JP2925603B2 - 電離放射線硬化表面の機能化方法 - Google Patents

電離放射線硬化表面の機能化方法

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Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は、プラチックフィルム等の表面に各種の機能
性を付与する方法に関し、特に、電離放射線により硬化
する表面層に、機能性を確実にかつ安定的に付与する方
法に関する。
〔従来の技術及び発明が解決しようとする課題〕
プラスチック材料は、加工性、柔軟性等の特性を有す
るために、日用品や各種機械部品等に広範囲に使用され
ている。また強靱性に優れるプラスチック材料も開発さ
れてきており、エンジニアリングプラスチックとして金
属材料やガラス等の無機材料の代替材料としても使用さ
れつつある。しかし、表面の硬度や耐摩擦傷性に劣るた
めに、表面保護層を設ける必要があり、そのためプラス
チック表面を硬質化することが行なわれている。
プラスチック表面を硬質化するには、オルガノシロキ
サン系、メラミン系等の熱硬化型樹脂を浸漬又はスプレ
ー等により、プラスチック表面に塗装し、その後硬化す
る方法が主として行なわれていたが、プラスチック基材
が熱変形するおそれがあり、また加熱に要する時間が長
いといった欠点があった。
そこで最近では、電離放射線硬化型樹脂を用いた方法
が盛んになってきており、紫外線硬化型樹脂や、電子線
硬化型樹脂によりプラスチック基材をコーティングし、
表面を硬質化することが行なわれるようになった。
ところで、最近プラスチックフィルムは、種々のプラ
スチック製品、金属製品、木製品等の表面保護用とし
て、広く用いるようになってきた。保護される製品によ
っては、プラスチックフィルムに滑り性、耐スクラッチ
性、耐摩耗性等の各種機能を付与したり、帯電防止処理
を施したり、さらには触感を改善したりする必要があ
る。このような機能をプラスチックフィルムに付与する
方法としては、所望の機能を発現させる添加剤を混合し
たインキをプラスチックフィルム表面にコーティングす
る方法や、基材となるプラスチックフィルム表面に直
接、又は他のコーティング層を介して添加剤をスプレー
等により塗布して表面処理する方法がある。
しかしながら、例えば電離放射線硬化型樹脂からなる
インキに表面機能化用添加剤を加えて、これをプラスチ
ックフィルム基材に塗布し、電離放射線により硬化した
表面を得ようとする従来の方法では、多くの場合プラス
チックフィルムの表面まで添加剤が十分に浸出してこ
ず、十分な表面機能化が得られない。
また、プラスチックフィルムの硬化表面に直接添加剤
を施こす表面処理をする場合には、硬化表面の表面エネ
ルギーが小さいことが多く、添加剤による表面処理の十
分かつ安定した硬化が望めない。
したがって本発明の目的は、電離放射線硬化フィルム
に、確実に所望の表面機能を付与する方法を提供するこ
とである。
〔課題を解決するための手段〕
上記目的に鑑み鋭意研究の結果、本発明者は、基材に
所望の機能性を発現させる添加剤を加えた電離放射線硬
化用インキをコートし、機能化させる表面の反対側から
電離照射線を照射し、次に機能化する表面の側から電離
放射線を照射すれば、添加剤を機能化させる表面局在化
させることができ、もって求める表面の機能を確実に行
なうことができることを発見し、本発明を完成した。
すなわち、本発明の電離放射線硬化表面の機能化方法
は、表面機能化用添加剤を含む電離放射線硬化用インキ
を基材にコートした後、機能化する表面の反対側から電
離放射線を照射し、次に機能化する表面の側から電離放
射線を照射することにより、前記添加剤を硬化表面層に
局在化させることを特徴とする。
以下、本発明を詳細に説明する。
まず、本発明において用いることのできる電離放射線
硬化用インキは、紫外線や電子線等の電離放射線で硬化
する電離放射線硬化型樹脂を主体とするインキである。
