JPH0880614A - インクジェット記録ヘッドの製造方法 - Google Patents

インクジェット記録ヘッドの製造方法

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JPH0880614A
JPH0880614A JP21692694A JP21692694A JPH0880614A JP H0880614 A JPH0880614 A JP H0880614A JP 21692694 A JP21692694 A JP 21692694A JP 21692694 A JP21692694 A JP 21692694A JP H0880614 A JPH0880614 A JP H0880614A
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piezoelectric ceramic
conversion element
pattern
electromechanical conversion
film
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JP21692694A
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Koji Kubota
浩司 久保田
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Sharp Corp
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    • BPERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
    • B41PRINTING; LINING MACHINES; TYPEWRITERS; STAMPS
    • B41JTYPEWRITERS; SELECTIVE PRINTING MECHANISMS, i.e. MECHANISMS PRINTING OTHERWISE THAN FROM A FORME; CORRECTION OF TYPOGRAPHICAL ERRORS
    • B41J2202/00Embodiments of or processes related to ink-jet or thermal heads
    • B41J2202/01Embodiments of or processes related to ink-jet heads
    • B41J2202/10Finger type piezoelectric elements

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  • Particle Formation And Scattering Control In Inkjet Printers (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】 内部電極の不規則なピッチ寸法誤差を有する
積層圧電セラミック板の加工を短時間、低コストで可能
とする。 【構成】 積層圧電セラミック板60の表面に光を照射
し、反射光をCCD68により受光し、その受光出力よ
り基準位置と内部電極32a〜32dのピッチを検出
し、この検出信号に基づいて加工パターンの補正を行
う。積層圧電セラミック板60の表面を感光性フィルム
72にて被覆する。積層圧電セラミック板60の基準位
置信号と補正された加工パターン出力に基づいて各内部
電極間のフィルム72をレーザービームにてパターン露
光する。パターン露光終了後に露光面を現像してフィル
ム72の不要部分を除去する。フィルム72の除去部分
にブラスト機Cにより砥粒を吹き付けて切削加工を行
う。切削加工後にフィルム72を除去する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、ワードプロセッサ、フ
ァクシミリ、プリンタ等の情報機器に組み込まれるイン
クジェット記録装置に使用される電気機械変換素子を用
いたインクジェット記録ヘッドの製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】インクジェット記録ヘッドに電気機械変
換素子を用いたものは種々の構造のものが公知である。
例えば、特開昭56−64877号公報、特開昭63−
247051号公報に開示されている。前者のインクジ
ェット記録装置を図8に示す。図中、1は矩形圧電素
子、2は振動板、3はオリフィス、4はベースプレー
