JP2923513B2 - 強磁性金属粉末及びそれを使用した磁気記録媒体 - Google Patents

強磁性金属粉末及びそれを使用した磁気記録媒体

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JP2923513B2 JP4148043A JP14804392A JP2923513B2 JP 2923513 B2 JP2923513 B2 JP 2923513B2 JP 4148043 A JP4148043 A JP 4148043A JP 14804392 A JP14804392 A JP 14804392A JP 2923513 B2 JP2923513 B2 JP 2923513B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、強磁性金属粉末及びそ
れを使用した磁気記録媒体に関するもので、特に耐候
性、耐錆性に優れた強磁性金属粉末を有する磁気記録媒
体に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、ビデオテープ、オーディオテー
プ、メモリテープ、フロッピーディスク、磁気カード等
の磁気記録媒体に用いられる強磁性材料としては、強磁
性酸化鉄や酸化クロム等の金属酸化物を主体とする強磁
性粉末が使用されていたが、最近では更に高記録密度
化、短波長記録化のために鉄等を主体とする強磁性金属
粉末が多く使用されている。
【0003】鉄等を主体とする強磁性金属粉末は磁気的
な特性に優れるが、この種の強磁性金属粉末は本来酸化
されやすい性質を有しているため、酸化物系強磁性粉末
に比べて磁気特性が経時的に劣化するという欠点があっ
た。この経時的な酸化を防止するための手段として、金
属粉末の表面を徐酸化し酸化膜を形成する方法は一般的
に知られている。酸化安定性の向上のため特開昭56−
30707号公報のように過酸化物で処理したりして、
さらに酸化膜を厚くすると磁気的な特性、特に飽和磁束
密度は低下し、金属粉末の優位性を損なうことになる。
【0004】また、Cr、Mn、Zn等の金属あるいは
金属酸化物を被着することが、特開昭50−4109
7、同51−112465、特公昭44−27942、
および特開昭49−41899号公報等に開示されてい
るが、表面性が変化し、分散が悪化したり磁気特性が劣
化したり、不十分であった。シランカップリング剤やシ
リコーンオイル等で処理し、表面を疎水化することも特
開昭52−155398、同53−5798、同56−
169304号公報等に開示されているが、表面の親油
性が大きくなり過ぎ、分散が悪くなる問題があった。
【0005】これら問題を解消するための最も新しくか
つ改善された表面処理剤と考えられるものとしては、特
開平4−6619号公報にアジミノ化合物(−NH−N
=N−が環状構造中にある化合物)が開示され、特開平
4−6617号公報では、シクロヘキサン骨格、水酸基
含有化合物を開示し、特開平3−292617号公報で
は、ジヒドロキシナフタレンもしくはその誘導体を使用
することを記載している。
【0006】そして、なお、より一層耐候性・耐酸化性
に優れ、また、同時に表面処理された強磁性金属粉末が
結合剤樹脂中により一層良好に分散され得る表面処理剤
が要望されている。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】本発明は前記従来技術
の問題点に鑑みなされたものであり、耐候性・耐酸化性
に優れた性能を発揮する表面処理剤を有する強磁性金属
粉末及び表面処理された強磁性金属粉末の結合剤樹脂中
における分散性が良好な高密度記録に最適な磁気記録媒
体を提供することを目的としている。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明は、強磁性金属粉
末の粒子表面に次の化合物を含有することを特徴とする
強磁性金属粉末であり、これにより上記課題を解決でき
る。
【0009】
【化2】
【0010】但し、Xは、CH2 、O、NR、S、Se
の2価の基(Rは、Hあるいは炭素数1〜6のアルキル
基もしくはアリール基)、Yは、CH2 またはNHの2
価の基である。Arは一つ以上の置換基で置換され得る
2価の芳香族環もしくは二重結合を有する脂肪族基を表
す。
【0011】
【0012】た、本発明は、非磁性支持体上に強磁性
金属粉末及び結合剤樹脂を主体とする磁性層を設けてな
