JP2926691B2 - 乾燥食品の製造方法 - Google Patents

乾燥食品の製造方法

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JP2926691B2 JP2131693A JP2131693A JP2926691B2 JP 2926691 B2 JP2926691 B2 JP 2926691B2 JP 2131693 A JP2131693 A JP 2131693A JP 2131693 A JP2131693 A JP 2131693A JP 2926691 B2 JP2926691 B2 JP 2926691B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、麺類や味噌汁等の具材
として加える乾燥食品の製造方法に関するものであり、
特に野菜類材料等の本来の外観色調を維持し、かつ歩留
まりや作業性の良い乾燥食品の製造方法に関するもので
ある。
【0002】
【従来の技術】インスタント麺類等に添加して用いる具
材の製造方法については、従来から種々の方法が提案さ
れている。即ち、特公昭57-42293号公報「成型乾燥野菜
類の製造方法」には、野菜類をブランチングした後、こ
れに糊料を添加して混練し、その後所定の形状に切断し
て乾燥する方法が開示されている。また、特公平1-4354
5号公報「乾燥食品の製造方法」には、さいの目に切断
した豆腐を、単糖類、二糖類、デキストリン等の糖類の
うち一種または二種以上を混合した糖液または糖液を含
有しかつ食塩、グルタミン酸ソーダ、味噌、醤油等の調
味料のうち一種または二種以上を混合した調味料に浸漬
した後、この糖液または糖液を含有する調味液より取り
出した豆腐を急速凍結し、そのまま乾燥する製造方法が
開示されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記の
ような乾燥野菜類等の製造方法では、野菜類をブランチ
ング処理により酵素失活させただけでは、特に緑黄色野
菜類においては新鮮な色調を凍結乾燥処理後も維持する
ことはできない。また、豆腐に糖類を含浸させて、当初
の形状を凍結乾燥後も維持することは周知であるが、一
般的には糖類の甘味が凍結乾燥品に高度に残留する。従
って、その凍結乾燥品を具材として利用した場合、その
甘味がインスタント麺類等の最終製品へ移行して、全体
の味に微妙な変化をもたらす。そして一般的に、何らの
前処理もせずに凍結乾燥により製造した具材は、相互に
結着しがたく、脆く、かつ纏めがたく、空隙の多い凍結
乾燥品となる。
【0004】本発明は、麺類や味噌汁等の具材として加
える乾燥食品の製造方法に関する上記の問題に鑑みてな
されたものであり、その目的は、(1)緑黄色野菜類の新
鮮な色調を維持することができ、(2)甘味や緘味のバラ
ンスのよい製品が得られ、(3)種々の材料の結着性や製品
の保形性がよく、かつ(4)歩留まりや作業性のよい乾燥
食品の製造方法を提供することである。
【0005】
【課題を解決するための手段および作用】本発明者ら
は、上記の課題の解決について鋭意研究した。その結
果、具材を構成する材料としてブランチング処理をした
後にpH調整をした野菜類材料等を用いることと、材料
を非還元性澱粉中間加水分解物の溶液で処理する方法に
着目した。
【0006】本発明は上記の着想に基づくものであり、
その要旨は、ブランチング処理した野菜類材料及び穀類
材料、冷凍処理された野菜類材料及び穀類材料から選択
された一種または二種以上からなる材料の pH を 8.0 -
9.0 に調整し、これを還元水飴、還元麦芽水飴、還元
澱粉、澱粉加 水分解物及び二糖類から選択された一種
または二種以上を含む溶液に浸漬して水切りした後に、
該材料を凍結乾燥することを特徴とする乾燥食品の製造
方法と、水切りした材料に畜肉製品または魚肉製品から
選択された1種以上を加えてからを凍結乾燥することを
特徴とする乾燥食品の製造方法にある。
【0007】本発明における野菜類としては、特に限定
