JP2005251351A - 磁気記録媒体および強磁性金属粉末の製造方法 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】 平均長軸長が30〜65nm、長軸長の変動係数が10〜25%、平均針状比が3.3〜5.5、抗磁力(Hc)が147〜205kA/m、飽和磁化(σs)が85〜130A・m2/kg、及び異方性磁界分布が1.1〜1.7の強磁性金属粉末を磁性層に含むことを特徴とする磁気記録媒体。ゲータイト生成反応後、及びゲータイトへの表面処理後の少なくとも何れかの懸濁液内に存在する微細な粒子を湿式分級する工程を含む、上記強磁性金属粉末を製造する方法。
【選択図】 なし
Description
磁気記録媒体の高記録密度を達成するため、使用する信号の短波長化が強力に進められている。信号を記録する領域の長さが使用されている磁性体の大きさと比較できる程度の大きさになると明瞭な磁化遷移状態を作り出すことができないので、実質的に記録不可能となる。このため使用する最短波長に対し充分小さな粒子サイズの磁性体を開発する必要があり、磁性体の微粒子化、および粒度分布の改良が長年にわたり実施されている。
強磁性金属粉末(いわゆるメタル粒子)の異方性磁界分布と粒子の形状分布が密接に関連することが、岸本らにより研究されている(非特許文献1)。また特許文献1に粒子長、針状比、異方性磁界分布、60℃90%RH7日保存後の減磁を規定したFe、Co、Niを含有する針状強磁性合金粉末が提案されている。そこに例示されているのは粒子長0.2μm、異方性磁界分布2.3〜3.3、Hc1300〜1753Oe(104〜140kA/m)、σs139.8〜161.1A・m2/kgである。最近求められているMRヘッドを使用するような高密度記録媒体用の強磁性合金粉としてHcが不足していること、飽和磁化が高くMRヘッドを飽和させること、粒子体積が大きいことに起因する高ノイズなどの点で好ましくなく、改良された磁性粉が望まれる。
その他、微粒子かつ高Hcメタル磁性体に関する文献としては、特許文献2〜5があるが、異方性磁界分布については検討されていない。また、バリウムフェライト媒体での異方性磁界分布に着目したものに特許文献6がある。
本発明の強磁性金属粉末の製法は、懸濁液内に存在する微細な粒子を湿式分級する工程を含むことを特徴とする。この懸濁液は、ゲータイト生成反応により生じたゲータイトを含む液、またはそのゲータイトを表面処理したものを含む液であり、本発明では、それらの液の少なくとも一方、好ましくは両方の液の湿式分級を行う。
上記懸濁液は、生成反応または表面処理で用いられた溶媒をそのまま含むことが好ましいが、濃縮または乾固したものを用いてもよい。
上記湿式分級の手段としては、粒度分布の狭い(変動係数の小さい)ゲータイトを得ることができるのであれば、特に制限されるものではない。具体的な方法としては、等電点を考慮して懸濁液のpHを調整することが有効であり、例えば、ゲータイト反応後の懸濁液を用いる場合には中性付近とし、表面処理後の懸濁液は、表面処理物の等電点pHと大きな差をつけないようにpH調整し、微細な粒子の沈降を遅らせ、攪拌後静置し、上部の微粒子を含む懸濁液を除き、残渣を濾別し、次いで水で洗浄すること等が挙げられる。その他、湿式分級の手段としては、連続式水簸装置を用いることが挙げられる。
得られたゲータイトは、単分散性に優れるものであり、還元することにより、各々単分散性が維持されたヘマタイト及び強磁性金属粉末が得られる。これらの詳細は後述される。
・支持体上に主として非磁性粉末と結合剤を含む非磁性層を設け、その上に少なくとも1層以上の磁性層を設けること。
・強磁性金属粉末がCoを含有し、Coの含有量が鉄100原子%に対して5〜45原子%であること。