る磁気記録媒体において、該磁性層中に前記化合物を含
有することを特徴とする磁気記録媒体である。
【0013】本発明の強磁性金属粉末及び磁気記録媒体
は、強磁性金属粉末の表面に含有される表面処理剤(以
下、本発明の化合物ともいう)の化学構造を規定あるい
は選定したものである。即ち、本発明の化合物は、特に
=C=S基を含むことを特徴とする。本発明の化合物に
おいて、=C=S基は、ソフトアシッドとして、強磁性
金属粉末の表面、通常、酸化被膜を有しており、弱アル
カリ性とされている同表面に親和性を有する。また、本
発明の化合物は、Xとして窒素、酸素等の原子を使用す
ることにより金属に対して水素結合等の親和力が働き、
更にX、Yを選択することにより=C=S基にケト−エ
ノール互変異性が生ずるので強磁性金属粉末表面原子の
種々の配位構造に対応できること等の特徴を有する。
【0014】例えば、本発明の化合物が=C=S基に隣
接したXまたはYが、NHであり、強磁性粉末が、Fe
である場合の相互作用を下図に従って簡単に説明する。
強磁性金属粉末の表面は通常、数10Å程度の酸化物被
膜が存在し、Feの表面は、−O−Fe−OHの構造が
存在すると考えられる。そしてこの−O−Fe−OH
は、(1)及び(2)に示したように本発明の化合物の
ケト形(1)またはエノール形(2)と水素結合または
配位結合し、本発明の化合物と強磁性金属粉末表面原子
との結合構造を形成するものと考えられる。
【0015】
【化3】
【0016】 本発明の化合物は、上述のように強磁性
金属粉末に対し適正な相互作用を有して結合するものと
考えられる。また、本発明の化合物は、その化学構造か
ら結合剤樹脂との相互作用が適度に制御され、強磁性金
属粉末の分散性を良好にするものと考えられる。本発明
の化合物のYは、好ましくは、NHである。
【0017】本発明の化合物の部分構造の具体例を以
例示する。
【0018】
【化4】
【0019】また、本発明の化合物Arは、一つ以上
の置換基で置換され得る2価の芳香族環もしくは二重結
合を有する脂肪族基を表す。ここで、2価の芳香環とし
ては、フェニレン基、ナフチレン基、アントレン基等が
挙げられ、2価の脂肪族基としては、ビニレン、−CH
=N−、−N=N−等が挙げられる。
【0020】本発明の化合物に具体例を以下列挙する
が、これに限定されるものではない。2−ピロリン−5
−チオン、4−オキサゾリン−2−チオン、4−イミダ
ゾリン−2−チオン、1−フェニル−4−イミダゾリン
−2−チオン、4−チアゾリン−2−チオン、4−セレ
ナゾリン−2−チオン、ベンゾピロリン−5−チオン、
ベンゾオキサゾリン−2−チオン、ベンゾイミダゾリン
−2−チオン、1−フェニル−ベンゾイミダゾリン−2
−チオン、1−メチル−ベンゾイミダゾリン−2−チオ
ン、ベンゾチアゾリン−2−チオン、ベンゾセレナゾリ
ン−2−チオン、α−ナフトピロリン−5−チオン、α
−ナフトオキサゾリン−2−チオン、α−ナフトイミダ
ゾリン−2−チオン、α−ナフトチアゾリン−2−チオ
ン、α−ナフトセレナゾリン−2−チオン、β−ナフト
ピロリル−ベンゾイミダゾリン−2−チオン、ベンゾチ
アゾリン−2−チオン、ベンゾセレナゾリン−2−チオ
ン、α−ナフトピロリン−5−チオン、α−ナフトオキ
サゾリン−2−チオン、α−ナフトイミダゾリン−2−
チオン、α−ナフトチアゾリン−2−チオン、α−ナフ
トセレナゾリン−2−チオン、β−ナフトピロリン−5
−チオン、β−ナフトオキサゾリン−2−チオン、β−
ナフトイミダゾリン−2−チオン、β−ナフトチアゾリ
ン−2−チオン、β−ナフトセレナゾリン−2−チオ
ン、2−シクロペンテン−5−チオン、2−オキソレン
−5−チオン、2−チオレン−5−チオン、2−セレノ
レン−5−チオン、インダン−2−チオン、ベンゾオキ
ソレン−5−チオン、ベンゾチオレン−5−チオン、ベ
ンゾセレノレン−5−チオン等を挙げることができる。
【0021】また、これらの化合物は、一つ以上の置換
基で置換されてもよく、置換基としては、ハメットの置
換基定数で−0.9〜0.8までの置換基が挙げられ、
その具体例としてはメチル基、エチル基、t−ブチル基
等のアルキル基、フェニル基等のアリール基、Cl、B
r等のハロゲン、アミノ基、ジメチルアミノ基等のアミ
ノ基、ヒドロキシ基、メトキシ基等のアルコキシ基、ア
セチル基等のアシロイル基、エチルオキシカルボニル基
等のアルコキシカルボニル基、シアノ基、ニトロ基、ト
リクロロメチル基等のハロゲン置換アルキル基等をあげ
