JP2927286B1 - 圧電アクチュエータ及びその製造方法 - Google Patents

圧電アクチュエータ及びその製造方法

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JP2927286B1 JP2461098A JP2461098A JP2927286B1 JP 2927286 B1 JP2927286 B1 JP 2927286B1 JP 2461098 A JP2461098 A JP 2461098A JP 2461098 A JP2461098 A JP 2461098A JP 2927286 B1 JP2927286 B1 JP 2927286B1
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Abstract

【要約】 【課題】 強度や信頼性が高く、出力変位を高効率かつ
高安定に発生可能で、生産性を向上させる圧電アクチュ
エータを提供する。 【解決手段】 表面に電極ペーストを塗布して内部電極
4を形成したグリーンシートを積層し、一体焼結した後
に、複数の溝7をサンドブラスト加工して駆動柱8を形
成した。駆動柱8の横断面形状は、溝7の深さ方向に広
がるテーパ形状とした。また、変位出力面1は、活性領
域6と不活性領域5の境界に絞り49を有し、外部電極
取り出し面9に向かって幅が広がる平面形状とした。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、圧電アクチュエー
タとその製造方法に関し、更に詳しくは、プリンタ、フ
ァクシミリ、複写機等に搭載されるインクジェット方式
記録装置に用いられ、強度や信頼性が高い圧電アクチュ
エータとその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】インクジェット式のプリンタ(以下、イ
ンクジェット記録装置と言う)では、インクを噴射する
インクジェットヘッドに、圧電アクチュエータが用いら
れていることが多い。インクジェットヘッドに用いる従
来の圧電アクチュエータは、例えば特開平8−1562
72号公報や特開平8−118623号公報で開示され
ている。以下、特開平8−156272号公報を引用
し、図面を参照して、従来の圧電アクチュエータを説明
する。図13(a)及び(b)は、それぞれ、従来の圧
電アクチュエータを製造する工程毎の斜視図である。従
来の圧電アクチュエータ36を製造するには、まず、基
板14上に形成した電極用パタン26、27に沿って、
積層型の圧電素子プレート28を接合する(図13
(a)参照)。次いで、圧電素子プレート28と基板1
4の表面部とに、圧電素子プレート28の長手方向と直
交する所定ピッチのスリット加工を施して、複数の積層
型圧電素子(駆動柱)29、30からなる圧電素子列3
1を形成し、電極用パタン26、27を各積層型圧電素
子29に対応する個別電極33に分断する(図13
(b)参照)。
【0003】各圧電素子列31の圧電素子29、30の
両端面には、内部電極を1層おきに相互接続した端面電
極(外部電極)を設ける。一方の端面の外部電極を基板
14上の内部電極である共通電極32に、他方の端面電
極を基板14上の内部電極である個別電極33に、それ
ぞれ導電性材料を介して接続する。更に、基板14上の
圧電素子29、30の周囲に、上面高さが圧電素子2
9、30とほぼ同一になる支持部材34を接合する。積
層型圧電素子29、30は、圧電縦効果によって積層方
向と同一方向の変位を出力する。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】図12(a)から
(c)は、それぞれ、上述の圧電素子プレート28を基
板14とともに切り出した状態を示す斜視図、平面図、
及び側面図である。従来では、圧電素子プレート28の
長手方向と直交する方向にスリット状の溝37を加工
し、複数の圧電素子を形成する。各圧電素子29、30
は、平面図では細長い長方形であり、それに対応して形
成される圧力室は長細形状となる。ここで、各圧電素子
29、30の変位出力面36aは、内部電極である共通
電極32及び個別電極33の層が交差した活性領域36
bと、共通電極32や個別電極33の層のみが積層さ
れ、外部電源に接続される圧電アクチュエータ側面に至
る不活性領域36cとを有する。
【0005】活性領域36bで生じた出力変位は、不活
性領域36cで拘束されるため、出力変位が減少した
り、不安定になる等の問題がある。また、スリット状の
溝37は薄型切断ブレードを用いたダイシング加工で形
成するため、断面形状は概略矩形の形状であり、溝底面
の角部、すなわち各圧電素子29、30の根本部でクラ
ックや折切が生じやすい。さらに、溝加工や外部電極の
形成に高コストを要するため、圧電アクチュエータがコ
