JP2926892B2 - ヒドラゾン基を側鎖に有するスチレン系共重合体とその製造方法およびそれを用いた電子写真感光体 - Google Patents
ヒドラゾン基を側鎖に有するスチレン系共重合体とその製造方法およびそれを用いた電子写真感光体Info
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- JP2926892B2 JP2926892B2 JP13523290A JP13523290A JP2926892B2 JP 2926892 B2 JP2926892 B2 JP 2926892B2 JP 13523290 A JP13523290 A JP 13523290A JP 13523290 A JP13523290 A JP 13523290A JP 2926892 B2 JP2926892 B2 JP 2926892B2
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Description
【発明の詳細な説明】 [産業上の利用分野] 本発明は、新規のヒドラゾン基を側鎖に有するスチレ
ン系共重合体とその製造方法およびそれを用いた電子写
真感光体に関し、さらに詳しくは、電荷発生材料および
電荷移動材料を用いた電子写真感光体に用いた時に、電
荷移動材料として優れた機能を有するヒドラゾン基を有
し、かつ優れた機械的強度を有するスチレン系共重合体
とその製造方法およびそれを電荷移動材料として用いた
電子写真感光体に関するものである。
ン系共重合体とその製造方法およびそれを用いた電子写
真感光体に関し、さらに詳しくは、電荷発生材料および
電荷移動材料を用いた電子写真感光体に用いた時に、電
荷移動材料として優れた機能を有するヒドラゾン基を有
し、かつ優れた機械的強度を有するスチレン系共重合体
とその製造方法およびそれを電荷移動材料として用いた
電子写真感光体に関するものである。
[従来の技術およびその課題] 従来、電子写真方式において使用される感光体の光導
電材料として、セレン(Se),硫化カドミウム(Cd
S),酸化亜鉛(ZnO),アモルファスシリコン(a−S
i)等の無機物質がある。これらの無機系感光体は多く
の長所を持っているが、それと同時に種々の欠点、例え
ば有害であることや、コスト高であること等の欠点を持
っている。このため、近年になって、これらの欠点のな
い有機物質を用いた有機感光体が数多く提案され、実用
化に供されている。
電材料として、セレン(Se),硫化カドミウム(Cd
S),酸化亜鉛(ZnO),アモルファスシリコン(a−S
i)等の無機物質がある。これらの無機系感光体は多く
の長所を持っているが、それと同時に種々の欠点、例え
ば有害であることや、コスト高であること等の欠点を持
っている。このため、近年になって、これらの欠点のな
い有機物質を用いた有機感光体が数多く提案され、実用
化に供されている。
また、これらの感光体の構造としては、電荷担体を発
生する材料(以下、電荷発生材料と呼称する。)と、発
生した電荷担体を受け入れ、これを移動させる材料(以
下、電荷移動材料と呼称する。)とを別々の層にした機
能分離型感光体を有する多層構造と、電荷担体発生と電
荷移動とを同一材料で行う単層タイプ感光体を有する単
層構造が挙げられるが、多層構造のほうが材料の選択の
巾が大きく、かつ高感度になることから、多く採用され
ている。
生する材料(以下、電荷発生材料と呼称する。)と、発
生した電荷担体を受け入れ、これを移動させる材料(以
下、電荷移動材料と呼称する。)とを別々の層にした機
能分離型感光体を有する多層構造と、電荷担体発生と電
荷移動とを同一材料で行う単層タイプ感光体を有する単
層構造が挙げられるが、多層構造のほうが材料の選択の
巾が大きく、かつ高感度になることから、多く採用され
ている。
近年、ノンインパクトプリンティング技術の発展に伴
って、レーザ光源を使用した電子写真式プリンタの開発
研究が盛んに行われている。これらの装置においては、
装置サイズの小型化と、高速化に伴って、感光材料につ
いても、電荷発生材料の高感度化および電荷移動材料の
高移動度化が望まれている。
って、レーザ光源を使用した電子写真式プリンタの開発
