JP2933346B2 - 磁歪式トルクセンサ軸 - Google Patents

磁歪式トルクセンサ軸

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Description

【発明の詳細な説明】 産業上の利用分野 本発明は磁歪式トルクセンサ軸に関する。
従来の技術 磁気異方性部を有するトルク伝達軸を利用した磁歪式
トルクセンサとして、特許第169326号のような溝方式の
センサが従来から知られている。このような磁歪式トル
クセンサでは、トルク伝達軸にトルクが加わると、その
トルクに応じて磁気異方性部の透磁率が変化するため、
検出コイルや磁気ヘッドなどを用いてこの透磁率の変化
を検出することで、加えられたトルクの大きさを求める
ことが可能である。
発明が解決しようとする課題 しかし、従来の磁歪式トルクセンサでは、軸引張り強
度が60〜100kgf/mm2程度の軸(JISのSCM材、SNCM材な
ど)を使用しており、軸剪断応力約20kgf/mm2程度以上
のトルクが印加されると、磁束の通過する軸材最外表面
層(スキンデプス)の結晶の中で最も強度的に弱い結晶
から塑性変形を受け、またはミクロ的クラックが発生す
るという問題点があった。なお、上記「スキンデプス」
について説明すると、特にここで問題にしている磁歪式
トルクセンサは10kHz〜100kHzの周波数で励磁されるの
が一般的であり、このため磁束は軸の最外表面層しか通
過しない。この領域を通常スキンデプス領域と呼んでお
り、その深さは約0.1mm以下である。そして、上記事態
が生じると、軸最外表面層の残留応力が再分布してセン
サ出力の零点が変化したり、ヒステリシスの増大やセン
サ感度の低下が生じたりするなど、センサにとって望ま
しくない悪影響がもたらされるという問題点があった。
このような問題点に対し、センサのヒステリシス低減
を目的としたものであるが、結果的にはセンサの過負荷
対策として有効と思われる特許出願がある。特願昭63−
81993号がそれで、軸に浸炭処理を行って表面層一層の
高度を上げることによりヒステリシス特性を改善するこ
とを目的としているが、結果として副次的にセンサのダ
イナミックレンジの向上も図られることになると思われ
る。しかしこれでは実際上十分でなく、また浸炭だけで
強度を持たせると、浸炭層最表面もしくは浸炭層直下の
母材が過大負荷によりミクロ的塑性変形やミクロ的クラ
ックを起こし、その結果ミクロ的塑性変形を起こした部
分および/またはミクロ的クラックを起こした部分の残
留応力が再分布し、瞬時にもしくは経時的にセンサ軸の
最外表面層の残留応力分布が変化し、この残留応力分布
の変化が軸材料の当該部分の透磁率変化を生じセンサの
零点を変化させる。また上記塑性変形および/またはク
ラックが大きい場合には、ヒステリシス特性の悪化、ダ
イナミックレンジの低下、疲労強度の低下をもたらすと
いう問題点がある。
また通常、工業的に利用可能な浸炭熱処理では、軸材
料を決めると金属最外表面に固溶できるカーボン%は一
定で限度があるため、浸炭プロセスだけではセンサに最
も必要な最外表面層のスキンデプス部の強度を浸炭プロ
セスで決まる一定値以上になし得ない。特に最外表面層
に固溶できるカーボン%を上げようとすると浸炭温度を
上げなければならず、この場合結晶粒度が大きくなるな
どの不都合が生じて逆に強度低下をきたすという問題が
発生する。
そこで本発明はこのような問題点を解決し、十分な強
度を有し、ダイナミックレンジの改善を図ることのでき
る磁歪式トルクセンサ軸を提供することを目的とする。
課題を解決するための手段 上記目的を達成するため本発明は、軸中心側から軸表
面側に向けて次第に強度が大きくなるように構成し、か
つ少なくとも軸の最外表面部分における概略スキンデプ
スに相当する深さの部分の強度を特に向上させたもので
ある。
また本発明は、軸中心側から軸表面側に向けて段階的
に強度が大きくなる多層構造を有する構成としたもので
ある。
スキンデプスに相当する最外表面部の強化層は、ショ
