JP2930056B2 - 有機エレクトロルミネッセンス素子材料ならびにそれを使用した有機エレクトロルミネッセンス素子 - Google Patents

有機エレクトロルミネッセンス素子材料ならびにそれを使用した有機エレクトロルミネッセンス素子

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JP2930056B2 JP9141698A JP14169897A JP2930056B2 JP 2930056 B2 JP2930056 B2 JP 2930056B2 JP 9141698 A JP9141698 A JP 9141698A JP 14169897 A JP14169897 A JP 14169897A JP 2930056 B2 JP2930056 B2 JP 2930056B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は有機エレクトロルミ
ネッセンス素子材料ならびにそれを使用した有機エレク
トロルミネッセンス素子に関し、詳しくはフルカラー表
示に用いられる有機エレクトロルミネッセンス材料およ
びそれを用いた有機EL素子に関するものである。
【0002】
【従来の技術】有機エレクトロルミネッセンス素子は、
陽極から注入された正孔と陰極から注入された電子が蛍
光能を有する発光層内で再結合し、励起状態から失活す
る際に光を放射する現象を利用するものである。これら
の研究は有機化合物の高い蛍光量子収率と、多種多様に
設計可能な分子構造に着目したところに端を発したもの
であったが、その発光輝度、発光効率は低く、実用レベ
ルとは言えなかった。しかし、その後、タング(Tang)
とバンスリケ(Vanslyke)らは発光層のみの構成から、正
孔を輸送する能力に優れた材料(以下正孔輸送層とい
う)とを組み合わせた積層構造をとることにより、格段
にその性能が向上することを報告した(アプライド・フ
ィジックス・レター(Applied Physics Letter) 、51
巻、913ページ、1987年)。これを機に研究は正
孔を注入するためのみの役割をもった層(正孔注入
層)、電子を輸送するための役割をもった層(電子輸送
層)など完全に機能分離するという手法を基本としたも
のに集中され、各有機材料の高性能化も相まって表示装
置としての実用化が近くなってきている(以下、発光
層、電子輸送層、正孔輸送層、正孔注入層を総じて有機
機能層という。)。
【0003】最近では、緑色発光系としては正孔注入層
にスターバースト系アミンを用いることにより輝度10
万cd/m2 以上、発光効率10lm/W以上(月刊デ
ィスプレイ、1995年9月号)、連続駆動時における
輝度の半減寿命1万時間以上が報告されている。また、
青色発光を呈する有機エレクトロルミネッセンス素子と
しては、ジスチリルアリーレン誘導体を発光材料に用い
て輝度2万cd/m2以上、発光効率5lm/W、半減
寿命5千時間以上が報告されている(日本化学会第70
春季年会特別講演)。一方、赤色発光を呈する材料に関
する研究は、もともと有機化合物が無機半導体材料より
も広いバンドギャップをもつという特徴を有するため、
分子設計が容易でないこと、また、合成された物質の成
膜性が困難であったり、高純度化のための精製収率が悪
いなどの問題が発生するという理由などで実用レベルま
でには至っていない。このような背景の中で、赤色発光
ないし多色化を図る方法として、特開平3−15289
7に開示されたような試みがなされている。これは、有
機EL素子の前面に色変換層と呼ばれるフィルターを挿
入するものであり、このフィルターが有機EL素子から
の発光波長に吸収をもつと同時に蛍光を発するような特
性をもつものである。したがって、EL素子からの発光
がフィルターを透過する際に、その一部が色変換され、
赤色ないし多色発光として取り出されることになる。し
かし、この方法ではEL発光をフィルターで色変換する
ための量子収率に限界があるために、十分な発光効率が
得られないことや、フィルター使用によるコスト高を免
れることができないなどの問題があった。一方、赤色発
光を示すEL材料を開示した例として(1)特開平7−
288184に示されるようなフタロシアニン系化合
物、
【0004】
【化2】 [式中、Xは水素、Mはマグネシウム、リチウム、ナト
リウム、カルシウム、亜鉛、アルミニウム、ガリウムお
よびインジウムよりなる群から選択される。(Y)B
BがOまたは1であり、Bが1である場合に、Yは塩素
およびフッ素よりなる群から選択される。] (2)特開平7−166159に示される4−ヒドロキ
シアクリジン化合物、
【0005】
【化3】 [式中、Mは周期律表の2族、3族の金属] (3)特開平7−90259に示されるようなビオラン
ト類化合物、
【0006】
