JP2004043319A - 脂環式アミン化合物の製造方法 - Google Patents

脂環式アミン化合物の製造方法 Download PDF

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Abstract

【解決手段】触媒として10nm以下の平均結晶子径を有する金属ルテニウムを主成分とする粒子を、周期律表の第4族から選ばれた少なくとも1種の金属の酸化物又は水酸化物からなる担体に担持したルテニウム担持触媒の存在下で、脂環式アルコールをアミノ化することを特徴とする脂環式アミン化合物の製造方法。
【効果】本発明によれば、脂環式アミン化合物、特にシクロヘキシルアミンを高選択率、高活性かつ安定的に製造することができる。
【選択図】図1

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、脂環式アルコールをアミノ化して、対応する脂環式アミン化合物、特に、シクロヘキシルアミン類を高選択率、高活性で、安定的に製造する方法に関するものである。
得られるシクロヘキシルアミン類は、ゴム薬品、医薬品、人工甘味剤、防食剤、界面活性剤、農薬等の中間原料として有用な化合物である。
【0002】
【従来の技術】
シクロヘキシルアミン類の製造方法としては、例えば、(1)アンモニア及び水素の存在下で、酸化銅―酸化亜鉛を触媒として気相で反応を行わせる方法(「工業化学雑誌」、70(9),1508,1967、日本化学会)、(2)アンモニア及び水素の存在下に、ガス状で、ケイソウ土担体還元ニッケル成形触媒を用いて常圧で反応を行う方法(特公昭51―41627号公報)、(3)アンモニア及び水素の存在下で、高温、高圧の条件のもと、液相でコバルトを主成分とする触媒を用いる方法(特公昭51−32601号公報)、(4)水素で前処理されたルテニウム系触媒の存在下でアミノ化を行う方法(特開平5−148191号公報)等が挙げられる。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、これらの公知の方法においては、例えば、(1)及び(2)の方法では、ジシクロヘキシルアミンの副生が多く、目的化合物であるシクロヘキシルアミンの選択率は70%程度と低い。また、触媒の劣化が早いという問題点がある。(3)の方法においても、シクロヘキシルアミンの収率及び選択率が満足のいくものでなく、触媒寿命が短いという欠点がある。(4)の方法においては、水素で前処理されたアルミナ担持ルテニウム触媒を用いることにより、比較的シクロヘキシルアミンの選択率が高く、触媒寿命が改善された方法ではあるものの、触媒の活性化処理が煩雑である。また、選択率は、2〜20回の繰り返し反応において95%±1%を示しているが、必ずしも充分な選択率とはいえない。
本発明は、かかる従来技術の問題点を解決し、高選択率、高活性、かつ、工業的に安定な触媒を用いて脂環式アルコールから脂環式アミン化合物を製造する方法を提供することを目的とする。
【0004】
【課題を解決するための手段】
すなわち、本発明は、触媒として10nm以下の平均結晶子径を有する金属ルテニウムを主成分とする粒子を、周期律表の第4族から選ばれた少なくとも1種の金属の酸化物又は水酸化物からなる担体に担持したルテニウム担持触媒の存在下で、脂環式アルコールをアミノ化することを特徴とする脂環式アミン化合物の製造方法である。
【0005】
本発明の方法によると、脂環式アミン化合物を高選択率、かつ、高活性で得ることが可能であり、触媒の活性化処理等の煩雑な操作を行わずに、高い触媒活性を長期間安定に保つことができ、さらにはシクロヘキシルアミンの選択率を99%以上に保つことができる。
本発明の触媒を用いることによって、反応に有効な活性種の形成が可能となるだけでなく、アミノ化触媒の様々な変質、例えば、経時的な凝集の進行、平均結晶子径の変化、担体の化学的変化等による反応成績の変化を著しく抑制することができる。
【0006】
以下、本発明を詳細に説明する。
本発明において使用される触媒は、10nm以下の平均結晶子径を有する金属ルテニウムを主成分とする粒子を、周期律表の第4族から選ばれた少なくとも1種の金属の酸化物又は水酸化物からなる担体に担持したルテニウム担持触媒である。
