりをし、それぞれの範囲だけで発音するようにするという方法をとることができる。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
このように、複数の音色をまとめて扱うときに、受信チャンネルの変更をしなければならないことがたびたびある。上記の例では3つの音色にアサインされてる受信チャンネルを1つ1つ変更しなければならないので、操作が煩雑になるという欠点があった。
この発明は、以上の問題点に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、迅速にMIDI受信チャンネルの設定操作を行えるようにすることである。
【0009】
【課題を解決するための手段】
以上のような課題を解決するために、この発明にかかる電子楽器は、複数の音色に関して共通な識別データを設定する設定手段と、前記識別データとMIDI受信するチャンネルとの対応を記憶する記憶手段と、前記記憶手段にて記憶された識別データとMIDI受信チャンネルとの対応を変更する変更手段と、MIDIチャンネルを示す情報が付されたMIDIメッセージを受信するMIDI受信手段と、前記受信手段にて受信されたMIDIメッセージに付された前記情報が示すMIDIチャンネルが前記識別データに対応づけられたMIDI受信チャンネルに一致したとき、当該受信したMIDIメッセージを前記識別データが設定されている前記複数の音色それぞれに対するMIDIメッセージとして処理する処理手段と備えたことを特徴としている。
【0010】
【作用】
識別データをMIDIチャンネルの代わりに設定しておくことで、変更する際は識別データをアサインするMIDI受信チャンネルを変更するだけでよい。
【0011】
【実施例】
図4を参照して、実施例の概略を説明する。
MIDIチャンネル・メッセージが、外部のMIDI機器から送られてきたとき、送られてきたチャンネル・メッセージがダミーチャンネルに設定されているかどうかを調べるために、受信チャンネル−ダミーチャンネル変換テーブル40を参照する。ダミーチャンネルとは、一時的に設定される仮のチャンネルのことである。もし、ダミーチャンネルに設定されていたら、ダミーチャンネルがどの音色に作用すべきかを得るために、受信チャンネル(ダミーチャンネル)−音色番号変換テーブル41を参照して、音色番号を出力する。受信チャンネル−ダミーチャンネル変換テーブル40を参照して、送られてきたチャンネル・メッセージがダミーチャンネルに設定されていなかった場合は、受信チャンネル−ダミーチャンネル変換テーブル40をスルーして、受信チャンネル(ダミーチャンネル)−音色番号変換テーブル41を参照して、音色番号を出力する。
【0012】
操作者は受信チャンネル−音色番号変換テーブル41を変更し、送られてきたMIDIチャンネル・メッセージに対して、所望の音色にチャンネル・メッセージを作用させることができる。このとき、複数の音色に対して1〜16のチャンネル番号ではなく、ダミーチャンネルを割り当てることができる。ダミーチャンネルを割り当てたときには、受信チャンネル−ダミーチャンネル変換テーブル40を変更し、受信チャンネル−音色番号変換テーブル41で割り当てたダミーチャンネルが、どの受信チャンネルに相当するかを設定する。
【0013】
図1は、この発明の一実施例に係る電子楽器の回路構成を示すもので、この電子楽器では、楽音発生、効果付与などがCPU1によって制御されるようになっている。
CPU1には、RAM2、ROM3、MIDI端子4、MIDII/F(インターフェース)5、表示部6、スイッチ類、操作子を含むパネル部7、音源部8、DSP9などがアドレス・データバス12を介して接続されている。
【0014】
MIDI端子4は、MIDI規格に準処した電子楽器を接続するための端子で、マスターキーボードや管楽器タイプのウインドコントローラなどのMIDIコントローラや自動演奏装置や他のさまざまなMIDI機器が接続される。MIDII/F5はMIDIデータの送受信のためのハードウエアであり、CPU1がMIDIデータをアクセスすることができるようにするためのものである。
【0015】
CPU1は、ROM3に記憶されているプログラムに従って楽音発生、効果付与などのための各種処理を実行するものである。楽音発生に関して、CPU1は、MIDI端子4から供給されるMIDIデータをMIDII/F5を介して読出し、そのデータの種類によってデータ処理を行い、音源部8やDSP9などを制御する処理を行う。