ットピーニング、サーフェースローリング、バニッシン
グなど、機械的に加工することで得られる加工硬化層に
よる強化層であってもよいし、またレーザまたは高周波
誘導で急速加熱、急速冷却することで得られる結晶微細
化手段による強化層であってもよいし、さらには通常の
高周波焼入などの焼入熱処理による強化層であってもよ
い。
3層以上の強化層を得るためには、材料強化過程の異
なる複数の材料強化過程、すなわち熱処理手段による材
料強化過程とショットピーニングなどの機械的手段によ
る材料強化過程とを複合することが必要である。本発明
の中心技術はかかる材料強化過程の異なる複数の処理を
採用することにより3層以上の強化層を持つ磁歪式トル
クセンサ軸を提供することにある。
作用 このような構成によれば、強度の向上したトルクセン
サ軸が得られ、特にスキンデプスに対応する部分の強度
が大幅に向上することで、大きな軸剪断応力が加わって
も概略磁束の通過するスキンデプス領域の軸材料結晶に
ミクロ的塑性変形やミクロ的クラックが生じることが防
止され、組織の健全性が保たれるため、零点変化やヒス
テリシスの増大や感度の低下が少なく、ダイナミックレ
ンジが改善された磁歪式トルクセンサが得られる。
実施例 実施例1 第1図は、ソレノイドコイル方式のトルクセンサに用
いられる磁歪式トルクセンサ軸の要部を示す。磁気異方
性部として、軸の表面にはナーリング部1が形成されて
いる。この軸には、軸の表面側から中心部に向けて順
に、第1の強化層2、第2の強化層3および第3の層4
が形成されている。
第1の強化層2は、概略スキンデプスに相当する深
さ、すなわち軸表面から概略0.01〜0.1mm程度の深さま
で形成され、他の2層に比べ最も強度が高くなるように
形成されている。
第2の強化層3は、第1の強化層2の直下部分におい
て、軸表面から概略2.0mm程度の深さまで形成されてい
る。そして、この第2の強化層3は、軸を強化するのに
十分な強度に設定されている。
第3の層4は、第2の強化層3よりも軸の中心側にお
いて、充分な靭性を備えるように形成された母材にて構
成されている。
第2図および第3図は、磁気ヘッド方式のトルクセン
サに用いられる磁歪式トルクセンサ軸の横断面構造およ
びその一部分の縦断面構造を示す。第1図の場合と同様
に、第1の強化層2と、第2の強化層3と、所要の靭性
を得るための第3の層4とを有した三層構造となるよう
にされている。
第4図は、各層における強度分布の例を示す。
このような構成によれば、第1の強化層2および第2
の強化層3では、強度が高いことから大きな応力に耐え
ることが可能となる。すなわち、トルクセンサ軸にトル
クが印加されると、それに応じて最外表面部に最大応力
が加わるが、最も強度の高い第1の強化層2がこの最大
応力に耐える。そして、次に強度の高い第2の強化層3
が、最外表面部の直下における2番目に大きな応力に耐
え、かつ靭性を持たせた軸中央部の第3の層4によっ
て、軸全体の強度が与えられ、軸の健全性が保証され
る。この結果、磁性式トルクセンサ軸に大きな軸剪断応
力が加わっても、軸材料の結晶にミクロ的塑性変形やミ
クロ的クラックが生じることが防止される。したがっ
て、零点変化やヒステリシスの増大や感度の低下が少な
く、ダイナミックレンジが改善されたトルクセンサが得
られることになる。
実施例2 第5図は第1図と同じように磁歪式トルクセンサ軸の
要部を示す。磁気異方性部として、軸の表面にはナーリ
ング部1が形成されている。この軸には、軸の表面側か
ら中心部に向けて順に、第1の強化層11、第2の強化層
12、第3の強化層13および靭性を有した第4の層14(母
材)が形成され、4層構造となるようにされている。
第1の強化層11は、実施例1と同様に概略スキンデプ
スに相当する深さまで強化され、他の3層に比べ最も強
度が高くなるように形成されている。第2の強化層12
は、軸表面から1〜2mm程度の深さまで形成することが
できる。そしてこの第2の強化層12は、第3の強化層1
3、第4の層14よりも高強度に形成されており、これよ