担体として用いる、周期律表の第4族に属する金属としては、チタニウム、ジルコニウム、ハフニウム等が挙げられ、これらの金属の酸化物又は水酸化物が用いられる。これらの複合物も使用できる。特に、担体として、ジルコニウムまたはハフニウムの、酸化物又は水酸化物が脂環式アミン化合物の選択性及び収率において好ましい結果を与える。これら担体の形態は限定されず、反応の形式に対する取り扱い性等の点から形状を適宜選択することができる。例えば、液相懸濁法の場合は、通常、1〜500μm程度の粒径からなる担体が好ましい。担体の比表面積も限定はなく、通常、2〜300m/g、好ましくは5〜150m/gである。
【0007】
本発明において使用される触媒は、10nm以下の平均結晶子径を有する金属ルテニウムを主成分とする粒子を担体に担持したものである。一般に、金属を担体に担持した触媒において、担持したことによる金属の分散効果により、金属当りの触媒活性が高められ、反応選択性又は活性金属物質の安定性が向上することが経験的に知られている。また、金属微粒子結晶は、活性種金属の前駆体化合物、担体金属酸化物の表面性状、調製方法及び条件等によって、特有の大きさ、形態及び表面構造を示し、この金属の状態が反応性に大きく関与することが知られている。更に、活性金属が担体上に高分散した場合は、担体との相互作用により生じる反応基質の吸着特性の変化等から、反応活性や反応選択性が向上する効果が見出されている。
【0008】
一方、本発明者らの検討によると、周期律表の第4族から選ばれた少なくとも1種の金属の酸化物又は水酸化物に担持した金属ルテニウムの状態によって、脂環式アルコールのアミノ化反応は、その影響をうけ、特に、シクロヘキシルアミン類の選択率及び触媒活性、更には触媒寿命が著しく異なることが判明した。この知見に基づいて、本発明者らは、さらに研究を重ねた結果、脂環式アルコールをアミノ化して脂環式アミン化合物を製造する場合に、金属ルテニウムを主成分とする粒子の平均結晶子径が10nm以下、好ましくは8nm以下であることが重要であるという結論に達した。ここで、平均結晶子径は、X線回折法によって得られる回折線巾の拡がりから、数式(1)で示されるScherrerの式により算出されるものであって、具体的には、CuKα線をX線源として用いた場合には、回折角(2θ)で44°付近に極大を持つ、金属ルテニウム結晶子に由来する回折線の拡がりから算出される。
Dhkl=kλ/βcosθ    (1)
ここで、Dhklは結晶子径の大きさ(Å)、λはX線の波長(Å)、kは比例定数、βはX線回折図から測定される半値幅(ラジアン)、θは回折角である。
【0009】
本発明のような担持金属状態にすることにより、担体触媒が持つ物理的な効果を併せ持ち、かつ、アミノ化反応の選択性及び活性、さらには触媒寿命に極めて有利な触媒とすることができる。金属ルテニウムの平均結晶子径が10nmを越えると、ルテニウム単位量当りの反応量、すなわち、生産性が低下し、選択率、収率及び触媒安定性が低下する。
本発明の触媒が、アミノ化反応に対して優れた効果を発揮する理由は必ずしも明確ではないが、高分散担持による担体との相互作用の増加や金属ルテニウム粒子の安定性向上、さらにはアミノ化反応場における上記担体の化学的安定性の向上等からシクロヘキシルアミン類の選択率、活性及び触媒寿命に対し、有効な活性種が形成されていると考えることができる。
【0010】
本発明における触媒の調製方法としては、一般的に用いられる担持金属触媒の調製方法を用いることができる。例えば、前駆体となるルテニウム化合物を適当な溶媒中に溶解した溶液を用いて、蒸発乾固法、吸着法、浸漬法、沈着法、スプレー法等の公知含浸法により担体に吸着させる化学湿式法、ルテニウム錯体化合物結晶を昇華させ、担体と直接気相反応させる化学気相法等が挙げられる。好ましくは、例えば、ルテニウム化合物を溶媒に溶解させて均一溶液とし、これに担体を分散させた後、ルテニウム化合物が溶媒に溶解しない化合物に変化する試薬を導入して不溶性ルテニウム化合物を沈着させ、これを還元する方法が挙げられる。
【0011】
ルテニウム化合物としては、例えば、ルテニウムのハロゲン化物、硝酸塩、水酸化物又は酸化物、ルテニウムカルボニル、ルテニウムアンミン錯体等の錯体化合物、ルテニウムアルコキシド等が使用される。触媒調製時の活性成分を担持する際に使用する溶媒としては、水の他、アルコール、アセトン、テトラヒドロフラン、ヘキサン、トルエン等の有機溶媒が使用される。
具体的な調製法としては、塩化ルテニウム水溶液を用いて、不溶化試薬にアルカリを用い、主として水酸化ルテニウムの形で担体に沈着させた後に還元する方法は、原料の入手のし易さ、取り扱いの簡便さ等の点から好ましい。