研究が盛んに行われている。これらの装置においては、
装置サイズの小型化と、高速化に伴って、感光材料につ
いても、電荷発生材料の高感度化および電荷移動材料の
高移動度化が望まれている。
電荷移動材料の場合、その移動度は、バインダ(例え
ばポリカーボネート)中における移動材料(例えばトリ
フェニルアミン類化合物)の濃度に大きく依存すること
が知られている(高橋、艸林、横山,電子写真,25,16
(1986))。移動材料の濃度を高くすると移動度は高く
なるが、物性が悪くなり、例えばヒビ割れを起こしたり
する。さらにプリント時の紙の通過の際、機械的摩耗が
激しくなる。そのため、電荷移動材料をバインダ中に高
濃度で加えることは困難である。
ばポリカーボネート)中における移動材料(例えばトリ
フェニルアミン類化合物)の濃度に大きく依存すること
が知られている(高橋、艸林、横山,電子写真,25,16
(1986))。移動材料の濃度を高くすると移動度は高く
なるが、物性が悪くなり、例えばヒビ割れを起こしたり
する。さらにプリント時の紙の通過の際、機械的摩耗が
激しくなる。そのため、電荷移動材料をバインダ中に高
濃度で加えることは困難である。
本発明は以上述べたような従来の事情に鑑みてなされ
たもので、高濃度で使用しても、ヒビ割れなどを起こさ
ず、機械的に優れた物性を有し、しかも高い移動度を有
する電荷移動材料として有用な新規な化合物とその製造
方法およびそれを用いた電子写真感光体を提供すること
を目的とする。
たもので、高濃度で使用しても、ヒビ割れなどを起こさ
ず、機械的に優れた物性を有し、しかも高い移動度を有
する電荷移動材料として有用な新規な化合物とその製造
方法およびそれを用いた電子写真感光体を提供すること
を目的とする。
[課題を解決するための手段] 本発明者らは、このような従来の状況に鑑みて研究を
続けた結果、ポリマーの側鎖に電荷移動材料を導入する
ことにより、電荷移動材料が高濃度になり、高移動度を
示すことが見い出した。
続けた結果、ポリマーの側鎖に電荷移動材料を導入する
ことにより、電荷移動材料が高濃度になり、高移動度を
示すことが見い出した。
すなわち本発明は、 一般式[I]; (式中、R1は水素原子またはメチル基を表し、R2は炭素
原子数が1〜4の低級アルキル基を表し、R3は水素原
子,炭素原子数が1〜4の低級アルキル基,アルコキシ
ル基またはジアルキルアミノ基を表す。) で示される構造単位と、 一般式[II]; で示される構造単位よりなることを特徴とする分子量10
00〜500000のヒドラゾン基を側鎖に有するスチレン系共
重合体である。
原子数が1〜4の低級アルキル基を表し、R3は水素原
子,炭素原子数が1〜4の低級アルキル基,アルコキシ
ル基またはジアルキルアミノ基を表す。) で示される構造単位と、 一般式[II]; で示される構造単位よりなることを特徴とする分子量10
00〜500000のヒドラゾン基を側鎖に有するスチレン系共
重合体である。
また、その製造方法は、 一般式[III]; (式中、R1は水素原子またはメチル基を表し、R2は炭素
原子数が1〜4の低級アルキル基を表す。) で示される構造単位と、 一般式[II]; で示される構造単位よりなるスチレン系共重合体と、 一般式[IV]; (式中、R3は水素原子,炭素原子数が1〜4の低級アル
キル基,アルコキシル基またはジアルキルアミノ基を表
す。) で示されるヒドラジン化合物とを反応させるか、あるい
は、 一般式[V]; (式中、R1は水素原子またはメチル基を表し、R2は炭素
原子数が1〜4の低級アルキル基を表し、R3は水素原
子、炭素原子数が1〜4の低級アルキル基,アルコキシ
ル基またはジアルキルアミノ基を表す。) で示されるヒドラゾン基含有スチレン系化合物と、 一般式[VI]; で示されるスチレン系化合物とを共重合させることを特
徴とする。
原子数が1〜4の低級アルキル基を表す。) で示される構造単位と、 一般式[II]; で示される構造単位よりなるスチレン系共重合体と、 一般式[IV]; (式中、R3は水素原子,炭素原子数が1〜4の低級アル
キル基,アルコキシル基またはジアルキルアミノ基を表
す。) で示されるヒドラジン化合物とを反応させるか、あるい
は、 一般式[V]; (式中、R1は水素原子またはメチル基を表し、R2は炭素
