JP6627539B2 - 浸炭焼入部品の製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、浸炭焼入部品の製造方法に関する。
従来、浸炭処理および焼入れ処理が行われることにより形成される浸炭焼入部品が知られている(たとえば、特許文献1参照)。
上記特許文献1には、鋼部材を加熱した状態で鋼部材に浸炭処理を行い、浸炭処理された鋼部材をプレスクエンチ装置により荷重を加えた状態で油冷する、表面処理歯車(浸炭焼入部品)の製造方法が開示されている。この表面処理歯車の製造方法に用いられる鋼部材は、鋳造または鍛造が行われた後に、素材調質および機械加工(歯切りなど)が行われている。なお、上記特許文献1には、結晶粒粗大化による脆性の悪化を抑制するために、結晶粒微細化に効果のあるTi(チタン)、V(バナジウム)、Nb(ニオブ)またはAl(アルミニウム)を鋼部材に添加することが記載されている。
ここで、上記表面処理歯車に用いられるような鋳造または鍛造が行われる鋼部材とは異なり、プレス加工に用いられるプレス用鋼板には、鋼板の加工性が低下するのを回避するために、上記したような結晶粒微細化のための合金元素はほとんど添加されていないのが一般的である。このため、上記特許文献1に記載された表面処理歯車の製造方法を、プレス用鋼板を用いた浸炭焼入部品の製造方法に適用した場合には、浸炭処理における加熱によって、プレス用鋼材の結晶粒が粗大化してしまい、その結果、形成される浸炭焼入部品が脆化してしまうという不都合がある。
そこで、プレス用鋼板から形成された浸炭焼入部品において、結晶粒微細化のための合金元素を添加せずに、結晶粒の粗大化を抑制することが可能な浸炭焼入部品の製造方法として、加工部品を加熱した状態で加工部品に浸炭処理を行い、浸炭処理された加工部品を急冷して一度焼入れを行った後、急冷した加工部品を所定の温度(たとえば、800℃程度)まで再加熱した後に急冷し、2度目の焼入れを行うことが考えられる。この製造方法では、1度目の焼入れ後に所定の温度まで再加熱することによって、浸炭焼入部品における結晶粒の粗大化が抑制される。
特開2000−204464号公報
しかしながら、上記従来の提案された浸炭焼入部品の製造方法では、浸炭焼入部品の結晶粒粗大化に起因する脆化を抑制可能であるものの、1度目の焼入れによる急冷時に加工部品においてオーステナイト組織がマルテンサイト組織に変態することによって、加工部品に残留応力が生じるとともに、この残留応力が1度目の焼入れ後の再加熱によって開放されることに起因して加工部品に変形が生じる。そして、加工部品に変形が生じた状態で2度目の焼入れを行ったとしても加工部品の変形は残るため、浸炭焼入部品の寸法精度が低下するという問題点がある。
この発明は、上記のような課題を解決するためになされたものであり、この発明の1つの目的は、プレス用鋼板を用いる場合にも、浸炭焼入部品の脆化を抑制しつつ、浸炭焼入部品における寸法精度の低下を抑制することが可能な浸炭焼入部品の製造方法を提供することである。
上記目的を達成するために、この発明の一の局面における浸炭焼入部品の製造方法は、プレス用鋼板から所定の形状にプレス加工されたプレス加工部品をオーステナイト温度域に加熱した状態で、プレス加工部品に浸炭処理を行い、浸炭処理されたプレス加工部品をマルテンサイト変態する冷却速度(いわゆる臨界冷却速度)より遅い冷却速度で徐冷し、徐冷したプレス加工部品を、高密度エネルギーによりオーステナイト温度域に再加熱し、再加熱したプレス加工部品に対して、プレス金型により荷重を加えた状態でマルテンサイト変態する冷却速度以上の冷却速度にて急冷することによって浸炭焼入部品を形成する。なお、「プレス加工」は、加工時に厚みの変化がほとんど生じないプレス加工を意味する。つまり、「プレス加工」には、加工時に厚みを変化させて成形する、いわゆる鍛造によるプレス加工は含まれない。
この発明の一の局面による浸炭焼入部品の製造方法では、上記のように、プレス加工部品をオーステナイト温度域に加熱した状態で、プレス加工部品に浸炭処理を行い、浸炭処理されたプレス加工部品を徐冷し、徐冷したプレス加工部品を、高密度エネルギーによりオーステナイト温度域に再加熱する。これにより、浸炭処理時における加熱によりプレス加工部品の結晶粒が粗大化したとしても、徐冷したプレス加工部品をオーステナイト温度域に再加熱することによって、プレス加工部品の結晶粒を微細化することができる。この結果、プレス用鋼板に結晶粒の粗大化抑制のための合金元素を添加させなくても、浸炭焼入部品の結晶粒の粗大化を抑制することができるので、浸炭焼入部品の結晶粒粗大化に起因する脆化を抑制することができる。