ト、5はインク圧力室、6はインク供給チューブ、7は
インクタンクである。また、後者のインクジェット記録
ヘッドを図9,10に示す。図中、10は下部圧電セラ
ミック板、11は上部圧電セラミック板、12は壁、1
3,14は分極方向、15,16は電極、17はインク
通路、18は空隙、19はオリフィス、20はドライバ
ーIC、21はダイシングブレードのR形溝部分であ
る。
【0003】そして、これらのインクジェット記録ヘッ
ドに用いられる電気機械変換素子として実用化されてい
るものは、圧電セラミック、とりわけPZT(チタン酸
ジルコン酸鉛)が代表的なものである。
【0004】また、図11に示す特開平3−26664
4号公報に開示された積層圧電セラミック板を用いたイ
ンクジェット記録ヘッドは低電圧駆動、高密度実装が可
能である。図中、30は圧電アクチュエータ、31は圧
電セラミック板、32は導電体層、32a〜32dは内
部電極、33a〜33dは溝、34a〜34eは信号電
極、35はグランド電極、36は焼成積層圧電体ブロッ
クである。このインクジェット記録ヘッドの製造方法
は、圧電セラミック材料の粉末、有機バインダ、可塑剤
などからなるグリーンシートと内部電極となる導電体層
32とを互いに交互に積層して、焼成することにより硬
化する。硬化されたブロック36をダイシングソー等に
より積層面に垂直に圧電アクチュエータ30の厚さでス
ライスする。板状に形成された積層圧電体はさらに2層
おきに2層づつダイシングソーによって切削加工されて
櫛状の一体型の圧電アクチュエータ30となる。ダイシ
ング加工により形成された溝33a〜33dはインク室
として用いられる。
【0005】そして、信号電極34a〜34eと内部電
極32a〜32dとに電圧が印加されると、バイモルフ
効果により2つの圧電体31は接合面に垂直な方向に撓
む。これによりインク室が圧縮されて内部のインクがノ
ズルから噴射される。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】従来では、圧電セラミ
ック板を機械加工により所望の形状寸法に加工し、電気
機械変換素子として記録ヘッドに組み込むわけである
が、その精密加工法としては、図12に示すようなダイ
シングソー(ダイヤモンド粒を散らした円盤の回転によ
り切断または溝きり加工する機械)による切断または溝
加工、あるいはワイヤーソーによる切断加工がある。図
中、40は圧電セラミック板、41はダイシングブレー
ド、42はフランジ、43はダイサーアームである。い
ずれも直線的な加工に適しているが、任意の形状が加工
可能というわけではない。そのため、電気機械変換素子
の構造も加工技術の制約を受け、多数の素子の高密度実
装が可能となる技術が創作されても量産化の実現は困難
であった。
【0007】ところで、図9,10に示した構造のイン
クジェット記録ヘッドは比較的高密度実装が可能であ
り、ダイシングソーによって加工可能である。しかし、
一枚歯の機械による加工では加工時間が長くなり、加工
コストが高くなってしまう。多数歯の加工機械を造るに
は膨大な費用がかかり、組立調整も困難である。
【0008】また、セラミックは焼結の過程で体積収縮
が起こり、寸法精度がばらつきやすい。積層圧電セラミ
ック板においてはシート成形の段階で層厚のばらつきも
ある。したがって、積層圧電セラミック板を用いたイン
クジェット記録ヘッドでは、内部電極のピッチが一定で
なく、基準値から全体的にずれたり、ピッチむらが発生
する。図11に示す積層圧電セラミック板の例をあげれ
ば、 積層ピッチ:30〜100μm ピッチ誤差:±10% 内部電極の厚さ:2〜10μm 全体の寸法精度:±10% であるが、1層50μmを100層積層したものの全体
の寸法は5mm±500μmとなり、誤差はピッチの1
0倍以上となってしまう。
【0009】従来の加工方法ではこのような被加工物の
寸法ずれに合わせた量産加工は困難である。専ら直線を
組み合わせた形状のもの、もしくはこれの規則的繰り返
し形状のものか、円筒状のものに限られる。さらに多数
の溝加工においては加工時間が長くなる。
【0010】本発明は、上記に鑑み、不規則な寸法誤差
を有する被加工物の加工を短時間、低コストで可能と
し、高密度なインクジェット記録ヘッドを量産可能とす
る製造方法の提供を目的とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】本発明による課題解決手
段は、図1,3の如く、複数枚の所定幅の圧電セラミッ
ク板31をそれぞれ内部電極32a〜32dを介在させ
て積層焼結してなる電気機械変換素子部材30の表面に
光を照射し、反射光を受光素子により受光し、その受光