りも軸中心側の部分に過大トルクによりミクロ的塑性変
形および/またはミクロ的クラックが発生しても、第1
の強化層11に影響を与えないよう十分な厚みと強度を持
つように設定されている。第3の強化層13は軸表面から
2〜3mm程度の深さまで形成することができる。この第
3の強化層13は靭性を有した第4の層よりも高強度に形
成されており、センサ軸に過大トルクが印加されたとし
ても、この第3の強化層13および第4の層14の軸中心側
にミクロ的塑性変形および/またはミクロ的クラックが
発生しても、最外表面層をなす第1の強化層に重大な影
響を与えないように設定されている。
第6図および第7図は磁気ヘッド方式のトルクセンサ
に用いられるトルクセンサ軸の横断面構造およびその一
部分の縦断面構造を示す。第5図の場合と同様に第1の
強化層11、第2の強化層12、第3の強化層13および靭性
を有した第4の層14を備えた4層構造となるようにされ
ている。第8図は各層における強度分布の例を示す。
次に、これらの多層強化構造が過負荷に対してどのよ
うに作用するかを、本実施例2の場合を例にとって説明
する。
第9図に、本実施例2にもとづくトルクセンサ軸の強
度分布と、浸炭焼入のみによる強化軸(従来例)の強度
分布と、実際のトルク印加時の負荷応力分布とを示す。
ここで分布ABCDEは本実施例2にもとづくトルクセンサ
軸の強度分布を、また一部破線のC′CDEは従来の浸炭
焼入のみによる強化方法によるトルクセンサ軸の強度分
布を示している。
通常、センサの定格トルク負荷時の負荷応力線図は、
強度分布に比べて充分低い負荷レベル1すなわちOT1
設定される。ただしO点を軸中心とする。このとき浸炭
焼入のみによる強化軸の場合は、負荷レベル2すなわち
OT2がC′と交わる点、つまり最外表面層で、ミクロ的
塑性変形および/またはミクロ的クラックが発生すると
考えてよい。すると、センサ軸の最外表面層の残留応力
が変化するので、直ちにセンサの零点電圧が変化したり
ヒステリシス特性を悪化させたりしてセンサに悪影響を
与える。
一方、本実施例2の場合には、さらに強い負荷を与え
て負荷レベル3すなわちOT3になってはじめてC点近傍
でミクロ的塑性変形および/またはミクロ的クラックが
発生する。しかしセンサの特性に直接関係するスキンデ
プス領域AB間までの間には強化層BCがあるため、またAB
間は最も強化された第1の強化層11であるため、C点近
傍のミクロ的塑性変形および/またはミクロ的クラック
の影響は直接スキンデプス領域ABに及ばない。よってセ
ンサ特性の健全性は保証されることとなる。
次に第10図の強度分布の場合を説明する。この場合の
強度分布、負荷応力線図の意味は第9図の場合と同じで
ある。ここで浸炭焼入れのみによる強化軸の場合(強度
分布C′CDE)は、負荷レベル2すなわち作用応力線図O
T2においてD点近傍でミクロ的塑性変形および/または
ミクロ的クラックが発生し、その影響は短時間のうちに
最外表面層の残留応力分布を変化させ、センサ特性(零
点電圧、ヒステリシス特性)を変化させることが予想さ
れる。しかし、本実施例2による強化方法の場合は、強
度分布ABCDEが得られ、D点近傍でミクロ的塑性変形お
よび/またはミクロ的クラックが発生しても、センサ特
性に直接関係するスキンデプス領域AB間までには強化層
BCがあるため、またAB間は最も強化された層であるた
め、影響がほとんど及ばない。
具体例 次に、上記実施例1および実施例2にもとづく具体例
を説明する。
具体例1 実施例1の具体例である。
ニッケルクロムモリブデン鋼(JISのSNCM 815)を浸
炭焼入焼戻しにより表面層を深さ1.0〜2.0mmまで浸炭強
化した後、高周波焼入焼戻しにより最外表面層を負荷さ
0.2〜0.5mmまでさらに強化した。
この具体例1は、最外表面部の第1の強化層を浸炭層
の残留オーステナイトを高周波焼入焼戻しにより強化す
ることにより浸炭層を再強化し、第2の強化層を浸炭焼
入れにより強化し、中心部に第3の層としての靭性部を
持たせた3層構造を有する。そしてその強度分布を第4