この主体となる電離放射線硬化型樹脂としては、分子中
にエチレン性不飽和結合を有するプレポリマーまたはオ
リゴマー、例えば、不飽和ポリエステル類、ポリエステ
ルアクリレート、エポキシアクリレート、ウレタンアク
リレート、ポリエーテルアクリレート、ポリオールアク
リレート、メラミンアクリレートなどの各種アクリレー
ト類、ポリエステルメタクリレート、ポリエーテルメタ
クリレート、ポリオールメタクリレート、メラミンメタ
クリレートなどの各種メタクリレート類などの一種もし
くは二種以上に、必要に応じ分子中にエチレン性不飽和
結合を有するモノマー、例えば、スチレン、α−メチル
スチレンなどのスチレン系モノマー類、アクリル酸メチ
ル、アクリル酸−2−エチルヘキシル、アクリル酸メト
キシエチル、アクリル酸ブトキシエチル、アクリル酸ブ
チル、アクリル酸メトキシブチル、アクリル酸フェニル
などのアクリル酸エステル類、メタクリル酸メチル、メ
タクリル酸エチル、メタクリル酸プロピル、メタクリル
酸メトキシエチル、メタクリル酸エトキシメチル、メタ
クリル酸フェニル、メタクリル酸ラウリルなどのメタク
リル酸エステル類、アクリルアミド、メタクリルアミド
などの不飽和カルボン酸アミド、アクリル酸−2−(N,
N−ジエチルアミノ)エチル、メタクリル酸−2−(N,N
−ジメチルアミノ)エチル、アクリル酸−2−(N,N−
ジベンジルアミノ)エチル、メタクリル酸−2−(N,N
−ジメチルアミノ)メチル、アクリル酸−2−(N,N−
ジエチルアミノ)プロピルなどの不飽和酸の置換アミノ
アルコールエステル類、エチレングリコールジアクリレ
ート、プロピレングリコールジアクリレート、ネオペン
チルグリコールジアクリレート、1,6−ヘキサンジオー
ルジアクリレート、ジエチレングリコールジアクリレー
ト、トリエレングリコールジアクリレート、ジプロピレ
ングリコールジアクリレート、エチレングリコールジメ
タクリレート、プロピレングリコールジメタクリレー
ト、ジエチレングリコールジメタクリレートなどの多官
能性化合物、および(または)分子中に2個以上のチオ
ール基を有するポリチオール化合物、例えば、トリメチ
ロールプロパントリチオグリコレート、トリメチロール
プロパントリチオプロピレート、ペンタエリスリトール
テトラチオグリコレートなどを混合したものである。
以上の化合物は任意に混合してインキとすることがで
きるが、当該なコーティング適正を持たせるために、前
記プレポリマーまたはオリゴマーを5重量%以上とし、
前記モノマーおよび(または)ポリチオール化合物を95
重量%以下とするのが好ましい。
インキには、上記の化合物が紫外線もしくは電子線の
照射前に硬化するのを防止するために、ハイドロキノ
ン、ハイドロキノンモノメチルエーテル、ベンゾキノン
などの重合禁止剤を安定剤として添加するとよい。
なお、インキを紫外線硬化型とする場合、この中に光
重合開始剤として、アセトフェノン類、ベンゾフェノン
類、ミヒラーベンゾイルベンゾエート、α−アミロキシ
エステル、テトラメチルチウラムモノサルファイド、チ
オキサントン類や、光増感剤としてn−ブチルアミン、
トリエチルアミン、トリ−n−ブチルホスフィンなどを
混合して用いる。
次に、本発明において使用することのできる表面機能
化用添加剤としては、シリコーン、ワックス、シリコ
ン、粉体、界面活性剤、フッ素化合物、帯電防止剤、紫
外線吸収剤、酸化防止剤、安定剤等がある。これらの添
加剤は、所望の機能化が得られるように単独で、又は二
種以上混合して用いられる。その添加量は、添加剤の合
計が電離放射線硬化用インキ中で0.01〜50重量%の範囲
にあるように設定する。添加剤量が0.01重量%未満で
は、添加剤による機能性の発現が顕著とならず、一方50
重量%を超える量とすると、電離放射線硬化用インキが
十分に硬化しなかったり、基材と硬化したインキ層との
密着性が低下して好ましくない。
シリコーンは触感向上剤として働く。また耐薬品性の
