JP2008085363A - 白色系有機エレクトロルミネッセンス素子 - Google Patents

白色系有機エレクトロルミネッセンス素子 Download PDF

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Kenichi Fukuoka
賢一 福岡
Chishio Hosokawa
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Abstract

【課題】色変化が少ない白色系有機EL素子を提供する。
【解決手段】陽極2、ホスト材料と青色系ドーパントを含む青色系発光層5、青色系発光層と同一のホスト材料と黄色〜赤色系ドーパントを含む黄色〜赤色系発光層6及び陰極8をこの順序に積層して含み、青色系発光層5と黄色〜赤色系発光層6から発光層が構成される白色系有機エレクトロルミネッセンス素子1。発光層を2分割するタイプにおいて、発光層の発光領域が偏りやすい陽極2側の発光層を青色系発光層5とすることで、発光色が赤色に偏りがちな傾向を打ち消すことができる。従って、黄色〜赤色系発光層6の膜厚を厚くできるため色度変化が少ない。
【選択図】図1

Description

本発明は、白色系有機エレクトロルミネッセンス素子(以下、「有機EL素子」と略記する)に関する。
近年、白色系有機EL素子の開発は、モノカラー表示装置としての用途、バックライト等の照明用途及びカラーフィルターを使用したフルカラー表示装置等に使用できるため積極的に行われている。
白色系有機EL素子の色度変化は、製品としての品位を損なうだけではなく、例えばカラーフィルターと組み合わせたフルカラー表示ディスプレイでは色再現性の低下を引き起こす原因となるため、色度変化の少ない白色系有機EL素子が要求される。
有機ELにより白色発光を得る方法は数多く開示されている。これらの方法は、1種類の発光材料だけで白色を得るものは少なく、通常は2種類又は3種類の発光材料を一つの有機ELの中で、同時に発光させている。
3種類の発光材料を使用する場合は、光の三原色に対応する赤、青、緑の発光の組み合わせで白色にするが、色度制御が困難であり繰り返し再現性が悪いという問題があった。
2種類の発光材料を使用する場合は、青系とその補色となる黄色〜赤色系の発光材料を選択するが、黄色〜赤色系の発光が強くなることが多く、色度変化を引き起こし易い。
例えば、特開2001−52870の参考例1及び2に示されているように、従来の白色有機ELは青色が低下し易く、色度変化の問題点を有している。
また、青色系ドーパントと黄色〜赤色系ドーパントを同時にドープし、ドープ比を調整することでも、白色発光が得られるが、赤が強くなりやすいことに加え、青から赤へエネルギー移動し易いため、赤味を帯びた白色になりがちである。従って、白色を得るには、黄色〜赤色系ドーパントを非常に希薄にドープする必要があり、やはり再現性が難しいという問題があった。
さらに、発光層に隣接する正孔輸送層に、黄色〜赤色系材料をドーピングする方法がある。この方法では、正孔輸送層には電子が注入しにくいため、発光が偏りがちな黄色〜赤色系をドープしても強く赤が光らない。よって白色発光を得るための青色系発光と黄色〜赤色系発光のバランスを取りやすく、発光効率にも優れていて寿命も長いという長所がある。
しかし、エネルギー移動の距離依存性の問題から、連続駆動時や高温保存時の色度変化が大きいという重大な問題があった。
本発明者らの知見では、励起された赤色発光の分子は正孔輸送層側界面に集中しているため、劣化により電子とホールのバランスが崩れ、界面への集中度合いが例え僅かでも変化すると、青色発光はそれほど変化していないのに、赤色発光は大きく変化してしまうことが色度変化の原因である。
また、発光層を2分割するタイプにおいて、陽極側発光層を黄色〜赤色系発光層、陰極側を青色発光層とした積層型がある。
この場合、効率の面で優れているが、白色を得るためには黄色〜赤色系発光を押さえるため、黄色〜赤色系発光層を青色系発光層に比べて、膜厚を薄くしたり、ドープ濃度を薄くする必要があり、素子作製が難しくなっていた。
具体的には黄色〜赤色系発光層の膜厚を、1〜2nm程度にしなければ、白色発光とならないことが多かった。この膜厚は、通常の低分子系有機ELの分子サイズと同等レベルの薄さであることから制御が極めて難しいと言える。
本発明は上記課題に鑑み、色変化が少ない白色系有機EL素子を提供することを目的とする。
この課題を解決するために本発明者らは、発光層を2分割するタイプにおいて、発光層の発光領域が偏りやすい陽極側の発光層を青色系発光層とすることで、発光色が赤色に偏りがちな傾向を打ち消せることを見出し、本発明を完成させた。
本発明の第一の態様によれば、陽極と、
ホスト材料と青色系ドーパントを含む青色系発光層と、
青色系発光層と同一のホスト材料と黄色〜赤色系ドーパントを含む黄色〜赤色系発光層と、
陰極と、
をこの順序に積層して含み、
青色系発光層と黄色〜赤色系発光層から発光層が構成される白色系有機エレクトロルミネッセンス素子が提供される。
好ましくは、青色系発光層は酸化剤を含む。
好ましくは、陽極と青色系発光層の間に、第1の有機層を含み、第1の有機層は酸化剤を含む。
好ましくは、黄色〜赤色系発光層は還元剤を含む。
好ましくは、陰極と黄色〜赤色系発光層の間に、第2の有機層を含み、第2の有機層は還元剤を含む。