されるものではないが、葱、もやし、人参等の種々のも
のを用いることができる。また穀類としてはコーン、麦
等の種々のものを使用することができる。そして本発明
に使用する野菜類はブランチング処理をすることが望ま
しいが、この処理は野菜類の入荷の状態に応じて行う。
例えば、輸入原料を用いる場合は、葱、人参等は冷凍品
を用いるが、これは予めブランチング処理が施されてい
るので再度処理する必要はない。野菜類をブランチング
するには、約80〜100℃の熱水または蒸気中で30
秒程度以上さらす方法によるが、これは殺菌と酵素失活
を行い、以後の工程において酵素による褐変反応を防止
するためである。そして、このブランチングに供する熱
水に塩類を加えることにより、野菜類が本来保持してい
る組織を凍結乾燥後も維持することができる。
【0008】発明に用いる野菜類や穀類に対して pH
調整が行われるが、これは特に黄緑色野菜が本来保持し
ている色調を、凍結乾燥処理後も維持するためであり、
そのほか零下数十度に野菜類を急速に冷凍した時に生じ
る冷凍焼け、凍結乾燥終了間近に生じる乾燥品の品温上
昇に伴う褐変をも防止するためである。pH 調整には弱
アルカリ性水溶液が用いられ、食品添加物として認可さ
れているアルカリ性製剤を用いることが好ましい。この
アルカリ性水溶液の pH としては8.0 〜 9.0 の範囲内
であり、8.5 程度が好ましい。
【0009】本発明における次の処理は、上記の処理を
した材料を還元水飴等を含む溶液に浸漬する工程であ
る。ここで用いる還元水飴、還元麦芽水飴、還元澱粉等
の非還元性澱粉中間加水分解物は、特公昭44-18898号公
報に開示されている製造法等により得られるが、この非
還元性澱粉中間加水分解物は、耐熱性のみならず酸およ
びアリカリにも強く、増粘剤、艶出し剤、湿潤調整剤、
賦コク剤、柔軟剤、砂糖の結晶阻止剤、アルファー澱粉
の安定剤、鮮度保持剤等の品質改良剤として使用されて
いる。また、この非還元性澱粉中間加水分解物は、末端
基に還元糖を有していないので加熱中に、蛋白質やアミ
ノ酸などの窒素化合物が共存してもメイラード反応を起
こすこともなく、さらに分子内脱水を生じた後に重合反
応を起こすこともない。
【0010】本発明においては、上記の処理をした材料
を還元水飴、還元麦芽水飴、還元澱粉、澱粉加水分解
物、二糖類から選択された一種または二種以上を含む溶
液に浸漬処理するが、この処理により、凍結乾燥した製
品の材料相互がよく結着し、外的要因による振動に対し
ても保形性を維持し、かつ凍結乾燥時に水分の逸散によ
り生じる野菜類の萎縮をも防止することができる。そし
てこの効果は、還元水飴、還元麦芽水飴、還元澱粉、澱
粉加水分解物が野菜類の内部に浸透して保形性を発揮
し、さらに乾燥後の見掛け上の歩留まりが向上するほ
か、糊料の役割も果たすのである。
【0011】そして還元水飴、還元麦芽水飴は、酸糖化
水飴、麦芽糖化水飴に比べて甘味度が低く、還元澱粉、
澱粉加水分解物は、通常の澱粉のように熱湯に加えて溶
解させる必要がなく温水に溶解可能で、かつ溶解時に
「ダマ」を生じることがなく作業性が良い。さらに二糖
類は、単糖類に比べ極めて甘味度が低く、かつ二糖類は
還元水飴、還元麦芽水飴、還元澱粉、澱粉加水分解物よ
りも極めて分子量が小さいので、野菜類の内部に浸透す
る速度も上記の還元水飴、還元麦芽水飴、還元澱粉、澱
粉加水分解物より速い。従って、還元水飴、還元麦芽水
飴、還元澱粉、澱粉加水分解物と併用すると保形性と歩
留まり向上に対しての効果が著しい。さらに、ソルビト
ール、マルチトール、葡萄糖、乳糖を用いたものに比べ
て凍結乾燥品の全体の甘味度が低く、味噌汁、インスタ
ント麺等の味に悪影響を及ぼさない。
【0012】本発明の次の工程は、凍結乾燥であるが、
これは上記のブランチング処理、pH調整、還元水飴溶
液等への浸漬をした材料を水切りして、−20〜−40
℃の条件下で急速凍結する方法である。急速凍結するの
は、生成する氷結晶の成長を極力抑えて、野菜類の組織
内部からの損傷を防止するためである。具体的な方法と
