JP2001357511A - 強磁性金属粉末及びそれを用いた磁気記録媒体 - Google Patents

強磁性金属粉末及びそれを用いた磁気記録媒体

Info

Publication number
JP2001357511A
JP2001357511A JP2000179929A JP2000179929A JP2001357511A JP 2001357511 A JP2001357511 A JP 2001357511A JP 2000179929 A JP2000179929 A JP 2000179929A JP 2000179929 A JP2000179929 A JP 2000179929A JP 2001357511 A JP2001357511 A JP 2001357511A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
magnetic
metal powder
ferromagnetic metal
powder
layer
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Abandoned
Application number
JP2000179929A
Other languages
English (en)
Inventor
Masashi Aonuma
政志 青沼
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Fujifilm Holdings Corp
Original Assignee
Fuji Photo Film Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Fuji Photo Film Co Ltd filed Critical Fuji Photo Film Co Ltd
Priority to JP2000179929A priority Critical patent/JP2001357511A/ja
Publication of JP2001357511A publication Critical patent/JP2001357511A/ja
Abandoned legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Manufacture Of Metal Powder And Suspensions Thereof (AREA)
  • Magnetic Record Carriers (AREA)
  • Hard Magnetic Materials (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 磁気抵抗型ヘッド(MRヘッド)の特性に適
合し、更に良好な電磁変換特性と耐久性および優れた保
存安定性を示す磁気記録媒体を提供すること。 【解決手段】 強磁性金属粉末は金属部分とその周りに
存在する酸化物層とからなる強磁性金属粉末であり、前
記金属部分は、平均長径が25〜90nmであり、その
変動係数が25%以下であり、且つ金属部分の平均針状
比が3〜12であり、該強磁性金属粉末の飽和磁化σs
が90A・m2/kg以上、120A・m2/kg未満で
あることを特徴とする強磁性金属粉末。支持体上に前記
強磁性金属粉末と結合剤を主体とする磁性層を設けてな
る磁気記録媒体。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は磁気テープ、磁気デ
ィスク等の磁気記録媒体に関し、特に強磁性金属粉末と
結合剤を主体とする磁性塗料を非磁性支持体上に塗布し
て磁性層を形成した塗布型の磁気記録媒体に関連し、短
波長領域におけるノイズ、出力、C/N比、オーバーラ
イト特性、及び高温高湿環境を含む保存での減磁が優
れ、且、耐久性、スチル、摩擦係数が優れた磁気記録媒
体に関する。特に磁気抵抗型(MR)ヘッドに適した低
ノイズ、高出力、走行性能、及び高温高湿環境を含む保
存での減磁が優れた強磁性金属粉末及びそれを用いた磁
気記録媒体に関する。
【0002】
【従来の技術】磁気記録技術は、媒体の繰り返し使用が
可能であること、信号の電子化が容易であり周辺機器と
の組み合わせによるシステムの構築が可能であること、
信号の修正も簡単にできること等の他の記録方式にはな
い優れた特徴を有することから、ビデオ、オーディオ、
コンピューター用途等を始めとして様々な分野で幅広く
利用されてきた。
【0003】そして、機器の小型化、記録再生信号の質
の向上、記録の長時間化、記録容量の増大等の要求に対
応するために、記録媒体に関しては、記録密度、信頼
性、耐久性をより一層向上させることが常に望まれてき
た。
【0004】近年、コンピュータデータを記録再生する
ための磁気記録再生システムにおいて、薄膜磁気ヘッド
を組み込んだシステムが実用化されている。薄膜磁気ヘ
ッドは、小型化やマルチトラックヘッドに加工し易いた
めに、特に磁気テープを記録媒体としたシステムでは、
薄膜磁気ヘッドのマルチトラック固定ヘッドが多く利用
されている。薄膜磁気ヘッドの利用によって、小型化に
よるトラック密度の向上や記録効率の向上が可能とな
り、高密度の記録を実現できると共に、またマルチトラ
ック化によりデータの転送速度の向上も可能になる。薄
膜磁気ヘッドは、磁束の時間変化に応答する誘導型ヘッ
ドと、磁束の大きさに応答する磁気抵抗効果を利用した
磁気抵抗型ヘッド(MRヘッド)に大別できる。誘導型
ヘッドは平面構造のためにヘッドコイルの巻き数が少な
く、起磁力を大きくすることが困難となり、従って再生
出力が十分得られないと云う問題がある。このため、再
生用には高い再生出力が得られ易いMRヘッドが用いら
れ、一方、記録用には誘導型のヘッドが用いられてい
る。これらの磁気ヘッドは、通常一体型としてシステム
中に組み込まれている。このような磁気記録システムで
はより速いデータ転送速度を実現できるリニア記録方式
が採用されている。一方、小型カセットを用いた大容量
・高転送レートのテープストレージを実現するため、ヘ
リカルスキャン方式のテープ記録装置に適用する回転ド
ラム搭載型MRヘッドの開発が進められている。また、
オーディオ、ビデオ用途にあっては、音質及び画質の向
上を実現するディジタル記録方式の実用化、ハイビジョ
ンTVに対応した録画方式の開発に対応するために、従
来のシステムよりも一層、短波長信号の記録再生がで
き、かつヘッドと媒体の相対速度が大きくなっても信頼
性、耐久性が優れた磁気記録媒体が要求されるようにな
っている。
【0005】塗布型の磁気記録媒体の高密度記録化のた
めに、従来より使用されていた磁性酸化鉄粉末に代わ
り、鉄又は鉄を主体とする合金磁性粉末を使用したり、
磁性粉末の微細化等磁性体の改良及びその充填性と配向
性を改良して磁性層の磁気特性を改良すること、強磁性
粉末の分散性を向上させること、磁性層の表面性を高め
ること等の観点から種々の方法が検討され提案されてき
た。
【0006】例えば、磁気特性を高めるために強磁性粉
末に強磁性金属粉末や六方晶系フェライトを使用する方
法が特開昭58−122623号公報、特開昭61−7
4137号公報、特公昭62−49656号公報、特公
昭60−50323号公報、US4629653号、U
S4666770号、US4543198号等に開示さ
れている。
【0007】特開平1−18961号には、長軸径が
0.05〜0.2μm、軸比が4〜8の金属磁性粉で、
比表面積が30〜55m2/g、保磁力が1300エル
ステッド(1エルステッド=1/(4π)kA/m)以
上、飽和磁化量が120emu/g(emu/g=A・
2/kg)以上の強磁性粉を開示し、比表面積の小さ
い微小金属粉を提供するとしている。また、特開昭60
−11300号公報および特開昭60−21307号公
報には、強磁性粉末、特に強磁性金属粉末に適した微細
なα−オキシ水酸化鉄針状結晶の製造方法を開示し、後
者では長軸長0.12〜0.25μm、軸比6〜8のゲ
ータイトからHc1450〜1600エルステッド、σ
s142〜155emu/gの強磁性金属粉末が製造さ
れることを開示している。特開平9−91684には、
強磁性金属粒子の平均長径が0.05μm〜0.12μ
m、針状比8以上の強磁性金属粒子が強磁性金属粒子全
体の5.0%以下であるか、または、前強磁性金属粒子
を構成する結晶子の針状比4以上である強磁性金属粒子
が強磁性金属粒子の全体の17.0%以下を用いること
が提案されているが針状比が小さい粒子が混在すると高
Hcの強磁性粉末が得られにくく、S/N比、オーバー
ライトも不十分である。
【0008】更に、特開平6−340426号公報およ
び特開平7−109122号公報には、ヘマタイト核
晶、水酸化鉄、特定イオンを用いた単分散紡錘型ヘマタ
イト粒子、及び該ヘマタイト粒子を還元して得られる極
めて微小な強磁性粉末が開示されている。
【0009】また、強磁性粉末の分散性を高めるため
に、種々の界面活性剤(例えば特開昭52−15660
6号公報、特開昭53−15803号公報、特開昭53
−116114号公報等に開示されている。)を用いた
り、種々の反応性のカップリング剤(例えば、特開昭4
9−59608号公報、特開昭56−58135号公
報、特公昭62−28489号公報等に開示されてい
る。)を用いることが提案されている。
【0010】また、特開平1−239819号公報に
は、磁性酸化鉄の粒子表面に硼素化合物、アルミニウム
化合物もしくはアルミニウム化合物と珪素化合物を順次
被着させた磁性粉末を開示し、磁気特性および分散性を
改善するとしている。更に、特開平7−22224号公
報には、周期率表第1a族元素の含有量が0.05質量
%以下であり、必要に応じて金属元素の総量に対して
0.1〜30原子%のアルミニウム、更には金属元素の
総量に対して0.1〜10原子%の希土類元素を含有さ
せ、また周期率表第2a族元素の残存量が0.1質量%
以下の強磁性金属粉末を開示し、保存安定性および磁気
特性の良好な高密度磁気記録媒体が得られるとしてい
る。
【0011】更に、磁性層の表面性を改良するために、
塗布、乾燥後の磁性層の表面形成処理方法を改良する方
法(例えば、特公昭60−44725号公報に開示され
ている。)が提案されている。
【0012】磁気記録媒体の高記録密度を達成するた
め、使用する信号の短波長化が強力に進められている。
信号を記録する領域の長さが使用されていた磁性体の大
きさと比較できる大きさになると明瞭な磁化遷移状態を
作り出すことができないので、実質的に記録不可能とな
る。このため使用する最短波長に対し充分小さな粒子サ
イズの磁性体を開発する必要があり、磁性体の微粒子化
が長年にわたり指向されている。
【0013】磁気記録用金属粉では粒子形状を針状とし
形状異方性を付与し、目的とする抗磁力を得ている。高
密度記録のために強磁性金属粉末を微細化し得られる媒
体の表面粗さを小さくする必要があることは当業者によ
く知られたことである。しかしながら磁気記録用金属粉
は、微細化にともない針状比が低下し所望の抗磁力が得
られなくなる。最近、ビデオ信号をデジタル化し記録す
るDVCシステムが提案されており、高性能なMEテー
プおよび高性能なMPテープが使用される。DVCに使
用されるMPテープの抗磁力は、2000エルステッド
以上であるので、抗磁力が大きく微細かつ粒度分布がす
ぐれた強磁性金属粉末が必要である。また信号を上書き
する記録法なのでオーバーライト特性が良好であること
が望まれている。
【0014】本出願人は先にDVCシステムに好適な強
磁性金属粉末およびそれを用いた磁気記録媒体を提案し
ている(特開平7−326035号)。この発明は磁性
層を、抗磁力2000〜3000エルステッド、厚さ
0.05〜0.3μm、表面粗さ1〜3nmに制御し、
かつ特定の反転磁化成分率を規定した磁気記録媒体を提
供するものである。
【0015】更に、薄膜磁気ヘッドが組み込まれた磁気
記録システムに用いられる磁気記録媒体として、非磁性
支持体上に無機質非磁性粉末を結合剤に分散してなる下
層非磁性層と、該非磁性層の上に強磁性金属粉末を結合
剤に分散してなる上層磁性層を設けた磁気記録媒体が提
案されている(特開平8−227517号公報)。上記
のように上層の磁性層を薄くすることで厚み損失による
出力低下が抑制され、また高い記録密度が達成できるた
め、単層構造の磁性層を有する磁気記録媒体に比べてよ
り大きな容量のデータの保存が可能となる。そしてここ
には、上層磁性層の厚みは、0.05〜1.0μm、好
ましくは、0.05〜0.8μmであるとの記載があ
り、また具体的には、厚さ10μmのポリエチレンテレ
