JP2936202B2 - グルコシルキシルロシド(α―D―グルコピラノシル―β―D―キシルロフラノシド)の工業的製造法 - Google Patents
グルコシルキシルロシド(α―D―グルコピラノシル―β―D―キシルロフラノシド)の工業的製造法Info
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Description
【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は、グルコシルキシルロシド(α−D−グルコ
ピラノシル−β−D−キシルロフラノシド)を効率よ
く、工業的規模で製造する方法に関する。
ピラノシル−β−D−キシルロフラノシド)を効率よ
く、工業的規模で製造する方法に関する。
グルコシルキシルロシドは、食品用素材,医薬品用素
材として今後の開発が期待される有用なものである。
材として今後の開発が期待される有用なものである。
W.Z.Hassidら(J.Am.Chem.Soc.,68巻,1465頁,1946
年)はα−D−グルコース−1−リン酸と粗D−キシル
ロース(本反応には必要のないD−キシロースを含む)
の混合液にシュクロースホスホリラーゼを作用させてグ
ルコシルキシルロシドを反応前のα−D−グルコース−
1−リン酸量の約1%(モル換算)得たことを報告して
いる。
年)はα−D−グルコース−1−リン酸と粗D−キシル
ロース(本反応には必要のないD−キシロースを含む)
の混合液にシュクロースホスホリラーゼを作用させてグ
ルコシルキシルロシドを反応前のα−D−グルコース−
1−リン酸量の約1%(モル換算)得たことを報告して
いる。
しかし、上記した従来法によるグルコシルキシルロシ
ドの製造法には次のような問題点がある。第一に基質と
なるD−キシルロースの確保である。この問題について
は、本発明者はD−キシロースからD−キシルロースを
効率的に変換、分離する技術を開発した(特開平2−28
191号公報)。第二はグルコシルキシルロシドの収率の
低さである。第三は原料のα−D−グルコース−1−リ
ン酸および精製D−キシルロースが高価であるという問
題である。
ドの製造法には次のような問題点がある。第一に基質と
なるD−キシルロースの確保である。この問題について
は、本発明者はD−キシロースからD−キシルロースを
効率的に変換、分離する技術を開発した(特開平2−28
191号公報)。第二はグルコシルキシルロシドの収率の
低さである。第三は原料のα−D−グルコース−1−リ
ン酸および精製D−キシルロースが高価であるという問
題である。
以上の理由から、従来技術によりグルコシルキシルロ
シドを大量し、しかも安価に製造することは極めて困難
であった。よって、これらの課題を克服してグルコシル
キシルロシドを効率よく製造する技術の確立が望まれて
いた。
シドを大量し、しかも安価に製造することは極めて困難
であった。よって、これらの課題を克服してグルコシル
キシルロシドを効率よく製造する技術の確立が望まれて
いた。
そこで、本発明者はシュクロースホスホリラーゼを用
いたグルコシルキシルロシドの生成反応について検討を
重ねた結果、グルコシル供与体(α−D−グルコース−
1−リン酸)に対するグルコシル受容体(D−キシルロ
ース)のモル比を大きくすることにより反応性が向上す
ること、グルコシル供与体としてα−D−グルコース−
1−リン酸の代わりにショ糖を用いることにより原料の
低コスト化が図れることおよび異性化反応によるD−キ
シロースからのD−キシルロース生成反応とグルコシル