しては、材料を水切りした後に、適宜の形状の浅い凹型
容器にそれぞれ一食分ずつ成型充填してから急速凍結す
るか、または材料をスチィールベルト上に帯状に流し、
そのまま急速凍結するか、または一食分ずつ縦横に押圧
切断して成型してから急速凍結する。そしてこの成型工
程において、上記の還元水飴、還元麦芽水飴、還元澱
粉、澱粉加水分解物が、野菜類や穀類等の材料を相互に
結着せしめる作用効果を奏する。次ぎに、乾燥は上記の
凍結品を1.5Torr以下の真空度で乾燥する。この
ようにして得られた凍結乾燥品は、味噌汁、麺類の具材
として用いた場合に、速やかに復元し、食感、ボリュー
ム感共に生鮮品に比べて遜色がない。
【0013】さらに本発明は、上記の水切りした材料に
畜肉製品または魚肉製品から選択された一種以上を加え
てから凍結乾燥することも可能である。ここで用いる畜
肉製品としては、特に限定されるものではないが、スラ
イスしたハム、焼豚、ソセージ等が挙げられ、魚肉製
品としては、練り製品や味付け加工魚肉を挙げることが
できる。このような畜肉製品や魚肉製品を加えて製造し
た凍結乾燥品も、麺類等の具材として用いた場合に、速
やかに復元し、食感、ボリューム感共に生鮮品に比べて
遜色がなく、加えてスライスしたハム、焼豚、ソセー
魚肉製品等が具材としての斬新な彩りと風味付けを
することになる。
【0014】そして、上記の畜肉製品や魚肉製品を水切
りした材料に加えるに当り、水切りした材料の表面また
はこの材料をある程度ないし完全に圧延したものの表面
に、上記の還元水飴、還元麦芽水飴、還元澱粉、澱粉加
水分解物の結着作用を利用して、畜肉製品や魚肉製品を
貼付することも可能である。このようにして製造した凍
結乾燥品である具材を湯により復元すると、畜肉製品や
魚肉製品が湯の表面に浮き、浮身としての効果も同時に
奏される。
【0015】上記の各種の方法によって得られた凍結乾
燥品を、一食分の大きさに切断成型して凍結乾燥食品を
製造するに当り、切屑の量を最小限にする必要がある。
本発明者らがその切削刃について検討したところによれ
ば、すりわりフライス刃またはすりわり形状の帯刃を用
いることが好ましい。千鳥刃は極めて悪い結果となっ
た。 そして、すりわりフライス刃またはすりわり形状
の帯刃の、刃の厚さは後述する比較試験例5に示す通
り、0.15〜0.30mm程度が好ましく、0.15m
m未満の刃の厚さは堅牢性がないので好ましくない。ま
た、0.30mmを超えた刃の厚さでは、切屑が多く発
生するので好ましくない。
【0016】
【実施例等】以下実施例等に基づいて本発明をさらに詳
細に説明する。 実施例1 もやし1kgを食塩4.00重量%を含む沸騰水中に1
分半浸漬した後、冷水中に浸漬して水切りする。長さ
0.5cmの長葱1kgを80℃の熱水中に0.5分浸漬
した後、これをクエン酸ソーダにてpH8.5に調整し
た冷水中に浸漬してから水切りする。厚さ0.1cmの
人参1kgを95℃の熱水中に0.8分浸漬した後に、
冷水中に浸漬してから水切りする。次ぎに、還元水飴3
0重量%(水分30重量%含有)とDE5の澱粉加水分解
物10重量%と乳糖5重量%よりなる水溶液に、上記の
処理をした野菜類材料の混合物を20分間放置後、水切
りする。そして、この野菜類材料の混合物を4cm四方
のトレーの上に厚さ0.5cmに延ばして充填し、これ
を−25℃で急速凍結した後に、0.2Torrで凍結
乾燥して乾燥食品を得た。
【0017】実施例2 豆もやし1kg、長さ1cmの三つ葉0.5kgを食塩
4.00重量%を含む沸騰水中に1分半浸漬した後、冷
水中に浸漬して水切りし、これに缶詰の全粒コーン0.
2kgを混合し、さらにクエン酸ソーダにてpH8.5
に調整した冷水中に浸漬してから再度水切りする。次ぎ
に、還元麦芽水飴30%(水分30重量%含有)と還元澱
粉10重量%と麦芽糖5重量%よりなる水溶液に、上記
の混合材料を浸漬して30分間放置した後に水切りす
る。次ぎに、コンベヤー上にこの材料を厚さ0.8mm
に延ばしながら流し、その表面に流し量1kg当り0.