スト高になる製造上の問題もある。
【0006】以上のような事情に照らして、駆動柱の変
位出力面や断面を長方形や矩形形状とせずに、絞りやテ
ーパを有する形状に構成することで、駆動柱の強度や信
頼性を向上し、出力変位を高効率かつ高安定に発生でき
るインクジェット記録装置用の圧電アクチュエータを実
現する必要がある。また、圧電素子を分離形成するスリ
ット状の溝加工や外部電極の加工コストを軽減し、生産
性に優れた圧電アクチュエータを実現する必要もある。
すなわち、本発明の目的は、強度や信頼性が高く、出力
変位を高効率かつ高安定に発生可能で、生産性を向上さ
せる圧電アクチュエータを提供することである。
【0007】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、本発明に係る圧電アクチュエータは、それぞれ、溝
を介して並列に基板上に配置され、かつ、圧電式駆動機
構として機能する複数個の駆動柱を備え、駆動柱が、圧
電材料グリーンシートを介して交互に積層された共通電
極層及び個別電極層の積層電極構造からなる活性領域を
駆動柱横断面の溝方向中央領域に有し、かつ活性領域の
圧電効果により外部に変位出力する変位出力面を基板と
反対側の駆動柱上端面に有する、圧電アクチュエータに
おいて、各駆動柱は、溝幅方向の柱幅が変位出力面から
基板に向けて拡幅しており、駆動柱の横断面形状は、溝
に沿った略長細形であって、活性領域となる駆動柱の長
手方向中央部が最も幅が狭く、かつ、中央部に連続して
不活性領域となる駆動柱の端部領域が長手方向端縁に向
けて拡幅していることを特徴としている。共通電極層と
は、共通の電位が印加される電極である。個別電極層と
は、各々異なる電位が印加される電極である。本発明に
より、駆動柱の断面形状が矩形である従来の圧電アクチ
ュエータと比較して、駆動柱根本部の強度を高めること
ができ、駆動柱の耐折切強度を向上できる。さらに、変
位発生方向の変位のばらつきを軽減でき、出力変位を安
定化できる効果もある。また、変位出力面全体が長方形
の場合と比較して、活性領域の面積を低減でき、駆動柱
1本当たりの静電容量が相対的に軽減され、必要変位を
より少ない消費電力で出力できるようになる。また、外
部電極取り出し部の面積を相対的に増大でき、電気的接
続を容易に行うことができる。従って、本発明に係る圧
電アクチュエータ、およびそれを搭載したインクジェッ
ト方式記録装置の製造コストを低減できる。
【0008】好適には、駆動柱横断面の溝方向の端部領
域は、一方が共通電極層のみの積層共通電極層、他方が
個別電極層のみの積層個別電極層として形成され、それ
ぞれ、不活性領域として機能する。
【0009】上記目的を達成するために、本発明に係る
別の圧電アクチュエータは、それぞれ、溝を介して並列
に基板上に配置され、かつ、圧電式駆動機構として機能
する複数個の駆動柱を備え、駆動柱が、圧電材料グリー
ンシートを介して交互に積層された共通電極層及び個別
電極層の積層電極構造からなる活性領域を駆動柱横断面
の溝方向中央領域に有し、かつ活性領域の圧電効果によ
り外部に変位出力する変位出力面を基板と反対側の駆動
柱上端面に有する、圧電アクチュエータにおいて、各駆
動柱は、溝幅方向の柱幅が変位出力面から基板に向けて
拡幅しており、駆動柱の横断面形状は、活性領域と不活
性領域との境界で絞りを有することを特徴とするとして
いる。本発明で、絞りは、内部電極が電気的に導通し、
強度的には変位出力時の変形に耐える形状であればよ
い。これにより、活性領域での出力変位が不活性領域で
拘束されにくくなり、出力変位を高効率で発生できる効
果が得られる。
【0010】また、好適には、各駆動柱の共通電極層及
び個別電極層は、それぞれ、溝方向に沿った一方の端部
で外部電源と電気的に接続し、かつ、共通電極層は、溝
方向に沿った他方の端部で電気的に接続している。これ
により、各駆動柱の一方の端部側である圧電アクチュエ
ータの一方の側面で、共通電極同士、及び、個別電極を
導通するように構成することが可能になる。よって、個
別電極端部が露出した側面に共通電極端部を露出させ、
共通電極及び個別電極の双方をそれぞれ電気接続するこ
とができ、共通電極取り出し用と個別電極取り出し用の
外部電極とを駆動柱の長手方向の一方の端部にのみ形成
すればよく、両端部に形成する必要はない。このような
圧電アクチュエータの一例としては、各駆動柱の一方の
端部は、溝に直交する方向の連結壁に連結され、かつ、
駆動柱連結壁内で、共通電極層の各端部が相互に電気的
に接続するパタンである。これにより、外部電極の形成
にかかるコストが半減され、低コストの圧電アクチュエ
ータを実現できる。
【0011】更に好適には、各駆動柱の一方の端部は、
溝に直交する方向の連結壁に連結され、かつ、共通電極
層の各端部は、駆動柱連結壁に設けられた共通導体を介