フタレート製支持体の一方の側に、厚さ2.7μmの非
磁性層及び保磁力Hcが1800エルステッドである強
磁性金属粉末を含有する厚さ0.3μmの磁性層が順に
設けられたコンピュータデータ記録用の磁気記録媒体が
記載されている。
【0016】
【発明が解決しようとする課題】本出願人は、MRヘッ
ドが組み込まれた磁気記録システムにおいて、該MRヘ
ッドとこのシステムに用いられる磁気記録媒体との適応
性について検討した。その検討によると、上記特開平8
−227517号公報に記載の磁気記録媒体は、MRヘ
ッドを用いる磁気記録再生システム、特にコンピュータ
データ記録再生用のシステムにおいて必ずしも高い適応
性を有しているとは云えないことが判明した。即ち、例
えば、磁気記録媒体して、比較的厚い(0.3μm)磁
性層を有するものを使用した場合には、磁性層の磁束が
高くなるために、再生出力が出過ぎてMRヘッドが飽和
し、再生波形が歪み、その結果、十分高いS/N比が得
られず、エラーレートが増大し易くなったり、また一般
に、高い記録密度を達成するためには記録再生波形(孤
立再生反転波形)はよりシャープ(波形の半値幅が小さ
い)であることが望ましいが、磁性層が比較的厚い磁気
記録媒体では、記録再生波形の半値幅が大きくなり、十
分高い記録密度が得られないことが判明した。一方、非
常に薄い(0.03μm)磁性層を有するものを使用し
た場合には、記録再生波形に歪みが生じ、その結果、同
様に高いS/N比が得られず、また再生出力自体も低下
し易くなることが判明した。磁気抵抗型の再生ヘッドを
組み込んだ磁気記録再生システムに用いた場合に、エラ
ーなどが生じにくく、速いデータ転送速度を実現でき、
かつ高密度の記録が可能な磁気記録媒体を提供すること
を目的に本出願人は特開平11−238225号公報を
提案した。
【0017】特開平11−238225号公報には以下
のような好ましい態様が提案されている。 (1)磁性層の磁束(Φm=最大磁束密度×磁性層の平
均厚み)が0.02〜0.095G・cm(20〜95
mT・μm、∵ 1G=0.1mT、1cm=104μ
m)(更に好ましくは0.05〜0.093G・cm、
特に好ましくは、0.05〜0.092G・cm)の範
囲にある。 (2)磁性層の厚みが好ましくは、0.1〜0.28μ
m(更に好ましくは、0.1〜0.25μm)の範囲に
ある。 (3)強磁性粉末の保磁力(Hc)が1680〜205
0(更に好ましくは1700〜2000)エルステッド
(Oe)の範囲にある。 (4)強磁性粉末が、磁性層の固形分中に75〜85質
量%(更に好ましくは、78〜82質量%)の範囲の量
で含有されている。 (5)磁性層のスイッチング・フィールド・ディストリ
ビューション(SFD)の値が0.1〜0.32(更に
好ましくは、0.15〜0.28、特に0.18〜2.
5)の範囲にある。 (6)磁性層の長手方向のSQ(角形比)が0.82
(更に好ましくは、0.85、特に、0.88)以上で
ある。 (7)磁気テープの全体の厚みが5〜10μm(更に好
ましくは、7〜9.5μm、特に7.5〜9.5μm)
の範囲にある。
【0018】(8)カーボンブラックが、10〜30m
μの微粒子状カーボンブラックと150〜300mμの
粗粒子状カーボンブラックの異なる平均粒子サイズを持
つ二種類のカーボンブラックを含む。 (9)バックコート層が更にモース硬度5〜9の硬質無
機質粉末を含む。 (10)上記モース硬度5〜9の無機質粉末の平均粒子
サイズが0.08〜1μm(更に好ましくは、0.05
〜0.5μm、特に、0.08〜0.3mμ)の範囲に
ある。 (11)上記モース硬度5〜9の無機質粉末がα−アル
ミナである。 (12)バックコート層の厚さが0.2〜0.8μmの
範囲にある。 (13)上記の磁気記録媒体が磁気抵抗型の再生ヘッド
を用いる磁気記録再生システム用である。 (14)上記の磁気テープがコンピュータデータ記録用
である。
【0019】磁気抵抗型ヘッド(MRヘッド)の特性に
適合し、更に良好な電磁変換特性と耐久性および優れた
保存安定性を示す磁気記録媒体の開発が望まれている。
また、速いデータ転送速度でかつ高い密度の記録が可能
なMR磁気ヘッドを組み込んだ磁気記録再生システムに
好適に用いられる磁気記録媒体が要求されている。
【0020】
【課題を解決するための手段】本発明の目的は、以下の
構成により達成できる。 (1) 強磁性金属粉末は金属部分とその周りに存在す
る酸化物層とからなる強磁性金属粉末であり、前記金属
部分は、平均長径が25〜90nmであり、その変動係
数が25%以下であり、且つ金属部分の平均針状比が3
〜12であり、該強磁性金属粉末の飽和磁化σsが90
A・m2/kg以上、120A・m2/kg未満であるこ
とを特徴とする強磁性金属粉末。 (2)前記強磁性金属粉末は前記金属部分がFeまたは
Fe−Coを主成分とし、Co含有量が強磁性金属粉末
に含有されるFe100質量部に対し5〜45質量部で
あることを特徴とする前記(1)記載の強磁性金属粉
末。 (3)前記強磁性金属粉末は結晶子サイズが80〜15
0Åであり、前記金属部分の平均短径が4〜14nmで
あり、抗磁力Hcが135〜240kA/mであること
を特徴とすることを特徴とする前記(1)または(2)
に記載の強磁性金属粉末。 (4)支持体上に前記(1)〜(3)の何れか1項に記
載の強磁性金属粉末と結合剤を主体とする磁性層を設け
てなる磁気記録媒体。 (5)前記磁気記録媒体は残留磁束(Φr)〔Φr=残
留磁束密度(Br)×磁性層の平均厚み(δ)〕が5〜
75mT・μmであることを特徴とする前記(4)に記
載の磁気記録媒体。 (6)前記支持体と前記磁性層の間に非磁性粉末と結合
剤樹脂を主体とする非磁性層を設け、前記磁性層の平均
厚み(δ)が0.04〜0.25μmであり、且つ前記
磁性層の表面粗さが3D−MIRAU法による中心面平
均表面粗さで、1.0〜6.0nmであることを特徴と
する前記(4)〜(5)に記載の磁気記録媒体。
【0021】
【発明の実施の形態】本発明において、強磁性金属粉末
の金属部分とは、高分解能透過型電子顕微鏡で強磁性金
属粉末の格子像を観察し、強磁性金属粉末全体から強磁
性金属粉末の内部を占める金属部分の周りに存在する酸
化物層を除いた部分を指す。金属部分の平均長径とは、
金属部分を構成する長軸の長さの平均を示し、金属部分
の平均短径とは、該金属部分の短軸の長さ(長軸に対し
て直角方向の最大長)の平均を示し、金属部分の平均針
状比とは針状比(長径/短径)の平均値を指す。針状比
の変動係数とは、針状比の標準偏差を平均針状比で除し
た値を指す。長径の変動係数とは、長径の標準偏差を平
均長径で除した値を指す。短径の変動係数とは、短径の
標準偏差を平均短径で除した値を指す。尚、上記サイズ
規定は、強磁性金属粒子全体についても適用される。上
述の統計値を得るためのサンプル数は、約300個であ
る。更に、上記サイズ規定は、他の針状粉体についても
適用される。上記サンプルの測定法としては、具体的に
は以下のものが挙げられる。高分解能透過型電子顕微鏡
で粒子写真を撮影し、撮影した高分解能電顕写真の各強
磁性金属粒子の輪郭を画像解析装置でなぞり、強磁性金
属粉末の長軸長、短軸長(長軸に対して直角方向の最大
長)、および針状比(長軸長/短軸長)を求めることが
できる。また、高分解能透過型電子顕微鏡で酸化物層を
撮影し、撮影した高分解能電顕写真の各強磁性金属粒子
の酸化物層の輪郭を画像解析装置でなぞり、強磁性金属
粉末の酸化物層厚みを計測することができる。強磁性金
属粉末の金属部分の長径、短径、および針状比(長径/
短径)を求める。また、強磁性金属粉末の金属部分は金
属の結晶子からなり、通常、強磁性金属粉末の金属部分
は、1〜数個の金属の結晶子からなり、好ましくは1ケ
の結晶子即ち単結晶子からなり、この金属の結晶子を全
て含んだ部分を指す。
【0022】本発明は、強磁性金属粉末の金属部分の平
均長径を25〜90nm、その変動係数が25%以下で
あり、同金属部分の平均針状比を3〜12、強磁性金属
粉末の飽和磁化σsを120A・m2/kg未満、90
A・m2/kg以上、好ましくは同金属部分の平均短径
を4〜14nm、強磁性金属粉末は結晶子サイズが80
〜150Åで、抗磁力Hcを135〜240kA/mに
制御することにより、その結果、低ノイズ、高Hcが要
求される磁気抵抗型(MR)ヘッド搭載システムに好適
な磁気記録媒体を提供することができるものである。
【0023】本発明において、強磁性金属粉末の金属部
分の平均長径は、25〜90nm、好ましくは35〜9
0nmであり、金属部分の平均針状比は、3〜12好ま
しくは4〜10である。強磁性金属粉末の金属部分の平
均長径が25nmより小さいとき、目的の抗磁力が得ら
れないだけでなく、磁気塗料を作成する時分散が困難で
ありかつ磁場配向しても配向の効果があらわれにくい。
また安定化のために形成した酸化膜の影響で高密度記録
に必要な飽和磁化σsおよび抗磁力Hcを確保すること
が困難になる。強磁性金属粉末の金属部分の平均長径が
90nmを越えると強磁性金属粉末の長径に関する再生
損失が増加し、且つ媒体ノイズが増加し、優れたS/N
が得ることができない。
【0024】強磁性金属粉末の金属部分の平均針状比が
3より小さいときには、形状異方性に立脚した抗磁力H
cが小さくなり、高密度記録に不利になる。強磁性金属
粉末の金属部分の平均針状比が3〜12のとき、平均針
状比が大きいほど抗磁力Hcが大きくなる。金属部分の
長径および針状比の各々の変動係数が25以下で小さい
ほうが好ましい。これら長径と針状比の変動係数が小さ
いと、Hc分布が小さく、特に、高Hc成分(Hc23
8.7kA/m以上で磁化反転する成分の割合/Hc)
が減少するので、オ−バ−ライト特性上好ましい。長径
と針状比の変動係数が小さい状態が、高HcかつHc分
布が小さく、高抗磁力成分が少なく、SFDが小さくな
る傾向が認められた。
【0025】本発明の強磁性金属粉末の飽和磁化σsは
90A・m2/kg以上120A・m2/kg未満、好ま
しくは90〜118A・m2/kg、更に好ましくは9
5〜115A・m2/kgである。飽和磁化σsが低く
なるとSFDが大きくなるため、徐酸化条件を制御し
て、表面の酸化物層を緻密にし、かつ極力薄くすること
が有効である。飽和磁化σsが90A・m2/kgより
低いと、SFDが大幅に劣化するだけでなく、Hcも小
さくなり、高密度記録に不利となる。一方飽和磁化σs
が120A・m2/kg以上では、残留磁束密度が高く
なり、磁性層厚みを薄くしても、媒体の残留磁束(Φ
r)が高くなってしまい、MRヘッドを飽和して、波形
歪みやパルスの非対称性が発生する等の悪影響を及ぼ
す。また、充填度を下げて残留磁束密度を低くすると、
磁性層厚みを薄くすることにより、単位面積当たりの強
磁性金属粉末の粒子の存在量が少なくなり、必要なS/
N比を得ることができなくなってしまう。強磁性金属粉
末の抗磁力Hcは135〜240kA/m、好ましくは
138〜223kA/m、更に好ましくは143〜22
3kA/mである。先に述べたように強磁性金属粉粒子
の金属部分の平均長径、平均短径、平均針状比を規定す
ることで、形状異方性により立脚したHcの発現、かつ
Hc分布を小さくでき、本発明の微粒子を用いて磁性層
厚みを薄くすることによりHc分布の少ないオーバーラ
イト特性の優れた磁気記録媒体得られたと推定してい
る。
【0026】本発明の磁性層の抗磁力Hcは、通常、1
35〜263kA/m、好ましくは138〜240kA
/m、更に好ましくは、1800〜240kA/mであ
り、磁性層のBr(残留磁束密度)は通常、100〜4
00mT、好ましくは150〜350mT、更に好まし
くは、150〜300mTである。磁性層の残留磁束
(Φr){残留磁束密度(Br)×磁性層の平均厚み
(δ)}は、5〜75mT・μmが好ましく、10〜7
0mT・μmが更に好ましく、15〜60mT・μmが
特に好ましい。磁性層の残留磁束(Φr)はMRヘッド
の性能により最適値を設定することが望ましく、MRヘ
ッドが飽和しない範囲で高めに選ぶことが好ましい。H
c、Br、Φrが下限値より小さいと短波長出力を十分
に得ることができず、また、それらが上限値より大きい
と記録に使用するヘッドが飽和してしまうので出力を確
保することができない場合がある。
【0027】本発明においては、従来は高抗磁力化が困
難であり、高抗磁力成分を減少させることが困難であっ
た強磁性金属粉末、特に100nm以下の微粒子強磁性
金属粉末であっても、強磁性金属粉末を構成する金属部
分に着目し、長径、短径及び針状比を制御することで高
Hc化とHc分布が改良される。従来では金属部分の形
態制御、金属部分の結晶性制御、及び金属部分の周りに