出力より前記電気機械変換素子部材30の基準位置と前
記内部電極32a〜32dのピッチを検出し、該検出信
号に基づいて加工パターンの補正を行うステップと、前
記電気機械変換素子部材30の表面を感光性保護膜72
にて被覆するステップと、前記電気機械変換素子部材3
0の基準位置信号と補正された加工パターン出力に基づ
いて各内部電極32a〜32d間の前記保護膜72を露
光手段にてパターン露光するステップと、パターン露光
終了後に露光面を現像して前記保護膜72の不要部分を
除去するステップと、少なくとも前記保護膜72の除去
部分にブラスト手段により砥粒を吹き付けて切削加工処
理を行うステップと、切削加工処理後に前記保護膜72
を除去するステップとからなるものである。
【0012】
【作用】上記課題解決手段において、複数枚の圧電セラ
ミック板31が積層された積層圧電セラミック板60の
表面は内部電極32a〜32dが縞模様になって表れて
いるので、この表面のパターンおよび基準位置を検出し
て、メモリーに取り込む。そして、この検出信号に基づ
いて、あらかじめ設定されていた内部電極パターンのピ
ッチ補正を行い、露光手段による露光のタイミングが決
定される。これによって、内部電極32a〜32dのピ
ッチに誤差があっても正確に内部電極32a〜32dの
位置を把握できるので、後工程でピッチ寸法誤差による
不良の発生がなくなる。
【0013】次に、積層圧電セラミック板60の表面に
保護膜72を被覆して、露光前に基準位置の検出信号か
ら積層圧電セラミック板60の露光位置ずれを補正し
て、先程決定されたタイミングで露光を行い、露光面を
現像して保護膜72の不要部分を除去する。そして、保
護膜72の除去部分にブラスト手段により砥粒を吹き付
けて切削加工を行って、最後に保護膜72を除去するこ
とにより積層圧電セラミック板60にインク室となる複
数の溝が高速でしかも精密に形成される。
【0014】したがって、積層圧電セラミック板60の
内部電極32a〜32dの不規則なピッチ誤差があって
も、櫛歯状の電気機械変換素子部材30が短時間、低コ
ストで製作可能となり、高密度実装の高性能インジェク
ット記録ヘッドが量産可能となる。
【0015】
【実施例】本発明のインクジェット記録ヘッドは、図2
の如く、基板50上に電気機械変換素子部材である圧電
アクチュエータ30が接合され、圧電アクチュエータ3
0の上面にはカバー51が接合され、前面にはオリフィ
スプレート52が接合されて構成されている。そして、
カバー51に形成されたインクパス53より供給された
インクをオリフィスプレート52の複数のノズル54a
〜54dから噴射して用紙に印字するものである。
【0016】基板50上には、駆動回路55が載置さ
れ、この駆動回路55と圧電アクチュエータ30の各電
極とを接続するための櫛状の配線パターン56が形成さ
れている。配線パターン56は圧電アクチュエータ30
の基部の下面に露出した各電極に接続されており、例え
ば導電性の接着剤をスクリーン印刷することによって接
続される。
【0017】オリフィスプレート52に形成されたノズ
ル54a〜54dは、圧電アクチュエータ30の各歯部
57a〜57eで形成される溝(インク室)33a〜3
3dにそれぞれ連通している。また、カバー51のイン
クパス53は各溝33a〜33dに連通し、インクパス
53を介して注入されたインクは各溝33a〜33dに
蓄えられる。
【0018】そして、圧電アクチュエータ30は、図1
1で示した従来技術のものと同じ構成であり、PZTか
らなる所定幅の圧電セラミック板31をそれぞれ内部電
極32a〜32dである導電体層32を介在させて積層
し焼結して一体型で形成されている。圧電アクチュエー
タ30の各歯部57a〜57eは2つの圧電セラミック
板31と3つの内部電極32a〜32cとが互いに交互
に接合されている。また、圧電アクチュエータ30の上
面および下面には各内部電極32a〜32dが露出して
いるが、基板50上の配線パターン56に接続されるの
は各歯部57a〜57eの内部電極32a〜32cであ
り、基部の4つの内部電極32dは使用されないので接
続されなくてよい。なお、歯部、ノズル、溝の数は図示
したものに限ることはない。
【0019】次に、圧電アクチュエータ30の製造方法
について説明する。まず、圧電セラミック板31を積層
して焼結した積層圧電セラミック板60を積層方向に切
り出し、表面を鉱酸(無機酸)あるいは界面活性剤で洗
浄してから、図3に示すように支持基体61の凹部62
にワックスによって接着固定する。支持基体61にはフ
ォトダイオードからなる3つの基準位置マーク63,6
4,65が設けられており、積層圧電セラミック板60
