JP2932173B2 - シクロオレフィンの製造方法 - Google Patents

シクロオレフィンの製造方法

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Description

【発明の詳細な説明】 【0001】 【発明の属する技術分野】本発明は、単環芳香族炭化水
素を部分還元し、対応するシクロオレフィン類、特にシ
クロヘキセン類を製造する方法に関するものである。さ
らに詳しくは、該製造方法において、シクロオレフィン
類を従来にない高生産性および安定的に得る方法を提供
するものである。シクロヘキセン類は有機化学工業製品
の中間原料としてその価値が高く、特にポリアミド原
料、リジン原料として有用な化合物である。 【0002】 【従来の技術】シクロヘキセンの製造方法としては、例
えば、(1)水およびアルカリ剤と周期表第VIII族
元素を含有する触媒組成物を用いる方法(特公昭56−
22850号公報)、(2)ニッケル、コバルト、クロ
ム、チタンまたはジルコニウムの酸化物に担持したルテ
ニウム触媒を用い、アルコールまたはエステルを添加剤
として用いる方法(特公昭52−3933号公報)、
(3)ルテニウム触媒ならびに周期表のIA族金属、I
IA族金属およびマンガンより選ばれた少なくとも一種
の陽イオンの塩を含む中性または酸性水溶液の存在下に
反応を行う方法(特公昭57−7607号公報)、
(4)ルテニウムおよびロジウムの少なくとも一種を主
成分とする予め還元された固体触媒を、周期表IA族金
属、IIA族金属、マンガン、鉄および亜鉛よりなる群
から選ばれた少なくとも一種の陽イオンの塩を含む水溶
液で予め処理したものを用い、水の存在下に反応を行う
方法(特公昭56−3852号公報)、(5)鉄、コバ
ルト、銀および銅からなる群より選ばれた少なくとも一
種以上の金属およびルテニウムを硫酸バリウム担体に担
持した触媒を用いて、リチウム、コバルト、鉄および亜
鉛からなる群より選ばれた少なくとも一種の硫酸塩と水
の存在下に反応を行う方法(特開昭61−122232
号公報)、(6)水素化触媒として200Å以下の平均
結晶子径を有する金属ルテニウム結晶子および/ または
その凝集した粒子を用い、水および少なくとも一種の亜
鉛化合物の存在下に反応を行う方法(特開昭61−50
930公報)、(7)水素化触媒として予め亜鉛を含有
させたルテニウムの還元物であって、亜鉛含有量がルテ
ニウムに対して0.1〜50重量%である触媒を使用
し、少なくとも一種の水溶性亜鉛化合物および水の共存
下、酸性条件下で反応を行う方法(特開昭62−455
44号公報)などが提案されている。 【0003】 【発明が解決しようとする課題】しかしながら、これら
の従来公知の方法において、例えば、上記(1)の方法
では、反応系が複雑であったり、シクロヘキセン類の選
択率向上のために原料の転化率や反応速度を著しく抑制
したり、さらには反応装置の耐食性に著しい問題が予想
されるなど実用的ではなく、(6)、(7)の方法にお
いては、選択率、収率については相当な改善がなされて
いるが、主に金属ルテニウムからなる該微粒子状触媒ど
うしの凝集が発生して、経時的に安定な製造法とはなり
難いことが予想され、かつ、凝集による反応活性点の減
少による、高価な貴金属であるルテニウム単位重量当た
りの生産性が低くなるなど必ずしも経済的ではない。こ
の経時的な触媒の活性低下は、金属ルテニウム系だけに
見られるものではなく、例えば、(5)の担持触媒系に
おいても見られるものである。 【0004】 【課題を解決するための手段】本発明者らは、かかる公