【化4】 [R1 ,R2 ,R3 ,R4 ,R5 ,R6 は独立に水素原
子、ハロゲン原子、低級アルキル基、低級アルコシ基、
フェニル基、ジアルキルアミノ基、ジフェニルアミノ基
を示す。]などを挙げることができる。これらの材料を
用いた赤色発光素子の構造を図2をもとに説明する。透
明絶縁支持基板(201)上に陽極として透明導電性薄
膜(202)を積層する。さらに、その上部に正孔輸送
層(203)、上記赤色発光層(204)、電子輸送層
(205)を積層し、最後に上部陰極層(206)を成
膜する。赤色発光層(204)は正孔および電子の注
入、輸送能力が低いため、正孔輸送層および電子輸送層
で挟持することにより高効率化を図ることができる。し
かし、上記赤色発光材料は蛍光の量子収率が低く、素子
内部に流れる電流量を増加させても約1000cd/m
2 程度の輝度でしか発光できず、実用性には欠けるもの
である。
【0007】フルカラー表示のための青色ないし白色発
光のための技術としてクマリン誘導体を用いた例とし
て、(4)特開平8−157815、(5)特開平7−
126330、(6)特開平7−188340に示され
るようなクマリン誘導体と特定構造を有する化合物との
混合材料、
【0008】
【化5】 [式中R1 〜R5 は独立に水素、フッ素、アルキル基、
アルコキシ基、ジアルキルアミノ基、アルカノイルオキ
シ基、アルキルオキシカルボニル基、アリール基、シア
ノ基、アルカノイル基またはトリフルオロメチル基から
選択され、Xは、OまたはNY(Yは水素、アルキル基
またはアリール基を示す)を示し、nは0、1または2
を示し、R6 は水素またはメチル基を示す。]を挙げる
ことができる。これらの有機材料を発光層として用いた
場合、安定な青色発光が得られ、さらに発光層に対し
て、緑色系、赤色系のドーパント材料を混入することで
白色発光が可能となる。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】上記従来技術におい
て、第一の問題点は、上記クマリン誘導体が青色発光を
呈し、さらに多色化、赤色化を図る場合には、別の赤色
材料を必要とすることである。この場合、前述(1)特
開平7−288184、(3)特開平7−90259、
(2)特開平7−166159などに記載の赤色発光用
材料や(4)特開平8−157815に記載された下記
の構造材料を使用することになる。
【0010】
【化6】
【0011】しかし、いずれの赤色発光材料を用いて
も、十分な輝度が得られず、多色化を試みた場合、色バ
ランス低下の要因となる。
【0012】第二の問題点は、成膜性の問題が挙げられ
る。上記クマリン誘導体は分子量50万程度の高分子で
あるため、通常の成膜法である抵抗加熱型の真空蒸着が
行えず、トルエン、アセトンなどの有機溶剤に溶解して
スピンコーティング法をとらざるをえない。回転数60
00rpm程度でコーティングした場合、薄膜の均一性
が真空蒸着法と比較して数%から数十%劣るだけでな
く、膜中に数ミクロン単位での欠陥が発生するおそれが
あり、ひいては有機EL素子の寿命をも短命化する要因
ともなる。
【0013】本発明は以上述べたような従来構造のクマ
リン誘導体を用いた多色化の技術問題点を克服するばか
りでなく、直接高輝度、高効率な橙色から赤色発光を呈
することが可能なクマリン誘導体を提供し、有機EL素
子でフルカラー化を実現することを目的とする。
【0014】
【課題を解決するための手段】前述の課題解決のために
本発明が提供する手段は、下記のようである。
【0015】1 下記一般式(1)で示されるクマリン
誘導体からなる有機エレクトロルミネッセンス材料。
【0016】
【化7】 [式中のR1 〜R4 はそれぞれ独立に水素原子、ハロゲ
ン原子、置換または未置換のアルキル基、置換または未
置換のアルコキシ基、置換または未置換のチオアルキル
基、置換または未置換のアリールオキシ基、置換または
未置換のアリールチオ基、置換または未置換の炭素環式
芳香族環基、置換または未置換の複素環式芳香族環基を
表す。]
【0017】2 一対の電極間に、少なくとも1層の発
光層を含む有機機能層を挟持した有機エレクトロルミネ
ッセンス素子において、前記有機機能層を構成する材料
が上記1記載の有機エレクトロルミネッセンス材料を含
有することを特徴とする有機エレクトロルミネッセンス
素子。
【0018】3 一対の電極間に、少なくとも1層の発
光層を含む有機機能層を挟持した有機エレクトロルミネ
ッセンス素子において、前記発光層が一般式(1)で示
される有機エレクトロルミネッセンス材料を含有する層
であることを特徴とする上記2記載の有機エレクトロル
ミネッセンス素子。
【0019】4 発光層が500nm〜550nmにE
Lスペクトルをもつ緑色発光材料および一般式(1)で
示される有機エレクトロルミネッセンス材料を含有する