存在する酸化物層の結晶性制御が不十分であるので、強
磁性金属粉末とした時、強磁性金属粉末を構成する金属
部分と酸化物層の形状、形態制御、且つ結晶性が制御さ
れていないので、高Hc化とHc分布の改良が不十分で
あったと考えている。
【0028】本発明において、上記強磁性金属粉末の制
御方法は特に制限されず、任意の方法を用いることがで
きるが、好ましくは以下の方法が例示される。長径と針
状比がよくそろい且つ粒度がよくそろった出発原料に焼
結防止処理を行い、還元するときに金属酸化物(例、F
eOx:1≦x≦1.5、例えばFe23、Fe34
から金属(例、Fe)の針状比を制御することができ
る。出発原料は、粒子に枝分かれのない粒度分布の揃っ
た単分散ゲータイトあるいは単分散ヘマタイトが挙げら
れる。
【0029】出発原料においては、平均長径が40〜1
50nm、針状比が3〜12であることが好ましい。出
発原料の形状、長径と短径と針状比をよくそろえること
が重要である。平均長径が40nmより小さい原料を使
用した時、Hc、Bmを目的の範囲とすることができな
い。平均長径が150nmより大きい原料を使用する
と、磁気記録媒体の表面粗さが大きくなり、ノイズが大
きくなり、優れたS/N比が得られない場合がある。針
状比が12より大きいと、磁気記録媒体の充填度が小さ
くなり、また高抗磁力成分が増加し、オーバーライト特
性が劣る。針状比が3より小さいと強磁性金属粉末とし
た時の抗磁力が小さく高密度記録用の媒体には使用する
ことは難しくなる場合がある。
【0030】更に、強磁性金属粉末を制御する手段とし
ては、以下の方法およびが挙げられる。 主として強磁性金属粉末内部の元素組成を特定する
こと。特に金属部分がFeを主体とする強磁性金属粉末
の場合、Feと相互作用する微量元素を特定する。該微
量元素としては、Ca、Co、Ni、Cr、Mg等が好
ましい。この微量元素はゲータイトやヘマタイト作成時
に添加する事および/または作成後、表面処理により添
加することが好ましい。 強磁性金属元素の酸化物を還元により強磁性金属粉
末とする手法において、還元前の前処理、例えば、ゲー
タイト等の脱水条件、アニール条件(例えば、温度、雰
囲気、処理時間、初期と後半で温度差をつける等)及び
該還元条件、例えば、温度、還元ガス、還元処理時間等
を選定すること。特に、金属部分の形状、長径、短径の
サイズを均一に且つ針状比を3〜12と大きくする為
に、還元処理と徐酸化処理を段階的に、くり返し処理を
行って金属部分の形状制御、結晶性制御、及び酸化物層
の厚み制御、酸化物層の結晶性を制御することが非常に
重要である。
【0031】具体的には上記で得られた微量元素含有
ゲータイトを処理する場合の各条件は以下の通りであ
る。脱水条件としては、静置式または回転式の電気炉で
窒素雰囲気下、通常、250〜400℃、好ましくは3
00〜400℃で0.5〜2時間、好ましくは0.5〜
1時間行うことが挙げられる。アニール条件としては、
静置式の還元炉で窒素雰囲気下、通常、500〜800
℃、好ましくは550〜700℃で1〜5時間、好まし
くは2〜3時間行うことが挙げられる。脱水処理後、ア
ニール処理前に脱水処理により得られたヘマタイトを水
洗し、可溶性のアルカリ金属を除去する工程を設けても
よい。脱水及びアニール処理と徐酸化処理を例えば、低
温から徐々に高温へ、好ましくは脱水処理の初めは25
0〜300℃、次いで300〜350℃、更に350〜
400℃およびアニール条件を初めに500〜550
℃、次いで550〜650℃、更に600〜800℃で
処理する、段階的な昇温、及び、くり返し処理を行って
金属部分の形状制御、結晶性制御、及び酸化物層の厚み
や酸化物層の結晶性を制御することが有効である。
【0032】還元条件としては、静置式の還元炉で水素
雰囲気下、通常、350〜600℃、好ましくは425
〜530℃、通常、0.25〜1時間、好ましくは0.
25〜0.5時間還元処理し、次いで、雰囲気を窒素に
置換して後、通常、450〜650℃、好ましくは50
0〜600℃、通常、0.5〜3時間、好ましくは1〜
2時間加熱し、次いで純水素に切り換え前記温度にて3
〜5時間還元処理することが挙げられる。還元処理を例
えば、低温から徐々に高温へ、好ましくは還元初期を3
50〜470℃、次いで370〜620℃、更に450
〜620℃(且つ各段階で10℃以上温度を上げて)
等、段階的に、及び、くり返し処理を行って金属部分の
形状制御、結晶性を高めることは、非常に有効である。
【0033】還元の終了は、排水系ガス中の水分を露点
計で測定して決定する。上記強磁性金属粉末の製法にお
いては、公知の方法、例えば、特開平7−109122
号公報および特開平6−340426号公報に記載の方
法を適用することができる。強磁性金属粉末の金属部分
の強磁性金属元素としては、FeまたはFe−Coを主
成分とする。ここで、主成分とは、金属部分の全質量に
対して、75質量%以上であることを意味する。Coは
σsを大きくしかつ緻密で薄い酸化膜を形成することが
できるので特に好ましい。強磁性金属粉末のCo含有量
は強磁性金属粉末に含有されるFe100質量部に対し
5〜45質量部が好ましく、より好ましくは10〜35
質量部である。Coは上述のように一部を原料中にドー
プし次に必要量を表面に被着し原料に添加し、還元によ
り合金化することが好ましい。
【0034】本発明で使用できる上記の強磁性金属粉末
には、Fe、Co以外にFe100質量部に対して20
質量部以下の割合でAl、Si、S、Ti、V、Cr、
Cu、Y、Mo、Rh、Pd、Ag、Sn、Sb、T
e、Ba、Sr、W、Au、Pb、Bi、La、Ce、
Pr、Nd、P、Mg、Mn、Zn、Sr、B、Caな
どの原子を含むことが好ましい。これらの元素は出発原
料の形状制御の他に、粒子間の焼結防止と還元の促進及
び還元した強磁性金属粉末の形状と粒子表面の凹凸制御
に効果がある。
【0035】単分散ゲータイトあるいは単分散ヘマタイ
トを最終的に金属に還元するためには純水素にて還元す
る。その途中段階でαFe23でのアニール処理をする
ことが結晶率を大きくするために有用である。またαF
23よりFe34、FeOに還元するときは純水素で
はなく各種還元ガスを使用することができる。還元の際
に水分は焼結に関係することが知られているので、生成
核の生成をできるだけ一つに抑制し、かつ結晶率を高め
るために、還元により発生する水を短時間に系外へ除去
することあるいは還元により生成する水の量を制御する
ことが好ましい。このような水の制御は、還元ガスの分
圧を制御したり、還元ガス量を制御することにより行う
ことができる。本発明の強磁性金属粉末の酸化物層は、
金属部分を形成後、公知の酸化法、例えば、前記徐酸化
処理等により金属部分の周りに形成することができる。
徐酸化の時に使用するガス中に炭酸ガスが含有されてい
ると、強磁性金属粉末表面の塩基性点に吸着するので、
このような炭酸ガスが含まれていてもよい。
【0036】従来、ゲータイト(α−FeOOH)やヘ
マタイト(α−Fe23)を出発原料として金属磁性粉
を製造しているが、これまで出発原料のサイズや形態に
起因する粒子の外形は大きかった。すなわち強磁性金属
粉末の平均長径は0.2〜0.3μm程度であった。そ
して脱酸素して強磁性金属粉末に還元されると同時に、
粒子の外形の収縮が起き、従来の強磁性金属粉末粒子で
は、多結晶のすかすかの結晶が得られた。本発明におい
ては出発原料のサイズや形態の特に長径と針状比の変動
係数を小さくし、強磁性金属粉末粒子の金属部分の長径
と短径と針状比を制御し、そのサイズ及び変動係数を小
さくするとともに、従来の多結晶の状態からできるだけ
単結晶の構造の粒子を可能な限り多くしようとするもの
である。
【0037】本発明の強磁性金属粉末の酸化物層を構成
する酸化物としては、磁性酸化物でも非磁性酸化物でも
よい。また少量の金属元素、例えば、Al、Mg、S
i、Y、希土類元素、Ca、Ba、Sr、Ni等の金属
が固溶していてもよい。磁性酸化物としては、好ましく
は飽和磁化が50〜90emu/gであるものが挙げら
れる。例えば、磁性を有する鉄酸化物としては、例えば
CoFe24、CoFe 34等やFeOx(但しxは
1.33≦x≦2で、例えばγFe23、Fe34、ベ
ルドライド化合物)が挙げられる。また非磁性酸化物と
しては、結晶性及び非晶質の金属酸化物や、オキシ水酸
化物、水酸化物、水和酸化物を含めた単独または複合物
が包含される。この非磁性酸化物は、主として焼結防止
剤として添加した元素、及び強磁性金属粉末原料の生成
時に添加した元素に由来する。
【0038】また、酸化物層は例えば、磁性酸化物単
独、非磁性酸化物単独、またはそれら両者の組合せから
構成されるが、その構造は特に制限されない。酸化物層
が両者の組合せから構成される場合、磁性酸化物と非磁
性酸化物は互いに混在したものであっても、互いに独立
した層を形成したものでもよい。金属部分に酸化物層を
設けた場合、各層間の界面における金属相と磁性酸化物
相、磁性酸化物相と非磁性酸化物相とは混在していても
よい。本発明は、金属部分の周りに順次、粒子表面方向
へ磁性酸化物層、非磁性酸化物層を形成したものが好ま
しい。また、本発明の金属部分の1粒子あたりの体積比
率は、通常、10〜90容量%、好ましくは、10〜8
0容量%、更に好ましくは、20〜70容量%である。
磁性酸化物層の1粒子あたりの体積比率は、通常、5〜
80容量%、好ましくは10〜70容量%、更に好まし
くは、15〜60容量%である。非磁性酸化物層の1粒
子あたりの体積比率は、通常、10〜70容量%、好ま
しくは10〜60容量%、更に好ましくは、15〜60
容量%である。強磁性金属粉末構成部分の結晶性につい
ては、透過型電子顕微鏡のほかX線回折等の結晶構造分
析装置で解析できる。また深さ方向分析ができる、ES
CA、AFM、オージェ等の分析装置を組み合わせるこ
とが有用である。
【0039】強磁性金属粉末には後述する分散剤、潤滑
剤、界面活性剤、帯電防止剤などで分散前にあらかじめ
処理を行うこともできる。具体的には、特公昭44−1
4090号公報、特公昭45−18372号公報、特公
昭47−22062号公報、特公昭47−22513号
公報、特公昭46−28466号公報、特公昭46−3
8755号公報、特公昭47−4286号公報、特公昭
47−12422号公報、特公昭47−17284号公
報、特公昭47−18509号公報、特公昭47−18
573号公報、特公昭39−10307号公報、特公昭
48−39639号公報、米国特許3026215号、
同3031341号、同3100194号、同3242
005号、同3389014号などに記載されている。
【0040】強磁性金属粉末の含水率は0.01〜2質
量%とするのが望ましい。後述する結合剤の種類によっ
て含水率は最適化するのが望ましい。
【0041】強磁性金属粉末のタップ密度は0.2〜
0.8g/mlが望ましい。0.8g/mlより大きい
と該粉末を徐酸化するときに均一に徐酸化されないので
該粉末を安全にハンドリングのすることが困難であった
り、得られたテープの磁化が経時で減少する。タップ密
度が0.2g/mlより小さいと分散が不十分になりや
すい。本発明の磁気記録媒体の層構成は、基本的に支持
体の上に磁性層を設けてなり、該磁性層を支持体面の一
方側又は両側に設けたものであれば、特に制限されな
い。また、磁性層は単層であっても2層以上から構成し
てもよく、後者の場合、それら層同士の位置関係は目的
により隣接して設けても間に磁性層以外の層を介在させ
て設けてもよく、公知の層構成が採用できる。尚、本発
明において、磁性層の平均厚みとは、複層の場合は最上
層の磁性層の乾燥厚みを言う。本発明の磁気記録媒体
は、好ましくは支持体と磁性層との間に非磁性粉末と結
合剤を主体とする非磁性層が設けられる。この場合、磁
性層の厚みは、好ましくは0.04〜0.25μm、更
に好ましくは0.05〜0.22μmである。また、記
磁性層の表面粗さは、3D−MIRAU法による中心面
平均表面粗さで、好ましくは1.0〜6.0nm、更に
好ましくは3.0nm以下、特に好ましくは1.0〜
2.8nmである。磁性層を複層で構成する例として
は、強磁性酸化鉄、強磁性コバルト変性酸化鉄、CrO
2粉末、六方晶系フェライト粉末及び各種強磁性金属粉
末等から選択した強磁性粉末を結合剤中に分散した磁性
層を組み合わせたものが挙げられる。尚、この場合、同
種の強磁性粉末であっても元素組成、粉体サイズ等の異
なる強磁性粉末を含む磁性層を組み合わせることもでき
る。本発明においては、強磁性金属粉末を含む磁性層と
支持体との間に非磁性層を設けた磁気記録媒体が好まし
い。このような層構成の層の位置関係において、磁性層