原子数が1〜4の低級アルキル基を表し、R3は水素原
子、炭素原子数が1〜4の低級アルキル基,アルコキシ
ル基またはジアルキルアミノ基を表す。) で示されるヒドラゾン基含有スチレン系化合物と、 一般式[VI]; で示されるスチレン系化合物とを共重合させることを特
徴とする。
また、本発明によれば、上記のヒドラゾン基を側鎖に
有するスチレン系共重合体を電荷移動材料として含む電
子写真感光体が提供される。
有するスチレン系共重合体を電荷移動材料として含む電
子写真感光体が提供される。
本発明によるヒドラゾン基を側鎖に有するスチレン系
共重合体は、例えば次のようにして製造することができ
る。
共重合体は、例えば次のようにして製造することができ
る。
即ち、その第1の方法は、まず4−クロロスチレンの
グリニャール試薬を製造した後、アシルクロライドを加
えて4−アシルスチレンを製造する。次いで4−アシル
スチレンのアルデヒド基をケタールとして保護した後、
該化合物とスチレン系化合物とを適当な重合開始剤の存
在下で重合させ、次いで酸性溶液中で加水分解してケタ
ール基をはずすことにより、前記一般式[II]および
[III]で示される構造単位よりなるスチレン系共重合
体を製造する。次いでこの共重合体と、前記一般式[I
V]で示されるヒドラジン化合物とを反応させることに
より、本発明のスチレン系共重合体を得ることができ
る。
グリニャール試薬を製造した後、アシルクロライドを加
えて4−アシルスチレンを製造する。次いで4−アシル
スチレンのアルデヒド基をケタールとして保護した後、
該化合物とスチレン系化合物とを適当な重合開始剤の存
在下で重合させ、次いで酸性溶液中で加水分解してケタ
ール基をはずすことにより、前記一般式[II]および
[III]で示される構造単位よりなるスチレン系共重合
体を製造する。次いでこの共重合体と、前記一般式[I
V]で示されるヒドラジン化合物とを反応させることに
より、本発明のスチレン系共重合体を得ることができ
る。
また、その第2の方法は、上記と同様にして4−アシ
ルスチレンを製造した後、4−アシルスチレンの所望に
1,1−ジアリールヒドラジン化合物を加え、酸性触媒の
存在下で縮合させて、前記一般式[V]で示されるヒド
ラゾン基含有スチレン化合物を製造する。この単量体と
一般式[VI]で示されるスチレン系化合物とを適当な重
合開始剤を用いて重合させることによっても本発明のス
チレン系共重合体を得ることができる。本発明の共重合
体では、ヒドラゾン基を有する構造単位とスチレン構造
単位の比率は任意に設定できるが、一方の構造単位が0
となることはない。機械的に優れた物性を有し、かつ高
い移動度を得るためにはヒドラゾン基を有する構造単位
とスチレン構造単位の比率が約1対1の組成比が好まし
いが、これに限定されるものではない。すなわち、機械
的強度、移動度は感光体の用途により決定されるもので
あり、組成比はそれに合わせて任意に変更することがで
きる。
ルスチレンを製造した後、4−アシルスチレンの所望に
1,1−ジアリールヒドラジン化合物を加え、酸性触媒の
存在下で縮合させて、前記一般式[V]で示されるヒド
ラゾン基含有スチレン化合物を製造する。この単量体と
一般式[VI]で示されるスチレン系化合物とを適当な重
合開始剤を用いて重合させることによっても本発明のス
チレン系共重合体を得ることができる。本発明の共重合
体では、ヒドラゾン基を有する構造単位とスチレン構造
単位の比率は任意に設定できるが、一方の構造単位が0
となることはない。機械的に優れた物性を有し、かつ高
い移動度を得るためにはヒドラゾン基を有する構造単位
とスチレン構造単位の比率が約1対1の組成比が好まし
いが、これに限定されるものではない。すなわち、機械
的強度、移動度は感光体の用途により決定されるもので
あり、組成比はそれに合わせて任意に変更することがで
きる。
本発明の共重合体は、塩化メチレン等の溶剤に易溶で
あり、溶液をキャストすることにより硬いフィルムを製
造することができ、しかも何らヒビ割れ等が認められな
いものであり、電子写真感光体の電荷移動材料として極
めて有用なものである。
あり、溶液をキャストすることにより硬いフィルムを製
造することができ、しかも何らヒビ割れ等が認められな