層であることを特徴とする上記3記載の有機エレクトロ
ルミネッセンス素子。
【0020】5 発光層がキノリン系金属錯体および一
般式(1)で示される有機エレクトロルミネッセンス材
料を含有する層であることを特徴とする上記3記載の有
機エレクトロルミネッセンス素子。
【0021】6 一般式(1)で示される有機エレクト
リルミネッセンス材料をキノリン系金属錯体に対して、
0.001重量%〜50重量%の範囲で含有することを
特徴とする上記5記載の有機エレクトロルミネッセンス
素子。
【0022】
【発明の実施の形態】本発明で用いられる、クマリン誘
導体の具体例として、表1の化合物を挙げることができ
る。
【0023】
【表1】
【0024】
【表2】
【0025】本発明で使用する有機材料を用いた有機E
L素子の第一の特徴は、薄膜状態で、蛍光の量子収率が
従来の赤色材料と比較して高いために、高輝度・高効率
な赤色発光が得られる点である。さらに、本発明の第二
の特徴は、有機材料を用いることで、有機EL素子の長
寿命化が容易に図られる点にある。
【0026】有機EL素子の駆動による輝度劣化、発光
効率低下などの現象に対し、有機層/有機層界面での密
着性低下や有機層の膜均一性の欠如による局所的な電界
集中がその要因として大きく影響していると考えられて
いる、本発明の有機材料において、30cm×30cm
のガラス基板上に真空蒸着法を用いて成膜した場合、お
よそばらつき3%の範囲内で面内の均一性が保たれるこ
と、また、AFM(原子間力顕微鏡)観察においても異
物などの欠陥は発生しておらず、電界の集中による劣化
は観測されない。
【0027】本発明の第三の特徴として、有機材料がド
ーピング材としても作用する点が挙げられる。この現象
について図3を用いて詳細に説明する。有機EL素子に
電界を印加すると、素子内部にキャリア、すなわち、電
子307と正孔306が注入される。この両キャリアは
有機層内を移動し、発光層内の発光材料(ホスト材料)
308中で再結合する。さらに再結合した領域近傍にド
ーパント材309が存在し、かつ、発光材料のもつ励起
エネルギーにドーパント材料の吸収スペクトルが重なり
をもつ場合、エネルギー移動が起こり310、色変換が
可能となる。
【0028】この効果を従来の赤色発光材料で試みる
と、蛍光の量子収率が低いために、完全な色変換が困難
であり、発光層(ホスト)からの発光が若干含まれ、色
純度が劣悪化し、十分なものとは言えないものとなる。
一方、本発明で使用するクマリン誘導体は蛍光の量子収
率が高く、500nm付近に吸収極大をもつために、ド
ーピング材としても好適である。このことは、換言すれ
ば安定な緑色発光をもつ発光層(ホスト)の存在下、容
易に赤色発光への色変換ができることを示している。
【0029】本発明の赤色発光材料を用いた有機EL素
子の構成は、各種の態様があるが、基本的には一対の電
極(陽極と陰極)間に、発光層を挟持した構成とし、こ
れに必要に応じて正孔輸送層や電子輸送層を介在させれ
ばよい。具体的には、(1)陽極/発光層/陰極、
(2)陽極/正孔輸送層/発光層/陰極、(3)陽極/
正孔輸送層/電子輸送層/陰極、(4)陽極/正孔注入
層/正孔輸送層/発光層/発光層/陰極、(5)陽極/
正孔注入層/正孔輸送層/発光層/電子輸送層/陰極、
(6)陽極/正孔注入層/発光層/電子注入層/陰極な
どの構成を挙げることができる。また、前記構成の素子
においては、いずれも基板に支持されていることが好ま
しい。この基板については特に制限はなく、従来有機E
L素子に慣用されているもの、例えば、ガラス、透明プ
ラスチック、石英などからなるものを用いることができ
る。
【0030】次に、本発明の実施の形態について上記
(3)の構成を基に、図1を用いながら詳細に説明す
る。まず、支持基板101上に形成される陽極102と
しては仕事関数の大きな(4.1eV以上)金属、合
金、電気伝導性化合物およびこれらの混合物を材料とす
るものが好ましく用いられる。このような電極材料とし
ては、ITO,SnO2 ,ZnOなどの強誘電透明材料
が挙げられる。陽極102は、これらの電極材料を蒸着
やスパッタリングなどの方法により、薄膜を形成させて
作製することができる。この電極より発光を取り出す場
合、透過率を50%よりも大きくすることが望ましく、
また、電極としてのシート抵抗は数百Ω/□以下が好ま
しい。さらにその膜厚は、通常10nmないし1μm、
好ましくは、10nm〜200nmの範囲で選ばれる。
なお、このEL素子においては、陽極102または陰極
のいずれか一方が透明あるいは半透明であることが、E
Lからの発光取り出し効率を上げる意味で好都合であ
る。
【0031】次に、形成される正孔注入層103として
は、電界を与えられた2個の電極間に配置されて陽極か
ら正孔を注入し得る化合物であり、かつ陽極との密着性