知技術の活性低下の問題点を克服し、活性の経時的安定
性の高い触媒系を鋭意検討した結果、本発明に到達した
ものである。すなわち、本発明は、単環芳香族炭化水素
を水および少なくとも一種の亜鉛化合物の共存下、中性
もしくは酸性の条件下に水素により部分還元するに際
し、触媒として無定形または30Å未満の平均結晶子径
を有する金属ルテニウムを主成分とする粒子を、金属酸
化物もしくは金属酸化物の水和物から選ばれる担体に担
持した触媒を用いることを特徴とするシクロオレフィン
の製造方法である。 【0005】以下、本発明の具体的な実施態様を説明す
る。本発明における単環芳香族炭化水素とは、ベンゼ
ン、トルエン、キシレン類および炭素数が4以下の低級
アルキルベンゼン類を言う。原料自身の純度は特に高純
度である必要はなく、シクロパラフィン、低級パラフィ
ン系炭化水素などを含有していてもかまわない。本発明
において使用される触媒は、無定形または30Å未満の
平均結晶子径を有する金属ルテニウムを主成分とする粒
子を、金属酸化物もしくは金属酸化物の水和物から選ば
れる担体に担持したものである。 【0006】一般に、金属を担体に担持した触媒におい
ては、担持したことによる金属の分散効果、およびこれ
に伴う反応活性点の増大による触媒金属量当たりの反応
量の増大、さらには反応条件下における経時的安定性の
増大など、いわゆる”物理的”効果を期待でき、この点
においては、本発明における触媒においても同様であっ
て、本発明の重要な部分のひとつである。しかしなが
ら、一般的には無定形または極めて微粒子の金属は安定
性が低く、凝集や結晶化しやすいことが知られており、
本発明の触媒の活性の経時的安定性が高いことは驚くべ
きことであり、また、本反応系の活性低下の原因が金属
の凝集以外にもあることを示唆していると考えられる。 【0007】本発明における平均結晶子径は、一般的な
方法、すなわち、X線回折法により得られる回折線巾の
拡がりからScherrerの式により算出されるものであっ
て、具体的には CuKα線をX線源として用いた場合は、
回折角(2θ)で44度付近に極大を持つ、金属ルテニ
ウム結晶子に由来する回折線の拡がりから算出される。
一般的にX線回折法によって回折ピークが観測される結
晶子径の下限は、20〜30Åと言われており、本発明
の無定形とは、結晶子径が極めて小さい微粒子なのか、
結晶性が低いアモルファス状態なのかは分からないが、
いずれにしても、ここで言う無定形とは、X線回折法に
よってルテニウム金属の回折ピークが観測されない状態
を言う。 【0008】本発明における触媒の調製法としては、例
えば、ルテニウム化合物をこれを溶解する溶媒に溶解し
て均一溶液となし、これに所望の担体を分散せしめた
後、ルテニウム化合物が該溶媒に溶解し得ない化合物に
変化する試薬を導入して、不溶性ルテニウム化合物を沈
着せしめ、これを還元する方法があげられる。ルテニウ
ム化合物としては、例えば、ルテニウムのハロゲン化
物、硝酸塩、あるいは各種錯体などを用いればよく、溶
媒としては水、アルコール、エーテル類などがあげられ
る。 【0009】触媒の還元としては、水素により気相もし
くは液相で還元する方法、液相でホルマリンなどの還元
試薬で還元する方法などがあげられる。特に、本発明の
無定形または30Å未満の金属ルテニウムを担持する方
法としては、気相で水素により還元する方法が好まし
く、例えば、塩化ルテニウム溶液を用いた浸漬法や蒸発
乾固法などで得られたものを、気相で水素により還元す
る方法においては、ルテニウムの他に少なからず吸着す
る塩素の影響で、還元時における結晶子の成長が阻害さ