して外部電源に接続されており、圧電アクチュエータの
平面形状は櫛歯状である。これにより、共通電極層及び
個別電極層の双方の外部電極取り出し面を圧電アクチュ
エータの一つの側面にのみ設けることが可能になる。従
って、圧電アクチュエータの外周端面の一部で共通電極
と個別電極とを短絡させる必要は無くなる。また、外部
電極の形成が必要となる圧電アクチュエータの端面数を
削減することができ、圧電アクチュエータを低コストで
製造することができる。
【0012】本発明に係る圧電アクチュエータは、主
に、インクジェットヘッド用の圧電アクチュエータであ
って、各駆動柱はインクジェットヘッドのインクノズル
からインクを流出させる駆動機構として機能する。
【0013】本発明方法に係る圧電アクチュエータの製
造方法は、それぞれ、溝を介して並列に基板上に配置さ
れ、かつ、圧電式駆動機構として機能する複数個の駆動
柱を備えた圧電アクチュエータの製造方法であって、圧
電材料グリーンシートの一方の面に電極ペーストを塗布
して内部電極を形成し、次いでそれぞれ内部電極を有す
る複数枚のグリーンシートを基板上に積層加圧し、更に
焼結して積層電極体を基板上に形成する工程と、次い
で、積層電極体の上面に複数本のスリット状の抜きパタ
ーンを有するマスクを形成し、次いでマスク上から積層
電極体の上面に向けて砥粒を噴射してスリット状溝を積
層電極体に形成して、積層電極層を有する複数本の駆動
柱を溝によって離隔して基板上に形成する工程と、次い
で、内部電極と電気的に接続する外部電極を駆動柱の側
面に形成する外部電極形成工程とを備えていることを特
徴としている。好適には、外部電極形成工程は、駆動柱
の側面に導電性ペーストを塗布する工程である。
【0014】マスクパタンは、シート状のレジスト膜を
積層電極体に成膜し、更にフォトマスクを用いて露光現
像することで形成する。スリット状溝を形成する際、研
磨用砥粒を噴射衝突させて除去加工するサンドブラスト
法によって、複数の溝を形成する。
【0015】本発明方法により、駆動柱の変位出力面の
平面形状や断面形状を曲線で構成することができ、かつ
溝を積層共通電極層側から変位出力面の途中にまで形成
する等の加工が容易である。また、多数の圧電アクチュ
エータを一括して加工処理できるため、一本当たりの加
工コストを低減できる。また、従来技術では外部電極を
形成する際、予め内部電極の取り出し面を研削等によっ
て端面加工する必要があり、内部電極取り出し面を端面
加工した後に外部電極を形成し、次に駆動柱を形成する
ための溝加工を行っている。これに対して本発明方法で
は、内部電極取り出し面の端面加工と、駆動柱を形成す
るための溝加工とを同一工程で行い、その後に外部電極
を形成する。従って、取り出し面の端面加工が削減でき
るようになり、圧電アクチュエータの製造コストを低減
できる効果が得られる。
【0016】
【発明の実施の形態】以下に、実施形態例を挙げ、添付
図面を参照して、本発明の実施の形態を具体的かつより
詳細に説明する。実施形態例1 本実施形態例は、本発明及び本発明方法の一実施形態例
である。図1(a)及び(b)は、それぞれ、インクジ
ェットヘッドに用いる本実施形態例の圧電アクチュエー
タの斜視図及び平面図である。また、図2(a)及び
(b)は、それぞれ、共通電極及び個別電極を形成する
際に塗布する導電性材料の塗布パタンを示す平面図であ
る。本実施形態例では、従来の圧電アクチュエータ36
と同じ部位には同じ符号を付してその説明を省略する。
【0017】本実施形態例の圧電アクチュエータ16
は、上下方向に伸縮する変位出力面1を上面に有する相
互に平行で長細形状の4本の駆動柱8を備えている。駆
動柱8は、それぞれ、溝7を介して並列に基板上に配置
され、かつ、圧電式駆動機構として機能する。駆動柱8
の幅dは、変位出力面から駆動柱8の底に向けて徐々に
広い。駆動柱8は、圧電材料グリーンシート16bを介
して交互に積層された共通電極2及び個別電極3の積層
電極構造からなる活性領域6を駆動柱横断面の溝方向中
央領域に有し、かつ活性領域6の圧電効果により外部に
変位出力する変位出力面1を基板と反対側の駆動柱上端
面に有する。各駆動柱の溝幅方向の柱幅は、変位出力面
から基板に向けて拡幅している。
【0018】駆動柱8の横断面の溝方向の端部領域は、
一方が共通電極層のみの積層共通電極層16f、他方が
個別電極層のみの積層個別電極層16gとして形成さ
れ、それぞれ、不活性領域5として機能する。積層共通
電極層16fの外側には、各共通電極を導通させる導通
材料が全面に塗布されており、積層個別電極層16gの
外側は、各駆動柱の個別電極にそれぞれ導通させる外部
電極15(図4参照)と、共通電極に導通させるFPC
ケーブル25(図6(a)参照)とが設けられた外部電
極取り出し面9として形成されている。駆動柱8の横断