【0016】
音源部8は、ディジタル楽音信号を発生するための複数の楽音チャンネルを有するもので、これらのチャンネルからの楽音信号は分割的にDSP9に供給される。MIDI端子5からの演奏情報に応じて楽音信号が発生される。
【0017】
DSP9は、音源部8からの楽音信号に残響、コーラス、ディストーション、フランジャなどの各種音響効果を付与し、DAC10に出力する。DAC10ではデジタル/アナログ変換を行い、アナログ信号はサウンドシステム11に送られる。サウンドシステム11は増幅器とスピーカから構成され、アナログ信号を所定のレベルまで増幅したあと、スピーカにより音響エネルギーとして放音される。
【0018】
図5には、表示部6を構成するLCD50とパネル部7を構成する各種スイッチ51〜53が示される。
51はLCD50の画面変更のスイッチであり、画面を切り替えるときに操作する。52はカーソルスイッチであり、上下左右の方向にカーソルを移動するためのスイッチである。53は数値変更のためのスイッチであり、操作する毎に数値を1加算または減算する。また、数値以外のパラメータの変更もできる。
【0019】
図6は図3と同様の音色番号とMIDI受信チャンネルの対応を設定する画面を表している。この画面を用いて、MIDI信号によって音源8に発音させたい音色と対応する受信チャンネルを設定する。60は音色番号、61は音色名を示している。62は音色に対応するMIDI受信チャンネル、63は発音を許す鍵域設定を示していて、”low ”から”high”の間のキーコードに関して、その音色で発音される。また、カーソル64は網掛け表示によって表す。
【0020】
操作者が音色番号を変更したいときには、カーソル64をカーソルキー52を使って、変更したい音色番号の表示されている位置に移動させて、数値変更キー53を操作して所望の音色番号に変更する。音色番号を変更すると音色名が変更されて表示される。音色に対応するMIDI受信チャンネルを変更したいときには、カーソル64を変更したい音色のMIDI受信チャンネル62の位置に移動させて変更する。図6を参照すると、音色番号50、51、52のアコースティックグランドピアノ1、2、3の音色に対応するMIDI受信チャンネルはAchということになっている。これはダミーチャンネルの設定を行ったことを意味しており、後述するダミーチャンネルの設定によって、実際のMIDI受信チャンネルが決定される。ダミーチャンネルはA、B、Cの3種類設定できるようになっており、カーソル64をMIDI受信チャンネルの数字のところに移動させて、数値変更キーの”+”キーを押すことによって数値が1から16、A、B、Cと変化するようになっている。
【0021】
鍵域設定も同様にカーソル64を移動させて所望の値に変更する。なお、図6のLCD50の画面では音色が5つまでしか表示できないが、それ以上の設定に関しては別の画面で設定する。画面を変更するときは、画面変更スイッチ34、35を使用する。この画面で設定した情報はRAM2上に図8で示されるような形で記憶される。図8を受信チャンネル(ダミーチャンネル)−音色番号変換テーブルと呼ぶことにする。80は受信チャンネル、81は音色番号、82は低い方の鍵域境界値、83は高い方の鍵域境界値を示している。
【0022】
図7はダミーチャンネルをどのMIDI受信チャンネルに対応させるかを設定する画面である。
この画面で、A、B、Cのチャンネルに対してMIDI受信チャンネルをいくつにするかが設定できる。この画面で設定した情報はRAM2上に図9で示されるような形で記憶される。図9をダミーチャンネル−受信チャンネル変換テーブルと呼ぶことにする。この図で90はダミーチャンネルA、B、Cに対する受信チャンネル、91はダミーチャンネルである。
【0023】
次に、動作を説明する。CPU1は電源投入されると、図10に示すメインルーチンを実行する。ステップs1で各部の初期設定を行い、ステップs2のパネル処理、ステップs3のMIDI受信処理、ステップs4のMIDI送信処理を実行した後、ステップs2にもどり、以後、ステップs2〜s4の動作を繰り返す。
ステップs3を実行するときは図11で示されるサブルーチンを実行する。
【0024】