のよい化合物が選択される。具体的には、陽極102の
イオン化ポテンシャルと正孔輸送層104のイオン化ポ
テンシャルとの中間の値(約4.9eV〜6.0eV)
を取り、かつ陽極102との付着力が碁盤目テープ法
(JIS Z1522)において室温条件下でテープに
より剥がれない程度(1300gf/24mm)の値を
とる必要がある。材料の具体例としては、フタロシアニ
ン誘導体、トリアミン誘導体、パラ−(9−アントリ
ル)−N,N−ジ−パラ−トリルアニリン(特開平3−
111485号公報などに記載のもの)、テトラメチル
−ビス(4−ジ−p−トリルアミノフェニル)−p−キ
シレン(特開平3−269084号公報などに記載のも
の)などが挙げられる。
【0032】一方、正孔輸入層104に用いられる化合
物としては、正孔を適切に発光層105へ伝達し得る材
料であって、例えば、104 〜106 V/cmの電界印
加時に少なくとも10-6cm2 /V・secの以上の正
孔移動度をもつものが好適である。このような材料につ
いて前記性能を有するものであれば特に制限はなく、電
子写真用材料で従来正孔伝達材料として慣用的に使用さ
れているもの、もしくはEL材料の正孔輸送材料として
公知のものの中から選択される。具体的には、トリアゾ
ール誘導体(米国特許第3,112,197号明細書記
載のもの)、オキサジアゾール誘導体(米国特許第3,
189,447号明細書などに記載のもの)、イミダゾ
ール誘導体(特公昭37−16096号などに記載のも
の)、ポリアリールアルカン誘導体(米国特許第3,6
15,402号明細書、同3,820,989号明細
書、同3,542,544号明細書、特開昭45−55
5号公報、同51−10983号公報、特開昭51−1
7105号公報、同56−4148号公報、同55−1
08667号公報、同55−156953号公報、同5
6−36656号公報などに記載のもの)、ピラゾリン
誘導体およびピラゾロン誘導体(米国特許第3,18
0,729号明細書、同4,278,746号明細書、
特開昭55−88064号公報、同55−88065号
公報、同49−105537号公報、同55−5108
6号公報、同56−80051号公報、同56−881
41号公報、 同57−45545号公報、同54−1
12637号公報、同55−74546号公報などに記
載のもの)、フェニレンジアミン誘導体(米国特許第
3,615,404号明細書、特公昭51−10105
号公報、同46−3712号公報、同47−25336
号公報、特開昭54−53435号公報、同54−11
0536号公報、同54−119925号公報などに記
載のもの)、アリールアミン誘導体(米国特許第3,5
67,450号明細書、同3,180,703号明細
書、同3,240,597号明細書、同3,658,5
20号明細書、同4,232,103号明細書、同4,
175,961号明細書、同4,012,376号明細
書、特公昭49−35702号公報、同39−2757
7号公報、特開昭55−144250号公報、同56−
119132号公報、同56−22437号公報、西独
特許第1,110,518号明細書などに記載のも
の)、アミノ置換カルコン誘導体(米国特許第3,52
6,501号明細書などに記載のもの)、オキサゾール
誘導体(米国特許第3,257,203号明細書などに
記載のもの)、スチリルアントラセン誘導体(特開昭5
6−46234号公報記載のもの)、フルオレノン誘導
体(特開昭54−110837号公報などに記載のも
の)、ヒドラゾン誘導体(米国特許第3,717,46
2号明細書、特開昭54−59143号公報明細書、同
55−52063号公報、同55−52064号公報、
同55−46760号公報、同57−11350号公
報、同57−148749号公報などに記載のもの)、
スチルベン誘導体(特開昭61−210363号公報、
同61−228451号公報、同61−14642号公
報、同61−72255号公報、同62−47646号
公報、同62−36674号公報、同62−10652
号公報、同62−30255号公報、同60−9344
5号公報、同60−94462号公報、同60−174
749号公報、同60−175052号公報などに記載
のもの)、ポリフィリン化合物(特開昭63−2956
95号公報などに記載のもの)、芳香族第三級アミン化
合物およびスチリルアミン化合物(米国特許第4,12
7,412号明細書、特開昭53−27033号公報、
同54−58445号公報、同54−149634号公
報、同54−64299号公報、同55−79450号
公報、同55−144250号公報、同56−1191
32号公報、同61−295558号公報、同61−9
8353号公報、同63−29695号公報などに記載
のもの)などを挙げることができる。
【0033】本発明の一般式(1)で表される発光材料
