JP2931360B2 - ろう材用合金粉末 - Google Patents
ろう材用合金粉末Info
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Description
【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は金属同志を接合するためのろう材に関するも
のである。
のである。
従来、各種の耐酸化性,耐熱性,耐食性を要求される
金属部品同志の接合には、BNi−5としてJIS規格に規定
されたCr 18.0〜20.0wt%,Si 9.75〜10.5wt%,C 0.15wt
%以下,残部Niのニッケルろうが知られており、小形部
品のろう付に対しては特に大きな問題もなく用いられて
きた。しかし、最近、大形、大容量の部品のろう付に使
用する場合、従来のBNi−5ニッケルろうは次のような
問題を生じてきた。
金属部品同志の接合には、BNi−5としてJIS規格に規定
されたCr 18.0〜20.0wt%,Si 9.75〜10.5wt%,C 0.15wt
%以下,残部Niのニッケルろうが知られており、小形部
品のろう付に対しては特に大きな問題もなく用いられて
きた。しかし、最近、大形、大容量の部品のろう付に使
用する場合、従来のBNi−5ニッケルろうは次のような
問題を生じてきた。
BNi−5ニッケルろうは亜共晶組成であることから、
液相線温度が約1160℃と高く、また、液相線温度と固相
線温度の温度幅(以下、液−固幅と言う。)が約80℃
で、特にSiの変動により液相線温度がばらつきやすいた
め、安定したろう付性能を得るためにろう付温度は1200
℃以上の高温度を必要とした。また、液−固幅によるろ
う付時の固液相分離(以下、溶け別れと言う。)などが
原因でろう材部の粗大空孔の残留、母材との密着不良、
ろう付強度の低下を来たし、特に大形、大容量の部品の
場合には、ろう付温度の均一性に欠けることから、ろう
付安全性に問題があった。
液相線温度が約1160℃と高く、また、液相線温度と固相
線温度の温度幅(以下、液−固幅と言う。)が約80℃
で、特にSiの変動により液相線温度がばらつきやすいた
め、安定したろう付性能を得るためにろう付温度は1200
℃以上の高温度を必要とした。また、液−固幅によるろ
う付時の固液相分離(以下、溶け別れと言う。)などが
原因でろう材部の粗大空孔の残留、母材との密着不良、
ろう付強度の低下を来たし、特に大形、大容量の部品の
場合には、ろう付温度の均一性に欠けることから、ろう
付安全性に問題があった。
〔発明が解決しようとする課題〕 本発明者等は、本合金系ろう材の液相線温度を低下さ
せ、大形、大容量の部品のろう付けに対してもろう付安
定性を向上させるためにCr量,Si量を種々検討した結
果、Cr及びSi量を増加させ共晶に近い組成にすることに
より、液相線温度が約50℃低下し、液−固幅を20℃以内
に小さくすることで、ろう付安定性が向上することを見
出し、本発明を完成したものである。
せ、大形、大容量の部品のろう付けに対してもろう付安
定性を向上させるためにCr量,Si量を種々検討した結
果、Cr及びSi量を増加させ共晶に近い組成にすることに
より、液相線温度が約50℃低下し、液−固幅を20℃以内
に小さくすることで、ろう付安定性が向上することを見
出し、本発明を完成したものである。
即ち本発明は、Cr 20〜25wt%,Si 11〜13wt%,C 0.15
wt%以下,残部は実質的にNiより成るろう材用合金粉末
である。
wt%以下,残部は実質的にNiより成るろう材用合金粉末
である。
本発明の合金は、従来のBNi−5ニッケルろうに比
べ、液相線温度が1090〜1112℃と低く、液−固幅が20℃
以内と小さくなったことにより、従来のBNi−5ニッケ
ルろうを使用した場合より50℃以上低い温度で、大形、
大容量の部品のろう付を行ったとしても溶け別れを生じ
ることなく、安定したろう付を行うことができる。
べ、液相線温度が1090〜1112℃と低く、液−固幅が20℃
以内と小さくなったことにより、従来のBNi−5ニッケ