ることが出来る。 本発明の強磁性金属粉末を得るに
は、本発明の化合物を低沸点の有機溶媒、例えば、メタ
ノール、エタノール、アセトン、メチルエチルケトン等
中に0.1〜10重量%になるように溶解もしくは分散
状態にし、この溶液中に強磁性金属粉末を適当量、通常
該溶媒に対し5〜30重量%を投入して混合した後、有
機溶媒を濾過あるいは留去することにより調製すること
ができる。
【0022】本発明の強磁性金属粉末が有する本発明の
化合物量は、調製前強磁性金属粉末全量100重量部に
対し0.01〜10重量部、好ましくは、0.05〜5
重量部の範囲である。該量が、0.01重量部より少な
いと酸化安定性の効果を発揮できず、10重量部より多
いと強磁性金属粉末の分散が悪くなり磁気特性が悪化し
たり、磁性層表面に吹き出したりして好ましくない。
【0023】また、本発明の磁気記録媒体は、上記本発
明の化合物で処理された強磁性金属粉末を使用すること
が最も好ましいが、未処理の強磁性金属粉末に本発明の
化合物を結合させるために他の方法を単独に使用もしく
は前記方法と併用してもよい。例えば、磁性塗料を調製
する際に本発明の化合物を磁性塗料調製用溶剤の一部に
溶解もしくは分散した状態で結合剤樹脂と未処理もしく
は処理済の強磁性金属粉末と共に投入して混練分散を行
う方法などを利用し、強磁性金属粉末の表面を本発明の
化合物で処理、被着させることができる。
【0024】従って、本発明の磁気記録媒体の磁性層中
には本発明の化合物を強磁性金属粉末との相互作用が十
分形成されるように存在させることができるが、その量
は、上記強磁性金属粉末の処理量と同程度であり、目的
に応じ、適宜選定すればよい。本発明に使用される強磁
性金属粉末としては、特に限定されることはなく、主に
Fe、Co、Ni等よりなる金属あるいは合金微粉末等
の従来公知の各種強磁性金属粉末を挙げることができ
る。例えば、金属分が75重量%以上であり、そして金
属分の80重量%以上が少なくとも1種類の強磁性金属
あるいは合金(例えば、、Fe、Co、Ni、Fe−C
o、Fe−Ni、Co−Ni、Co−Ni−Fe、Co
−Ni−P、Co−Ni−Fe−B、Fe−Ni−Z
n、Fe−Co−Cr )であり、該金属分の20重量%
以下の範囲内て他の成分(例えば、Al、Si、S、S
c、Ti、V、Cr、Mn、Cu、Zn、Y、Mo、R
h、Pd、Ag、Sn、Sb、Te、Ba、Ta、W、
Re、Au、Hg、Pb、Bi、La、Ce、Pr、N
d、B、P)を含むことのある合金等が例示される。
【0025】本発明に使用される強磁性合金粉として
は、その粒子サイズは、望ましくは、BET法による比
表面積が30乃至60m2 /gであって、X線回折法か
ら求められる結晶子サイズが100乃至300Åであ
る。比表面積が余りに小さいと高密度記録に充分に対応
できなくなり、又余り大きくても分散が充分に行えずに
平滑な面の磁性層が形成できずこれ又高密度記録に対応
できなくなるので好ましくない。
【0026】磁気特性としては、、飽和磁化は少なくと
も110emu/g以上、望ましくは120emu/g
以上である。また抗磁力としては、800Oe以上、望
ましくは900Oe以上である。その粒子の針状比(平
均粒子長/平均幅)は5以上であることが望ましい。本
発明に使用される強磁性金属粉末の製造方法は、特に制
限されないが、例えば、次の方法で製造することができ
る。 (1)強磁性金属の有機酸塩、例えば、複合有機酸塩
(主としてシュウ酸塩)と水素などの還元性気体で還元
する方法。 (2)針状オキシ水酸化物あるいはこれらに他金属を含
有せしめたもの、あるいはこれらのオキシ水酸化物から
得た針状酸化鉄を還元する方法。 (3)強磁性金属を低圧の不活性ガス中で蒸発させる方
法。 (4)金属カルボニル化合物を熱分解する方法。 (5)水銀電極を用いて強磁性金属粉末を電析させた
後、水銀を分離する方法。 (6)強磁性金属をつくりうる金属の塩の水溶液中で還
元性物質(水素化ホウ素化合物、次亜リン酸塩あるいは
ヒドラジンなど)を用いて還元し、強磁性金属粉末を得
る方法。
【0027】上記(2)、(3)、(6)による方法に
よって製造される強磁性金属粉末が、使いやすいが、な
かでも(2)によって得られる強磁性金属粉末は製造コ
ストと品質の点で最も望ましい。このようにして得られ
た強磁性合金粉末の表面は、化学的安定性を向上させる
ために酸化膜を設けておくことが好ましく、例えば、公
知の下記等の徐酸化処理のいずれを施したものでも用い