面形状は、溝に沿った略長細形であって、活性領域6と
なる駆動柱8の長手方向中央部が最も幅が狭く、かつ、
中央部に連続して不活性領域となる駆動柱8の端部領域
が長手方向端縁に向けて拡幅している。活性領域6の幅
は0.12mm、活性領域6の長手方向長さは1.6m
m、ピッチは0.34mm、高さは約0.6mmであ
る。不活性領域5の平面断面形状は、外側に向けて幅が
徐々に広がるテーパ状である。また、圧電アクチュエー
タ16は、駆動柱8の外側で、駆動柱8に平行に設けら
れた周縁柱16cを有する。
【0019】以下、圧電アクチュエータ16の製造方法
を説明する。圧電アクチュエータ16を製作するには、
圧電材料のグリーンシート(図示せず)上に、導電性材
料からなる共通電極2を塗布したシートと、個別電極3
を塗布したシートと、電極を塗布しないシートとを組み
合わせ積層することで製作した。まず、共通電極2を塗
布したシートと、個別電極3を塗布したシートとを交互
に10枚積層して活性層を9層とし、圧電縦効果によっ
て積層方向と同一方向の変位を出力する構造とした。次
いで、内部電極4を含むシートの層群の上下面に、内部
電極4を含まないシートを上側と下側とに、それぞれ、
4枚及び20枚積層した。
【0020】なお、内部電極4を塗布したシートの枚数
は、圧電アクチュエータ16の所望の厚みや出力変位に
応じ、増減することができる。本実施形態例では、グリ
ーンシートとして、圧電材料であるジルコン酸チタン酸
鉛系セラミックスと有機バインダとからなるものを用い
たが、圧電材料は一般的な強誘電体等を用いてもよい。
また、グリーンシートはドクターブレード法を用いて製
作し、厚さは50μm程度としたが、所望の出力変位に
応じ、シート厚を調整することが可能である。グリーン
シート上に塗布する内部電極4は、銀パラジウムペース
トを用い、スクリーン印刷法によって形成したが、その
他の導体金属を用いた蒸着等により形成してもよい。
【0021】シートを積層した結果、図1及び図2に示
すように、変位出力面1の側から平面観察した場合、変
位出力面のうち共通電極2と個別電極3との重なった領
域が、活性領域6として形成された。また、共通電極2
又は個別電極3の一方のみが重なった、活性領域6との
境界から外部電極取り出し面9に至る領域が、不活性領
域5として形成された。更に、個別電極3の不活性領域
側の側面を外部電極取り出し面9とし、共通電極2のパ
タンを図2(a)に示すようにL字型にして外部電極取
り出し面9に共通電極2の一部を露出させ、各駆動柱8
の個別電極3及び駆動柱8全体の共通電極2に、外部電
極取り出し面9の一面のみで駆動電圧を印加するための
電気的な接続を行うことが可能な構成とした。
【0022】上記のようにして必要数のシートを積層し
てなる積層体16dを形成した後、積層体を熱プレスに
よって圧着し、一体化した。積層体16dの内部には多
量の有機バインダが含まれているため、まず脱バインダ
行程を行い、続いて1100℃での本焼成を行った。焼
成後の積層体に対し、圧電アクチュエータを所望の厚さ
に仕上げ加工するため、両面ラッピングを行い、次い
で、所定の外形寸法に仕上げるためにダイシングソーを
用いた外周研削を行った。なお、外周研削は、各駆動柱
8の外部電極取り出し面9で内部電極4の端面を露出さ
せ、外部電極15との電気的導通を確実にすることも目
的として行っている。
【0023】次いで、サンドブラスト法により、駆動柱
8を形成するための溝7を形成した。図3(a)から
(c)は、それぞれ、サンドブラスト法により、溝加工
する工程毎の側面断面図を示す。まず、変位出力面1と
同じ形状の抜きパタンを有するフォトマスクを予め製作
した。次いで、ラミネート装置を用い、厚さ50μmの
ウレタン系フィルム状レジスト(図示せず)を圧電アク
チュエータ16の変位出力面1の表面に密着させた。更
に、上記のフォトマスクをフィルム状レジストに密着さ
せ、紫外線で露光した後、1%濃度の炭酸ナトリウム水
溶液からなる弱アルカリ液で現像し、レジストの不要部
分を除去し、パタンマスク12を形成した(図3
(a))。
【0024】次いで、約100℃でパタンマスク12を
本ベークした後、サンドブラスト装置に、パタンマスク
を有する積層体16dをセットし、図3(b)に示すよ
うに、メッシュサイズ#400の炭化ケイ素砥粒を上方
より衝突させた。噴射砥粒13を飛翔させるためのノズ
ルと、被加工物である圧電アクチュエータ16の表面と
の距離は100mmに設定した。ノズルと被加工物をX
−Y平面内で往復運動させ、被加工物に対するノズルの
相対的な移動速度は、X、Y方向にそれぞれ40mm/
min及び1000mm/minとした。
【0025】このようにして、活性領域6の頂上部の幅
が0.12mm、活性領域6の長手方向の長さが1.6
mm、ピッチ0.34mm、深さ約0.6mmであるよ