1kgのスライス焼豚を貼付し、コンベヤー上に3cm
四方に縦横に押圧してから下側より液体窒素で急速凍結
する。この3cm四方の凍結品を大型トレーに取り移
し、実施例1と同様に凍結乾燥する。
【0018】実施例3 実施例2におけるスライス焼豚に替えてスライスした薫
製鮭を用いて、以下実施例2と同様に処理した。
【0019】実施例4 もやし1kgを食塩4.00重量%を含む沸騰水中に1
分半浸漬した後、冷水中に浸漬して水切りする。長さ
0.5cmの長葱1kgを80℃の熱水に0.5分間浸漬
した後、クエン酸ソーダにてpH8.5に調整した冷水
中に浸漬してから水切りする。厚さ0.1cmの人参1
kgを95℃の熱水中に0.8分浸漬した後、これを冷
水中に浸漬してから水切りする。次ぎに、還元水飴30
重量%(水分30重量%含有)とDE5の澱粉加水分解
物10重量%と乳糖5重量%よりなる水溶液に、上記の
処理をした野菜類の混合物を浸漬して20分間放置した
後、水切りする。次ぎに、この野菜類をトレーの上に厚
さ0.5cmに圧延して−25℃で急速凍結した後、0.
2Torrで凍結乾燥して、板状の凍結乾燥品を得た。
そしてこの板状の凍結乾燥品を、4cm四方に縦横に厚
さ0.15mmのすりわりフライス刃にて切断成型し、
凍結乾燥食品を得た。
【0020】実施例5 豆もやし1kg、長さ1cmの三つ葉0.5kgを食塩
4.00重量%を含む沸騰水中に1分半浸漬した後、冷
水中に浸漬して水切りし、これに缶詰の全粒コーン0.
2kgを混合し、さらにクエン酸ソーダにてpH8.5
に調整した冷水中に浸漬してから再度水切りする。次ぎ
に、還元麦芽水飴30重量%(水分30重量%含有)と還
元澱粉10重量%と麦芽糖5重量%よりなる水溶液に、
上記の混合材料を浸漬して30分間放置した後に水切り
する。次ぎに、コンベヤー上にこの材料を厚さ0.8m
mに延ばしながら流し、その表面に流し量1kg当り
0.1kgのスライス焼豚を貼付し、コンベヤー上にて
下側より液体窒素で急速凍結してから、実施例1と同様
に凍結乾燥する。次ぎに、この板状の凍結乾燥品を、3
cm四方に縦横に厚さ0.30mmのすりわり形状の帯
刃にて切断成型し、凍結乾燥食品を得た。
【0021】実施例6 もやし1kgを食塩4.00重量%を含む沸騰水中に1
分半浸漬した後、冷水中に浸漬して水切りする。長さ
0.5cmの長葱1kgを80℃の熱水に0.5分間浸漬
した後、クエン酸ソーダにてpH8.5に調整した冷水
中に浸漬してから水切りする。厚さ0.1cmの人参1
kgを95℃の熱水中に0.8分浸漬した後、これを冷
水中に浸漬してから水切りする。次ぎに、還元水飴38
重量%(水分30重量%含有)よりなる水溶液に、上記の
処理をした野菜類の混合物を浸漬して20分間放置した
後、水切りする。次ぎに、この野菜類を4cm四方のト
レーの上に厚さ0.5cmに延ばして充填する。そして
これを−25℃で急速凍結した後、0.2Torrで凍
結乾燥して凍結乾燥食品を得た。
【0022】比較試験例1 実施例1における長さ0.5cmの長葱1kgを、80
℃の熱水に0.5分間浸漬した後、クエン酸ソーダにて
pH8.5に調整した冷水中に浸漬してから水切りする
工程において、表1に示すようにpHを変化させ、以降
の処理を実施例1と同様にして凍結乾燥製品を得た。そ
して、これらの製品の湯による復元時の外観色調を、3
0人のメンバーで目視により総合評価し、その平均的な
意見により当該凍結乾燥品の価値判断をした。表1に示
したとおり、pH8.0〜9.0の範囲が好ましく、pH
8.5の場合が極めてよいことが判った。
【0023】
【表1】
【0024】比較試験例2 実施例1における還元水飴30重量%(水分30重量%
含有)とDE5の澱粉加水分解物10重量%と乳糖5重
量%よりなる水溶液に、実施例1に記載の野菜類の混合
物を浸漬して20分間放置した後、水切りし、次ぎにこ
れを4cm四方のトレーに厚さ0.5cmに延ばして充
填する工程において、当該澱粉加水分解物と通常の澱粉