【0012】
触媒の還元法としては、水素により気相又は液相で還元する方法、液相でホルマリン等の還元試薬で還元する方法等が挙げられるが、水中において水素により液相還元する方法が好ましい。水中において水素で還元する場合は、100〜250℃の条件下、水素分圧1〜200kg/cmGで行うことが好ましい。
一方、塩化ルテニウム溶液を用いた吸着法や蒸発乾固法等で得られたものを水素により気相還元する方法においては、ルテニウムの他に少なからず吸着する塩素の影響で、還元時における結晶子径の成長が阻害されたり、還元条件によってはルテニウムの著しいシンタリングの発生により、ルテニウム粒子の結晶子径が増大する場合があるので、この点を考慮して調製条件を設定する。
【0013】
金属ルテニウムの担持量は、担体に対し、好ましくは0.1%〜20質量%、より好ましくは1〜10質量%である。
本発明に用いられる脂環式アルコールとしては、シクロペンタノール、シクロヘキサノール、シクロヘプタノール、シクロオクタノール等のC〜C10の環式アルコール等が挙げられ、好ましくはシクロヘキサノールである。原料自身の純度は、特に高い必要はなく、脂環式パラフィン、脂環式オレフィン、低級パラフィン系炭化水素等を含有してもよい。
【0014】
本発明におけるアミノ化反応は、気相又は液相で、固定床又は懸濁床において、連続式又はバッチ式に行うことができ、なかでも液相下で反応を行うことが好ましい。液相下で行う場合は、溶媒の存在下に反応を行うこともできる。用いられる溶媒には限定はないが、アセトニトリル、プロピオニトリル等のニトリル類、ノルマルヘキサン、シクロへキサン等の脂肪族炭化水素、ベンゼン、トルエン等の芳香族化合物、ジオキサン、ジグリム等のエーテル類、水等を用いることができる。
【0015】
溶媒の存在下にて操作するときには、シクロヘキサノールの濃度は、通常、1〜95質量%、好ましくは、5〜70質量%である。気相で反応を行う場合も同様に用いることができ、これら溶媒を予め気化させて反応器に供給してもよい。
本発明において、シクロヘキサノールに対するアンモニアのモル比は、通常、0.5/1〜10/1、好ましくは1/1〜5/1である。
本発明において、水素の存在下でアミノ化反応を行うことが好ましく、シクロヘキサノールに対する水素のモル比は、通常、0.01/1〜10/1、好ましくは0.1/1〜5/1である。反応圧力は、減圧、常圧及び加圧のいずれでもよいが、加圧下で行う場合には、通常、0.1〜20MPa、好ましくは0.5〜10MPaの範囲であり、反応温度は、通常、50〜300℃、好ましくは80〜250℃の範囲である。反応時間は、目的とするシクロヘキシルアミン類の選択率や収率の目標値を定め、適宜選択すればよく、制限はないが、通常、数秒〜数時間である。
【0016】
触媒の量は、用いる触媒種によって異なり、所望の触媒効果が得られる量であれば制限はないが、シクロヘキサノールに対して、質量比で、通常、0.0001/1〜100/1、好ましくは0.001/1〜50/1の範囲である。
気相で反応を行う場合は、上昇流又は下降流反応器中で、時間基準の液空間速度(liquid hourly space velocity, LHSV)が、好ましくは0.01〜10、より好ましくは0.05〜5の範囲になるような条件下で反応を行う。
【0017】
本発明におけるアミノ化反応においては、触媒種や反応条件により異なるが、通常、目的生成物であるシクロヘキシルアミンの他に副生物として、微量のジシクロヘキシルアミン、N−シクロヘキシリデンシクロヘキシルアミン、シクロヘキサノン等が生成する。生成したシクロヘキシルアミンは、触媒を分離した反応器中の反応混合物から、例えば、シクロヘキサン又はベンゼン等を加え、共沸蒸留した後、蒸留分離によって回収される。必要により、さらなる分離手段により所望の純度にすることができる。
【0018】
【発明の実施の形態】
次に、実施例及び比較例によって本発明を具体的に説明するが、本発明は、これらの実施例に限定されるものでない。
【0019】
【実施例1】
(触媒調製)
RuCl・3HO 1.3gを300mlの水に溶解し、塩化ルテニウムの均一溶液とした。これに市販の酸化ジルコニウム粉末10gを入れ、強力攪拌下に分散させた。次いで、1NのNaOH水溶液30mlを加え、そのまま2時間攪拌を続け、主に、Ru(OH)からなる不溶性ルテニウム化合物を酸化ジルコニウムに沈着させた。これを水で数回洗浄した後、500mlの水中に再度分散させた。