好ましくは、陽極及び/又は陰極に接して無機化合物層を含む。
好ましくは、ホスト材料は、スチリル誘導体、アントラセン誘導体又は芳香族アミンである。
好ましくは、スチリル誘導体は、ジスチリル誘導体、トリススチリル誘導体、テトラスチリル誘導体又はスチリルアミン誘導体である。
好ましくは、アントラセン誘導体は、フェニルアントラセン骨格を含有する化合物である。
好ましくは、芳香族アミンは、芳香族に置換された窒素原子を2、3又は4つ含有する化合物であり、さらに好ましくは、アルケニル基を少なくとも一つ含有する化合物である。
好ましくは、青色系ドーパントは、スチリルアミン、アミン置換スチリル化合物又は縮合芳香族環含有化合物より選択される少なくとも一種類の化合物である。
好ましくは、黄色〜赤色系ドーパントは、フルオランテン骨格を複数有する化合物である。
好ましくは、黄色〜赤色系ドーパントは、電子供与性基とフルオランテン骨格を含有する化合物である。
好ましくは、黄色〜赤色系ドーパントの蛍光ピーク波長は、540nm〜700nmである。
好ましくは、青色系発光層及び黄色〜赤色系発光層の膜厚は、5nm以上である。
本発明によれば、色変化が少ない白色系有機EL素子を提供することができる。
本発明では、陽極、青色系発光層、黄色〜赤色系発光層及び陰極がこの順序に積層していて、発光層が、青色系発光層及び黄色〜赤色系発光層の2層から構成されている。青色系発光層は陽極側に、黄色〜赤色系発光層は陰極側にあって、さらに、青色系発光層と黄色〜赤色系発光層のホスト材料は、同一物質である。
青色系発光層と黄色〜赤色系発光層の間には、他の層を介在させることができる。また、陽極と青色系発光層の間、又は黄色〜赤色系発光層と陰極の間に、他の有機層又は無機層を介在させることができる。
介在層は、電子及び正孔を輸送でき、透明なものであれば制限されない。好ましい例としては、酸化In、酸化Sn、酸化Zn、硫化Zn、硫化Cd、窒化Gaが挙げられる。
本発明の白色系有機EL素子の構成として、例えば
陽極/青系発光層/黄色〜赤色系発光層/陰極
陽極/正孔輸送層/青系発光層/黄色〜赤色系発光層/陰極
陽極/青系発光層/黄色〜赤色系発光層/電子輸送層/陰極
陽極/正孔輸送層/青系発光層/黄色〜赤色系発光層/電子輸送層/陰極
陽極/正孔注入層/正孔輸送層/青系発光層/黄色〜赤色系発光層/電子輸送層/陰極
陽極/正孔注入層/正孔輸送層/青系発光層/黄色〜赤色系発光層/電子輸送層/電子注入層/陰極
等があるが、青色系発光層が黄色〜赤色系発光層より陽極側に積層しているならば特に限定されるものではない。
図1は本発明の白色系有機EL素子の一実施形態の模式図である。
白色系有機EL素子1は、陽極2、正孔注入層(第一の有機層)3、正孔輸送層4、青色系発光層5、黄色〜赤色系発光層6、電子輸送層(第二の有機層)7及び陰極8を積層した構造を有している。
この白色系有機EL素子1は、発光層が青色系発光層5と黄色〜赤色系発光層6の二層積層のみからなる。
本発明の白色系有機EL素子において、陽極側が青色系発光層であるため、発光色が赤色に偏りがちな傾向を打ち消すことができる。従って、白色を得るために黄色〜赤色系発光を押さえる必要がなく、黄色〜赤色系発光層を青色系発光層に比べて、膜厚を薄くしたり、ドープ濃度を薄くする必要がない。その結果、黄色〜赤色系発光層の膜厚を従来より厚くできるため、色度変化が少ない。
また、青色系発光層と黄色〜赤色系発光層のホスト材料は、同一物質であるので、青色発光層が界面に発光が集中しにくく、界面の変動による影響を受け難い。
さらに、黄色〜赤色系発光層の膜厚が十分大きいので、界面の変動による影響を受け難い。
従って、本発明の白色系有機EL素子は色変化が少なく、特に、高温環境下や連続駆動時で色変化が生じにくいので、情報表示機器、車載表示機器、照明器具等に好適に使用できる。
以下、本発明の特徴的な部分である青色系発光層及び黄色〜赤色系発光層について中心に説明する。従って、その他の有機層、無機化合物層、陽極、陰極等の構成や製法については、一般的な構成を採ることができるため、簡単に説明する。
1.発光層
(1)青色系発光層
青系発光層はホスト材料と青色系ドーパントからなる。
ホスト材料は、スチリル誘導体、アントラセン誘導体又は芳香族アミンであることが好ましい。
スチリル誘導体は、ジスチリル誘導体、トリスチリル誘導体、テトラスチリル誘導体及びスチリルアミン誘導体の中から選ばれる少なくとも一種類であることが特に好ましい。
アントラセン誘導体は、フェニルアントラセン骨格を有する化合物であることが特に好ましい。
芳香族アミンは、芳香族置換された窒素原子を2〜4個有する化合物であることが好ましく、芳香族置換された窒素原子を2〜4個有し、かつアルケニル基を少なくとも一つ有する化合物が特に好ましい。
上記スチリル誘導体及びアントラセン誘導体としては、例えば下記一般式〔1〕〜〔5〕で示される化合物が、上記芳香族アミンとしては、例えば下記一般式〔6〕〜〔7〕で示される化合物が挙げられる。
Figure 2008085363