キシルロシド生成反応を同時進行させることにより原料
の低コスト化並びに製造工程の簡略化が図れることを見
出し、かかる知見に基づいて本発明を完成した。
いたグルコシルキシルロシドの生成反応について検討を
重ねた結果、グルコシル供与体(α−D−グルコース−
1−リン酸)に対するグルコシル受容体(D−キシルロ
ース)のモル比を大きくすることにより反応性が向上す
ること、グルコシル供与体としてα−D−グルコース−
1−リン酸の代わりにショ糖を用いることにより原料の
低コスト化が図れることおよび異性化反応によるD−キ
シロースからのD−キシルロース生成反応とグルコシル
キシルロシド生成反応を同時進行させることにより原料
の低コスト化並びに製造工程の簡略化が図れることを見
出し、かかる知見に基づいて本発明を完成した。
すなわち、本発明はショ糖とD−キシロースを前者:
後者=1:2〜10の割合で含む混合液に異性化酵素および
シュクロースホスホリラーゼを30〜45℃で作用させるこ
とを特徴とするグルコシルキシルロシドの製造法を提供
するものである。
後者=1:2〜10の割合で含む混合液に異性化酵素および
シュクロースホスホリラーゼを30〜45℃で作用させるこ
とを特徴とするグルコシルキシルロシドの製造法を提供
するものである。
本発明において、反応に供する酵素、シュクロースホ
スホリラーゼは、公知のシュクロースホスホリラーゼ産
生菌を既知の方法でアセトン処理した菌体あるいは菌体
を包括法等の既知の方法により固定化した固定化菌体ま
たは既知の方法で菌体より抽出した部分精製酵素液もし
くはそれを担体結合法等の既知の方法により固定化した
固定化酵素を用いる。
スホリラーゼは、公知のシュクロースホスホリラーゼ産
生菌を既知の方法でアセトン処理した菌体あるいは菌体
を包括法等の既知の方法により固定化した固定化菌体ま
たは既知の方法で菌体より抽出した部分精製酵素液もし
くはそれを担体結合法等の既知の方法により固定化した
固定化酵素を用いる。
また、異性化酵素としては、キシロースイソメラーゼ
を担体結合法等の既知の方法により固定化した公知の固
定化酵素を用いる。
を担体結合法等の既知の方法により固定化した公知の固
定化酵素を用いる。
本発明の方法は、原料としてショ糖およびD−キシロ
ースを用いると共に、酵素としてシュクロースホスホリ
ラーゼおよび前記した異性化酵素を用いることを特徴と
している。この異性化酵素、キシロースイソメラーゼの
作用により、D−キシロースはD−キシルロースに変換
される。この方法による反応は、ショ糖とD−キシロー
スの混合液、通常は前記:後者=1:2〜10、望ましくは
2〜5(モル比)(最終濃度がショ糖2mM〜2M、望まし
くは500mM、D−キシロース2mM〜4M、望ましくは1〜2.
5M)に、異性化酵素1〜100U/ml、望ましくは10〜50U/m
lおよびシュクロースホスホリラーゼ1〜100U/ml、望ま
しくは5〜50U/mlを加えてpH6〜8、望ましくは7で30
〜45℃、望ましくは40℃で1〜48時間、望ましくは3〜
30時間行なえばよい。
ースを用いると共に、酵素としてシュクロースホスホリ
ラーゼおよび前記した異性化酵素を用いることを特徴と
している。この異性化酵素、キシロースイソメラーゼの
作用により、D−キシロースはD−キシルロースに変換
される。この方法による反応は、ショ糖とD−キシロー
スの混合液、通常は前記:後者=1:2〜10、望ましくは
2〜5(モル比)(最終濃度がショ糖2mM〜2M、望まし
くは500mM、D−キシロース2mM〜4M、望ましくは1〜2.