うに、5本の溝7を加工し、4本の駆動柱8を形成し
た。ピッチや駆動柱8は、パタンマスク12を変更して
所望の本数に増減することが可能である。また、サンド
ブラスト装置の加工チャンバ内に、圧電アクチュエータ
16を120個セットし、約50分で一括して溝7を加
工した。この結果、駆動柱8の幅dは、図3(c)に示
すように、溝7の深さ方向に向かって広がって形成され
た。テーパ17の平均角度θは約5度に形成された。
【0026】また、外部電極取り出し面9では、各駆動
柱8に対応した内部電極4である個別電極3の端部が露
出している。溝7の加工後、この露出した端部を端子と
して、銀ペースト塗布することにより、外部電極15
(図4参照)を外部電極取り出し面9に形成した。図4
は、外部電極が形成された状態を示す側面図である。そ
の後、共通電極2に電気的に接続するFPCケーブル2
5を熱圧着接続した(図6(a)参照)。共通電極2の
パタンは、図2(a)に示したようにL字型であり、F
PCケーブル25は、外部電極取り出し面9に接続し
た。また、外部電極取り出し面9に対向し、共通電極2
の端部が露出している側面に、パタン化した外部電極1
5を形成する必要はなく、全面に銀ペーストを塗布し
た。
【0027】以上の工程によって、駆動柱8の変位出力
面1の活性領域6は長方形状で、不活性領域5はテーパ
形状の圧電アクチュエータ16を製作した。そして、F
PCケーブル25の接続端子から、各駆動柱8の個別電
極3と駆動柱8の全ての共通電極2との間に、所望の波
形の電圧をそれぞれ印加し、各駆動柱8を個別に駆動し
た。本実施形態例では、不活性領域5の平面断面形状
は、外部電極取り出し面9に向かって広がる形状とし、
各駆動柱8の内部電極4(個別電極3)の露出した面積
を広く確保した。これにより、外部電極15を形成する
際、銀ペーストを容易に塗布でき、また、FPCケーブ
ル25を熱圧着接続する際、信頼性の高い接続を行うこ
とができた。なお、外部電極15を形成する際、上記の
工程に代えて導体金属を蒸着してもよい。
【0028】次に、本実施形態例で製作した圧電アクチ
ュエータ16の動作について説明する。各駆動柱8毎に
電圧を印加し、圧電縦効果によって変位出力面1の活性
領域6をグリーンシートの積層方向、すなわち変位出力
面1に直交する方向に変位させた。図5は、圧電アクチ
ュエータの共通電極と個別電圧との間に印可した電圧波
形を示す図である。図5に示すような波形の電圧を1個
の駆動柱に印加した結果、0.2μm程度の変位が出力
された。その他の駆動柱に対しても、同様の駆動実験を
行った結果、すべての駆動柱8で同等の出力変位が得ら
れた。なお、駆動柱8の変位出力面1に垂直な方向の断
面形状は、溝7の深さ方向に向かって広がるテーパ形状
とした。このため、断面形状が矩形の場合と比較して、
駆動柱8の変位出力面1に直交する方向(図4の水平方
向)の曲がり変形及びそのばらつきが低減する効果が得
られ、グリーンシートの積層方向の出力変位を従来に比
べて安定化することができた。
【0029】図6(a)及び(b)は、それぞれ、本実
施形態例の圧電アクチュエータを用いて製作したインク
ジェットヘッドの構成を示す側面断面図、及び、線I−
Iの部分断面図である。圧電アクチュエータ16を用
い、インクプール20、ノズル21、圧力室22、供給
孔23、振動板24、及び、圧電アクチュエータ16に
接続されたFPCケーブル25から構成されるインクジ
ェットヘッドを製作した。その際、圧電アクチュエータ
16を接着剤18で振動板24に接合した。その後、図
5に示した波形の電圧を印加し、インク滴の吐出評価を
行った結果、すべてのノズル21からインク滴が吐出で
きることを確認した。
【0030】本実施形態例では、圧電アクチュエータ1
6の不活性領域5の平面形状を、外部電極取り出し面9
に向かって広がる形状としたことで、活性領域6の面積
を従来に比べて低減し、駆動柱8の静電容量を低減し
た。この結果、インク滴の吐出に要する変位を出力した
場合、変位出力面が長方形である従来例と比較して、F
PCケーブル25を介して回路に流れる電流を軽減で
き、消費電力を抑制することができた。また、出力変位
を安定化できたことにより、各ノズル21の吐出特性の
ばらつきを軽減できた。
【0031】溝加工に関する実験例1 噴射砥粒13としてメッシュサイズ#400のアルミナ
砥粒を噴射しても、溝7と同様の溝を加工できたが、炭
酸カルシウム砥粒やガラス球状砥粒など他の砥粒を噴射
した場合、溝7の深さが所望値に達する前にパタンマス
ク12の剥離や摩耗が生じ、駆動柱8を形成することが
できなかった。また、実施形態例1において噴射砥粒1
3のメッシュサイズは#400(砥粒径は概ね40μm
程度)としたが、#300(概ね60μm程度)を下回る
メッシュサイズでは、パタンマスク12の剥離や摩耗が
著しく生じた。メッシュサイズ#800(概ね15μm