を上層、非磁性層を下層ともいう。次に下層に関する詳
細な内容について説明する。下層は、実質的に非磁性で
あれば、その構成は、特に制限されるべきものではない
が、非磁性粉末と結合剤を含む構成が好ましい。下層は
実質的に非磁性である範囲で磁性粉末も使用され得るも
のである。下層が実質的に非磁性であるとは、上層の電
磁変換特性を実質的に低下させない範囲で下層が磁性を
有することを許容するということである。
【0042】非磁性粉末としては、例えば、金属酸化
物、金属炭酸塩、金属窒化物、金属炭化物等の無機化合
物から選択することができる。無機化合物としては例え
ばα化率90%以上のα−アルミナ、β−アルミナ、γ
−アルミナ、θ−アルミナ、炭化ケイ素、酸化クロム、
酸化セリウム、α−酸化鉄、ゲータイト、窒化珪素、二
酸化チタン、二酸化珪素、酸化スズ、酸化マグネシウ
ム、酸化ジルコニウム、酸化亜鉛、硫酸バリウム、など
が単独または組合せで使用される。特に好ましいのは、
粒度分布の小ささ、機能付与の手段が多いこと等から、
二酸化チタン、酸化亜鉛、α−酸化鉄、硫酸バリウムで
あり、更に好ましいのは二酸化チタン、α−酸化鉄であ
る。α−酸化鉄は、粒子サイズがそろった磁性酸化鉄や
メタル用原料を加熱脱水、アニ−ル処理し空孔を少なく
し、必要により表面処理をしたものが好ましい。通常、
二酸化チタンは光触媒性を持っているので、光があたる
とラジカルが発生しバインダー、潤滑剤と反応する懸念
がある。このため、本発明し使用する二酸化チタンは、
Al、Fe等を1〜10%固溶させ光触媒特性を低下さ
せることが必要である。さらに表面をAl、Si化合物
で処理し、触媒作用を低下させることが好ましい。これ
ら非磁性粉末の粒子サイズは0.005〜1μmが好ま
しいが、必要に応じて粒子サイズの異なる非磁性粉末を
組み合わせたり、単独の非磁性粉末でも粒径分布を広く
して同様の効果をもたせることもできる。とりわけ好ま
しいのは非磁性粉末の粒子サイズは0.01μm〜0.
5μmである。特に、非磁性粉末が粒状金属酸化物であ
る場合は、平均粒子径が0.08μm以下が好ましく、
針状金属酸化物である場合は、平均長軸長が0.3μm
以下が好ましく、0.2μm以下がさらに好ましい。タ
ップ密度は通常、0.3〜1.5g/ml、好ましくは
0.4〜1.3g/mlである。非磁性粉末の含水率は
通常、0.2〜5質量%、好ましくは0.3〜3質量
%、更に好ましくは0.3〜1.5質量%である。非磁
性粉末のpHは通常、2〜12であるが、pHは5.5
〜11の間が特に好ましい。非磁性粉末のBET法によ
る比表面積(SBE T)は通常、1〜100m2/g、好ま
しくは5〜80m2/g、更に好ましくは10〜80m2
/gである。非磁性粉末の結晶子サイズは40〜100
0Åが好ましく、40〜800Åが更に好ましい。DB
P(ジブチルフタレート)を用いた吸油量は通常、5〜
100ml/100g、好ましくは10〜80ml/1
00g、更に好ましくは20〜60ml/100gであ
る。比重は通常、1.5〜7、好ましくは3〜6であ
る。形状は針状、球状、多面体状、板状のいずれでも良
い。非磁性粉末のSA(ステアリン酸)吸着量は1〜2
0μmol/m2、好ましくは2〜15μmol/m2
さらに好ましくは3〜8μmol/m2である。ステア
リン酸吸着量が多い非磁性粉末を使用する時、表面に強
く吸着する有機物で表面修飾して磁気記録媒体を作成す
ることが好ましい。これらの非磁性粉末の表面にはA
l、Mg、Si、Ti、Zr、Sn、Sb、Zn、Y等
の元素を含む化合物で表面処理することが好ましい。こ
の表面処理によりその表面に形成される酸化物として、
特に分散性に好ましいのはAl23、SiO2、Ti
2、ZrO2、MgOおよびこれらの含水酸化物である
が、更に好ましいのはAl23、SiO2、ZrO2およ
びこれらの含水酸化物である。これらは組み合わせて使
用しても良いし、単独で用いることもできる。また、目
的に応じて共沈させた表面処理層を用いても良いし、先
ずアルミナを形成した後にその表層にシリカを形成する
方法、またはその逆の方法を採ることもできる。また、
表面処理層は目的に応じて多孔質層にしても構わない
が、均質で密である方が一般には好ましい。
【0043】下層に用いられる非磁性粉末の具体的な例
としては、昭和電工製ナノタイト、住友化学製HIT−
100、HIT−82、戸田工業製α−酸化鉄DPN−
250BX、DPN−245、DPN−270BX、D
PN−550BX、DPN−550RX、DBN−65
0RX、DAN−850RX、石原産業製酸化チタンT
TO−51B、TTO−55A、TTO−55B、TT
O−55C、TTO−55S、TTO−55D、SN−
100、チタン工業製酸化チタンSTT−4D、STT
−30D、STT−30、STT−65C、α−酸化鉄
α−40、テイカ製酸化チタンMT−100S、MT−
100T、MT−150W、MT−500B、MT−6
00B、MT−100F、MT−500HD、堺化学製
FINEX−25、BF−1、BF−10、BF−2
0、ST−M、同和鉱業製酸化鉄DEFIC−Y、DE
FIC−R、日本アエロジル製AS2BM、TiO2P
25、宇部興産製100A、500A、及びそれを焼成
したものが挙げられる。
【0044】下層にカ−ボンブラックを混合させて公知
の効果である表面電気抵抗Rsを下げること、光透過率
を小さくすること、所望のマイクロビッカース硬度を得
る事ができる。尚、本発明において、下層に使用するカ
ーボンブラックは上記非磁性粉末として含んでも良い。
また、下層にカーボンブラックを含ませることで潤滑剤
貯蔵の効果をもたらすことも可能である。カーボンブラ
ックの種類はゴム用ファーネス、ゴム用サーマル、カラ
ー用ブラック、導電性カーボンブラック、アセチレンブ
ラック等を用いることができる。下層のカーボンブラッ
クは所望する効果によって、以下のような特性を最適化
すべきであり、併用することでより効果が得られること
がある。
【0045】下層のカーボンブラックのSBETは通常、
50〜500m2/g、好ましくは70〜400m2
g、DBP吸油量は通常、20〜400ml/100
g、好ましくは30〜400ml/100gである。カ
−ボンブラックの平均粒子径は通常、5〜80nm、好
ましくは10〜50nm、さらに好ましくは10〜40
nmである。カーボンブラックのpHは2〜10、含水
率は0.1〜10質量%、タップ密度は0.1〜1g/
mlが好ましい。本発明に用いられるカーボンブラック
の具体的な例としてはキャボット製BLACKPEAR
LS2000、1300、1000、900、800、
880、700、VULCAN XC−72、三菱化学
製#3050B、#3150B、#3750B、#39
50B、#950、#650B、#970B、#850
B、MA−600、MA−230、#4000、#40
10、コロンビアンカ−ボン製CONDUCTEX S
C、RAVEN 8800、8000、7000、57
50、5250、3500、2100、2000、18
00、1500、1255、1250、アクゾー製ケッ
チェンブラックECなどがあげられる。カーボンブラッ
クを分散剤などで表面処理したり、樹脂でグラフト化し
て使用しても、表面の一部をグラファイト化したものを
使用してもかまわない。また、カーボンブラックを塗料
に添加する前にあらかじめ結合剤で分散してもかまわな
い。これらのカーボンブラックは上記非磁性粉末(カー
ボンブラックは含まない)100質量部に対して50質
量部を越えない範囲、下層総質量の40質量%を越えな
い範囲で使用できる。これらのカーボンブラックは単
独、または組合せで使用することができる。本発明で使
用できるカーボンブラックは例えば「カーボンブラック
便覧」(カーボンブラック協会編)を参考にすることが
できる。
【0046】また下層には有機質粉末を目的に応じて、
添加することもできる。例えば、アクリルスチレン系樹
脂粉末、ベンゾグアナミン樹脂粉末、メラミン系樹脂粉
末、フタロシアニン系顔料が挙げられるが、ポリオレフ
ィン系樹脂粉末、ポリエステル系樹脂粉末、ポリアミド
系樹脂粉末、ポリイミド系樹脂粉末、ポリフッ化エチレ
ン樹脂も使用することができる。その製法は特開昭62
−18564号、特開昭60−255827号に記され
ているようなものが使用できる。
【0047】下層の結合剤(種類と量)、潤滑剤・分散
剤・添加剤の量、種類、溶剤、分散方法に関しては上層
に関する公知技術が適用できる。
【0048】本発明の磁気記録媒体における磁性層、或
いは更に非磁性層の結合剤は、従来公知の熱可塑性樹
脂、熱硬化性樹脂、反応型樹脂やこれらの混合物が使用
できる。熱可塑性樹脂としては、ガラス転移温度が−1
00〜150℃、数平均分子量が1000〜20000
0、好ましくは10000〜100000、重合度が約
50〜1000程度のものである。
【0049】このような結合剤としては、塩化ビニル、
酢酸ビニル、ビニルアルコール、マレイン酸、アクリル
酸、アクリル酸エステル、塩化ビニリデン、アクリロニ
トリル、メタクリル酸、メタクリル酸エステル、スチレ
ン、ブタジエン、エチレン、ビニルブチラール、ビニル
アセタール、ビニルエーテル、等を構成単位として含む
重合体または共重合体、ポリウレタン樹脂、各種ゴム系
樹脂がある。
【0050】また、熱硬化性樹脂または反応型樹脂とし
てはフェノール樹脂、エポキシ樹脂、ポリウレタン硬化
型樹脂、尿素樹脂、メラミン樹脂、アルキド樹脂、アク
リル系反応樹脂、ホルムアルデヒド樹脂、シリコーン樹
脂、エポキシ−ポリアミド樹脂、ポリエステル樹脂とイ
ソシアネートプレポリマーの混合物、ポリエステルポリ
オールとポリイソシアネートの混合物、ポリウレタンと
ポリイソシアネートの混合物等が挙げられる。
【0051】前記の結合剤に、より優れた強磁性粉末の
分散効果と磁性層の耐久性を得るためには必要に応じ、
−COOM、−SO3M、−OSO3M、−P=O(O
M)2、−O−P=O(OM)2、(以上につきMは水素
原子、またはアルカリ金属)、−OH、−NR2、−N+
3(Rは炭化水素基)、エポキシ基、SH、CN、な
どから選ばれる少なくともひとつ以上の極性基を共重合
または付加反応で導入したものをもちいることが好まし
い。このような極性基の量は10-1〜10-8モル/gで
あり、好ましくは10-2〜10-6モル/gである。
【0052】本発明の磁気記録媒体に用いられる結合剤
(硬化剤を含む)は、強磁性粉末100質量部に対し、
5〜50質量部の範囲、好ましくは10〜30質量部の
範囲で用いられる。結合剤100質量部に対し、塩化ビ
ニル系樹脂を用いる場合は5〜100質量部、ポリウレ
タン樹脂を用いる場合は0〜100質量部、ポリイソシ
アネートは2〜100質量部の範囲でこれらを組み合わ
せて用いるのが好ましい。
【0053】本発明において、ポリウレタンを用いる場
合はガラス転移温度が−50〜100℃、破断伸びが1
00〜2000%、破断応力は0.05〜10Kg/m
2(0.49〜98MPa)、降伏点は0.05〜1
0Kg/mm2(0.49〜98MPa)が好ましい。
【0054】本発明に用いるポリイソシアネートとして
は、トリレンジイソシアネート、4,4’−ジフェニル
メタンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネ
ート、キシリレンジイソシアネート、ナフチレン−1,
5−ジイソシアネート、o−トルイジンジイソシアネー
ト、イソホロンジイソシアネート、トリフェニルメタン
トリイソシアネート等のイソシアネート類、また、これ
らのイソシアネート類とポリアルコールとの生成物、ま
た、イソシアネート類の縮合によって生成したポリイソ
シアネート等を使用することができる。これらのイソシ
アネート類の市販されている商品名としては、日本ポリ
ウレタン社製、コロネートL、コロネートHL、コロネ
ート2030、コロネート2031、ミリオネートM
R、ミリオネートMTL、武田薬品社製、タケネートD
−102、タケネートD−110N、タケネートD−2
00、タケネートD−202、住友バイエル社製、デス
モジュールL、デスモジュールIL、デスモジュール
N、デスモジュールHL等がありこれらを単独または硬
化反応性の差を利用して二つもしくはそれ以上の組合せ
でもちいることができる。
【0055】本発明の磁気記録媒体の磁性層及び/又は
非磁性層中には、通常、潤滑剤、研磨剤、分散剤、帯電
防止剤、可塑剤、防黴剤等などを始めとする種々の機能
を有する素材をその目的に応じて含有させることができ
る。
【0056】潤滑剤としては、ジアルキルポリシロキサ
ン(アルキルは炭素数1〜5個)、ジアルコキシポリシ
ロキサン(アルコキシは炭素数1〜4個)、モノアルキ