5M)に、異性化酵素1〜100U/ml、望ましくは10〜50U/m
lおよびシュクロースホスホリラーゼ1〜100U/ml、望ま
しくは5〜50U/mlを加えてpH6〜8、望ましくは7で30
〜45℃、望ましくは40℃で1〜48時間、望ましくは3〜
30時間行なえばよい。
上記した本発明の方法により、グルコシルキシルロシ
ドを前記従来法に比して78倍も効率よく製造することが
できる。このようにして得られたグルコシルキシルロシ
ドは常法により単離精製することができる。例えば、反
応終了液にインベルターゼ等の酵素を加えて未反応のシ
ョ糖を分解後、活性炭カラム等を通液してグルコシルキ
シルロシドを吸着させ、これをエタノール溶液等で溶出
させればよい。
ドを前記従来法に比して78倍も効率よく製造することが
できる。このようにして得られたグルコシルキシルロシ
ドは常法により単離精製することができる。例えば、反
応終了液にインベルターゼ等の酵素を加えて未反応のシ
ョ糖を分解後、活性炭カラム等を通液してグルコシルキ
シルロシドを吸着させ、これをエタノール溶液等で溶出
させればよい。
次に、実施例を以て本発明をさらに詳細に説明する。
実施例1 シュクロースホスホリラーゼ1.9U/mlおよびトリスマ
レイトバッファー(pH7.0,最終濃度50mM)を含有するシ
ョ糖とD−キシロースの混合液(最終濃度:ショ糖50m
M,D−キシロース50mMまたは500mM)に異方性酵素20U/ml
を加え、37℃で反応させた。その経時変化を第1図に示
す。
レイトバッファー(pH7.0,最終濃度50mM)を含有するシ
ョ糖とD−キシロースの混合液(最終濃度:ショ糖50m
M,D−キシロース50mMまたは500mM)に異方性酵素20U/ml
を加え、37℃で反応させた。その経時変化を第1図に示
す。
第1図から明らかなように、反応後10時間でグルコシ
ルキシルロシドの生成量は31%(モル換算)(D−キシ
ロース濃度50mMの場合)および78%(モル換算)(D−
キシロース濃度500mMの場合)であった。このことか
ら、ショ糖に対するD−キシロースのモル濃度を高くす
れば、グルコシルキシルロシドの生成量が増大すること
が判る。
ルキシルロシドの生成量は31%(モル換算)(D−キシ
ロース濃度50mMの場合)および78%(モル換算)(D−
キシロース濃度500mMの場合)であった。このことか
ら、ショ糖に対するD−キシロースのモル濃度を高くす
れば、グルコシルキシルロシドの生成量が増大すること
が判る。
本発明によれば、これまで大量生産が困難であったグ
ルコシルキシルロシドを効率よく、しかも大量、かつ安
価に製造することができる。
ルコシルキシルロシドを効率よく、しかも大量、かつ安
価に製造することができる。
近年、抗う蝕性甘味料,ビフィズス因子甘味料,低カ
ロリー甘味料などの機能性を有する糖質が注目されてい
るが、本発明により得られるグルコシルキシルロシド
も、その機能性を見出すことにより食品用素材や医薬品
素材としての広い利用が期待される。
ロリー甘味料などの機能性を有する糖質が注目されてい
るが、本発明により得られるグルコシルキシルロシド
も、その機能性を見出すことにより食品用素材や医薬品
素材としての広い利用が期待される。
第1図は実施例1におけるグルコシルキシルロシド生産
量の経時変化を示すグラフである。
量の経時変化を示すグラフである。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 原 耕三 神奈川県横浜市金沢区並木2―6―3― 104 (72)発明者 高橋 英樹 茨城県つくば市二の宮1―8―4 時計 台ハイツA―202 (56)参考文献 監修 丸尾文治等「酵素ハンドブッ ク」1982年12月1日 朝倉書店発行 第 265頁 (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) C12P 19/14 CA(STN)
Claims (1)
- 【請求項1】ショ糖とD−キシロースを前者:後者=1:
2〜10の割合で含む混合液に異性化酵素およびシュクロ
ースホスホリラーゼを30〜45℃で作用させることを特徴
とするグルコシルキシルロシドの製造法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP32835789A JP2936202B2 (ja) | 1989-12-20 | 1989-12-20 | グルコシルキシルロシド(α―D―グルコピラノシル―β―D―キシルロフラノシド)の工業的製造法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP32835789A JP2936202B2 (ja) | 1989-12-20 | 1989-12-20 | グルコシルキシルロシド(α―D―グルコピラノシル―β―D―キシルロフラノシド)の工業的製造法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH03191786A JPH03191786A (ja) | 1991-08-21 |
JP2936202B2 true JP2936202B2 (ja) | 1999-08-23 |
Family
ID=18209344
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP32835789A Expired - Fee Related JP2936202B2 (ja) | 1989-12-20 | 1989-12-20 | グルコシルキシルロシド(α―D―グルコピラノシル―β―D―キシルロフラノシド)の工業的製造法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2936202B2 (ja) |
-
1989
- 1989-12-20 JP JP32835789A patent/JP2936202B2/ja not_active Expired - Fee Related
Non-Patent Citations (1)
Title |
---|
監修 丸尾文治等「酵素ハンドブック」1982年12月1日 朝倉書店発行 第265頁 |
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPH03191786A (ja) | 1991-08-21 |
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