図のようにすることにより、過負荷特性を向上させてい
る。
具体例2 本例も実施例1の具体例である。
ニッケルクロムモリブデン鋼(JISのSNCM 815)を浸
炭焼入焼戻しにより表面層を深さ1.0〜2.0mmまで浸炭強
化した後、ショットピーニングにより最外表面層を深さ
0.2〜0.5mmまでさらに強化した。
特にこの場合、ショットピーニング処理により、軸体
の表層、特にスキンデプス領域が圧縮緻密化および結晶
微細化されるとともに加工硬化により硬質化され、その
疲労強度や結晶粒界のすべり抵抗が高められること及び
ショット圧孔周りの環状安定残留応力の分布により磁化
過程が主として磁化回転となることから、トルク検出特
性のヒステリシスが低減されるメリットももたらす。こ
の点は、特願平1−42544号にも記載されている通りで
ある。
すなわちこの具体例2は、最外表面部の第1の強化層
をショットピーニングにより強化し、第2の強化層を浸
炭焼入焼戻しにより強化し、中心部に第3の層としての
靭性部を持つ3層構造を有する。そして、その強度分布
を第4図のようにすることにより、過負荷特性を向上さ
せるとともに、最外表面層をショットピーニングによる
強化層としているためにヒステリシス特性もきわめて向
上したものとなっている。
具体例3 実施例2の具体例である。
ニッケルクロムモリブデン鋼(JISのSNCM 815)に浸
炭焼入焼戻しにより表面層を深さ1.0〜2.0mmまで浸炭強
化した後、高周波焼入焼戻しにより、さらに表面層を深
さ0.2〜0.5mmまでさらに強化し、しかる後にショットピ
ーニングを施して最外表面層すなわち概略スキンデプス
領域を一層強化した。
この具体例3は、最外表面部の第1の強化層を浸炭後
の高周波焼入により浸炭層残留オーステナイトを高周波
焼入により再強化した後にショットピーニングにより最
も強化し、第2の強化層を浸炭層の高周波焼入により第
1の強化層に次いだ強化層とし、さらに第3の強化層を
浸炭層とし、かつ軸中心部に靭性の高い第4の層を持つ
4層構造の例である。この場合、強度分布は第8図のよ
うになっている。かかる構造により、過負荷耐力が大幅
に向上する。
次にこれらの具体例の過負荷特性(ダイナミックレン
ジ)を第11図に示し、そのヒステリシス特性を第12図に
示す。第11図をみると、従来の浸炭強化軸(2層構造)
に比べ、具体例1(3層構造)具体例2(3層構造)、
具体例3(4層構造)とも、過負荷特性に優れているこ
とがわかる。
第12図は、トルク印加時の軸表面平均負荷応力(σ=
16T/πD3)が10kgf/mm2のときのセンサのヒステリシス
の大きさをグラフ化したものである。この第12図による
と、ヒステリシス特性の面からみても、従来の浸炭強化
軸(2層構造)に比べ具体例1(3層構造)、具体例2
(3層構造)、具体例3(4層構造)の方が優れている
ことがわかる。
このように具体例1,2の3層構造によれば、従来の浸
炭焼入だけによる2層構造の場合に比べ、ヒステリシス
特性を大幅に改善することが可能になっている。また具
体例3の4層構造によれば、具体例1で得られた良好な
ヒステリシス特性に加えて最外表面層をさらにショット
ピーニング処理しているため、きわめて良好なヒステリ
シス特性が得られ、トルクセンサとして著しく価値ある
技術を提供することができる。
以上、強化方法について、浸炭熱処理法、高周波熱処
理法、ショットピーニング強化法の組合せで説明した
が、本実施例の3層構造、4層構造あるいはそれ以上の
多層構造の製造方法は、いずれもこれらの強化方法に限
定されるものではない。たとえば、最外層のサーフェー
スローリング、バニッシング、ホーニングなどの加工硬
化を利用する機械的強化法、レーザまたは高周波による
急速加熱、急速冷却により結晶を微細化し強度向上をは
かる方法、およびA3変態点直上、直下で加熱冷却を繰り
返し結晶を微細化する方法のように結晶微細化により強
度を向上させる方法、窒素などのイオンを最外表面層に
注入することにより強化する方法、クロム、ホウ素を表