ることができる。 ・有機溶剤に浸漬したのち乾燥させる方法。 ・有機溶剤に浸漬したのち酸素含有ガスを送り込んで表
面に酸化膜を形成したのち乾燥させる方法。 ・有機溶剤を用いず酸素ガスと不活性ガスの分圧を調整
して表面に酸化皮膜を形成する方法。
【0028】本発明で用いる結合剤樹脂としては、熱可
塑性樹脂、熱硬化性樹脂、反応型樹脂等、特に制限なく
従来公知の種々のものを使用できる。例えば、塩化ビニ
ル、ビニルエステル、(メタ)アクリル酸エステル、ス
チレン等の付加重合系の共重合体、ポリエステル、ポリ
ウレタン等の縮重合系のポリマー等が挙げられる。ま
た、本発明の結合剤は、強磁性金属粉末の分散を向上さ
せるために極性基を有していることが好ましい。
【0029】更に、耐久性を向上させるために硬化性樹
脂あるいは硬化剤を含ませることも可能であり、その例
としては、ポリイソシアネート化合物、ポリエポキシ化
合物等の熱硬化性の樹脂、化合物や不飽和二重結合を含
有する紫外線・電子線硬化樹脂、化合物がある。紫外線
・電子線硬化樹脂の例とその製造方法については特開昭
62−256219号に詳細に記載されている。
【0030】本発明に使用される熱可塑性樹脂としては
軟化温度が150℃以下、平均分子量が10000〜3
00000、重合度が約50〜2000程度のもので、
例えば、(メタ)アクリル酸エステル、スチレン、(メ
タ)アクリロニトリル、ブタジエン、ビニルエステル、
(メタ)アクリルアミド、塩化ビニル、塩化ビニリデン
等の重合体あるいはこれらの誘導体の重合体或いは共重
合体や更にこれらと共重合可能なモノマーとの共重合
体、例えば、塩化ビニル酢酸ビニル共重合体、塩化ビニ
ル共重合体、塩化ビニル塩化ビニリデン共重合体、塩化
ビニルアクリロニトリル共重合体、アクリル酸エステル
アクリロニトリル共重合体、アクリル酸エステル塩化ビ
ニリデン共重合体、アクリル酸エステルスチレン共重合
体、メタクリル酸エステルアクリロニトリル共重合体、
メタクリル酸エステル塩化ビニリデン共重合体、メタク
リル酸エステルスチレン共重合体、ウレタンエラストマ
ー、ナイロン−シリコン系樹脂、ニトロセルロース−ポ
リアミド樹脂、ポリフッカビニル、塩化ビニリデンアク
リロニトリル共重合体、ブタジエンアクリロニトリル共
重合体、ポリアミド樹脂、ポリビニルブチラール、セル
ロース誘導体(セルロースアセテートブチレート、セル
ロースダイアセテート、セルローストリアセテート、セ
ルロースプロピオネート、ニトロセルロース、エチルセ
ルロース、メチルセルロース、プロピルセルロース、メ
チルエチルセルロース、カルボキシメチルセルロース、
アセチルセルロース等)、スチレンブタジエン共重合
体、ポリエステル樹脂、クロロビニルエーテルアクリル
酸エステル共重合体、アミノ樹脂、各種の合成ゴム系の
熱可塑性樹脂及びこれらの混合物等が使用される。
【0031】熱硬化性樹脂又は反応型樹脂としては塗布
液の状態では200000以下の分子量であり、塗布、
乾燥後に加熱することにより、縮合、付加等の反応によ
り分子量は無限大のものとなる。又、これらの樹脂のな
かで、樹脂が熱分解するまでの間に軟化又は溶融しない
ものが好ましい。具体的には例えばフェノール樹脂、フ
ェノキシ樹脂、エポキシ樹脂、ポリウレタン硬化型樹
脂、尿素樹脂、メラミン樹脂、アルキッド樹脂、シリコ
ン樹脂、アクリル系反応樹脂、エポキシ−ポリアミド樹
脂、ニトロセルロースメラミン樹脂、高分子量ポリエス
テル樹脂とイソシアネートプレポリマーの混合物、メタ
クリル酸塩共重合体とジイソシアネートプレポリマーの
混合物、ポリエステルポリオールとポリイソシアネート
との混合物、尿素ホルムアルデヒド樹脂、低分子量グリ
コール/高分子量ジオール/トリフェニルメタントリイ
ソシアネートの混合物、ポリアミン樹脂、ポリイミン樹
脂及びこれらの混合物等である。
【0032】これらの熱可塑性樹脂、熱硬化性樹脂、反
応型樹脂は、主たる官能基以外に以下に挙げる極性基を
有するものを少なくとも使用することが望ましい。該極
性基としては、カルボン酸基、スルフィン酸基、スルフ
ェン酸基、スルホン酸基、燐酸基、硫酸基、ホスホン
基、ホスフィン基、ホウ酸基、硫酸エステル基、燐酸エ
ステル基、これらのアルキルエステル基等の酸性基(こ
れらの酸性基は、Na塩などの形でもよい);アミノ酸
類の基;アミノスルホン酸類の基、アミノアルコールの
硫酸または燐酸エステル類の基;アルキルベタイン型等
の両性類の基;アミノ基、イミノ基、イミド基、アミド
基等の塩基性基;反応により水酸基を生ずるエポキシ