〔式中、R〜R10は、それぞれ独立に、水素原子、ハロゲン原子、シアノ基、ニトロ基、置換もしくは未置換の炭素原子数1〜20のアルキル基、置換もしくは未置換の炭素原子数1〜20のアルコキシ基、置換もしくは未置換の炭素原子数6〜30のアリールオキシ基、置換もしくは未置換の炭素原子数1〜20のアルキルチオ基、置換もしくは未置換の炭素原子数6〜30のアリールチオ基、置換もしくは未置換の炭素原子数7〜30のアリールアルキル基、未置換の炭素原子数5〜30の単環基、置換もしくは未置換の炭素原子数10〜30の縮合多環基又は置換もしくは未置換の炭素原子数5〜30の複素環基である。Ar及びArは、それぞれ独立に、置換もしくは未置換の炭素原子数6〜30のアリール基又は置換もしくは未置換のアルケニル基であり、置換基としては、置換もしくは未置換の炭素原子数1〜20のアルキル基、置換もしくは未置換の炭素原子数1〜20のアルコキシ基、置換もしくは未置換の炭素原子数6〜30のアリールオキシ基、置換もしくは未置換の炭素原子数1〜20のアルキルチオ基、置換もしくは未置換の炭素原子数6〜30のアリールチオ基、置換もしくは未置換の炭素原子数6〜30のアリールアルキル基、未置換の炭素原子数5〜30の単環基、置換もしくは未置換の炭素原子数10〜30の縮合多環基又は置換もしくは未置換の炭素原子数5〜30の複素環基である。〕
Figure 2008085363
〔式中、R〜R10は、それぞれ独立に、水素原子、ハロゲン原子、シアノ基、ニトロ基、置換もしくは未置換の炭素原子数1〜20のアルキル基、置換もしくは未置換の炭素原子数1〜20のアルコキシ基、置換もしくは未置換の炭素原子数6〜30のアリールオキシ基、置換もしくは未置換の炭素原子数1〜20のアルキルチオ基、置換もしくは未置換の炭素原子数6〜30のアリールチオ基、置換もしくは未置換の炭素原子数7〜30のアリールアルキル基、未置換の炭素原子数5〜30の単環基、置換もしくは未置換の炭素原子数10〜30の縮合多環基又は置換もしくは未置換の炭素原子数5〜30の複素環基である。Ar及びArは、それぞれ独立に、置換もしくは未置換の炭素原子数6〜30のアリール基又は置換もしくは未置換のアルケニル基であり、置換基としては、置換もしくは未置換の炭素原子数1〜20のアルキル基、置換もしくは未置換の炭素原子数1〜20のアルコキシ基、置換もしくは未置換の炭素原子数6〜30のアリールオキシ基、置換もしくは未置換の炭素原子数1〜20のアルキルチオ基、置換もしくは未置換の炭素原子数6〜30のアリールチオ基、置換もしくは未置換の炭素原子数6〜30のアリールアルキル基、未置換の炭素原子数5〜30の単環基、置換もしくは未置換の炭素原子数10〜30の縮合多環基、置換もしくは未置換の炭素原子数5〜30の複素環基又は置換もしくは未置換の炭素原子数4〜40のアルケニル基である。nは1〜3、mは1〜3、かつn+m≧2である。〕
Figure 2008085363
〔式中、R〜Rは、それぞれ独立に、水素原子、ハロゲン原子、シアノ基、ニトロ基、置換もしくは未置換の炭素原子数1〜20のアルキル基、置換もしくは未置換の炭素原子数1〜20のアルコキシ基、置換もしくは未置換の炭素原子数6〜30のアリールオキシ基、置換もしくは未置換の炭素原子数1〜20のアルキルチオ基、置換もしくは未置換の炭素原子数6〜30のアリールチオ基、置換もしくは未置換の炭素原子数7〜30のアリールアルキル基、未置換の炭素原子数5〜30の単環基、置換もしくは未置換の炭素原子数10〜30の縮合多環基又は置換もしくは未置換の炭素原子数5〜30の複素環基である。Ar及びArは、それぞれ独立に、置換もしくは未置換の炭素原子数6〜30のアリール基又は置換もしくは未置換のアルケニル基であり、置換基としては、置換もしくは未置換の炭素原子数1〜20のアルキル基、置換もしくは未置換の炭素原子数1〜20のアルコキシ基、置換もしくは未置換の炭素原子数6〜30のアリールオキシ基、置換もしくは未置換の炭素原子数1〜20のアルキルチオ基、置換もしくは未置換の炭素原子数6〜30のアリールチオ基、置換もしくは未置換の炭素原子数6〜30のアリールアルキル基、未置換の炭素原子数5〜30の単環基、置換もしくは未置換の炭素原子数10〜30の縮合多環基、置換もしくは未置換の炭素原子数5〜30の複素環基又は置換もしくは未置換の炭素原子数4〜40のアルケニル基である。〕
Figure 2008085363
〔式中、R11〜R20は、それぞれ独立に水素原子、アルケニル基、アルキル基、シクロアルキル基、アリール基、アルコキシル基、アリーロキシ基、アルキルアミノ基、アリールアミノ基又は置換してもよい複素環式基を示し、a及びbは、それぞれ1〜5の整数を示し、それらが2以上の場合、R11同士又はR12同士は、それぞれにおいて、同一でも異なっていてもよく、またR11同士又はR12同士が結合して環を形成していてもよいし、R13とR14、R15とR16、R17とR18、R19とR20がたがいに結合して環を形成していてもよい。Lは単結合又は−O−、−S−、−N(R)−(Rはアルキル基又は置換してもよいアリール基である)又はアリーレン基を示す。〕
Figure 2008085363
〔式中、R21〜R30は、それぞれ独立に水素原子、アルケニル基、アルキル基、シクロアルキル基、アリール基、アルコキシル基、アリーロキシ基、アルキルアミノ基、アリールアミノ基又は置換してもよい複数環式基を示し、c、d、e及びfは、それぞれ1〜5の整数を示し、それらが2以上の場合、R21同士、R22同士、R26同士又はR27同士は、それぞれにおいて、同一でも異なっていてもよく、またR21同士、R22同士、R26同士又はR27同士が結合して環を形成していてもよいし、R23とR24、R28とR29がたがいに結合して環を形成していてもよい。Lは単結合又は−O−、−S−、−N(R)−(Rはアルキル基又は置換してもよいアリール基である)又はアリーレン基を示す。〕