いものであり、電子写真感光体の電荷移動材料として極
めて有用なものである。
本発明の電子写真感光体の1つは、導電性基体上に電
子写真感光層が電荷発生層と電荷移動層とに機能分離し
た構造で形成される。他には、電荷発生材料と電荷移動
材料が電子写真感光層中に分散した構造でもかまわな
い。また、導電性基体と電子写真感光層との間には、必
要に応じて下地層を設けることができる。
子写真感光層が電荷発生層と電荷移動層とに機能分離し
た構造で形成される。他には、電荷発生材料と電荷移動
材料が電子写真感光層中に分散した構造でもかまわな
い。また、導電性基体と電子写真感光層との間には、必
要に応じて下地層を設けることができる。
本発明で用いられる導電性基体としては、アルミニウ
ム,ニッケル,クロムなどからなる金属板,金属ドラム
または金属箔、およびアルミニウム,酸化スズ,酸化イ
ンジウム,クロムなどの薄層を設けたプラスチックフィ
ルム、および導電性物質を塗布または含浸させた紙また
はプラスチックフィルムなどが挙げられる。
ム,ニッケル,クロムなどからなる金属板,金属ドラム
または金属箔、およびアルミニウム,酸化スズ,酸化イ
ンジウム,クロムなどの薄層を設けたプラスチックフィ
ルム、および導電性物質を塗布または含浸させた紙また
はプラスチックフィルムなどが挙げられる。
電荷発生層には電荷発生材料、バインダおよび溶剤が
含まれる。このうち、電荷発生材料としては、例えばS
e,CdS,ZnO等の無機材料、あるいはCu,Al,In,Ti,Pb,V等
の金属原子を有するフタロシアニン類、更には無機フタ
ロシアニン、アゾ系顔料、ビスアゾ系顔料、あるいはシ
アニン系顔料等の有機材料を単独あるいは混合して使用
することができる。電荷発生層中に含有する電荷発生材
料の割合は、電荷発生層に対して0.05〜90重量%、好ま
しくは30〜65重量%が適している。
含まれる。このうち、電荷発生材料としては、例えばS
e,CdS,ZnO等の無機材料、あるいはCu,Al,In,Ti,Pb,V等
の金属原子を有するフタロシアニン類、更には無機フタ
ロシアニン、アゾ系顔料、ビスアゾ系顔料、あるいはシ
アニン系顔料等の有機材料を単独あるいは混合して使用
することができる。電荷発生層中に含有する電荷発生材
料の割合は、電荷発生層に対して0.05〜90重量%、好ま
しくは30〜65重量%が適している。
また、電気的絶縁性のバインダ(結着樹脂)として
は、フェノール樹脂,ユリア樹脂,メラミン樹脂,エポ
キシ樹脂,ケイ素樹脂,塩化ビニル−酢酸ビニル共重合
体,ブチラール樹脂,キシレン樹脂,ウレタン樹脂,ア
クリル樹脂,ポリカーボネート樹脂,ポリアクリレート
樹脂,飽和ポリエステル樹脂,フェノキシ樹脂などが挙
げられる。
は、フェノール樹脂,ユリア樹脂,メラミン樹脂,エポ
キシ樹脂,ケイ素樹脂,塩化ビニル−酢酸ビニル共重合
体,ブチラール樹脂,キシレン樹脂,ウレタン樹脂,ア
クリル樹脂,ポリカーボネート樹脂,ポリアクリレート
樹脂,飽和ポリエステル樹脂,フェノキシ樹脂などが挙
げられる。
また、これらの樹脂を溶解する溶剤は樹脂の種類にな
って異なり、さらに後述する下地層を溶解しないものの
中から選択することが望ましい。具体的な有機溶剤とし
ては、メタノール,エタノール,イソプロピルアルコー
ルなどのアルコール類、アセトン,メチルエチルケト
ン,シクロヘキサンなどのケトン類、N,N−ジメチルホ
ルムアミド,N,N−ジメチルアセトアミドなどのアミド
類、テトラヒドロフラン,ジオキサン,エチレングリコ
ールモノメチルエーテルなどのエーテル類、酢酸メチ
ル,酢酸エチルなどのエステル類、クロロホルム,塩化
メチレン,ジクロロエチレン,四塩化炭素,トリクロロ
エチレンなどの脂肪族ハロゲン化炭化水素類、あるいは
ベンゼン,トルエン,キシレン,モノクロロベンゼン,
ジクロロベンゼンなのど芳香族類などを用いることがで
きる。
って異なり、さらに後述する下地層を溶解しないものの
中から選択することが望ましい。具体的な有機溶剤とし
ては、メタノール,エタノール,イソプロピルアルコー
ルなどのアルコール類、アセトン,メチルエチルケト
ン,シクロヘキサンなどのケトン類、N,N−ジメチルホ
ルムアミド,N,N−ジメチルアセトアミドなどのアミド