ステップs10でMIDI受信イベントがあるかどうか判断し、「yes」の場合はステップs11に進むが、「no」の場合はメインルーチンに戻る。ステップs11では受信されたMIDI信号がチャンネルメッセージかどうか判断する。判断が「yes」のときは受信されたMIDI信号からチャンネル情報を抽出して(ステップs12)、抽出されたチャンネル情報を用いて、図9に示される受信チャンネル−ダミーチャンネル変換テーブルを参照する(ステップs13)。このテーブルをみて、そのチャンネルがダミーチャンネルに設定されているときはステップs14の判断が「yes」となって、ステップs15に進み、さらに得られたダミーチャンネルで図8で示される受信チャンネル(ダミーチャンネル)−音色番号変換テーブルを参照して音色番号を得る。この場合、1または複数の音色番号が得られる。得られた音色番号と、MIDIデータの種類によって処理を行い(ステップs17)、メインルーチンに戻る。
【0025】
ステップs14で判断が「no」のとき、すなわち受信されたMIDIデータのチャンネルがダミーチャンネルに設定されていないときはステップs16に進み、受信チャンネル(ダミーチャンネル)−音色番号変換テーブルを参照して音色番号を得る。その後ステップs17の処理を行い、メインルーチンに戻る。
ステップs11で受信されたMIDIデータがチャンネル・メッセージでないときにはステップs18にてMIDIデータの種類によって適切な処理を行って、メインルーチンに戻る。
【0026】
この実施例では、MIDIチャンネルメッセージを受け取ったときに、受信チャンネル−ダミーチャンネル変換テーブルを参照して、その受信チャンネルがダミーチャンネルに設定されているかどうかを判断して、その判断の結果ダミーチャンネルに設定されていたときは、受信チャンネル(ダミーチャンネル)−音色番号変換テーブルを参照してダミーチャンネルに設定されている音色番号を得ていたが、上記2つのテーブルの参照順序を逆にしてもよい。すなわち、MIDIチャンネルメッセージを受け取ったときに、最初に受信チャンネル(ダミーチャンネル)−音色番号変換テーブルを参照して、テーブル中に該当する受信チャンネルがない場合、受信チャンネル−ダミーチャンネル変換テーブルを参照して受け取ったMIDIチャンネルがダミーチャンネルに設定されているかどうかを調べることによって、受け取ったMIDIチャンネルがどの音色に割り当てられているかを知ることができる。
【0027】
【発明の効果】
この発明によれば、複数の音色のパラメータ設定を一括して変更する場合、1度の変更ですみ、操作を簡単でできるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明に係る電子楽器の回路構成を示すブロック図である。
【図2】従来の技術を説明するための図である。
【図3】従来の技術を説明するための図である。
【図4】実施例の概略を説明するための図である。
【図5】表示部6を説明する図である。
【図6】音色番号とMIDI受信チャンネルの対応を設定する画面を表す図である。
【図7】ダミーチャンネルとMIDI受信チャンネルの対応を設定する画面を表す図である。
【図8】受信チャンネル(ダミーチャンネル)−音色番号変換テーブルを表す図である。
【図9】ダミーチャンネル−受信チャンネル変換テーブルを表わす図である。
【図10】メインフローチャートである。
【図11】MIDI受信処理を実行するフローチャートである。
【符号の説明】
1:CPU、2:RAM(ランダム−アクセス−メモリ)、3:ROM(リードオンリィメモリ)、4:MIDI端子、5:MIDII/F(インターフェース)、6:表示部、7:パネル部、8:音源部、9:DSP(デジタル−シグナル−プロセッサ)、10:DAC(デジタル−アナログコンバータ)、11:サウンドシステム、12:アドレス・データバス

Claims (1)

  1. 複数の音色に関して共通な識別データを設定する設定手段と、
    前記識別データとMIDI受信するチャンネルとの対応を記憶する記憶手段と、
    前記記憶手段にて記憶された識別データとMIDI受信チャンネルとの対応を変更する変更手段と、
    MIDIチャンネルを示す情報が付されたMIDIメッセージを受信するMIDI受信手段と
    前記受信手段にて受信されたMIDIメッセージに付された前記情報が示すMIDIチャンネルが前記識別データに対応づけられたMIDI受信チャンネルに一致したとき、当該受信したMIDIメッセージを前記識別データが設定されている前記複数の音色それぞれに対するMIDIメッセージとして処理する処理手段と
    備えたことを特徴とする電子楽器。
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