Figure 2008085363
〔式中、Ar、Ar及びArは、それぞれ独立に炭素原子数6〜40の置換若しくは無置換の一価の芳香族基を示し、それらの中の少なくとも一つはスチリル基を含んでいてもよく、gは1〜4の整数を示す。〕
Figure 2008085363
〔式中、Ar、Ar、Ar11、Ar13及びAr14は、それぞれ独立に炭素原子数6〜40の置換若しくは無置換の一価の芳香族基を示し、Ar10及びAr12は、それぞれ独立に炭素原子数6〜40の置換若しくは無置換の二価の芳香族基を示し、Ar〜Ar14の少なくとも一つはスチリル基又はスチリレン基を含んでいてもよく、h及びkはそれぞれ0〜2の整数、i及びjはそれぞれ0〜3の整数である。〕
青色系ドーパントは、スチリルアミン、アミン置換スチリル化合物及び縮合芳香族環含有化合物の中から選ばれる少なくとも一種類であることが好ましい。そのとき、青色系ドーパントは異なる複数の化合物から構成されていもよい。
上記スチリルアミン及びアミン置換スチリル化合物としては、例えば下記一般式〔8〕〜〔9〕で示される化合物が、上記縮合芳香族環含有化合物としては、例えば下記一般式〔10〕で示される化合物が挙げられる。
Figure 2008085363
〔式中、Ar、Ar及びArは、それぞれ独立に、炭素原子数6〜40の置換もしくは無置換の芳香族基を示し、それらの中の少なくとも一つはスチリル基を含み、pは1〜3の整数を示す。〕
Figure 2008085363
〔式中、Ar15及びAr16は、それぞれ独立に、炭素原子数6〜30のアリーレン基、E及びEは、それぞれ独立に、炭素原子数6〜30のアリール基もしくはアルキル基、水素原子又はシアノ基を示し、qは1〜3の整数を示す。U及び/又はVはアミノ基を含む置換基であり、該アミノ基がアリールアミノ基であると好ましい。〕
Figure 2008085363
〔式中、Aは炭素原子数1〜16のアルキル基もしくはアルコキシ基、炭素原子数6〜30の置換もしくは未置換のアリール基、炭素原子数6〜30の置換もしくは未置換のアルキルアミノ基、又は炭素原子数6〜30の置換もしくは未置換のアリールアミノ基、Bは炭素原子数10〜40の縮合芳香族環基を示し、rは1〜4の整数を示す。〕
(2)黄色〜赤色系発光層
黄色〜赤色系発光層はホスト材料と黄色〜赤色系ドーパントからなる。
ホスト材料は青色系発光層で使用するホスト材料と同一のものを使用する。異なるホスト材料を用いた場合は、色変化が大きくなるため好ましくない。
黄色〜赤色系ドーパントは、少なくとも一つのフルオランテン骨格又はペリレン骨格を有する蛍光性化合物が使用でき、例えば下記一般式〔11〕〜〔27〕で示される化合物が挙げられる。
Figure 2008085363
Figure 2008085363
Figure 2008085363
Figure 2008085363
Figure 2008085363
Figure 2008085363
Figure 2008085363
Figure 2008085363
Figure 2008085363
Figure 2008085363
Figure 2008085363
Figure 2008085363
Figure 2008085363
Figure 2008085363
Figure 2008085363
〔一般式〔11〕〜〔25〕式中、X〜X20は、それぞれ独立に、水素原子、直鎖、分岐もしくは環状の炭素原子数1〜20のアルキル基、直鎖、分岐もしくは環状の炭素原子数1〜20のアルコキシ基、置換もしくは無置換の炭素原子数6〜30のアリール基、置換もしくは無置換の炭素原子数6〜30のアリールオキシ基、置換もしくは無置換の炭素原子数6〜30のアリールアミノ基、置換もしくは無置換の炭素原子数1〜30のアルキルアミノ基、置換もしくは無置換の炭素原子数7〜30のアリールアルキルアミノ基又は置換もしくは無置換炭素原子数8〜30のアルケニル基であり、隣接する置換基及びX〜X20は結合して環状構造を形成していてもよい。隣接する置換基がアリール基の時は、置換基は同一であってもよい。〕
また、一般式〔11〕〜〔25〕式の化合物は、アミノ基又はアルケニル基を含有すると好ましい。
Figure 2008085363
Figure 2008085363
〔一般式〔26〕〜〔27〕式中、X21〜X24は、それぞれ独立に、炭素原子数1〜20のアルキル基、置換もしくは無置換の炭素原子数6〜30のアリール基であり、X21とX22及び/又はX23とX24は、炭素−炭素結合又は−O−、−S−を介して結合していてもよい。X25〜X36は、水素原子、直鎖、分岐もしくは環状の炭素原子数1〜20のアルキル基、直鎖、分岐もしくは環状の炭素原子数1〜20のアルコキシ基、置換もしくは無置換の炭素原子数6〜30のアリール基、置換もしくは無置換の炭素原子数6〜30のアリールオキシ基、置換もしくは無置換の炭素原子数6〜30のアリールアミノ基、置換もしくは無置換の炭素原子数1〜30のアルキルアミノ基、置換もしくは無置換の炭素原子数7〜30のアリールアルキルアミノ基又は置換もしくは無置換炭素原子数8〜30のアルケニル基であり、隣接する置換基及びX25〜X36は結合して環状構造を形成していてもよい。各式中の置換基X25〜X36の少なくとも一つがアミン又はアルケニル基を含有すると好ましい。〕