を挟んで左右に第一、第二基準位置マーク63,64が
それぞれ配され、第一基準位置マーク63と同じ側に第
三基準位置マーク65が配されている。
【0020】積層圧電セラミック板60の表面は内部電
極32a〜32dが縞模様になって表れている。この表
面のパターンおよび各基準位置マーク63,64,65
を読み取りヘッドAにより検出する。読み取りヘッドA
は、蛍光ランプ66、集光レンズ67、受光素子である
CCD68からなる。積層圧電セラミック板60に走査
光を照射し、反射光を受光する。そして、その反射光強
度を整形回路69を介して、内部電極32a〜32dの
ピッチ情報および基準位置マーク63,64,65をデ
ジタル信号としてメモリー70に取り込む。なお、圧電
セラミック板31のPZTは黄褐色をしており、内部電
極32a〜32dは銀パラジュウムが使用され灰白色で
あるので、反射光強度に差が生じ、内部電極32a〜3
2dは図5,6に示すようなパターンとなってCCD6
8から出力される。
【0021】ここで、CCD68のデータを順次読み出
すと図5に示す信号が出てくる。この検出信号に基づい
て、CPU71ではあらかじめ設定されていた内部電極
パターンのピッチ補正を行う。内部電極32a〜32d
のピッチを決めるひとつの方法として、n番目のパルス
が出てくるまでの時間を計数し(Tn)、基準値(T
s)と比較して次のようにピッチ補正を行う。
【0022】Pav=Ps×Tn/Ts Ps:基準ピッチ値 すなわち、Tnが小さいと実際の寸法は基準ピッチより
短くなり、このPav値が補正された内部電極32a〜
32dのパターンデータとなる。上記の方法は積層圧電
セラミック板60がほぼ一様な寸法ずれを起こしている
場合に適用できる方法であるが、より厳密にはメモリー
容量を大きくとり、i番目とi+1番目のパルスの間隔
をすべてのi(i=1,2,・・n−1)について計数
し、Pi値をメモリーに格納しておく。
【0023】次に、積層圧電セラミック板60の表面に
保護膜として不透明の感光性フィルム72を塗布または
ラミネートする。フィルム72としてはオーデイルBF
(東京応化株式会社製)を用いる。あるいは液相ホトレ
ジストをスピンコートして成膜することも可能である。
【0024】そして、フィルム72で被覆された積層圧
電セラミック板60を露光移動台に取り付けて、CPU
71からの基準位置信号と補正されたパターン出力信号
に基づいて表面の感光性フィルム72をレーザービーム
露光手段Bによりパターン露光する。レーザービーム露
光手段Bは、ポリゴンミラー73、レンズ74を有した
レーザー光走査系75と、レーザーモジュレータ76と
からなり、CPU71からレーザーモジュレータ76に
出力された図5に示すレーザービームのオンオフ制御タ
イミング信号(Pav値に相当するように設定されたタ
イミング)によってレーザービームの走査露光が行われ
る。なお、櫛歯形状の圧電アクチュエータ30を作成す
る場合、上記レーザービームのオンオフタイミングは、
レーザービームを内部電極32a〜32dの2つおきに
出力させるデータを外部よりCPU71に入力して制御
する。
【0025】ところで、積層圧電セラミック板60を取
り付けた際に位置ずれが生じるおそれがある。そこで、
露光開始時に位置ずれの補正をレーザービームの走査に
よる各基準位置マーク63,64,65からの出力信号
をもとに行う。レーザービームを走査し、さらに積層圧
電セラミック板60を移動させて支持基体61上の各基
準位置マーク63,64,65にレーザービームを当
て、これらの出力により位置および傾きを検知してメモ
リー70に格納する。そして、CPU71において、傾
き補正に対しては、第一基準位置マーク63と第三基準
位置マーク65からの出力によりレーザービーム走査開
始からの基準位置マークの出力遅れの差によって補正計
算する。また、左右位置補正に対しては、第一基準位置
マーク63および第二基準位置マーク64の出力タイミ
ングと前もって読み込んだ基準位置マークの検出信号と
の対応関係により補正計算する。これによって、位置ず
れが生じても露光位置補正が可能となり、正確な内部電
極32a〜32dのパターンにしたがって露光を行うこ
とができる。
【0026】上記のように求めた基準位置の信号と内部
電極32a〜32dのピッチ補正の信号に基づいてレー
ザービームをオンオフさせて、内部電極32a〜32d
のパターンにしたがって所定の内部電極32a〜32d
に挟まれた領域、すなわち歯部57a〜57eとなる部
分の感光性フィルム72に向けてレーザービームを走査
露光する。露光終了後、積層圧電セラミック板60の露
光面を希炭酸ソーダ水溶液で現像して、感光性フィルム