であるクマリン誘導体の合成方法は、目的とするクマリ
ン誘導体に相当するサリチルアルデヒド誘導体とピペリ
ジンとを反応させる方法、サリチルアルデヒド誘導体を
常法によりニトロ化、還元した後、特定の置換基を導入
する方法(例えば、西ら、染料と薬品、13巻、81ペ
ージ、1968年)などがあるがこれらに限定されるも
のではない。また、これらの反応において溶媒を使用す
ることが好ましく、具体的にはベンゼン、トルエン、キ
シレン、アニソール、クロロフォルム、四塩化炭素、
N,N’−ジメチルフォルムアミド、N−メチル−2−
ピロリドン、N,N’−ジメチルセトアミド、N,N’
−ジメチルスフォキシド、石油エーテル、リグロイン、
ヘキサン、ヘプタン、シクロヘキサンあるいはジオキサ
ンなどが挙げられる。さらに、発光層105は正孔輸送
層104から注入された正孔および陰極106から注入
された電子が再結合する場であるので、これらのキャリ
アが可能な限り再結合するために、構造上にキャリアト
ラップとなるような不純物を含有してはならない。これ
を避けるために上記方法にて合成した粗生成物を、再結
晶やトレインサブリメーション法を用いて純度99%以
上まで高める必要があるが、材料の融点よりも昇華点が
高い場合は再結晶法を用いた方が好都合である。
【0034】陰極106としては、仕事関数の小さい
(4eV以下)金属、合金、電気伝導性化合物およびこ
れらの混合物を電極物質として用いられる。このような
電極材料の具体例としては、ナトリウム、ナトリウム−
カリウム合金、マグネシウム、リチウム、マグネシウム
−インジウム合金、サマリウムなどのランタノイド系物
質、アルミニウム−リチウム合金などが挙げられる。こ
の陰極106は、これらの電極材料を蒸着やスパッタリ
ングなどの方法により、薄膜を形成させることにより作
製することができる。また、電極としてのシート抵抗は
数百Ω/mm以下が好ましく、膜厚は通常10nmない
し1μm、好ましくは、50〜200nmの範囲で選ば
れる。さらに、この陰極106の上部に封止層や保護層
など大気中の水分、酸素を遮断する役目を果たす機能層
があってもよい。
【0035】次に発光層の形成方法について説明する。
薄膜を形成する手段にはさまざまな方法を用いることが
可能であるが、均一で緻密な薄膜構造を得るため、気相
からの沈着により薄膜を形成する方法、すなわち蒸着法
を用いることが好ましい。
【0036】図4は蒸着法を用いた有機層形成の成膜装
置の一例である。この成膜製造装置は基板402を保持
する基板ホルダー401と、蒸着源404およびシャッ
ター403と、水晶振動子405とがベルジャー406
内に設置されてある。さらに、この蒸着源404は成膜
コントローラ407によって電流制御可能な電源408
に連結しており、この機構によって所望の蒸着速度、蒸
着膜厚を再現性よく得ることができる。実際の成膜にあ
ったては、ベルジャー406内の圧力を10-3Pa以下
になるまで減圧し、蒸着源404を用いて化合物の蒸気
圧が十分に高まるまで加熱する。意図する蒸着速度に達
したところで蒸着源404上にあるシャッター403を
開き、蒸着し、目的の膜厚に達した時点で、シャッター
403を閉じて作製を終了する。なお、これら一連の作
業は有機膜形成の一般的方法であり、発光層のみに適用
されるものではなく、正孔輸送層、陰極、正孔注入層、
電子輸送層などにも利用できる。
【0037】本発明の実施の第一の形態は発光層単層で
成膜するものである。蒸着源404にモリブデン、高純
度グラファファイト、BNなどの材料で加工されたるつ
ぼに材料を1mg以上10g以下を計り取り、上記の方
法により成膜する。ここで蒸着速度は蒸着構造を緻密化
するために、0.05〜1.5nm/sec程度、膜厚
は100nm以下が最適である。
【0038】第二の形態として本発明の発光材料を正孔
輸送層、正孔注入層として使用することが挙げられる。
このときの成膜方法、膜厚、成膜速度について上記内容
と同様の手法で可能であるが、発光層材料は青色〜赤色
までの広い範囲で選択される。
【0039】具体的には、テトラフェニルブタジエンな
どの芳香族化合物(特開昭57−51781号公報など
に記載のもの)、8−ヒドロキシキノリンなどの金属錯
体(特開昭59−194393号公報、米国特許第5,
151,629号明細書、米国特許第5,141,67
1号明細書などに記載のもの)、シクロペンタジエン誘
導体(特開平2−289675号公報などに記載のも
の)、ペリノン誘導体(特開平2028976号公報な
どに記載のもの)、オキサジアゾール誘導体(特開平2
−216791号公報などに記載のもの)、ビススチリ
ルベンゼン誘導体(特開平1−245087号公報など
に記載のもの)、ペリレン誘導体(特開平2−2898
90号公報などに記載のもの)、希土類錯体(特開平1
−25684号公報などに記載のもの)、ジスチリルピ