向上にも作用する。実際に用いるシリコーンとしては、
アミノ変性シリコーン、エーテル変性シリコーン、メル
カプト変性シリコーン、OH基含有シリコーン、UV又はEB
硬化型シリコーン等がある。なおシリコーンの好ましい
添加量は0.01〜10重量%である。
ワックスは、滑り性及び触感の向上に作用する。ワッ
クスとしては、ポリエチレングリコール、ポリテトラメ
チレングリコール等がある。ワックスの好ましい添加量
は0.1〜10重量%である。
シリコンは樹脂改質、熱安定性等の向上のために添加
する。具体的には、アリルトリメチルシラン、3−アミ
ノプロピルトリエトキシシラン、1,3−ビス(3−アミ
ノプロピル)−1,1,3,3−テトラジメチルシロキサン、
N,0−ビス(トリメチルシリル)アセトアミドなどがあ
る。シリコンの好ましい添加量は0.01〜10重量%であ
る。
粉体については、その選択により種々の機能性を得る
ことができる。たとえばSiO2、Al2O3、TiO2等を添加す
ることにより表面をノングレア層とすることができる
し、また耐スクラッチ性や耐摩耗性を向上することがで
きる。カーボンを加えれば帯電防止性を向上することが
でき、また着色することにもなる。さらにワックスパウ
ダー等を用いればすべり性を向上させることができる。
その他、シリコンパウダー、テフロンパウダー等があげ
られる。なお粉体の添加により触感を改善することもで
きる。粉体の好ましい添加量は1〜50重量%である。
界面活性剤及びフッ素化合物は、触感向上剤又は帯電
防止剤として働き、またプラスチック基材との密着性の
向上にも寄与する。さらに防曇性(親水性)の付与をす
る。具体的には陰イオン界面活性剤として脂肪酸塩、ア
ルキルベンゼンスルホン酸塩などがあり、陽イオン界面
活性剤としては、アルキルアミン塩、ピリジン誘導体等
がある。また非イオン性のものとしてはポリオキシエチ
レンアルキルエーテル、ソルビタン脂肪酸エステルなど
が挙げられる。さらにフッ素化合物としては、パーフル
オロアルキルカルボン酸塩、パーフルオロアルキルエチ
レンオキサイド付加物などのフッ素系界面活性剤があ
る。またフッ素化合物としてUV又はEB硬化型のフッ素化
合物を用いることもできる。界面活性剤及びフッ素化合
物の好ましい添加量はそれぞれ0.01〜30重量%及び0.01
〜10重量%である。
帯電防止剤としては、導電性粉体や、陰イオン性、陽
イオン性、両性イオン性または非イオン性の各種界面活
性剤、無機塩などを用いることができる。帯電防止剤の
好ましい添加量は1〜50重量%である。
紫外線吸収剤としては、ベンゾトリアゾール系、ベン
ゾフェノン系、シュウ酸アニリド系等の、通常紫外線吸
収剤として用いられているものが使用できる。紫外線吸
収剤の好ましい添加量は0.1〜10重量%である。
酸化防止剤としては、フェノール系、ヒンダードフェ
ノール系の酸化防止剤が使用できる。酸化防止剤の好ま
しい添加量は0.1〜10重量%である。
また安定剤としてはヒンダードアミン系のものが使用
できる。特に光安定剤としては、ヒンダードアミン系
で、例えば2−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキ
シベンジル)−2′−n−ブチルマロン酸ビス−(1,2,
2,6−ペンタメチル−4−ピペリジル)、ビス−(1,2,
2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジル)セバケート、
テトラキス−(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジ
ル)−1,2,3,4−ブタンテトラカルボキシレート等が挙
げられる。安定剤の好ましい添加量は0.1〜10重量%で
ある。なお、紫外線吸収剤と光安定剤は併用することに
より著しい耐候性の改良が得られる。
次に本発明の表面機能化方法について説明する。
まず上述した電離放射線硬化型樹脂及び所望の添加剤