また、フルオランテン骨格を有する蛍光性化合物は、高効率及び長寿命を得るために電子供与性基を含有することが好ましく、好ましい電子供与性基は置換もしくは未置換のアリールアミノ基である。
さらに、フルオランテン骨格を有する蛍光性化合物は、縮合環数5以上が好ましく、6以上が特に好ましい。これは、蛍光性化合物が540〜700nmの蛍光ピーク波長を示し、青色系発光材料と蛍光性化合物からの発光が重なって白色を呈するからである。
上記の蛍光性化合物は、フルオランテン骨格を複数有すると、発光色が黄色から赤色領域となるため好ましい。特に好ましい蛍光性化合物は、電子供与性基とフルオランテン骨格又はペリレン骨格を有し、540〜700nmの蛍光ピーク波長を示すものである。
青色系発光層の膜厚は、好ましくは5〜30nm、より好ましくは7〜30nm、最も好ましくは10〜30nmである。5nm未満では発光層形成が困難となり、色度の調整が困難となる恐れがあり、30nmを超えると駆動電圧が上昇する恐れがある。
黄色〜赤色系発光層の膜厚は、好ましくは10〜50nm、より好ましくは20〜50nm、最も好ましくは30〜50nmである。10nm未満では発光効率が低下する恐れがあり、50nmを超えると駆動電圧が上昇する恐れがある。
2.他の有機層
(1)第一の有機層
陽極と青色系発光層の間に、第一の有機層として、正孔注入層、正孔輸送層又は有機半導体層等を設けることができる。
正孔注入層又は正孔輸送層は、発光層への正孔注入を助け、発光領域まで輸送する層であって、正孔移動度が大きく、イオン化エネルギーが通常5.5eV以下と小さい。正孔注入層はエネルギーレベルの急な変化を緩和する等、エネルギーレベルを調整するために設ける。このような正孔注入層又は正孔輸送層としてはより低い電界強度で正孔を発光層に輸送する材料が好ましく、さらに正孔の移動度が、例えば104〜106V/cmの電界印加時に、少なくとも10−6cm/V・秒であるものが好ましい。
正孔注入層又は正孔輸送層を形成する材料としては、前記の好ましい性質を有するものであれば特に制限はなく、従来、光導伝材料において正孔の電荷輸送材料として慣用されているものや、有機EL素子の正孔注入層に使用されている公知のものの中から任意のものを選択して用いることができる。
このような正孔注入層又は正孔輸送層の形成材料としては、具体的には、例えばトリアゾール誘導体(米国特許3,112,197号明細書等参照)、オキサジアゾール誘導体(米国特許3,189,447号明細書等参照)、イミダゾール誘導体(特公昭37−16096号公報等参照)、ポリアリールアルカン誘導体(米国特許3,615,402号明細書、同第3,820,989号明細書、同第3,542,544号明細書、特公昭45−555号公報、同51−10983号公報、特開昭51−93224号公報、同55−17105号公報、同56−4148号公報、同55−108667号公報、同55−156953号公報、同56−36656号公報等参照)、ピラゾリン誘導体およびピラゾロン誘導体(米国特許第3,180,729号明細書、同第4,278,746号明細書、特開昭55−88064号公報、同55−88065号公報、同49−105537号公報、同55−51086号公報、同56−80051号公報、同56−88141号公報、同57−45545号公報、同54−112637号公報、同55−74546号公報等参照)、フェニレンジアミン誘導体(米国特許第3,615,404号明細書、特公昭51−10105号公報、同46−3712号公報、同47−25336号公報、特開昭54−53435号公報、同54−110536号公報、同54−119925号公報等参照)、アリールアミン誘導体(米国特許第3,567,450号明細書、同第3,180,703号明細書、同第3,240,597号明細書、同第3,658,520号明細書、同第4,232,103号明細書、同第4,175,961号明細書、同第4,012,376号明細書、特公昭49−35702号公報、同39−27577号公報、特開昭55−144250号公報、同56−119132号公報、同56−22437号公報、西独特許第1,110,518号明細書等参照)、アミノ置換カルコン誘導体(米国特許第3,526,501号明細書等参照)、オキサゾール誘導体(米国特許第3,257,203号明細書等に開示のもの)、スチリルアントラセン誘導体(特開昭56−46234号公報等参照)、フルオレノン誘導体(特開昭54−110837号公報等参照)、ヒドラゾン誘導体(米国特許第3,717,462号明細書、特開昭54−59143号公報、同55−52063号公報、同55−52064号公報、同55−46760号公報、同55−85495号公報、同57−11350号公報、同57−148749号公報、特開平2−311591号公報等参照)、スチルベン誘導体(特開昭61−210363号公報、同第61−228451号公報、同61−14642号公報、同61−72255号公報、同62−47646号公報、同62−36674号公報、同62−10652号公報、同62−30255号公報、同60−93455号公報、同60−94462号公報、同60−174749号公報、同60−175052号公報等参照)、シラザン誘導体(米国特許第4,950,950号明細書)、ポリシラン系(特開平2−204996号公報)、アニリン系共重合体(特開平2−282263号公報)、特開平1−211399号公報に開示されている導電性高分子オリゴマー(特にチオフェンオリゴマー)等を挙げることができる。