72の露光されていない不要部分を除去する。
【0027】次に、ブラスト手段によりフィルム72を
除去した部分を研削加工して溝33a〜33dを形成す
る。ブラスト手段は、図4に示すようにブラスト機Cに
おいて被加工物に砥粒を圧縮空気で吹き付けるものであ
り、被加工物は移動自在なテーブルに載置されて密閉さ
れた容器80に収納され、容器80は、圧縮空気に砥粒
を混合して噴射するノズル81と、ノズル81に砥粒を
供給する砥粒タンク82とを備えている。加工に供され
た砥粒は再び砥粒タンク82に送られるようになってお
り、ここで砥粒と粉塵とに分別される。そして、粉塵を
集塵するための集塵機83が設けられている。なお、図
中、84は減圧弁、85は圧力計、86は油水分離機、
87は電磁弁、88はドレンコック、89はフットスイ
ッチ、90は作業孔、91はのどき窓、92は排風機、
93は粉塵フィルタである。そして、砥粒として、直径
3〜10μmのSiC粒またはAl23粒を用いる。
【0028】まず、感光性フィルム72が被覆された積
層圧電セラミック板60を容器80内に収納し、フット
スイッチ89の操作により圧縮空気が減圧弁84を介し
てノズル81に送られる。このとき、高速流体の側壁に
生じる負圧と重力により砥粒が引き出され、ノズル81
の手前で砥粒が混合される。砥粒が積層圧電セラミック
板60の表面に向かって投射され、フィルム72が被覆
された部分とされていない部分とでは加工速度に大きな
差があるため、フィルム72の除去された部分だけが図
7に示すように集中的に研削加工される。このとき、積
層圧電セラミック板60の表面全体に砥粒を吹き付けて
もよいが、積層圧電セラミック板60の移動と圧縮空気
の供給を制御してフィルム72が除去された部分のみに
砥粒を吹き付けてもよい。これによって、積層圧電セラ
ミック板60にインク室となる複数の溝33a〜33d
が高速でしかも精密に形成される。
【0029】加工に供された砥粒は粉塵を含んでおり、
ノズル81から吹き出された空気の流れおよび排風機9
2によって再び砥粒タンク82に送られ、ここで砥粒と
粉塵とに分別され、砥粒は砥粒タンク82に溜まり、粉
塵は排風機92によって吸引されて集塵機83に送られ
る。そして、粉塵フィルタ93によって粉塵は集塵され
て、集塵機83の底に集積され、清浄な空気が排出され
る。
【0030】研削加工された積層圧電セラミック板60
に対して、アルカリ溶液で残っているフィルム72を剥
離する。これによって圧電アクチュエータ30が完成す
る。このようにして形成された圧電アクチュエータ30
の各歯部57a〜57eの3つの内部電極32a〜32
cのうち左右の内部電極32a,32cを信号電極34
a〜34eとし、中央の内部電極32bを共通電極(グ
ランド電極)35とする。そして、信号電極34a〜3
4eと共通電極35とに電圧を印加すると、バイモルフ
効果により圧電セラミック板31が接合面に垂直な方向
に撓んでインクが噴射される。なお、このバイモルフ効
果についての詳細な説明は特開平3−266644号公
報に開示されている。
【0031】以上のように、積層圧電セラミック板の内
部電極の不規則なピッチ誤差があっても、内部電極のピ
ッチに応じて正確に研削加工を行うことができ、櫛歯状
圧電アクチュエータが短時間、低コストで製作可能とな
り、高密度、低電圧駆動の高性能インジェクット記録ヘ
ッドが量産可能となる。
【0032】なお、本発明は、上記実施例に限定される
ものではなく、本発明の範囲内で上記実施例に多くの修
正および変更を加え得ることは勿論である。ブラストの
砥粒として、鋳鉄、鋳鋼の粒であるショットや、これを
砕いたグリット、あるいは砂を用いてもよい。
【0033】また、積層圧電セラミック板の内部電極の
ピッチを検出してから表面に不透明の感光性フィルムを
塗布あるいはラミネートしてもよい。
【0034】
【発明の効果】以上の説明から明らかな通り、本発明に
よると、複数枚の所定幅の圧電セラミック板をそれぞれ
内部電極を介在させて積層焼結してなる電気機械変換素
子部材の表面の所望の領域に対して、ブラスト手段によ
り砥粒を吹き付けて切削加工を行うことによりマルチノ
ズル型インクジェット記録ヘッドを製造することが可能
となり、機械的加工に比べて加工時間を短縮でき、また
汎用のブラスト加工機の使用が可能なため加工コストも
低減できる。しかも、微細な砥粒を用いることにより、
任意の形状の加工が可能となり加工精度を高めることが
でき、インクジェット記録ヘッドの高密度実装を実現す
ることができる。
【0035】そして、電気機械変換素子部材の内部電極
の位置を検出して、所望の加工パターンを決定し、決定