この分散液を、内面にテフロン(登録商標)コーティングを施した1Lのオートクレーブに仕込み、160℃、水素で60kg/cmGとして24時間還元を行い、この液をアルゴン雰囲気下で濾過し、水で数回洗浄した後、アルゴン雰囲気下80℃で乾燥し、5%Ru/ZrOの担持触媒を得た。
この触媒のX線回折図形の線巾の拡がりから平均結晶子径を算出したところ、金属ルテニウムの平均結晶子径は5.3nmであった。
確認のため、上記で得られた触媒を透過型電子顕微鏡を用いて約12万倍の倍率で観察したところ、3〜8nmの金属ルテニウム粒子(結晶子)が単独又は一部凝集した状態で担体に担持されていることが確認された。凝集部においても、個々の結晶子はほとんどが判別可能であった。
【0020】
(アミノ化反応)
次に、上記で得た触媒1.4g、水35mlを内面にテフロン(登録商標)コーティングを施した内容積200mlの電磁攪拌式オートクレーブに仕込み、オートクレーブ内を窒素で置換した後、液体アンモニア18gを導入し、攪拌下に温度を180℃に設定した。次いで、シクロヘキサノール35gを水素と共に圧入して、全圧50kg/cmG(水素仕込み圧力は10kg/cmG)とし、攪拌速度1000rpmで反応温度を180℃に保ちながら、1時間反応させた。
反応後、生成物をガスクロマトグラフィーで分析した結果、シクロヘキサノール転化率は62.2%、シクロヘキシルアミン選択率は99.7%であった。副生物はジシクロヘキシルアミンであった。反応後のアンモニア量を逆滴定により分析して得られたアンモニア基準のシクロヘキシルアミン選択率は99.5%であった。
これは、従来の技術のところに記載した(1)〜(4)に比べて、シクロヘキシルアミンの選択率及び活性において、大きく優れていることは明白である。また、本実施例におけるルテニウム単位質量当たりのシクロヘキシルアミンの生成量は、約300g/g−ルテニウム・時間となり、従来の技術において記載した(4)と比較して、ルテニウム単位質量当たりの活性が大幅に向上していることが明白である。
【0021】
【実施例2】
触媒調製時における担体を酸化ハフニウムとした以外は、実施例1と同様にして反応を行った。その結果、シクロヘキサノール転化率は59.1%、シクロヘキシルアミン選択率は99.2%であった。副生物はジシクロヘキシルアミンであった。得られた5%Ru/HfOの金属ルテニウムの平均結晶子径は5.8nmであった。
【0022】
【実施例3】
触媒調製時における担体を酸化チタンとした以外は、実施例1と同様にして反応を行った。その結果、シクロヘキサノール転化率は45.0%、シクロヘキシルアミン選択率は98.5%であった。副生物はジシクロヘキシルアミンであった。得られた5%Ru/TiOの金属ルテニウムの平均結晶子径は6.3nmであった。
【0023】
【実施例4】
オキシ塩化ジルコニウム水溶液にNaOH水溶液を加え、得られた白色固体をろ過し、ろ液中に塩素イオンが検出されなくなるまで水洗、ろ過を繰り返して水酸化ジルコニウムを得た。こうして得られた水酸化ジルコニウムを担体として用いた以外は、実施例1と同様にして反応を行った。その結果、シクロヘキサノール転化率は58.5%、シクロヘキシルアミン選択率は99.2%であった。副生物はジシクロヘキシルアミンであった。得られた5%Ru/Zr(OH)の金属ルテニウムの平均結晶子径は5.1nmであった。
【0024】
【実施例5】
触媒調製時におけるルテニウムの担持量を10%とし、触媒量を0.7gとした以外は、実施例1と同様にして反応を行った。その結果、シクロヘキサノール転化率は59.1%、シクロヘキシルアミン選択率は99.4%であった。副生物はジシクロヘキシルアミンであった。得られた10%Ru/ZrOの金属ルテニウムの平均結晶子径は7.8nmであった。
【0025】
【実施例6】
触媒調製時におけるルテニウムの担持量を1%とし、触媒量を7gとした以外は、実施例1と同様にして反応を行った。その結果、シクロヘキサノール転化率は72.4%、シクロヘキシルアミン選択率は99.2%であった。副生物はジシクロヘキシルアミンであった。得られた1%Ru/ZrOの金属ルテニウムの平均結晶子径は4.1nmであった。
【0026】
【実施例7】