ルろうを使用した場合より50℃以上低い温度で、大形、
大容量の部品のろう付を行ったとしても溶け別れを生じ
ることなく、安定したろう付を行うことができる。
さらに、Cr及びSi量を増加させたことで、より耐酸化
性,耐熱性,耐食性の優れたろう付部品を製造すること
ができる。
性,耐熱性,耐食性の優れたろう付部品を製造すること
ができる。
以下に本発明の合金成分を上記のとおり限定した理由
を説明する。
を説明する。
(a)Cr CrはNi中に固溶してNi−Cr固溶体{以下、Ni(Cr)と
言う。}となり、合金の耐酸化性,耐熱性,耐食性を向
上させるために多い方が好ましいが、Siを含む合金とな
った場合の融点にも影響を及ぼし、Crが20wt%以下では
低Si側で亜共晶傾向となり、液相線温度が上昇し、液−
固幅が大きくなるので好ましくない。一方、Crを増加し
ていくと徐々に過共晶傾向を示し、Crが25wt%以上にな
ると過共晶珪化物の晶出量が多くなり、溶け別れの原因
となりやすくなる。
言う。}となり、合金の耐酸化性,耐熱性,耐食性を向
上させるために多い方が好ましいが、Siを含む合金とな
った場合の融点にも影響を及ぼし、Crが20wt%以下では
低Si側で亜共晶傾向となり、液相線温度が上昇し、液−
固幅が大きくなるので好ましくない。一方、Crを増加し
ていくと徐々に過共晶傾向を示し、Crが25wt%以上にな
ると過共晶珪化物の晶出量が多くなり、溶け別れの原因
となりやすくなる。
以上の理由からCrは20〜25wt%と限定した。
(b)Si SiはNi(Cr)と見掛上、擬2元系の共晶反応を示し、
合金の融点に及ぼす影響が大きく、ひいてはろう付性に
重要な影響を与える成分である。
合金の融点に及ぼす影響が大きく、ひいてはろう付性に
重要な影響を与える成分である。
Siが11wt%以下では亜共晶となり、液相線温度が上昇
し、ろう付温度の上昇やろう付時の溶け別れなどが起こ
りやすくなるため好ましくない。一方、Siが13wt%以上
になると、過共晶となり、液相線温度が上昇し、液−固
幅が大きくなり、また、合金の靭性が低下するので好ま
しくない。
し、ろう付温度の上昇やろう付時の溶け別れなどが起こ
りやすくなるため好ましくない。一方、Siが13wt%以上
になると、過共晶となり、液相線温度が上昇し、液−固
幅が大きくなり、また、合金の靭性が低下するので好ま
しくない。
以上の理由からSiは11〜13wt%と限定した。
(c)C CはNi(Cr)中に固溶され、基質を強化するのに役立
つが、Cが0.15wt%以上になると固溶限定を超え、Cr炭
化物を形成して合金中に晶出又は析出し、合金の耐食性
を劣化させると同時に、ろう付時のろう材の流動性を阻
害するため、Cは0.15wt%以下に限定した。
つが、Cが0.15wt%以上になると固溶限定を超え、Cr炭
化物を形成して合金中に晶出又は析出し、合金の耐食性
を劣化させると同時に、ろう付時のろう材の流動性を阻
害するため、Cは0.15wt%以下に限定した。
以下、本発明の代表的な実施例と比較例を示す。
通常溶解法により、それぞれ第1表に示される成分組
成になるように配合し本発明の合金及び比較例として従
来のJIS規格合金について、液相線温度,固相線温度,
液−固幅を測定し、1150℃でのろう付試験を行った結果
を第1表に示す。そして、本発明合金3及び比較例合金
(2)の熱分析曲線(冷却曲線)を第1図に示す。な
お、各測定方法及び試験方法は、次のとおりである。
成になるように配合し本発明の合金及び比較例として従
来のJIS規格合金について、液相線温度,固相線温度,
液−固幅を測定し、1150℃でのろう付試験を行った結果
を第1表に示す。そして、本発明合金3及び比較例合金
(2)の熱分析曲線(冷却曲線)を第1図に示す。な
お、各測定方法及び試験方法は、次のとおりである。
液相線温度,固相線温度,液−固幅 本発明合金及び引換例の従来合金を電気炉でアルゴン
雰囲気溶解し、溶湯中央部に装入した熱電対に連結した
記録計に熱分析曲線を描かせ、その冷却曲線から第1変
曲点、即ち液相線温度、最終変曲点、即ち固相線温度を
読み取り、各々の温度幅を液−固幅として求めた。