正孔注入層又は正孔輸送層の材料としては、上記のものを使用することができるが、ポルフィリン化合物(特開昭63−2956965号公報等に開示のもの)、芳香族第三級アミン化合物およびスチリルアミン化合物(米国特許第4,127,412号明細書、特開昭53−27033号公報、同54−58445号公報、同54−149634号公報、同54−64299号公報、同55−79450号公報、同55−144250号公報、同56−119132号公報、同61−295558号公報、同61−98353号公報、同63−295695号公報等参照)、芳香族第三級アミン化合物を用いることもできる。また米国特許第5,061,569号に記載されている2個の縮合芳香族環を分子内に有する、例えば4,4’−ビス(N−(1−ナフチル)−N−フェニルアミノ)ビフェニル、また特開平4−308688号公報に記載されているトリフェニルアミンユニットが3つスターバースト型に連結された4,4’,4”−トリス(N−(3−メチルフェニル)−N−フェニルアミノ)トリフェニルアミン等を挙げることができる。さらに、発光層の材料として示した前述の芳香族ジメチリディン系化合物の他、p型Si、p型SiC等の無機化合物も正孔注入層又は正孔輸送層の材料として使用することができる。
この正孔注入層又は正孔輸送層は、上述した材料の1種または2種以上からなる一層で構成されてもよいし、また、正孔注入層又は正孔輸送層とは別種の化合物からなる正孔注入層又は正孔輸送層を積層したものであってもよい。
正孔注入層又は正孔輸送層の膜厚は、特に限定されないが、好ましくは、20〜200nmである。
有機半導体層は、発光層への正孔注入または電子注入を助ける層であって、10-10S/cm以上の導電率を有するものが好適である。このような有機半導体層の材料としては、含チオフェンオリゴマーや特開平8−193191号公報に記載の含アリールアミンオリゴマー等の導電性オリゴマー、含アリールアミンデンドリマー等の導電性デンドリマー等を用いることができる。
有機半導体層の膜厚は、特に限定されないが、好ましくは、10〜1,000nmである。
(2)第二の有機層
陰極と黄色〜赤色系発光層の間に、第二の有機層として、電子注入層又は電子輸送層等を設けることができる。
電子注入層又は電子輸送層は、発光層への電子の注入を助ける層であって、電子移動度が大きい。電子注入層はエネルギーレベルの急な変化を緩和する等、エネルギーレベルを調整するために設ける。
電子注入層又は電子輸送層に用いられる材料としては、8−ヒドロキシキノリン又はその誘導体の金属錯体が好適である。上記8−ヒドロキシキノリン又はその誘導体の金属錯体の具体例としては、オキシン(一般に8−キノリノール又は8−ヒドロキシキノリン)のキレートを含む金属キレートオキシノイド化合物、例えばトリス(8−キノリノール)アルミニウムを用いることができる。そして、オキサジアゾール誘導体としては、下記一般式[28]〜[30]
Figure 2008085363
(式中、Ar17、Ar18、Ar19、Ar21、Ar22及びAr25は、それぞれ置換基を有する若しくは有しないアリール基を示し、Ar17とAr18、Ar19とAr21、Ar22とAr25は、たがいに同一でも異なっていてもよい。Ar20、Ar23及びAr24は、それぞれ置換基を有する若しくは有しないアリーレン基を示し、Ar23とAr24は、たがいに同一でも異なっていてもよい。)で表される電子伝達化合物が挙げられる。これら一般式[28]〜[30]におけるアリール基としては、フェニル基、ビフェニル基、アントラニル基、ペリレニル基、ピレニル基などが挙げられる。また、アリーレン基としては、フェニレン基、ナフチレン基、ビフェニレン基、アントラニレン基、ペリレニレン基、ピレニレン基などが挙げられる。そして、これらへの置換基としては炭素数1〜10のアルキル基、炭素数1〜10のアルコキシ基またはシアノ基等が挙げられる。この電子伝達化合物は、薄膜形成性の良好なものが好ましく用いられる。そして、これら電子伝達性化合物の具体例としては、下記のものを挙げることができる。
Figure 2008085363
電子注入層又は電子輸送層の膜厚は、特に限定されないが、好ましくは、1〜100nmである。
陽極に最も近い有機層である青色系発光層又は第一の有機層が、酸化剤を含有していることが好ましい。発光層又は第一の有機層に含有される好ましい酸化剤は、電子吸引性又は電子アクセプターである。
好ましくはルイス酸、各種キノン誘導体、ジシアノキノジメタン誘導体、芳香族アミンとルイス酸で形成された塩類である。特に好ましいルイス酸は、塩化鉄、塩化アンチモン、塩化アルミニウム等である。
陰極に最も近い有機層である黄色〜赤色系発光層又は第二の有機層が、還元剤を含有していることが好ましい。好ましい還元剤は、アルカリ金属、アルカリ土類金属、アルカリ金属酸化物、アルカリ土類酸化物、希土類酸化物、アルカリ金属ハロゲン化物、アルカリ土類ハロゲン化物、希土類ハロゲン化物、アルカリ金属と芳香族化合物で形成される錯体である。特に好ましいアルカリ金属はCs、Li、Na、Kである。