ラジン誘導体(特開平2−256584号公報などに記
載のもの)、p−フェニレン化合物(特開平3−331
83号公報などに記載のもの)、チアジアゾロピリジン
誘導体(特開平3−37292号公報などに記載のも
の)、ピロロピリジン誘導体(特開平3−37293号
公報などに記載のもの)、ナフチリジン誘導体(特開平
3−203982号公報などに記載のもの)などを挙げ
ることができる。
【0040】本発明の実施の第三の形態として、本発明
の赤色発光材料を他の発光材料との混合膜として用いる
素子がある。このとき選択される他の発光材料として
は、上記発光材料をそのまま用いることができるが、本
発明の材料がもつ吸収スペクトルの波長域に発光をもつ
材料であることが好ましい。具体的には、8−ヒドロキ
シキノリンの金属錯体などの500nm付近に発光をも
つ材料が最適である。また、混合比についてはドーピン
グ材料の発光ホスト材料に対する重量割合は0.001
%〜50%程度が素子の性能を引き出すために最適であ
る。これを超える濃度の場合、ドーピング材料がキャリ
アの輸送の阻害材として作用するため効率を低下させ、
この範囲未満の濃度の場合、エネルギー移動が十分に行
えず、これもまた効率を劣悪化せしめる。成膜方法につ
いては、上記手法において、2個の蒸着源404から同
時に別々に蒸着することが最適であり、本発明で用いる
材料の濃度が、その他の発光材料に対して、0.1mo
l%〜10mol%程度が再結合のバランスをとる意味
で最も好ましい。次に、本発明を合成例、実施例に基づ
いて説明する。
【0041】
【実施例】
合成例: 化合物No.4の合成 50mlのDMFを、氷浴を用いて20〜30℃に保
ち、液を攪拌しながら、POCl3 (25g)を滴下し
た。その後、混合物を室温で15分間攪拌した。そこ
に、4,6−ジメトキシサリチルアルデヒド(20g)
を最少量のDMFに溶解させた液を20〜30℃に液温
を保ちつつ攪拌しながら徐々に滴下した。その後混合物
を室温で30分攪拌した。この手順によって合成したサ
リチルアルデヒド誘導体3gを計り取り、これを1mo
lのジメチル−1,3−アセトンジカルボキシレートを
20mlの温めたアルコールとアセトニトリルの等量混
合物に溶解させた。さらに、ピペリジンを2〜4ml加
えた後加熱し、スチームバス上で2時間還流させ、反応
終了後放冷し合成物質を得た。合成した粗生成物はアセ
トニトリル−ピリジン混合物を用いて4回再結晶を行っ
た。また、精製された化合物の元素分析をした結果(表
2)、目的の化合物が生成されていることが確認でき
た。
【0042】
【表3】
【0043】実施例1 ITO付き白板ガラス(HOYA社製)を純水とイソプ
ロピルアルコールで、それぞれ超音波洗浄機で約40分
間洗浄した後、沸騰させたイソプロピルアルコール上で
乾燥させた。さらにUVオゾン洗浄装置でこの基板を1
0分間洗浄し、真空蒸着装置の基板ホルダーに取り付け
た。また、高純度グラファイト製のるつぼに発光材料で
ある前記化合物No.4を1g入れ、これを通電用端子
に取り付けた後、真空槽内を2×10-4Paまで排気し
た。そして、発光材料が入ったるつぼに通電し、0.2
〜0.3nm/secの蒸着速度で60nmの膜厚にあ
るまで蒸着した。次に真空槽を大気圧に戻し、支持基板
/ITO/No.4層の上部にステンレス製蒸着マスク
を取り付けた。そして、BN製ボートにアルミニウムを
3g入れ、通電用端子に取り付けた。同様に、タングス
テン製のフィラメントにLiを1g入れ、別の通電用端
子に取り付けた。真空槽を1×10-4Paまで排気した
後、アルミニウムの蒸着速度が0.2nm/secとな
るように通電し、同時にリチウムの蒸着速度が0.02
nm/secとなるよう別の蒸着電源を用いて通電し
た。両材料の蒸着速度が安定してきたところでシャッタ
ーを開放し、混合膜の膜厚が20nmとなったところで
リチウムの蒸着電源を止め、アルミニウム膜を170n
mの膜厚になるまで成膜した。真空槽を大気圧に戻し支
持基板/ITO/No.4/AlLi/AlよりなるE
L素子を作製した。この素子のITOを正極、アルミニ
ウム電極を負極とし、8V印加すると、電流が10mA
/cm2 流れ、輝度300cd/m2 の赤色発光を得
た。このときの発光効率は1.1ルーメン/ワット(1
m/W)であった。この素子を大気中で5000時間保
存し、非発光部面積の観測を行った結果、発光面積に対
する非発光部面積の割合は約9%であった。
【0044】実施例2 発光層として前記化合物No.4の代わりに前記化合物
No.5を使用する以外は実施例1と同様な方法により
支持基板/ITO/No.5/AlLi/Alからなる
EL素子を作成した。この素子をITOを正極、アルミ
ニウム電極を負極とし、10Vの電圧を印加すると、1
0mA/cm2の電流密度が素子に流れ、輝度150c