面拡散させて強化する方法、および/または浸炭以外の
窒化など他の熱処理法により強化する方法などの組み合
せにより、本実施例の3層構造、4層構造あるいはそれ
以上の多層構造を実現することが可能である。
実施例3 上述の実施例1および2は、具体例1〜3をも含め
て、すべて材料の表層部を強化した肌焼き鋼を対象とし
ている。しかし、磁歪式トルクセンサ軸に使用可能な機
械構造用鋼として、析出硬化により材料全体を強化する
ものを利用することもできる。析出硬化によって強化し
うる材料としては、析出硬化型強靭鋼、マルエージング
鋼、析出硬化型マルテンサイト系およびフェライト系ス
テンレス鋼などがある。この場合は、第13図に示される
ような2層構造や、第14図に示されるような3層構造な
どを採用することができる。両面において、21は析出硬
化層、22は表面強化層、23は第1の強化層そして24は第
2の強化層である。
発明の効果 以上述べたように本発明によると、トルク印加時に最
大応力が作用する軸の最外表面部分における概略スキン
デプスに相当する深さの部分の強度を特に向上させ、か
つこの最外表面部分よりも内側の部分も軸中心側から軸
表面側に向かって次第に強度が大きくなるように構成し
たため、大きなトルクが加わっても、軸材料にミクロ的
塑性変形やミクロ的クラックが生じることを防止でき
て、零点変化やヒステリシスの増大や感度変化の低下な
どを少なくすることができ、このためダイナミックレン
ジが改善された磁歪式トルクセンサを得ることができ
る。
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明の第1の実施例の磁歪式トルクセンサ軸
であってソレノイドコイル方式トルクセンサに用いられ
るものの一部切欠斜視図、第2図および第3図は同第1
の実施例のトルクセンサ軸であって磁気ヘッド方式トル
クセンサに用いられるものの横断面図および一部分の縦
断面図、第4図は同第1の実施例のトルクセンサ軸の強
度分布の一例を示す図、第5図は本発明の第2の実施例
の磁歪式トルクセンサ軸であってソレノイドコイル方式
トルクセンサに用いられるものの一部切欠斜視図、第6
図および第7図は同第2の実施例のトルクセンサ軸であ
って磁気ヘッド方式トルクセンサに用いられるものの横
断面図および一部分の縦断面図、第8図は同第2の実施
例のトルクセンサ軸の強度分布の一例を示す図、第9図
および第10図は同第2の実施例のトルクセンサ軸の強度
分布と負荷応力分布とを示す図、第11図および第12図は
第1および第2の実施例のトルクセンサ軸の過負荷特性
およびヒステリシス特性を示す図、第13図および第14図
は本発明の第3の実施例の磁歪式トルクセンサ軸の横断
面図である。 2,11,23……第1の強化層、3,12,24……第2の強化層、
4……第3の層、13……第3の強化層、14……第4の
層、21……析出強化層、22……表面強化層。
フロントページの続き (56)参考文献 特開 平1−169983(JP,A) 特開 昭63−81993(JP,A) 特開 平2−221830(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) G01L 3/10

Claims (13)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】軸中心側から軸表面側に向けて次第に強度
    が大きくなるように構成し、かつ少なくとも軸の最外表
    面部分における概略スキンデプスに相当する深さの部分
    の強度を特に向上させたことを特徴とする磁歪式トルク
    センサ軸。
  2. 【請求項2】軸中心側から軸表面側に向けて段階的に強
    度が大きくなる多層構造を有することを特徴とする請求
    項1記載の磁歪式トルクセンサ軸。
  3. 【請求項3】異なった材料強化過程からなる複数の処理
    工程により形成されていることを特徴とする請求項2記
    載の磁歪式トルクセンサ軸。
  4. 【請求項4】異なった材料強化過程からなる複数の熱処