基、水酸基、アルコキシル基、チオール基、ハロゲン
基、シリル基、シロキサン基などを通常1種以上6種以
内含むことができる。特に好ましい極性基としてはエポ
キシ基、−OH、−COOM、−SO3 M、−OSO3
M、−PO3 2 、−OPO3 2 基を挙げることがで
きる(ここで、MはHあるいはNa、K等のアルカリ金
属、アンモニウムイオンである。)。これらの極性基
は、極性基を含有するモノマーを共重合(共縮合重合)
させることにより、または高分子反応を利用して樹脂に
導入することが可能である。上記極性基は樹脂重量に対
し1×10-5当量/g〜1×10-3等量/g含むことが
好ましい。
【0033】極性基含有樹脂として、本発明では特に、
塩化ビニル樹脂、ポリウレタン樹脂が好ましい。特に、
極性基としては、エポキシ基、−SO3 M、−OH基等
が好ましい。極性基含有樹脂の好ましい具体例としては
−SO3 Na含有ポリウレタン(東洋紡(株)製「UR
−8300」)、−SO3 Na含有ポリエステルポリウ
レタン(東洋紡(株)製「バイロン530」)、−SO
3 Na含有塩化ビニル酢酸ビニル共重合体(日本ゼオン
(株)製「MR−110」)などが挙げられる。
【0034】これらの極性基含有樹脂は単独でも2種以
上の組合せとしても用いることができ、例示した極性基
を有さない通常の熱可塑性樹脂、熱硬化性樹脂、又は反
応型樹脂等と共に用いてもよい。この場合、前記極性基
含有量樹脂が30重量%以上、好ましくは50〜100
重量%以上存在することが好ましい。本発明において
は、結合剤樹脂の量は、強磁性金属粉末100重量部当
たり8〜25重量部が好ましい。結合剤樹脂の量が少な
いと分散性や耐久性が劣り、また結合剤樹脂の量が多い
と磁性層の充填度が減少し、望ましくない。ただし、こ
こで言う結合剤樹脂とは、硬化剤を使用する場合はそれ
を含める。
【0035】該硬化剤としては、例えば、ポリイソシア
ネート化合物が例示される。ポリイソシアネート化合物
としては、分子中に−N=C=O基を2個以上有する脂
肪族、芳香族および脂環式化合物から選ばれるジ、トリ
およびテトライソシアネートが例示できる。具体的に
は、トリレンジイソシアネート、4,4′−ジフェニル
メタンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネ
ート、キシリレンジイソシアネート、ナフチレン−1,
5−ジイソシアネート、o−トルイジンジイソシアネー
ト、イソホロンジイソシアネート、トリフェニルメタン
トリイソシアネート、イソホロンジイソシアネート等の
イソシアネート類、又当該イソシアネート類とポリアル
コールとの生成物、又イソシアネート類の縮合に依って
生成したポリイソシアネート等を使用することができ
る。これらポリイソシアネートの市販されている商品名
としては、コロネートL、コロネートHL、コロネート
2030、コロネート2031、ミリオネートMR、ミ
リオネートMTL (日本ポリウレタン(株)製)、タ
ケネートD−102、タケネートD−110N、タケネ
ートD−200、タケネートD−202(武田薬品
(株)製)、デスモジュールL、デスモジュールIL、
デスモジュールN、デスモジュールHL(住友バイエル
社製)等があり、これらを単独若しくは硬化反応性の差
を利用して二つ若しくはそれ以上の組み合わせによって
使用することができる。又、硬化反応を促進する目的
で、水酸基(ブタンジオール、ヘキサンジオール、分子
量が1000〜10000のポリウレタン、水 等)、
アミノ基(モノメチルアミン、ジメチルアミン、トリメ
チルアミン等)を有する化合物や金属酸化物の触媒を併
用する事も出来る。これらの水酸基やアミノ基を有する
化合物は多官能である事が望ましい。これらのポリイソ
シアネート化合物は結合剤樹脂総量の1〜50重量%、
望ましくは10〜30重量%で用いることが好ましい。
【0036】本発明の磁性層は前記の強磁性粉末の他に
添加剤として、潤滑剤、分散剤、研磨剤、帯電防止剤等
を含んでもよい。潤滑剤としては、炭素数12〜20個
の一塩基性脂肪酸と炭素数3〜12個の一価のアルコー
ルから成る脂肪酸エステル類、ジアルキルポリシロキサ
ン(アルキルは炭素数1〜5個)、ジアルコキシポリシ
ロキサン(アルコキシは炭素数1〜4個)、モノアルキ
ルモノアルコキシポリシロキサン(アルキルは炭素数1
〜5個、アルコキシは炭素数1〜4個)、フェニルポリ
シロキサン、フロロアルキルポリシロキサン(アルキル
は炭素数1〜5個)などのシリコンオイル;グラファイ