・強磁性金属粉末の元素組成のうちのAl及び希土類元素成分(希土類としてYを含める)が、強磁性金属粉末原料に付与した焼結防止剤としてのAl化合物及び希土類化合物を由来とするものであること。
・強磁性金属粉末全体中に存在する水溶性アニオンの総和が質量基準で0〜50ppm、水溶性カチオンの総和が質量基準で0〜100ppmであること。
・上記強磁性金属粉末を含む磁性層の抗磁力が135〜240kA/mであり、飽和磁束密度×磁性層厚みが10〜100mT・μm、磁性層厚みが0.01〜0.3μm、かつ前記磁性層の表面粗さが3D−MIRAU法による中心面平均表面粗さで1.0〜3.0nmであることを特徴とする磁気記録媒体。
本発明で使用できる上記の強磁性金属粉末には、上記原子以外にAlを含むことが好ましく、強磁性金属粉末全体を基準としてAlを含めて20質量%以下の割合で、Si、S、Ti、V、Cr、Cu、Y、Mo、Rh、Pd、Ag、Sn、Sb、Te、Ba、Sr、W、Au、Pb、Bi、La、Ce、Pr、Nd、P、Mn、Zn、Sr、B、Ca、Mgなどの原子を含んでもかまわない。これらの元素は出発原料の形状制御の他に、粒子間の焼結防止と還元の促進及び還元した強磁性金属粉末の形状と粒子表面の凹凸制御に効果がある。特に強磁性金属粉末の元素組成のうちのAl及び希土類元素成分(希土類としてYを含める)が、強磁性金属粉末製造における未還元材料に焼結防止剤を付与する工程で焼結防止剤として用いるAl化合物及び希土類化合物由来であることが好ましい。この希土類元素としては、Y、Ndが好ましい。
本発明の強磁性金属粉末の製法は、上記構造及び特性が得られるのであれば特に制限されるべきものではないが、具体的には、次の方法が例示される。
粒度がよくそろった出発原料に上記等の焼結防止剤により焼結防止処理を行い、慎重に不純物を除去し、脱水時の熱処理条件を検討し、脱水時の窒素流量を多くし、生成する水蒸気を滞留させることなく系外へ除去する。脱水反応を完了した後、熱処理温度を高くし、ヘマタイトの結晶性を高める。次いで水素還元するときに金属酸化物(例えば、Fe3O4)から金属(例えば、Fe)の核生成数を好ましくは1〜3個に制御する。
出発原料は、上述したように好ましくは焼結防止剤により焼結防止処理を施された後、最終的に金属に還元するためには純水素にて350〜650℃で還元する必要があるが、その還元前に同原料を窒素中、350〜750℃でアニール処理をすることが好ましい。また同原料よりFe3O4、FeO等に還元するときは純水素ではなく各種還元ガスを使用することができる。金属酸化物より金属の核を生成させる時、還元により発生する水を短時間に系外へ除去することあるいは還元により生成する水の量を制御することが好ましい。
強磁性金属粉末の粒子の平均長軸長及び平均針状比を上記とすると磁気記録媒体の表面粗さを小さくすることができる。強磁性金属粉末の粒子の平均長軸長が30nm未満のとき、目的の抗磁力が得られないだけでなく、磁気塗料を作成する時に分散が困難であり、かつ磁場配向しても配向の効果があらわれにくい。また安定化のために形成した酸化膜の影響で高密度記録に必要な高い飽和磁化を確保することが困難になる。強磁性金属粉末の粒子の平均長軸長が65nmを超えると平滑な表面が実現でき難い。
長軸長の変動係数(%)(100×長軸長の標準偏差/平均長軸長)が10〜25%と充分小さく、平均針状比が3.3〜5.5の時、微粒子であっても高HcかつHc分布が小さいので好適である。
本発明の強磁性金属粉末の異方性磁界分布は、1.1〜1.7である。この範囲とすることにより、特に短波長出力に優れ、オーバーライト特性を良好とすることができる。