    理工程により形成されていることを特徴とする請求項3
    記載の磁歪式トルクセンサ軸。
  5. 【請求項5】単数または複数の熱処理工程と、ショット
    ピーニングなどの単数または複数の機械的工程との複合
    工程により形成されていることを特徴とする請求項3記
    載の磁歪式トルクセンサ軸。
  6. 【請求項6】最外表面部分における概略スキンデプスに
    相当する深さにおいて、最も強度が高くなるように形成
    された第1の強化層と、この第1の強化層の直下部分に
    おいて、軸強度を強化するのに十分な強度となるように
    形成された第2の強化層と、この第2の強化層よりも軸
    の中心側において、十分な靭性を備えるように形成され
    た第3の層とを有することを特徴とする請求項2から5
    までのいずれか1項記載の磁歪式トルクセンサ軸。
  7. 【請求項7】第2の強化層が浸炭層であるるとともに、
    第1の強化層が浸炭による強化層をショットピーニング
    によりさらに強化させた層であることを特徴とする請求
    項6記載の磁歪式トルクセンサ軸。
  8. 【請求項8】第2の強化層が浸炭層であるとともに、第
    1の強化層が浸炭による強化層を高周波焼入焼戻しによ
    りさらに強化させた層であることを特徴とする請求項6
    記載の磁歪式トルクセンサ軸。
  9. 【請求項9】最外表面部分における概略スキンデプスに
    相当する深さにおいて、最も強度が高くなるように形成
    された第1の強化層と、この第1の強化層の直下部分に
    おいて、この第1の強化層を保護するのに十分な強度と
    なるように形成された第2の強化層と、この第2の強化
    層の直下部分において軸強度を強化するのに十分な強度
    となるように形成された第3の強化層と、この第3の強
    化層よりも軸の中心側において、十分な靭性を備えるよ
    うに形成された第4の層とを有することを特徴とする請
    求項2から5までのいずれか1項記載の磁歪式トルクセ
    ンサ軸。
  10. 【請求項10】第3の強化層が浸炭層であるとともに、
    第2の強化層が浸炭による強化層を高周波焼入焼戻しに
    よりさらに強化させた層であり、かつ第1の強化層が、
    浸炭による強化層を高周波焼入焼戻しによりさらに強化
    させた後にショットピーニングにより三たび強化させた
    層であることを特徴とする請求項9記載の磁歪式トルク
    センサ軸。
  11. 【請求項11】析出強化層を有することを特徴とする請
    求項2,3,4,5,6,9のうちいずれか1項記載の磁歪式トル
    クセンサ軸。
  12. 【請求項12】ソレノイドコイル方式トルクセンサを構
    成することを特徴とする請求項1から11までのいずれか
    1項記載の磁歪式トルクセンサ軸。
  13. 【請求項13】磁気ヘッド方式トルクセンサを構成する
    ことを特徴とする請求項1から11までのいずれか1項記
    載の磁歪式トルクセンサ軸。
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JP6908490A Expired - Lifetime JP2933346B2 (ja) 1990-03-19 1990-03-19 磁歪式トルクセンサ軸

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GB9919065D0 (en) * 1999-08-12 1999-10-13 Fast Technology Gmbh Transducer Element

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JPH03269229A (ja) 1991-11-29

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