3.無機化合物層
陽極及び/又は陰極に接して無機化合物層を有していてもよい。無機化合物層は、付着改善層として機能する。
無機化合物層に使用される好ましい無機化合物としては、アルカリ金属酸化物、アルカリ土類酸化物、希土類酸化物、アルカリ金属ハロゲン化物、アルカリ土類ハロゲン化物、希土類ハロゲン化物、SiO、AlO、SiN、SiON、AlON、GeO、LiO、LiON、TiO、TiON、TaO、TaON、TaN、C等各種酸化物、窒化物、酸化窒化物である。
特に陽極に接する層の成分としては、SiO、AlO、SiN、SiON、AlON、GeO、Cが安定な注入界面層を形成して好ましい。
また、特に陰極に接する層の成分としては、LiF、MgF、CaF、MgF、NaFが好ましい。
無機化合物層の膜厚は、特に限定されないが、好ましくは、0.1nm〜100nmである。
発光層を含む各有機層及び無機化合物層を形成する方法は、特に限定されないが、例えば、蒸着法、スピンコート法、キャスト法、LB法等の公知の方法を適用することができる。また、得られる有機EL素子の特性が均一となり、また、製造時間が短縮できることから、電子注入層と発光層とは同一方法で形成することが好ましく、例えば、電子注入層を蒸着法で製膜する場合には、発光層も蒸着法で製膜することが好ましい。
4.電極
陽極としては、仕事関数の大きい(例えば、4.0eV以上)金属、合金、電気伝導性化合物又はこれらの混合物を使用することが好ましい。具体的には、インジウムチンオキサイド(ITO)、インジウムジンクオキサイド、スズ、酸化亜鉛、金、白金、パラジウム等の1種を単独で、又は2種以上を組み合わせて使用することができる。
また、陽極の厚さも特に制限されるものではないが、10〜1,000nmの範囲内の値とするのが好ましく、10〜200nmの範囲内の値とするのがより好ましい。
陰極には、仕事関数の小さい(例えば、4.0eV未満)金属、合金、電気電導性化合物又はこれらの混合物を使用することが好ましい。具体的には、マグネシウム、アルミニウム、インジウム、リチウム、ナトリウム、銀等の1種を単独で、又は2種以上を組み合わせて使用することができる。また陰極の厚さも特に制限されるものではないが、10〜1000nmの範囲内の値とするのが好ましく、10〜200nmの範囲内の値とするのがより好ましい。
陽極又は陰極の少なくとも一方は、発光層から放射された光を外部に有効に取り出すことが出来るように、実質的に透明、より具体的には、光透過率が10%以上の値であることが好ましい。
電極は、真空蒸着法、スパッタリング法、イオンプレーティング法、電子ビーム蒸着法、CVD法、MOCVD法、プラズマCVD法等により製造できる。
以下、本発明の実施例を説明するが、本発明はこれらの実施例によって限定されるものではない。
なお、各例で得られた有機EL素子の評価は下記の通りである。
(1)初期性能:CIE1931色度座標にて色度を測定し評価した。
(2)寿命:初期輝度1000cd/mで定電流駆動し、輝度の半減期、及び色度の変化で評価した。
(3)耐熱性:105℃にて保存試験を実施し、500時間後の色度変化で評価した。L/J変化は、輝度Lと電流密度Jの比で表される初期のL/Jを、1としたときの変化である。
実施例1
(有機EL素子の形成)
25mm×75mm×1.1mm厚のITO透明電極(陽極)付きガラス基板(ジオマティック社製)をイソプロピルアルコール中で超音波洗浄を5分間行なった後、UVオゾン洗浄を30分間行なった。
洗浄後の透明電極ライン付きガラス基板を真空蒸着装置の基板ホルダーに装着し、まず透明電極ラインが形成されている側の面上に前記透明電極を覆うようにして膜厚60nmのN,N’−ビス(N,N’−ジフェニル−4−アミノフェニル)−N,N−ジフェニル−4,4’−ジアミノ−1,1’−ビフェニル膜(以下「TPD232膜」と略記する)を成膜した。このTPD232膜は、正孔注入層として機能する。
TPD232膜の成膜に続けて、このTPD232膜上に膜厚20nmの4,4’−ビス[N−(1−ナフチル)−N−フェニルアミノ]ビフェニル膜(以下「NPD膜」と略記する)を成膜した。このNPD膜は正孔輸送層として機能する。
さらに、NPD膜の成膜に続けて、膜厚10nmにて式〔31〕で示されるスチリル誘導体DPVPDANと、式〔32〕で示されるB1を40:1の重量比で蒸着し成膜し、青色系発光層とした。
次いで、30nmにてスチリル誘導体DPVPDANと式〔33〕で示されるR1(蛍光ピーク波長545nm)を40:1の重量比で蒸着し成膜し、黄色〜赤色系発光層とした。
この膜上に、電子輸送層として膜厚10nmのトリス(8−キノリノール)アルミニウム膜(以下「Alq膜」と略記する。)を成膜した。
この後、Li(Li源:サエスゲッター社製)とAlqを二元蒸着させ、電子注入層としてAlq:Li膜を10nm形成した。
このAlq:Li膜上に金属Alを150nm蒸着させ金属陰極を形成し有機EL発光素子を形成した。
Figure 2008085363
Figure 2008085363
Figure 2008085363
(有機EL素子の性能評価)
この素子は直流電圧5Vで発光輝度100cd/m、効率7cd/A最大発光輝度11万cd/mの白色発光が得られた。本材料で作製した素子はCIE1931色度座標にて(x,y)=(0.282,0.281)であり白色と確認された。