ト等の導電性微粉末;二硫化モリブデン、二硫化タング
ステンなどの無機粉末;ポリエチレン、ポリプロピレ
ン、ポリエチレン塩化ビニル共重合体、ポリテトラフル
オロエチレン等のプラスチック微粉末;α−オレフィン
重合物;常温で液状の不飽和脂肪族炭化水素(n−オレ
フィン二重結合が末端の炭素に結合した化合物、炭素数
約20);フルオロカーボン類等が使用できる。これら
の潤滑剤は、通常、結合剤100重量部に対して0.2
〜20重量部の範囲で添加され得る。
【0037】本発明に使用する分散剤(含量湿潤剤)と
しては、カプリル酸、カプリン酸、ラウリン酸、ミリス
チン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、ベヘン酸、オレ
イン酸、エライジン酸、リノール酸、リノレン酸、ステ
アロール酸等の炭素数12〜18個の脂肪酸(R1 CO
OH、R1 は炭素数11〜17個のアルキル基またはア
ルケニル基);前記の脂肪酸のアルカリ金属(Li、N
a、K等)またはアルカリ土類金属(Mg、Ca、B
a)からなる金属石鹸;前記の脂肪酸エステルの弗素を
含有した化合物;前記脂肪酸のアミド;ポリアルキレン
オキサイドアルキルリン酸エステル;レシチン;トリア
ルキルポリオレフィンオキシ第四級アンモニウム塩(ア
ルキルは炭素数1〜5個、オレフィンはエチレン、プロ
ピレンなど);等が使用される。この他に炭素数12以
上の高級アルコール、及びこれらの他に硫酸エステル等
も使用可能である。これらの分散剤は、結合剤100重
量部に対して0.5〜20重量部の範囲で添加される。
【0038】本発明に用いられる研磨剤としては、一般
に使用される材料でモース硬度が5以上好ましくは7以
上の非磁性無機微粉末があげられ、具体的には酸化アル
ミニウム(α−Al2 3 、γ−Al2 3 、溶融アル
ミナ、コランダムなど)、酸化クロム(Cr2 3 )、
酸化鉄(α−Fe2 3 )、二酸化珪素、二酸化チタン
等の酸化物、炭化珪素、炭化チタン等の炭化物、窒化硼
素等の窒化物、ダイアモンド等の微粉末を挙げることが
できいる。これらの平均粒子径は、0.05〜1.0μ
mが好ましく、強磁性粉末100重量部に対して0.5
〜20重量部の範囲で添加することができる。
【0039】帯電防止剤としては、カーボンブラック
(特に、平均粒径が10〜300nmのものが好まし
い。)、カーボンブラックグラフトポリマー等の導電性
微粉末;サポニン等の天然界面活性剤;アルキレンオキ
サイド系、グリセリン系、グリシドール系等のノニオン
界面活性剤;高級アルキルアミン類、第四級アンモニウ
ム塩類、ピリジンそのほかの複素環類、ホスホニウムま
たはスルホニウム類、等のカチオン界面活性剤;カルボ
ン酸、スルホン酸、燐酸、硫酸エステル基、燐酸エステ
ル基などの酸性基を含むアニオン界面活性剤等が使用さ
れる。
【0040】上記の導電性微粉末は、結合剤100重量
部に対して0.2〜20重量部が、界面活性剤は0.1
〜10重量部の範囲で添加される。これらの界面活性剤
は単独または混合して添加しても良い。これらは帯電防
止剤として用いられるものであるが、時としてそのほか
の目的、例えば分散、磁気特性の改良、潤滑性の改良、
塗布助剤として適用される場合もある。
【0041】磁気記録媒体の磁性層の形成は、通常、強
磁性金属粉末や結合剤等を溶媒に浸漬、溶解し、公知の
分散機で分散後、非磁性支持体に塗布することによって
行われる。溶媒としては、有機溶剤が望ましく、任意の
比率で混合使用することができる。以下にその具体例を
示すと、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブ
チルケトン、シクロヘキサノン等のケトン系;メタノー
ル、エタノール、プロパノール、ブタノールなどのアル
コール系;酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸ブチル、乳酸
エチル、酢酸グリコールモノエチルエーテル等のエステ
ル系;エーテル、グリコールジメチルエーテル、グリコ
ールモノエチルエーテル、ジオキサンなどのグリコール
エーテル系;ベンゼン、トルエン、キシレン、クレゾー
ル、クロルベンゼン、スチレンなどのタール系(芳香族
炭化水素);メチレンクロライド、エチレンクロライ
ド、四塩化炭素、クロロホルム、エチレンクロルヒドリ
ン、ジクロルベンゼン等の塩素化炭化水素、N,N−ジ
メチルホルムアルデヒド、ヘキサン等が使用できる。