された加工パターンに基づいてブラスト手段による切削
加工を行うと、内部電極のピッチが不規則で寸法誤差が
あっても正確に所望の領域を短時間で切削加工すること
ができ、製品の信頼性を向上させることができる。
【0036】このように、ブラスト法による加工を行う
ことによって、一度に大量の加工を行うことができるの
で、低コストで高密度実装、低電圧駆動が可能な櫛歯状
のインクジェット記録ヘッドが量産可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例を示すインクジェット記録ヘッ
ドの製造過程を示す模式図
【図2】インクジェット記録ヘッドの分解斜視図
【図3】被加工物表面の読み取り機能を備えたレーザー
ビーム露光手段の構成図
【図4】ブラスト機の全体構成図
【図5】積層圧電セラミック板の内部電極パターン読み
取り信号と露光制御の説明図
【図6】積層圧電セラミック板の露光位置補正の説明図
【図7】ブラスト加工の原理図
【図8】(a)従来のインクジェット記録ヘッドの断面
図、(b)インクジェット記録ヘッドの上面図および部
分断面図、(c)A−A′断面図
【図9】(a)従来の他のインクジェット記録ヘッドの
断面図、(b)インクジェット記録ヘッドの平面断面図
【図10】(a)従来の他のインクジェット記録ヘッド
の下部圧電セラミック板の斜視図、(b)図9のA−
A′断面図
【図11】(a)従来の圧電アクチュエータの斜視図、
(b)積層圧電体ブロックの斜視図
【図12】従来のダイシングソーによる加工の原理図
【符号の説明】 30 圧電アクチュエータ 31 圧電セラミック板 32a〜32d 内部電極 33a〜33d 溝 60 積層圧電セラミック板 72 感光性フィルム A 読み取りヘッド B レーザービーム露光手段 C ブラスト機

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 複数枚の所定幅の圧電セラミック板をそ
    れぞれ内部電極を介在させて積層焼結してなる電気機械
    変換素子部材の表面の所望の領域に対して、ブラスト手
    段により砥粒を吹き付けて切削加工を行うことを特徴と
    するインクジェット記録ヘッドの製造方法。
  2. 【請求項2】 電気機械変換素子部材の内部電極の位置
    を検出して、所望の加工パターンを決定し、決定された
    加工パターンに基づいてブラスト手段による切削加工を
    行うことを特徴とする請求項1記載のインクジェット記
    録ヘッドの製造方法。
  3. 【請求項3】 複数枚の所定幅の圧電セラミック板をそ
    れぞれ内部電極を介在させて積層焼結してなる電気機械
    変換素子部材の表面に光を照射し、反射光を受光素子に
    より受光し、その受光出力より前記電気機械変換素子部
    材の基準位置と前記内部電極のピッチを検出し、該検出
    信号に基づいて加工パターンの補正を行うステップと、 前記電気機械変換素子部材の表面を感光性保護膜にて被
    覆するステップと、 前記電気機械変換素子部材の基準位置信号と補正された
    加工パターン出力に基づいて各内部電極間の前記保護膜
    を露光手段にてパターン露光するステップと、 パターン露光終了後に露光面を現像して前記保護膜の不
    要部分を除去するステップと、 少なくとも前記保護膜の除去部分にブラスト手段により
    砥粒を吹き付けて切削加工処理を行うステップと、 切削加工処理後に前記保護膜を除去するステップとから
    なることを特徴とする請求項2記載のインクジェット記
    録ヘッドの製造方法。
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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH10109415A (ja) * 1996-10-07 1998-04-28 Brother Ind Ltd インクジェットヘッドおよびインクジェットヘッド形成方法
US6211606B1 (en) 1998-02-05 2001-04-03 Nec Corporation Piezoelectric actuator and method for manufacturing same
US6222303B1 (en) 1998-02-12 2001-04-24 Nec Corporation Piezoelectric actuator having an array of drive columns

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