れて、上記無定形または30Å未満の金属ルテニウムが
生成することがある。 【0010】また、このような触媒調製段階もしくは調
製後に、他の金属、例えば、亜鉛、クロム、マンガン、
コバルト、ニッケル、鉄、銅などを一部加えてもよい。
担体としては金属酸化物もしくは金属酸化物の水和物が
好適に用いられる。具体的には、例えば、ジルコニウ
ム、ハフニウム、チタン、ニオブ、タンタル、クロム、
鉄、コバルト、アルミニウム、ガリウム、およびケイ素
の酸化物もしくは酸化物の水和物である。無論、これら
の複合酸化物も使用可能であり、特に、ZrO2およびHfO2
は好ましい担体である。その他の担体としては、反応系
において実質的に不溶かつ安定な金属塩や活性炭、テフ
ロンなどの樹脂も使用可能である。金属ルテニウムの担
持量は、担体に対して0.1〜20重量%であって、好
ましくは2〜10重量%である。 【0011】本発明においては、助触媒として少なくと
も一種の亜鉛化合物が反応系に存在することが必要であ
る。亜鉛化合物としては、水溶性、難水溶性を問わず、
多くのものが使用可能である。水溶性亜鉛化合物として
は、硫酸亜鉛、塩化亜鉛、硝酸亜鉛などに代表される強
酸塩、酢酸亜鉛などに代表される弱酸塩、および種々の
アンモニウム錯体などが使用できるが、特に強酸塩水溶
液が好ましい。水溶性亜鉛化合物の共存は、シクロオレ
フィン類の選択率を向上させる効果があり、強酸塩の場
合、この効果がより顕著であり、特に硫酸亜鉛は最も好
ましいものと言える。かかる亜鉛の強酸塩は、反応系中
で必ずしも溶解している必要はないが、水溶液濃度とし
て、通常は1×10-3重量%から飽和溶解度までの濃度
領域で使用する。硫酸亜鉛水溶液を用いる場合は、0.
1〜30重量%の濃度領域で使用するとさらに好まし
い。また、難水溶性亜鉛化合物である塩基性亜鉛塩を共
存させてもよい。ここで、塩基性亜鉛塩とは、各種の酸
の共役塩基残基と、これとは別の陰性成分とみなされる
水酸基または酸素原子を併含する亜鉛の塩を指す。 【0012】具体的には、ZnSO4 ・1/2ZnO、ZnSO4 ・Zn
O ・H2O(ZnSO4 ・Zn(OH)2 またはZn2(OH)2SO4)、ZnSO4
・3ZnO、3H2O( ZnSO4 ・3Zn(OH)2 )、ZnSO4 ・3ZnO・6H
2O、ZnSO4 ・3ZnO・7H2O、ZnSO4 ・3ZnO・8H2O、ZnSO4
・4ZnO・4H2O( ZnSO4 ・4Zn(OH)2 )などに代表される塩
基性硫酸亜鉛、ZnO ・3ZnCl2・H2O 、ZnO ・ZnCl2 ・H2
O および1.5H2O、3ZnO・2ZnCl2・11H2O 、2ZnO・ZnCl2
・4H2O、5ZnO・2ZnCl2・26H2O 、5ZnO・5ZnCl2・8H2O、
3ZnO・ZnCl2 ・2H2O,4H2O,3H2O,5H2O,8H2O、4ZnO・ZnCl
2 ・4H2O,6H2O,11H2O 、9ZnO・2ZnCl2・12H2O 、5ZnO・
ZnCl2 ・6H2O,8H2O,29H2O 、11ZnO ・2ZnCl2、6ZnO・Zn
Cl2 ・6H2O,10H2O、8ZnO・ZnCl2 ・10H2O 、9ZnO・ZnCl
2 ・3H2O,14H2O、ZnBr2 ・4ZnO・nH20( n は10,13,29
)、ZnBr2・5ZnO・6H2O、ZnBr2 ・6ZnO・35H2O 、ZnI2
・4Zn(OH)2、ZnI2・5ZnO・11H2O 、ZnI2・9ZnO・24H2O
などに代表される塩基性ハロゲン化亜鉛、8ZnO・N2O5
4H2O、4ZnO・N2O5・4H2O、5ZnO・N205・5H2Oおよび6H