ルモノアルコキシポリシロキサン(アルキルは炭素数1
〜5個、アルコキシは炭素数1〜4個)、フェニルポリ
シロキサン、フロロアルキルポリシロキサン(アルキル
は炭素数1〜5個)などのシリコンオイル;グラファイ
ト等の導電性微粉末;二硫化モリブデン、二硫化タング
ステンなどの無機粉末;ポリエチレン、ポリプロピレ
ン、ポリエチレン塩化ビニル共重合体、ポリテトラフル
オロエチレン等のプラスチック微粉末;α−オレフィン
重合物;常温で固体の飽和脂肪酸(炭素数10から2
2);常温で液状の不飽和脂肪族炭化水素(n−オレフ
ィン二重結合が末端の炭素に結合した化合物、炭素数約
20);炭素数12〜20個の一塩基性脂肪酸と炭素数
3〜12個の一価のアルコールから成る脂肪酸エステル
類、フルオロカーボン類等が使用できる。
【0057】上記の中でも飽和脂肪酸と脂肪酸エステル
が好ましく、両者を併用することがより好ましい。脂肪
酸エステルの原料となるアルコールとしてはエタノー
ル、ブタノール、フェノール、ベンジルアルコール、2
−メチルブチルアルコール、2−ヘキシルデシルアルコ
ール、プロピレングリコールモノブチルエーテル、エチ
レングリコールモノブチルエーテル、ジプロピレングリ
コールモノブチルエーテル、ジエチレングリコールモノ
ブチルエーテル、s−ブチルアルコール等のモノアルコ
ール類、エチレングリコール、ジエチレングリコール、
ネオペンチルグリコール、グリセリン、ソルビタン誘導
体等の多価アルコールが挙げられる。同じく脂肪酸とし
ては酢酸、プロピオン酸、オクタン酸、2−エチルヘキ
サン酸、ラウリン酸、ミリスチン酸、ステアリン酸、パ
ルミチン酸、ベヘン酸、アラキン酸、オレイン酸、リノ
ール酸、リノレン酸、エライジン酸、パルミトレイン酸
等の脂肪族カルボン酸またはこれらの混合物が挙げられ
る。
【0058】脂肪酸エステルとしての具体例は、ブチル
ステアレート、s−ブチルステアレート、イソプロピル
ステアレート、ブチルオレエート、アミルステアレー
ト、3−メチルブチルステアレート、2−エチルヘキシ
ルステアレート、2−ヘキシルデシルステアレート、ブ
チルパルミテート、2−エチルヘキシルミリステート、
ブチルステアレートとブチルパルミテートの混合物、ブ
トキシエチルステアレート、2−ブトキシ−1−プロピ
ルステアレート、ジプロピレングリコールモノブチルエ
ーテルをステアリン酸でエステル化したもの、ジエチレ
ングリコールジパルミテート、ヘキサメチレンジオール
をミリスチン酸でエステル化してジエステル化としたも
の、グリセリンのオレエート等の種々のエステル化合物
を挙げることができる。
【0059】さらに、磁気記録媒体を高湿度下で使用す
るときしばしば生ずる脂肪酸エステルの加水分解を軽減
するために、原料の脂肪酸及びアルコールの分岐/直
鎖、シス/トランス等の異性構造、分岐位置を選択する
ことがなされる。これらの潤滑剤は結合剤100質量部
に対して0.2〜20質量部の範囲で添加される。
【0060】潤滑剤としては、更に以下の化合物を使用
することもできる。即ち、シリコンオイル、グラファイ
ト、二硫化モリブデン、窒化ほう素、弗化黒鉛、フッ素
アルコール、ポリオレフィン、ポリグリコール、アルキ
ル燐酸エステル、二硫化タングステン等である。
【0061】本発明の磁性層に用いられる研磨剤として
は、一般に使用される材料でαアルミナ、γアルミナ、
溶融アルミナ、コランダム、人造コランダム、炭化珪
素、酸化クロム(Cr23)、ダイアモンド、人造ダイ
アモンド、ザクロ石、エメリー(主成分:コランダムと
磁鉄鉱)、αFe23等が使用される。これらの研磨剤
はモース硬度が6以上である。具体的な例としては住友
化学社製、AKP−10、AKP−12、AKP−1
5、AKP−20、AKP−30、AKP−50、AK
P−1520、AKP−1500、HIT−50、HI
T60A、HIT70、HIT80、HIT−100、
日本化学工業社製、G5、G7、S−1、酸化クロム
K、上村工業社製UB40B、不二見研磨剤社製WA8
000、WA10000、戸田工業社製TF100、T
F140、TF180などが挙げられる。平均粉体サイ
ズが0.05〜3μmの大きさのものが効果があり、好
ましくは0.05〜1.0μmである。
【0062】これら研磨剤の合計量は磁性体100質量
部に対して1〜20質量部、望ましくは1〜15質量部
の範囲で添加される。1質量部より少ないと十分な耐久
性が得られない傾向にあり、20質量部より多すぎると
表面性、充填度が劣化する傾向にある。これら研磨剤
は、あらかじめ結合剤で分散処理したのち磁性塗料中に
添加してもかまわない。
【0063】本発明の磁気記録媒体の磁性層中には、前
記非磁性粉末の他に帯電防止剤として導電性粒子を含有
することもできる。支持体と磁性層の間に非磁性層を設
けた磁気記録媒体は、上層の飽和磁束密度を最大限に増
加させるためにはできるだけ上層への添加は少なくし、
上層以外の塗布層に添加するのが好ましい。帯電防止剤
としては特に、カーボンブラックを添加することは、媒
体全体の表面電気抵抗を下げる点で好ましい。本発明に
使用できるカーボンブラックはゴム用ファーネス、ゴム
用サーマル、カラー用ブラック、導電性カーボンブラッ
ク、アセチレンブラック等を用いることができる。S
BETは5〜500m2/g、DBP吸油量は10〜150
0ml/100g、平均粒子径は5〜300nm、pH
は2〜10、含水率は0.1〜10質量%、タップ密度
は0.1〜1g/ml、が好ましい。本発明に用いられ
るカーボンブラックの具体的な例としてはキャボット社
製、BLACKPEARLS2000、1300、10
00、900、800、700、VULCAN XC−
72、旭カーボン社製、#80、#60、#55、#5
0、#35、三菱化学社製、#3950B、#270
0、#2650、#2600、#2400B、#230
0、#900、#1000、#95、#30、#40、
#10B、MA230、MA220、MA77、コロン
ビアンカーボン社製、CONDUCTEX SC、RA
VEN150、50、40、15、ライオンアグゾ社製
ケッチェンブラックEC、ケッチェンブラックECDJ
−500、ケッチェンブラックECDJ−600などが
挙げられる。カーボンブラックを分散剤などで表面処理
したり、カーボンブラックを酸化処理したり、樹脂でグ
ラフト化して使用しても、表面の一部をグラファイト化
したものを使用してもかまわない。また、カーボンブラ
ックを磁性塗料に添加する前にあらかじめ結合剤で分散
してもかまわない。磁性層にカーボンブラックを使用す
る場合は磁性体100質量部に対する量は0.1〜30
質量部で用いることが好ましい。非磁性層には無機質非
磁性粉末(ただし、非磁性粉末にはカーボンブラックは
含まれない)100質量部に対し3〜20質量部含有さ
せることが好ましい。
【0064】一般的にカーボンブラックは帯電防止剤と
してだけでなく、摩擦係数低減、遮光性付与、膜強度向
上などの働きがあり、これらは用いるカーボンブラック
により異なる。従って本発明に使用されるこれらのカー
ボンブラックは、その種類、量、組合せを変え、粉体サ
イズ、吸油量、電導度、pHなどの先に示した諸特性を
もとに目的に応じて使い分けることはもちろん可能であ
る。使用できるカーボンブラックは例えば「カーボンブ
ラック便覧」カーボンブラック協会編を参考にすること
ができる。
【0065】本発明の磁気記録媒体として、支持体上に
2層以上の塗布層を形成させてなる場合には、その形成
手段としては、逐次塗布方式(ウェット・オン・ドライ
方式)及び同時塗布方式(ウェット・オン・ウェット方
式)が挙げられるが、後者が超薄層の磁性層を作り出す
ことができるので特に優れている。その同時塗布方式、
即ちウェット・オン・ウェット方式の具体的な方法とし
ては、
【0066】(1) 磁性塗料で一般的に用いられるグ
ラビア塗布、ロール塗布、ブレード塗布、エクストルー
ジョン塗布装置によりまず下層を塗布し、その層がまだ
湿潤状態にあるうちに、例えば、特公平1−46186
号公報、特開昭60−238179号公報及び特開平2
−265672号公報に開示されている支持体加圧型エ
クストルージョン塗布装置により上層を塗布する方法、
【0067】(2) 特開昭63−88080号公報、
特開平2−17971号公報及び特開平2−26567
2号公報に開示されているような塗布液通液スリットを
二つ内蔵した塗布ヘッドにより、下層の塗布液及び上層
の塗布液をほぼ同時に塗布する方法、
【0068】(3) 特開平2−174965号公報に
開示されているバックアップロール付きエクストルージ
ョン塗布装置により、上層及び下層をほぼ同時に塗布す
る方法、等が挙げられる。
【0069】ウェット・オン・ウェット方式で塗布する
場合、磁性層用塗布液と非磁性層用塗布液の流動特性は
できるだけ近い方が、塗布された磁性層と非磁性層の界
面の乱れがなく厚さが均一な厚み変動の少ない磁性層を
得ることができる。塗布液の流動特性は、塗布液中の粉
体と結合剤の組み合わせに強く依存するので、特に、非
磁性層に使用する非磁性粉末の選択に留意することが重
要である。
【0070】本磁気記録媒体の支持体の厚みは、通常、
1〜100μm、テープ状で使用する時は、望ましくは
3〜20μm、フレキシブルディスクとして使用する場
合は、40〜80μmが好ましく、支持体に設ける非磁
性層は通常、0.5〜10μm、好ましくは0.5〜3
μmである。
【0071】また、前記磁性層及び前記非磁性層以外の
他の層を目的に応じて形成することができる。例えば、
支持体と下層の間に密着性向上のための下塗り層を設け
てもかまわない。この厚みは通常、0.01〜2μm、
好ましくは0.05〜0.5μmである。また、支持体
の磁性層側と反対側にバック層を設けてもかまわない。
この厚みは通常、0.1〜2μm、好ましくは0.3〜
1.0μmである。これらの下塗り層、バック層は公知
のものが使用できる。円盤状磁気記録媒体の場合、片面
もしくは両面に上記層構成を設けることができる。
【0072】本発明で使用される支持体には特に制限は
なく、通常使用されているものを用いることができる。
支持体を形成する素材の例としては、ポリエチレンテレ
フタレート、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリカー
ボネート、ポリエチレンナフタレート、ポリアミド、ポ
リアミドイミド、ポリイミド、ポリサルホン、ポリエー
テルサルホン等の各種合成樹脂のフィルム、およびアル
ミニウム箔、ステンレス箔などの金属箔を挙げることが
できる。
【0073】本発明の目的を有効に達成するには、支持
体の表面粗さは、中心面平均表面粗さ(Ra)(カット
オフ値0.25mm)で0.03μm以下、望ましく
0.02μm以下、さらに望ましく0.01μm以下で
ある。また、これらの支持体は単に前記中心面平均表面
粗さが小さいだけではなく、1μm以上の粗大突起がな
いことが好ましい。また表面の粗さ形状は必要に応じて
支持体に添加されるフィラーの大きさと量により自由に
コントロールされるものである。これらのフィラーの一
例としては、Ca、Si、Tiなどの酸化物や炭酸塩の
他、アクリル系などの有機樹脂微粉末があげられる。本
発明に用いられる支持体のウエブ走行方向のF−5値は
好ましくは5〜50Kg/mm2(49〜490MP
a)、ウエブ幅方向のF−5値は好ましくは3〜30K
g/mm2(29.4〜294MPa)であり、ウエブ
長手方向のF−5値がウエブ幅方向のF−5値より高い
のが一般的であるが、特に幅方向の強度を高くする必要
があるときはその限りでない。
【0074】また、支持体のウエブ走行方向および幅方
向の100℃、30分での熱収縮率は好ましくは3%以
下、さらに望ましくは1.5%以下、80℃、30分で
の熱収縮率は好ましくは1%以下、さらに望ましくは
0.5%以下である。破断強度は両方向とも5〜100
Kg/mm2(49〜980MPa)、弾性率は100
〜2000Kg/mm2(0.98〜19.6GPa)
が望ましい。
【0075】本発明で用いられる有機溶媒は任意の比率
でアセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケ
トン、ジイソブチルケトン、シクロヘキサノン、イソホ
ロン、テトラヒドロフラン等のケトン類、メタノール、
エタノール、プロパノール、ブタノール、イソブチルア
ルコール、イソプロピルアルコール、メチルシクロヘキ
サノール、などのアルコール類、酢酸メチル、酢酸ブチ
ル、酢酸イソブチル、酢酸イソプロピル、乳酸エチル、
酢酸グリコール等のエステル類、グリコールジメチルエ
ーテル、グリコールモノエチルエーテル、ジオキサン、