また、浸炭処理されたプレス加工部品を徐冷することによって、徐冷したプレス加工部品にマルテンサイト組織が生成されるのを抑制することができるので、徐冷したプレス加工部品に残留応力が生じるのを抑制することができる。これにより、徐冷したプレス加工部品をオーステナイト温度域に再加熱した際に、再加熱したプレス加工部品に残留応力の開放に起因する変形がほとんど生じない。さらに、再加熱したプレス加工部品に対して、プレス金型により荷重を加えた状態で急冷することによって、たとえプレス加工部品に急冷するまでの工程において若干の変形が生じたとしても、プレス加工部品の矯正を適切に行ってプレス加工部品の平面度の低下などを抑制することができる。したがって、焼入れ処理により硬さの大きい浸炭焼入部品を形成しつつ、浸炭焼入部品における寸法精度の低下を抑制することができる。また、再加熱によってもプレス加工部品の変形がほとんど生じないので、プレス金型により荷重を加えたとしても、変形に起因してプレス加工部品の一部に荷重が集中するのを抑制することができる。これにより、浸炭焼入部品に割れが生じるのを抑制することができる。
さらに、徐冷したプレス加工部品を、高密度エネルギーによりオーステナイト温度域に再加熱する。これにより、徐冷したプレス加工部品をオーステナイト温度域に迅速に再加熱することができるので、徐冷したプレス加工部品をオーステナイト温度域に徐々に再加熱する場合と異なり、浸炭処理によりプレス加工部品に浸透したC(炭素)が、プレス加工部品の外部に放出されたり、プレス加工部品のより内部に拡散するのを抑制することができる。この結果、浸炭焼入部品において、Cが浸透された層のC濃度が低下するのを抑制することができるので、C濃度の低下に起因するCが浸透された層の硬さの低下を抑制して、浸炭焼入部品の硬さの低下を抑制することができる。
本発明によれば、上記のように、プレス用鋼板を用いる場合にも、浸炭焼入部品の脆化を抑制しつつ、浸炭焼入部品における寸法精度の低下を抑制することが可能な浸炭焼入部品の製造方法を提供することができる。
本発明の一実施形態による浸炭焼入部品の上面図である。 本発明の一実施形態による浸炭焼入部品の断面図である。 本発明の一実施形態による浸炭焼入部品の表面からの深さに対する硬さを示したグラフである。 本発明の一実施形態による浸炭焼入部品の製造工程を示した模式図である。 本発明の一実施形態による浸炭焼入部品の製造工程におけるヒートパターンの一例を示したグラフである。 本発明の一実施形態による浸炭焼入部品の製造工程における真空浸炭処理を説明するための図である。
以下、本発明の実施形態を説明する。
[浸炭焼入部品の構造]
まず、図1〜図3を参照して、本発明の一実施形態による浸炭焼入部品100の構造について説明する。
本発明の一実施形態による浸炭焼入部品100は、たとえば、図1に示すように、図示しないトルクコンバータのロックアップ機構に用いられるロックアップダンパであり、平板状に形成されている。この浸炭焼入部品(ロックアップダンパ)100は、ねじり変形することによりトルクの変動を吸収する機能を有しており、その結果、大きい硬さ(強度)が要求される。
浸炭焼入部品100には、図示しない他の部材が配置または挿入される複数の孔部100aが形成されている。また、浸炭焼入部品100は、約0.8mm以上約6mm以下の厚みt(図2参照)を有している。
浸炭焼入部品100は、板状の帯鋼101(図4参照)からプレス打ち抜き加工されたプレス加工部品102(図4参照)に対して、真空浸炭処理、高周波焼き入れ処理および焼き戻し処理が行われることによって形成されている。なお、浸炭焼入部品100の具体的な製造方法に関しては後述する。また、帯鋼101は、特許請求の範囲の「プレス用鋼板」の一例である。
帯鋼101は、C濃度が約0.05質量%以上約0.40質量%以下の鋼材(Fe基合金)から構成されている。なお、帯鋼101のC濃度は、約0.07質量%以上約0.20質量%以下であるのが好ましい。また、C(炭素)以外に、Si(ケイ素)、Mn(マンガン)、Cr(クロム)およびN(窒素)を帯鋼101に添加してもよい。この際、焼入れ性を向上させるためのSiおよびMnに関しては、添加量を減少させてもよい。たとえば、帯鋼101におけるSi濃度を約0.2質量%以下(より好ましくは、約0.1質量%以下)に小さくしてもよいし、Mn濃度を約1.2質量%以下(より好ましくは、約0.1質量%以下)に小さくしてもよい。
