JP2936346B2 - ケーキ輸送方法 - Google Patents

ケーキ輸送方法

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Description

【発明の詳細な説明】 (産業上の利用分野) この発明は、ケーキを良好な保冷状態で輸送するため
の輸送方法に関するものである。
(従来技術及びその課題) 従来、ケーキ屋等でケーキを買い家庭まで持ち帰る際
に、ケーキ箱の内部にケーキとともにドライアイスを入
れケーキを保冷しながら輸送しているが、ドライアイス
の場合には保冷時間が短く、長時間の輸送はできず、
又、ドライアイスによりケーキを入れた箱内が乾燥して
しまい、ケーキの表面等の水分がなくなり、ケーキの品
質及び味等が低下してしまうという問題点があった。
又、一般的な蓄冷剤をケーキの箱内に入れ、保冷させ
て輸送しようとすると、蓄冷剤の表面に結露水が発生
し、この結露水によりケーキの外観形状が崩れてしまう
等の問題点があった。
(課題を解決するための手段) 本発明は上記従来の問題点に鑑み案出したものであっ
て、ケーキを良好に輸送し得る輸送方法を提供せんこと
を目的とし、その要旨は、ケーキを入れることのできる
ケーキ箱の上蓋に、多数の冷気孔を形成してなる封入袋
を貼設し、該封入袋内に、内部に封入した吸水性樹脂に
含水させかつ予冷した状態の蓄冷シートを入れ、ケーキ
を輸送するケーキ輸送方法であって、前記封入袋には、
裏側に2枚の剥離紙が貼着され、各剥離紙間に挿入口が
スリット状に形成され、この封入袋を折り曲げて挿入口
を開放させた状態で内部に蓄冷シートを挿入させ、再び
水平状態に戻し、その状態で剥離紙を剥離してケーキ箱
の上蓋の裏側に貼り付け、挿入口を上蓋により封止して
蓄冷シートの封入袋からの抜脱を防ぐことである。
(作用) 輸送中に蓄冷シートが封入袋から抜脱することがな
く、良好な取付状態を得ることができ、輸送中に蓄冷シ
ートから冷気が発せられ、この冷気は封入袋の冷気孔を
通しケーキ箱内に充満し、冷気によりケーキを良好な保
冷状態で輸送することができ、又、蓄冷シートに結露水
が発生した場合にも、蓄冷シートの内部には吸水性樹脂
が封入されているため、この吸水性樹脂が結露水を吸収
し、結露水が下方側に落下することがなく、ケーキを良
好な状態で輸送できる。
(実施例) 以下、本発明の実施例を図面に基づいて説明する。
第1図はケーキの輸送時に用いられる蓄冷可能な蓄冷
シートであり、第2図はこの蓄冷シートのA−A線断面
要部拡大図を示す。
図において、蓄冷シート1は、多数の袋状空間部1aを
縦方向及び横方向の溝部1bにて区画形成し1枚のシート
状に形成したものであって、第2図の断面図で示すよう
に、表面部及び裏面部を構成する透水性シートS1,S2
一定間隔毎に互いに貼り付けされて溝部1bが形成され、
この溝部1b,1b間に相当の空間を有する袋状空間部1aが
形成され、この袋状空間部1aの内部に粒状の吸水樹脂2
が相当量封入されたものである。尚、第2図のものは更
に一方側の透水性シートS1の表面に防水シート3を貼着
して構成したものである、 この透水性シートS1,S2は水及び空気を通すことので
きるシート材にて構成されたものであって、そのような
シート材として、紙,不織布,織物,編物,綿等の繊維
質シート等が挙げられる。又、防水シート3は水を通さ
ないシート材にて形成されており、例えばポリエチレ
ン,ポリプロピレン,ポリ塩化ビニル等のプラスチック
製シートで構成される。又、プラスチック製シートに替
えてアルミ箔が使用される場合もある。
又、袋状空間部1a内に封入される吸水樹脂2として、
例えば、澱粉−アクリロニトリルグラフト重合体の加水
分解物、セルロース−アクリロリトリルグラフト重合体
の加水分解物等の単量体と架橋剤との共重合体、例えば
架橋ポリアクリルアミド及びその加水分解物、架橋され
たスルホン化ポリエチレン、架橋ポバール、特開昭52−
14689号及び特開昭52−27455号記載の架橋されたビニル
エステル−不飽和カルボン酸共重合体ケン化物、架橋さ
れたポリアクリル酸塩及びアクリル酸−アクリル酸エス
テル共重合体、架橋されたイソブチレン−無水マレイン