強磁性金属粉末の水溶性イオンの中で、アルカリ金属、アルカリ土類金属イオンは磁気記録媒体の磁性層内の脂肪酸と反応し、脂肪酸金属塩を形成するので、高温高湿で長期保管した時、磁性層の摩擦係数を増加させたり、磁気記録媒体の再生出力を低下させる原因となることがある。また脂肪酸アルカリ塩は、磁性層等の層内に存在する鉄イオン(ベンゾヒドロキサム酸と鉄錯体を形成するので定量できる)とも反応し脂肪酸鉄を形成する。脂肪酸鉄は粘着性が顕著なので特に摩擦係数を増加させる原因となる場合がある。一方、水溶性アニオンは、硫酸イオン、燐酸イオン、フツ素イオン、塩素イオン、硝酸イオン、亜硝酸イオン等である。これらアニオンが多いと、強磁性金属粉末に作用し、金属鉄をイオン化させやすくしたり、層内の脂肪酸エステルの分解、ウレタンバインダーの分解を促進する。また極性基含有バインダーの粒子表面への吸着を妨げるので分散性を劣化させる傾向がある。さらに金属ヘッド、金属ガイド、金属ガイドポール等を腐食させる傾向がある。
本発明の磁気記録媒体の磁性層中には、本発明の強磁性金属粉末が少なくとも使用されるが、上記以外の強磁性金属粉末を併用することもできる。
これらの潤滑剤は結合剤100質量部に対して通常、0.2〜20質量部の範囲で添加される。
研磨剤を単独で使用するだけでなく、2種類以上の研磨剤を併用することも好適で、微粒子ダイヤモンドの場合は他の研磨剤と併用することで、磁性体に対する添加量を0.1%程度に減少することができる。これら研磨剤の合計量は磁性体100質量部に対して1〜20質量部、望ましくは1〜15質量部の範囲で添加される。1質量部より少ないと十分な耐久性が得られず、20質量部より多すぎると表面性、充填度が劣化する。これら研磨剤は、あらかじめ結合剤で分散処理したのち磁性塗料中に添加してもかまわない。
等が挙げられる。
そして、粉体の形状が特定の場合、例えば、上記粉体サイズの定義(1)の場合は、平均粉体サイズを平均長軸長と言い、(長軸長/短軸長)の値の算術平均を平均針状比という。尚、短軸長とは長軸に直行する軸で最大のものをいう。同定義(2)の場合は平均粉体サイズを平均板径と言い、(板径/板厚)の算術平均を平均板状比という。ここで、板厚とは厚さ乃至高さである。同定義(3)の場合は平均粉体サイズを平均粒子径という。
各データーの変動係数は、(標準偏差/平均値)×100(%)である。
実施例1〜5
炭酸水素アンモニウム30molと、アンモニア水50molを含む混合アルカリ水溶液30L(リットル)を、気泡分散翼を備えた撹拌機付き反応器の中に投入し、300rpmで撹拌機を回転させながら、毎分40Lの流量で窒素ガスを通気しながら40℃に調整する。攪拌を継続しながら、Fe2+として20molを含む硫酸第一鉄水溶液16Lを反応機中に投入して温度を35℃に維持し窒素ガス通気しつつ30分間熟成した。その後Co2+として4.8molを含む硫酸コバルト水溶液4Lを添加し、さらに3.5時間熟成後、反応液の温度を35℃に維持し、1L/分で空気を通気しながら全Fe2+の30%が酸化するまで反応を行った。
次いで、Al3+2.2molを含む硫酸アルミニウム水溶液1Lを添加し、温度を40℃、1L/分で空気を通気しFe2+が100%酸化するまで反応を行った。反応終了時のpHは、8.3であった。
前記ケーキの一部を常法により乾燥、粉砕を行って得られた紡錘状ゲータイト粒子粉末は、紡錘状かつ粒度が均整で樹枝状粒子がないものであった。
その後、フィルタープレスで濾過、水洗し、プレスケーキを得た。得られたプレスケーキを、押出し成型機を用いて孔径3mmの成型板で押出し成型して造粒し、次いで120℃で乾燥した。
前記紡錘状ゲータイト粒子粉末の造粒物を空気中350℃で脱水し、その後、同雰囲気中600℃で加熱脱水して紡錘状ヘマタイト粒子粉末の造粒物を得た。