また、結晶粒の粗大化抑制のためのV(バナジウム)、Nb(ニオブ)およびAl(アルミニウム)は、プレス加工性の低下を抑制するため、帯鋼101には添加されていない。なお、不可避に含有される不可避不純物として、帯鋼101にV、NbおよびAlのいずれかが含有されていてもよい。
浸炭焼入部品100は、図2に示すように、浸炭焼入部品100の表面1(上面部1a、下面部1b、側面部1c、角部1dおよび1e)およびその近傍に形成された浸炭層11と、浸炭層11よりも内側に形成された焼入硬化層12とを含んでいる。なお、浸炭層11は、特許請求の範囲の「表層」の一例であり、上面部1a、下面部1bおよび側面部1cは、共に特許請求の範囲の「平面部」の一例である。
浸炭層11は、真空浸炭処理、高周波焼き入れ処理および焼き戻し処理において処理された領域である。なお、真空浸炭処理により、浸炭層11のC濃度は、帯鋼101のC濃度(焼入硬化層12のC濃度)よりも高くされている。さらに、高周波焼き入れ処理により、浸炭層11には、マルテンサイト組織が多く形成されている。この結果、図3に示すように、浸炭層11の硬さ(強度)は、真空浸炭処理および高周波焼き入れ処理により、帯鋼101の硬さおよび焼入硬化層12の硬さよりも大きくされている。なお、浸炭層11のビッカース硬さは、約700Hv以上であるのが好ましい。また、浸炭層11は、浸炭焼入部品100の表面1から約0.5mm以上約1.5mm以下の深さDまで形成されているのが好ましい。
また、浸炭層11のうち、低濃度部11aのC濃度は、約0.60質量%以下である。なお、低濃度部11aは、少なくとも平坦面状に延びるZ1側の上面部1a、Z2側の下面部1b、および、側面部1cに形成されている。一方、浸炭層11のうち、浸炭焼入部品100のZ1側の角部1d周辺における高濃度部11bのC濃度は、約0.70質量%以下である。同様に、浸炭層11のうち、浸炭焼入部品1のZ2側の角部1e周辺における高濃度部11cのC濃度は、約0.70質量%以下である。つまり、浸炭層11のうち、角部1dにおける高濃度部11bおよび角部1eにおける高濃度部11cのC濃度は、それ以外の低濃度部11aのC濃度よりも高くされている。
なお、角部1dは、浸炭焼入部品100の上面部1aと側面部1cとの境界の角部である。具体的には、角部1dは、図1に示す孔部100aの内側面(側面部1cに対応)と上面部1aとの境界の角部、および、外周面部100b(側面部1cに対応)と上面部1aとの境界の角部である。また、角部1eは、浸炭焼入部品100の下面部1bと側面部1cとの境界の角部である。具体的には、角部1eは、浸炭焼入部品100の孔部100aの内側面と下面部1bとの境界の角部、および、外周面部100bと下面部1bとの境界の角部である。
焼入硬化層12は、高周波焼き入れ処理および焼き戻し処理において処理された領域である。また、焼入硬化層12のC濃度は、帯鋼101のC濃度と略等しい。つまり、焼入硬化層12は、真空浸炭処理によりC(炭素)がほとんど浸透拡散していない層である。なお、高周波焼き入れ処理により、焼入硬化層12には、マルテンサイト組織およびパーライト組織などが形成されている。また、焼入硬化層12の硬さ(強度)は、高周波焼き入れ処理により、帯鋼101の硬さよりも大きくされている。なお、焼入硬化層12のビッカース硬さは、400Hv以上500Hv以下であるのが好ましい。
[浸炭焼入部品の製造方法]
次に、図1〜図6を参照して、本発明の一実施形態による浸炭焼入部品100の製造方法について説明する。
<準備およびプレス打抜加工>
図4に示すように、まず、所定の組成を有するとともに、約0.8mm以上約6mm以下の厚みの帯鋼101を準備する。そして、プレス打ち抜き器21を用いて、帯鋼101から浸炭焼入部品100の形状(図1参照)に打ち抜く。これにより、板状に形成された複数のプレス加工部品102が形成される。
<真空浸炭処理>
(加熱)
そして、複数のプレス加工部品102を1ロットとして、1ロット毎に真空浸炭処理を行う。つまり、真空浸炭処理ではバッチ処理を行う。この真空浸炭処理では、まず、真空浸炭炉22内に1ロット分(複数)のプレス加工部品102を配置する。そして、真空浸炭炉22内を酸素濃度が低い真空条件下(たとえば、約10hPa以下)にした状態で、プレス加工部品102の温度が浸炭温度になるように加熱する。この際、浸炭温度は、真空浸炭処理後の浸炭層11の高濃度部11bおよび11cにおいて最も高いC濃度(少なくとも約0.7質量%以下のC濃度)に対応するA3変態点(オーステナイト−フェライト変態点)以上の温度である。つまり、浸炭温度は、浸炭層11の全体がオーステナイト組織になるようなオーステナイト温度域の温度である。なお、浸炭温度は、浸炭が十分に進行する温度(浸炭温度の下限条件)で、かつ、結晶粒の粗大化がある程度抑制される温度(浸炭温度の上限条件)であるように、適切に設定される。