などのグリコールエーテル系、ベンゼン、トルエン、キ
シレン、クレゾール、クロルベンゼン、などの芳香族炭
化水素類、メチレンクロライド、エチレンクロライド、
四塩化炭素、クロロホルム、エチレンクロルヒドリン、
ジクロルベンゼン、等の塩素化炭化水素類、N、N−ジ
メチルホルムアミド、ヘキサン等のものが使用できる。
これら有機溶媒は必ずしも100%純粋ではなく、主成
分以外に異性体、未反応物、副反応物、分解物、酸化
物、水分等の不純分がふくまれてもかまわない。これら
の不純分は30%以下が好ましく、さらに好ましくは1
0%以下である。本発明で用いる有機溶媒は必要ならば
磁性層と非磁性層でその種類、量を変えてもかまわな
い。非磁性層に揮発性の高い溶媒をもちい表面性を向上
させる、非磁性層に表面張力の高い溶媒(シクロヘキサ
ノン、ジオキサンなど)を用い塗布の安定性をあげる、
磁性層に溶解性パラメータの高い溶媒を用い充填度を上
げるなどがその例としてあげられるがこれらの例に限ら
れたものではないことは無論である。
【0076】本発明の磁気記録媒体は、非磁性粉末又は
強磁性粉末と結合剤、及び必要ならば他の添加剤と共に
有機溶媒を用いて混練分散し、非磁性塗料及び磁性塗料
を支持体上に塗布し、必要に応じて配向、乾燥して得ら
れる。
【0077】本発明の磁気記録媒体の磁性塗料を製造す
る工程は、少なくとも混練工程、分散工程、およびこれ
らの工程の前後に必要に応じて設けた混合工程からな
る。個々の工程はそれぞれ2段階以上にわかれていても
かまわない。本発明に使用する非磁性粉末、強磁性粉
末、結合剤、カーボンブラック、研磨剤、帯電防止剤、
潤滑剤、溶剤などすべての原料はどの工程の最初または
途中で添加してもかまわない。また、個々の原料を2つ
以上の工程で分割して添加してもかまわない。例えば、
ポリウレタンを混練工程、分散工程、分散後の粘度調整
のための混合工程で分割して投入してもよい。
【0078】非磁性塗料、磁性塗料の混練分散に当たっ
ては各種の混練機が使用される。例えば、二本ロールミ
ル、三本ロールミル、ボールミル、ペブルミル、トロン
ミル、サンドグラインダー、ゼグバリ(Szegvar
i)、アトライター、高速インペラー分散機、高速スト
ーンミル、高速衝撃ミル、ディスパー、ニーダー、高速
ミキサー、ホモジナイザー、超音波分散機などを用いる
ことができる。
【0079】本発明の目的を達成するためには、従来の
公知の製造技術を一部の工程として用いることができる
ことはもちろんであるが、混練工程では連続ニーダや加
圧ニーダなど強い混練力をもつものを使用することが好
ましい。連続ニーダまたは加圧ニーダを用いる場合は強
磁性粉末と結合剤のすべてまたはその一部(ただし全結
合剤の30質量%以上が好ましい)および強磁性粉末1
00質量部に対し15〜500質量部の範囲で混練処理
される。これらの混練処理の詳細については特開平1−
106338号公報、特開昭64−79274号公報に
記載されている。本発明では、特開昭62−21293
3に示されるような同時重層塗布方式をもちいることに
よりより効率的に生産することが出来る。
【0080】本発明の磁気記録媒体の磁性層中に含まれ
る残留溶媒は好ましくは100mg/m2以下、さらに
好ましくは10mg/m2以下であり、磁性層に含まれ
る残留溶媒が非磁性層に含まれる残留溶媒より少ないほ
うが好ましい。
【0081】空隙率は下層、上層とも好ましくは30容
量%以下、さらに好ましくは10容量%以下である。非
磁性層の空隙率が磁性層の空隙率より大きいほうが好ま
しいが非磁性層の空隙率が5容量%以上であれば小さく
てもかまわない。
【0082】本発明の磁気記録媒体は下層と上層を有す
ることができるが、目的に応じ下層と上層でこれらの物
理特性を変えることができるのは容易に推定されること
である。例えば、上層の弾性率を高くし走行耐久性を向
上させると同時に下層の弾性率を磁性層より低くして磁
気記録媒体のヘッドへの当りを良くするなどである。
【0083】このような方法により、支持体上に塗布さ
れた磁性層は必要により層中の強磁性粉末を配向させる
処理を施したのち、形成した磁性層を乾燥する。又必要
により表面平滑化加工を施したり、所望の形状に裁断し
たりして、本発明の磁気記録媒体を製造する。
【0084】磁性層の0.5%伸びでの弾性率はウエブ
塗布方向、幅方向とも望ましくは100〜2000Kg
/mm2(0.98〜19.6GPa)、破断強度は望
ましくは1〜30Kg/mm2(9.8〜294MP
a)、磁気記録媒体の弾性率はウエブ塗布方向、幅方向
とも望ましくは100〜1500Kg/mm2(0.9
8〜14.7GPa)、残留のびは望ましくは0.5%
以下、100℃以下のあらゆる温度での熱収縮率は望ま
しくは1%以下、さらに望ましくは0.5%以下、もっ
とも望ましくは0.1%以下である。
【0085】本発明の磁気記録媒体は、ビデオ用途、オ
ーディオ用途などのテープであってもデータ記録用途の
フロッピー(登録商標)ディスクや磁気ディスクであっ
てもよいが、ドロップ・アウトの発生による信号の欠落
が致命的となるデジタル記録用途の媒体に対しては特に
有効である。更に、下層を非磁性層とし、下層上の磁性
層の厚さを0.25μm以下とすることにより、電磁変
換特性が高い、オーバーライト特性が優れた、高密度で
大容量の磁気記録媒体を得ることができる。
【0086】
【実施例】本発明の新規な特長を以下の実施例で具体的
に説明するが、本発明はこれに限定されるものではな
い。
【0087】〔実施例1〕 (強磁性金属粉の製法)撹拌機つきの150リットルタ
ンクに1.7mol/lの炭酸アンモニウム35リット
ルと2.0mol/lのアンモニア水15リットルの混
合溶液を窒素でバブリングしつつ液温を20℃とし、別
のタンクで窒素をバブリングさせながら溶解した液温2
0℃の硫酸第一鉄、硫酸コバルト及び硫酸アルミニウム
を含有する水溶液(Fe2+濃度が1.35mol/l、
Co濃度が0.15mol/l、Al濃度が0.04m
ol/l)40リットルを添加し混合した。10分間撹
拌した後、懸濁液の温度を25℃とし第一鉄を主成分と
する沈殿物を生成した。窒素をバブリングし、60分沈
殿を熟成した。窒素にかえて空気を導入し沈殿物を酸化
しゲータイト核晶を生成させた。懸濁液中のFe2+濃度
が0.75mol/lとなったとき空気酸化を中断し窒
素にきりかえ、懸濁液の温度を40℃に加熱し2時間保
持したのち、窒素を空気に切り換え酸化反応を進めAl
を固溶させた紡錘状を呈したゲータイト(サンプルAと
する)を生成させた。得られた粒子を瀘過、水洗した。
一部を乾燥し透過型電子顕微鏡写真をとり粒子サイズを
求めたところ、平均長軸長が110nm、平均針状比が
7であった。また窒素中で120℃で30分加熱脱水後
比表面積を測定すると130m2/gであった。
【0088】得られたゲータイト(サンプルA)を水中
で2%スラリーとし撹拌しつつ硫酸コバルト水溶液(C
o換算20部:ゲータイト中の鉄とCoのモル数合計を
100部とした時のモル数を部で表示)、塩化マグネシ
ウム水溶液(Mg換算0.5部:ゲータイト中の鉄とC
oのモル数合計を100部とした時のモル数を部で表
示)を添加し、アンモニア水で中和しコバルト化合物と
マグネシウム化合物を粒子表面に沈着させた。スラリー
を濾過水洗後再度2%水スラリーとし、硫酸アルミニウ
ム水溶液(Al換算8.0部:ゲータイト中の鉄とCo
のモル数合計を100部とした時のモル数を部で表示)
と硫酸第2鉄水溶液(Fe3+換算4.0部:ゲータイト
中の鉄とCoのモル数合計を100部とした時のモル数
を部で表示)を添加した。20分撹拌した後、希釈した
アンモニア水を添加しスラリーを中和した。瀘過水洗し
た後2%スラリーとし硝酸イットリウム水溶液(Y換算
6.0部:ゲータイト中の鉄とCoのモル数合計を10
0部とした時のモル数を部で表示)を添加し、アンモニ
ア水でpHを8.5とした。濾過水洗し5%水スラリー
とし150℃で1時間加熱した。その後、濾過水洗し得
られたケーキを成形機を通しついで乾燥し焼結防止処理
した紡錘形を呈したゲータイトを得た。得られた紡錘型
ゲータイトを静置式焼成炉にいれ、窒素中で300℃で
30分加熱し360℃に昇温し更に30分加熱し脱水処
理し次に温度を550℃で1時間加熱し650℃で2時
間加熱しヘマタイトの結晶性を高めた。温度を400℃
としガスを窒素から水素:窒素=20:80のガスに切
り換え0.5時間還元した。窒素に置換したのち純水素
に切り替え更に5時間還元した。水素を流しつつ冷却
し、300℃で窒素に切り換え室温に冷却した。徐酸化
装置に移し、空気と窒素の混合比率をかえ酸素濃度を
0.2%、ガスの露点は−45℃としメタル粉の温度を
モニターしつつ40℃以下で2時間徐酸化し、発熱がお
さまると酸素濃度を1%とし10時間徐酸化した。この
時徐酸化装置の温度を45℃に維持し、強磁性金属粉の
温度が45℃を越えないように徐酸化した。このあとメ
タル粉に対し水分が1%となるように蒸留水を気化させ
つつ空気と搬送し、調湿するとともに安定化して強磁性
金属粉末を得た。
【0089】〔実施例2〜5〕実施例1においてゲーサ
イト(サンプルA)の代わりに以下に示す平均長軸長と
比表面積を示すサンプルを使用し、実施例1と同様にし
て焼結防止処理した紡錘形を呈したゲータイトを得た。
得られた紡錘型ゲータイトを使用し、実施例1と同様に
してして強磁性金属粉末を得た。 平均長軸長(nm) 平均針状比 比表面積(m2/g) 実施例2 100 7 135 実施例3 90 7 140 実施例4 80 6 140 実施例5 70 6 150
【0090】〔実施例6〕実施例3と同様に脱水、還元
処理した金属粉の徐酸化条件を次のように変更した。徐
酸化装置に移し、空気と窒素の混合比率をかえ酸素濃度
を0.2%、ガスの露点は−45℃としメタル粉の温度
をモニターしつつ40℃以下で2時間徐酸化し、発熱が
おさまると酸素濃度を1%とし10時間徐酸化した。こ
の時徐酸化装置の温度を50℃に維持し、強磁性金属粉
の温度が50℃を越えないように徐酸化した。このあと
メタル粉に対し水分が1%となるように蒸留水を気化さ
せつつ空気と搬送し、調湿するとともに安定化して強磁
性金属粉末を得た。
【0091】〔実施例7〕核晶作り 密閉可能な2リットルガラス容器に2mol/l Fe
Cl3水溶液500mlに5.94mol/l NaO
H水溶液500mlを撹拌しながら5分間で添加し、添
加終了後更に20分間撹拌し、容器を完全に密栓した。
あらかじめ100℃に加熱してあるオ−ブンにいれ、7
2時間保持した。72時間後、流水で急冷し、反応液を
分取して遠心分離装置にて15000rpmで15分間
遠心分離し上澄みを捨てた。これに蒸留水を加えて再分
散して、再度遠心分離し上澄みをすてた。このように遠
心分離機を使用して水洗を3回繰り返した。水洗が終了
したヘマタイト粒子(平均粒子径約80nm)の沈殿物
を乾燥した。この乾燥粉末50gに5mlの蒸留水を加
えて、ライカイ機にて30分間粉砕した。500mlの
蒸留水を使用しビーカーに洗いだし、100mlにわけ
これをスチールビーズ入りの200mlマヨネーズビン
にいれ10時間分散した。分散物をあつめ蒸留水でマヨ
ネーズビンを洗浄し分散物回収した。蒸留水を加え全液
量を1200mlとし、さらに30分間超音波分散し
た。この分散物を分取し10000rpmで30分間遠
心分離して、超微粒子ヘマタイト(平均粒子径:約70
オングストローム)が分散している上澄み液を取りだ
し、核晶液を得た。核晶液中の鉄濃度は2000ppm
であった。
【0092】単分散紡錘型ヘマタイトの結晶子サイズ制
御 撹拌機つき反応容器に1mol/lの硝酸第2鉄180
mlをいれ、冷却し溶液の温度を5℃とする。撹拌しつ
つ2.4mol/lの水酸化ナトリウム溶液180ml
を5分間かけて添加する。添加後さらに5分間撹拌を継
続し、核晶溶液180mlを添加し10分間撹拌した。
得られた液を60mlずつ採取し、形態制御イオンとし
て0.048mol/lのNaH2PO4 10mlを添
加し、H 2O 10mlを添加し密栓した。あらかじめ
120℃に加熱してあるオーブン中に72時間保持し
た。流水で急冷し、反応液を遠心分離装置にて1800
0rpmで15分間遠心分離し上澄みを捨てた。これに
蒸留水を加えて再分散して、再度遠心分離し上澄みをす
てた。このように遠心分離機を使用して水洗を3回繰り
返した。次に1mol/lアンモニア水を加え再分散し
て、遠心分離し上澄みをすてた。これに蒸留水を加えて
再分散して、再度遠心分離し上澄みをすてた。このよう
に遠心分離機を使用して水洗を3回繰り返した。生成物
の一部を取り出し乾燥した粒子を透過型電子顕微鏡で観
察したところ、平均長軸長が70nm、針状比(長軸/
