JP4212028B2 - イソブチレン合成用触媒、およびイソブチレンの製造方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、イソブチレンを合成するための触媒、およびn−ブタンからイソブチレンを製造する方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
イソブチレンは化学工業において重要な化合物である。近年、比較的安価なn−ブタンからイソブチレンを製造する方法が種々開示されている。これらは主に、n−ブタンを骨格異性化してイソブタンを合成し、得られたイソブタンを脱水素してイソブチレンを得る方法、あるいはn−ブタンを脱水素してn−ブテンを合成し、得られたn−ブテンを骨格異性化してイソブチレンを得る方法である。これらの方法では二段階の反応でイソブチレンを製造しているため、反応毎に反応装置、触媒、分離精製装置およびそれらの操作技術が必要であり、経済的に不利である。
【0003】
また、脱水素と骨格異性化を同時に行ってn−ブタンから一段階の反応でイソブチレンを製造する方法も知られている。例えば、特許文献1には、白金やパラジウム等の貴金属、チタンやジルコニウム等のIVA族元素をアルミナ等の耐火性酸化物担体に担持した触媒を用いる方法が開示されている。また、特許文献2には、IIB族、IVA族、IVB族からなる群から選ばれる少なくとも1種の元素と白金とを含有するモルデナイト触媒、特に、亜鉛、スズおよびクロムからなる群から選ばれる少なくとも1種の元素と白金とを含有するモルデナイト触媒を用いる方法が開示されている。
【0004】
また、非特許文献1には、マンガンでアルミニウムの一部を置換したアルミノホスフェートに白金を担持した触媒(Pt/MnAPO−11、Mn/P=0.10)を用いてn−ブタンからイソブチレンを製造する方法が開示されている。
【0005】
【特許文献1】
特開平7−300433号公報
【0006】
【特許文献2】
米国特許第5658839号公報
【0007】
【非特許文献1】
JOURNAL OF CATALYSIS 177、60-71(1998)
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、これらの方法ではイソブチレンへの選択性が低く、工業的見地から更なる改善が望まれている。
【0009】
従って本発明は、脱水素と骨格異性化を同時に行ってn−ブタンから一段階の反応で収率良くイソブチレンを製造するためのイソブチレン合成用触媒、および脱水素と骨格異性化を同時に行ってn−ブタンから一段階の反応で収率良くイソブチレンを製造する方法を提供することを目的としている。
【0010】
【課題を解決するための手段】
すなわち本発明は、Me/P原子比(Meは置換メタルの原子数、Pはリンの原子数を示す。以下、メタル置換率と言う。)が0.001〜0.020の範囲にあるAEL構造のメタル置換アルミノホスフェートおよび白金を含むイソブチレン合成用触媒である。ただし、AEL構造のメタル置換アルミノホスフェートの置換メタルは、マンガン、コバルト、亜鉛、マグネシウム、ニッケルおよび鉄からなる群から選ばれる少なくとも1種の金属であり、かつ、AEL構造のメタル置換アルミノホスフェートと白金の質量比は100:0.1〜100:5である。
【0011】
本発明のイソブチレン合成用触媒には、スズ、ゲルマニウム、インジウム、ガリウムおよび鉛からなる群から選ばれる少なくとも1種の元素を含むことが好ましい。この場合、スズ、ゲルマニウム、インジウム、ガリウムおよび鉛の合計と白金との原子比が1:5〜5:1であることが好ましい。
【0012】
また、本発明はn−ブタンと前記の本発明のイソブチレン合成用触媒を接触させるイソブチレンの製造方法である。
【0013】
【発明の実施の形態】