2O、5ZnO・N2O5・5H2Oなどで代表される塩基性硝酸亜
鉛、さらには、塩基性酢酸亜鉛などがあり、塩基性硫酸
亜鉛、塩基性塩化亜鉛は好ましく使用され、塩基性硫酸
亜鉛は特に好ましい。 【0013】かかる塩基性亜鉛塩を使用する場合は、水
素化触媒に対し亜鉛として1×10-4〜1重量倍、好ま
しくは1×10-3〜0.5重量倍共存させて反応を行
う。特に硫酸亜鉛と塩基性硫酸亜鉛を共用すると、反応
の選択率、収率を高める上で有利である。本発明におい
ては、水の存在が必須である。水の量としては、反応形
式によって異なるが、一般的に用いる単環芳香族炭化水
素に対して0.01〜100重量倍共存させることがで
きるが、反応条件において、原料および生成物を主成分
とする有機液相と、水を含む液相とが2相を形成するこ
とが好ましく、反応条件下において均一相となるような
極く微量の水の共存、もしくは極く多量の水の共存は効
果を減少させ、また、水が多すぎると反応器を大きくす
る必要も生じるので、実用的には0.5〜20倍共存さ
せることが望ましい。 【0014】また、水を使用するにあたって、公知の方
法のように種々の金属塩水溶液、例えば、周期表IA族
金属もしくはIIA族金属の強酸塩水溶液などを併用し
てもよい。本発明においては、存在する水相は中性もし
くは酸性条件下に保ち、反応を行う。水相がアルカリ性
になると、特に反応速度が著しく低下するので好ましく
ない。好ましくは水相のpHは0.5ないし7未満、さ
らに好ましくは2〜6.5である。 【0015】本発明方法における部分還元反応は、通
常、液相懸濁法で連続的または回分的に行われるが、固
定相式でも行うことができる。反応条件は、使用する触
媒や添加物の種類や量によって適宜選択されるが、通
常、水素圧は1〜200kg/cm2G、好ましくは10〜1
00kg/cm2G の範囲であり、反応温度は室温〜250
℃、好ましくは100〜200℃の範囲である。また、
反応時間は目的とするシクロヘキセン類の選択率や収率
の実質的な目標値を定め、適宜選択すればよく、特に制
限はないが、通常、数秒ないし数時間である。 【0016】 【実施例】以下、実施例をあげて本発明を説明する。な
お、本発明は、その要旨を越えない限り、これらの実施
例に限定されるものではない。 【実施例1】RuCl3 ・3H2O0.52gを300mlの水に
溶解して、塩化ルテニウムの均一溶液とした。これに酸
化ハフニウム粉末10gを入れ、分散液とし、これをロ
ータリーエバポレーターに仕込み、減圧下に60℃に保
ちながら水を蒸発乾固した。次に、この触媒を水素気流
中、160℃で3時間還元し、2%Ru/HfO2 触媒を得
た。得られた触媒をX線回折で観測したところ、金属ル
テニウムの平均結晶子径は30Åよりずっと小さく、ほ
とんど算出不能であった。 【0017】次に、この触媒を使用して以下の条件でベ
ンゼンの部分還元反応を行った。触媒2.0g、ZnSO4
・7H2O50g、水280mlを、内面にテフロンコーティ
ングを施した内容積1リットルのオートクレーブに仕込
み、オートクレーブ内を窒素、ついで水素により置換し
た後、攪拌下に温度を145℃とし、ついでベンゼン1
40mlを水素と共に圧入し、全圧50kg/cm2G とし、反
応温度を145℃に保ちながら強力攪拌下にベンゼンの
部分還元反応を行い、経時的に内容物の一部を抜き出
し、油相をガスクロマトグラフィーにより分析した。そ
の結果、ベンゼン転化率、シクロヘキセン選択率、シク
ロヘキセン収率は、反応時間30分で順に40.5%、
38.2%、15.5%、60分で70.4%、21.