類、テトラヒドロフラン,ジオキサン,エチレングリコ
ールモノメチルエーテルなどのエーテル類、酢酸メチ
ル,酢酸エチルなどのエステル類、クロロホルム,塩化
メチレン,ジクロロエチレン,四塩化炭素,トリクロロ
エチレンなどの脂肪族ハロゲン化炭化水素類、あるいは
ベンゼン,トルエン,キシレン,モノクロロベンゼン,
ジクロロベンゼンなのど芳香族類などを用いることがで
きる。
電荷発生層の膜厚は、帯電性の保持,安定性確保のた
め0.1〜0.5μm程度が用いられる。また必要に応じてバ
インダと共に可塑剤等を用いることもできる。塗工は、
浸漬コーティング法,スプレーコーティング法,ワイヤ
ーバーコーティング法,プレードコーティング法,ロー
ラーコーティング法などのコーティング法を用いて行う
ことができる。
め0.1〜0.5μm程度が用いられる。また必要に応じてバ
インダと共に可塑剤等を用いることもできる。塗工は、
浸漬コーティング法,スプレーコーティング法,ワイヤ
ーバーコーティング法,プレードコーティング法,ロー
ラーコーティング法などのコーティング法を用いて行う
ことができる。
下地層に用いられる結着性樹脂としては、ナイロン6,
ナイロン66,ナイロン11,ナイロン610,共重合ナイロン,
アルコキシメチル化ナイロンなどのアルコール可溶性ポ
リアミド、カゼイン、ポリビニルアルコール、ニトロセ
ルロース、エチレン−アクリル酸コポリマー、ゼラチ
ン、ポリウレタン、ポリビニルブチラール等が用いられ
る。下地層の成膜方法は、前述した電荷発生層と同等な
方法で行うことができる。その際、下地層の膜厚は0.1
〜20μm、望ましくは0.5〜10μmが良い。
ナイロン66,ナイロン11,ナイロン610,共重合ナイロン,
アルコキシメチル化ナイロンなどのアルコール可溶性ポ
リアミド、カゼイン、ポリビニルアルコール、ニトロセ
ルロース、エチレン−アクリル酸コポリマー、ゼラチ
ン、ポリウレタン、ポリビニルブチラール等が用いられ
る。下地層の成膜方法は、前述した電荷発生層と同等な
方法で行うことができる。その際、下地層の膜厚は0.1
〜20μm、望ましくは0.5〜10μmが良い。
また、本発明の電子写真感光体における電荷移動層は
前記一般式[I]および[II]で示される構造単位より
なるスチレン系共重合体を適当な有機溶媒に溶解し、こ
れを塗布し、乾燥させたものが用いられる。
前記一般式[I]および[II]で示される構造単位より
なるスチレン系共重合体を適当な有機溶媒に溶解し、こ
れを塗布し、乾燥させたものが用いられる。
この際、用いられる溶剤としては、スチレン系共重合
体を溶解する溶剤ならばいずれも使用できるが、電荷発
生層あるいは上述の下地層に対し、塗工時に影響を与え
ないものから選択することが好ましい。
体を溶解する溶剤ならばいずれも使用できるが、電荷発
生層あるいは上述の下地層に対し、塗工時に影響を与え
ないものから選択することが好ましい。
具体的には、ベンゼン,キシレン,モノクロルベンゼ
ンなどの芳香族炭化水素、アセトン,メチルエチルケタ
ンなどのケトン類、酢酸エチルなどのエステル類、クロ
ロホルム,ジクロルメタンなどの脂肪族ハロゲン化炭化
水素類、テトラヒドロフラン,ジオキサンなどのエーテ
ル類、N,N−ジメチルホルムアミドなどのアミド類およ
びジメチルスルホキシドなどのスルホキシド類が用いら
れる。
ンなどの芳香族炭化水素、アセトン,メチルエチルケタ
ンなどのケトン類、酢酸エチルなどのエステル類、クロ
ロホルム,ジクロルメタンなどの脂肪族ハロゲン化炭化
水素類、テトラヒドロフラン,ジオキサンなどのエーテ
ル類、N,N−ジメチルホルムアミドなどのアミド類およ
びジメチルスルホキシドなどのスルホキシド類が用いら
れる。
また、一般的に樹脂に通常用いられる各種添加剤、例
えば紫外線吸収剤や酸化防止剤等を適宜添加することは
劣化防止に有効である。
えば紫外線吸収剤や酸化防止剤等を適宜添加することは
劣化防止に有効である。
塗工方法は、スピンコーター,アプリケーター,スプ
レーコーター,バーコーター,浸漬コーター,ドクター
プレード,ローラーコーター,カーテンコーター,ビー
ドコーター等の装置を用いて行い、乾燥後膜厚は5〜50
μm、望ましくは10〜20μmになるように塗工するのが