酸共重合体、及び架橋ポリエチレンオキシド等が挙げら
れる。さらに自己架橋性を有する重合物、例えば自己架
橋型ポリアクリル酸、特公昭54−30710号に記載の樹脂
や分子中に少なくとも水酸基とカルボキシラート基を含
有する高分子重合体、例えば特公昭54−37994号に記載
の樹脂でも良い。尚、澱粉又はセルロースと水溶性単量
体及び/又は加水分解により水溶性となる単量体と架橋
剤とを必須成分として重合させ、必要により加水分解を
行なうことにより得られる吸水樹脂であっても良い。
上記の吸水性樹脂は1種類であっても又2種以上用い
たものであっても良く、吸水性能としては20〜2000g/g
程度が好ましく、又、吸水性樹脂2の形状については特
に限定はなく、粉末状,粒子状,フレーク状,繊維状の
何れの形状であっても良い。
このように構成された蓄冷シート1は第3図に示すよ
うに、ケーキを入れることのできるケーキ箱5の上蓋5a
の裏側に取り付けた封入袋4内に入れることができる。
前記封入袋4は貫通状の多数の冷気孔4aが形成され袋
状となっており、一方側には前記蓄冷シート1を内部に
入れるための挿入口4bが形成され、この挿入口4bの内周
面には樹脂チャック4cが設けられており、挿入口4bより
内部に蓄冷シート1を入れた後に、このチャック4cを押
さえて挿入口4bを封止することができるものとなってい
る。又、この封入袋4の裏側には接着剤が塗布されてお
り、その接着面には剥離紙4dが貼着されている。
従って、封入袋4を上蓋5aの裏側に貼着する際に、先
ず剥離紙4dを剥離し接着剤の面を露出させて、接着剤の
面を上蓋5aに押し付け、封入袋4を上蓋5aの裏側に貼設
することができ、この貼設した状態で前記挿入口4bより
内部に蓄冷シート1を入れることができる。
尚、ケーキ箱5の上蓋5aには予め封入袋4を貼設させ
ておき、ケーキ箱5内にケーキを入れた時に封入袋4内
に蓄冷シート1を封入させると良い。尚、この場合、蓄
冷シート1は予め冷凍庫内で予冷されたものを用い、蓄
冷シート1の内部に封入されている吸水性樹脂2内に含
水させた状態で冷凍庫内で所定時間予冷させておけば、
吸水性樹脂2内の水が蓄冷能を発揮し、輸送中に冷気を
発し、この冷気は封入袋4の冷気孔4aを通しケーキ箱5
の内部に上方側から下方に向かって流下し、ケーキ箱5
内に冷気が充満して内部のケーキを良好な保冷状態とす
ることができる。尚、蓄冷シート1から発せられる冷気
はドライアイスのように乾燥したものではないため、内
部のケーキの表面を乾燥させることはなく、逆に発せら
れる冷気によりケーキ箱5内の温度が下がるため、その
分、ケーキ箱5内は多湿状態となり、内部のケーキの表
面には水分が補給され、ケーキを良好な水分活性である
0.75〜0.80程度の最適水分に保持させて輸送が可能であ
る。
尚、前記封入袋4の素材としては、例えば低密度ポリ
エチレン,直鎖状低密度ポリエチレン,中・高密度ポリ
エチレン,無延伸ポリプロピレン,2軸延伸ポリプロピレ
ン,発泡ポリエチレン,ポリブタジエンフイルム,セロ
ファン,ポリビニルアルコール,ポリエステル,エチレ
ンビニルアルコール共重合体,エチレン酢酸ビニル共重
合体,ポリスチレン,発泡ポリスチレン,ポリアミド,
アイオノマー樹脂,可食性フイルムポリサッカライド等
のフイルム単体、又は上記素材を組み合わせた複合ラミ
ネート状の素材で形成することができる。
尚、第4図(イ)には封入袋4の変形例を示す、 即ち、第4図の封入袋4には、裏側に2枚の剥離紙4
d,4dが貼着されており、各剥離紙4dを剥離することによ
り、それぞれ接着剤を塗布した接着剤面B,Bが露出する
ものとなっており、各剥離紙4d,4d間に挿入口4bがスリ
ット状に形成されたものである。
このように封入袋4においては、第4図(ロ)に示す
ように、先端側を折り曲げ、挿入口4bを開放させ、この
状態で内部に蓄冷シート1を挿入させることができ、予
冷した蓄冷シート1を入れた後に再び水平状態に戻し、
その状態で剥離紙4d,4dを剥離してケーキ箱の上蓋5aの
裏側に接着剤面B,Bを貼り付けることができ、その時に
は挿入口4bは上蓋5aにより封止されるため、輸送中に蓄
冷シート1が封入袋4から抜脱することがなく、良好な
取付状態を得ることができるものである。