を用いて、無溶剤又は必要に応じ溶剤を添加してインキ
を作成する。使用し得る溶剤としては、メタノール、エ
タノール、イソプロパノール、メチルセルソルブ、エチ
ルセルソルブ等のアルコール類、テトラヒドロフラン等
のエーテル類、メチルエチルケトン、アセトン、メチル
イソブチルケトン等のケトン類、酢酸エチル、酢酸ブチ
ル等のエステル類、トルエン、キシレン等の芳香族炭化
水素類等、又はこれらの混合溶剤がある。
次に上述のインキを基材表面に塗布する。基材として
は、ポリエステル等のプラスチックフィルムを用いるの
が好ましい。塗布方法としてはブレードコーティング
法、グラビアコーティング法、ロッドコーティング法、
ナイフコーディング法、リバースロールコーティング
法、オフセットグラビアコーティング法等が使用でき
る。
添加剤を含むインキを塗布後電離放射線を照射する
が、この前にインキ塗布面にポリエステル等のフィルム
をラミネートするのが良い。このフィルムのラミネート
により電離放射線硬化用インキ層に凹凸をつけるなどの
賦形の操作が容易となる。またプラスチックフィルム基
材の取扱いも容易となり、例えば、後述する電離放射線
による硬化において、機能化する表面の反対側から電離
放射線を照射したのち、基材を一旦巻き取って保存し、
使用時に再び電離放射線を照射して表面を完全に硬化し
て使用することも可能となる。
さらに、ラミネートするフィルムを、あらかじめイン
キに加えた添加剤と同一の添加剤により表面処理を行な
っておくのが好ましい。添加剤によるフィルムの表面処
理としては、添加剤をフィルムにあらかじめコートして
おく方法があるが、添加剤を練り込んだ組成物で製造し
たフィルムを用いても良い。このようなフィルムをプラ
スチック基材のインキコート面にラミネートしておくこ
とで、後に行う電離放射線照射の工程で添加剤成分が表
面部に偏在しやすくなり、表面の機能性がより向上す
る。
次に電離放射線照射を行う。用いる電離放射線として
は電子線が好ましい。電子線照射の場合には、コックロ
フトワルトン型、バンデグラフ型、共振変圧器型、絶縁
コア変圧器型、直線型、ダイナミトロン型、高周波型、
エレクトロンカーテン型等の各種電子線加速器から放出
された50〜1000KeV、このましくは100〜300KeVの範囲の
エネルギーを有する電子線を用いることができる。電子
線の照射量は一般に1〜20Mradである。
電離放射線の照射は2段階に分けて行う。
まず、第1の照射として、基材の機能化させる表面の
反対側から電離放射線をあてる。すなわち、基材側から
電離放射線を照射する。この第1の照射による電離放射
線は、プラスチック基材を通過して反対側表面に塗布さ
れたインキを部分的に硬化させる。この硬化は、主に基
材表面付近すなわちインキ層の深部において起こり、イ
ンキ表層部(ラミネートフィルムに近い部分)は完全に
は硬化されない。
次に、第2の照射としてインキをコートした基材の側
から電離放射線を照射し、電離放射線硬化用インキを完
全に硬化させる。なお必要に応じて、第2の照射を複数
回行ってもかまわない。
以上に示した方法により電離放射線硬化層の表面に添
加剤を偏在化させることができ、得られたプラスチック
表面は安定化するとともに、大きな機能性が付与され
る。
〔作 用〕
所望の機能性を発現する添加剤を含有する電離放射線
硬化用インキを塗布した基材の裏側から第1の電離放射
線照射を行い、電離放射線硬化用インキ層の深部(フィ
ルム基材付近の部分)を部分的に硬化させ、次に第2の
電離放射線照射として、電離放射線硬化用インキをコー
トした側(機能化する表面の側)から電離放射線を照射
すると、表面硬化層の表面部に添加剤成分が偏在あるい
は析出した状態の硬化表面層を得ることができる。この
ように添加剤成分が硬化表面層に局在化することによ
り、プラスチック表面の機能化はより確実なものとな
る。
本発明において、上記のような効果を有する理由は明
らかではないが、第1の電離放射線照射によって電離放