よい。
レーコーター,バーコーター,浸漬コーター,ドクター
プレード,ローラーコーター,カーテンコーター,ビー
ドコーター等の装置を用いて行い、乾燥後膜厚は5〜50
μm、望ましくは10〜20μmになるように塗工するのが
よい。
[実施例] 以下、本発明の実施例について詳細に説明するが、本
発明は、その要旨を越えない限り、以下の実施例に限定
されるものではない。
発明は、その要旨を越えない限り、以下の実施例に限定
されるものではない。
実施例1 本実施例では、次の一連の反応式で示される方法によ
って、式(3)で示されるスチレン系共重合体を製造し
た。
って、式(3)で示されるスチレン系共重合体を製造し
た。
化合物(1)の製造 1フラスコ中に、金属マグネシウム14.7g、エチル
エーテル20mlおよび少量の臭化エチルを加え、加熱して
マグネシウムを活性化させた。さらに、4−クロロスチ
レン81.8g/テトラヒドロフラン(THF)400mlの溶液を3
時間を要して加えた。反応中、発熱を起こし高温になる
ので、水浴で冷却して反応溶液を50℃以下に保持した。
滴下終了後、さらに2時間室温で反応を続けた。
エーテル20mlおよび少量の臭化エチルを加え、加熱して
マグネシウムを活性化させた。さらに、4−クロロスチ
レン81.8g/テトラヒドロフラン(THF)400mlの溶液を3
時間を要して加えた。反応中、発熱を起こし高温になる
ので、水浴で冷却して反応溶液を50℃以下に保持した。
滴下終了後、さらに2時間室温で反応を続けた。
アセチルクロライド(CH3−COCl)24.0gを2時間を要
して滴下した。エチルエーテル500mlを加え、反応溶液
を希塩酸水溶液中に加えた。抽出を行い、エーテル層を
純水で洗浄後、硫酸マグネシウムで乾燥した。エーテル
を留出後、蒸溜して4−アセチルスチレンを製造した
(沸点76℃/0.8mmHg)。収量42g(61%)であった。
して滴下した。エチルエーテル500mlを加え、反応溶液
を希塩酸水溶液中に加えた。抽出を行い、エーテル層を
純水で洗浄後、硫酸マグネシウムで乾燥した。エーテル
を留出後、蒸溜して4−アセチルスチレンを製造した
(沸点76℃/0.8mmHg)。収量42g(61%)であった。
化合物(2)の製造 上記方法にて製造した化合物(1)68g、1,1−ジフェ
ニルヒドラジン92.5g、ベンゼン300ml、そして少量のパ
ラトルエンスルホン酸をディーンスタルク受器の付いた
500mlフラスコに仕込み、加熱して2時間還流した。反
応終了後、ベンゼンを留出し、メタノールで再結晶し
て、融点79℃の淡黄色の固体である化合物(2)を得
た。
ニルヒドラジン92.5g、ベンゼン300ml、そして少量のパ
ラトルエンスルホン酸をディーンスタルク受器の付いた
500mlフラスコに仕込み、加熱して2時間還流した。反
応終了後、ベンゼンを留出し、メタノールで再結晶し
て、融点79℃の淡黄色の固体である化合物(2)を得
た。
化合物(3)の製造 50mlフラスコ中に化合物(2)15g、スチレン5g,ベン
ゼン15mlを仕込み、さらにアゾビスイソブチロニトリル
(AIBN)0.5gを加えた。60℃で24時間重合を行った後、
重合溶液を多量のメタノール中に投入した。得られた固
体を減圧下、50℃で乾燥した。収量16.1g、重量平均分
子量250,000、数平均分子量120,000の化合物(3)を得
た。
ゼン15mlを仕込み、さらにアゾビスイソブチロニトリル
(AIBN)0.5gを加えた。60℃で24時間重合を行った後、
重合溶液を多量のメタノール中に投入した。得られた固
体を減圧下、50℃で乾燥した。収量16.1g、重量平均分
子量250,000、数平均分子量120,000の化合物(3)を得
た。
実施例2 本実施例では、次の反応式で示される方法によって、
式(3)で示されるスチレン系共重合体を製造した。
式(3)で示されるスチレン系共重合体を製造した。
100mlフラスコ中にポリ(p−アセチルスチレン−コ
ースチレン)5g、1,1−ジフェニルヒドラジン12g、p−
トルエンスルホン酸0.5g、テトラヒドロフラン(THF)5
0mlを仕込み、室温で12時間反応を行った。
ースチレン)5g、1,1−ジフェニルヒドラジン12g、p−
