JP6627539B2 - 浸炭焼入部品の製造方法 - Google Patents
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Description
まず、図1〜図3を参照して、本発明の一実施形態による浸炭焼入部品100の構造について説明する。
次に、図1〜図6を参照して、本発明の一実施形態による浸炭焼入部品100の製造方法について説明する。
図4に示すように、まず、所定の組成を有するとともに、約0.8mm以上約6mm以下の厚みの帯鋼101を準備する。そして、プレス打ち抜き器21を用いて、帯鋼101から浸炭焼入部品100の形状(図1参照)に打ち抜く。これにより、板状に形成された複数のプレス加工部品102が形成される。
(加熱)
そして、複数のプレス加工部品102を1ロットとして、1ロット毎に真空浸炭処理を行う。つまり、真空浸炭処理ではバッチ処理を行う。この真空浸炭処理では、まず、真空浸炭炉22内に1ロット分(複数)のプレス加工部品102を配置する。そして、真空浸炭炉22内を酸素濃度が低い真空条件下(たとえば、約10hPa以下)にした状態で、プレス加工部品102の温度が浸炭温度になるように加熱する。この際、浸炭温度は、真空浸炭処理後の浸炭層11の高濃度部11bおよび11cにおいて最も高いC濃度(少なくとも約0.7質量%以下のC濃度)に対応するA3変態点(オーステナイト−フェライト変態点)以上の温度である。つまり、浸炭温度は、浸炭層11の全体がオーステナイト組織になるようなオーステナイト温度域の温度である。なお、浸炭温度は、浸炭が十分に進行する温度(浸炭温度の下限条件)で、かつ、結晶粒の粗大化がある程度抑制される温度(浸炭温度の上限条件)であるように、適切に設定される。
その後、真空条件下の真空浸炭炉22内において、加熱された1ロット分のプレス加工部品103を一度に徐冷する。この際、マルテンサイト組織が生成される際の最低の臨界冷却速度未満の冷却速度(マルテンサイト変態する冷却速度より遅い冷却速度)で、プレス加工部品103を徐冷する。これにより、プレス加工部品103の全体が、主にパーライト組織になる。なお、図5に示すヒートパターンの一例では、約60分をかけて、加熱されたプレス加工部品103を約950℃(浸炭温度)から室温(約25℃)まで冷却する。つまり、図5に示す一例における徐冷時の冷却速度は、約0.3℃/sであり十分に小さい。
(高周波誘導加熱)
そして、真空浸炭処理後のプレス加工部品104に対して、高周波焼き入れ処理を行う。まず、高密度エネルギー加熱によりプレス加工部品104を再加熱する。具体的には、コイル23により発生させた所定の高周波(たとえば、約100kHzの周波数)をプレス加工部品104に集中的に加えることによって、プレス加工部品104を誘導加熱する。この際、プレス加工部品104の温度が上記したA3変態点以上のオーステナイト温度域の温度(再加熱温度)になるようにプレス加工部品104の全体を加熱する。
その後、再加熱したプレス加工部品105を、プレスクエンチ装置24を用いて荷重を加えた状態で急冷する。具体的には、プレスクエンチ装置24は、プレス加工部品105を上下から挟み込む上部金型24aおよび下部金型24bと、上部金型24aおよび下部金型24bの内部に形成され、冷却水が流通する冷却水路24cとを有している。このプレスクエンチ装置24では、上部金型24aの下面および下部金型24bの上面により板状のプレス加工部品105の平面部105aに荷重を加えた状態で、冷却水路24cを介して供給された冷却水がプレス加工部品105に直接的に接触する。これにより、荷重が加えられた状態でプレス加工部品105が急冷される。この際、急冷時の冷却速度は、マルテンサイト組織が生成される際の最低の冷却速度である臨界冷却速度(マルテンサイト変態する冷却速度)以上であり、十分に大きい。この結果、浸炭層11において、オーステナイト組織の一部がマルテンサイト組織に変態されることによって、浸炭層11における硬さ(強度)が大きくなる。なお、上部金型24aおよび下部金型24bは、共に特許請求の範囲の「プレス金型」の一例である。