その後、再び窒素ガスに切り替えて50℃まで冷却し、次いで空気を混合して酸素濃度を0.15vol%とし徐酸化を開始し、1.0vol%まで徐々に増加させた。このとき品温が80℃を超えないように表面酸化処理を行い、1.0vol%で70℃で1時間保持し、粒子表面に表面酸化層を形成して鉄を主成分とする金属磁性粒子の造粒物を得た。
ここに得た鉄を主成分とする強磁性金属粉末は、紡錘状かつ粒度が均整で樹枝状粒子がないものであった。また、該粒子中のCo含有量は全Feに対して24原子%、Al含有量は全Feに対して11原子%、Y含有量は10原子%であった。平均長軸長、長軸長の変動係数、平均針状比、磁気特性、異方性磁界分布を表1に示す。
ゲータイト反応を終了したものに反応後および表面処理後の湿式分級処理1及び2を付与することなく実施例1と同じ条件で強磁性金属粉末を製造した。得られた強磁性金属粉末の特性を表1に示す。
実施例6
炭酸水素アンモニウム20molと、アンモニア水60molを含む混合アルカリ水溶液30Lを、気泡分散翼を備えた撹拌機付き反応器に投入し、毎分300回転の速度で撹拌機を回転させながら、毎分40Lの流量で窒素ガスを通気しながら40℃に調整する。次いでFe2+として20molを含む硫酸第一鉄水溶液16Lを反応器に投入して30分間熟成した後、Co2+として4.8molを含む硫酸コバルト水溶液4Lを添加し、さらに5時間熟成した後、反応液の温度を40℃に維持しつつ1.5L/分の流量で空気を通気しながら全Fe2+の30%が酸化するまで反応を行った。
次いで、Al3+2.4molを含む硫酸アルミニウム水溶液1Lを添加し、反応液の温度を40℃に維持しつつ1.0L/分の流量で空気を通気しながら反応終了まで酸化反応を行った。反応終了時のpHは、8.3であった。
得られたゲータイト粒子含有スラリーを攪拌機つきタンクに移液し蒸留水100Lを追加した。希硝酸を使用して反応液のpHを6.5とし、400rpmで20分間攪拌した。12時間静置し、水面の上部より一部懸濁した水を75L抜き取った後、プレスフィルターを用いて濾別し、イオン交換水にてさらに洗浄してプレスケーキとした(湿式分級処理1)。
前記ケーキの一部を常法により乾燥、粉砕を行って得られた紡錘状ゲータイト粒子粉末は、紡錘状かつ粒度が均整で樹枝状粒子がないものであった。
その後、フィルタープレスで濾過、水洗し、プレスケーキを得た。得られたプレスケーキを、押出し成型機を用いて孔径3mmの成型板で押出し成型して造粒し、次いで120℃で乾燥した。
前記紡錘状ゲータイト粒子粉末の造粒物を空気中300℃で脱水し、その後、同雰囲気中650℃で加熱脱水して紡錘状ヘマタイト粒子粉末の造粒物を得た。
その後、再び窒素ガスに切り替えて50℃まで冷却し、次いで空気を混合して酸素濃度を0.15vol%とし徐酸化を開始し、1.0vol%まで徐々に増加させた。このとき品温が80℃を超えないように表面酸化処理を行い、1.0vol%で70℃で1時間保持し、粒子表面に表面酸化層を形成して鉄を主成分とする金属磁性粒子の造粒物を得た。
ここに得た鉄を主成分とする強磁性金属粉末は、紡錘状かつ粒度が均整で樹枝状粒子がないものであった。また、該粒子中のCo含有量は全Feに対して24原子%、Al含有量は全Feに対して12原子%、Y含有量は10原子%であった。平均長軸長、長軸長の変動係数、平均針状比、磁気特性、異方性磁界分布を表1に示す。
ゲータイト反応を終了したものに反応後および表面処理後の湿式分級処理1及び2を付与することなく実施例4と同じ条件で強磁性金属粉末を製造した。得られた強磁性金属粉末の特性を表1に示す。