そして、プレス加工部品102を浸炭温度にした状態で、所定の浸炭時間維持することによって、1ロット分のプレス加工部品102に対して一度に真空浸炭処理を行う。
ここで、図6に示すように、プレス加工部品102のうち、上面部1a、下面部1bおよび側面部1cには、それぞれ、一方向側からしかC(炭素)が浸透しない。一方、角部1dには、上面部1a側と側面部1c側の両方からCが浸透するとともに、角部1eには、下面部1b側と側面部1c側の両方からCが浸透する。この結果、浸炭層11のうち、角部1dおよび1eの周辺には、それぞれ、低濃度部11aよりもC濃度が高い高濃度部11bおよび11cが形成される。
このため、本実施形態の真空浸炭処理では、上面部1a、下面部1bおよび側面部1cの低濃度部11aにおけるC濃度が、帯鋼101のC濃度よりも高く、かつ、約0.6質量%以下のC濃度になるように、真空浸炭処理を行う。これにより、角部1dの高濃度部11bおよび角部1eの高濃度部11cにおけるC濃度が、帯鋼101のC濃度および低濃度部11aのC濃度よりも高く、かつ、約0.70質量%以下にされる。
図5に示すヒートパターンの一例では、真空浸炭処理において、まず、約15分をかけて、1ロット分のプレス加工部品102を室温(約25℃)から約950℃(浸炭温度)まで昇温させる。そして、真空浸炭炉22において浸炭温度を維持した状態で、1ロットのプレス加工部品102に約30分間C(炭素)を浸透拡散させる。
(徐冷)
その後、真空条件下の真空浸炭炉22内において、加熱された1ロット分のプレス加工部品103を一度に徐冷する。この際、マルテンサイト組織が生成される際の最低の臨界冷却速度未満の冷却速度(マルテンサイト変態する冷却速度より遅い冷却速度)で、プレス加工部品103を徐冷する。これにより、プレス加工部品103の全体が、主にパーライト組織になる。なお、図5に示すヒートパターンの一例では、約60分をかけて、加熱されたプレス加工部品103を約950℃(浸炭温度)から室温(約25℃)まで冷却する。つまり、図5に示す一例における徐冷時の冷却速度は、約0.3℃/sであり十分に小さい。
ここで、真空浸炭処理では、プレス加工部品102を浸炭温度にした状態で所定の浸炭時間維持することによって、プレス加工部品102において結晶粒がある程度粗大化してしまう。一方、加熱されたプレス加工部品103を徐冷することによって、徐冷したプレス加工部品104の寸法は、真空浸炭処理前のプレス加工部品102の寸法とほとんど変わらないとともに、プレス加工部品104に残留応力はほとんど生じていない。
<高周波焼き入れ処理>
(高周波誘導加熱)
そして、真空浸炭処理後のプレス加工部品104に対して、高周波焼き入れ処理を行う。まず、高密度エネルギー加熱によりプレス加工部品104を再加熱する。具体的には、コイル23により発生させた所定の高周波(たとえば、約100kHzの周波数)をプレス加工部品104に集中的に加えることによって、プレス加工部品104を誘導加熱する。この際、プレス加工部品104の温度が上記したA3変態点以上のオーステナイト温度域の温度(再加熱温度)になるようにプレス加工部品104の全体を加熱する。
この結果、プレス加工部品104の全体が、主にオーステナイト組織となる。また、この再加熱により、プレス加工部品104において粗大化した結晶粒が微細化される。また、徐冷したプレス加工部品104に元々残留応力がほとんど生じていないので、プレス加工部品104において残留応力に起因する変形はほとんど生じない。
図5に示すヒートパターンの一例では、約30秒をかけて、プレス加工部品104を室温(約25℃)から約900℃(再加熱温度)まで昇温させる。この際、再加熱時の昇温速度は、約30℃/sであり、十分に大きい。これにより、浸炭層11のC(炭素)が内側の焼入硬化層12に拡散したり、プレス加工部品104の外部に逃げる(脱炭する)のを抑制することが可能である。このような高速の昇温は、高密度エネルギー加熱による集中的な加熱により可能となる。
(急冷(プレスクエンチ))