最後に、急冷したプレス加工部品106を焼き戻す。まず、高密度エネルギー加熱によりプレス加工部品106を加熱する。具体的には、高周波焼き入れ処理と同様に、コイル25による高密度エネルギーをプレス加工部品106に集中的に加えることによって、プレス加工部品106を加熱する。この際、高周波焼き入れ処理とは異なり、プレス加工部品106の温度がオーステナイト温度域未満で、かつ、A1変態点(オーステナイト−パーライト変態点、約723℃)未満の焼戻温度になるようにプレス加工部品106を加熱するとともに、焼戻温度で所定の焼戻時間、プレス加工部品106を維持する。
本実施形態の製造方法では、以下のような効果を得ることができる。
なお、今回開示された実施形態は、すべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は、上記した実施形態の説明ではなく特許請求の範囲によって示され、さらに特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更(変形例)が含まれる。
1b 下面部(平面部)
1c 側面部(平面部)
1d、1e 角部
11 浸炭層(表層)
12 焼入硬化層
24a 上部金型(プレス金型)
24b 下部金型(プレス金型)
100 浸炭焼入部品
101 帯鋼(プレス用鋼板)
102 プレス加工部品
103 (浸炭処理された)プレス加工部品
104 (徐冷した)プレス加工部品
105 (再加熱した)プレス加工部品
105a 平面部
106 (急冷した)プレス加工部品
Claims (9)
- プレス用鋼板から所定の形状にプレス加工されたプレス加工部品をオーステナイト温度域に加熱した状態で、前記プレス加工部品に浸炭処理を行い、
浸炭処理された前記プレス加工部品をマルテンサイト変態する冷却速度より遅い冷却速度で徐冷し、
徐冷した前記プレス加工部品を、高密度エネルギーによりオーステナイト温度域に再加熱し、再加熱した前記プレス加工部品に対して、プレス金型により荷重を加えた状態でマルテンサイト変態する冷却速度以上の冷却速度にて急冷することによって浸炭焼入部品を形成する、浸炭焼入部品の製造方法。 - 前記プレス加工部品は、板状に形成されており、
再加熱した板状の前記プレス加工部品の平面部に対して、前記プレス金型により荷重を加えた状態で急冷する、請求項1に記載の浸炭焼入部品の製造方法。 - 真空条件下で前記プレス加工部品に浸炭処理を行い、
真空条件下で浸炭処理された前記プレス加工部品を徐冷する、請求項1または2に記載の浸炭焼入部品の製造方法。 - 前記プレス用鋼板は、V、NbおよびAlが添加されていない鋼板である、請求項1〜3のいずれか1項に記載の浸炭焼入部品の製造方法。
- 前記プレス加工部品の平面部および角部における表層のC(炭素)濃度が、前記プレス用鋼板のC濃度より高く、かつ、0.70質量%以下になるように、前記プレス加工部品に浸炭処理を行う、請求項1〜4のいずれか1項に記載の浸炭焼入部品の製造方法。
- 前記プレス加工部品の前記平面部における表層のC濃度が、前記プレス用鋼板のC濃度より高く、かつ、0.60質量%以下になるように、前記プレス加工部品に浸炭処理を行う、請求項5に記載の浸炭焼入部品の製造方法。
- 前記高密度エネルギーとしての高周波により、徐冷した前記プレス加工部品をオーステナイト温度域に誘導加熱する、請求項1〜6のいずれか1項に記載の浸炭焼入部品の製造方法。
- 前記プレス用鋼板のC濃度は、0.05質量%以上0.40質量%以下である、請求項1〜7のいずれか1項に記載の浸炭焼入部品の製造方法。
- 前記プレス加工部品は、6mm以下の厚みを有する前記プレス用鋼板から所定の形状にプレス加工されている、請求項1〜8のいずれか1項に記載の浸炭焼入部品の製造方法。
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