程度)を越える砥粒を用いた場合は、溝7の加工に2時
間以上の多大な時間を要した。この結果から、噴射砥粒
13は炭化ケイ素砥粒あるいはアルミナ砥粒からなるも
のが好ましく、粒径は#800より大きく#300より
小さいことが好ましいことが判った。
【0032】溝加工に関する実験例2 噴射砥粒13の材質やメッシュサイズ、噴射量を変える
ことでテーパ17の角度を変化させることができること
が確認された。また、予め実施した評価から、サンドブ
ラスト法で8度以上、かつ1度以下のテーパ17を安定
的に形成することは困難であった。更に、テーパ17の
平均角が2度以下では駆動柱8の強度を向上させる効果
はほとんど得られなかったことから、テーパ17の角度
θは2度から8度の範囲であることが望ましいことが判
った。
【0033】溝加工に関する実験例3 駆動柱8の耐折切強度を評価した。また、比較のため、
薄型切断ブレードを用いたダイシング加工により、断面
形状が矩形で、幅、長さ、ピッチ等が概ね駆動柱8と同
等である駆動柱を形成し、耐折切強度を評価した。その
結果、駆動柱8の断面形状を実施形態例1のような溝7
の底に向かって広がる形状とすることで、耐折切強度を
50%以上増加することができることが判明した。ま
た、ダイシング加工により溝加工を行った場合と比較し
て、サンドブラスト加工では、1個の圧電アクチュエー
タ16に4本の駆動柱8を形成するまでに要する時間を
1/2以下に低減できることも判明した。また、外周先
端の断面形状をテーパ状に尖らせた薄型切断ブレードを
使用し、溝7をダイシング加工しても、実施形態例1の
ような溝底に向かって広がる形状の駆動柱8を加工でき
た。しかし、ダイシング加工では、ブレードの摩耗に応
じて交換もしくは外周先端の形状修正を頻繁に行う必要
があるという難点があり、しかも加工にかかったコスト
は、サンドブラスト加工の2倍以上であった。
【0034】実施形態例2 本実施形態例は、本発明の好適な一実施形態例である。
本実施形態例では、実施形態例1と同じ部位には同じ符
号を付してその説明を省略する。図7(a)及び(b)
は、それぞれ、本実施形態例を示す圧電アクチュエータ
の斜視図および平面図であり、図8(a)及び(b)
は、それぞれ、共通電極及び個別電極を形成する際に塗
布する導電性材料の塗布パタンを示す平面図である。
【0035】本実施形態例の圧電アクチュエータ40
は、一列に並べられた相互に平行で長細形状の4本の駆
動柱42を備えている。駆動柱42は、電界が印加され
ると上下方向に伸縮する変位出力面41を上面に有し、
また、駆動柱42の幅は、駆動柱8と同様、変位出力面
から駆動柱42の底に向けて徐々に広い。変位出力面4
1は、実施形態例1と同様の活性領域46及び不活性領
域45とからなる。また、駆動柱の横断面形状は、活性
領域45と不活性領域46との境界で絞り49a、bを
有する(図7(b)参照)。圧電アクチュエータ40の
平面形状は櫛歯形状であって(図7(b)参照)、各駆
動柱の一方の端部である積層共通電極層16fと同様の
積層共通電極層40aは、一列に連続しており、共通電
極層の各端部は積層共通電極層40aで連続している。
活性領域46の幅は0.12mm、活性領域46の長手
方向長さは1.6mm、ピッチは0.34mm、高さは
約0.6mmである。
【0036】以下、圧電アクチュエータ40の製造方法
を説明する。本実施形態例では、実施形態例1と同様、
圧電材料のジルコン酸チタン酸鉛系セラミックスと有機
バインダからなる厚さ50μm程度のグリーンシートを
用いた。銀パラジウムペーストの共通電極2を塗布した
シートと、個別電極3を塗布したシートとを交互に10
枚積層し、更に内部電極4を塗布しないシートを積層す
ることで積層体50を製作した。図8(a)及び(b)
は、それぞれ、積層体50の共通電極及び個別電極の形
状を示す平面断面図である。なお、説明の関係上、図8
では、活性領域46及び不活性領域45に相当する領域
を実線で示している。共通電極及び個別電極は、それぞ
れ、図8(a)及び(b)に示すパタン形状とし、個別
電極3および共通電極2ともに、外部電極取り出し面9
で電気的な接続を行うことができる構成とした。
【0037】続いて、実施形態例1と同様、サンドブラ
スト法で駆動柱42を形成するための溝47の加工を以
下に説明するようにして行った。まず、図7や図8に示
すように、変位出力面41の活性領域46と不活性領域
45との境界に絞り49があって、溝47は変位出力面
41の長手方向の途中まで形成されるような櫛歯形状の
パタンマスク12を変位出力面41に設けた。その後、
実施形態例1の図3(b)及び(c)に示した工程と同
様にして5本の溝47を加工することにより、4本の駆
動柱42を形成した。活性領域46の幅は0.12m
m、絞り49の最細部幅B(図7(b)参照)は約0.