この素子を初期輝度1000cd/mで定電流駆動したところ寿命は1万時間であり優れていた。
また、105℃にて保存試験を実施したところ、500時間後での色度は(0.278,0.271)であり、試験前後での色差は(−0.004,−0.010)であり優れていることが確認できた。
実施例1及び下記の比較例1〜3で得られた有機EL素子の初期性能、寿命及び耐熱性の測定結果を表1に示す。
この表から明らかなように、本実施例の有機EL素子は、寿命が長く耐熱性が高く、色変化が少なかった。
比較例1
実施例1と同様に素子を作製した。ただし、NPD膜の上に、10nmにてスチリル誘導体DPVDPANと化合物(R1)を100:1の重量比で蒸着し黄色〜赤色系発光層とし、さらに膜厚10nmにてスチリル誘導体DPVDPANと化合物(B1)を40:1の重量比で蒸着し成膜し、青色系発光層とした。しかし、色度が(0.417,0.436)となり、白色ではなく、黄色発光となった。105℃保存試験を実施したが、実施例1に比べて色度変化が極めて大きかった。
比較例2
実施例1と同様に素子を作製した。ただし、NPD膜の上に、5nmにてスチリル誘導体DPVDPANと化合物(R1)を300:1の重量比で蒸着し黄色〜赤色系発光層とし、さらに膜厚38nmにてスチリル誘導体DPVDPANと化合物(B1)を40:1の重量比で蒸着し成膜し、青色系発光層とした。色度が(0.321,0.341)となり、良好な白色が得られた。しかし、105℃保存試験において、実施例1に比べて色度変化が大きくなった。
比較例3
実施例1と同様に素子作製をした。ただし、正孔輸送層としてNPDと同時に(R1)を40:1の割合でドーピングした。さらに、発光層を青色系発光層のみとし、青色系発光層の膜厚を40nmとした。
Figure 2008085363
本発明の一実施形態にかかる白色系有機EL素子の模式図である。
符号の説明
1 白色系有機EL素子
2 陽極
3 正孔注入層(第1の有機層)
4 正孔輸送層
5 青色系発光層
6 黄色〜赤色系発光層
7 電子輸送層(第2の有機層)
8 陰極

Claims (16)

  1. 陽極と、
    ホスト材料と青色系ドーパントを含む青色系発光層と、
    前記青色系発光層と同一のホスト材料と黄色〜赤色系ドーパントを含む黄色〜赤色系発光層と、
    陰極と、
    をこの順序に積層して含み、
    前記青色系発光層と前記黄色〜赤色系発光層から発光層が構成される白色系有機エレクトロルミネッセンス素子。
  2. 前記青色系発光層が酸化剤を含む請求項1記載の白色系有機エレクトロルミネッセンス素子。
  3. さらに、前記陽極と前記青色系発光層の間に、第1の有機層を含み、前記第1の有機層が酸化剤を含む請求項1記載の白色系有機エレクトロルミネッセンス素子。
  4. 前記黄色〜赤色系発光層が還元剤を含む請求項1〜3のいずれか一項に記載の白色系有機エレクトロルミネッセンス素子。
  5. さらに、前記陰極と前記黄色〜赤色系発光層の間に、第2の有機層を含み、前記第2の有機層が還元剤を含む請求項1〜3のいずれか一項に記載の白色系有機エレクトロルミネッセンス素子。
  6. さらに、前記陽極及び/又は前記陰極に接して無機化合物層を含む請求項1〜5のいずれか一項に記載の白色系有機エレクトロルミネッセンス素子。
  7. 前記ホスト材料が、スチリル誘導体、アントラセン誘導体又は芳香族アミンである請求項1〜6のいずれか一項に記載の白色系有機エレクトロルミネッセンス素子。
  8. 前記スチリル誘導体が、ジスチリル誘導体、トリススチリル誘導体、テトラスチリル誘導体又はスチリルアミン誘導体である請求項7記載の白色系有機エレクトロルミネッセンス素子。
  9. 前記アントラセン誘導体が、フェニルアントラセン骨格を含有する化合物である請求項7記載の白色系有機エレクトロルミネッセンス素子。
  10. 前記芳香族アミンが、芳香族に置換された窒素原子を2、3又は4つ含有する化合物である請求項7記載の白色系有機エレクトロルミネッセンス素子。
  11. 前記芳香族アミンが、さらにアルケニル基を少なくとも一つ含有する化合物である請求項10記載の白色系有機エレクトロルミネッセンス素子。
  12. 前記青色系ドーパントが、スチリルアミン、アミン置換スチリル化合物又は縮合芳香族環含有化合物より選択される少なくとも一種類の化合物である請求項1〜11のいずれか一項に記載の白色系有機エレクトロルミネッセンス素子。
  13. 前記黄色〜赤色系ドーパントが、フルオランテン骨格を複数有する化合物である請求項1〜12のいずれか一項に記載の白色系有機エレクトロルミネッセンス素子。
  14. 前記黄色〜赤色系ドーパントが、電子供与性基とフルオランテン骨格を含有する化合物である請求項1〜13のいずれか一項に記載の白色系有機エレクトロルミネッセンス素子。
  15. 前記黄色〜赤色系ドーパントの蛍光ピーク波長が、540nm〜700nmである請求項1〜14のいずれか一項に記載の白色系有機エレクトロルミネッセンス素子。
  16. 前記青色系発光層及び前記黄色〜赤色系発光層の膜厚が、5nm以上である請求項1〜15のいずれか一項に記載の白色系有機エレクトロルミネッセンス素子。
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