トルエンスルホン酸0.5g、テトラヒドロフラン(THF)5
0mlを仕込み、室温で12時間反応を行った。
反応終了後、THFを減圧下で留出し、ベンゼン50mlを
加えてその溶液をメタノール500ml中に投入した。得ら
れた固体の生成物を濾過後、乾燥して化合物(3)を得
た。収量7.2gであった。
加えてその溶液をメタノール500ml中に投入した。得ら
れた固体の生成物を濾過後、乾燥して化合物(3)を得
た。収量7.2gであった。
実施例3 Al基板上にナイロンよりなる下地層が形成され、該下
地層上に電荷発生層としてフタロシアニンを含むブチラ
ールフィルム(0.1μm厚)が塗布されているAl基板上
に、化合物(3)/塩化メチレン(1:1重量比)溶液を
塗布し、80℃、30分間焼き付けて15μm厚の電荷移動層
を形成せしめた。
地層上に電荷発生層としてフタロシアニンを含むブチラ
ールフィルム(0.1μm厚)が塗布されているAl基板上
に、化合物(3)/塩化メチレン(1:1重量比)溶液を
塗布し、80℃、30分間焼き付けて15μm厚の電荷移動層
を形成せしめた。
静電複写試験装置を用いて−5kVのコロナ放電で表面
電位−100Vにせしめた後、照度5ルックスになるように
して光照射し、その表面電位が1/2になるまでの時間
(秒)を求め、半減露光量E1/2(ルックス・秒)を得
た。その結果はVpo=1000ボルト、E1/2=0.50ルックス
・秒と非常に高い移動度を示した。また機械的物性も非
常に良好であった。
電位−100Vにせしめた後、照度5ルックスになるように
して光照射し、その表面電位が1/2になるまでの時間
(秒)を求め、半減露光量E1/2(ルックス・秒)を得
た。その結果はVpo=1000ボルト、E1/2=0.50ルックス
・秒と非常に高い移動度を示した。また機械的物性も非
常に良好であった。
第1図は本実施例にて製造した電子写真感光体の概略
断面図で、図中、1はAl基板、2は電荷発生層、3は電
荷移動層、4は下地層である。
断面図で、図中、1はAl基板、2は電荷発生層、3は電
荷移動層、4は下地層である。
[発明の効果] 以上説明したように、本発明による新規なスチレン系
共重合体は、電子写真感光体における電荷移動材料とし
て用いた場合、機械的に優れた物性を有し、かつ高い移
動度を有しており、優れた機能を有する材料としてその
有用性が期待される。
共重合体は、電子写真感光体における電荷移動材料とし
て用いた場合、機械的に優れた物性を有し、かつ高い移
動度を有しており、優れた機能を有する材料としてその
有用性が期待される。
第1図は本発明による電子写真感光体の一実施例の概略
断面図である。 1……Al基板 2……電荷発生層 3……電荷移動層 4……下地層
断面図である。 1……Al基板 2……電荷発生層 3……電荷移動層 4……下地層
Claims (4)
- 【請求項1】一般式; (式中、R1は水素原子またはメチル基を表し、R2は炭素
原子数が1〜4の低級アルキル基を表し、R3が水素原
子,炭素原子数が1〜4の低級アルキル基,アルコキシ
ル基またはジアルキルアミノ基を表す。) で示される構造単位と、 一般式; (式中、R4は水素原子またはメチル基を表す。) で示される構造単位よりなることを特徴とする分子量10
00〜500000のヒドラゾン基を側鎖に有するスチレン系共
重合体。 - 【請求項2】一般式; (式中、R1は水素原子またはメチル基を表し、R2は炭素
原子数が1〜4の低級アルキル基を表す。) で示される構造単位と、 一般式; (式中、R4は水素原子またはメチル基を表す。) で示される構造単位よりなるスチレン系共重合体と、 一般式; (式中、R3は水素原子,炭素原子数が1〜4の低級アル
キル基,アルコキシル基またはジアルキルアミノ基を表
す。) で示されるヒドラジン化合物とを反応させることを特徴
とする、 一般式; (式中、R1,R2およびR3は前記と同一意味を表す。) で示される構造単位と、 一般式; (式中、R4は前記と同一意味を表す。) で示される構造単位よりなる分子量1000〜500000のヒド
ラゾン基を側鎖に有するスチレン系共重合体の製造方
法。 - 【請求項3】一般式; (式中、R1は水素原子またはメチル基を表し、R2は炭素
原子数が1〜4の低級アルキル基を表し、R3は水素原