d/m2の赤色発光を得た。この素子を大気中で500
0時間保存し、非発光部面積の測定を行った結果、発光
面積に対する非発光部面積の割合は約5であった。
【0045】実施例3 発光層として前記化合物No.4の代わりに前記化合物
No.11を使用する以外は実施例1と同様な方法によ
り支持基板/ITO/No.11/AlLi/Alから
なるEL素子を作成した。この素子をITOを正極、ア
ルミニウム電極を負極とし、7Vの電圧を印加すると、
12mA/cm2の電流密度が素子に流れ、輝度450
cd/m2の赤色発光を得た。この素子を大気中で50
00時間保存し、非発光部面積の測定を行った結果、発
光面積に対する非発光部面積の割合は約12%であっ
た。
【0046】実施例4 発光層として前記化合物No.4の代わりに前記化合物
No.14を使用する以外は実施例1と同様な方法によ
り支持基板/ITO/No.14/AlLi/Alから
なるEL素子を作成した。この素子をITOを正極、ア
ルミニウム電極を負極とし、15Vの電圧を印加する
と、10mA/cm2の電流密度が素子に流れ、輝度1
00cd/m2の赤色発光を得た。この素子を大気中で
5000時間保存し、非発光部面積の測定を行った結
果、発光面積に対する非発光部面積の割合は約7%であ
った。
【0047】実施例5 発光層として前記化合物No.4の代わりに前記化合物
No.9を使用する以外は実施例1と同様な方法により
支持基板/ITO/No.9/AlLi/Alからなる
EL素子を作成した。この素子をITOを正極、アルミ
ニウム電極を負極とし、10Vの電圧を印加すると、2
5mA/cm2の電流密度が素子に流れ、輝度800c
d/m2の赤色発光を得た。この素子を大気中で500
0時間保存し、非発光部面積の測定を行った結果、発光
面積に対する非発光部面積の割合は約16%であった。
【0048】実施例6 実施例1と同様にして用意したITO付き白板ガラスを
蒸着機に装着した後、高純度グラファイト製のるつぼに
発光層として合成例で記述した化合物No.4を1g入
れ、別のるつぼに電子輸送材料として下記のビススチリ
ルアントラセン誘導体(BSA)を1g入れた。真空槽
を10-4Paまで排気した後、No.4が入ったるつぼ
に通電し、0.2〜0.3nm/secの蒸着速度で5
0nmの膜厚になるまで成膜した。続いてBSAが入っ
たるつぼに通電し、蒸着速度0.2〜0.4nmで膜厚
50nmになるまで成膜した。次に真空槽を大気圧に戻
し、支持基板/ITO/No.4層/BSA層の構造の
素子に実施例1の方法と同様な手法によって、陰極を形
成した。EL素子を蒸着機から取り出した後、実施例と
同様に通電を行った結果、電圧を6V印加したとき、1
0mA/cm2 の電流が流れ、輝度1000cd/m2
の黄色発光を得た。
【0049】
【化8】
【0050】実施例7 実施例1と同様に支持基板を洗浄後、装着装置に装着
し、高純度グラファイト製のるつぼに正孔輸送層として
下記のトリフェニルジアミン誘導体を1g入れ、別のる
つぼに発光ホスト材料として、BSAを1g入れた。さ
らに別のるつぼに発光ドーパント材として合成例で作製
した赤色発光材料(化合物No.4)を1g入れ、それ
ぞれ別の通電用端子に取り付けた。真空槽内を1×10
-4Paまで排気した後、トリフェニルジアミン誘導体が
入ったるつぼに通電し、0.2〜0.3nm/secの
蒸着速度で膜厚50nmになるまで成膜した。次に、B
SAおよび化合物No.4が入ったるつぼにそれぞれ通
電し、BSAが0.2〜0.3nm/sec、そして化
合物No.4が0.01〜0.02nm/secになる
ように電流を制御し、両者が安定となったところで同時
に蒸着を開始した。BSAの膜厚が20nm成膜された
段階で、化合物No.4の通電を止めて、BSAのみの
膜を引き続き30nm成膜した。こうして作製された支
持基板/ITO/トリフェニルジアミン誘導体/BSA
+化合物No.4/BSAの構造を有する素子にさらに
実施例1と同様な方法により、陰極を形成した。そし
て、実施例1と同様に通電試験を行った結果、印加電圧
5Vのときに、電流密度10mA/cm2 に相当する電
流が流れ、800cd/m2 の赤色発光が得られた(図
5)。この素子を窒素中で5mA/cm2 の電流密度で
駆動試験を行い、輝度の半減時間を測定すると約100
0時間であった。
【0051】
【化9】
【0052】実施例8〜12 発光ホスト材料を8−キノリノールアルミ錯体とした以
外は実施例7と同様な方法でEL素子を作製した。な
お、発光ホスト材料とドーパント材料との重量比を表3
のような条件下で作製した。これらの素子を実施例1と
同様に通電試験を行うと同時に窒素中で電流密度5mA
/cm2 の駆動条件で輝度の半減時間を観測した。その
結果、表3のようにこれら効率、駆動寿命に優れた素子
を得ることができた。
【0053】