本発明において、メタル置換アルミノホスフェートとは、実質的にはAEL構造を有するアルミノホスフェートである。メタル置換アルミノホスフェートは、AEL構造を有するアルミノホスフェートのアルミニウムの一部を他の金属に同型置換したものである。このようなメタル置換アルミノホスフェートは、ブレンステッド酸点を有する。
【0014】
本発明のイソブチレン合成用触媒は、メタル置換率が特定の範囲にあるAEL構造のメタル置換アルミノホスフェートおよび白金を含むものである。本発明ではメタル置換率を0.001〜0.020とすることが重要である。メタル置換率は0.002〜0.010の範囲が好ましく、特に0.003〜0.007が好ましい。
【0015】
メタル置換率をこのような範囲することにより触媒の性能が向上する理由は明確ではないが、次のように推定している。
(1)AEL構造のメタル置換アルミノホスフェートの結晶性が高くなる。
(2)AEL構造のメタル非置換アルミノホスフェートに比べて骨格異性化に有効な適度な酸強度を有する酸点が多くなる。
(3)大部分の置換メタルがAEL構造のメタル置換アルミノホスフェート骨格に取込まれるため、骨格外に存在する置換メタルが少ない。
【0016】
メタル置換率が0.001未満の場合、骨格異性化に必要な酸点が少なすぎるため、活性が低いという問題がある。また、メタル置換率が0.020を超える場合、触媒の活性が低いという問題がある。これは、メタル置換率が0.020を超えるとアルミノホスフェート格子外のメタル(置換メタル)が増加し、これと白金が相互作用することで、白金の脱水素性能が低下するためと推定される。
メタル置換アルミノホスフェートの結晶サイズは特に限定されない。またメタル置換アルミノホスフェートは、微量な非結晶相、格子欠陥部分を有していてもよい。
【0017】
AEL構造のメタル置換アルミノホスフェートの置換メタルとしては、例えば、マンガン、コバルト、亜鉛、マグネシウム、ニッケル、鉄等が挙げられる。中でも、置換メタルが、マンガン、コバルト、亜鉛、マグネシウム、ニッケルおよび鉄からなる群から選ばれる少なくとも1種の金属であることが好ましい。
【0018】
好ましいメタル置換アルミノホスフェートとしては、例えば、マンガンアルミノホスフェート(MnAPO−11)、コバルトアルミノホスフェート(CoAPO−11)、亜鉛アルミノホスフェート(ZAPO−11)、マグネシウムアルミノホスフェート(MAPO−11)、ニッケルアルミノホスフェート(NAPO−11)、フェリアルミノホスフェート(FAPO−11)等が挙げられる。これらの中でも、コバルトアルミノホスフェート(CoAPO−11)、マグネシウムアルミノホスフェート(MAPO−11)、亜鉛アルミノホスフェート(ZAPO−11)が特に好ましい。
【0019】
AEL構造のメタル置換アルミノホスフェートの製造方法は特に限定されないが、例えば、次のような調製方法が挙げられる。すなわち、リン酸水溶液に擬ベーマイト、アルミニウムトリイソプロポキシド等のアルミニウム源を少量ずつ加えて激しく撹拌する。次いで攪拌を続けながら得られたゲル状物に置換メタルの酢酸塩、硫酸塩、硝酸塩、塩酸塩等の置換メタル化合物の水溶液を滴下し、ジノルマルプロピルアミン、ジイソプロピルアミン等のテンプレートを加える。得られたゲル状物をオートクレーブ等を用いて140〜210℃で水熱合成し、ろ過、洗浄後、乾燥および490〜600℃で焼成してAEL構造のメタル置換アルミノホスフェートを得る。ゲル調製時の攪拌速度は速いほどAEL構造が生成しやすい。
【0020】
本発明のイソブチレン合成用触媒はAEL構造のメタル置換アルミノホスフェートおよび白金を含む。白金の状態は特に限定されないが、メタル置換アルミノホスフェートに担持した状態が好ましい。白金を担持する方法は特に限定されないが、含浸法が好ましい。
【0021】
含浸法では、例えば、[Pt(NH3)4(NO3)2]、[Pt(NH3)4Cl2]、Pt(NH3)4(OH)2等の白金錯体、H2PtCl6、H2PtCl2・6H2O等の白金塩等の白金化合物を水等の溶媒に溶解した溶液をAEL構造のメタル置換アルミノホスフェートに含浸させる。含浸後、AEL構造のメタル置換アルミノホスフェートは乾燥および焼成することが好ましい。最終的にAEL構造のメタル置換アルミノホスフェートは水素等の還元剤で還元する。還元温度は300℃以上が好ましい。