子、炭素原子数が1〜4の低級アルキル基,アルコキシ
ル基またはジアルキルアミノ基を表す。) で示されるヒドラゾン基含有スチレン系化合物と、 一般式; (式中、R4は水素原子またはメチル基を表す。) で示されるスチレン系化合物とを共重合させることを特
徴とする、 一般式; (式中、R1、R2およびR3は前記と同一意味を表す。) で示される構造単位と、 一般式; で示される構造単位よりなる分子量1000〜500000のヒド
ラゾン基を側鎖に有するスチレン系共重合体の製造方
法。 - 【請求項4】電荷発生材料と電荷移動材料を含む電子写
真感光体において、 一般式; (式中、R1は水素原子またはメチル基を表し、R2は炭素
原子数が1〜4の低級アルキル基を表し、R3は水素原
子,炭素原子数が1〜4の低級アルキル基,アルコキシ
ル基またはジアルキルアミノ基を表す。) で示される構造単位と、 一般式; (式中、R4は水素原子またはメチル基を表す。) で示される構造単位よりなるスチレン系共重合体を電荷
移動材料として含むことを特徴とする電子写真感光体。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP13523290A JP2926892B2 (ja) | 1990-05-28 | 1990-05-28 | ヒドラゾン基を側鎖に有するスチレン系共重合体とその製造方法およびそれを用いた電子写真感光体 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP13523290A JP2926892B2 (ja) | 1990-05-28 | 1990-05-28 | ヒドラゾン基を側鎖に有するスチレン系共重合体とその製造方法およびそれを用いた電子写真感光体 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH0431404A JPH0431404A (ja) | 1992-02-03 |
JP2926892B2 true JP2926892B2 (ja) | 1999-07-28 |
Family
ID=15146902
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP13523290A Expired - Fee Related JP2926892B2 (ja) | 1990-05-28 | 1990-05-28 | ヒドラゾン基を側鎖に有するスチレン系共重合体とその製造方法およびそれを用いた電子写真感光体 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2926892B2 (ja) |
Families Citing this family (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
US5506331A (en) * | 1992-05-01 | 1996-04-09 | Idemitsu Kosan Co., Ltd. | Polyester polymer, production thereof and electrophotographic photoreceptor using the same |
JP4642447B2 (ja) | 2004-08-27 | 2011-03-02 | 株式会社リコー | 芳香族ポリエステル樹脂及びそれを用いた電子写真用感光体 |
KR101753917B1 (ko) | 2009-03-02 | 2017-07-04 | 옥스포드 어드밴스드 서패이시즈 리미티드 | 공유결합 3차원 네트워크를 형성할 수 있는 화학제 |
-
1990
- 1990-05-28 JP JP13523290A patent/JP2926892B2/ja not_active Expired - Fee Related
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPH0431404A (ja) | 1992-02-03 |
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