05mmとした。また、溝47は、活性領域46と積層
共通電極層上の不活性領域45aとの境界から不活性領
域45aの方向に、更に0.3mmほど進展させて形成
し、積層個別電極層側にも同様に形成した。
【0038】本実施形態例において外部電極15は、個
別電極3の端部が露出している外部電極取り出し面9に
のみ形成した。また、変位出力面41は、実施形態例1
と同様、積層共通電極層40aで連なった櫛歯形状であ
り、各駆動柱42の共通電極2への通電が確保されてい
る。このため、積層共通電極層40aの外側側面に銀ペ
ーストを塗布する必要は無くなり、製造コストを実施形
態例1に比べて大きく低減できた。
【0039】性能確認の実験例1 実施形態例1と同様、FPCケーブル25を熱圧着接続
し、図5に示した波形の電圧で駆動させたところ、すべ
ての駆動柱42で0.2μm程度の変位を出力できた。
また、図6と同様の構成のインクジェットヘッドを製作
し、すべてのノズル21から安定的にインク滴を吐出す
ることができた。
【0040】実施形態例2の改変例 実施形態例2では、圧電アクチュエータ16には一列に
配置された4本の駆動柱42を設けた例であることに対
し、本改変例では、駆動柱42を2列に配置した例であ
る。本改変例では、実施形態例2と同じ部位には同じ符
号を付してその説明を省略する。本改変例では、駆動柱
42を一列あたり4本配置した圧電アクチュエータ54
を、実施形態例2と同様の方法で製作し、評価を行っ
た。
【0041】図9(a)及び(b)は、それぞれ、本改
変例の圧電アクチュエータの斜視図及び平面図である。
本改変例の圧電アクチュエータ54は、圧電アクチュエ
ータ40に比べ、圧電アクチュエータ部分40aの外側
側面で、駆動柱42及び周縁柱16cに対称となる位置
に、それぞれ、駆動柱42及び周縁柱16cと同形状の
駆動柱及び周縁柱を有する。
【0042】本改変例の圧電アクチュエータ54を製造
する際、2列の駆動柱42を形成するように、圧電アク
チュエータ16の側面のうち駆動柱42に直交する2つ
の側面56A、Bを何れも外部電極取り出し面9とし、
外部電極取り出し面9の両面に実施形態例2と同様にし
て外部電極を形成した。但し、グリーンシートに塗布す
る、共通電極58及び個別電極60を形成する導電性材
料のパタン平面形状は、実施形態例2と異なり、それぞ
れ、図10(a)及び(b)に示すような平面形状とし
た。
【0043】以下、実施形態例2と同様の工程を行い、
更に、駆動柱42に平行な積層体側面のうちの一側面6
2(図9(b)参照)に導電ペースト10を塗布して、
共通電極58と個別電極60を形成する際にグリーンシ
ートに塗布した導電性材料とを導通させ、圧電アクチュ
エータ54を製作した。この後、外部電極取り出し面9
の一側面で、共通電極58及び各駆動柱の個別電極60
をそれぞれ電気的に外部電源に接続した。
【0044】性能確認の実験例2 実施形態例2では、変位出力面41の活性領域46と不
活性領域45との境界付近に絞りを設けた。図11は、
実施形態例2又は改変例の駆動柱42と、絞りを設けな
かった駆動柱8とについて、変位出力面41の長手方向
の変位分布をそれぞれ測定して比較したものである。絞
り49を有する圧電アクチュエータ40及び54では、
特に、不活性領域46との境界付近の活性領域部分(以
下、境界活性領域部分と言う)の変位の拘束が緩和さ
れ、図11に示すように、境界活性領域部分の出力変位
が、中央の活性領域部分の出力変位に近づいた。出力変
位を変位出力面41の長手方向で積分してなる面積変化
量は20%程度増加し、インク滴の吐出に要する最大電
圧(図5参照)は、絞り49の無い駆動柱8に比べて約
85%に軽減でき、圧電アクチュエータ40及び54の
消費電力が低減化された。
【0045】絞りに関する実験例 絞り49の最細部の幅寸法と出力変位の効率との関係を
実験により求めることを試みた。その結果、最細部幅B
(図7(b)参照)が約0.09mmを越える絞り49
を設けた場合、活性領域46が拘束されることを軽減す
る効果は、ほとんど得られなかった。一方、実施形態例
1、2又は改変例でのサンドブラスト法によって幅0.