【0022】
AEL構造のメタル置換アルミノホスフェートと白金との質量比は100:0.1〜100:5が好ましく、100:0.7〜100:4がより好ましく、100:0.5〜100:2が特に好ましい。このような領域では、白金の分散度が高いので触媒の活性が高くなる。
【0023】
本発明のイソブチレン合成用触媒には、スズ、ゲルマニウム、インジウム、ガリウムおよび鉛からなる群から選ばれる少なくとも1種の元素(以下、第二元素という。)を含むことが好ましい。第二元素はアルミノホスフェートと実質的に一体化していればよく、化学的に結合していても、物理吸着等で結合していもよい。第二元素の状態は特に限定されないが、メタル置換アルミノホスフェートに担持した状態が好ましい。第二元素を担持する方法は特に限定されないが、例えば、含浸法、転動噴霧法等が挙げられる。中でも含浸法が好ましい。
【0024】
含浸法では、例えば、酢酸スズ、塩化スズ、テトラメチルスズ、テトラブチルスズ等の第二元素の塩を有機溶媒等の溶媒に溶解した溶液を白金が担持されたAEL構造のメタル置換アルミノホスフェートに含浸させる。含浸後、AEL構造のメタル置換アルミノホスフェートは乾燥および焼成することが好ましい。最終的にAEL構造のメタル置換アルミノホスフェートは水素等の還元剤で還元する。還元温度は400℃以上が好ましい。
【0025】
第二元素の合計と白金との原子比は1:5〜5:1が好ましく、1:4〜4:1がより好ましく、1:3〜3:1が特に好ましい。このような領域ではイソブチレンの選択率が高くなる。
【0026】
第二元素と白金は、メタル置換アルミノホスフェート上で独立して存在していてもよいが、両者が近傍に存在していることが好ましい。
【0027】
白金と第二元素を担持する順序は、上に例示したように、白金を担持した後に第二元素を担持することが好ましいが、白金と第二元素を同時に共含浸で担持する方法や、先に第二元素を担持し、次いで白金を担持する方法も採用できる。
【0028】
以下、このようにして得られた触媒を用いてイソブチレンを製造する方法について説明する。イソブチレンの製造に際しては、n−ブタンと該触媒を接触させる。この転化反応は固定床でも流動床でも実施できる。反応温度は400℃以上700℃以下が好ましく、特に500℃以上650℃以下が好ましい。反応圧力は常圧から数気圧まで実施できる。触媒と接触させる原料ガスにはn−ブタン以外に水素を含めることが好ましい。原料ガス中のn−ブタンと水素のモル比は1:0〜1:10が好ましく、特に1:0〜1:5が好ましい。
【0029】
【実施例】
以下、実施例により本発明をより詳しく説明する。下記の実施例、比較例および参考例において、「部」は質量部を意味する。触媒または触媒前駆体中における金属(Me)、リン(P)、白金(Pt)等の金属含有量の定量はICP分光分析により、触媒層出口ガスに含まれる化合物はガスクロマトグラフィー分析で定量した。
【0030】
なお、n−ブタンの反応率および生成したイソブチレンの収率はそれぞれ以下のように定義される。
n−ブタンの反応率(%)=(B/A)×100
イソブチレンの収率(%)=(C/A)×100
ここで、Aは反応器の触媒層出口で検出された全化合物中の全炭素数、Bは反応器の触媒層出口で検出された全化合物のうちn−ブタンを除く他の全化合物中の全炭素数、Cは反応器の触媒層出口で検出されたイソブチレンの全炭素数である。
【0031】
[実施例1]
(1)CoAPO−11の合成
水390部に85%リン酸102部を加えて混合した中に、触媒化成社製の擬ベーマイト(商品名:Cataloid AP−1、71%Al2O3)63.5部を少量ずつ加えて100rpmで2時間激しく撹拌した。次にCo(CH3COO)2・4H2O 1.1部を水10部に溶解した水溶液をゆっくり滴下した後1時間撹拌した。次にジノルマルプロピルアミン44.8部をゆっくりと滴下して、さらに2時間撹拌してゲル状物を得た。