その後、再加熱したプレス加工部品105を、プレスクエンチ装置24を用いて荷重を加えた状態で急冷する。具体的には、プレスクエンチ装置24は、プレス加工部品105を上下から挟み込む上部金型24aおよび下部金型24bと、上部金型24aおよび下部金型24bの内部に形成され、冷却水が流通する冷却水路24cとを有している。このプレスクエンチ装置24では、上部金型24aの下面および下部金型24bの上面により板状のプレス加工部品105の平面部105aに荷重を加えた状態で、冷却水路24cを介して供給された冷却水がプレス加工部品105に直接的に接触する。これにより、荷重が加えられた状態でプレス加工部品105が急冷される。この際、急冷時の冷却速度は、マルテンサイト組織が生成される際の最低の冷却速度である臨界冷却速度(マルテンサイト変態する冷却速度)以上であり、十分に大きい。この結果、浸炭層11において、オーステナイト組織の一部がマルテンサイト組織に変態されることによって、浸炭層11における硬さ(強度)が大きくなる。なお、上部金型24aおよび下部金型24bは、共に特許請求の範囲の「プレス金型」の一例である。
図5に示すヒートパターンの一例では、プレス加工部品105が高周波により再加熱された後、プレスクエンチ装置24において、約10秒をかけて、プレス加工部品105を約900℃から約40℃まで水冷により急冷する。この際の冷却速度は、臨界冷却速度以上である。
ここで、プレス加工部品105が急冷されることによるマルテンサイト変態に起因して、主に浸炭層11において体積膨張が生じる。しかしながら、プレス加工部品105は、上部金型24aおよび下部金型24bに荷重が加えられた状態で挟み込まれているので、急冷後のプレス加工部品106の寸法は、高周波焼き入れ処理前のプレス加工部品104、および、真空浸炭処理前のプレス加工部品102の寸法とほとんど変わらない。また、ほとんど変形していない再加熱後のプレス加工部品105の寸法は、真空浸炭処理前のプレス加工部品102の寸法とほとんど変わらないので、プレス加工部品105の変形がプレスクエンチ装置24により適切に矯正される。
また、マルテンサイト変態に起因して、主に浸炭層11において残留応力が生じるものの、急冷後のプレス加工部品106の寸法にほとんど影響はない。
<焼き戻し処理>
最後に、急冷したプレス加工部品106を焼き戻す。まず、高密度エネルギー加熱によりプレス加工部品106を加熱する。具体的には、高周波焼き入れ処理と同様に、コイル25による高密度エネルギーをプレス加工部品106に集中的に加えることによって、プレス加工部品106を加熱する。この際、高周波焼き入れ処理とは異なり、プレス加工部品106の温度がオーステナイト温度域未満で、かつ、A1変態点(オーステナイト−パーライト変態点、約723℃)未満の焼戻温度になるようにプレス加工部品106を加熱するとともに、焼戻温度で所定の焼戻時間、プレス加工部品106を維持する。
これにより、プレス加工部品106において、脆いマルテンサイト組織が焼き戻されることによってある程度柔軟になる。ここで、焼戻温度は、約120℃以上約200℃以下の低温であるのが好ましい。つまり、一般的なプレステンパ処理(加重を加えた状態で焼き戻す処理)における焼戻温度(たとえば、350℃程度)よりも低温で焼き戻しを行うのが好ましい。これにより、焼き戻し時に残留応力が開放されること、および、表面硬さが低下することを抑制することができるので、焼き戻しに起因してプレス加工部品106が変形するのを抑制することが可能である。なお、図5に示すヒートパターンの一例では、約180℃の焼戻温度で、約90分間、プレス加工部品106を維持して焼き戻す。
ここで、上記した高周波焼き入れ処理および焼き戻し処理は、1個ずつ処理を行う1個流しで連続的に行われる。これにより、図1および図2に示す浸炭焼入部品100が形成される。
(本実施形態の効果)
本実施形態の製造方法では、以下のような効果を得ることができる。
本実施形態の製造方法では、上記のように、プレス加工部品102をオーステナイト温度域に加熱した状態で、プレス加工部品102に浸炭処理を行い、浸炭処理されたプレス加工部品103を徐冷し、高密度エネルギーにより、徐冷したプレス加工部品104をオーステナイト温度域に再加熱する。これにより、浸炭処理時における加熱によりプレス加工部品102の結晶粒が粗大化したとしても、徐冷したプレス加工部品104をオーステナイト温度域に再加熱することによって、プレス加工部品104の結晶粒を微細化することができる。この結果、帯鋼101に結晶粒の粗大化抑制のための合金元素を添加させなくても、浸炭焼入部品100の結晶粒の粗大化を抑制することができるので、浸炭焼入部品100の結晶粒粗大化に起因する脆化を抑制することができる。