炭酸水素アンモニウム30molと、アンモニア水50molを含む混合アルカリ水溶液30Lを、気泡分散翼を備えた撹拌機付き反応器の中に投入し、300rpmで撹拌機を回転させながら、毎分40Lの流量で窒素ガスを通気しながら40℃に調整する。攪拌を継続しながら、Fe2+として10molを含む硫酸第一鉄水溶液16Lを反応機中に投入して温度を30℃に維持し30分間熟成した。その後Co2+として2.4molを含む硫酸コバルト水溶液4Lを添加し、さらに3.5時間熟成した後、反応液の温度を35℃に維持しつつ1L/分で空気を通気しながら全Fe2+の30%が酸化するまで反応を行った。
次いで、Al3+1.2molを含む硫酸アルミニウム水溶液1Lを添加し、温度を35℃、1L/分で空気を通気しFe2+が100%酸化するまで反応を行った。反応終了時のpHは、8.2であった。
前記ケーキの一部を常法により乾燥、粉砕を行って得られた紡錘状ゲータイト粒子粉末は、紡錘状かつ粒度が均整で樹枝状粒子がないものであった。
その後、フィルタープレスで濾過、水洗し、プレスケーキを得た。得られたプレスケーキを、押出し成型機を用いて孔径3mmの成型板で押出し成型して造粒し、次いで120℃で乾燥した。
前記紡錘状ゲータイト粒子粉末の造粒物を空気中350℃で脱水し、その後、同雰囲気中600℃で加熱脱水して紡錘状ヘマタイト粒子粉末の造粒物を得た。
その後、再び窒素ガスに切り替えて50℃まで冷却し、次いで空気を混合して酸素濃度を0.15vol%とし徐酸化を開始し、1.0vol%まで徐々に増加させた。このとき品温が80℃を超えないように表面酸化処理を行い、1.0vol%で70℃で1時間保持し、粒子表面に表面酸化層を形成して鉄を主成分とする金属磁性粒子の造粒物を得た。
ここに得た鉄を主成分とする強磁性金属粉末は、紡錘状かつ粒度が均整で樹枝状粒子がないものであった。また、該粒子中のCo含有量は全Feに対して24原子%、Al含有量は全Feに対して12原子%、Y含有量は10原子%であった。平均長軸長、長軸長の変動係数、平均針状比、磁気特性、異方性磁界分布を表1に示す。
1)本発明における紡錘状ゲータイト粒子粉末、紡錘状へマタイト粒子粉末及び鉄を主成分とする強磁性金属粉末のCo量、Al量、希土類元素量などの金属元素の含有量は、誘導結合プラズマ発光分光分析装置を使用して測定した。
2)粒子粉末のBET比表面積は、カンターソーブ(カンタークロム社製)を使用して、窒素中250℃で30分加熱脱水処理後、BET1点法で測定した値で示した。
4)強磁性金属粉末の磁気特性は、「振動試料磁力計VSM−5」(東英工業(株)製)を使用して、外部磁場796kA/mで測定した。
5)異方性磁界分布は、X、Yの2軸に検出コイルを持つ高感度振動試料型磁力計(東英工業(株)製)を使用し、粉体で測定した。0.9g/mlの詰め率で測定用サンプルを作成し、X軸方向に対し0°でサンプルを796kA/mで飽和し、印加磁界をゼロとしX、Y軸方向の残留磁化を測定する。サンプルをX軸方向に対し10°回転した状態で+7.96kA/m印加し、磁界をゼロとし、サンプルを0°に戻しX、Y軸方向の残留磁化を測定する。再度サンプルを10°回転した状態で磁界を前回印加した強度に+7.96kA/m加えた磁界を印加し、磁界をゼロとし、サンプルを0°に戻しX、Y軸方向の残留磁化を測定する。この操作をプログラムで繰り返させ、印加磁界が398kA/mに達するまで繰り返し、印加磁界に対するY軸方向の残留磁界の差分をプロットする。ピーク付近のデーター20個を用いて2次曲線近似でピークを与える磁界(Hpeak)とピークを算出し、ピークの1/2となる磁界(Hih、Lowh)を計算する。異方性磁界分布は(Hih−Lowh)/Hcで定義する。
〔実施例11〜17、比較例11〜12〕
磁気記録媒体の製造
実施例1〜7、比較例1、2で得られた強磁性金属粉末を使用した重層構成の磁気テープを作成するため以下の磁性層の組成物と下層用非磁性層の組成物を作成した。