得られたゲル状物をオートクレーブ内に移し、撹拌しながら200℃で20時間水熱合成を行った。水熱合成後ろ過を行い、続いて、ろ液が中性になるまで固形物の水洗およびろ過を繰り返した。洗浄後の固形物を空気中130℃で15時間乾燥した後、空気中600℃で1時間焼成してCoAPO−11を得た。得られたCoAPO−11のCo/P原子比は0.0052であった。またXRDによりAEL構造であることを確認した。
【0032】
(2)CoAPO−11へのPtの担持
水31部にPt(NH3)4(CH3COO)2・H2O錯体0.16部を加え、そこへ前記(1)で得たCoAPO−11を5部投入した。次いで、室温下で24時間撹拌し、空気中130℃で24時間乾燥した。続いて、130℃で1時間、300℃で2時間、350℃で3時間、450℃で4時間の順で焼成し、Pt担持CoAPO−11(以下Pt/CoAPO−11という。)を得た。得られたPt/CoAPO−11におけるPtとAEL構造コバルトアルミノホスフェートの質量比は1:100であった。
【0033】
(3)n−ブタンの転化反応
前記(2)で得られたPt/CoAPO−11触媒を、常圧固定床流通式反応装置に充填し、130℃で20分間水素ガスを50mL/分で流通させ、次いで触媒層を600℃まで昇温し、同温度で保持したまま1時間水素ガスの流通を続けた。
【0034】
その後、流通ガスを反応用原料ガスに切り替え反応を開始した。反応用原料ガスは、n−ブタン、水素およびヘリウムからなり、これらのモル比はn−ブタン:水素:ヘリウム=1:2:5であった。反応用原料ガスの接触時間を変化させることによりn−ブタンの転化率を変動させ、各々の転化率における各生成物の選択率を測定した。その結果n−ブタン転化率82.0%のとき、イソブチレン最高収率18.3%を得た。
【0035】
[実施例2]
実施例1の(1)工程におけるCo(CH3COO)2・4H2Oの代わりにMg(CH3COO)2・4H2O 0.95部を使用した以外は、実施例1と同様に触媒調製を行いPt/MAPO−11を合成した。得られたMAPO−11のMg/P原子比は0.0044、Pt/MAPO−11におけるPtとAEL構造マグネシウムアルミノホスフェートの質量比は1:100であった。実施例1の(3)と同様に反応評価を行なった結果、n−ブタン転化率83.8%のとき、イソブチレン最高収率18.5%を得た。
【0036】
[実施例3]
実施例1の(1)工程におけるCo(CH3COO)2・4H2Oの代わりにZn(CH3COO)2・2H2O 0.97部を使用した以外は、実施例1と同様に触媒調製を行いPt/ZAPO−11を合成した。得られたZAPO−11のZn/P原子比は0.0049、Pt/ZAPO−11におけるPtとAEL構造亜鉛アルミノホスフェートの質量比は1:100であった。実施例1の(3)と同様に反応評価を行なった結果、n−ブタン転化率82.2%のとき、イソブチレン最高収率18.1%を得た。
【0037】
[実施例4]
実施例1の(1)工程におけるCo(CH3COO)2・4H2Oの代わりにMn(CH3COO)2・4H2O 1.08部を使用した以外は、実施例1と同様に触媒調製を行いPt/MnAPO−11を合成した。得られたMAPO−11のMn/P原子比は0.0044、Pt/MnAPO−11におけるPtとAEL構造マグネシウムアルミノホスフェートの質量比は1:100であった。実施例1の(3)と同様に反応評価を行なった結果、n−ブタン転化率81.5%のとき、イソブチレン最高収率16.1%を得た。
【0038】
[実施例5]