2%、14.9%であった。 【0018】 【実施例2】RuCl3 ・3H2O0.52gを300mlの水に
溶解し、これにAl2O3 粉末10gを入れて、攪拌下に1
時間保持したところ、殆どのルテニウムが吸着された。
これを水洗した後、実施例1と同様の操作でルテニウム
を還元し、2%Ru/Al2O3の担持触媒を得た。X線回折に
よる観測では、金属ルテニウムの平均結晶子径は算出不
能なほど小さかった。次に、この触媒1.5gを用いた
他は、実施例1と同様にベンゼンの部分還元反応を行っ
たところ、ベンゼン転化率、シクロヘキセン選択率、シ
クロヘキセン収率は、反応時間30分で順に37.0
%、26.8%、9.9%、60分では71.6%、1
7.3%、12.4%であった。 【0019】 【実施例3】ベンゼンを仕込まないこと以外は実施例1
と同じ仕込み組成、条件で触媒スラリーの水素下での煮
込み処理を200時間行った。その後、圧力を一時、3
0kg/cm2G まで落圧して、ベンゼン140mlを水素と共
に圧入し、再び全圧を50kg/cm2G とし、反応温度14
5℃に保ちながらベンゼンの部分還元反応を行った。そ
の結果、ベンゼン転化率、シクロヘキセン選択率、シク
ロヘキセン収率は、反応時間30分で順に40%、38
%、15.2%、60分で70%、21.5%、15.
1%であった。このことから、本発明の触媒は、反応条
件と同じ水素中での煮込み処理に対して極めて安定であ
ることが分かる。また、反応後の触媒を取り出し、X線
回折によってルテニウム結晶子径を測定したが、その値
は依然として30Åより極めて小さく無定形に近かっ
た。この結果より、本発明の触媒は、反応条件下でのル
テニウムの凝集が殆ど起こらないことが分かる。 【0020】 【比較例1】RuCl3 ・3H2O1.3gを300mlの水に溶
解し、塩化ルテニウムの均一溶液とした。これに酸化ハ
フニウム粉末10gを入れ、強力攪拌下に分散させ、つ
いで1NのNaOH水溶液30mlを加え、そのまま2時間攪
拌を続け、主にRu(OH)3 からなる不溶性ルテニウム化合
物を酸化ハフニウムに沈着させた。これを水で数回洗浄
した後、500mlの水中に再度分散させて、内面にテ
フロンコーティングを施した1リットルのオートクレー
ブに仕込み、160℃、水素で60kg/cm2G として24
時間還元を行い、5%Ru/HfO2 の担持触媒を得た。この
触媒の金属ルテニウムの平均結晶子径は約58Åであっ
た。 【0021】この触媒1.5gを用いて実施例1と全く
同じ条件で、ベンゼンの部分還元反応を行った。その結
果、ベンゼン転化率、シクロヘキセン選択率、シクロヘ
キセン収率は、反応時間30分で順に37.1%、7
9.6%、29.5%、60分では63.3%、70.
0%、44.3%であった。この触媒1.5gを用いて
実施例3と全く同じ条件で、水素下での煮込み処理と反
応評価を行った。その結果、ベンゼン転化率、シクロヘ
キセン選択率、シクロヘキセン収率は、反応時間30分
で順に30%、80%、24%、60分では51%、7
4%、37.7%であった。また、反応後の触媒の金属
ルテニウムの平均結晶子径は80Åであり、凝集が進行
していることが分かった。 【0022】 【発明の効果】本発明によれば、ベンゼンの部分還元に
よってシクロヘキセンを製造する際に触媒活性が極めて
安定しているため、工業的に実施する上で極めて安定な
運転が可能となる。
フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) C07C 13/20 B01J 23/46 301 C07C 5/11 C07B 61/00 300 CA(STN) CAOLD(STN) REGISTRY(STN)

Claims (1)

  1. (57)【特許請求の範囲】 1.単環芳香族炭化水素を水および少なくとも一種の亜
    鉛化合物の共存下、中性もしくは酸性の条件下に水素に
    より部分還元するに際し、触媒として無定形または30
    Å未満の平均結晶子径を有する金属ルテニウムを主成分
    とする粒子を、金属酸化物もしくは金属酸化物の水和物
    から選ばれる担体に担持した触媒を用いることを特徴と
    するシクロオレフィンの製造方法。 2.担体がZrO2もしくはHfO2である請求項1に記載の方
    法。 3.金属ルテニウムの担持量が担体に対して2〜10重
    量%である請求項1に記載の方法。
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