(磁性層の組性物)
強磁性金属粉末(表1:使用磁性体の欄参照) 100部
結合剤樹脂
塩化ビニル共重合体 13部
(−SO3Na基を1×10−4eq/g含有、重合度:300)
ポリエステルポリウレタン樹脂 5部
(ネオペンチルグリコール/カプロラクトンポリオール/MDI=0.9/2.6/1、−SO3Na基:1×10−4eq/g含有)
α−アルミナ(平均粒子径:0.13μm) 4部
カーボンブラック(平均粒子径:50nm) 1部
ブチルステアレート 3部
ステアリン酸 3部
メチルエチルケトンとシクロヘキサノン1:1混合溶剤 360部
針状ヘマタイト 80部
(BET法による比表面積 62m2/g、平均長軸長:0.08μm、平均針状比:6、pH:8.6、アルミ処理:Al2O3として1質量%)
カーボンブラック 20部
(平均粒子径:17nm、DBP吸油量:80ml/100g、BET法による表面積:240m2/g、pH7.5)
結合剤樹脂
塩化ビニル共重合体 12部
(−SO3Na基を1×10−4eq/g含有、重合度:300)
ポリエステルポリウレタン樹脂 5部
(ネオペンチルグリコール/カプロラクトンポリオール/MDI=0.9/2.6/1、−SO3Na基:1×10−4eq/g含有)
ブチルステアレート 3部
ステアリン酸 3部
メチルエチルケトンとシクロヘキサノン1:1混合溶剤 280部
各サンプルの特性、性能を以下により測定乃至評価し、結果を表1に示した。
2)磁気特性[Hc、SQ(角型比)、Br(残留磁束密度)]は振動試料型磁力計(東英工業製)を使用し外部磁界796kA/mで配向方向に平行に測定した。
3)表面粗さは、WYKO社(USアリゾナ州)製の光干渉3次元粗さ計「TOPO−3D」を使用し250μm角の試料面積を測定した。測定値の算出にあたっては、傾斜補正、球面補正、円筒補正等の補正をJIS−B601に従って実施し、中心面平均粗さRaを表面粗さの値とした。
4)電磁変換特性の測定法は次の方法によった。
データー記録用8ミリデッキにMIGヘッド(ヘッドギャップ:0.2μm、トラック幅:17μm、飽和磁束密度:1.5T、アジマス角20°)と再生用MRヘッド(SALバイアス、MR素子はFe−Ni、トラック幅:6μm、ギャップ長:0.2μm、アジマス角20°)を搭載した。MIGヘッドを用いて、テープとヘッドの相対速度を10.2m/秒とし、1/2Tb(λ=0.5μm)の入出力特性から最適記録電流を決めこの電流で信号を記録し、MRヘッドで再生した。C/Nは再生キャリアのピークから消磁ノイズまでとし、スペクトルアナライザーの分解能バンド幅は100kHzとした。比較例11を使用したテープに対する特性で比較した。オーバーライト特性の測定は、1/2Tb(λ=0.5μm)の入出力特性から最適記録電流を決めこの電流で1/90Tb(λ=22.5μm)の信号を記録し、1/2Tbでオーバーライトした時の1/90Tbの消去率より求めた。消去率はマイナスの値のほうが、消去特性が優れている。
Claims (2)
- 平均長軸長が30〜65nm、長軸長の変動係数が10〜25%、平均針状比が3.3〜5.5、抗磁力(Hc)が147〜205kA/m、飽和磁化(σs)が85〜130A・m2/kg、及び異方性磁界分布が1.1〜1.7の強磁性金属粉末を磁性層に含むことを特徴とする磁気記録媒体。
- 請求項1記載の強磁性金属粉末を製造する方法において、ゲータイト生成反応後、及びゲータイトへの表面処理後の少なくとも何れかの懸濁液内に存在する微細な粒子を湿式分級する工程を含むことを特徴とする強磁性金属粉末の製造方法。
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