短軸)が5.0、長軸長の変動係数(長軸長の標準偏差
/平均長軸長)が7%できわめて粒度分布が優れたαF
23が得られた。得られた単分散紡錘型ヘマタイトを
蒸留水中にヘマタイト濃度が2%となるように分散し、
硫酸コバルトをヘマタイト中のFeを100原子%と
し、Coが10原子%となるように添加し充分撹拌混合
した。この懸濁液を撹拌しつつpHをモニターしながら
懸濁液中にアンモニア水を添加しpHを8.5としヘマ
タイト表面にCo化合物を被着した。濾過、水洗し、ヘ
マタイト濃度が2%となるように分散し、撹拌しつつ硫
酸アルミニウムと硫酸第2鉄の水溶液(ヘマタイト中の
Feを100原子%としAlが8.0原子%、Fe3+
4.0原子%)を添加し、希釈したアンモニア水を添加
しpHを8.5とした。ヘマタイト中のFeを100原
子%としYが6原子%となるように撹拌しつつこの懸濁
液中に硝酸イットリウム溶液を添加し、アンモニア水を
添加してpHを8.5とした。懸濁液を濾過、蒸留水で
洗浄し不純物を除去した。得られた表面処理紡錘型ヘマ
タイトを直径3mmの成型板を通過させ円柱状に成型し
乾燥した。表面処理された単分散紡錘型ヘマタイトを5
00gを静置式還元炉にいれ、窒素中で350℃で30
分加熱し、ついで650℃で2時間アニール処理した。
次に温度を350℃とし、ガスを窒素から水素:窒素=
20:80のガスに切り換え1時間還元した。窒素に置
換したのち温度を475℃とし純水素に切り替え5時間
還元した。水素中で冷却し300℃となった時、窒素に
切り換え室温に冷却した。徐酸化装置に移し、空気と窒
素の混合比率をかえ酸素濃度を0.2%としメタル粉の
温度をモニターしつつ45℃を超えないように徐酸化し
た。徐酸化装置の温度を45℃とし、酸素濃度を1%と
し10時間徐酸化した。このあとメタル粉に対し水分が
1%となるように蒸留水を気化させつつ空気と搬送し、
調湿するとともに安定化して強磁性金属粉末を得た。
【0093】〔実施例8〕実施例7の硝酸イットリウム
にかえて、硝酸ネオジウム(ヘマタイト中のFeを10
0原子%としてNdとして5原子%)を使用し、同様の
条件で強磁性金属粉末を作成した。
【0094】〔実施例9〕実施例1においてゲーサイト
(サンプルA)の代わりに平均長軸長60nm、平均針
状比5.5、比表面積160m2/gを示すサンプルを
使用し、実施例1と同様にして焼結防止処理した紡錘形
を呈したゲータイトを得た。但し、硫酸アルミニウム水
溶液と硝酸イットリウム水溶液の添加量をそれぞれ以下
のように変更した。硫酸アルミニウム水溶液(Al換算
4.0部:ゲータイト中の鉄とCoのモル数合計を10
0部とした時のモル数を部で表示)、硝酸イットリウム
水溶液(Y換算12.0部:ゲータイト中の鉄とCoの
モル数合計を100部とした時のモル数を部で表示)。
得られた紡錘型ゲータイトを使用し、実施例1と同様に
してして強磁性金属粉末を得た。
【0095】〔比較例1〜5〕実施例1〜5で使用した
焼結防止処理後の紡錘型ゲータイトを静置式の還元炉に
いれ、窒素中で350℃で60分加熱し脱水処理し温度
を450℃としガスを窒素から純水素に切り替え6時間
還元した。次いで、水素を流しつつ冷却し、300℃で
窒素に切り換え室温に冷却した。徐酸化装置に移し、空
気と窒素の混合比率をかえ酸素濃度を0.2%、ガスの
露点は−45℃としメタル粉の温度をモニターしつつ4
0℃以下で2時間徐酸化し、発熱がおさまると酸素濃度
を1%とし10時間徐酸化した。この時徐酸化装置の温
度を40℃に維持し、強磁性金属粉の温度が40℃を越
えないように徐酸化した。このあとメタル粉に対し水分
が1%となるように蒸留水を気化させつつ空気と搬送
し、調湿するとともに安定化して強磁性金属粉末を得
た。
【0096】〔比較例6〕実施例1においてゲーサイト
(サンプルA)の代わりに平均長軸長100nm、平均
針状比8、比表面積120m2/gを示すサンプルを使
用し、実施例9と同様にして焼結防止処理した紡錘形を
呈したゲータイトを得た。得られた紡錘型ゲータイトを
使用し、比較例1〜5と同様にしてして強磁性金属粉末
を得た。
【0097】上記のようにして得られた強磁性金属粉末
の磁気特性を振動試料型磁力計(東英工業製)で外部磁
場10kOe(796kA/m)で測定した。得られた
強磁性金属粉末の高分解能透過型電子顕微鏡写真をとり
300個の粒子より強磁性金属粉末の金属部分の平均長
径と長径の変動係数、平均短径および平均針状比を求め
た。窒素中250℃で30分脱気しカンターソーブ(カ
ンタークロム社製)で比表面積を測定した。また、X線
回折装置により以下の方法により結晶子サイズを求め
た。粉末X線回折法(50kV−150mA:CuKβ
線使用)によりα−Feに相当する(110)面と(2
20)面の回折線の半値幅の広がりから求めた。
【0098】
【表1】
【0099】〔実施例21〜27、比較例21〜24〕 磁気記録媒体の製造 実施例1、3、5、6、7、8、比較例1、3、4、6
で得られた強磁性金属粉末を使用した重層構成の磁気テ
ープを作成するため以下の磁性層の組成物と下層用非磁
性層の組成物を作成した。
【0100】 (磁性層の組性物) 強磁性金属粉末 100部 結合剤樹脂 塩化ビニル共重合体 13部 (−SO3K基を1×10-4eq/g含有、重合度:300) ポリエステルポリウレタン樹脂 5部 (ネオペンチルグリコール/カプロラクトンポリオール/MDI =0.9/2.6/1、 −SO3Na基:1×10-4eq/g含有) α−アルミナ(平均粒子径:0.13μm) 4部 カーボンブラック(平均粒子径:50nm) 1部 フェニルフォスフォン酸 3部 ブチルステアレート 3部 ステアリン酸 3部 メチルエチルケトンとシクロヘキサノン=1:1混合溶剤 360部
【0101】 (下層用非磁性層の組成物) 針状ヘマタイト 80部 (BET法による比表面積:55m2/g、 平均長軸長:0.10μm、平均針状比:7、 pH:8.8、表面にAl23として1質量%存在) カーボンブラック 20部 (平均粒子径:17nm、 DBP吸油量:80ml/100g、 BET法による表面積:240m2/g、pH:7.5) 結合剤樹脂 塩化ビニル共重合体 12部 (−SO3K基を1×10-4eq/g含有、重合度 300) ポリエステルポリウレタン樹脂 5部 (ネオペンチルグリコール/カプロラクトンポリオール/MDI =0.9/2.6/1、 −SO3Na基:1×10-4eq/g含有) フェニルフォスフォン酸 3部 ブチルステアレート 3部 ステアリン酸 3部 メチルエチルケトンとシクロヘキサノン1:1混合溶剤 280部
【0102】上記の磁性塗料及び非磁性塗料のそれぞれ
について、粉体、ポリ塩化ビニル、フェニルフォスフォ
ン酸と処方量の50質量%の各溶剤をニーダで混練した
のち、ポリウレタン樹脂と残りの成分を加えてサンドグ
ラインダーで分散した。得られた分散液にイソシアネー
トを非磁性層の塗布液には15部、磁性層の塗布液には
14部を加え、さらにそれぞれにシクロヘキサノン30
部を加え、1μmの平均孔径を有するフィルターを用い
て濾過し、非磁性層形成用および磁性層形成用の塗布液
をそれぞれ調製した。
【0103】得られた非磁性層用の塗布液を乾燥後の厚
さが1.5μmとなるように塗布し、さらにその直後下
層非磁性層用塗布層がまだ湿潤状態にあるうちに、その
上に磁性層の乾燥後の厚みが0.08〜0.22μmの
範囲になるように厚さ7μmのポリエチレンテレフタレ
ート支持体上に湿式同時重層塗布を行い、両層がまだ湿
潤状態にあるうちに配向装置を通過させ長手配向した。
この時の配向磁石は希土類磁石(表面磁束500mT)
を通過させた後ソレノイド磁石(磁束密度500mT)
中を通過させ、ソレノイド内で配向が戻らない程度まで
乾燥しさらに磁性層を乾燥し巻き取った。その後、金属
ロールより構成される7段カレンダーでロール温度を9
0℃にしてカレンダー処理を施して、ウェッブ状の磁気
記録媒体を得、それを8mm幅にスリットして8mmビ
デオテープのサンプルを作成した。得られたサンプルを
振動試料型磁力計で測定した磁気特性(ただし、レマネ
ンス曲線より高Hc成分とSFDr)、磁性層厚み、表
面粗さ、電磁変換特性および磁性層の耐候性(ΔΦr)
を測定した。
【0104】電磁変換特性の測定法は次の方法によっ
た。データー記録用8ミリデッキにMIGヘッド(ヘッ
ドギャップ0.2μm、トラック幅17μm、飽和磁束
密度1.5T、アジマス角20°)と再生用MRヘッド
(SALバイアス、MR素子はFe−Ni、トラック幅
6μm、ギャップ長0.2μm、アジマス角20°)を
搭載した。MIGヘッドを用いて、テープとヘッドの相
対速度を10.2m/秒とし、1/2Tb(λ=0.5
μm)の入出力特性から最適記録電流を決めこの電流で
信号を記録し、MRヘッドで再生した。C/Nは再生キ
ャリアのピークから消磁ノイズまでとし、スペクトラム
アナライザーの分解能バンド幅は100kHzとした。
比較例23を使用したテープに対する特性で表わした。
【0105】磁気特性は振動試料型磁力計(東英工業
製)を使用し外部磁場796kA/mで配向方向に平行
に測定した。東英工業製の振動試料型磁力計に磁気記録
媒体の測定サンプルの配向方向が磁場と同一方向になる
ようにセットし、−796kA/m印加しDC飽和させ
た後に、磁場をゼロに戻し残留磁化(−Mrmax)を
測定する。逆方向に7.96kA/mの磁場を印加した
のち磁場をゼロにもどし残留磁化Mrを測定し、7.9
6kA/mずつ印加磁界を変化し、残留磁化を繰り返し
測定し、レマネンス曲線を測定した。ピークの半値幅/
ピーク磁界よりSFDrを求めた。SFDはswitching-
field distributionを指す。高Hc成分は、レマネンス
曲線を測定した時、逆方向に238.7kA/m印可し
た時の残留磁化Mrと逆方向に796kA/mを印加し
た時の残留磁化Mrmaxより以下の式で算出した。 高Hc成分(%)=100×(Mrmax−Mr)/(Mrmax−(−
Mrmax))
【0106】磁性層の平均厚みの測定は、磁気記録媒体
の長手方向に渡ってダイアモンドカッターで約0.1μ
mの厚みに切り出し、透過型電子顕微鏡で倍率3万倍で
観察し、その写真撮影を行った。写真のプリントサイズ
はA4版である。その後、磁性層、非磁性層の強磁性粉
末や非磁性粉末の形状差に着目して界面を目視判断して
黒く縁どり、かつ磁性層表面も同様に黒く縁どりした
後、画像解析装置(カールツァイス社製:KS400
0)にて縁どりした線の間隔を測定した。試料写真の長
さが21cmの範囲にわたり、測定点を点取って測定し
た。その際の測定値の単純加算平均を倍率で除して磁性
層の厚みとした。
【0107】中心面平均表面粗さ(Ra):この表面粗
さは、WYKO社(USアリゾナ州)製の光干渉3次元
粗さ計「HD−2000」を用いて、磁性層表面をMI
RAU法で約184μm×242μmの面積のRaを測
定する。対物レンズ50倍、中間レンズ0.5倍で傾き
補正、円筒補正、を加えている。本方式は光干渉にて測
定する非接触表面粗さ計である。
【0108】磁性層の耐候性は磁気記録媒体を60℃、
90%RHの環境に7日間保存後、以下の測定方法によ
り求める。磁性層の保存後のΦrの低下を次式で算出す
る。 ΔΦr(%)=100×(保存前Φr−保存後Φr)/
保存前Φr 測定は振動試料型磁束計VSM−5(東英工業性)を用
い、タイムコンスタント0.1秒、スイ−プ速度3分/
10kOe(796kA)、測定磁場10kOeで測定
した。
【0109】
【表2】
【0110】表1、2から、本発明の実施例では、強磁
性金属粉末はその金属部分の平均粒子長の変動係数が2
5%以下と小さく、磁気記録媒体としたときの磁性層
は、高Hc成分が少なく平滑であり、耐候性も安定して
いることが分かる。更に電磁変換特性ではC/N比が良
好であり、特にノイズが非常に低いことを示している。
しかし、比較例では、磁性層の平滑性、C/N比(特に
ノイズ)が劣ることが判る。
【0111】
【発明の効果】本発明の強磁性金属粉末は金属部分とそ
の周りに存在する酸化物層とからなる強磁性金属粉末で
あり、金属部分は、平均長径が25〜90nmであり、
その変動係数が25%以下であり、且つ金属部分の平均
針状比は3〜12の範囲にあり、強磁性金属粉末の飽和
磁化σsが90A・m2/kg以上、120A・m2/k
g未満であり、磁気記録媒体としたときの磁性層は、高
Hc成分が少なく平滑であり、耐候性も安定し、更に電
磁変換特性では出力およびC/N比ともに良好であり、
特にノイズが非常に低く特に磁気抵抗型(MR)ヘッド
を再生ヘッドとして搭載しているシステムに適した磁気
記録媒体を提供することができる。