03mm以下の最細部を安定的に加工することは、困難
であった。以上の結果から、絞り49の最細部幅Bは、
0.03mmから0.09mmの範囲で形成すればよ
く、さらに望ましくは0.03mmから0.05mmに
加工すればよいことが判った。
【0046】性能確認の実験例3 圧電アクチュエータ54を用い、実施形態例2と同様に
して、一列あたり4個のノズル21を有する2列のノズ
ル群を備えたインクジェットヘッドを製作し、FPCケ
ーブル25を介して圧電アクチュエータ54に電圧を印
加したところ、8個の全てのノズルから安定的にインク
滴を吐出することができた。
【0047】なお、実施形態例1、2及び改変例では、
一列上に4本の駆動柱8が配置され、列数が1あるいは
2の圧電アクチュエータ16を製作したが、インクジェ
ットヘッドの所望のノズル数に応じ、一列あたりの駆動
柱の数が更に多い圧電アクチュエータを同様の方法で製
作する事ができる。
【0048】
【発明の効果】本発明によれば、各駆動柱は、溝幅方向
の柱幅が変位出力面から基板に向けて拡幅している。こ
れにより、強度や信頼性が高く、出力変位を高効率かつ
高安定に発生することが可能な圧電アクチュエータを実
現できる。また、駆動柱の加工や外部電極の形成にかか
るコストを軽減し、生産性を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1(a)及び(b)は、それぞれ、実施形態
例1の圧電アクチュエータの斜視図及び平面図である。
【図2】図2(a)及び(b)は、それぞれ、実施形態
例1で、共通電極及び個別電極を形成する際に塗布する
導電性材料の塗布パタンを示す平面図である。
【図3】図3(a)から(c)は、それぞれ、サンドブ
ラスト法により、溝加工する工程毎の側面断面図を示
す。
【図4】外部電極が形成された状態を示す側面図であ
る。
【図5】性能確認の実験例で、圧電アクチュエータの共
通電極と個別電圧との間に印可した電圧波形を示す図で
ある。
【図6】図6(a)及び(b)は、それぞれ、実施形態
例1の圧電アクチュエータを用いて製作したインクジェ
ットヘッドの構成を示す側面断面図、及び、線I−Iの
部分断面図である。
【図7】図7(a)及び(b)は、それぞれ、実施形態
例2の圧電アクチュエータの斜視図および平面図であ
る。
【図8】図8(a)及び(b)は、それぞれ、実施形態
例2で、共通電極及び個別電極を形成する際に塗布する
導電性材料の塗布パタンを示す平面図である。
【図9】図9(a)及び(b)は、それぞれ、改変例の
圧電アクチュエータの斜視図及び平面図である。
【図10】図10(a)及び(b)は、それぞれ、改変
例で、共通電極及び個別電極を形成する際に塗布する導
電性材料の塗布パタンを示す平面図である。
【図11】圧電アクチュエータの出力変位を示すデータ
図である。
【図12】図12(a)から(c)は、それぞれ、従来
の圧電素子プレートを基板とともに切り出した状態を示
す斜視図、平面図、及び側面図である。
【図13】図13(a)及び(b)は、それぞれ、従来
の圧電アクチュエータを製造する工程毎の斜視図であ
る。
【符号の説明】
1 変位出力面 2 共通電極 3 個別電極 4 内部電極 5 不活性領域 6 活性領域 7 溝 8 駆動柱 9 外部電極取り出し面 10 導電ペースト 12 パタンマスク 13 噴射砥粒 14 基板 15 外部電極 16 圧電アクチュエータ 16b 圧電材料グリーンシート 16c 周縁柱 16d 積層体 16f 積層共通電極層 16g 積層個別電極層 17 テーパ 18 接着剤 20 インクプール 21 ノズル 22 圧力室 23 供給孔 24 振動板 25 FPCケーブル 26 電極用パタンA 27 電極用パタンB 28 圧電素子プレート 29 積層型圧電素子(駆動柱) 30 積層型圧電素子(駆動柱) 31 圧電素子列 32 共通電極 33 個別電極 34 支持部材 36 圧電アクチュエータ 36a 変位出力面 36b 活性領域 36c 不活性領域 37 溝 40 圧電アクチュエータ 40a 積層共通電極層 41 変位出力面 42 駆動柱 45 不活性領域 45a 不活性領域 46 活性領域 47 溝 49a、b 絞り 50 積層体 54 圧電アクチュエータ 56A、B 側面 58 共通電極 60 個別電極 62 側面
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 平4−86265(JP,A) 特開 平6−226974(JP,A) 特開 平6−218921(JP,A) 特開 昭60−90770(JP,A) 特開 平3−10845(JP,A) 特開 平8−80614(JP,A) 特開 平8−279631(JP,A) 特開 平9−11482(JP,A) 特開 平9−254385(JP,A) 特開 平9−193406(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) B41J 2/045 B41J 2/055 B41J 2/16 H01L 41/083

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 それぞれ、溝を介して並列に基板上に配
    置され、かつ、圧電式駆動機構として機能する複数個の
    駆動柱を備え、 駆動柱が、圧電材料グリーンシートを介して交互に積層
    された共通電極層及び個別電極層の積層電極構造からな
    る活性領域を駆動柱横断面の溝方向中央領域に有し、か
    つ活性領域の圧電効果により外部に変位出力する変位出
    力面を基板と反対側の駆動柱上端面に有する、圧電アク
    チュエータにおいて、 各駆動柱は、溝幅方向の柱幅が変位出力面から基板に向
    けて拡幅しており、駆動柱の横断面形状は、溝に沿った
    略長細形であって、活性領域となる駆動柱の長手方向中
    央部が最も幅が狭く、かつ、中央部に連続して不活性領
    域となる駆動柱の端部領域が長手方向端縁に向けて拡幅
    していることを特徴とする圧電アクチュエータ。
  2. 【請求項2】 それぞれ、溝を介して並列に基板上に配
    置され、かつ、圧電式駆動機構として機能する複数個の
    駆動柱を備え、 駆動柱が、圧電材料グリーンシートを介して交互に積層
    された共通電極層及び個別電極層の積層電極構造からな
    る活性領域を駆動柱横断面の溝方向中央領域に有し、か
    つ活性領域の圧電効果により外部に変位出力する変位出
    力面を基板と反対側の駆動柱上端面に有する、圧電アク
    チュエータにおいて、 各駆動柱は、溝幅方向の柱幅が変位出力面から基板に向
    けて拡幅しており、駆動柱の横断面形状は、活性領域と
    不活性領域との境界で絞りを有することを特徴とする圧
    電アクチュエータ。
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