【0042】上記強磁性粉末、結合剤樹脂、有機溶媒、
添加剤等からなる磁性塗料の作製における分散、混合の
方法は任意であり、従来公知の方法が適用できる。例え
ば、磁性塗料を幾つかの組成物に分けて後で混合するこ
となどができる。混練分散に当たっては各種の混練機が
使用される。例えば、二本ロールミル、三本ロールミ
ル、ボールミル、ペブルミル、トロンミル、サンドグラ
インダー、ゼグバリ(Szegvari)、アトライタ
ー、高速インペラー分散機、高速ストーンミル、高速衝
撃ミル、ディスパー、ニーダー、高速ミキサー、ホモジ
ナイザー、超音波分散機などを用いることができる。
【0043】また、非磁性支持体上に磁性層を形成する
方法としては、従来公知の方法を用いることが出来、詳
しくは「コーティング工学」(昭和46年朝倉書店)等
の成書に記載されている方法を行うことができる。上記
のようにして調製した磁性塗料の塗布方法としては任意
の塗布装置、例えば、エアードクターコート、ブレード
コート、エアナイフコート、スクイズコート、含浸コー
ト、リバースロールコート、トランスファーロールコー
ト、グラビアコート、キスコート、キャストコート、ス
プレイコート、バーコート、スピンコート等を使用する
方法等が挙げられる。
【0044】混練分散、塗布に関する技術は、T.C.
PATTON著(テー.シー.パットン)“塗料の流動
と顔料分散”(1975年)に記載された如く多層同時
塗布法によって同時に2層以上の磁性層を設けてもよ
い。本発明で使用する非磁性支持体には特に制限はな
く、通常使用されているものを用いることができる。非
磁性支持体を形成する素材の例としては、ポリエチレン
テレフタレート、ポリエチレ、ポリプロピレン、ポリカ
ーボネート、ポリエチレンナフタレート、ポリアミド、
ポリアミドイミド、ポリイミド、ポリサルホン、ポリエ
ーテルサルホン等の各種合成樹脂のフィルム、およびア
ルミニウム箔、ステンレス箔などの金属箔を挙げること
ができる。非磁性支持体は一般には2.5〜100μ
m、好ましくは3〜80μmの厚さのものが使用され、
テープ、シート、カード、ディスク、ドラムなどの形状
で使用される。
【0045】非磁性支持体上に磁性層を形成する方法と
しては、従来公知の方法を用いることができ、詳しくは
「コーティング工学」(昭和46年朝倉書店)等に記載
されている方法を用いることができる。このような方法
により、支持体上に塗布された磁性層は必要により層中
の強磁性粉末を配向する処理をした後、乾燥され、カレ
ンダリング処理(加圧成形処理)などの表面処理を施さ
れる。
【0046】さらに硬化処理として、熱処理、電子線等
の照射処理等を必要に応じて行うこともできる。その後
所望の形状に裁断したりして、本発明の磁気記録媒体を
製造する。磁性層の厚みは特に制限はないが、通常、
0.5〜6、更には2〜4μmである。磁性層を重層等
の多層構造にする場合はさらに一層が0.2〜1μmと
薄くても良い。又、この乾燥厚味は磁気記録媒体の用
途、形状、規格などにより決められる。
【0047】また、本発明は非磁性支持体の両面に磁性
層を形成することも、また磁性層と反対面に非磁性粉末
と樹脂からなるバック層を形成することもでき、その手
段は、公知の方法が適用できる。
【実施例】以下、本発明を実施例によって具体的に説明
するが、本発明はこれに限定されるものではない。尚、
「部」は「重量部」を示す。
【0048】(強磁性金属粉末)AlおよびBを含む酸
化物被膜が表面に形成されている針状ゲータイト粒子を
空気中400℃で加熱焼成して得られた針状ヘマタイト
粒子300gを3リットル容量のレトルト容器中に投入
し、回転させながらH2 ガスを35リットル/分で通気
し、450℃で6時間還元した。ついで、前記レトルト
容器中に窒素ガスを流しながら室温に冷却し、窒素ガス
中の酸素濃度を徐々に上げながら徐酸化処理を行い、鉄
を主成分とする強磁性金属粉末を空気中に取り出した。
【0049】強磁性金属粉末の特性は、比表面積;5
1.9m2 /g、飽和磁化;122.0emu/g、H
c;1610Oeであった。この強磁性金属粉末を用
い、磁性塗料用組成物を調製し、磁気記録媒体の試料を
作成した。作成した強磁性金属粉末を表1に記載の本発
明の化合物を溶解したトルエン・エチルアルコール混合
(10:1)溶液に浸漬し、20時間攪拌し、その後遠
心濾過機で濾過、真空乾燥し、表面処理した強磁性金属
粉末を得た。表面処理量は、溶液中の化合物濃度、処理
液量で調節し、表面処理量は処理溶液中の化合物の処理