また、本実施形態の製造方法では、上記のように、浸炭処理されたプレス加工部品103を徐冷することによって、徐冷したプレス加工部品104にマルテンサイト組織が生成されるのを抑制することができるので、徐冷したプレス加工部品104に残留応力が生じるのを抑制することができる。これにより、徐冷したプレス加工部品104をオーステナイト温度域に再加熱した際に、プレス加工部品105に残留応力の開放に起因する変形がほとんど生じない。さらに、再加熱したプレス加工部品105に対して、上部金型24aおよび下部金型24bにより荷重を加えた状態で急冷することによって、たとえプレス加工部品105に急冷するまでの工程において若干の変形が生じたとしても、プレス加工部品105の矯正を適切に行ってプレス加工部品105の平面度の低下などを抑制することができる。したがって、焼入れ処理により硬さの大きい浸炭焼入部品100を形成しつつ、浸炭焼入部品100における寸法精度の低下を抑制することができる。また、再加熱によってもプレス加工部品105の変形がほとんど生じないので、上部金型24aおよび下部金型24bにより荷重を加えたとしても、変形に起因してプレス加工部品105の一部に荷重が集中するのを抑制することができる。これにより、浸炭焼入部品100に割れが生じるのを抑制することができる。
また、本実施形態の製造方法では、上記のように、徐冷したプレス加工部品104を、高密度エネルギーによりオーステナイト温度域に再加熱する。これにより、徐冷したプレス加工部品104をオーステナイト温度域に迅速に再加熱することができるので、徐冷したプレス加工部品104をオーステナイト温度域に徐々に再加熱する場合と異なり、浸炭処理によりプレス加工部品104に浸透したC(炭素)が、プレス加工部品104の外部に放出されたり、プレス加工部品104のより内部に拡散するのを抑制することができる。この結果、浸炭焼入部品100において、Cが浸透された浸炭層11のC濃度が低下するのを抑制することができるので、C濃度の低下に起因する浸炭層11の硬さの低下を抑制して、浸炭焼入部品100の硬さの低下を抑制することができる。
また、本実施形態の製造方法では、上記のように、再加熱した板状のプレス加工部品105の平面部105aに対して、上部金型24aの下面および下部金型24bの上面により荷重を加えた状態で急冷する。これにより、板状のプレス加工部品105の形状を確実に矯正することができ、板状のプレス加工部品105の平面度を向上させることができる。
また、本実施形態の製造方法では、上記のように、真空条件下でプレス加工部品102に浸炭処理を行い、真空条件下で浸炭処理されたプレス加工部品103を徐冷する。これにより、浸炭処理による炭素が酸素と反応して脱炭するのを抑制することができるとともに、プレス加工部品102(103)に酸化物が生じるのを抑制することができる。
また、本実施形態の製造方法では、上記のように、帯鋼101にV、NbおよびAlを添加しない。これにより、帯鋼101のプレス加工性が低下するのを抑制することができるので、プレス打ち抜き時に帯鋼101からプレス加工部品102を正確かつ容易に打抜くことができる。この結果、プレス加工部品102に寸法ばらつきが生じるのを抑制することができる。
また、本実施形態の製造方法では、上記のように、プレス加工部品103の上面部1a、下面部1b、側面部1c、角部1dおよび1eにおける浸炭層11のC(炭素)濃度が、帯鋼101のC濃度より高く、かつ、約0.70質量%以下になるように、プレス加工部品102に浸炭処理を行う。これにより、浸炭層11の全体において、C濃度が鋼材の共析点におけるC濃度(約0.77質量%)より高い濃度になるのを確実に抑制することができる。この結果、徐冷時などにセメンタイト(Fe3C)が結晶粒界に生成されるのを確実に抑制することができるので、浸炭焼入部品100が脆化するのを抑制することができる。
また、本実施形態の製造方法では、上記のように、プレス加工部品103の上面部1a、下面部1bおよび側面部1cにおける浸炭層11のC濃度が、帯鋼101のC濃度より高く、かつ、約0.60質量%以下になるように、プレス加工部品102に浸炭処理を行う。これにより、C(炭素)が浸透しやすい角部1dおよび1eにおいて、C濃度が約0.7質量%を超えて大きくなるのを確実に抑制することができる。
また、本実施形態の製造方法では、上記のように、高密度エネルギーとしての高周波により、徐冷したプレス加工部品104をオーステナイト温度域に誘導加熱する。これにより、プレス加工部品104をオーステナイト温度域に迅速に昇温させることができる。
また、本実施形態の製造方法では、上記のように、帯鋼101のC濃度を約0.05質量%以上にすることによって、帯鋼101の硬さを確保することができる。また、帯鋼101のC濃度を約0.40質量%以下にすることによって、帯鋼101の硬さが必要以上に大きくなるのを抑制することができるので、帯鋼101のプレス加工性が低下するのを抑制することができる。