射線硬化用インキ層の深部(フィルム基材付近)が硬化
する際に、インキ層の表面部はまだ硬化されておらず、
このとき添加剤がインキ層の表面部に移動しやすくなる
ためであると考えられる。
また、特に電離放射線硬化用インキ層上に、インキに
添加したと同じ塩化剤によってあらかじめ表面処理した
フィルムをラミネートし、次いで第1及び第2の電離放
射線照射を行えば、表面の機能化はさらに効果的にな
る。これは、ラミネートしたフィルム表面の添加剤の存
在により、インキ中の添加剤成分がより一層ラミネート
フィルムの方向(インキ層表面部)に移動しやすくなる
ためと考えられる。
このように、第1の電離放射線照射によって添加剤成
分をインキ層表層部に偏在化させた後、機能化する表面
の側から第2の電離放射線照射を行って、インキ層を完
全に硬化させれば、安定した機能化表面を得ることがで
きる。
〔実施例〕
本発明を、以下の実施例によりさらに詳細に説明す
る。
実施例1 ウレタンアクリレート(UV−7700B、日本合成化学工
業(株)製)75重量部と、ジペンタエリスリトールヘキ
サアクリレート(DPHA、日本化薬工業(株)製)25重量
部と、シリコーンアクリレート(TUV−6000、東芝シリ
コーン(株)製)1重量部とを混合し、60℃に加温して
ロールコート方式により、厚さ200μmのポリ塩化ビニ
ルフィルム(BC−801、三宝樹脂工業(株)製)にコー
トした。
コートした面に、シリコーン処理したポリエステルフ
ィルム(E7000、東洋紡(株)製)をラミネートした。
ラミネート後、エレクトロンカーテン型電子線(EB)
照射装置(ESI社製)により、第1の電子線照射として2
10KVの加速電圧でポリ塩化ビニルフィルム面から電子線
を1Mrad照射した。
次に、第2の電子線照射としてシリコーン処理したポ
リエステルラミネートフィルム面から180KVの加速電圧
で電子線を5Mrad照射し、塗膜を完全に硬化させた。
硬化後ラミネートフィルムを除去して、以下の要領で
硬化塗膜の物性を評価した。
(イ)爪スクラッチテスト 人差指の爪で塗膜を2〜3回引っかき(引っかきの長
さは約30mm)、著しい傷、復元しない傷又は生地が露出
するような傷が生ずるかどうかを観察する。
○:傷つかない ×:傷つく (ロ)滑り性テスト 塗膜の表面に50gの重りを置き、徐々に塗膜表面に角
度をつけてゆき、重りが滑り出す角度を測定した。
(ハ)口紅テスト 塗膜表面に口紅を塗り、室温で4時間放置した後、石
油ベンジンでこれを拭き取り、口紅が消えるか否かを観
察した。
○:口紅が消える ×:口紅が残る 結果を第1表に示す。
比較例1 比較例として、実施例1における第1の電子線照射を
行なわない以外はすべて実施例1と同様にして硬化塗膜
を得た。
次に、得られた硬化塗膜に対して、実施例1と同様に
上記(イ)〜(ハ)のテストを行った。結果を第1表に
示す。
実施例2 ポリエステルアクリレート(アロニックM−6200、東
亜合成化学工業(株)製)50重量部と、トリメチロール
プロパントリアクリレート50重量部と、テフロンパウダ
ー(ルブロンL−2、ダイキン工業(株)製)5重量部
とを混合し、50℃に加温してロールコート方式により、
厚さ125μmの易接着処理したポリエステルフィルム(H
p−7、帝人(株)製)にコートした。
コートした面に、テフロンフィルム(KFC、SF50Y、呉
羽化学工業(株)製)をラミネートした。
ラミネート後、実施例1で用いたEB照射装置により、
第1の電子線照射として190KVの加速電圧で、Hp−7フ
ィルム面から電子線を1Mrad照射した。
次に、第2の電子線照射として、テフロンフィルム面
から180KVの加速電圧で電子線を5Mrad照射し、塗膜を完
全に硬化した。
硬化後、テフロンラミネートフィルムを除去して、実
施例1と同様に硬化塗膜の物性を評価した。結果を第1
表に示す。
比較例2 比較例として、実施例2における第1の電子線照射を
行なわない以外はすべて実施例2と同様にして硬化塗膜