【表4】
【0054】比較例 ドーパント材料の発光ホスト材料に対する重量比を60
%に設定した以外は実施例4〜8と同様な手法にて作製
したEL素子に通電試験を行った結果、電圧5V印加時
において電流密度2mA/cm2 に相当する電流が流
れ、輝度10cd/m2 に赤色発光が観測された。
【0055】
【発明の効果】以上説明したように、本発明の発光材料
を用いることによる第一の効果は有機EL素子のフルカ
ラー化実現のために必要不可欠な橙色から赤色の長波長
発光を高輝度かつ高効率に発することが可能となること
である。その理由は、本発明で用いる発光材料が緑色領
域(480〜550nm)に吸収をもち、かつ、橙色か
ら赤色までの範囲に高い量子収率をもって蛍光を示すた
めである。第二の効果は、本発明での材料を用いること
でEL素子の超寿命化を計れる点である。その理由は、
本発明の材料がドーピング材として極く僅かに存在する
ことにより橙色から赤色までの色変換が可能であり、こ
の僅かな存在はEL素子内部を移動するキャリアの阻害
となり得ないので、従来の緑色発光と同等の寿命をもつ
ことが可能になるからである。以上の理由から、本発明
の材料を用いたEL素子は、各種フルカラー表示装置の
発光素子として、有効な利用が期待される。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態の一例を示す斜視図であ
る。
【図2】従来の赤色発光EL素子の構造を示した斜視図
である。
【図3】色変換の原理を示すEL素子の模式的断面図で
ある。
【図4】本発明の素子の製造装置の構成の一例を示す模
式図である。
【図5】本発明のEL素子から放射された発光スペクト
ルの一例を示す図である。
【符号の説明】
101 支持基板 102 透明電極 103 正孔注入層 104 正孔輸送層 105 発光層 106 陰極 201 支持基板 202 透明電極 203 正孔輸送層 204 赤色発光層 205 電子輸送層 206 上部陰極 301 支持基板 302 透明電極 303 正孔輸送層 304 発光層 305 上部陰極 306 正孔 307 電子 308 発光ホストからの発光 309 ドーパント材料 310 ドーパントからの発光 401 基板ホルダー 402 基板 403 シャッター 404 蒸着源 405 水晶振動子 406 ベルジャー 407 成膜コントローラ 408 電源 409 リーク弁 410 排気系

Claims (6)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 下記一般式(1)で示されるクマリン誘
    導体からなる有機エレクトロルミネッセンス材料。 【化1】 [式中のR1 〜R4 はそれぞれ独立に水素原子、ハロゲ
    ン原子、置換または未置換のアルキル基、置換または未
    置換のアルコキシ基、置換または未置換のチオアルキル
    基、置換または未置換のアリールオキシ基、置換または
    未置換のアリールチオ基、置換または未置換の炭素環式
    芳香族環基、置換または未置換の複素環式芳香族環基を
    表す。]
  2. 【請求項2】 一対の電極間に、少なくとも1層の発光
    層を含む有機機能層を挟持した有機エレクトロルミネッ
    センス素子において、前記有機機能層を構成する材料が
    請求項1記載の有機エレクトロルミネッセンス材料を含
    有することを特徴とする有機エレクトロルミネッセンス
    素子。
  3. 【請求項3】 一対の電極間に、少なくとも1層の発光
    層を含む有機機能層を挟持した有機エレクトロルミネッ
    センス素子において、前記発光層が一般式(1)で示さ
    れる有機エレクトロルミネッセンス材料を含有する層で
    あることを特徴とする請求項2記載の有機エレクトロル
    ミネッセンス素子。
  4. 【請求項4】 発光層が500nm〜550nmにEL
    スペクトルをもつ緑色発光材料および一般式(1)で示
    される有機エレクトロルミネッセンス材料を含有する層
    であることを特徴とする請求項3記載の有機エレクトロ
    ルミネッセンス素子。
  5. 【請求項5】 発光層がキノリン系金属錯体および一般
    式(1)で示される有機エレクトロルミネッセンス材料
    を含有する層であることを特徴とする請求項3記載の有
    機エレクトロルミネッセンス素子。
  6. 【請求項6】 一般式(1)で示される有機エレクトリ
    ルミネッセンス材料をキノリン系金属錯体に対して、
    0.001重量%〜50重量%の範囲で含有することを
    特徴とする請求項5記載の有機エレクトロルミネッセン
    ス素子。
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