雰囲気溶解し、溶湯中央部に装入した熱電対に連結した
記録計に熱分析曲線を描かせ、その冷却曲線から第1変
曲点、即ち液相線温度、最終変曲点、即ち固相線温度を
読み取り、各々の温度幅を液−固幅として求めた。
1150℃でろう付性 本発明合金及び比較例の従来合金を通常のガスアトマ
イズ法で粉末となし、60〜350メッシュ(250〜45μm)
のロウ材用合金粉末を得た。
イズ法で粉末となし、60〜350メッシュ(250〜45μm)
のロウ材用合金粉末を得た。
得られたろう材用合金粉末5gを、2枚のSUS304ステン
レス鋼材(長さ50mm,幅50mm,厚さ10mm)ろう付面(長さ
50mm,幅50mm)の間に載置し、1×10-5torrの真空中
で、1150℃言,30分間加熱してろう付を行い、その接合
体の断面の顕微鏡観察により、ろう付状態を評価した。
レス鋼材(長さ50mm,幅50mm,厚さ10mm)ろう付面(長さ
50mm,幅50mm)の間に載置し、1×10-5torrの真空中
で、1150℃言,30分間加熱してろう付を行い、その接合
体の断面の顕微鏡観察により、ろう付状態を評価した。
以上、詳述したように、本発明のろう材用合金粉末
は、従来JIS規格組成の粉末に比べ、50℃以上低い温度
でろう付でき、大形、大容量の部品のろう付に対しても
安定したろう付を行うことができる。また、Cr及びSi量
の増加により、さらに耐酸化性,耐熱性,耐食性の優れ
たろう付部品を製造することができる特徴を有する。
は、従来JIS規格組成の粉末に比べ、50℃以上低い温度
でろう付でき、大形、大容量の部品のろう付に対しても
安定したろう付を行うことができる。また、Cr及びSi量
の増加により、さらに耐酸化性,耐熱性,耐食性の優れ
たろう付部品を製造することができる特徴を有する。
第1図は本発明合金3と比較例合金(2)の熱分析曲線
(冷却曲線)を示す。
(冷却曲線)を示す。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) B23K 35/30 C22C 5/00 - 38/00
Claims (1)
- 【請求項1】Cr 20〜20wt% Si 11〜13wt% C 0.15 wt% 残部実質的にNiより成るろう材用合金粉末。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP9130790A JP2931360B2 (ja) | 1990-04-05 | 1990-04-05 | ろう材用合金粉末 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP9130790A JP2931360B2 (ja) | 1990-04-05 | 1990-04-05 | ろう材用合金粉末 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH03291189A JPH03291189A (ja) | 1991-12-20 |
JP2931360B2 true JP2931360B2 (ja) | 1999-08-09 |
Family
ID=14022811
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP9130790A Expired - Fee Related JP2931360B2 (ja) | 1990-04-05 | 1990-04-05 | ろう材用合金粉末 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2931360B2 (ja) |
-
1990
- 1990-04-05 JP JP9130790A patent/JP2931360B2/ja not_active Expired - Fee Related
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPH03291189A (ja) | 1991-12-20 |
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