である馬鈴薯澱粉を用いて、本発明に供する葱、もや
し、人参等の材料の結着性、作業性、見掛歩留まりを試
験し、その結果を表2に示した。試験区として下記の3
試験区を設定した。 試験区1・・・実施例1の通り 試験区2・・・澱粉加水分解物を単に馬鈴薯澱粉に置換 試験区3・・・澱粉加水分解物をα化処理馬鈴薯澱粉に置
【0025】
【表2】 (注)1 結着性とは、実施例1における4cm四方のトレ
ーに厚さ0.5cmに延ばす時に、野菜類がまとまって相
互に結着し、特にもやしの毛根が野菜類より離脱して、
空気中に髭のような状態で飛び出すことのない状態を
「良い」とし、飛び出した状態を「悪い」とした。 (注)2 見掛歩留まりとは、試験区1より得た最終製品の
単位容積の重量を1.0として、その相対重量比で示し
た。 (注)3 作業性とは、試験区1を標準として、試験区2は
馬鈴薯澱粉が「ダマ」となり、野菜類に均一に混合され
ず、また単なる水には溶解しないので野菜類の相互の結
着性も悪い。試験区3は、馬鈴薯澱粉をα化するプロセ
スが必要なため、自ずと作業性は悪く、また粘度も高い
ので以降の水切りが行い難い。
【0026】比較試験例3 実施例1によって得られた凍結乾燥食品と、比較例とし
て「もやし1kgを食塩4.00重量%を含む沸騰水中
に1分半浸漬した後、冷水中 に浸漬して水切りする。
長さ0.5cmの長葱1kgを80℃の熱水中に0.5分
浸漬した後、これをクエン酸ソーダにてpH8.5に調
整した冷水中に浸漬してから水切りする。厚さ0.1c
mの人参1kgを95℃の熱水中に0.8分浸漬した後
に、冷水中に浸漬してから水切りする。次ぎに、この野
菜類材料の混合物を4cm四方のトレーの上に厚さ0.
5cmに延ばして充填し、これを−25℃で急速凍結し
た後に、0.2Torrで凍結乾燥して」得られた乾燥
食品について、単位容積当りの重量比を求めた。その結
果、実施例1が1.00であるのに対しこの試験例によ
る乾燥食品は0.84であり、実施例1の方が還元水
飴、DE5の澱粉加水分解物、乳糖を野菜組織内に取り
込み、野菜類自身の凍結乾燥による萎縮を防ぐと共に歩
留まりの向上にも役立つことが判る。
【0027】比較試験例4 実施例1によって得られた凍結乾燥食品と、比較例とし
て「もやし1kgを食塩4.00重量%を含む沸騰水中
に1分半浸漬した後、冷水中に浸漬して水切りする。長
さ0.5cmの長葱1kgを80℃の熱水中に0.5分浸
漬した後、これをクエン酸ソーダにてpH8.5に調整
した冷水中に浸漬してから水切りする。厚さ0.1cm
の人参1kgを95℃の熱水中に0.8分浸漬した後
に、冷水中に浸漬してから水切りする。次ぎに、酸糖化
水飴30重量%(水分30重量%含有)とDE5の澱粉加
水分解物10重量%と乳糖5重量%よりなる水溶液に、上
記の処理をした野菜類材料の混合物を20分間放置後、
水切りする。そして、この野菜類材料の混合物を4cm
四方のトレーの上に厚さ0.5cmに延ばして充填し、
これを−25℃で急速凍結した後に、0.2Torrで
凍結乾燥して」得られた乾燥食品について、吸物の具材
に供して甘味と緘味のバランスの良い悪いについて30
人により調査したところ、27人が実施例1の方が良い
と回答した。
【0028】比較試験例5 実施例1による凍結乾燥品について、すりわりフライス
刃の厚さが0.15、0.30、0.35mmのものを用
いて切断成型したときの切屑の量を測定したところ、下
記のようになった。
【0029】比較試験例6 実施例1による凍結乾燥品について、すりわり形状の帯
刃の厚さが0.15、0.30、0.35mmのものを用
いて切断成型したときの切屑の量を測定したところ、下
記のようになった。
【0030】
【発明の効果】本発明は、ブランチング処理やpH調整
をした野菜類材料や穀類材料を、還元水飴、還元麦芽水
飴、還元澱粉、澱粉加水分解物等を含む溶液に浸漬して
水切りした後に、この材料を凍結乾燥するか、水切りし
た材料に畜肉製品または魚肉製品を加えてから凍結乾燥