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 強磁性金属粉末は金属部分とその周りに
    存在する酸化物層とからなる強磁性金属粉末であり、前
    記金属部分は、平均長径が25〜90nmであり、その
    変動係数が25%以下であり、且つ金属部分の平均針状
    比が3〜12であり、該強磁性金属粉末の飽和磁化σs
    が90A・m2/kg以上、120A・m2/kg未満で
    あることを特徴とする強磁性金属粉末。
  2. 【請求項2】 支持体上に請求項1記載の強磁性金属粉
    末と結合剤を主体とする磁性層を設けてなる磁気記録媒
    体。
JP2000179929A 2000-06-15 2000-06-15 強磁性金属粉末及びそれを用いた磁気記録媒体 Abandoned JP2001357511A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2000179929A JP2001357511A (ja) 2000-06-15 2000-06-15 強磁性金属粉末及びそれを用いた磁気記録媒体

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2000179929A JP2001357511A (ja) 2000-06-15 2000-06-15 強磁性金属粉末及びそれを用いた磁気記録媒体

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2001357511A true JP2001357511A (ja) 2001-12-26

Family

ID=18681111

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2000179929A Abandoned JP2001357511A (ja) 2000-06-15 2000-06-15 強磁性金属粉末及びそれを用いた磁気記録媒体

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2001357511A (ja)

Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2004292627A (ja) * 2003-03-26 2004-10-21 Mitsubishi Materials Corp 金属ナノロッドと金属ナノロッド含有組成物およびその製造方法並びに用途
JP2005310856A (ja) * 2004-04-19 2005-11-04 Dowa Mining Co Ltd 磁気記録媒体用磁性粉末
JP2007173864A (ja) * 2007-03-15 2007-07-05 Dowa Holdings Co Ltd 磁気記録媒体用の強磁性鉄合金粉末
JP2010251786A (ja) * 2010-06-17 2010-11-04 Dowa Holdings Co Ltd 磁気記録媒体用の強磁性鉄合金粉末

Cited By (7)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2004292627A (ja) * 2003-03-26 2004-10-21 Mitsubishi Materials Corp 金属ナノロッドと金属ナノロッド含有組成物およびその製造方法並びに用途
JP4573153B2 (ja) * 2003-03-26 2010-11-04 三菱マテリアル株式会社 金属ナノロッドと金属ナノロッド含有組成物およびその製造方法並びに用途
JP2005310856A (ja) * 2004-04-19 2005-11-04 Dowa Mining Co Ltd 磁気記録媒体用磁性粉末
JP4677734B2 (ja) * 2004-04-19 2011-04-27 Dowaエレクトロニクス株式会社 磁気記録媒体用磁性粉末
JP2007173864A (ja) * 2007-03-15 2007-07-05 Dowa Holdings Co Ltd 磁気記録媒体用の強磁性鉄合金粉末
JP4625983B2 (ja) * 2007-03-15 2011-02-02 Dowaエレクトロニクス株式会社 磁気記録媒体用の強磁性鉄合金粉末
JP2010251786A (ja) * 2010-06-17 2010-11-04 Dowa Holdings Co Ltd 磁気記録媒体用の強磁性鉄合金粉末

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP2005129115A (ja) 磁気記録媒体
JP2003077116A (ja) 磁気記録媒体
WO2007114394A1 (ja) 磁気記録媒体、リニア磁気記録再生システムおよび磁気記録再生方法
JP3866074B2 (ja) 強磁性金属粉末及びその製造方法並びに磁気記録媒体
US7041398B2 (en) Magnetic recording medium and magnetic recording and reproducing method using the same
US6607807B2 (en) Ferromagnetic metal powder and magnetic recording medium using the same
JP3666688B2 (ja) 磁気記録媒体
JP3473877B2 (ja) 磁気記録媒体
US6689455B2 (en) Method of producing hexagonal ferrite and magnetic recording medium using said hexagonal ferrite
JP4154111B2 (ja) 磁気記録媒体
JP2002260211A (ja) 磁気記録媒体
JP2000149243A (ja) 磁気記録媒体
JP2002074640A (ja) 磁気記録媒体
JP3473875B2 (ja) 磁気記録媒体
JP2002157727A (ja) 磁気記録媒体
JPH11100213A (ja) ヘマタイトの製造方法及び該ヘマタイトを用いた強磁性粉末の製造方法及び磁気記録媒体
JP2002260212A (ja) 六方晶系フェライト及びこれを用いた磁気記録媒体
JP2005251351A (ja) 磁気記録媒体および強磁性金属粉末の製造方法
JP2001357511A (ja) 強磁性金属粉末及びそれを用いた磁気記録媒体
JP2003242624A (ja) 磁気記録媒体
JP3473874B2 (ja) 磁気記録媒体
JP2003119502A (ja) 強磁性金属粉末及びそれを含む磁気記録媒体
JP2003303710A (ja) 強磁性金属粉末及びそれを含む磁気記録媒体
JP2001068318A (ja) 強磁性金属粉末及びそれを用いた磁気記録媒体
JP2004079004A (ja) 磁気記録媒体

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20050825

RD04 Notification of resignation of power of attorney

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A7424

Effective date: 20060324

A711 Notification of change in applicant

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A712

Effective date: 20061124

RD04 Notification of resignation of power of attorney

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A7424

Effective date: 20071108

RD04 Notification of resignation of power of attorney

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A7424

Effective date: 20071115

RD04 Notification of resignation of power of attorney

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A7424

Effective date: 20071122

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20080117

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20080305

A762 Written abandonment of application

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A762

Effective date: 20080408