を得た。
次に、得られた硬化塗膜に対して、実施例2と同様に
(イ)〜(ハ)のテストを行った。結果を第1表に示
す。
実施例3 ウレタンアクリレート(PR−202、三菱化成(株)
製)50重量部と、1,6−ヘキサンジオールジアクリレー
ト(HDDA、日本化薬工業(株)製)50重量部と、オクチ
ルトリメチルアンモニウムクロライド(カチオーゲン0
8、第一工業製薬(株)製)2重量部とを混合し、50℃
に加温して、厚さ100μmのポリエステルフィルム(Hp
−7)にロールコート方式でコートした。
次に、このコート面に帯電防止処理したポリエスエル
フィルム(E7410、東洋紡(株)製)をラミネートし
た。
ラミネート後、実施例1で用いたEB照射装置により、
第1の電子線照射として、170KVの加速電圧で、Hp−7
フィルム面から電子線を1Mrad照射した。
次に、第2の電子線照射として、帯電防止処理したポ
リエステルラミネートフィルム(E7410)面から180KVの
加速電圧で5Mradの電子線を照射し、塗膜を完全に硬化
させた。
硬化後、ラミネートフィルムを除去し、硬化塗膜の表
面抵抗を測定した。
結果を第2表に示す。
比較例3 比較例として、実施例3における第1の電子線照射を
行なわない以外はすべて実施例3と同様にして硬化塗膜
を得た。
次に得られた硬化塗膜の表面抵抗を実施例3と同様に
測定した。
結果を第2表に示す。
〔発明の効果〕 以上に詳述したように、本発明による硬化表面は、機
能化する表面側から1回だけ電離放射線を照射して得ら
れた硬化表面に比べて、より大きな表面機能を有する。
本発明によれば、用いる添加剤を適宜選択することに
よって、滑り性、耐スクラッチ性、耐摩耗性等に優れた
硬化表面とすることができ、また帯電防止性や触感等に
も良好なプラスチックフィルムを得ることができる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) C08J 7/00 - 7/18

Claims (6)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】表面機能化用の添加剤を含む電離放射線硬
    化用インキを基材にコートした後、機能化する表面の反
    対側から電離放射線を照射し、次に機能化する表面の側
    から電離放射線を照射することにより、前記添加剤を硬
    化表面層に局在化させることを特徴とする表面機能化方
    法。
  2. 【請求項2】請求項1に記載の表面機能化方法におい
    て、前記電離放射線硬化用インキを前記基材にコートし
    た後、更にコート面をフィルムでラミネートすることを
    特徴とする表面機能化方法。
  3. 【請求項3】請求項2に記載の表面機能化方法におい
    て、前記ラミネートフィルムが前記添加剤で表面処理さ
    れていることを特徴とする表面機能化方法。
  4. 【請求項4】請求項1乃至3のいずれかに記載の表面機
    能化方法において、前記電離放射線硬化用インキが前記
    添加剤を0.01〜50重量%含有することを特徴とする表面
    機能化方法。
  5. 【請求項5】請求項4に記載の表面機能化方法におい
    て、前記添加剤がシリコーン、ワックス、シリコン、粉
    体、界面活性剤、フッ素化合物、帯電防止剤、紫外線吸
    収剤、酸化防止剤又は安定剤であることを特徴とする表
    面機能化方法。
  6. 【請求項6】請求項1乃至5のいずれかに記載の表面機
    能化方法において、前記電離放射線が電子線であること
    を特徴とする表面機能化方法。
JP29176789A 1989-06-15 1989-11-09 電離放射線硬化表面の機能化方法 Expired - Fee Related JP2925603B2 (ja)

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