することを要旨とするものであるが、本発明によれば、 (1)緑黄色野菜等をpH調整して用いることにより、凍
結乾燥品を湯により復元した時に、その野菜本来の外観
色調を維持することができる。 (2)α化澱粉を用いた場合に比べ、還元水飴、還元麦芽
水飴と還元澱粉、澱粉加水分解物とを併用した場合の方
が、製品の保形性がよく、歩留まりや作業性がよい。ま
た、甘味と緘味のバランスのよい製品が得られる。 (3)還元水飴、還元麦芽水飴、還元澱粉、澱粉加水分解
物の結着性を利用して畜肉製品や魚肉製品を貼付するこ
とも可能である。そして、得られた乾燥食品である具材
を湯により復元すると、スライスしたハム、焼豚、ソセ
ージ、練り製品および味付け加工魚肉が湯の表面に浮
き、浮身としての効果をも奏することができる。 (4)すりわりフライス刃による切断成型は、千鳥刃に比
べ切屑が少ない。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 山田 孝和 滋賀県守山市浮気町300番25号コスモ守 山4番館904号 (72)発明者 和久 正宏 長野県上田市天神4−5−1 (72)発明者 斉藤 六蔵 長野県小県郡丸子町平井1011 (72)発明者 原田 三男 長野県上田市浦野藤の木21−36 (72)発明者 黒沢 昭 長野県上田市大字古里1502−3 (56)参考文献 特開 平5−15303(JP,A) 特開 昭57−39733(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) A23B 7/02 A23B 7/06 A23B 7/156 A23B 9/00

Claims (6)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ブランチング処理した野菜類材料及び穀
    類材料、冷凍処理された野菜類材料及び穀類材料から選
    択された一種または二種以上からなる材料のpH を 8.0
    - 9.0に調整し、これを還元水飴、還元麦芽水飴、還元
    澱粉、澱粉加水分解物及び二糖類から選択された一種ま
    たは二種以上を含む溶液に浸漬して水切りした後に、該
    材料を凍結乾燥することを特徴とする、乾燥食品の製造
    方法。
  2. 【請求項2】 ブランチング処理した野菜類材料及び穀
    類材料、冷凍処理された野菜類材料及び穀類材料から選
    択された一種または二種以上からなる材料のpH を 8.0
    - 9.0に調整し、これを還元水飴、還元麦芽水飴、還元
    澱粉、澱粉加水分解物及び二糖類から選択された一種ま
    たは二種以上を含む溶液に浸漬して水切りした後に、該
    材料に畜肉製品または魚肉製品から選択された1種以上
    を加えてからを凍結乾燥することを特徴とする、乾燥食
    品の製造方法。
  3. 【請求項3】 水切りした材料を圧延し、凍結乾燥後に
    刃を用いて一食分の大きさに切断成型することを特徴と
    する、請求項 1 又は 2 に記載の乾燥食品の製造方法。
  4. 【請求項4】 水切りした材料を圧延し、凍結乾燥後に
    厚さ 0.15 - 0.30mmのすりわりスライス刃またはすりわ
    り形状の帯刃を用いて一食分の大きさに切断成型するこ
    とを特徴とする、請求項 1 - 3 の何れか 1 つに記載の
    乾燥食品の製造方法。
  5. 【請求項5】 凍結乾燥前の材料を予め圧延して一食分
    の大きさに切断成型してから凍結乾燥することを特徴と
    する、請求項 1 又は 2 に記載の乾燥食品の製造方法。
  6. 【請求項6】 凍結乾燥前の材料を一食分の大きさのブ
    ロック状に予め成型してから凍結乾燥することを特徴と
    する、請求項 1 又は 2 に記載の乾燥食品の製造方法。
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