反応操作において、シクロヘキサノールを窒素で圧入して、窒素雰囲気でアミノ化反応を行った以外は実施例1と同様にして反応を行った。その結果、シクロヘキサノール転化率は58.2%、シクロヘキシルアミン選択率は98.7%であった。副生物はN−シクロヘキシリデンシクロヘキシルアミン、シクロヘキサノンであった。触媒として用いた5%Ru/ZrOの金属ルテニウムの平均結晶子径は5.3nmであった。
【0027】
【実施例8】
実施例1と同じ条件でアミノ化反応を繰り返して行った。その結果、1〜10回の繰り返し反応においてもシクロヘキサノール転化率に変化は見られず、シクロヘキシルアミン選択率は99%以上を保持した。アンモニア基準のシクロヘキシルアミン選択率も1〜10回の繰り返し反応において99%±1%を保持していた。また、10回の繰り返し反応を行った5%Ru/ZrOの金属ルテニウムの平均結晶子径は5.4nmであった。図1に反応回数と、シクロヘキサノール転化率及びシクロヘキシルアミン選択率の関係を示す。これは従来の技術に記載した(4)に比べて、シクロヘキシルアミンの選択率及び触媒活性において、非常に優れていることは明白である。
【0028】
【比較例1】
触媒調製時における担体をアルミナとした以外は、実施例1と同様にして反応を行った。その結果、シクロヘキサノール転化率は32.9%、シクロヘキシルアミン選択率は97.1%であった。副生物はジシクロヘキシルアミンであった。得られた5%Ru/Alの金属ルテニウムの平均結晶子径は5.3nmであった。
【0029】
【比較例2】
触媒調製時における担体をシリカとした以外は、実施例1と同様にして反応を行った。その結果、シクロヘキサノール転化率は21.3%、シクロヘキシルアミン選択率は98.0%であった。副生物はジシクロヘキシルアミンであった。得られた5%Ru/SiOの金属ルテニウムの平均結晶子径は6.2nmであった。
【0030】
【比較例3】
触媒として、N.Eケムキャット社製の5%Ru/Alを用いた以外は、実施例1と同様にして反応を行った。その結果、シクロヘキサノール転化率は29.5%、シクロヘキシルアミン選択率は97.5%であった。5%Ru/Alの金属ルテニウムの平均結晶子径は5.9nmであった。
【0031】
【比較例4】
RuCl・3HOの2.6gを300mlの水に溶解し、塩化ルテニウムの均一溶液とした。これに実施例1で使用したものと同じ酸化ジルコニウム粉末10gを入れ、分散液とし、これをロータリーエバポレーターに仕込み、減圧下に60℃に保ちながら水を蒸発乾固した。次に、この触媒を水素気流中、400℃で3時間還元し、10%Ru/ZrO触媒を得た。この調製方法は、一般的に用いられる手法である。このようにして得られた触媒を粉末X線回折で分析したところ、金属ルテニウムの平均結晶子径は11.5nmであった。
【0032】
次に、この触媒0.7gを使用した他は、実施例1と同様にしてシクロヘキサノールのアミノ化反応を行った結果、シクロヘキサノール転化率は16.5%、シクロヘキシルアミン選択率は98.7%であった。副生物はジシクロヘキシルアミンであった。
【0033】
【発明の効果】
本発明の触媒を用いることよって、脂環式アルコールから脂環式アミン化合物を、高選択率、かつ、高活性で得ることができ、さらに触媒寿命が著しく改善された安定な触媒系となり、工業的に極めて価値の高いものとなる。
【図面の簡単な説明】
【図1】反応回数と、シクロヘキサノール転化率及びシクロヘキシルアミン選択率の関係を示すグラフ。

Claims (6)

  1. 触媒として10nm以下の平均結晶子径を有する金属ルテニウムを主成分とする粒子を、周期律表の第4族から選ばれた少なくとも1種の金属の酸化物又は水酸化物からなる担体に担持したルテニウム担持触媒の存在下で、脂環式アルコールをアミノ化することを特徴とする脂環式アミン化合物の製造方法。
  2. 周期律表の第4族の金属が、ジルコニウム又はハフニウムであることを特徴とする請求項1記載の脂環式アミン化合物の製造方法。
  3. 金属ルテニウムの担持量が、担体に対して1〜10質量%である請求項1記載の脂環式アミン化合物の製造方法。
  4. 脂環式アルコールが、シクロヘキサノールである請求項1記載の脂環式アミン化合物の製造方法。
  5. アミノ化反応を液相下で行う請求項1記載の脂環式アミン化合物の製造方法。
  6. アミノ化反応を水素の存在下で行う請求項1記載の脂環式アミン化合物の製造方法。
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