さらに第5図(イ)には、封入袋4の異なる変形例を
示し、この封入袋4は第5図(ロ)に示すように、先端
部に挿入口4bが形成され、この挿入口4bの内側には折り
返し部4eが形成されており、挿入口4bから予冷した蓄冷
シート1を内部に挿入させた時に、この折り返し部4eが
戻り止めの機能を発揮し、蓄冷シート1の抜脱を良好に
防止し得るものである。
さらに第6図(イ)に示す変更した封入袋4において
は、先端部に形成された挿入口4bより更に先端側にリッ
プ部4fを延長させたものであり、このリップ部4fの裏側
にも接着剤面Bが塗布されており、その上面には剥離紙
4dが貼着されている。
このような構造の封入袋4においても、予め挿入口4b
より内部に予冷した蓄冷シート1を挿入し、その状態で
剥離紙4dを剥離するとともに、前記リップ部4f側の剥離
紙4dも剥離して、ケーキ箱5の上蓋5aの裏側に貼着する
ことができ、この貼着状態においてはリップ部4f側の接
着剤面Bが上蓋5aに強固に貼着されるため、この時に挿
入口4bは上蓋5aにより覆蓋されることとなり、内部の蓄
冷シート1の抜税を完全に防止することができるもので
ある。
(発明の効果) 本発明のケーキ輸送方法は、ケーキを入れることので
きるケーキ箱の上蓋に、多数の冷気孔を形成してなる封
入袋を貼設し、該封入袋内に、内部に封入した吸水性樹
脂に含水させかつ予冷した状態の蓄冷シートを入れ、ケ
ーキを輸送するケーキ輸送方法であって、前記封入袋に
は、裏側に2枚の剥離紙が貼着され、各剥離紙間に挿入
口がスリット状に形成され、この封入袋を折り曲げて挿
入口を開放させた状態で内部に蓄冷シートを挿入させ、
再び水平状態に戻し、その状態で剥離紙を剥離してケー
キ箱の上蓋の裏側に貼り付け、挿入口を上蓋により封止
して蓄冷シートの封入袋からの抜脱を防ぐこととしたた
め、輸送中に蓄冷シートが封入袋から抜脱することがな
く、良好な取付状態を得ることができ、輸送中に蓄冷シ
ートから冷気が発せられ、この冷気は封入袋の冷気孔を
通しケーキ箱内に充満されて内部のケーキを良好な保冷
状態に保つことができ、又、結露水が発生した場合にも
蓄冷シート内の吸水性樹脂がこの結露水を良好に吸収
し、結露水がケーキに染み込むことがなく、ケーキの外
観を崩すことなく良好に輸送することができ、又、従来
のドライアイスのようにケーキを乾燥させることもない
ため、ケーキの輸送状態が極めて良好化される効果を有
する。
【図面の簡単な説明】
図は本発明の一実施例を示し、第1図は蓄冷シートの斜
視図、第2図は第1図のA−A線断面図、第3図はケー
キ箱の上蓋の裏側に封入袋を貼着しその内部に蓄冷シー
トを入れる状態の分解要部斜視図、第4図(イ)は封入
袋の変形例を示す裏側からの斜視構成図、第4図(ロ)
はこの封入袋の使用状態を示す分解斜視図、第5図
(イ)は更に異なる封入袋の変形例を示す斜視図、第5
図(ロ)は第5図(イ)の封入袋内に蓄冷シートを入れ
た状態の断面概略構成図、第6図(イ)は更に異なる封
入袋の変形例を示す裏側からの要部斜視構成図、第6図
(ロ)はこの封入袋の貼設状態の断面構成図である。 1……蓄冷シート、2……吸水性樹脂 4……封入袋、4a……冷気孔 4b……挿入口、4d……剥離紙 5……ケーキ箱、5a……上蓋

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】ケーキを入れることのできるケーキ箱の上
    蓋に、多数の冷気孔を形成してなる封入袋を貼設し、該
    封入袋内に、内部に封入した吸水性樹脂に含水させかつ
    予冷した状態の蓄冷シートを入れ、ケーキを輸送するケ
    ーキ輸送方法であって、前記封入袋には、裏側に2枚の
    剥離紙が貼着され、各剥離紙間に挿入口がスリット状に
    形成され、この封入袋を折り曲げて挿入口を開放させた
    状態で内部に蓄冷シートを挿入させ、再び水平状態に戻
    し、その状態で剥離紙を剥離してケーキ箱の上蓋の裏側
    に貼り付け、挿入口を上蓋により封止して蓄冷シートの
    封入袋からの抜脱を防ぐことを特徴とするケーキ輸送方
    法。
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