実施例1の(1)工程におけるCo(CH3COO)2・4H2Oの代わりにNi(CH3COO)2・4H2O 0.11部を使用した以外は、実施例1と同様に触媒調製を行いPt/NAPO−11を合成した。得られたNAPO−11のNi/P原子比は0.0048、Pt/NAPO−11におけるPtとAEL構造マグネシウムアルミノホスフェートの質量比は1:100であった。実施例1の(3)と同様に反応評価を行なった結果、n−ブタン転化率79.1%のとき、イソブチレン最高収率14.5%を得た。
【0039】
[実施例6]
実施例3の(1)工程におけるZn(CH3COO)2・2H2Oを1.94部、擬ベーマイトを63.2部使用した以外は、実施例6と同様に触媒調製を行いPt/ZAPO−11を合成した。得られたZAPO−11のZn/P原子比は0.010、Pt/ZAPO−11におけるPtとAEL構造亜鉛アルミノホスフェートの質量比は1:100であった。実施例1の(3)と同様に反応評価を行なった結果、n−ブタン転化率71.7%のとき、イソブチレン最高収率17.2%を得た。
【0040】
[実施例7]
実施例3の(1)工程におけるZn(CH3COO)2・2H2Oを2.91部、擬ベーマイトを62.9部とした以外は、実施例3と同様にして触媒(Pt/ZAPO−11)を調製した。得られたZAPO−11のZn/P原子比は0.015、Pt/ZAPO−11におけるPtとAEL構造亜鉛アルミノホスフェートの質量比は1:100であった。実施例1の(3)と同様に反応評価を行なった結果、n−ブタン転化率54.1%のとき、イソブチレン最高収率13.3%であった。
【0041】
[比較例1]
実施例2の(1)工程におけるMg(CH3COO)2・4H2Oを28.5部、擬ベーマイトを54.2部とした以外は、実施例2と同様にして触媒(Pt/MAPO−11)を調製した。得られたMAPO−11のMg/P原子比は0.15、Pt/MAPO−11におけるPtとAEL構造マグネシウムアルミノホスフェートの質量比は1:100であった。実施例1の(3)と同様に反応評価を行なった結果、n−ブタン転化率45.0%のとき、イソブチレン最高収率6.4%であった。
【0042】
[比較例2]
実施例4の(1)工程におけるMn(CH3COO)2・4H2Oを10.8部、擬ベーマイトを60.6部とした以外は、実施例4と同様にして触媒(Pt/MnAPO−11)を調製した。得られたMnAPO−11のMn/P原子比は0.045、Pt/MnAPO−11におけるPtとAEL構造マンガンアルミノホスフェートの質量比は1:100であった。実施例1の(3)と同様に反応評価を行なった結果、n−ブタン転化率31.7%のとき、イソブチレン最高収率5.9%であった。
【0043】
【発明の効果】
本発明のイソブチレン合成用触媒を用いると、脱水素と骨格異性化を同時に行ってn−ブタンから一段階の反応で収率良くイソブチレンを製造することができる。また、本発明のイソブチレンの製造方法によれば、脱水素と骨格異性化を同時に行ってn−ブタンから一段階の反応で収率良くイソブチレンを製造することができる。
Claims (4)
- Me/P原子比(Meは置換メタルの原子数、Pはリンの原子数を示す。)が0.001〜0.020の範囲にあるAEL構造のメタル置換アルミノホスフェートおよび白金を含むイソブチレン合成用触媒。
(ただし、AEL構造のメタル置換アルミノホスフェートの置換メタルは、マンガン、コバルト、亜鉛、マグネシウム、ニッケルおよび鉄からなる群から選ばれる少なくとも1種の金属であり、かつ、AEL構造のメタル置換アルミノホスフェートと白金の質量比が100:0.1〜100:5である。) - スズ、ゲルマニウム、インジウム、ガリウムおよび鉛からなる群から選ばれる少なくとも1種の元素を含む請求項1記載のイソブチレン合成用触媒。
- スズ、ゲルマニウム、インジウム、ガリウムおよび鉛の合計と白金との原子比が1:5〜5:1であることを特徴とする請求項2記載のイソブチレン合成用触媒。
- n−ブタンと請求項1〜3いずれかに記載のイソブチレン合成用触媒を接触させるイソブチレンの製造方法。
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