また、本実施形態の製造方法では、上記のように、プレス加工部品102を、約6mm以下の厚みを有する帯鋼101から所定の形状にプレス加工する。これにより、約6mmより大きな厚みを有する帯鋼をプレス加工する場合と比べて、プレス加工が困難になるのを抑制することができるとともに、プレス加工部品102の寸法精度が低下するのを抑制することができる。
また、本実施形態の製造方法では、上記のように、再加熱したプレス加工部品105に対して、上部金型24aおよび下部金型24bにより荷重を加えた状態で水冷により急冷する。これにより、油冷と比べて、確実に冷却速度を大きくしてプレス加工部品105を急冷することができるので、浸炭層11にマルテンサイト組織を確実に形成することができる。この結果、浸炭層11における硬さ(強度)を確実に大きくすることができる。
また、本実施形態の製造方法では、上記のように、プレス加工部品104の再加熱温度が、プレス加工部品102に浸炭処理された際の浸炭温度以下の温度になるように、徐冷したプレス加工部品104を、高密度エネルギーによりオーステナイト温度域に再加熱する。これにより、徐冷したプレス加工部品104をオーステナイト温度域に再加熱する際に、浸炭処理において粗大化した結晶粒をより微細化することができる。
また、本実施形態の製造方法では、上記のように、真空浸炭炉22内において、真空浸炭により複数(1ロット分)のプレス加工部品102毎に浸炭処理を行い、真空浸炭炉22内において、浸炭処理された複数のプレス加工部品103毎に徐冷する。このように、複数のプレス加工部品102(103)ずつまとめて浸炭および徐冷を行うことによりタクトタイムが増加するのを抑制しつつ、1個流しの場合と比べて真空浸炭炉22の構造を簡素化することができる。
また、本実施形態の製造方法では、上記のように、急冷したプレス加工部品106を、オーステナイト温度域未満で、かつ、A1変態点未満に加熱することによって焼き戻す。これにより、再加熱および急冷(焼入れ)により生成された脆いマルテンサイト組織をある程度柔軟にすることができるので、浸炭焼入部品100の脆化を抑制して靱性を向上させることができる。
[変形例]
なお、今回開示された実施形態は、すべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は、上記した実施形態の説明ではなく特許請求の範囲によって示され、さらに特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更(変形例)が含まれる。
たとえば、上記実施形態では、特許請求の範囲の「浸炭焼入部品」の一例として、ロックアップダンパを示したが、本発明はこれに限られない。本発明では、特許請求の範囲の「浸炭焼入部品」は、プレス用鋼板から、プレス加工、浸炭処理および焼入処理を経て形成される部品であれば、ロックアップダンパに限られない。
また、上記実施形態では、プレス加工部品104に対して、高密度エネルギー加熱として高周波加熱を行った例を示したが、本発明はこれに限られない。たとえば、高密度エネルギー加熱として、高周波加熱の代わりに、レーザ照射または電子ビーム照射を行うことにより、プレス加工部品を加熱してもよい。
また、上記実施形態では、高周波焼き入れ処理において、プレス加工部品104の全体を加熱した例を示したが、本発明はこれに限られない。本発明では、少なくとも浸炭層(表層)において、高周波焼き入れ処理が行われていればよい。この際、高密度エネルギー加熱を行うことにより、加熱炉を用いる場合と異なり、浸炭層のみを集中的に加熱してオーステナイト温度域に昇温させることが可能である。
また、上記実施形態では、図5に一例としてのヒートパターンを示したが、本発明はこれに限られない。本発明では、浸炭処理におけるプレス加工部品の加熱および維持、加熱後のプレス加工部品の徐冷、徐冷後のプレス加工部品の高密度エネルギーによる再加熱、および、再加熱後の急冷がこの順で行われるのであれば、図5に示したヒートパターンに限られない。たとえば、浸炭温度および再加熱温度は、オーステナイト温度域であればよい。また、焼戻温度は、オーステナイト温度域未満、かつ、A1変態点未満であればよい。
さらに、浸炭処理におけるプレス加工部品の加熱時間、浸炭時間および徐冷時間と、高周波焼き入れ処理におけるプレス加工部品の再加熱時間および急冷時間とを、図5に示したヒートパターンと比べて、長くしてもよいし、短くしてもよい。なお、高周波焼き入れ処理におけるプレス加工部品の冷却速度は、少なくとも臨界冷却速度以上の冷却速度に設定する必要がある。また、焼戻時間を、図5に示したヒートパターンと比べて、長くしてもよいし、短くしてもよい。