前後の濃度変化から求めた。
【0050】これらの強磁性金属粉末を60℃相対湿度
90%の条件下に1週間放置し、前後の磁気特性を比較
した。各表面処理強磁性金属粉末の特性、及び耐候試験
後の特性を表1に示す。
【0051】
【表1】
【0052】上記強磁性金属粉末を用い下記の塗料用組
成物を調製した。 (磁性塗料用組成物) 強磁性金属粉末 100部 (表2に記載の化合物で予め表面処理するか(前処理)、または該化合物を 強磁性金粉末表面当たりに換算した量を塗料に添加した(添加)。) 結合剤樹脂 スルホン酸基含有塩化ビニル系樹脂 12部 (平均重合度;300、SO3 Na基含有量;6×10-5等量/g、エポキ シ基含有量;4×10-4等量/g、OH基含有量;2×10-4等量/g) スルホン酸基含有ポリウレタン樹脂 8部 (ポリエステルポリウレタン、平均分子量;約5万、 SO3 Na基含有量;6×10- 5 等量/g) α−アルミナ(平均粒子径0.2μm) 10部 カーボンブラック(平均粒子径0.03μm) 1部 メチルエチルケトン 80部 シクロヘキサノン 80部 トルエン 40部 (磁気記録媒体の作成)上記の磁性塗料用組成物をサン
ドミルを用いて、充分に混練分散処理した後、更に、ポ
リイソシアネート(バイエル社製ディスモジュールL−
75)を6部、ステアリン酸2部とブチルステアレート
2部を溶解したMEK溶液50部を加えて、更に高速剪
断分散して磁性塗料を得た。
【0053】この塗料を濾過後、厚さ10μmのポリエ
ステルフィルム上に乾燥膜厚が3.5μmになるように
塗布し、磁場中配向し、乾燥した。引き続きカレンダー
で加圧成形処理し、更に24時間60℃で熱処理を行っ
て磁気記録媒体の試料を作成した。以上の様にして得ら
れた試料につき表面光沢度、飽和磁束密度及び角型比を
以下の条件で測定して、本発明の磁気記録媒体における
磁性層の表面平滑度及び強磁性金属粉末の分散性並びに
充填度を評価すると共に磁性層強磁性金属粉末の耐候性
を評価した。
【0054】耐候試験…60℃相対湿度90%の条件下
に1週間放置し、磁気特性の変化を調べた。 表面光沢度…JIS−Z−8741に従い、入射角45
度で測定した。なお、比較例2の光沢度を100%とし
た。 磁性層の飽和磁束密度(Bm)及び磁性層の角型比(B
r/Bm)…東英工業(株)製振動試験磁束計を用いて
磁場強度(Hm)を5kOeとしたときのBm及び残留
磁束密度(Br)並びに角型比を求めた。
【0055】比表面積…湯浅アイオニクス(株)製全自
動比表面積測定装置4−ソープを使用して、BET法に
よる窒素吸着量より求めた。 結果を表2に示す。
【0056】
【表2】
【0057】表1及び2の結果から、本発明の強磁性金
属粉末は、表面未処理の強磁性金属粉末に比較し、耐酸
化性が改善されることがわかる。また、本発明の化合物
を使用した磁気記録媒体は、本発明の化合物を強磁性金
属粉末に分散前または分散中に作用させても何れの場合
も耐酸化性・耐候性が改善され、また、優れた表面性を
確保できることがわかる。
【0058】
【発明の効果】本発明は、=C=S基を含む本発明の部
分構造を有する化合物を強磁性金属粉末の粒子表面に被
着させることにより、耐候性に優れた強磁性金属粉末を
提供することができ、更に、非磁性支持体上に強磁性金
属粉末及び結合剤樹脂を主体とする磁性層を設けてなる
磁気記録媒体において、該磁性層中に前記本発明の化合
物を添加もしくは強磁性金属粉末に被着させて含有せし
めることにより、経時安定性に優れた磁気記録媒体を得
ることができる。

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 強磁性金属粉末の粒子表面に次の化合物
    を含有することを特徴とする強磁性金属粉末。 【化1】 但し、Xは、CH2 、O、NR、S、Seの2価の基
    (Rは、Hあるいは炭素数1〜6のアルキル基もしくは
    アリール基)、Yは、CH2 またはNHの2価の基であ
    。Arは一つ以上の置換基で置換され得る2価の芳香
    族環もしくは二重結合を有する脂肪族基を表す。
  2. 【請求項2】 非磁性支持体上に強磁性金属粉末及び結
    合剤樹脂を主体とする磁性層を設けてなる磁気記録媒体
    において、該磁性層中に前記請求項記載化合物を含
    有することを特徴とする磁気記録媒体。
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