また、上記実施形態では、高周波焼き入れ処理において、上部金型24aおよび下部金型24bの内部に形成された冷却水路24cを介して供給された冷却水がプレス加工部品105に直接的に接触することによって、プレス加工部品105を急冷する例を示したが、本発明はこれに限られない。本発明では、冷却水をプレス加工部品に直接的に接触させなくてもよい。この場合、冷却水路を流通する冷却水によりプレス金型を冷却することができるので、間接的にプレス加工部品を急冷することが可能である。
また、上記実施形態では、高周波焼き入れ処理において、プレス加工部品105を水冷により急冷した例を示したが、本発明はこれに限られない。本発明では、高周波焼き入れ処理において、プレス加工部品の冷却速度が臨界冷却速度以上であれば油冷により急冷してもよい。なお、油冷の場合には、プレス加工部品の冷却速度が水冷よりも小さくなるとともに、プレス加工部品を洗浄する洗浄工程が急冷後に必要となるため、油冷よりも水冷によりプレス加工部品を急冷する方が好ましい。
また、上記実施形態の焼き戻し処理後の浸炭焼入部品に対して、ショットピーニング処理などの表面処理を行ってもよい。これにより、浸炭焼入部品の硬さ(強度)をさらに大きくすることが可能である。
また、上記実施形態では、複数(1ロット)のプレス加工部品102(103)毎に浸炭処理を行う(バッチ処理を行う)例を示したが、本発明はこれに限られない。本発明では、浸炭処理においても他の処理(高周波焼き入れ処理および焼き戻し処理)と同様に、1個ずつ処理を行う1個流しによりプレス加工部品に浸炭処理を行ってもよい。
1a 上面部(平面部)
1b 下面部(平面部)
1c 側面部(平面部)
1d、1e 角部
11 浸炭層(表層)
12 焼入硬化層
24a 上部金型(プレス金型)
24b 下部金型(プレス金型)
100 浸炭焼入部品
101 帯鋼(プレス用鋼板)
102 プレス加工部品
103 (浸炭処理された)プレス加工部品
104 (徐冷した)プレス加工部品
105 (再加熱した)プレス加工部品
105a 平面部
106 (急冷した)プレス加工部品

Claims (9)

  1. プレス用鋼板から所定の形状にプレス加工されたプレス加工部品をオーステナイト温度域に加熱した状態で、前記プレス加工部品に浸炭処理を行い、
    浸炭処理された前記プレス加工部品をマルテンサイト変態する冷却速度より遅い冷却速度で徐冷し、
    徐冷した前記プレス加工部品を、高密度エネルギーによりオーステナイト温度域に再加熱し、再加熱した前記プレス加工部品に対して、プレス金型により荷重を加えた状態でマルテンサイト変態する冷却速度以上の冷却速度にて急冷することによって浸炭焼入部品を形成する、浸炭焼入部品の製造方法。
  2. 前記プレス加工部品は、板状に形成されており、
    再加熱した板状の前記プレス加工部品の平面部に対して、前記プレス金型により荷重を加えた状態で急冷する、請求項1に記載の浸炭焼入部品の製造方法。
  3. 真空条件下で前記プレス加工部品に浸炭処理を行い、
    真空条件下で浸炭処理された前記プレス加工部品を徐冷する、請求項1または2に記載の浸炭焼入部品の製造方法。
  4. 前記プレス用鋼板は、V、NbおよびAlが添加されていない鋼板である、請求項1〜3のいずれか1項に記載の浸炭焼入部品の製造方法。
  5. 前記プレス加工部品の平面部および角部における表層のC(炭素)濃度が、前記プレス用鋼板のC濃度より高く、かつ、0.70質量%以下になるように、前記プレス加工部品に浸炭処理を行う、請求項1〜4のいずれか1項に記載の浸炭焼入部品の製造方法。
  6. 前記プレス加工部品の前記平面部における表層のC濃度が、前記プレス用鋼板のC濃度より高く、かつ、0.60質量%以下になるように、前記プレス加工部品に浸炭処理を行う、請求項5に記載の浸炭焼入部品の製造方法。
  7. 前記高密度エネルギーとしての高周波により、徐冷した前記プレス加工部品をオーステナイト温度域に誘導加熱する、請求項1〜6のいずれか1項に記載の浸炭焼入部品の製造方法。
  8. 前記プレス用鋼板のC濃度は、0.05質量%以上0.40質量%以下である、請求項1〜7のいずれか1項に記載の浸炭焼入部品の製造方法。
  9. 前記プレス加工部品は、6mm以下の厚みを有する前記プレス用鋼板から所定の形状にプレス加工されている、請求項1〜8のいずれか1項に記載の浸炭焼入部品の製造方法。
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